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【発明の名称】 紙ヘラ
【発明者】 【氏名】川崎 実

【氏名】新居 善次

【要約】 【課題】トイレの便器などの複雑な構造の硬質被清掃部分の汚れを効率良く落とすことができると共に、使用後水中に廃棄しても詰まることがない紙ヘラを提供することにある。

【構成】清掃用の紙ヘラであって、ろ水度が450〜750ml(CSF)の100%バージンパルプのみからなり、横長の両側の高さが異なり、内側が空洞になっている山型突出部の麓側の全周に外側に水平に延びる平坦部を有する一体形状にモールド成型されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃用の紙ヘラであって、ろ水度が450〜750ml(CSF)の100%バージンパルプのみからなり、所定の一体形状にモールド成型されていることを特徴とする紙ヘラ。
【請求項2】
前記一体形状が横長の両側の高さが異なり、内側が空洞になっている山型突出部の麓側の全周に外側に所定幅で水平に延びる平坦部を有する形状であることを特徴とする請求項1記載の紙ヘラ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレの便器等の清掃に使用する紙ヘラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トイレの便器等の清掃には各種の清掃具が使用されている。例えば、清掃具の一つとして不織布や紙を用いて便器などの汚れを落とし、使用後に便器中に捨てる場合があるが、その時に使用した不織布や紙の水離解性が悪いと排水管中に詰まって、便器が使用不能になってしまう等の問題が生じていた。なお、前記水離解性とは、水中での繊維のほぐれ性を指す。これらの問題を改善した清掃用パッドが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−6456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記提案されている清掃用パッドは、良好な水離解性を有しているので排水管中に詰まってしまう問題は発生しないが、便器の複雑な構造部分の汚れを落とすのは困難であった。
【0004】
本発明の課題は、トイレの便器等の複雑な構造の硬質被清掃部分の汚れを効率良く落とすことができると共に、使用後水中に廃棄しても詰まることがない紙ヘラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る発明は、清掃用の紙ヘラであって、ろ水度が450〜750ml(CSF)の100%バージンパルプのみからなり、所定の一体形状にモールド成型されていることを特徴とする紙ヘラである。
【0006】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る発明において、前記一体形状が横長の両側の高さが異なり、内側が空洞になっている山型突出部の麓側の全周に外側に所定幅で水平に延びる平坦部を有する形状であることを特徴とする紙ヘラである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の紙ヘラは、清掃用の紙ヘラであって、ろ水度が450〜750ml(CSF)の100%バージンパルプのみからなり、所定の一体形状にモールド成型されており、前記一体形状が横長の両側の高さが異なり、内側が空洞になっている山型突出部の麓側の全周に外側に所定幅で水平に延びる平坦部を有する形状であるので、トイレなどの清掃し難い硬質被清掃部分の汚れを効率良く落とすことができ、使用後水中に廃棄しても詰まることがなく、完全に外に排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の紙ヘラを実施の形態に沿って以下に説明する。図1(a)は本発明の紙ヘラの一実施形態を示す平面図であり、(b)は(a)の長辺側の側面図であり、(c)は(a)のA−A′線拡大断面図であり、(d)は(a)のB−B′線拡大断面図である。
【0009】
紙ヘラ(1)は、横長の両側の高さが異なり、内側が空洞になっている山型突出部(2)の麓側の全周に、外側に水平に延びる平坦部(3)を有しており、図1(a)に示す如
く、全体長さはd1で、右側の広い方の全体幅はd3で、左側の狭い方の全体幅はd4であり、山型突出部(2)の右側の広い方の幅はd5であり、外側に水平に延びる平坦部(3)の左右両側の幅はそれぞれd6であり、平坦部(3)の上下両側の幅はそれぞれd7であり、さらに、図1(b)に示す如く、山型突出部(2)の左側の低い方の高さはh1で、右側の高い方の高さはh2であり、平坦部(3)の厚みはすべてt1であり、図1(c)及び(d)に示す如く、山型突出部(2)の内側には空洞(4)を有している。
【0010】
前記紙ヘラ(1)を清掃時に使用する時は、通常、広い幅の方を手で掴んで狭い幅の方で汚れを落とすが、狭い幅の方を手で掴んで広い幅の方で汚れを落しても構わない。
【0011】
本発明のろ水度とは、JIS K−8121のパルプのろ水度試験方法に規定されているカナダ標準ろ水度試験器を用いて測定した数値のことを指している。
【0012】
前記紙ヘラ(1)は、ろ水度が450〜750ml(CSF)の100%バージンパルプのみからなっている。ろ水度が450ml(CSF)未満のバージンパルプを使用すると、水中に廃棄したときに離解し難く、750ml(CSF)を越えるバージンパルプを使用するとコスト的に高くなってしまう。
【0013】
本発明の紙ヘラは、上記記載のような形状になっているので、清掃し難い硬質被清掃部分の汚れを落とし易く、さらに、ろ水度が450〜750ml(CSF)の100%バージンパルプのみからなっているので、使用後水中に廃棄すれば直ぐに吸水して繊維がほぐれ、柔らかくなるので、詰まることがなく、容易に外に流し出すことができる。
【0014】
本発明の紙ヘラを、以下に具体的な実施例に従って説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
紙ヘラ(1)の材料して、針葉樹を原料とした、ろ水度が600ml(CSF)の晒クラフトパルプのみを用いてモールド成型し、図1に示す形状で、d1が200mm、d2が180mm、d3が29mm、d4が15mm、d5が20mm、d6が10mm、d7が4mm、h1が3mm、h2が10mm、t1が2mmの本発明の紙ヘラを作成した。
【0016】
以下に、本発明の比較用の実施例について説明する。
【実施例2】
【0017】
紙ヘラの材料として、針葉樹を原料とした、ろ水度が600ml(CSF)の晒クラフトパルプに変性デンプンを添加したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、t1が2mmの比較用の紙ヘラを作成した。
【実施例3】
【0018】
紙ヘラの材料として、古紙を再パルプ化したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、t1が1.3mmの比較用の紙ヘラを作成した。
【0019】
〈評価〉
実施例1の本発明の紙ヘラ及び実施例2〜3の比較用の紙ヘラを用いて、紙ヘラの水離解性及び紙ヘラを廃棄した後の水洗トイレの水洗性をそれぞれ以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
(1)水離解性試験
500mlのビーカー中に400mlの水道水と紙ヘラ1本を入れ、マグネチックスターラーで攪拌しながら、完全に離解するまでの時間を測定した。
(2)水洗性試験
紙ヘラを水洗トイレの水溜まり部分に入れ、30秒後、1分後、2分後、3分後に水を流して、スムーズに流れるかどうかを評価した。
【0020】
【表1】


表1に示すように、実施例1の本発明の紙ヘラは、水離解性試験では30秒で完全に離解し、さらに紙ヘラ廃棄後の30秒後には水洗トイレの水洗性が良好であった。一方、実施例2の比較用の紙ヘラは、水離解性試験で離解する時間は180秒と長く、紙ヘラ廃棄後、2分後までは水洗トイレの水洗性は不良であり、実施例3の比較用の紙ヘラは、水離解性試験で離解せず、紙ヘラ廃棄後の水洗トイレの水洗性も不良であった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)は本発明の紙ヘラの一実施形態を示す平面図であり、(b)は(a)の長辺側の側面図であり、(c)は(a)のA−A′線拡大断面図であり、(d)は(a)のB−B′線拡大断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1…紙ヘラ
2…山型突出部
3…平坦部
4…空洞
1…紙ヘラの全体長さ
2…山型突出部の長さ
3,d4…紙ヘラの全体幅
5…山型突出部の広い方の幅
6,d7…平坦部の幅
1,h2…山型突出部の高さ
1…平坦部の厚み
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【出願日】 平成18年7月25日(2006.7.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−23227(P2008−23227A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−201693(P2006−201693)