| 【発明の名称】 |
炊飯器 |
| 【発明者】 |
【氏名】東松 敏
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| 【要約】 |
【課題】全玄米及び分つき米を、それぞれの玄米の種類に応じた適切な時間及び温度で、簡単においしく炊き上げることができる炊飯器を提供する。
【構成】玄米のつき具合(精米具合)毎に、吸水時間及び吸水温度のパターンが異なる複数の炊飯メニューを記憶しており、使用者によって選択された炊飯メニューに設定されている温度で(S10)、設定されている時間だけ(S13)、吸水工程を行う。従って、使用者はつき具合が異なる複数種類の玄米を、1つの炊飯器で簡単においしく炊き上げることができる。また、全く精米されていない全玄米に吸水させる温度を、米の澱粉のアルファ化が開始する温度よりも高い温度にすることで、全玄米への吸水に要する時間が短縮される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 釜を加熱する加熱手段と、 玄米のつき具合毎に定められた、炊飯の工程における吸水時間及び吸水温度を、玄米炊飯メニューとして玄米のつき具合毎に記憶する玄米炊飯メニュー記憶手段と、 玄米のつき具合の1つを選択するつき具合選択手段とを備え、 前記つき具合選択手段により玄米のつき具合が選択された場合には、選択されたつき具合に対応した前記玄米炊飯メニューを前記玄米炊飯メニュー記憶手段から呼び出すとともに、呼び出された前記玄米炊飯メニューに基づき前記加熱手段を制御する加熱制御手段を備えたことを特徴とする炊飯器。 【請求項2】 前記玄米炊飯メニュー記憶手段は、全く精米されていない全玄米を炊飯する際の炊飯メニューである全玄米炊飯メニューを記憶し、 当該全玄米炊飯メニューとして記憶されている吸水温度は、ベータ澱粉のアルファ澱粉へのアルファ化が開始する温度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は炊飯器に関し、詳細には、複数の炊飯メニューを設けた炊飯器に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、複数の炊飯メニューを記憶し、当該炊飯メニューを表示手段によって表示できる炊飯器が知られている。この炊飯器では、使用者が「ふつう」、「やわらかめ」、「かため」、「おかゆ」等、表示手段に表示されている様々な炊飯メニューの中から希望する炊飯メニューの1つを選択する。すると、炊飯器は、選択された炊飯メニューに応じて予め設定された炊飯の工程に従って炊飯を行い、使用者が希望する具合に御飯を炊き上げることができる。 【0003】 また、近年の健康志向の高まりとともに、繊維質が多く健康によいという理由から玄米が好まれるようになった。そこで、例えば、炊飯メニューに「玄米」及び「発芽玄米」を含む炊飯器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この炊飯器によると、米への吸水工程において、加熱量及び吸水時間を白米、玄米、発芽玄米のそれぞれの場合毎に変えることで、白米のみならず玄米や発芽玄米も1つの炊飯器で炊き上げることができる。 【特許文献1】特開2004−49337号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、玄米の種類は、全く精米されておらず頑強な果皮に覆われている「全玄米」と、つき具合(精米の具合)が度数で表されており、果皮が取り除かれている「分つき米」との2つに大別され、「全玄米」と「分つき米」とでは炊飯の工程が大きく異なる。さらに、「分つき米」に関しても、つき具合によって味や栄養価のみならず最適な炊飯の工程も異なる。しかし、従来の炊飯器においては、玄米の種類に関係なく玄米を一様の時間と一様の水量で炊飯していたため、玄米の種類によっては最適な状態で炊きあがらない場合があった。このため、各種玄米を最適な状態に炊き上げるために、水量等を自分の経験や勘によって調節しなければならない。従って、希望するように玄米が炊き上がらない場合があり、使い勝手が悪いという問題点があった。 【0005】 前記問題点を解決するための1つの手法としては、釜に入れる水量を増やすと、沸騰している時間が長くなって米の内部まで吸水しやすく、逆に水量を減らすと、沸騰している時間が短くなって吸水しにくくなるという性質を利用して、吸水速度が異なる玄米の種類毎に水量を変え、玄米の種類に対応した炊飯を行うという手法が考えられる。ところが、この方法の場合、釜の内側に多数の水位線を設ける必要があるため、使用者が目印とすべき特定の水位線と他の水位線との見分けがつきにくくなってしまう。 【0006】 さらに、全く精米をしていない全玄米を炊飯する際、全玄米は強固に吸水を妨げる果皮に覆われているため、吸水に時間がかかり、全玄米の炊飯時間が非常に長くなってしまうという問題点があった。 【0007】 本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、全玄米及び分つき米を、それぞれの玄米の種類に応じた適切な時間及び温度で、簡単においしく炊き上げることができる炊飯器を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の炊飯器は、釜を加熱する加熱手段と、玄米のつき具合毎に定められた、炊飯の工程における吸水時間及び吸水温度を、玄米炊飯メニューとして玄米のつき具合毎に記憶する玄米炊飯メニュー記憶手段と、玄米のつき具合の1つを選択するつき具合選択手段とを備え、前記つき具合選択手段により玄米のつき具合が選択された場合には、選択されたつき具合に対応した前記玄米炊飯メニューを前記玄米炊飯メニュー記憶手段から呼び出すとともに、呼び出された前記玄米炊飯メニューに基づき前記加熱手段を制御する加熱制御手段を備えている。 【0009】 また、請求項2に係る発明の炊飯器は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記玄米炊飯メニュー記憶手段は、全く精米されていない全玄米を炊飯する際の炊飯メニューである全玄米炊飯メニューを記憶し、当該全玄米炊飯メニューとして記憶されている吸水温度は、ベータ澱粉のアルファ澱粉へのアルファ化が開始する温度よりも高いことを特徴とする。 【発明の効果】 【0010】 請求項1に係る発明の炊飯器では、玄米のつき具合毎に吸水時間及び吸水温度のパターンが異なる複数の炊飯メニューを記憶しており、選択された1つの炊飯メニューに従って、加熱手段を制御して炊飯を行う。従って、使用者は玄米のつき具合毎に水加減等の調節を自らの経験や勘で行う必要がなく、炊飯する玄米に適した炊飯メニューを1つ選択して炊飯を開始させるだけで、つき具合が異なる複数種類の玄米を、1つの炊飯器で簡単においしく炊き上げることができる。 【0011】 また、請求項2に係る発明の炊飯器では、全く精米されていない全玄米を炊飯する全玄米炊飯メニューを記憶し、この全玄米炊飯メニューが選択されて炊飯を行う場合には、米の澱粉のアルファ化が開始する温度よりも高い温度を吸水温度として炊飯を行う。一般的に、糊状のアルファ澱粉が米の内部への吸水を妨げて、吸水時間が長くなることを防ぐため、吸水温度はアルファ化が開始する温度よりも低い温度にすることが行われている。しかし、全玄米は、アルファ澱粉よりも強固に水の通過を妨げる果皮によって周囲を覆われており、この果皮はアルファ化が開始する温度よりも高温下の方が水を通過させやすい。従って、全玄米を炊飯する際の吸水温度をアルファ化が開始する温度よりも高い温度とすることで、吸水時間を短縮することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、本発明の一実施の形態である炊飯器1について、図面を参照して説明する。図1は、炊飯器1の概略構成図であり、図2は、炊飯器1の操作パネル11を示す図であり、図3は、玄米のつき具合毎に設定された吸水温度、吸水時間、操作パネル11での表示番号を示した表である。 【0013】 尚、本実施の形態に係る炊飯器1は、ガスを燃焼させて炊飯を行うガス炊飯器である。そして、白米を炊飯する際の「無洗米」や「おかゆ」等の炊飯メニューに加えて、玄米のつき具合(精米の具合)毎に、全く精米されていない「全玄米」から「三分つき」、「五分つき」、「七分つき」までの各炊飯メニューが設定されており、玄米のつき具合毎に適切な工程で炊飯を行うことができる。 【0014】 はじめに、炊飯器1の構造について概略的に説明する。図1に示すように、炊飯器1には、米及び水を収納して炊飯器1に着脱自在に収容される釜2と、釜2の上部開口を開閉する内蓋3と、ガスを燃焼させて釜2を加熱するバーナ4と、外部からバーナ4へガスを供給するガス供給路5とが設けられている。ガス供給路5には、ガスの供給を遮断する元電磁弁6と、元電磁弁6とバーナ4との間に並列に配設されて、それぞれ異なるガス量の供給及びガスの遮断を行う第1電磁弁7及び第2電磁弁8とが設けられている。強火での燃焼が行われる場合には第1電磁弁7及び第2電磁弁8の両方が開弁され、弱火での燃焼が行われる場合には第1電磁弁7のみが開弁されて第2電磁弁8は閉弁される。 【0015】 また、炊飯器1には、載置された釜2の底面の中央部に当接して釜2の底部の温度を検出する釜底温度センサ9と、内蓋3に設けられて釜内の温度を検出する内蓋温度センサ10とが設けられている。また、炊飯器1の外周部には操作パネル11が設けられており、この操作パネル11及び2つの温度センサ9,10はコントローラ12に電気的に接続されている。コントローラ12は、中央演算処理装置であり時間を計時することができるCPU13と、当該CPU13を中心に相互に接続されたROM14、RAM15、図示外のI/Oインタフェイスを備えている。そして、コントローラ12は、2つの温度センサ9,10によって検出される温度データ信号と、操作パネル11から送信される各信号とを受信し、CPU13により計時される炊飯工程の経過時間を管理して、予めROM14に記憶されているプログラムに従って3つの電磁弁6〜8と、操作パネル11の表示画面30及び各種ランプ31〜35(図2参照)とを制御する。 【0016】 尚、図示しないが、コントローラ12は書き換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM等を備えており、電源が切断された際に電源切断前の炊飯器1の設定等が記憶される。また、ガスに点火するための点火装置や、電力を取得するための電源コード等を備えている。 【0017】 次に、操作パネル11について説明する。図2に示すように、操作パネル11は、各種入力ボタン及び表示装置により構成されている。入力ボタンとしては、予め設定されている複数の炊飯メニューの1つを選択するメニュー選択ボタン23と、予約時刻を調節するための予約ボタン27と、炊飯動作を開始させるための炊飯ボタン28とを有する。尚、21は、炊飯した米を所定時間保温する動作の開始及び動作の終了を行うための保温ボタンであり、22は、保温する動作の延長を行うための保温延長ボタンである。また、24は、現在時刻を調節するための時計あわせボタンであり、25及び26は、現在時刻及び予約時刻を調節する際に時調節を行うための時ボタン及び分調節を行うための分ボタンである。 【0018】 また、表示装置としては、7セグメントディスプレイからなる表示画面30と、予め設定されている「ひたしおき」「ひたしすぐ」「おかゆ」「無洗米」「玄米」の炊飯メニューの1つを指示して、どの炊飯メニューが選択されているのかを表示する炊飯メニュー表示ランプ33とが設けられている。尚、「ひたしおき」とは、適切な時間浸水させて水を吸収させた白米を炊飯する炊飯メニューであり、「ひたしすぐ」とは、十分な時間浸水させていない白米を炊飯する炊飯メニューである。また、31は、保温中であることを示す保温ランプであり、32は、保温延長中であることを示す保温延長ランプであり、34は、予約中であることを示す予約ランプであり、35は、炊飯中であることを示す炊飯中ランプである。また、各種ランプ31〜35はLEDからなる。 【0019】 次に、玄米のつき具合(精米具合)毎に設定される吸水温度及び吸水時間について説明する。図3に示すように、本実施の形態の炊飯器1には、玄米を炊飯する際の炊飯メニューとして、玄米のつき具合が少ない順に「全玄米」、「三分つき」、「五分つき」、「七分つき」の4つの炊飯メニューが設定されている。そして、米に水を吸収させる工程である吸水工程における吸水時間及び吸水温度がそれぞれの炊飯メニュー毎に決められており、「全玄米」ではTA℃でMA分間、「三分つき」ではTB℃でMB分間、「五分つき」ではTC℃でMC分間、「七分つき」ではTD℃でMD分間の吸水工程を経る。 【0020】 次いで、玄米を炊飯する際の吸水温度について詳細に説明する。米の澱粉は、結晶構造の違いによってベータ澱粉とアルファ澱粉との2つに区別される。ベータ澱粉とは炊飯前の米の澱粉であり、硬くて消化吸収が悪いという性質を持つ。このベータ澱粉が水を吸収して高温になると、やわらかい糊状で消化吸収が良く、美味しいアルファ澱粉に変化する。ここで、ベータ澱粉がアルファ澱粉に変化することをアルファ化と言う。また、米の澱粉のアルファ化が開始する温度は約65℃であり、さらに温度を上げて70℃〜80℃になるとアルファ化が促進される。米を炊く際、米粒の内部までしっかりと吸水させて炊くと、米全体がアルファ化してやわらかくなり、ふっくらとして美味しい御飯が炊き上がるが、一方で、吸水が十分に行われないまま炊飯を行うと、米の内部に芯が残ってしまう。 【0021】 そして、果皮が取り除かれた「分つき米」は低温下よりも高温下の方が水を吸収しやすいが、吸水時の水の温度をアルファ化する温度よりも高い温度まで上昇させると、その表面がアルファ澱粉で覆われる。すると、糊状のアルファ澱粉は水を通過させにくいため、「分つき米」の内部への吸水が妨げられ、かえって吸水の時間が長くなってしまう。従って、吸水時間の短縮を図るために、「分つき米」における吸水温度TB,TC,TDをアルファ化が開始する温度よりも低い温度に設定するとともに、つき具合毎に適切な吸水時間MB,MC,MDを設定することで、精米具合が異なるそれぞれの「分つき米」毎に最適な吸水工程を行うことができる。 【0022】 一方、全く精米をしていない全玄米は、繊維質を多く含んだ果皮によって周囲を覆われており、果皮は糊状のアルファ澱粉よりも強固に水の通過を妨げることから、40℃〜65℃の吸水温度では吸水時間が著しく長くなってしまう。そこで、全玄米を覆っている果皮は、アルファ化が開始する温度よりも高温の方が水を通過させやすいという特性を利用し、「全玄米」の炊飯工程における吸水温度TAをアルファ化が開始する温度よりも高い温度とすることで、全玄米への吸水時間MAの短縮を実現している。 【0023】 次に、操作パネル11を用いた炊飯メニューの選択方法について説明する。使用者は操作パネル11を操作することにより、複数の炊飯メニューの中の1つを選択して炊飯を行うことができる。使用者によってメニュー選択ボタン23が押下される度に、炊飯メニュー表示ランプ33において点灯するランプが1つ下のランプへ変更される。そして、点灯するランプが「無洗米」から「玄米」へ変更される場合には、同時に表示画面30に全玄米炊飯メニューを示す「0」が表示され、その後はメニュー選択ボタン23が押下される度に、「玄米」のランプが点灯されたまま表示画面30に表示される数字が「3」、「5」、「7」に順次変更される。図3に示すように、表示画面30に表示される数字は「0」が全玄米を、「3」が三分つきを、「5」が五分つきを、「7」が七分つきを示す。尚、表示画面30に「7」が表示されている際にメニュー選択ボタン23が押下されると、表示画面30の表示が消去されて、点灯するランプが「玄米」から「ひたしおき」に変更される。使用者は、希望する炊飯メニューが表示されるまでメニュー選択ボタン23を押下した後炊飯ボタン28を押下することにより、所望の炊飯工程を炊飯器1に実行させることができる。 【0024】 以下、本実施の形態における炊飯器1の炊飯制御について図面を参照して説明する。尚、炊飯器1には多数の炊飯メニューが設定されているが、説明の簡単のため、予め浸水させた白米を炊飯するひたしおき炊飯メニューと、玄米のつき具合毎に設定された本発明の特徴である全玄米炊飯メニュー、三分つき炊飯メニュー、五分つき炊飯メニュー、七分つき炊飯メニューの計5つの炊飯メニューについて説明する。そして、炊飯器1の制御を行うプログラムはコントローラ12に設けられたROM14に記憶され、CPU13において実行される。 【0025】 はじめに、図4のフローチャート及び図5を参照して、ひたしおき炊飯メニューを実行する際の炊飯処理について説明する。図4は、炊飯器1の炊飯処理のフローチャートであり、図5は、ひたしおき炊飯メニューの温度変化の一例を示すグラフである。先述したように、ひたしおき炊飯メニューとは、適切な時間浸水させて水を吸収させた白米を炊飯する炊飯メニューである。 【0026】 操作パネル11のメニュー選択ボタン23が操作されて炊飯メニュー表示ランプ33の「ひたしおき」が点灯している際に炊飯ボタン28が押下されると、ひたしおき炊飯メニューを実行する炊飯処理が開始される。そして、選択された炊飯メニューがひたしおき炊飯メニューであるか否かが判断される。ひたしおき炊飯メニューであった場合には(S1:YES)、炊飯器1にセットされている白米への吸水はすでに行われているため、吸水工程を経ずに、周知である所定の炊き上げ処理が行われる(S14)。すると、図5に示すように、吸水工程を経ずに温度が上昇し、沸騰が開始する。そして、水分が蒸発することに伴い再び温度が上昇すると、バーナ4による加熱が停止され、温度が下降して炊飯が終了する。 【0027】 次に、図4のフローチャートを参照して、玄米に関する炊飯メニューを実行する際の炊飯処理について説明する。玄米に関する炊飯メニューには、先述したように、玄米のつき具合(精米具合)毎に設けられた「全玄米」、「三分つき」、「五分つき」、「七分つき」の4つの炊飯メニューが設定されている。操作パネル11のメニュー選択ボタン23が操作されて炊飯メニュー表示ランプ33の「玄米」が点灯しているとともに、表示画面30に「0(全玄米)」、「3(三分つき)」、「5(五分つき)」、「7(七分つき)」のいずれかが表示されている際に炊飯ボタン28が押下されると、玄米の炊飯処理が開始される。 【0028】 はじめに、選択された炊飯メニュー毎に、吸水工程における吸水温度及び吸水時間(図3参照)を設定する。選択された炊飯メニューがひたしおき炊飯メニューでなければ(S1:NO)、選択された炊飯メニューが全玄米炊飯メニューであるか否かが判断される(S2)。全玄米炊飯メニューであった場合には(S2:YES)、吸水温度がTA℃に、吸水時間がMA分に設定される(S3)。全玄米炊飯メニューでなかった場合には(S2:NO)、三分つき炊飯メニューであるか否かが判断され(S4)、三分つき炊飯メニューであった場合には(S4:YES)、吸水温度がTB℃に、吸水時間がMB分に設定される(S5)。三分つき炊飯メニューでなかった場合には(S4:NO)、五分つき炊飯メニューであるか否かが判断され(S6)、五分つき炊飯メニューであった場合には(S6:YES)、吸水温度がTC℃に、吸水時間がMC分に設定される(S7)。五分つき炊飯メニューでなかった場合には(S6:NO)、選択された炊飯メニューは七分つき炊飯メニューであるため、吸水温度がTD℃に、吸水時間がMD分に設定される(S8)。 【0029】 次いで、吸水温度及び吸水時間の設定が終了すると、電磁弁6〜8が開弁されて点火され、ガスの燃焼が行われる(S9)。そして、釜内温度が設定されている吸水温度(TA〜TDのいずれかの温度)に達したか否かの判断が行われ(S10)、設定されている吸水温度に達するまでこの判断は繰り返し行われる(S10:NO)。設定されている吸水温度に達したと判断されると(S10:YES)、電磁弁6〜8が閉弁されて消火され(S11)、設定されている吸水時間(MA〜MDのいずれかの時間)を計測するカウンタがセットされる(S12)。次いで、このカウンタの値を用いて、設定されている吸水時間が経過したか否かの判断が行われ(S13)、時間が経過するまでこの判断は繰り返し行われる(S13:NO)。設定されている吸水時間が経過したと判断されると(S13:YES)、所定の炊き上げ処理が行われる(S14)。 【0030】 次に、図6及び図7を参照して、玄米に関する各炊飯メニューを実行した際の温度推移の一例について説明する。図6は、全玄米炊飯メニューを実行した際の温度変化の一例を示すグラフであり、図7は、三分つき炊飯メニューを実行した際の温度変化の一例を示すグラフである。尚、五分つき炊飯メニュー及び七分つき炊飯メニューにおける温度推移に関しては、三分つき炊飯メニューの場合と同様に、アルファ化が開始する温度よりも低い温度で吸水工程を行うため、温度推移も近似している。従って、この説明は省略する。 【0031】 まず、全玄米炊飯メニューを実行する際の温度推移について説明する。図6に示すように、全玄米炊飯メニューを実行する際の炊飯器1は、米の澱粉のアルファ化が開始する温度(約65℃)よりも高い温度であるTA℃に達するまで釜内温度を上昇させてガスを消火し、そこからMA分間の吸水工程を行う。先述したように、全玄米炊飯メニューにおける吸水温度を、アルファ化が開始する温度よりも高い温度であるTA℃とすることで、水の吸収を妨げる果皮の内側への吸水時間の短縮を実現している。 【0032】 次いで、三分つき炊飯メニューを実行する際の温度推移について説明する。図7に示すように、三分つき炊飯メニューを実行する際の炊飯器1は、まず釜内温度を上昇させ、アルファ化が開始する温度(約65℃)よりも低い温度であるTB℃に達すると、消火して吸水工程を行う。三分つき米の表面にはぬか層が残っており、ぬか層が取り除かれた白米に比べて吸水しにくいため、MB分間の吸水時間を経て十分に水を吸水させた後に炊き上げ処理に移行する。 【0033】 以上説明したように、本実施の形態における炊飯器1によると、玄米のつき具合によって異なる複数の炊飯メニューを設け、炊飯メニュー毎に適切な吸水温度及び吸水時間で吸水工程を行うため、全玄米及び分つき米を簡単においしく炊き上げることができる。また、全く精米されていない全玄米を炊飯する際、米の澱粉がアルファ化する温度(約65℃)よりも高いTA℃で吸水工程を行うため、水の吸収を妨げる果皮の内側への吸水時間を短縮することができる。 【0034】 また、米の量に応じて釜2に入れる水量を、玄米のつき具合毎に変える必要がない。すなわち、水量を増やすと沸騰している時間が長くなり、玄米の内部まで吸水しやすい。一方で、水量を減らすと沸騰している時間が短くなり、吸水しにくくなる。この性質を利用して、吸水速度が異なる玄米のつき具合毎に水量を変える場合には、使用者が行う作業が煩雑になるとともに、釜2の内側に水位線(図示外)を多数設けなければならないため、使用者が目印とすべき特定の水位線と他の水位線との見分けがつきにくくなる。しかし、本実施の形態に係る炊飯器1では、沸騰時間ではなく吸水温度及び吸水時間に差を設けることで、吸水速度の異なる4種類の玄米のそれぞれに適した吸水工程を行うことを実現した。従って、4種類の玄米の炊飯を全て同じ水量で行うことができるため、使い勝手がよい。 【0035】 尚、上記実施の形態において、バーナ4が「加熱手段」に相当し、コントローラ12のROM14が「玄米炊飯メニュー記憶手段」に相当し、操作パネル11が「つき具合選択手段」に相当する。また、電磁弁6〜8を制御してバーナ4の燃焼量を調節するコントローラ12のCPU13が「加熱制御手段」に相当する。 【0036】 また、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、各種の変形が可能である。まず、本実施の形態では玄米を炊飯する炊飯メニューとして4つの炊飯メニューを設けたが、玄米のつき具合毎にさらに細分化して多数の玄米の炊飯メニューを設けてもよいし、炊飯メニューの数を減らしてもよい。また、上記実施の形態では、吸水工程の際は電磁弁6〜8を閉弁して消火していたが、断続的に、若しくは継続的に加熱しながら吸水工程を行ってもよい。 【産業上の利用可能性】 【0037】 本発明は、ガス炊飯器に限らず、電気炊飯器等の他の加熱手段を用いた炊飯器にも適用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0038】 【図1】炊飯器1の概略構成図である。 【図2】炊飯器1の操作パネル11を示す図である。 【図3】玄米のつき具合毎に設定された吸水温度、吸水時間、操作パネル11での表示番号を示した表である。 【図4】炊飯器1の炊飯処理のフローチャートである。 【図5】ひたしおき炊飯メニューの温度変化の一例を示すグラフである。 【図6】全玄米炊飯メニューの温度変化の一例を示すグラフである。 【図7】三分つき炊飯メニューの温度変化の一例を示すグラフである。 【符号の説明】 【0039】 1 炊飯器 2 釜 4 バーナ 11 操作パネル 12 コントローラ 13 CPU 14 ROM 23 メニュー選択ボタン 30 表示画面 33 炊飯メニュー表示ランプ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000112015 【氏名又は名称】パロマ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月11日(2006.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104178 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 尚
【識別番号】100119611 【弁理士】 【氏名又は名称】中山 千里
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| 【公開番号】 |
特開2008−43423(P2008−43423A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−220011(P2006−220011) |
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