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【発明の名称】 電気炊飯器
【発明者】 【氏名】樋渡 隆幸

【要約】 【課題】土鍋などの非金属製の鍋を採用して保温なしモードを実現するのに、結露を防止ないしは抑制できるようにする。

【構成】非金属製とした鍋1側の発熱体4bをこの鍋1を収容した本体2側の加熱コイル4aからの交番磁界により誘導発熱させて炊飯を行うのに、炊飯後の電気的な保温制御を行わない保温なしモードにおいて、炊飯終了から所定時点までの間は、ご飯収容域での結露を防止ないしは抑制する結露対応温度制御を行うことにより、上記の目的を達成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非金属製とした鍋側の発熱体をこの鍋を収容した本体側の加熱コイルからの交番磁界により誘導発熱させて炊飯を行う電気炊飯器において、
炊飯後の電気的な保温制御を行わない保温なしモードにおいて、炊飯終了から所定時点までの間は、ご飯収容域での結露を防止ないしは抑制する結露対応温度制御を行うことを特徴とする電気炊飯器。
【請求項2】
非金属製とした鍋側の発熱体をこの鍋を収容した本体側の加熱コイルからの交番磁界により誘導発熱させて炊飯を行う電気炊飯器において、
炊飯後の電気的な保温制御を行わない保温なしモードにおいて、炊飯終了から所定時間経過時点または所定降温時点までの間、あるいはどちらかの時点に到達するまでは、ご飯収容域での結露を防止ないしは抑制する結露対応温度制御を行うことを特徴とする電気炊飯器。
【請求項3】
鍋を閉じる金属製の内蓋などに設けられて結露防止が図れる結露対応の加熱源と、室温を検出する室温センサとを有し、結露対応温度制御において、室温センサが検出する室温の2以上の温度域に対応して結露対応の加熱源への通電容量を変更する請求項1、2のいずれか1項に記載の電気炊飯器。
【請求項4】
鍋を冷却できる冷却ファンと、ご飯の降温温度を判定する温度センサとを有し、保温なしモード時のご飯の所定降温時点までの降温が所定時間を超えた場合、冷却ファンを駆動して鍋を冷却しご飯の降温を促進する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気炊飯器。
【請求項5】
鍋の底部に設けられた発熱体と対向して設けられた加熱コイル、鍋を閉じる金属製の内蓋に設けられた蓋加熱源、本体側に鍋の胴部に対向して設けられた側部加熱源を備え、結露対応温度制御は、少なくとも蓋加熱源と側部加熱源を結露対応の加熱源として通電制御する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気炊飯器。
【請求項6】
側部加熱源は上下に複数配置され、その上部に配置されたものを結露対応の加熱源とする請求項5に記載の電気炊飯器。
【請求項7】
保温なしモードに加え、炊飯後にご飯を電気的に保温制御する保温モードを備え、いずれかのモードを選択できる請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気炊飯器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、土鍋などの非金属製を含めた各種鍋側の発熱体をこの鍋を収容した本体側の加熱コイルからの交番磁界により誘導発熱させて炊飯を行う電気炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
土鍋に電磁誘導にて発熱する発熱体を設けて調理を行えるようにすることは種々知られているし(例えば、特許文献1〜3参照)、土鍋を着脱できるよう本体に収容して電気的な加熱源によって炊飯を行う炊飯器も既に知られている(例えば、特許文献4参照。)。特許文献1、2に記載の土鍋はいずれも外面と内外両面との違いはあっても底部に発熱層を設けて、電磁誘導調理器からの電磁誘導にて発熱させ底部から加熱し調理を行うようにしている。特許文献3に記載のものは土鍋の底部外面に磁性発熱体を設けて加熱コイルからの交番磁界との磁気結合により誘導発熱させて、炊飯を行うようにしている。
【特許文献1】特開2005−298161号公報
【特許文献2】特開2005−334351号公報
【特許文献3】実用新案登録第3110038号公報
【特許文献4】特開2005−413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、土鍋で代表される非金属製の鍋は熱伝導性が低く、土鍋ではアルミニウムの1/200と小さく、しかも厚いので、熱を篭らせ易い特性を有していて、特許文献1〜3に記載されているようにそれ単独で使用される場合は、蓋も同じ非金属製とされ、炊飯にも、その後の保温にも、その特性が活かされる。
【0004】
しかし、電気炊飯器に非金属製の鍋を採用し、炊飯後のご飯を電気的に制御して保温するには、器体の蓋の内側に設ける金属製の内蓋で鍋を従来通りに閉じ、この内蓋に設けた加熱源を通電制御することが考えられる。
【0005】
本発明者は、このような電気炊飯器の実用に向けた技術開発において、炊飯後のご飯を保温するのに非金属製の鍋の保温性の高さから電気的な保温制御なしにも3時間経過で70度前後の温度を維持でき、食事時間に少々のバラツキがあるユーザや家族間でも炊飯後の保温制御を省略するモードが実用できることに着目する中、このような非金属製の鍋での炊飯後のご飯の自然降温において、ご飯収容域で結露が発生しやすくご飯の品質を損なうことを知見した。このような傾向は、非金属製の鍋と非金属製の蓋との関係においても見られることであり、鍋側は深く熱源となるご飯を収容していて降温しにくいのに対し蓋側は浅くご飯との間に空間があり外気温の影響を受けて降温しやすいことに起因している。
【0006】
本発明の目的は、このような新たな知見に基づき、土鍋などの非金属製の鍋を採用して保温なしモードを実現するのに、結露を防止ないしは抑制できる電気炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような目的を達成するため、本発明の電気炊飯器は、非金属製とした鍋側の発熱体をこの鍋を収容した本体側の加熱コイルからの交番磁界により誘導発熱させて炊飯を行う電気炊飯器において、炊飯後の電気的な保温制御を行わない保温なしモードにおいて、炊飯終了から所定時点までの間は、ご飯収容域での結露を防止ないしは抑制する結露対応温度制御を行うことを1つの特徴としている。
【0008】
このような構成では、炊飯後に電気的な保温制御を行わない保温なしモードを実行するのに、ご飯収容域での結露を防止ないしは抑制する結露対応温度制御を行うことで、非金属製の鍋の保温性を活かした自然保温にてご飯の保温制御を省略した省エネを図りながらご飯を長時間高温域に保つのに併せ、自然降温時に外気などの影響でご飯収容域に生じる温度差を解消するだけの僅かな電力消費にて結露を防止ないしは抑制することができる。
【0009】
また、本発明の電気炊飯器は、非金属製とした鍋側の発熱体をこの鍋を収容した本体側の加熱コイルからの交番磁界により誘導発熱させて炊飯を行う電気炊飯器において、
炊飯後の電気的な保温制御を行わない保温なしモードにおいて、炊飯終了から所定時間経過時点または所定降温時点、あるいはどちらかの時点に到達するまでの間は、ご飯収容域での結露を防止ないしは抑制する結露対応温度制御を行うことを別の特徴としている。
【0010】
このような構成では、炊飯後に電気的な保温制御を行わない保温なしモードを実行するのに、ご飯収容域での結露を防止ないしは抑制する結露対応温度制御を行うことで、非金属製の鍋の保温性を活かした自然保温にてご飯の保温制御を省略した省エネを図りながらご飯を長時間高温域に保つのに併せ、自然降温時に外気などの影響でご飯収容域に生じる温度差を解消するだけの僅かな電力消費にて結露を防止ないしは抑制することができる。しかも、結露対応温度制御を炊飯終了から所定時間経過時点または所定降温時点までとすることで、結露を防止ないしは抑制する必要時点まで過不足なく実行することができる。特に、それら2つの時点のどちらかに到達するまで結露対応温度制御を行えば到達時点に固有な2つの条件のいずれかで確実に対応できる。
【0011】
鍋を閉じる金属製の内蓋などに設けられて結露防止が図れる結露対応の加熱源と、室温を検出する室温センサとを有し、結露対応温度制御において、室温センサが検出する室温の2以上の温度域に対応して結露対応の加熱源への通電容量を変更する、さらなる構成では、
ご飯収容域での自然降温時の結露の原因となる時間経過上の温度差は、その時々の温度検出によってはもとより、経験上からも知ることができ、結露を防止ないしは抑制するための結露対応の加熱源の配置と通電制御は行えるが、室温の影響は経験上では未知であり、室温センサで検出した室温の少なくとも2以上の温度域の違いによって結露対応の加熱源への通電制御を行うことで、経験上から結露対応温度制御を行う場合は勿論、結露の原因となる温度差が室温を反映しにくい場合にも、室温を配慮した結露対応温度制御ができる。
【0012】
鍋を冷却できる冷却ファンと、ご飯の降温温度を判定する温度センサとを有し、保温なしモード時のご飯の所定降温時点までの降温が所定時間を超えた場合、冷却ファンを駆動して鍋を冷却しご飯の降温を促進する、さらなる構成では、
何らかの原因で炊飯後のご飯が所定時間を経過しても所定降温時点までの降温に達していないような場合、ご飯に黄ばみなどの品質変化の原因になり始めるので、冷却ファンを駆動して鍋を冷却しご飯の降温を促進することによりそのような品質変化を防止することができる。
【0013】
鍋の底部に設けられた発熱体と対向して設けられた加熱コイル、鍋を閉じる金属製の内蓋に設けられた蓋加熱源、本体側に鍋の胴部に対向して設けられた側部加熱源を備え、結露対応温度制御は、少なくとも蓋加熱源と側部加熱源を結露対応加熱源として通電制御する、さらなる構成では、
ご飯の保温制御に用いる加熱源と共通した配置条件の加熱源にて、結露対応温度制御が実行できる。
【0014】
側部加熱源は上下に複数配置され、その上部に配置されたものを結露対応の加熱源とする、さらなる構成では、
鍋側でもその上部は蓋側とともに外気の影響で降温しやすく、それより下部側と温度差を持って結露の原因となることに対応できる。
【0015】
保温なしモードに加え、炊飯後にご飯を電気的に保温制御する保温モードを備え、いずれかのモードを選択できる、さらなる構成では、
非金属製の鍋を採用した電気炊飯器では保温なしモードだけでも実用できるところ、ユーザによってはその時々の使用状況や好みによって炊飯後のご飯を長時間保温したい要求があることに2つのモードの選択にて対応することができる。
【0016】
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面によって明らかになる。本発明の各特徴は可能な限りそれ単独で、あるいは種々な組合せで複合して採用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電気炊飯器によれば、炊飯後に電気的な保温制御を行わない保温なしモードにて非金属製の鍋の保温性を活かした自然保温にて省エネを図りながらご飯を長時間高温域に保てるのに併せ、自然降温時の外気などの影響でご飯収容域に生じる温度差を解消するだけの僅かな電力消費にて結露を防止ないしは抑制することが、結露によってご飯が品質低下するのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る電気炊飯器の実施の形態について、図1〜図8を参照しながら詳細に説明し本発明の理解に供する。
【0019】
本実施の形態の電気炊飯器は図1、図2に示すように、土鍋などの主として非金属製の鍋1と、この鍋1を着脱できるように収容した本体2と、本体2および鍋1を開閉する蓋体3と、鍋1の底部から加熱する底部加熱源4と、鍋1の側部から加熱する側部加熱源5と、蓋体3から加熱する蓋加熱源6と、を備えた基本構成を有している。本体2は内外装ケース11、12間に底部加熱源4の加熱コイル4aを配し、これに対向する鍋1の底部に加熱コイル4aからの交番磁界によって誘導発熱される発熱体4bを設けてある。具体的には鍋1の底部の外面に設けてあるが内面でもよいし埋設されていてもよい。側部加熱源5は内装ケース11における樹脂製の下部枠11bと上部枠11cとの間に挟み付けた金属製とした胴部枠11aの外まわりに巻きつけたヒータ5aとしてある。しかし、側部加熱源5も図示しない加熱コイルと鍋1側の発熱体との組み合わせとすることもできる。蓋加熱源6は蓋体3の樹脂製の上板3aと組み合わせた樹脂製の下板3bに嵌め付けた金属製の放熱板3cの上面に配線し取り付けた保温ヒータ6aとしてある。放熱板3cは鍋1の開口に対応した大きさを有し、鍋1の開口を閉じる金属製の内蓋7の上方から鍋1内のご飯を加熱し保温するもので、主として側部加熱源5と協働して温度差による結露を防止しながら保温する。ここで、蓋加熱源も加熱コイルと発熱体との組み合わせとすることができ、この場合の発熱体は金属製の内蓋7そのもの、あるいは非金属製とした内蓋7に設けた発熱体とし、蓋体3側に設けた加熱コイルと透磁構造を満足して対向させればよい。ご飯の保温に底部加熱源4を組み合わせ使用することもできる。特に、底部加熱源4は鍋1の側部中央部と底部の胴部へ例えばアール形状で立ち上がる外周部とに別れ定置するように、中央部の加熱コイル4a1、発熱体4b1の組みと、周辺部の加熱コイル4a2、発熱体4b2の組みとに分かれている。しかし、加熱コイル4a1、4a2は1本の線を2箇所に巻き分けた構成として同一の通電制御を行うようにしている。これに限られることはなく、個別の線で構成して個別な通電制御を行うようにもできる。
【0020】
図1に示すように、これら底部加熱源4、側部加熱源5、蓋加熱源6を駆動する電源・駆動基板111、この電源・駆動基板111を通じ設定されたモードの炊飯や調理を行なう制御基板112を本体2の内外装ケース11、12の前部間に形成した大きな空間に配し、ファン13によるヒートシンク13aと協働したIGBTといった発熱素子を矢印Aで示すような送風にて冷却するようにしてある。ファン13はまた、電源・駆動基板111とその下部から鍋1の底部の側に延びるガイド113との案内による矢印Bで示すような送風にて本体2の内装ケース11の底部まわりに配置した加熱コイル4a1、4a2を冷却し、かつこの送風が内装ケース11の上部まわりに及ぶことを利用して適時に鍋1を冷却することもできる。
【0021】
本体2の広い前部の上面には各種のモードを設定したり、炊飯や調理を開始したり、保温を選択したり停止したりする操作パネル14を設けてあり、その内側には操作基板18を設けて操作パネル14での各種操作に対応し、また操作の状態や動作の状態の表示を行えるようにしている。本体2の後部間には側部間よりはやや広い空間として電源接続コードの巻取りリール115を収容している。本体2の内装ケース11の下部枠11b、上部枠11cは樹脂製としてあり、下部枠11bが透磁性を満足し加熱コイル4a1、4a2による発熱体4b1、4b2への電磁作用を邪魔しないようにしている。本体2の外装ケース12は樹脂製の底部材12aの周壁上端に金属製の胴部12bの下端縁巻き部を無理嵌めして連結し、胴部12bの上端と内装ケース11の上部枠11cの上端とを合成樹脂製の肩部材12cにより連結してある。加熱コイル4a1、4a2は樹脂製のコイル台15に載置して支持し、コイル台15の下に放射状に延びたフェライト16を樹脂製の支持台17で支持して設け、加熱コイル4a1、4a2が発生させる磁界を強化し安定させるようにしている。
【0022】
蓋体3は図1に示すように本体2の後部軸受部2dに軸21により開閉できるように枢支してばね22により開き方向に付勢し、ばね22と後部軸受部2dとの摺接による抵抗などにて蓋体3がゆっくりと開くようにしてある。蓋体3の前部は本体2の側に軸124に枢支して設けるなどしたロックレバー23によって閉じ位置にロックされ、ロックレバー23のロック解除操作によってロックが解除さればね22によって開かれるようにしている。蓋体3のこのような閉じ状態にて図1、図2に示すように蓋体3の下板3bと放熱板3cとの間に挟み込んだシールパッキン24が内蓋7の外周枠7aに圧接し、この圧接によって内蓋7は外周枠7aとの間に設けたシールパッキン25にて鍋1の水平となっている口縁に上方から圧接し鍋1を閉じ、炊飯や保温を行う状態となる。このような閉じ状態で、内蓋7には高位部と低位部とに図示しない孔があり、炊飯中の蒸気を逃がしたり、逃がした蒸気に随伴して内蓋7外に出たおねばを鍋1内に戻したりできるようにしている。また、蓋体3の中央に設けた穴26には蒸気パイプ27を下方から挿入して穴26内周のシールパッキン28によって分解洗浄などのために着脱できるように保持するようにしている。蒸気パイプ27はボール状の逆止弁29aを持った蒸気通路29を有し、内蓋7の外に出た蒸気を逆止弁29aの弁圧を超えたときだけ蓋体3外に放出しながら、内部に気液分離したおねばを内蓋7上に戻し、鍋1内に戻されるようにする。
【0023】
ここで、非金属製の鍋1は主として陶土を焼成したものでよいがセラミック類も含み、既に知られる種々のものを採用することができる。底部加熱源4の発熱体4b1、4b2は加熱コイル4a1、4a2からの交番磁界によって渦電流を発生し発熱する導電層であり、鍋1の外面などに設けた10〜数十μm程度の銀ペーストの印刷などによる塗布層、銀箔の貼り合わせ層、あるいは銀の蒸着層、埋設層などでよい。しかし、その導電材料や層形成の方法は自由に選択できる。側部加熱源5のヒータ5aは、鍋1の側部に対向するアルミニウムや鋼板、ステンレスなどの放熱板3cの外面に押え板5cとの間に挟み込んで装備し、主として保温に用いるが、特に、ヒータ5aの下部は炊飯に用いても好適である。さらに、本実施の形態では後述するが、炊飯とご飯の保温に関し、各種の炊飯モード、炊飯モードに続く保温モード、炊飯モードに続く保温無しモード、の制御モードを有し、これらのために、4重のヒータ5aの最上部1つを60〜70W相当の通電容量、その下の中間部1つを20〜30、最下部2つを40〜50W相当の通電容量としてある。通電容量の違いは通電のデューティ比の違いによって簡単に得られるし、どのように得てもよい。このような通電容量の違いを利用して炊飯時の合数や保温モード時の結露、白化、乾燥による褐変、保温なしモード時の結露、や降温遅れによる黄ばみなどのご飯の品質低下など各種の条件に応じた細かな加熱制御ができる。以上で各種の炊飯モードや調理モード、保温モード、保温なしモードを操作パネル14上での選択操作やスタート操作、停止操作に従い実行することができる。
【0024】
また、土鍋などの非金属製の鍋1では、その外面に設けた発熱体4b1、4b2の熱が、鍋1の側に効率よく伝わらない分だけ、内装ケース11側、加熱コイル4a1、4a2の側に放熱する割合が高くなり、炊飯を首尾よく遂行できなかったり、炊飯温度を確保するために炊飯時の加熱温度を高めると鍋1側の局部過熱や、この局部過熱部となる特に発熱体4b1などからの放熱による内装ケース11の下部枠11bの劣化や溶損、加熱コイル4a1などの異常発熱の原因になって炊飯器や使用の安全が損なわれたりすることがある。そこで、内装ケース11における下部枠11bの鍋1における特に径方向幅が大きく総発熱量が多くなる発熱体4b1と対向する部分に透磁性の耐熱プレート31を配し、発熱体4b1からの熱を反射させるようにして対応している。具体的には、本体2における内装ケース11の鍋1外面に設けられた発熱体4a1などとの対向部に設けた透磁性の耐熱プレート31は、その透磁性によって内外装ケース11、12の少なくとも底部間に設けた加熱コイル4a1などからそれに対向する鍋1外面の発熱体4b1などに交番磁界を及ぼして誘導発熱させる作用を損なわない。しかも、この透磁性の耐熱プレート31は、鍋1外面の発熱体4b1などが良好な炊飯に必要な高い温度に発熱させるのに対し鍋1が土鍋などの熱伝導性の低い非金属製で熱伝導しにくく、発熱体4b1などから内装ケース11側への外面への放熱の割合が高くなる関係であっても、この放熱を耐熱プレート31の表面で鍋1側に反射させて鍋1を二次加熱して炊飯の加熱に再度生かし加熱効率を高められる。この結果、非金属製の鍋1の厚く熱を篭らせやすい特性との組み合わせから均一で十分な加熱での良好な炊飯が実現しやすくなる。さらに、耐熱プレート31はその耐熱性によって劣化や損傷するようなことがなく、鍋1外面の発熱体4b1などからの熱が本体2の内装ケース11、特に下部枠11bや加熱コイル4a1に及ばないようにするし、まして本体2の外装ケース12下へ熱が及ぶようなことは回避できる。
【0025】
耐熱プレート31は発熱体4b1などからの熱を鍋1の側に反射させるものであることに対応して、鍋1および発熱体4b1などと耐熱プレート31との間にはエアギャップ32を設けることが必須となる。特に、このエアギャップ32が閉鎖空間となって熱を篭らせないように少なくともまわりへ開放されているのが望ましく、本実施の形態ではこのエアギャップ32は鍋1の底部外周に形成した環状の脚部1dを、下部枠11bの底部外周部の円周上3ヵ所程度に設けた図2に示すシリコンゴムなどよりなる弾性支持台33により支持した高さにて、周囲3ヵ所での接触だけで確保している。しかし、鍋1の開口部のフランジ1cを本体2の開口部で受けて吊持ちすることでエアギャップ32を確保することもできる。鍋1の脚部1dでの弾性支持台33上への載置、支持は、鍋1の弾性支持や回り止めの効果も併せ発揮する。一方、このエアギャップ32は図1、図2に示すように内装ケース11と鍋1との間の全域に形成することが鍋1側から内装ケース11の側への熱影響を防止しながら、その熱を内装ケース11と鍋1との間に篭らせて、厚く熱伝導性の低い非金属製である鍋1と炊飯の加熱に協働して加熱効率、均一加熱を促進しやすくなり、特に、本体2の内装ケース11に設けた耐熱プレート31が鍋側に反射させる熱を生かしやすい。
【0026】
さらに、耐熱プレート31は、温度センサ34を鍋1に接触させる孔35を中央部に有し、対向する発熱体4b1の外径よりも大きくしている。これにより、中央部の孔35を通じ炊飯との相関性の高い鍋1底部の中央部の温度を温度センサ34で検出することができる。このために、温度センサ34は図1、図2に示すように、コイル台15の中央に設けてばねにより上動付勢し、下部枠11bおよび耐熱プレート31を貫通してその上に常時突出する習性を与え、支持台16上に載置される鍋1の底部に圧接し、鍋1の温度をモニタできるようにしている。
【0027】
なお、鍋1はその下半部1bを側部加熱源5との対向部1eよりも薄肉としている。このように、鍋1を本体2に着脱できるように収容して、底部加熱源4、側部加熱源5および蓋加熱源6からの加熱により炊飯やご飯の保温を行うことになるが、鍋1の下半部1bが側部加熱源5との対向部1eよりも薄肉で熱容量が小さいことにより、炊飯に重要な発熱体4b1、4b2からの熱により、前記直接の熱伝導による一次加熱と、耐熱プレート31から反射した熱による二次加熱とを得て、加熱効率がさらに向上し比較的低い通電容量に抑えながら十分な炊飯加熱を実現して良好な炊飯ができる。しかも、鍋1は側部加熱源5との対向部1cが下半部1bよりも厚肉で蓄熱容量が高いことにより、炊飯に続く保温時の降温が鈍く、昇降温時に温度むらが生じにくい特性と、側部加熱源5からの加熱、蓋加熱源6からの加熱による熱補助の基に、ご飯を均一に保温しやすくなる。
【0028】
また、鍋1は下部加熱源4と対向する下半部1bを側部加熱源5との対向部1eよりも薄肉としているが、側部加熱源5との対向部1eの厚みが大きいこととの協働により耐落下強度を損なうことがない。特に、正立姿勢での落下時の必要強度を満足する。そして、底部加熱源4との対向部である下半部1bを薄く蓄熱容量が小さくなる分だけ、底部加熱源4からの高出力加熱が炊飯加熱に生きやすくするし、厚肉の側部加熱源5との対向部1eへの熱移動をも促進する。従って、鍋1内の水および米全域での活発な対流を伴なう均一加熱での炊飯が実現する。ここに、鍋1の側部は、上部が厚肉で、下部が鍋1の底部アール部を含んで薄肉であるともいえ、薄肉域を鍋1の耐落下強度一杯になる側部域まで延長することで、鍋1の薄肉部を利用した底部加熱源4からの高出力加熱による均一加熱での炊飯特性がさらに高まる。鍋1の厚肉部と薄肉部との間は鍋1の外面に丸みのある段差部Dをなして連続し、応力集中なく比較的急な厚みの切り換えを達成している。
【0029】
ここで、1つの実施例を示せば、通常の土鍋では10〜15mm程度の均一厚さとするのが主流であるところを、ムライト−コージェライトを主成分とするセラミック製で、ガラス系の釉薬にて封孔処理をした鍋1につき、底部加熱源4との対向部である下半部1bの厚みを3〜4mm程度、側部加熱源5との対向部1eの厚みを7〜8mm程度として十分な耐落下強度が得られたし、均一加熱による炊飯、均一保温が実現できた。このような寸法関係から鍋1の厚肉部と薄肉部との厚みの差はほぼ2倍程度とすることもできる。なお、鍋1のヒータ5aの放熱板である胴部枠11aとの対向部と、加熱コイル4a2と対向する発熱体4b2を有する部分との間は加熱源がないので鍋1の厚みは小さい程炊飯時の均一加熱には有利であって、3mm程度とするのが好適であり、場合によっては耐落下強度を満足するのを条件に鍋1の下半部1bに設定する厚みよりも薄くしてもよい。
【0030】
さらに、図3に示すように鍋1の開口部は、側部から例えば内側にtだけ増厚させている。これにより、鍋1の開口部は前記蓋閉じ構造によっても外気の影響を受けて温度低下しやすいが、開口部の側部からの増厚分tにより蓄熱容量が増大して炊飯時の熱を蓄熱して外気による温度低下を抑制し、特に水分の多い炊飯直後の保温開始時でも、温度差による結露が発生するのを防止することができる。このような増厚tはあまり大きいと昇温に時間が掛かりすぎるので6mm未満程度がよく、あまり小さいと蓄熱効果が得られないので3mm程度以上とするのが好適である。また、内蓋7のシールパッキン25は鍋1のフランジ1cの平坦な上面1eに圧接するような位置関係とする。また、平坦な上面1eはほぼ水平であるのがより好ましい。これにより、鍋1の開口の成形誤差が半径で見て金属鍋が±0.5mmであるのに対し±2〜4mmと大きくなるが、そのような誤差範囲ではシールパッキン25はフランジ1cの上面1e1から外れることはないし、圧接幅、シール幅の増大が図れて異物噛み込みによるシール抜け防止にもなり、シール不良の問題を回避できる。それには、鍋1の開口部の側部からの増厚tを内側に向け増厚すればフランジ1cの上面1e1を幅広くしやすく有利である。また、フランジ1cの外周部も鍋1の側部とほぼ同厚の内周側よりもt1増厚させてあり、鍋1の開口部強度を高めている。この場合の増厚は図示するように上向きとすることでフランジ1cの上面1e1での外側への汁漏れを防止しやすい利点がある。さらに、鍋1の脚部1dは発熱体4b1、4b2の間に位置しており、発熱体4b1、4b2を貼り付ける場合の位置決めとすることができる。しかし、発熱体4b1、4b2は図1、図2に示すように鍋1の表面に埋め込み状態に設けることもでき、そのための凹部は発熱体4b1、4b2を設ける場合の位置決めになる上、発熱体4b1、4b2が鍋1の外面と面一か窪む程度に設けると鍋1を丸洗いするような場合に発熱体4b1、4b2の周囲が引っ掛かって剥がれるような不都合を防止しやすくなる。ヒータ5aの外まわりには断熱壁145を設ければヒータ5aの熱を外部に逃がさず保温に効率良く活かせる。
【0031】
また、本発明者の実験によれば、発熱体4b1、4b2の発熱量はその径方向において中央部で温度が高く、周縁側で温度が低くなる温度分布を示す傾向があり、径方向の寸法が大きくなるほどその温度差は大きく、鍋1が熱伝導性の低い非金属製のものであっても、既述のように鍋1の下半部1bを側部加熱源5との対向部1eよりも薄くする構成では、前記のような温度分布が炊飯時の加熱むらとして幾分反映してしまうことにつき、発熱体4b1、4b2の厚みに差をつけることにより温度むらを問題ない程度に抑えている。具体的には、発熱体4b2は発熱体4b1に比し径方向の幅寸法が小さく、温度の分布差が小さいので、径方向の中央部を薄く、周縁部を厚くしている。これに対し発熱体4b1は径方向の幅寸法が大きく温度の分布差が大きいので、温度が高くなる中央部分の発熱体4b1を無くすか、あるいは周縁部の厚みに対する中央部の厚みの比率を、発熱体4b2の場合よりも小さくするようにしている。これによって炊飯時の加熱むらが改善された。これは、発熱体4b1、4b2に部分的な厚みの違いがあると、厚肉部が薄肉部よりも熱の良導率が高まる分だけ電流量が集中し発熱量が薄肉部よりも多くなることによるものと思われる。このような部分的な厚みの差は、部分的に塗布回数を変えることで簡単に実現できるし、発熱体を設けない厚み0の部分は発熱体の塗布の省略として実現できる。ここで、L−2(100サイズ)、K(150サイズ)の2通りの実施例を示せば、図4に示す通りの寸法関係、厚み関係として好適な結果が得られた。
【0032】
上記のような底部加熱源4からの高出力加熱などに対応して、内装ケース11の樹脂部分は外装ケース12の樹脂部分と共に従来PETで形成されているが、耐熱温度が150℃程度と低く熱影響が懸念されるので、本実施の形態では上部枠11cや下部枠11bを耐熱温度が250℃程度と高いPPSとしており、前記耐熱プレート31のシリコン系接着剤との接着も問題なく達成されている。一方、外装ケース12の底部材12aや肩部材12cは従来通りPETなどの樹脂製としている。また、肩部材12cの左右2箇所には図2に示すように鍋1のフランジ1cとの間にフランジ1cへの手掛りを容易にするための凹部41を形成している。胴部12bの上部には肩部材12cにまで達して軸受したハンドル118を設けてある。
【0033】
既述した保温なしモードを実行するのに本発明者は、前記100サイズタイプと150サイズタイプとのそれぞれにつき、炊飯後の鍋1内のご飯の無加熱状態において、炊飯量が最大、つまり前者では5.5合、後者では8合の炊飯量の場合での経時的な温度変化とご飯の状態を実測した。なお、温度の検出は100サイズの場合図5(a)に示す3つの位置条件にて、150サイズの場合は図5(b)に示す3つの位置条件にてご飯内に挿入した熱電対により行った。それぞれの場合の経時的なご飯の温度変化は図6に示す通りであり、図6からご飯の降温状態を最も低くなる表面温度で見ても、100サイズ、150サイズとも3時間を経過してなお70℃範囲をキープできていて、土鍋など非金属製の鍋1の高い保温性が認められる。
【0034】
一方、経時的に内蓋7の内面の露が増加していき終には鍋1内への滴下が始り、ご飯の白ボケやべちゃつきなどの品質低下の原因になる。また、鍋1側でも開口部の内周に内蓋よりは遅くかつ少ないが露がつき始めて終わりには伝い落ちご飯に品質低下をもたらす。これは、ご飯収容器での経時的に生じる温度差が原因している。
【0035】
そこで、本実施の形態では保温なしモードにおいて、炊飯終了から所定時点までの間は、ご飯収容域での結露を防止ないしは抑制する結露対応温度制御を行う。これにより、炊飯後に電気的な保温制御を行わない保温なしモードを実行するのに、鍋1および内蓋7がなしているご飯収容域での結露を防止ないしは抑制する結露対応温度制御を行うことで、非金属製の鍋1の保温性を活かした自然保温にてご飯の保温制御を省略した省エネを図りながらご飯を前記のように長時間高温域に保つのに併せ、自然降温時に外気などの影響でご飯収容域に生じる温度差を解消するだけの僅かな電力消費にて結露を防止ないしは抑制することができる。この結果、炊飯後に電気的な保温制御を行わない保温なしモードにて非金属製の鍋1の保温性を活かした自然保温にて省エネを図りながらご飯を長時間高温域に保てるのに併せ、自然降温時の外気などの影響でご飯収容域に生じる温度差を解消するだけの僅かな電力消費にて結露を防止ないしは抑制することが、結露によってご飯が品質低下するのを防止できる。
【0036】
また、ご飯は70℃程度を下回ると雑菌の繁殖温度に近づくので、70℃付近まで降温した以降は、結露防止のための加熱も停止し速やかな降温を図るのが好適となる。これに対応するのに、保温なしモードでの結露対応温度制御は、炊飯終了から所定時間経過時点まで行うのが好適で、結露を防止ないしは抑制する必要時点まで過不足なく実行することができる。上記実験の範囲に対応していえば、所定時間は3時間程度として対応できる。しかし、これに限られることはない。また、別の対応として、ご飯の温度が所定降温温度例えば前記70℃にまで降温した時点で、結露対応温度制御を終了するようにすれば、保温なしモードでの結露対応温度制御をより過不足なく実行することができる。この場合、ご飯の温度を検出することが必須となるが、既述した本体2の底部中央の温度センサ34単独で検出することはできるが、最も温度の低い表面温度との相関性を得るのが好適であり、図1に示すように本体2側のご飯の表面に近い位置に設けた温度センサ121単独での検出温度、あるいはこれと中央部の温度センサ34での検出温度との関係から経験的に判定することもできる。さらに蓋体3側に設けた温度センサを単独であるいは他との組合わせで適用してもよい。さらに、前記所定時間経過時点と所定降温温度への到達時点との2つの時点のどちらかに到達するまで結露対応温度制御を行えば到達時点に固有な2つの条件のいずれかで確実に対応できる。
【0037】
なお、結露対応温度制御を行うのに、専用の加熱源を設けることもできるが、本実施の形態では既述した側部加熱源5の3つのヒータ5a、蓋加熱源6の蓋ヒータ6aを共用しており、鍋1の開口部は増圧しているが外気の影響で温度が低下しやすいのを、側部加熱源5の最上部のヒータ5aの通電容量を60〜70Wと大きく設定していることによって温度補償能力を十分なものとしている。
【0038】
1つの実施例を示すと、100サイズ、150サイズ共に、下記表1に示すように、
【表1】


底部加熱源4の通電なしの状態で、蓋ヒータ6aを5秒オフ、5秒オンの繰り返し、上部保温ヒータ5aを4秒オフ、4秒オンの繰り返し、中間保温ヒータ5aを3秒オフ、3秒オンの繰り返し、下保温ヒータ5aを2秒オフ、2秒オンの繰り返し、の通電制御の組み合わせにて、検出温度に基づく温度制御なしに好結果が得られた。
【0039】
もっとも、鍋1の保温性を活かして炊飯後それを本体2から取り出し、非金属製の蓋で閉じて食卓などにおきお櫃として使用しながらある程度の時間の間の食事に提供することもでき、この場合、結露対応温度制御は実行できないが、鍋1と蓋との間に布巾などを挟み込むようにしておくと、結露の問題が軽減できる。これに代えて、鍋1や蓋の内面を吸湿性のある面構造にしておくことで対応することもできる。
【0040】
ところで、ご飯収容域での自然降温時の結露の原因となる時間経過上の温度差は、その時々の各部での温度検出によってはもとより、経験上からも知ることができ、結露を防止ないしは抑制するための結露対応の加熱源の配置と通電制御は行えるが、室温の影響は経験上では未知となる。このため、鍋1を閉じる金属製の内蓋7などに設けられて結露防止が図れる既述した側部加熱源5や蓋加熱源6などの結露対応加熱源と、図1に示すように操作・制御基板112に設けるなどした室温を検出する室温センサ122とにより、保温なしモードでの結露対応温度制御において、室温センサ122が検出する室温の2以上の温度域に対応して結露対応の加熱源への通電容量を変更するようにする。これにより、室温センサ122で検出した室温の少なくとも2以上の温度域の違いによって結露対応加熱源への通電制御を行うことで、経験上から結露対応温度制御を行う場合は勿論、検出する結露の原因となる温度差が室温を反映しにくい場合にも、室温を配慮した結露対応温度制御ができる。
【0041】
ここで、この場合の1つの実施例を示すと、上記表1に記載の場合に対し、室温が5℃である場合には、蓋ヒータ6a、上保温ヒータ5a、中保温ヒータ5a、下保温ヒータ5aへの通電設定定数を下記の表2に示すようにシフトし、
【0042】
【表2】


室温が20℃である場合には、蓋ヒータ6a、上保温ヒータ5a、中保温ヒータ5a、下保温ヒータ5aへの通電設定定数を下記の表3に示すようにシフトし、
【0043】
【表3】


室温が35℃である場合には、蓋ヒータ6a、上保温ヒータ5a、中保温ヒータ5a、下保温ヒータ5aへの通電設定定数を下記の表4に示すようにシフトし、
【0044】
【表4】


いずれの場合も好適な結露防止ができた。
【0045】
ここで、操作・制御基板112に搭載された制御装置としてのマイクロコンピュータによる炊飯後の保温制御例について、図7に示すフローチャートに従って以下説明する。炊飯の終了が確認されると保温なしモードが選択されているかどうか判定し、保温なしモードが選択されていると、全加熱を一端停止した後、結露対応温度制御による加熱が必要になる待ち時間を計測する待機タイマ1をスタートさせ、待機タイマ1が終了するのを待って先の表1〜4の実施例で示したような結露対応加熱源への通電制御による結露対応温度制御を開始する。結露対応温度制御の開始に伴い結露対応タイマをカウントし、結露対応タイマがタイムアップして終了するか、ご飯が所定の降温温度に到達するかするまで、結露対応温度制御を継続する。結露対応タイマがタイムアップして終了するか、ご飯が所定の降温温度に到達するかしたとき、結露対応温度制御を終了し保温制御を終了する。
【0046】
これに対し、保温なしモードが選択されていない場合は、保温モードが選択されていると判定して全加熱を停止した上で、保温加熱が必要になる待ち時間を計測する待機タイマ2をスタートさせ、待機タイマ2の終了を待ってから保温制御を行い、保温モードが選択されている間継続する。しかし、この継続は炊飯器の使用の安全やご飯の過剰な保温を避けるためにある時間で強制終了させるようにも制御できる。
【0047】
ここで、上記待機タイマ1、2による待機時間は、鍋1の保温性がよいことに対応して無駄な、または過剰となる加熱状態を避けるものであるが、必須ではない。
【0048】
また、ファン13が既述のように鍋1を冷却できることを利用して、ご飯の降温温度を判定できる温度センサ、つまり、既述した温度センサ34、121の一方または双方などとの組み合わせにより、保温なしモード時のご飯の所定降温時点までの降温が所定時間、例えば3時間を超えるなどした場合、ファン13を駆動して鍋1を冷却しご飯の降温を促進するようにもできる。この結果、何らかの原因で炊飯後のご飯が所定時間を経過しても所定降温時点までの降温に達していないような場合、ご飯に黄ばみなどの品質変化の原因になり始めることに対し、ファン13を駆動して鍋1を冷却しご飯の降温を促進することによりそのような品質変化を防止することができる。この場合、ファン13による鍋1の冷却時は、内装ケース11の1つまたは複数の適所に設けた図示しない電磁通風口を一時開放してファン13からの送風を鍋1の表面まわりに導き冷却効果を高めることもできる。
【0049】
一方、炊飯は概ね図8に示すように吸水1から60秒のウエイト時間を挟んだ吸水2〜吸水3までの吸水工程、昇温1から昇温5までの昇温工程、炊き上げ1、2での炊き上げ工程に続き、蒸らし1から蒸らし3までの蒸らし工程を行っているが、非金属製の鍋1の場合、そのような炊飯工程では蒸らし3後のご飯は鍋1の胴部や底部の内面にこびりつき、剥がしにくい傾向にあることを知見している。これを解決するのに本実施の形態では蒸らし3の工程に続いて300〜600秒程度の蒸らし4を追加している。この蒸らし4では鍋1や内蓋7での結露を防止する最低限の通電を行っており、鍋1にこびりついたご飯が剥がれやすくなる。従って、炊飯後のご飯の全体をほぐしやすくなる。
【0050】
また、非金属製の鍋1での炊飯では、図8の昇温1工程や炊き上げ2工程のように、温度センサ34や温度センサ121、あるいは放熱板3cに設けた温度センサ123などの検出温度に頼らず、あるいは併用しながらタイマによる計測時間の経過に合わせて通電制御するタイマ炊飯も行っているが、糠、澱粉が鍋1の底に沈み焦げやすくなる傾向を示す。これを解決するのに本実施の形態では炊き上げ2工程から蒸らし1工程への移行タイミングを破線で示す炊飯推移温度線上の通常時点P1よりも実線で示す炊飯推移温度線上のP2の時点に早めている。これにより、蒸らし1への移行温度および以降の炊飯温度が低目となるので焦げ付きを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は非金属製の鍋を採用した電気炊飯器に実用して、鍋の保温性を活かした保温なしモードをその省エネ性を特に損なうことなく降温時の結露の問題が解消する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係る電気炊飯器の1つの例を示す前後方向での断面図である。
【図2】図1の電気炊飯器の左右方向での断面図である。
【図3】鍋の開口部まわりの詳細断面図である。
【図4】底部加熱源の発熱体の実施例図である。
【図5】保温なしモードでのご飯の降温状態を検出する熱電対の設置条件図である。
【図6】図5の熱電対による炊飯時の昇温状態に続く降温状態の検出結果を示すグラフである。
【図7】図1の炊飯器での保温制御例を示すフローチャートである。
【図8】図1の炊飯器での炊飯の制御例と温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0053】
1 鍋
2 本体
3 蓋体
4 底部加熱源
4a、4a1、4a2 加熱コイル
4b、4b1、4b2 発熱体
5 側部加熱源
5a ヒータ
6 蓋加熱源
6a 蓋ヒータ
11 内装ケース
12 外装ケース
112 操作・制御基板
34、123 温度センサ
122 室温センサ
【出願人】 【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
【出願日】 平成18年8月30日(2006.8.30)
【代理人】 【識別番号】100080827
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 勝


【公開番号】 特開2008−54860(P2008−54860A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−234475(P2006−234475)