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【発明の名称】 高周波加熱装置
【発明者】 【氏名】河合 祐

【要約】 【課題】満足のいく焦げ目をつけることのできる高周波加熱装置を提供する。

【構成】誘電損失の小さい材料で形成した被加熱物載置皿11と、前記被加熱物載置皿を載せるレールを該側面に有する加熱室10と、前記加熱室にマイクロ波を放射して被加熱物を加熱する高周波発生手段19とを備え、前記被加熱物載置皿11は、前記マイクロ波の照射により発熱する発熱体12cを底面に備えた金属皿12を上面の所定位置に載置可能な構成としてある。これにより被加熱物載置皿へ金属皿の取り付けの有無によって、被加熱物に誘電加熱のみあるいは、誘電加熱と金属皿からの熱伝導を併用した2種類の加熱方法を選択することができ、かつ金属皿に発熱体を形成することでマイクロ波の照射を減少させ、且つ熱伝導により、効率よく被加熱物の底面から焦げ目をつけることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電損失の小さい材料で形成した被加熱物載置皿と、前記被加熱物載置皿を載せるレールを該側面に有する加熱室と、前記加熱室にマイクロ波を放射して被加熱物を加熱する高周波発生手段とを備え、前記被加熱物載置皿は、前記マイクロ波の照射により発熱する発熱体を底面に備えた金属皿を所定位置に載置可能にした高周波加熱装置。
【請求項2】
被加熱物載置皿はその一方向の面に凹部を設け、当該凹部に金属皿を配置可能とした請求項1記載の高周波加熱装置。
【請求項3】
被加熱物載置皿はその一方向の面に金属皿を設置した際、当該金属皿の底面との間に隙間が形成される構成とした請求項1または2項記載の高周波加熱装置。
【請求項4】
被加熱物載置皿はそのもう一方向の面をフラット形状として上下反転した際に被加熱物を載置できる構成とした請求項1〜3のいずれか1項記載の高周波加熱装置。
【請求項5】
加熱室外部に収納部を備え、当該収納部に金属皿を、加熱室内部に被加熱物載置皿を収納可能にした請求項1〜4のいずれか1項記載の高周波加熱装置。
【請求項6】
金属皿は周囲にフェライトゴムからなる脚部を設けて金属皿の底面部が被加熱物載置皿に接触しない構成とした請求項1〜5のいずれか1項記載の高周波加熱装置。
【請求項7】
金属皿は断面凹凸状に形成するとともにその凹部に複数の孔を設けた請求項1〜6のいずれか1項記載の高周波加熱装置。
【請求項8】
加熱室は天面側に加熱手段を備え、前記加熱手段及び高周波発生手段のいずれかを用いて加熱する請求項1〜7のいずれか項1記載の高周波加熱装置。
【請求項9】
被加熱物載置皿を誘電率の小さい透明の耐熱ガラスで形成した請求項1〜8のいずれか1項記載の高周波加熱装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロ波を吸収することで自ら発熱する発熱体を底面に備えた金属皿を用いて、被加熱物を加熱調理する高周波加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱装置としては、マイクロ波吸収材料が塗布された付属品を備え、付属品の取り付け位置を取り替えて取り付けることで、発熱した付属品の輻射熱で焦げ目をつける調理器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−50466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の加熱装置では、付属品の発熱部が加熱されると同時に、被加熱物へもマイクロ波が照射される。つまり、被加熱物へのマイクロ波の照射量を制限することができない状態で発熱体を加熱しているために、被加熱物の表面側に焦げ目がつく前に内部が加熱されてしまい、満足のいくこ焦げ目付けができるまでにはいたっていなかった。
【0004】
また、付属品への発熱体の塗布の形状を変更することも提案されているが、その都度被加熱物に応じて発熱体の塗布条件が異なる付属品を選定する必要がある。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、満足のいく焦げ目をつけることのできる高周波加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱装置は、誘電損失の小さい材料で形成した被加熱物載置皿と、前記被加熱物載置皿を載せるレールを該側面に有する加熱室と、前記加熱室にマイクロ波を放射して被加熱物を加熱する高周波発生手段とを備え、前記被加熱物載置皿は、前記マイクロ波の照射により発熱する発熱体を底面に備えた金属皿を上面の所定位置に載置可能な構成としてある。
【0007】
上記構成により、被加熱物載置皿へ金属皿の取り付けの有無によって、被加熱物に誘電加熱のみあるいは、誘電加熱と金属皿からの熱伝導を併用した2種類の加熱方法が選択できるとともに、金属皿に発熱体を形成することでマイクロ波の照射を減少させ、且つ熱伝導により、効率よく被加熱物の底面から焦げ目をつけることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、発熱体を設けた金属皿を被加熱物載置皿へ取り付けるか否かの条件を選択して調理することが出来る。つまり、収納に困る大型のアタッチメントを保有しなくても、被加熱物をマイクロ波による加熱のみにするのか、マイクロ波により加熱物を底面より焦げ目をつけながら内部まで加熱するかが選択でき、しかも焦げ目を効率よくつけることができるから、家庭用の調理機器に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、誘電損失の小さい材料で形成した被加熱物載置皿と、前記被加熱物載置皿を載せるレールを該側面に有する加熱室と、前記加熱室にマイクロ波を放射して被加熱物を加熱する高周波発生手段とを備え、前記被加熱物載置皿は、前記マイクロ波の照射に
より発熱する発熱体を底面に備えた金属皿を上面の所定位置に載置可能な構成としてある。
【0010】
これにより被加熱物載置皿へ金属皿の取り付けの有無によって、被加熱物に誘電加熱のみあるいは、誘電加熱と金属皿からの熱伝導を併用した2種類の加熱方法を選択、すなわち、1枚の被加熱物載置皿を保有することで、2種の加熱方法を実現することができるとともに、金属皿に発熱体を形成することでマイクロ波の照射を減少させ、且つ熱伝導により、効率よく被加熱物の底面から焦げ目をつけることができる。
【0011】
第2の発明は、被加熱物載置皿はその一方向の面に凹部を設け、当該凹部に金属皿を配置可能としてあり、金属皿の取り付け位置が安定して被加熱物載置皿と金属皿が一体化し、加熱室から取りだす際も金属皿が移動することなく良好な使い勝手となる。また、マイクロ波加熱のみの場合は金属皿が高温になっていても誘電損失の小さい材料で形成した被加熱物載置皿部分は高温に達していないため、被加熱物載置皿を直接手で持って取り出すことも可能である。
【0012】
第3の発明は、被加熱物載置皿はその一方向の面に金属皿を設置した際、当該金属皿の底面との間に隙間が形成されるようにしたものであり、マイクロ波で加熱された発熱体が、誘電損失の小さい材料で形成した被加熱物載置皿に接しないため、伝熱による放熱を防止できる。また条件によっては、セラミック製の被加熱物載置皿が断熱材の働きとなることもある。よって金属皿をより高温化でき、焦げ目をより効果的につけることができる。
【0013】
第4の発明は、被加熱物載置皿はそのもう一方向の面をフラット形状として上下反転した際に被加熱物を載置できる構成としてあり、上下反転させて使用すると、フラットな面が出現するから、狭い空間で皿などの食器入った被加熱物を加熱する際にも誘電損失の小さい材料で形成した皿を用いることができる。
【0014】
第5の発明は、加熱室外部に収納部を備え、当該収納部に金属皿を、加熱室内部に被加熱物載置皿を収納可能な構成にしてあり、誘電損失の小さい材料で形成した被加熱物載置皿を加熱室底面に設置することで使用し、軽量で小型の金属皿を効果的に収納保管できる。
【0015】
第6の発明は、金属皿は周囲にフェライトゴムからなる脚部を設けて金属皿の底面部が被加熱物載置皿に接触しない構成としてあり、これにより、金属皿の熱が被加熱物載置皿に伝わるのを大幅に抑制でき、効率よく焦げ目付け調理をすることが出来る。また、調理台やテーブルなどに置いた際に、金属皿底面部との空間距離が確保でき、調理台やテーブルなどを傷めることを防止できる。
【0016】
第7の発明は、金属皿は断面凹凸状に形成するとともにその凹部に複数の孔を設けた構成としてあり、金属皿で肉などの被加熱物を調理した際に不要な脂など出た場合、この脂は凹部に移動し、さらに孔から被加熱物載置皿へ落下する。マイクロ波で加熱する場合は、被加熱物載置皿は、金属皿より昇温レベルが低くなるため、油脂の発煙量を減少させることができる。また、孔から被加熱物載置皿へ落下した油脂は、周囲が囲われていることで、加熱室壁面への飛散量も低減する。
【0017】
第8の発明は、加熱室は天面側に加熱手段を備え、前記加熱手段及び高周波発生手段のいずれかを用いて加熱する構成としてあり、マイクロ波で金属皿を発熱させながら被加熱物を加熱するか、天面の加熱手段を用いて被加熱物を加熱すると、被加熱物の内部への加熱を抑制しながら、下面或いは両面に焦げ目をつける調理を行うことが出来る。一方、金属皿を用いずにマイクロ波で加熱物を加熱するか、天面の加熱手段を用いて被加熱物を加
熱すると、上面に焦げ目を付ける調理、あるいは焦げ目をつけない加熱が出来る。
【0018】
第9の発明は、被加熱物載置皿を誘電率の小さい透明の耐熱ガラスで形成したものであり、被加熱物載置皿を加熱室の上方側に配置して調理する場合、特に金属皿の断面を凹凸の断面にし、孔を設けた場合は、被加熱物から落下する脂や水分などが判別できる。また金属皿を用いない場合は被加熱部の底部の状態が確認でき、使い勝手が向上する。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は本発明に係る被加熱物載置皿及び金属皿の断面図、図2、図3は被加熱物載置皿及び金属皿の斜視図、図4、図5は高周波加熱装置の概略構成図である。
【0021】
図1〜図3において、11は被加熱物を加熱する際に用いる透明な耐熱ガラス製の被加熱物載置皿であり、12は金属皿である。被加熱物載置皿11は載置面の裏側(A)および表側(B)がともに使用できるようになっている。表側にはその中央部に凹状部11aが設けられており、金属皿12が略固定して納まるように構成している。
【0022】
金属皿12は、断面が凹凸状の鉄或いはアルミニウムを主成分とする皿本体12aと、その上面に被覆された弗素樹脂12bと、その下面に貼り付けられたフェライトを主成分とするマイクロ波吸収発熱体12cと、皿本体12aの長手側周囲に設けられた耐熱樹脂で形成されたガイド12dで構成され、ガイド12dには、金属皿12を単体で調理台などにおく際に、高温となる部分が直接触れないように脚部12eが設けられている。また金属皿12の凹部にはマイクロ波を通過しない形状の複数の貫通孔12fが設けられている。また、金属皿12を凹状部11aに設置した場合は、ガイド12d、脚部12eが被加熱物載置皿11に当接するため、皿本体12a及び発熱体12cが被加熱物載置皿11とは非接触になる構成となっている。
【0023】
次に高周波加熱装置の構成について、図4を用いて説明する。図4は金属皿12を用いる場合、図5は用いない場合をそれぞれ示す高周波加熱装置の概略構成図である。
【0024】
加熱室10は金属材料から構成された金属境界部である右側壁面10a、左側壁面10b、奥壁面13、上壁面14、底壁面15及び、被加熱物を加熱室10内に出し入れする開閉壁面である開閉扉(図示せず)により略直方体形状に構成され、給電された高周波をその内部に実質的に閉じ込めるように形成している。底壁面15には断面が略四角形の絞り部17を設け、絞り部17の略中央部には加熱室10内に給電する高周波の励振部18が設けられている。
【0025】
また、19は加熱室10に高周波を発生する高周波発生手段であるマグネトロン、20はマグネトロン19が発生した高周波を励振部18に導く導波管である。励振部18には導波管20内に延在し導波管20を伝送してきた高周波と結合するアンテナ21を設け、このアンテナ21の一端は電波放射手段22と接続している。またアンテナ21の他端は電波放射手段22を回転駆動させる駆動手段であるモータ23の出力軸を挿入組立てしている。
【0026】
電波放射手段22は平面から見て扇型形状とし、扇型形状の両サイドには折り曲げ部を設けその折り曲げ方向への高周波の伝搬を抑制し折り曲げ部のない方向に高周波を伝送させる構成としている。この電波放射手段22はモータ23を駆動させることで扇型の上面が絞り部17の底面に略平行に回転駆動する。また、絞り部17の開口部には電波透過材
料、たとえばガラス系やセラミックス系の材料からなる封口手段24を設けている。またモータ23の出力軸の回転位置を識別する位置識別手段25及びモータの回転速度を制御する回転数制御手段26を設けている。
【0027】
被加熱物載置皿11は、加熱室10の左右壁面10a、10bに設けられたレール部16に載せることで取り付けられる。さらに、レール部16は、被加熱物載置皿11の設置位置を調整するために異なる高さのレールが設けられている。
【0028】
加熱室10の上方には加熱ヒータ27が、マイカなどの絶縁体(図示せず)を介して上壁面14に取り付けられている。加熱室10の上方側には金属皿を収納する収納部28が設けられている。普段、マイクロ波で被加熱物を加熱する際は、この収納部28内部の係止レール29に係止した状態で収納され、必要時に簡単に取り出して使用することができる。
【0029】
加熱室10の後方側にはコンベクションヒータユニット(図示せず)が設けられている。コンベクションヒータユニットは加熱室内10の空気を攪拌するファン(図示せず)と、ファンを回転駆動するモータ(図示せず)と、ファンの周囲に位置するシーズヒータ(図示せず)で構成されている。尚、コンベクションヒータユニットは加熱室10内の空気を吸排気するパンチング孔(図示せず)を奥壁面13に多数備えている。31は加熱室10内の温度を検知するサーミスタである。
【0030】
32は蒸気発生手段であり、水を貯留する給水タンク32aと、給水タンク32aの水を加熱室10内に設けられた水受け皿32bに搬送するポンプ32cと、水受け皿32b内の水を加熱して蒸発させるダイキャストヒータ32dと、ダイキャストヒータ32dの温度を検知するサーミスタ(図示せず)と、水受け皿32bの上方に設置され蒸気を通過する孔を備えたセラミック製のカバー(図示せず)が備えられている。
【0031】
33は温度検出手段である赤外線センサであり、加熱室の奥壁面13の上方に設けた孔30を介して被加熱物載置皿11、金属皿12の表面あるいは、加熱室の底面の表面(封口手段24)を温度検出領域としている。なお、この赤外線センサ33は複数の検出素子(例えば4素子、8素子)で構成し加熱室10の前後方向に首振りして載置皿11や加熱室10の底面(封口手段24)の全域を温度検出領域とする構成が望ましいが、単素子構成として左右方向とそれに対する垂直方向の2軸可動とした構成にしても構わない。
【0032】
34はマグネトロン19を駆動するインバータ駆動電源部、35は装置全体の動作を制御する制御手段である。赤外線センサ33が検出した信号は制御手段35に入力させている。制御手段35は、操作部(図示せず)から入力された情報、赤外線センサ31および位置識別手段25からの信号に基づいて、インバータ駆動電源部34の動作および電波放射手段22を回転駆動するモータ23の動作を制御して加熱室10内に収納された被加熱物を誘電加熱するなど、上記した構成部品の制御を司っている。
【0033】
次に、以上の構成からなる本発明の高周波加熱装置の動作と作用について説明する。
【0034】
まず、被加熱物を再加熱あるいは解凍する場合は図5に示すように、予め加熱室内10に設置した被加熱物載置皿11のフラットな面(A)を上向きに封口手段24の上にセットした状態で、被加熱物を被加熱物載置皿11上に載せ、開閉扉16を閉めた状態で、所定の操作を行うと、制御手段35が動作し、モータ23を動作、位置識別手段25により、アンテナ21の向きを判定或いは原点位置を設定し、アンテナ21、電波放出手段22が回転する。そして、インバータ駆動電源部34、マグネトロン19が動作し、マイクロ波が発生、導波管20、励振部18を経て、電波放出手段22から、セラミックなどで形
成された封口手段24、被加熱物載置皿11を通過して加熱室10内部に照射され、被加熱物が加熱される。被加熱物の温度検知手段である赤外線センサ33は被加熱物の温度が所定温度になったことを検知するとマグネトロン19の動作を停止する。
【0035】
次に、上面に焦げ目を付けながらマイクロ波の加熱を併用する調理の場合は、被加熱物載置皿11を封口手段24の上から取り出し、上下反転させ、被加熱物をフラットな面(A)に載せ、被加熱物の大きさに応じて所定高さのレール部16に載せる。開閉扉を閉めた状態で、所定の操作を行うと、制御手段35が動作し、前記同様、加熱室10内部にマイクロ波が照射される。この際、マイクロ波は被加熱物載置皿11を透過し、被加熱物全周からマイクロ波が照射される。その後、所定時間或いは、被加熱物が所定温度になったことを検知すれば、マグネトロン19の動作が停止、加熱ヒータ27が動作し、被加熱物上面から輻射熱により加熱し焦げ目がつくようになる。その後、所定時間或いは、サーミスタ31で検知する庫内の所定位置の雰囲気温度が所定温度になれば、加熱ヒータ27の動作が停止する。
【0036】
この際、被加熱物載置皿11を透明な耐熱ガラスで形成しているため、被加熱物の下方側から調理状態を確認することができるため、被加熱物の調理状態を見て加熱時間を調整することも可能である。
【0037】
なお、焦げ目をつけるにはコンベックションヒーターなどを用いてもよい。マイクロ波及び加熱ヒータ27の制御アルゴリズムは上記限りではない。
【0038】
次に、上下面に焦げ目を付けながらマイクロ波で内部加熱調理する場合は、図4に示すように被加熱物載置皿11を封口手段24の上から取りはずし、上下反転させる。さらに収納部28のレール部に係止している金属皿12を取りだし、被加熱物載置皿11の凹部を備えた面(B)に金属皿12を設置し、金属皿12上に被加熱物を載せ、被加熱物の大きさに応じて所定高さのレール部16に載せる。開閉扉を閉めた状態で、所定の操作を行うと、制御手段35が動作し、前記同様、加熱室10内部にマイクロ波が照射される。この際、マイクロ波は被加熱物載置皿11を透過するが、金属皿12では透過せず、反射する。金属皿12底面に貼り付けたフェライトを主成分とする発熱体12cはマイクロ波が照射されると高温に発熱し、その熱エネルギーが皿本体12aに伝熱され、被加熱物の下面に焦げ目を付ける。
【0039】
また、マイクロ波は被加熱物の側面及び上面から入射し、被加熱物内部を加熱するこのため、被加熱物の温度が上がりやすく、短時間で焦げ目がつきやすい。その後、所定時間或いは、被加熱物が所定温度になったことを検知すれば、マグネトロン19の動作が停止、加熱ヒータ27が動作し、被加熱物上面から輻射熱により加熱し焦げ目がつくようになる。その後、所定時間或いは、庫内の所定位置の雰囲気温度が所定温度になったことを検知すれば、加熱ヒータ27の動作が停止する。
【0040】
この際、被加熱物と接する金属皿12の表面積は、被加熱物載置皿11より小さすることが出来るため、金属皿12の表面からの放熱量を少なくすることが出来るとともに、金属皿12と被加熱物載置皿11の凹部11aと隙間を設けているため、伝熱によるロスを防いでいる。また、発熱体の量を少なく、かつ放熱面積を小さくすることが出来るため、短時間で所定温度に加熱することもできる。
【0041】
また、金属皿12の断面形状を凹凸状にしているため、被加熱物がとり肉や魚などの場合は、被加熱物から出た油分や水分の再付着を防止できる。さらに金属皿12に貫通孔12fを設けることで分離を促進できるだけでなく、分離することで金属皿12上の負荷量が減少し、発熱体の温度を高温に維持することができる。
【0042】
また各種調理モードで、蒸気を発生することも可能である。蒸気発生手段32を動作させると、給水タンク32aの水がポンプ32cにより、水受け皿32bに供給され、ダイキャストヒータ32dで加熱されて蒸気が発生するようになる。発生した蒸気はカバーの孔より発生し加熱室10内に供給される。この際、被加熱物載置皿27が上方に設置されているが、その周囲にスリット孔を設ける等しておけば当該スリット穴より加熱室上方に上記が流れ込む。この際、被加熱物の温度が低ければより被加熱物表面に結露し、その凝縮熱が被加熱物に作用させることもできる。
【0043】
さらに蒸気発生の動作を説明すると、ダイキャストヒータの通電により、水受け皿内の水が蒸発し、水量が減少するとダイキャストヒータ自身も昇温する。このようになれば、ポンプ32cを動作させ給水動作を行う。この動作を繰り返し行うことで蒸気を被加熱物に作用させることができる。
【0044】
尚、本実施例において、電波放射手段22を所定位置に固定して、マイクロ波を発生させることで指向性を持たせることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明にかかる高周波加熱装置は、マイクロ波の加熱及び、上面への輻射熱を有効に使う調理法に加え、下面へのマイクロ波の抑制をしつつ伝熱による加熱が効率よく行え、満足のいく焦げ目付けも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態1における被加熱物載置皿及び金属皿の断面図
【図2】同装置の被加熱物載置皿及び金属皿の分解斜視図
【図3】同装置の被加熱物載置皿の斜視図
【図4】同装置の金属皿を用いた場合の概略構成図
【図5】同装置の金属皿を収納している場合の概略構成図
【符号の説明】
【0047】
10 加熱室
11 被加熱物載置皿
11a 凹部
12 金属皿
12a 皿本体
12c マイクロ波吸収発熱体
12d ガイド
12e 脚部
12f 貫通孔
16 レール部
19 マグネトロン(高周波発生手段)
20 導波管
21 アンテナ
22 電波放射手段
24 封口手段
27 加熱ヒータ(加熱手段)
28 収納部
29 レール部

【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【識別番号】100109151
【弁理士】
【氏名又は名称】永野 大介


【公開番号】 特開2008−67997(P2008−67997A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−251050(P2006−251050)