| 【発明の名称】 |
炊飯器 |
| 【発明者】 |
【氏名】安藤 俊平
【氏名】大矢 弘
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| 【要約】 |
【課題】鍋内の米、水の加熱において不足する上方からの加熱を行い、かつ上方の乾燥を防止する炊飯器において、蓋加熱板に水が供給されない、もしくは炊飯途中で蓋加熱板に貯溜される水がなくなった場合でも、蓋加熱板の温度上昇による鍋内上層の飯の乾燥を低減することで、食味を向上させ、また加熱により蓋や蓋加熱手段などが温度上昇して変形や故障することがない炊飯器を提供すること。
【構成】水有無検知手段44が蓋加熱板29に貯えられた水の有無を検知した情報を基に、水が有る場合と水が無い場合それぞれの炊飯プログラムを設けることにより、蓋加熱板29に水が供給されない、もしくは炊飯途中で蓋加熱板29に貯溜される水がなくなった場合でも、蓋加熱板29の温度上昇による鍋22内上層の飯の乾燥を低減することで、食味を向上させ、また加熱により蓋23や蓋加熱手段34などが温度上昇して変形や故障することをなくした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の開口部を覆う蓋と、前記鍋内を上方から加熱する蓋加熱板と、前記蓋加熱板を加熱する蓋加熱手段と、前記蓋加熱板には水を貯えこの水を蒸気に生成する蒸気発生部と、前記生成した蒸気を加熱する蒸気加熱部と、前記蓋加熱板に貯えられた水の有無を検知する水有無検知手段とを備え、前記水有無検知手段が前記蓋加熱板に貯えられた水の有無を検知した情報を基に、水が有る場合と水が無い場合それぞれの炊飯プログラムを設けた炊飯器。 【請求項2】 前記水有無検知手段は、温度検知手段により構成された請求項1に記載の炊飯器。 【請求項3】 所定の工程において所定の時間以内に前記温度検知手段による検知温度が所定の温度を超えたときに水が無いと判断する請求項2に記載の炊飯器。 【請求項4】 炊き上げ終了時に前記温度検知手段による検知温度が所定の温度以下の場合に水が無いと判断する請求項2に記載の炊飯器。 【請求項5】 水が有る場合および水が無い場合の報知手段を備えた請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、食味を向上させるために、水の沸点以上の蒸気を利用する炊飯器に関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般的な家庭用の炊飯器においては、鍋内の米と水を加熱するために鍋底部に配置した鍋加熱手段が主であり、蓋内の加熱手段は鍋内の米、水の上方の空間を介するため、結果的に、補助的な加熱となる。よって、鍋内上層の米は加熱量が不足し、鍋内の米、水を均一な加熱をすることができなかった。 【0003】 さらに、本来炊飯においては、水がほぼ無くなり米の流動性がなくなる、炊飯の最終工程である、蒸らし工程で、それまでの加熱を継続し、米澱粉の糊化を完成させることが、美味なる飯を炊くために必須であるが、この工程で、加熱を継続すると鍋底付近の米飯が焦げてしまうため加熱を弱めることが多かった。 【0004】 加熱を弱めることに伴う糊化不足を防止し、食味を向上させるための手段としては、蓋内にあらかじめ水を貯留し前記水から蒸気を発生させ上部の加熱を促進する炊飯器が提案されている。 【0005】 図11に、特許文献1の構成を示す。図11において、炊飯器1は着脱自在に鍋2を収納するため、有底筒状の鍋収納部を有す。鍋収納部の底部には、鍋加熱手段3として鍋2を誘導加熱する鍋加熱コイルが設けられている。4は底温度センサーで、鍋2の底面と当接するよう構成されている。5は鍋側面加熱手段で、鍋2の側面を誘導加熱する鍋側面加熱コイルが設けられている。制御手段6は炊飯器1の動作を制御する。 【0006】 また、炊飯器1の後部のヒンジ部に設けたヒンジ軸(図示は省略)にて軸支され、鍋2の上部を開閉する蓋7を備えている。蓋7には蓋加熱板8が設けてあり、蓋加熱手段9として蓋加熱板8を誘導加熱する蓋加熱コイルが設けられている。蓋加熱板8は蓋加熱板蒸気口11を有しており、蓋7の天面には蓋蒸気口12が設けられ、鍋2の内部は機外と連通し、大気圧となっている。蒸気口パッキン13は、蓋加熱板8と蓋7に挟持されており、鍋パッキン14は、蓋7の閉時に蓋加熱板8と鍋2の上縁外周部にあるフランジ部の間で挟持されている。 【0007】 また、蓋加熱板8上には、水を貯溜するとともに、蓋加熱手段9の加熱により蓋加熱板8から熱を供給されて、蒸気を生成する蒸気発生部10が、蓋加熱板8と蓋7に挟持されている。蒸気を生成する水を収納する給水容器15と、給水容器15上部を開閉する給水容器蓋16とが、蓋加熱板8、特に蒸気発生部10の上方に配置されている。 【0008】 また、蒸気発生部10で発生した蒸気は、蓋加熱板8の表面において、蒸気パッキン10aに囲われた空間領域を蒸気投入口10bへと移動し、鍋2の内部へと投入される。蓋加熱板8は全体が所定の高温度に維持されており、特に蒸気の通過部分を高温度にすることで、蒸気温度を100℃に維持し、さらに100℃以上の高温蒸気を生成することができる。 【特許文献1】特開2005−160917号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 しかしながら、上記の従来の構成の炊飯器では、使用者が誤って給水容器に水を入れないと蓋加熱板に貯溜される水がなく、また十分な水を供給しないと、炊飯途中でなくなってしまい、蓋加熱板の温度上昇により、鍋内上層の飯の水分が蒸発して乾燥し、逆に食味を低下させる恐れがある。また、蓋や蓋加熱手段などが温度上昇して変形や故障する恐れがあるという課題を有していた。 【0010】 本発明は、前記従来の課題を解決するもので、蓋加熱板に水が供給されない、もしくは炊飯途中で蓋加熱板に貯溜される水がなくなった場合でも、蓋加熱板の温度上昇による鍋内上層の飯の乾燥を低減することで、食味を向上させ、また加熱により蓋や蓋加熱手段などが温度上昇して変形や故障することがない炊飯器を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明は、上記課題を解決するもので、鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の開口部を覆う蓋と、前記鍋内を上方から加熱する蓋加熱板と、前記蓋加熱板を加熱する蓋加熱手段と、前記蓋加熱板には水を貯えこの水を蒸気に生成する蒸気発生部と、前記生成した蒸気を加熱する蒸気加熱部と、前記蓋加熱板の温度検知をするための加熱板温度検知手段と、前記蓋加熱板に貯えられた水の有無を検知する水有無検知手段とを備え、前記水有無検知手段が前記蓋加熱板に貯えられた水の有無を検知した情報を基に、水が有る場合と水が無い場合それぞれの炊飯プログラムを設けたものである。 【発明の効果】 【0012】 本発明の炊飯器は、鍋内の米、水の加熱において不足する上方からの加熱を行い、かつ上方の乾燥を防止する炊飯器において、蓋加熱板に水が供給されない、もしくは炊飯途中で蓋加熱板に貯溜される水がなくなった場合でも、蓋加熱板の温度上昇による鍋内上層の飯の乾燥を低減することで、食味を向上させ、また加熱により蓋や蓋加熱手段などが温度上昇して変形や故障することがなくなり、より信頼性の高い炊飯器を提供するものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 第1の発明は、鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の開口部を覆う蓋と、前記鍋内を上方から加熱する蓋加熱板と、前記蓋加熱板を加熱する蓋加熱手段と、前記蓋加熱板には水を貯えこの水を蒸気に生成する蒸気発生部と、前記生成した蒸気を加熱する蒸気加熱部と、前記蓋加熱板は前記蓋加熱板の温度検知をするための蓋加熱板温度検知手段と、前記蓋加熱板に貯えられた水の有無を検知する水有無検知手段を備え、前記水有無検知手段が前記蓋加熱板に貯えられた水の有無を検知した情報を基に、水が有る場合と水が無い場合それぞれの炊飯プログラムを設けることにより、炊飯途中で蓋加熱板に貯溜される水がなくなった場合には、水が無い場合に適した炊飯プログラムを動作させることにより、蓋加熱板の温度上昇による鍋内上層の飯の乾燥を低減し、食味を向上させるとともに、加熱により蓋や蓋加熱手段が温度上昇して変形や故障することをなくした炊飯器を提供することができる。 【0014】 第2の発明は、特に、第1の発明の水有無検知手段を温度検知手段で構成したことにより、蓋加熱板に貯溜される水の有無を検知するだけでなく、貯溜されている水の温度を検知することができる。よって、蓋加熱板に貯溜される水を沸騰する100℃直前まで、上昇させた状態で保持して、蒸気を鍋内に投入するタイミングに合わせて蒸気を投入できるので、食味をさらに向上した炊飯器を提供することができる。 【0015】 第3の発明は、特に、第2の発明の水有無検知手段を、所定の工程において所定の時間以内に前記温度検知手段により検知された温度が所定の温度を超えたときに水が無いと判断するとしたことにより、蓋加熱板の温度に応じて、より精度の高い水有無検知を行うことを可能とした、より信頼性の高い炊飯器を提供することができる。 【0016】 第4の発明は、特に、第2の発明の水有無検知手段を、炊き上げ終了時に前記温度検知手段により検知された温度が所定の温度以下の場合に水が無いと判断するとしたことにより、水が無い場合に、蓋加熱手段により蓋加熱板を加熱することなく、水有無検知を行うことができ、蓋加熱板の温度上昇による鍋内上層の飯の乾燥をさらに低減し、食味を向上させるとともに、加熱により蓋や蓋加熱手段が温度上昇して変形や故障することをさらになくすことがきる、また、前記温度検知手段が、異常により、低い温度を検知した場合にも、水が無い場合の炊飯プログラムを動作させ、加熱により蓋や蓋加熱手段が温度上昇して変形や故障することがなくなり、より信頼性の高い炊飯器を提供することができる。 【0017】 第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明は水有無検知手段による検知された水有無の情報の表示手段を備えたことにより、使用者に水の供給が行われていないことを報知し、次回以降の炊飯において水が供給されないまま炊飯を行わないように促すことで、食味を向上させ、蓋や蓋加熱手段の過度の温度上昇を低減した、信頼性の高い炊飯器を提供することができる。 【0018】 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。 【0019】 (実施の形態1) 図1は本発明の第1の実施の形態における炊飯器の断面図を示すものである。図面を簡潔にするために、電気的接続のためのリード線や水の給水経路等は省略してある。 【0020】 図1において、21は炊飯器の本体で、着脱自在の鍋22を内装している。さらに鍋22の上面を覆う蓋23が開閉自在に設置されている。また24は鍋22を加熱する鍋加熱手段、鍋22の温度を検知する鍋温度検知手段25を本体21内部に配置している。 【0021】 蓋23には蒸気となる水を蓄える給水タンク27が着脱自在に取り付られており、ポンプ28は給水タンク27に接続され、前記水を蓋23の下面を構成し鍋22上面に位置し着脱自在に設けられたステンレス製の蓋加熱板29に供給する。前記蓋加熱板29には水を貯留する凹部状の蒸気発生部30を備えている。32は水が加熱され水蒸気になり鍋22内に前記水蒸気を供給する蒸気噴出口で前記蒸気発生部30と対角の位置に設けられている。 【0022】 33は、蓋23の下面に位置し、前記蓋加熱板29に対向して設けた蓋カバー、34は前記蓋カバー33内に設けられた前記蓋加熱板29の中心の略真上に中心を有する蓋コイルからなる蓋加熱手段である。また前記蓋加熱手段34は、前記蓋加熱板29の蒸気発生部30の凹部形状に合わせて蓋加熱手段34も凹部形状を形成する。 【0023】 37は回路基板である。回路基板37にはマイクロコンピュータ(図示しない)が搭載されている。マイクロコンピュータはソフトウエアにより、鍋加熱手段24及び蓋加熱手段34を制御する。 【0024】 42は蓋カバー33の外周部に設けられたパッキンで、前記蓋加熱板29、蓋カバー33、パッキン42により蒸気加熱部43を構成する。 【0025】 44は前記蓋加熱板29の蒸気発生部30に貯留された水の有無を検知する水有無検知手段である。 【0026】 以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を説明する。 【0027】 まず、炊飯を行う米とその米量に対応する水を鍋22に入れ、本体21の所定の状態に内装する。さらに給水タンク27内に所定量の水を入れ本体21にセットし、炊飯開始スイッチ(図示せず)を使用者が操作すると、所定のプログラムにしたがって、ポンプ28を駆動し給水タンク27に入れた水を蒸気発生部30に貯留させるとともに、炊飯工程が実施される。炊飯工程は、浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程で進行していく。蒸気発生部30に貯留された水は炊飯中に発生する蒸気の潜熱により蓋加熱板29の蒸気発生部30で熱交換され、炊き上げ工程後半には、沸騰状態となる。 【0028】 蒸らし工程にはいると、蓋加熱手段34により蓋加熱板29は加熱され、沸騰状態にある水の一部が直ちに蒸発し蒸気を出す。この蒸気が蒸気加熱部43を通過する間に前記蓋加熱板29より加熱され100℃以上の過熱蒸気となり、蒸気噴出口32より鍋22内に放出される。 【0029】 ここで炊飯開始時に鍋に入れた水が米に吸水、蒸発してほとんど無くなった状態となる。しかし、鍋22内の底部に水分が多く残留する傾向がある。その余分な水分を除去することと米の糊化を促進させるために、蒸らし工程においても鍋22を加熱する。しかしながら水分が少ないため、鍋22底から加熱すると鍋22の加熱される面付近の米は焦げる。また鍋22上面の米は水分の蒸発が活発となるので乾燥しやすい状態となる。したがって蒸らし工程においても上面からの蒸気による加熱を行うことで、鍋全体の加熱の局部的な温度上昇と上面とその近傍の米の乾燥を防止することができるものである。 【0030】 鍋22内へ放出された蒸気は蓋加熱手段34により高温に維持された蓋加熱板29により高温蒸気へと加熱され鍋22内の米と水を加熱することとなるので炊飯工程に応じた細やかでより炊飯に適した蒸気発生制御を行うことができ、おいしい飯を炊き上げることができる。 【0031】 水有無検知手段44は光が水の有無によって変る屈折を利用して、蒸気発生部30の水の有無を検知する。 【0032】 使用者が所定量より少ない水を給水タンクに入れて炊飯開始スイッチを操作した場合、蓋加熱手段34によって、蒸気発生部30に貯溜された水は沸騰し、工程途中で水がなくなったことを水有無検知手段44により、あるいは使用者が給水タンクに水を入れ忘れた場合も同様に水有無検知手段44により水がないことを検知し、水が無い場合に適した炊飯プログラムを動作させる。 【0033】 以上のように、本実施の形態においては、水有無検知手段44が蒸気発生部30の水がないことを検知すると、水が無い場合に適した炊飯プログラムを動作させることにより、蓋加熱板29の温度上昇による鍋22内上層の飯の乾燥を低減し、食味を向上させるとともに、蓋加熱板29に隣接する蓋カバー33、蓋加熱手段34である蓋コイルの過度の温度上昇を抑制し、変形や故障の恐れを防止することができる。 【0034】 (実施の形態2) 図2〜図5は本発明の第2の実施の形態における炊飯器の断面図、蓋加熱板の一部斜視図、温度検知手段の断面図、蓋加熱手段の平面図である。実施の形態1と同一部分は同一符号を付して説明を省略し、相違点についてのみ説明する。 【0035】 図2、図3において、蒸気発生部30は凸部31により2分割されている。また、蒸気発生部30には、5°の傾斜が設けられ炊飯器が傾斜したところに置かれて且つ水が少なくなったときでも、常に水が所定位置に貯留するようにしている。 【0036】 蓋加熱手段34には誘導コイルからなる補助加熱手段34Aが直列に接続されており、前記凸部31上を加熱する位置に設けられている。 【0037】 35はフェライトで蓋加熱手段34の上で且つ投影位置で蒸気発生部30の位置に設けている。蓋加熱手段34及びフェライト35の上にはアルミニウム製の蓋反射板36を配置している。 【0038】 38は温度検知手段で前記蓋カバー33に取り付られている。図4において、温度検知手段38は、温度により抵抗値を変える蓋サーミスタ39と前記蓋サーミスタ39の後方から出ている2本のサーミスタリード線39Aを貫通するサーミスタ碍子39Bが前記サーミスタ39のガラス部と溶着されている。前記サーミスタリード線39Aの外周には絶縁チューブ39Cが設けられ、サーミスタリード線39A同士の短絡を防止している。蓋サーミスタ39の外周には蓋サーミスタ39を保持し且つ有底筒状のアルミニウムやステンレスでできたコンタクト40に内装されている。蓋サーミスタ39の先端は、ポリイミドフィルム等の樹脂製のフィルムでできた41絶縁フィルムを介してコンタクト40の底面部に当接している。サーミスタ39の側面外側には、樹脂製のホルダー42が設けられサーミスタ39の姿勢を安定させると共にコンタクト40とサーミスタリード線39Aの沿面距離を増やし、コンタクト40に人間等から入る静電気を防止する。コンタクト40は蓋加熱板29を蓋23に装着したときに蓋加熱板29の凸部31で且つ補助加熱手段34Aの中心部に当接する位置に設けられ蓋加熱板29の凸部31の温度を検出する。 【0039】 以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を説明する。 【0040】 使用者が所定量の水を給水タンク27に準備し、炊飯器にセットし炊飯開始スイッチを使用者が操作した場合には、実施の形態1と同様、所定のプログラムにしたがって、ポンプ28を駆動し給水タンク27に入れた水を蒸気発生部30に貯留させるとともに、炊飯工程が実施される。炊飯工程は、浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程で進行していき、蒸らし工程の初期には水有無検知工程を設けている。蒸気発生部30に貯留された水は炊飯中に発生する蒸気の潜熱により蓋加熱板29の蒸気発生部30で熱交換され、炊き上げ工程後半には、沸騰状態となる。 【0041】 蒸らし工程に入ると、まず水有無検知工程が実施され、水が有ると判断すると、蓋加熱手段34により蓋加熱板29は加熱され、沸騰状態にある水の一部が直ちに蒸発し蒸気を出す。この蒸気が蒸気加熱部43を通過する間に前記蓋加熱板29より加熱され100℃以上の過熱蒸気となり、蒸気噴出口32より鍋22内に放出される。 【0042】 これにより、鍋22全体の加熱の局部的な温度上昇と上面とその近傍の米の乾燥を防止しつつ、鍋22内の底部の残留水分を除去することと米の糊化を促進させることができ、おいしい飯を炊き上げることができる。 【0043】 蒸気発生部30に水が有る場合は、蒸気発生部を2分する凸部31も水近傍に位置するため凸部31の温度も水の温度とほぼ同様になっており、凸部31に当接する温度検知手段38により水の温度を検知することができる。したがって、鍋22内に蒸気を投入する直前に蒸気発生部30の水の温度が適温(例えば、96℃)温度になるように、温度検知手段38によって、蒸気発生部30に貯溜された水の温度を制御することにより、炊飯中の所定の適確なタイミングで過熱蒸気を鍋22内に投入することができる。 【0044】 水有無検知工程については、図6、図7に示すような工程を設ける。図6でθは鍋温度検知手段の検知温度、Aは水が有る場合の温度検知手段34である蓋サーミスタ39の検知温度、B−2は水がない場合の蓋サーミスタ39の検知温度、aは水が有る場合の炊飯プログラム、b−2は水が無い場合の炊飯プログラムを示す。まず、蒸らし工程を開始すると、時間カウントを開始した後、蓋加熱手段34によって蓋加熱板29の加熱を行う。使用者が所定量の水を給水タンクに入れている場合、蒸気発生部30に加えられた熱量は水の気化熱として使用されるため、蒸気発生部30の温度は水の沸点である100℃近傍であり、凸部の温度も同様に100℃近傍である。また、蒸気発生部30の空間には、沸騰状態にある水から蒸発した蒸気が満たされているため、コンタクト40を介した蓋サーミスタ39の検知温度は100℃近傍になっている。これに対して、使用者が所定量より少ない水を給水タンクに入れている場合、蓋加熱手段34によって蓋加熱板29の加熱を続けると、蒸気発生部30に貯水された水は沸騰し、工程途中で水がなくなるので、あるいは使用者が給水タンクに水を入れ忘れた場合は蓋加熱板29の蒸気発生部30の水がないので、蓋加熱手段34によって蓋加熱板29の加熱を続けると、蒸気発生部30は水の沸点である100℃を超える温度に上昇し、凸部31も同時に100℃を超える温度に上昇する。したがって、所定の時間t2(例えば80秒)以内に、蓋サーミスタ39の温度が所定の温度T2(例えば110℃)を検知すると、水が無いとし、所定の時間t2内に所定の温度T2を検知しないと水が有るとすることにより、水の有無を検知し、水の有無に適したそれぞれの炊飯プログラムを動作させることができる。 【0045】 以上のように、時間内の蓋サーミスタ検知温度の上昇により、蒸気発生部の水の有無を判断することにより、蓋加熱板の温度に応じた、精度の高い水有無検知を行うことができ、より信頼性向上させることができる。 【0046】 なお、蓋加熱手段34により加熱を行う際、同時に補助加熱手段34Aによっても加熱されるため、凸部31のコンタクト40との接触部も速やかに加熱され、蓋サーミスタ39の温度も早く上がり、早期に水が無いと判断することができ、より早期に蓋カバー33、蓋加熱手段34である蓋コイルの過度の温度上昇を抑制し、変形や故障の恐れを防止することができる。 【0047】 また、水有無検知工程における所定の時間t2、所定の温度T2は上記の例と異なる温度、時間でもよく、また炊飯コース、水温によって最適な異なる温度、時間に可変されるものでも良い。 【0048】 また、水有無検知工程は、蓋加熱手段34による蓋加熱板29の加熱を間欠的に行うことで、蓋加熱板29の加熱量を低減することにより、蒸気発生部30に水が無い場合に蓋加熱板29が過度に温度上昇することを低減することができ、29に隣接する蓋カバー33、蓋加熱手段34である蓋コイルの過度の温度上昇を抑制し、変形や故障の恐れを防止することができる。なお、蓋加熱板29の加熱を間欠的に行わなくても、単位時間当たりの加熱量を減少させることで、総加熱量を低減しても同様の効果が得られる。 【0049】 なお、水有無検知工程は、図8、図9に示すような工程で行っても良い。図8で、B−1は水がない場合の蓋サーミスタ39の検知温度、b−1は水が無い場合の炊飯プログラムを示す。その他の符号は図6と同様なので説明を省略する。図8、図9に示す水有無検知工程は蒸らし工程開始時、温度検知手段38である蓋サーミスタ39の検知温度により、水の有無を検知するものである。蒸らし工程開始時、蒸気発生部30に水がある場合には、凸部31の温度は沸騰状態の水の温度とほぼ同じ100℃近傍である。また、水が沸騰状態にあるため、微量ながら水は蒸発し、蒸気発生部30の空間には蒸気が発生している。したがって、蒸気発生部30の空間の温度もほぼ100℃近傍となっており、蓋サーミスタ39の温度も100℃近傍となる。これに対して、蒸気発生部30に水が無い場合には、凸部の温度が100℃近傍であるのに対し、コンタクト40周囲の蒸気発生部30の空間の温度は、鍋22、蓋加熱板29、蓋カバー33、パッキン42で囲まれた略閉鎖空間であるため、炊飯中に発生する蒸気がほとんど入り込まず、80℃近傍である。これより、凸部31とコンタクト周囲の蒸気発生部30の空間の温度差から、凸部31から受熱した熱量はコンタクト40を通じ、コンタクト周囲の蒸気発生部30の空間へ放熱されるため、蓋サーミスタ39の温度は85℃近傍となる。したがって、炊き上げ工程終了後、蒸らし工程開始時の蓋サーミスタ39の温度と所定の温度T1(例えば90℃)とを比較し、所定の温度T1より蓋サーミスタ39の温度が高い場合には水が有るとし、所定の温度T1より蓋サーミスタ39の温度が低い場合には水が無いとすることにより、水の有無に適したそれぞれの炊飯プログラムを動作させることができる。 【0050】 以上のように、蒸らし工程開始時、蓋サーミスタ検知温度により、水の有無を判断することにより、蓋加熱手段34により蓋加熱板29を加熱することなく、水が無い場合に適した炊飯プログラムを動作させることにより、蓋加熱板29の温度上昇による鍋22内上層の飯の乾燥をさらに低減し、食味を向上させるとともに、蓋加熱板29に隣接する蓋カバー33、蓋加熱手段34である蓋コイルの過度の温度上昇をさらに抑制し、変形や故障の恐れを防止することができる。また、凸部31とコンタクト40の間に異物が存在し、蓋サーミスタ39の検知温度が異物の無い状態に比べて低くなる場合など、温度検知手段による検知温度が異常により低くなる場合においても、水が無いと判断することができ、異常時においても、信頼性を向上させることができる。 【0051】 なお、所定の温度T1は上記の例と異なる温度でもよく、また炊飯コース、水温によって最適な異なる温度に可変されるものでも良い。 【0052】 また、図10に示すように、報知手段50はLCD51からなる。このLCD51は炊飯残時間などの炊飯に関する情報の表示機能も兼ねている。炊飯途中で水無しと検知した場合には、LCD51により「給水タンク水不足」という表示を点灯させることで、使用者が炊飯前に所定量の給水タンク27に水を供給していなかったことを報知し、次回以降の炊飯では事前に給水タンク27に所定量の水を入れることを促すことができる。これにより、炊飯前に所定量の水を給水タンク27に入れない機会を低減することができる。 【0053】 なお、報知手段50は、他の言葉や絵などを使用して表示しても良いし、音や、音声、光など他の手段や、点滅など他の方法でも水の不足を報知できればよい。また、報知手段50は、炊飯に関する情報の表示手段とは別に、独立して設けてもよいし、何らかの表示手段と一体でもよい。 【0054】 なお、炊飯途中の水有無検知工程において、水無しという報知は炊飯が終了してから行うと、使用者が炊飯中に「給水タンク水不足」の表示に気がつき、給水しようとして蓋23を開放し、鍋22内の蒸気が炊飯器本体21外に漏れ出すことを低減することができるのでよい。また、炊飯途中に水無しと判定すると水がない場合の炊飯プログラムで炊飯を行う場合には、炊飯途中で使用者が給水しても蒸気を発生させないので、炊飯途中に使用者が無駄に給水することを低減することができる。 【産業上の利用可能性】 【0055】 以上のように、本発明にかかる炊飯器は、機器の設置製を維持しつつ、飯を乾燥させること無く米澱粉の糊化を促進し美味なる飯を得るとともに、蓋内部の温度上昇による変形や故障の恐れを防止することができるので、業務用炊飯器や他の熱機器にも適用できる。 【図面の簡単な説明】 【0056】 【図1】本発明の実施の形態1における炊飯器の断面図 【図2】本発明の実施の形態2における炊飯器の断面図 【図3】同炊飯器における蓋加熱板の一部斜視図 【図4】同炊飯器における温度検知手段の断面図 【図5】同炊飯器における蓋加熱手段の平面図 【図6】同炊飯器における水有無検知工程を示す工程図 【図7】同炊飯器における水有無検知工程を示すフローチャート 【図8】同炊飯器における水有無検知工程の別例を示す工程図 【図9】同炊飯器における水有無検知工程の別例を示すフローチャート 【図10】同炊飯器における表示部の平面部を示す図 【図11】従来の炊飯器の断面図 【符号の説明】 【0057】 22 鍋 23 蓋 24 鍋加熱手段 29 蓋加熱板 30 蒸気発生部 34 蓋加熱手段 38 温度検知手段 43 蒸気加熱部 44 水有無検知手段 50 報知手段
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月4日(2006.9.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄
【識別番号】100109667 【弁理士】 【氏名又は名称】内藤 浩樹
【識別番号】100109151 【弁理士】 【氏名又は名称】永野 大介
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| 【公開番号】 |
特開2008−55078(P2008−55078A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−238481(P2006−238481) |
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