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【発明の名称】 電気炊飯器
【発明者】 【氏名】長谷川 逸美

【要約】 【課題】土鍋等非金属製の内鍋の蓄熱性の高さを活用した適切な焦げめ炊飯を可能とする。

【構成】水および米を収容する非金属材料製の内鍋と、この内鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記内鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、該内鍋温度検出手段により検出された内鍋温度に基いて、上記炊飯加熱手段の加熱出力を制御する炊飯加熱制御手段とを備えた電気炊飯器であって、上記炊飯加熱制御手段は、炊き上げ工程における炊飯加熱手段の加熱出力又は加熱時間を、昇温工程を経た沸とう以後の上記内鍋の蓄熱量を考慮し、適切な焦げめ加熱制御を行うようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水および米を収容する非金属材料製の内鍋と、この内鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記内鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、該内鍋温度検出手段により検出された内鍋温度に基いて、上記炊飯加熱手段の加熱出力を制御する炊飯加熱制御手段とを備えた電気炊飯器であって、上記炊飯加熱制御手段は、炊き上げ工程における炊飯加熱手段の加熱出力又は加熱時間を、昇温工程を経た沸とう以後の上記内鍋の蓄熱量を考慮し、適切な焦げめ加熱制御を行うようにしたことを特徴とする電気炊飯器。
【請求項2】
水および米を収容する非金属材料製の内鍋と、この内鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記内鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、該内鍋温度検出手段により検出された内鍋温度に基いて、上記炊飯加熱手段の加熱出力を制御する炊飯加熱制御手段とを備え、上記炊飯加熱制御手段が上記内鍋の蓄熱量を考慮した焦げめ加熱制御を行うようにしてなる電気炊飯器において、上記炊飯加熱制御手段の焦げめ加熱制御は、複数の炊き上げ工程における炊飯加熱手段の加熱出力を増減することによりご飯の温度を上下させるとともに、その時のご飯の温度の上下変動幅を変えることにより焦げ色の差を付けるようになっていることを特徴とする電気炊飯器。
【請求項3】
加熱出力の増減による内鍋の蓄熱量変化が小さい時の焦げめ加熱制御は、内鍋温度検知手段の内鍋温度検知データを使用することなく、付与された加熱出力値と加熱時間との積に基いて行うようにしたことを特徴とする請求項2記載の電気炊飯器。
【請求項4】
蓋部の温度を検知する蓋温度検知手段を設け、加熱出力の増減による内鍋の蓄熱量変化が大きい時の焦げめ加熱制御は、内鍋温度検知手段および蓋温度検知手段の各温度検知データ又は内鍋温度検知手段の内鍋温度検知データを使用することなく付与された加熱出力値と加熱時間との積の何れかに基いて行うようにしたことを特徴とする請求項2記載の電気炊飯器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本願発明は、非金属製の内鍋を採用した電磁誘導加熱式の電気炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の電気炊飯器では、高出力で加熱効率が高く出力制御の応答性も高いために、早く、しかも美味しい御飯を炊き上げることができることから、内鍋(飯器)自体を金属材料で形成するとともに、その炊飯加熱手段として、電磁誘導によって当該内鍋内に渦電流を誘起させて自己発熱させる電磁誘導加熱手段を採用した電磁誘導加熱式のものが多くなっている。
【0003】
このような電気炊飯器の場合、上記電磁誘導加熱手段として、所謂ワークコイルを採用し、内鍋を収納する有底筒状の内ケース(保護枠)の底壁面に対し、巻き幅の広い1組のワークコイルを沿わせて設置するか、または同底壁面の中央部側に位置して巻かれた第1のワークコイルと同底壁面の外周部側(湾曲面)に第1のワークコイルと所定の間隔を置いて巻かれた第2のワークコイルとの内外2組のワークコイルを内鍋の底面形状に沿わせて曲面型に設置した誘導加熱構造が採用されている(特許文献1参照)。もちろん、さらに必要に応じて内ケースの側面側にもワークコイルを設けたものもある。
【0004】
今、図11のフローチャートおよび図12のタイムチャートは、そのような従来の電磁誘導加熱式電気炊飯器の標準モードでの白米炊飯時における一般的な炊飯〜保温制御の内容を示している。
【0005】
すなわち、該炊飯〜保温制御フローでは、先ず所定の炊飯メニュー(例えば白米・ふつう)が選択設定され、炊飯器本体側の炊飯開始スイッチが押された時点で、上述のワークコイルをONにして炊飯を開始し、その制御動作をスタートさせる(ステップS1)。
【0006】
その後、ステップS2で、吸水タイマーのタイマー動作をスタートさせた上で吸水工程に入る。
【0007】
そして、この吸水工程では、例えばワークコイル出力800W、保温ヒータの通電率0/16、肩ヒータの通電率6/16で、吸水設定温度50℃に制御される(例えば初期水温20℃の場合)。
【0008】
その後、内鍋内の水温が吸水設定温度50℃になると、同様の加熱状態で50℃を維持しながら、合数(炊飯量)を判定する(ステップS3)。次に同合数の判定が終わると、ステップS4の昇温工程に進む。
【0009】
該昇温工程では、上記合数の判定結果(例えば大量,中量,小量の3ランク)に対応して、その飯量の炊飯に必要な以後のワークコイルの出力電力量1150W〜920W(通電率16/16=100%)、保温ヒータの通電率0/16(0%)、蓋ヒータの通電率6/16(38%)を設定し、沸とうするまで(100℃になるまで)炊き上げる。
【0010】
次に内鍋内の水が沸とう状態になると、上記ワークコイル出力を700W(通電率8/16=50%)に落とす一方、保温ヒータの通電率10/16(63%)、肩ヒータの通電率6/16(38%)に設定して同状態で所定時間内沸とう維持工程を実行する。
【0011】
そして、その後、ステップS7の炊き上げ検知判定に進み、内鍋底部の内鍋温度検知センサによって検知される内鍋の温度が、炊き上げ検知温度(130℃)以上に高くなったか否かを判定し、検知温度よりも低い場合は上記ステップS5の沸とう維持工程を継続するが、検知温度以上に高い時は炊き上げ完了と判断して、ステップS7のむらし工程に進む。
【0012】
このむらし工程では、ワークコイル出力800W、保温ヒータの通電率10/16(63%)、肩ヒータの通電率6/16(38%)で、内鍋温度が110℃になるように所定時間内制御して、十分なむらしを行う。
【0013】
そして、同むらし工程が終了(むらし時間が経過)すると、それにより炊飯を完了し、以後ステップS9の保温工程に移行する。
【0014】
そして、同保温工程では、ユーザーにより設定された所定の保温時間、所定の保温温度で、保温制御が実行される。
【0015】
ところで、最近では、このような電磁誘導式加熱手段を採用した電気炊飯器において、ご飯の炊き上がりをより良好ならしめるために、上記従来の金属材料よりなる内鍋に替えて、例えばセラミック等の非金属材料よりなる内鍋(いわゆる土鍋)の採用が検討されている(例えば特許文献2参照)。
【0016】
この場合、当然ながら内鍋自体が電磁誘導によっては発熱しないために、例えば内鍋の底部および底部近傍に特に電磁誘導効率の高い金属製の誘導発熱体(例えば銀ペーストなど)を配設し、この誘導発熱体を上記ワークコイル等の対応する電磁誘導加熱手段によって誘導発熱させることにより、内鍋を加熱する間接的な加熱構造が採用されている(例えば特許文献3参照)。
【0017】
【特許文献1】特開2004−201804号公報(明細書1−12頁、図1−7)。
【0018】
【特許文献2】実用新案登録第3110038号公報(明細書1−3頁、図1)。
【0019】
【特許文献3】特願2006−113285号(明細書1−10頁、図1−4)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところが、上記のように土鍋等非金属製の内鍋を採用した場合、内鍋自体の熱伝導性がよくないために、誘導発熱体の発熱量の割には内鍋自体の温度が上昇しにくく、内鍋内の水の温度の上昇が遅い問題がある。
【0021】
一方、それに反して蓄熱性は高く、一旦所定温度まで加熱されると直ぐには冷めない特徴がある。
【0022】
そのため、例えば沸とう後の炊き上げ工程で焦げが生じやすい問題がある。特に誘導発熱体に対応する部分で、その傾向が著しい。
【0023】
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、炊飯量とともに上記非金属製の内鍋の蓄熱性を考慮して炊き上げ工程における加熱出力と加熱時間を調節することにより、焦げを生じさせない場合を含めて適切な焦げめ調節を行えるようにした電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本願発明は、同目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0025】
(1) 請求項1の発明
この発明の電気炊飯器は、水および米を収容する非金属材料製の内鍋と、この内鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記内鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、該内鍋温度検出手段により検出された内鍋温度に基いて、上記炊飯加熱手段の加熱出力を制御する炊飯加熱制御手段とを備えた電気炊飯器であって、上記炊飯加熱制御手段は、炊き上げ工程における炊飯加熱手段の加熱出力又は加熱時間を、昇温工程を経た沸とう以後の上記内鍋の蓄熱量を考慮し、適切な焦げめ加熱制御を行うようにしたことを特徴がある。
【0026】
したがって、その時の炊飯量とともに、沸とう以後の当該炊き上げ工程における内鍋の温度レベルに応じて内鍋自体が持っている蓄熱量を考慮して、上述の炊飯加熱手段の加熱出力又は加熱時間を調節するようにし、同調節される加熱出力又は加熱時間を、例えば焦げを生じさせることなく炊き上げる場合の加熱出力又は加熱時間を基準として、ユーザーが望む焦げ色に応じて任意に増大させるなどの方法により、焦げを生じさせない通常炊飯の場合を含めて所望の焦げ色の炊飯を可能とすることができる。
【0027】
しかも、以上の構成では、それが内鍋自体の蓄熱性の高さ(蓄熱量の大きさ)を利用してなされることから、焦げめを付けるために付加される加熱出力、加熱時間は、従来の金属製の内鍋の場合にように特別に大きくする必要がなく、消費電力も少なくて済む。
【0028】
(2) 請求項2の発明
この発明の電気炊飯器は、水および米を収容する非金属材料製の内鍋と、この内鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記内鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、該内鍋温度検出手段により検出された内鍋温度に基いて、上記炊飯加熱手段の加熱出力を制御する炊飯加熱制御手段とを備え、上記炊飯加熱制御手段が上記内鍋の蓄熱量を考慮した焦げめ加熱制御を行うようにしてなる電気炊飯器において、上記炊飯加熱制御手段の焦げめ加熱制御は、複数の炊き上げ工程における炊飯加熱手段の加熱出力を増減することによりご飯の温度を上下させるとともに、その時のご飯の温度の上下変動幅を変えることにより焦げ色の差を付けるようになっていることを特徴としている。
【0029】
このような構成によると、焦げ色の調節制御に際し、昇温工程後、複数の工程に区分して設定された炊き上げ工程において、炊飯加熱手段の加熱出力を増減することによりご飯の温度を上下させ、その時のご飯の温度の上下幅を変えるのみで、比較的簡単に焦げ色の差を付けることが可能となる。
【0030】
(3) 請求項3の発明
この発明の電気炊飯器は、上記請求項2の発明の構成において、加熱出力の増減による内鍋の蓄熱量変化が小さい時の焦げめ加熱制御は、内鍋温度検知手段の内鍋温度検知データを使用することなく、付与された加熱出力値と加熱時間との積に基いて行うようにしたことを特徴としている。
【0031】
加熱出力の増減による内鍋の蓄熱量変化(温度変化)が小さい場合には、ご飯の温度の低下および上昇を内鍋温度検知手段は正確に捉えることができない。そこで、そのような場合には、与えた加熱出力値と加熱時間との積で加熱制御するようにする。
【0032】
このようにすると、薄い焦げ色レベルの調節も可及的高精度に実現することができるようになる。
【0033】
(4) 請求項4の発明
この発明の電気炊飯器は、上記請求項2の発明の構成において、さらに蓋部の温度を検知する蓋温度検知手段を設け、加熱出力の増減による内鍋の蓄熱量変化が大きい時の焦げめ加熱制御は、内鍋温度検知手段および蓋温度検知手段の各温度検知データ又は内鍋温度検知手段の内鍋温度検知データを使用することなく付与された加熱出力値と加熱時間との積の何れかに基いて行うようにしたことを特徴としている。
【0034】
加熱出力の増減による内鍋の蓄熱量変化(温度変化)が大きい場合には、内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段の検知データも略実際の内鍋温度の変化に追従する。また、蓋部の温度を検出する蓋温度検知手段の温度検知データの追従性は高い。
【0035】
したがって、加熱出力の増減による内鍋の蓄熱量の変化が大きい時の焦げ色調節の火加減制御は、一例として内鍋温度検知手段および蓋温度検知手段の各温度検知データに基いて行うようにする。
【0036】
もちろん、この場合においても、請求項3の発明のように、上記内鍋温度検知手段の内鍋温度検知データ等を使用することなく、付与された加熱出力値と加熱時間との積に基いて行われるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0037】
以上の結果、本願発明によると、土鍋等の非金属製の内鍋を採用した電気炊飯器において、当該内鍋の蓄熱性の高さにも拘わらず焦げのない炊飯を可能とすることができるとともに、当該内鍋の蓄熱性の高さを活用した適切な焦げめ炊飯機能を低コストに実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
図1〜図10は、土鍋等の非金属製の内鍋を採用した場合において、当該内鍋の蓄熱性の高さにも拘わらず焦げのない炊飯を可能とすることができるとともに、当該内鍋の蓄熱性の高さを活用した適切な焦げめ炊飯機能を実現することができるようにした本願発明の最良の実施の形態に係る電気炊飯器の炊飯器本体部分の構成およびその炊飯〜保温制御の内容を示している。
【0039】
(炊飯器本体部分の構成)
先ず本願発明の最良の実施の形態における電気炊飯器では、図1に示すように、例えば内鍋(飯器ないし保温容器)3として非金属材料からなる鍋(例えば、セラミック製の土鍋)が採用されており、その底壁部3aの外周面および該底壁部3aから側壁部3b面に至る間の湾曲面には、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な、例えば銀ペースト等の金属製の第1,第2の誘導発熱体G1,G2が個別に貼設されている。
【0040】
すなわち、該電気炊飯器は、同構成の内鍋3と、該内鍋3を任意にセットし得るように形成された下部側合成樹脂製の皿状の底壁部4および上部側筒状の側壁部6よりなる内ケース(保護枠)46と、該内ケース46を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1と、該外ケース1と上記内ケース46とを一体化して形成された炊飯器本体の上部に開閉可能に設けられた蓋ユニット(蓋体)2とから構成されている。
【0041】
上記内ケース4の底壁部(底部)4aの下方側にはコイルカバー93が設けられ、その下部にはフェライトコア7を配置し、またその上部には、上記内鍋3の底壁部3aの下面側と側部湾曲面側の各誘導発熱体G1,G2位置に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された第1,第2の2組のワークコイルC1,C2が設けられており、それにより通電時には内鍋3の上記第1,第2の誘導発熱体G1,G2にうず電流を誘起して、内鍋3を間接的に加熱するようになっている。該第1,第2のワークコイルC1,C2は、例えば相互に直列に接続されている(したがって、以下の動作説明および図3の制御回路図では単にワークコイルCとして示す)。
【0042】
内ケース46の皿状の底壁部4は、底面部4aの中央部にセンターセンサーCSのセンサー部嵌合口が形成されているとともに、同センサー部嵌合口の外周側上面にドーナツ状の遮熱板50が設けられている。また、外周側側面部4bの上端側には、所定幅半径方向外方に張り出したフランジ状の段部4cが設けられ、この段部4c部分に上部側筒状の側壁部6の下端6b側が係合載置されている。
【0043】
他方、上部側筒状の側壁部6の上端6aは、内枠部材9を介して炊飯器本体側上端の肩部材11に連結して固定されている。
【0044】
そして、上記第1,第2のワークコイルC1,C2の一端は、例えば図3の制御回路図に示すように整流回路35および平滑回路36を介した電源ラインに、また他端はIGBT(パワートランジスタ)37のコレクタにそれぞれ接続されている。
【0045】
また、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6の外周には、炊飯および保温時において加熱手段として機能する保温ヒータ(側面ヒータ)H1が設けられており、炊飯時および保温時において上記内鍋3の全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。この保温ヒータH1部分には、同部分の温度を検出する側部温度センサS3が設けられている。
【0046】
そして、それら2種の加熱手段C1,C2、H1と後述する蓋ユニット2側の蓋ヒータH2を例えば図3の制御回路図に示すようにマイコン制御ユニットによって適切に駆動制御することによって適切な炊飯機能と保温機能とを実現できるようになっている。
【0047】
ところで、本実施の形態の場合、例えば図1に詳細に示されるように、上記皿状の下部側底壁部4および筒状の上部側側壁部6からなる内ケース46の内周面と内鍋3の外周面との間には、その底部側から側部上方に到る送風通路を形成する隙間5a〜5gが設けられている。
【0048】
この隙間5a〜5gは、上記ドーナツ板状の遮熱板50の内側センターセンサーCSの外周部5a部分では広く、遮熱板50と内鍋3の底壁部3aとの間5b部分では狭く、内鍋3の底壁部3a外周の設置用凸部31,31,31部分5cでは平面リング状の凹溝部に形成され、さらに内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに到る湾曲部5d部分では狭い状態から徐々に広くなって上下方向にストレートな側壁部3bの下部に達した部分5eでは最も広くなって断面積の大きな熱風留り空間を形成している。
【0049】
そして、同内鍋3の側壁部3bの下部部分から肩部開口縁部3cに到るまでの上下方向にストレートな部分5fでは、上記内ケース46の上部側側壁部6と内鍋3の側壁部3bとが近接する位の狭い隙間に形成され、やがて外ケース1側の肩部材11と内鍋3の開口縁部3cとの間の広い隙間5gを介して炊飯器本体と蓋ユニット2との間の隙間から外部に開放されている。
【0050】
一方、本実施の形態では、図示はしなかったが、上下方向に対向する電磁誘導加熱手段としての第1のワークコイルC1と外ケース1の底部材1bとの間に位置してファンを設けるとともに、上記内ケース46の下部側皿状の底壁部4部分に同ファンからの風を上記内ケース46と内鍋3との間の送風通路に導入する第1,第2の風導入口を設け、この第1,第2の風導入口を介して上記ファンからの風を、上記第1のワークコイルC1を冷却した後に上記内ケース46と内鍋3との間に導入し、その底部側から側部外周側全体に上昇させて行くようにしている。
【0051】
この場合、上記第1,第2の風導入口は、例えば上記第1のワークコイルC1の内周側と外周側に位置して設けられており、内周側に位置する第1の風導入口から導入された風は、上記内ケース46の底壁部4中央のセンターセンサーCSの外周部5a部分から半径方向外周に放射状に広がって流れて行き、炊飯時における内鍋3の底壁部3aの第1の誘導発熱体G1から内ケース46の底壁部4側への輻射熱を可及的に吸収冷却する。
【0052】
そして、半径方向外周側では、上記第2の風導入口から導入された風と合流し、同第2の風導入口から導入された風と共に湾曲部5dから側壁部5e側の熱風留り空間方向に流れて行くが、この場合、第2の風導入口から導入された温度の低い風が内ケース46側(外側)に位置する2層状態となり、内ケース46側を効果的に冷却する。
【0053】
このような構成によると、上記ファンからの風が、発熱部材である第1のワークコイルC1を冷却した後に内ケース46の底壁部4の第1,第2の風導入口を介して内ケース46と内鍋3との間に導入されることから、電気的に発熱して温度が上昇する第1のワークコイルC1が効果的に冷却され、温度の上昇が抑制されるとともに、同第1のワークコイルC1の熱によって加熱(熱交換)され、温度が上昇した温風が、先ず内ケース46底部の第1,第2の風導入口を介して内ケース46の底壁部4と内鍋3の底壁部3aとの間に導入され、内鍋3の底壁部3aの誘導発熱体G1,G2で加熱されることにより、さらに温度を上昇させた熱風状態で、内鍋3の側壁部3bの全周を加熱しながら上端部側まで上昇する。
【0054】
その結果、ワークコイルC1,C2の保温ヒータH1の出力を増大させることなく内鍋3の側壁部3b部分の加熱効率を向上させることができ、伝熱性の悪い内鍋3全体の加熱性能を可及的に均一に向上させることができ、その分ご飯の加熱ムラがなくなる。
【0055】
しかも、その場合において、上記送風通路を形成している内鍋3と内ケース46との間の隙間5eは、特に内鍋3の底壁部3aの外周部分から上下方向にストレートな側壁部3bの下部に到る湾曲面に対応する5d〜5e部分では、内鍋3の厚さを側壁部3b部分よりも薄くして壁部外周面に段差を形成することにより特に断面積を広くして、熱風留り空間を形成するようにしており、同空間内に熱風を滞留させ、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに亘る部分を熱風で効率良く包んで補助加熱し、後述する吸水工程からむらし工程までの各炊飯工程において、有効なかまど加熱状態を実現するようになっている。
【0056】
したがって、上記内鍋3の加熱効率改善効果(伝熱性向上、加熱量の均一分布性)が、より向上する。
【0057】
また、逆に内鍋3の上下方向にストレートな側壁部3b部分の厚さは、上記湾曲部および底壁部3a側よりも厚くなっていて保熱性(蓄熱性)が高くなっているとともに、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6との間の隙間5fが小さく、近接状態で送風通路を形成するようにしている。
【0058】
したがって、同構成では、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6の外周に設けられた保温ヒータH1からの熱が同内鍋3の側壁部3bに対して可及的有効に作用して、内鍋3側の側壁部3b部分の加熱効率が、さらに有効に向上する。
【0059】
また、以上の構成における上記送風通路を形成している隙間5a〜5fは断熱保温空間としても機能するとともに、特に誘導発熱体G1,G2に対応する隙間5b,5d部分では内ケース46の耐熱性合成樹脂よりなる下部側皿状の底壁部4の耐熱限界を一層高くする輻射熱遮断空間としての作用も有している。
【0060】
さらに、この実施の形態の場合、後に述べるように、上記ファン17は、ご飯の炊き上げが完了した後(第1,第2のワークコイルC1,C2の電源がOFFされた後)のご飯の冷却作用も有しており、目標保温温度に速やかに移行させることができる。
【0061】
一方、上述の炊飯、保温機能に対するタイマー予約や炊飯および保温メニューの選択、それら各メニューに対応した各工程における加熱出力、加熱時間、保温温度、保温時間などの操作設定は、当該電気炊飯器本体の前面部に設けられた、図3のような操作パネル20の各種入力スイッチ群22a〜22jを介してユーザーにより行われ、その設定内容に応じて最終的に上記第1,第2のワークコイルC1,C2および保温ヒータH1、蓋ヒータH2が適切に制御されるようになっている。
【0062】
上記操作パネル20面のスイッチ22a〜22jは、例えば炊飯スイッチ22a(ON表示部23a)、タイマー予約スイッチ22b(ON表示部23c)、取消スイッチ22c、保温スイッチ22d(ON表示部23b)、再加熱スイッチ22e、メニュー選択スイッチ22f、時スイッチ22g、分スイッチ22h、保温OFF制御モード選択スイッチ22i(ON表示部23d)、火かげんスイッチ22jよりなっている。
【0063】
また、上記操作パネル20の中央部には、炊飯、保温の各メニュー、設定された保温温度、設定保温時間並びに現在時刻および炊飯完了までの残時間その他の必要事項を表示する液晶表示部21が設けられている。
【0064】
そして、上記外ケース1内の上記操作パネル20の裏側空間には、図示しない操作基板P1、マイコン基板P2がそれぞれ傾斜状態で設置されている。
【0065】
また、上記内ケース4の前面部側(図1参照)には、例えば図3に示されるような、第1,第2のワークコイルC1,C2、保温ヒータH1、蓋ヒータH2等を駆動制御する、上記IGBT37や保温ヒータ駆動回路33、肩ヒータ駆動回路45、電源電圧整流用のダイオードブリッジよりなる整流回路35、平滑回路36、マイコン制御ユニット32などを備えた図示しない制御基板P3が上下方向に立設して設けられている。
【0066】
また上記外ケース1は、例えば金属部材で形成された上下方向に筒状のカバー部材1aと、該カバー部材1aの上端部に結合された合成樹脂製の肩部材11と、上記カバー部材1aの下端部に一体化された合成樹脂製の底部材1bとからなり、かつ上記内ケース46の底壁部4との間に所定の広さの断熱および通風空間部を形成した全体として有底の筒状体に構成されている。
【0067】
さらに、上記内ケース46の下部側皿状の底壁部4の中央部には、上述の如く上下方向に同心状に貫通したセンターセンサー嵌合口(センターセンサー収納空間部)が形成されており、該センターセンサー収納空間部中に上下方向に昇降自在な状態で、かつ常時コイルスプリングにより上方に上昇付勢された状態で内鍋底部の温度を検知する内鍋温度センサS1および内鍋の有無を検知する内鍋検出スイッチS2を備えたセンターセンサーCSが設けられている。
【0068】
一方、符号2は蓋ユニットであり、該蓋ユニット2は、その外周面を構成するとともに中央部に調圧パイプ15を備えた合成樹脂製の外カバー12と、該外カバー12の内側に嵌合一体化して設けられた合成樹脂製の内枠13と、該内枠13の内側開口部内にパッキン14aおよび金属製の放熱板16aと、該放熱板16aの上面に設けられた蓋ヒータH2と、上記放熱板16の温度を検知する蓋温度センサS4と、上記放熱板16aの下方に設けられた金属製の内蓋16bとを備えて構成されている。また、放熱板16aの外周縁部下方および内蓋16bの外周縁部下方には、それぞれパッキン14a,14bが設けられており、内蓋16bは、同パッキン14bを介して内鍋3の開口縁部3cの上面部に接触させられている。また、15aは調圧パイプ15内の調圧弁、15bはその下部側キャップである。
【0069】
この蓋ユニット2は、上記外ケース1上部の後端側で肩部材11に対してヒンジ機構8を介して回動自在に取付けられており、その開放端側には、該蓋ユニット2の所定位置に係合して該蓋ユニット2の上下方向への開閉を行うロック機構10が設けられている。
【0070】
したがって、該構成では、先ず炊飯時には、上記内鍋3は、上記第1,第2の2組のワークコイルC1,C2の駆動により生じる渦電流によって、その底壁部3aから側壁部3b側にかけて設けられている第1,第2の誘導発熱体G1,G2が発熱して内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに亘る部分が加熱されるとともに保温ヒータH1によって内鍋3の側壁部3bが、蓋ヒータH2によって内鍋3の上部が加熱される。
【0071】
しかも、同状態において、上述のようにファン17による熱風が供給されて内鍋3の底部から側部全体を包み込む。その結果、例えば炊飯量が多い時などにも内鍋3の全体を略均一に加熱して加熱ムラなく効率良く炊き上げることができる。また、沸騰工程以降の水分がなくなった状態における内鍋3の底壁部3aの局部的な熱の集中を防止して、焦げ付きの発生を防止することができる。
【0072】
次に、炊飯が完了した保温時には、上記第1,第2のワークコイルC1,C2がOFFにされる一方、内鍋3の側壁部3bに対応して設けられた上記保温ヒータH1および放熱板16aに設けられた蓋ヒータH2の駆動により、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bおよび上方部の全体が適切な加熱量で均一に保温加熱されて結露の生じない土鍋の熱保持力(蓄熱力)を利用した余熱活用による効率的な保温が実現される。
【0073】
一方、上記マイコン基板P2のマイコン制御ユニット32には、上記各入力スイッチ22a〜22jを介して入力されたユーザーの指示内容を判断する所望の認識手段が設けられており、該認識手段で認識されたユーザーの指示内容に応じて所望の炊飯又は保温機能、保温OFF機能、所望の炊飯(又は保温)メニュー、それら炊飯又は保温メニューに対応した所定の加熱パターン(加熱出力、加熱時間)を設定して、その炊飯加熱制御手段又は保温加熱制御手段、保温OFF制御手段を適切に作動させて所望の炊飯又は保温制御、保温OFF制御を行うようになっている。
【0074】
したがって、ユーザーは、上記各入力スイッチ22a〜22jを使って炊飯又は保温、タイマー予約、予約時刻設定、白米又は玄米、早炊、おかゆ、すしめし、かため〜やわらかめ等の炊き分け、火かげん(焦げ色調節)、通常保温モード又は省エネ保温モード、保温OFFモードその他の各種機能の選択設定内容を入力すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32内の認識手段を介して炊飯および保温加熱パターン等設定部に自動的に設定入力され、対応する炊飯又は保温加熱制御、保温OFF制御が適切になされるようになる。
【0075】
(炊飯器本体側制御回路部分の構成)
次に、図3は上述のように構成された炊飯器本体側の炊飯又は保温制御を行うマイコン制御ユニット32を中心とする制御回路部分の構成を示す。
【0076】
図3中、符号32が上述のような炊飯加熱制御手段および保温加熱制御手段、内鍋温度判定手段、内鍋検知手段、ブザー報知手段等を備えた炊飯・保温・保温中止判定等制御用のマイコン制御ユニット(CPU)であり、該マイコン制御ユニット32はマイクロコンピュータを中心として構成され、例えば内鍋3の底部、側部の各温度検知回路部、放熱板16の温度検知回路部、ワークコイル駆動制御回路部、内鍋3のセット状態検知回路部、発振回路部、リセット回路部、保温ヒータおよび蓋ヒータ等駆動制御回路部、ファン駆動制御回路部、ブザー報知部、電源回路部等を各々有して構成されている。
【0077】
そして、先ず上記内鍋3の底壁部3a側センターセンサーCS部の内鍋温度検知センサS1、内鍋3の側部3bの側部温度センサS3、蓋2側放熱板16の蓋温度センサS4等に対応して設けられた温度検知回路43および内鍋検知スイッチS2に対応して設けられた鍋検知回路44には、内鍋3の底壁部3aの温度検知信号、側壁部3bの温度検知信号、蓋2側放熱板16の温度検知信号、内鍋検知スイッチS2による内鍋検知信号がそれぞれ入力されるようになっている。
【0078】
また、上記ワークコイル駆動制御回路部は、例えばパルス幅変調回路41、同期トリガー回路40、IGBT駆動回路42、IGBT37、共振コンデンサ38によって形成されている。そして、上記マイコン制御ユニット32のワークコイル駆動制御回路部により、上記パルス幅変調回路41を制御することにより、例えば炊飯工程の各工程に応じて上記ワークコイルC(C1,C2)の出力値および同出力値での通電率(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、同炊飯工程の各工程における非金属製の内鍋3の加熱温度と加熱パターンを炊飯量を考慮して適切に可変コントロールし、均一な吸水作用と加熱ムラのないご飯の炊き上げを実現するための適切な出力制御が行われるようになっている(図5参照)。
【0079】
また同マイコン制御ユニット32の保温ヒータ駆動制御回路部および蓋ヒータ駆動制御回路部により、それぞれ保温ヒータ駆動回路33および蓋ヒータ駆動回路34を制御することにより、例えば炊飯又は保温の各工程に応じて上記保温ヒータH1、蓋ヒータH2の出力値および同出力値での通電率(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、炊飯又は保温工程の各工程における内鍋3の加熱温度と加熱パターンとを実際の炊飯量を考慮して適切に可変コントロールするための適切な出力制御が行われるようになっている。
【0080】
なお、図3中の符号39は、上記IGBT37のフライホイールダイオード、35は、家庭用AC電源30との間に挿入された上記ワークコイル駆動用のダイオードブリッジを内蔵した電源側整流回路、36はその平滑回路である。
【0081】
さらに、符号17は前述のファン、16は同ファン17の駆動回路、21は液晶表示部である。この実施の形態の場合、上記液晶表示部21には、上記入力スイッチ22a〜22jのON操作に対応して所望のメニューや時刻等の必要事項が表示され、以後設定内容に応じた必要な表示がなされて行くようになっている。
【0082】
なお、図3の制御回路では、繁雑さを避けるために、上記マイコン制御ユニット32側への定電圧電源回路は省略して示している。
【0083】
(基本的な炊飯〜保温制御)
次に、図4のフローチャートおよび図5のタイムチャートは、本実施の形態の炊飯〜保温工程における基本的な制御内容とそれに対応する制御状態を示している。
【0084】
すなわち、該炊飯〜保温制御では、炊飯の開始に先立って上述の炊飯開始スイッチ22aがONされたことを前提として、炊飯加熱制御を開始する。
【0085】
先ず、ステップS1において、例えばメニュースイッチ22fの操作により所定の炊飯コース(白米/ふつう)が選択され、かつ炊飯開始スイッチ22aが押されて炊飯が開始されると、続くステップS2において吸水タイマーをスタートさせて吸水工程が実行される。
【0086】
この吸水工程においては、例えば図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2が定格出力の60%、通電率3/16(19%)で通電され、かつセンタセンサーCSの内鍋温度検知センサーS1の検出温度が設定された吸水温度30℃となるように温度調節が行われる。
【0087】
この従来の金属製の内鍋の場合(50℃)に比べて相当に低い設定吸水温度30℃への温度調節制御は、例えばワークコイルC1,C2の出力は定格出力の60%、通電率3/16程度の小さな電力量で、また保温ヒータ(側面ヒータ)H1は通電率0/16でOFF、さらに蓋ヒータH2はONで検知応答性の高い蓋温度センサーS4の検出温度が30℃となるようにして温度調節が行われるようになっており、ワークコイルC1,C2出力を金属製の内鍋の場合よりも小さな電力量、小さな通電率で駆動するとともに内鍋3の上部の蓋ヒータH2もONにして、低い設定吸水温度30℃で、内鍋3の全体を包み込むような加熱方法が採用され、同状態で十分な時間(設定時間15分間)吸水させる。
【0088】
また、この場合、吸水開始時の初期水温状態(例えば20℃)から同設定吸水温度30℃まで上昇させる加熱方法としては、最初から上述の比較的小さな電力で目標温度30℃まで加熱する場合の他に、例えば最初は上記よりも小さな電力量からスタートし、徐々に電力量を上げて行くことにより、最終的に上述の設定吸水温度30℃に時間をかけて上昇させる方法も必要に応じて採用される。
【0089】
このようにする理由は、非金属材料からなる内鍋3の熱伝導性の悪さを考慮してのものであり、例えば図5のタイムチャートに示すように、上記ワークコイルC1,C2および蓋ヒータH2への通電により、内鍋底部外周面の温度は比較的速く50℃に上昇するが、内鍋温度検知センサS1の検知温度(内鍋3の温度)は実際に30℃にしか上昇しない。そこで、上述のような内鍋3の伝熱特性に合った加熱方法を採用し、上記内鍋3底部の内鍋温度検知センサーS1が30℃を示すようになった時には内鍋3内の水および飯米の全体が一定温度(略30℃)になるようにしている。
【0090】
なお、このとき、上述のように内鍋3側部の保温ヒータH1(側面ヒータ)へは通電されないが、上述の送風通路(隙間)5a〜5gを通る熱風が上述したように内鍋3の側部に有効に作用して適切な補助加熱が行われる。
【0091】
したがって、内鍋3は、底部、側部、上部の全面を包み込む形で、緩やかではあるが確実かつ均一に加熱される。
【0092】
ところで、冬などの室温が低い場合には、同吸水工程における初期水温もより低くなる(20℃よりも低下する)。
【0093】
したがって、そのような場合には、例えば上記設定された吸水温度が上述の場合と同じ30℃の場合でも、実際の室温が標準的な室温(15℃前後)よりも相当に低く、初期水温が同15℃よりも相当に低いような時には加熱量が不足する。そこで、そのような場合には、その分加熱出力および通電率を上げることにより、加熱量を大きくして可及的に吸水性能を向上させるようにする。
【0094】
これらの結果、以上のような吸水制御によると、土鍋等の非金属製の内鍋3を採用した場合にも、十分に良好な吸水性能を実現することができ、最終的に良好な炊飯性能の電気炊飯器を提供することができるようになる。
【0095】
次にステップS3においては、上述した吸水工程の終段(吸水時間15分の経過後)において、第1の合数判定(第1の炊飯量判定)が行われる。
【0096】
この第1の合数判定においては、例えば図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2が定格出力の80%、通電率16/16に増大されて通電される一方、保温ヒータH1および蓋ヒータH2がOFFにされて、ゆるやかに昇温させる過程(例えば、その後所定時間(5分20秒)後に内鍋温度検知センサーS1の検出温度が30℃から50℃に略リニアに上昇する過程)においてワークコイルC1,C2のON/OFF制御におけるOFF時間の積算値により合数の判定が行われる。
【0097】
この第1の合数判定の過程では、上記吸水加熱時(15分間)よりもワークコイルC1,C2の加熱出力および通電率ともに増大される(60%→80%→、3/16→16/16)ことから、誘導発熱体G1,G2の発熱量は増大して、内鍋3底部の外周面温度は図5のように上述の50℃から最終的には180℃近くまで大きく上昇する。しかし、先にも述べたように土鍋等の非金属材料からなる内鍋3は熱伝導性が悪い。したがって、上記のように内鍋温度検知センサS1の検知温度の上昇は30℃から50℃にすぎず、ワークコイルC1,C2のOFF時間の積算値には炊飯量が最小の場合を除いて大きな差がでない。
【0098】
そのため、そのままでは細かな合数の判定は無理である。
【0099】
しかし、一応合数を判定しないと、以後の昇温工程の加熱出力を決めることができない。
【0100】
そこで、ここでは、最小量Mminとその他の合数Mとの少なくとも2つの大きなランクに分けることによる仮の合数判定(大量と小量の少なくとも2つのランクに分ける程度の予備的な合数判定)が行われる。
【0101】
また、この状態では、蓋部の温度も少ししか上昇しない。
【0102】
次にステップS4においては、昇温1工程が行われる。この昇温1工程においては、図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2が定格出力の70%〜100%、通電率16/16の高出力で通電されるとともに、蓋ヒータH2がOFFで、保温ヒータ(側面ヒータH1)が通電率8/16(50%)で通電されるようになっており、十分に電力を上げて加熱を開始し、内鍋温度検知センサS1が沸騰温度100℃を検知し、かつ蓋温度センサーS4が沸騰判定温度(70℃)を検知するまで(又は蒸気センサが蒸気検知するまで)加熱される。なお、この沸騰により多量の蒸気が出るようになるまでの間(1〜7分)、蓋ヒータH2はOFFのままとする。この状態では、内鍋3の底部外周面の温度は、180℃から210℃位まで上昇している。
【0103】
上記昇温1工程中においては、またステップS5で第2の合数判定(第2の炊飯量判定)が行われる。この第2の合数判定は、昇温1工程の区間の時間を計測して最終の正確な合数判定が行われる。この場合、上記昇温1工程では上記吸水工程の場合と異なって内鍋温度検知センサS1によって検知される内鍋温度の温度上昇幅が大きくとれるところから(50℃→100℃)、非金属材料からなる内鍋3の熱伝導性の悪さがあったとしても、上記第1の合数判定において最小量と判定された合数Mmin以外の合数Mを、さらに2つ以上の複数のランクに分ける細かな合数判定が行われる。
【0104】
この結果、例えば上記炊飯量は、Mmin、M1、M2、M3(但しM1<M2<M3)のように、最終的に少なくとも4つのランクに分けられることとなる。
【0105】
このように、先ず第1の合数判定によって予備的に大雑把なランク分け(最少量/少量〜大量)を行ない、該第1の合数判定による判定結果に基づいて沸騰状態までのワークコイルC1,C2への合数に応じた電力供給量を可能な限り適切に制御しつつ、さらに第2の合数判定によって最終的に正確な炊飯量判定を行うようにすると、上述のように熱伝導性に劣る(加熱応答性に劣る)土鍋等の非金属材料からなる内鍋3を使用した場合であっても、少くとも沸騰検知後の昇温工程2に到るまでには性格な炊飯量判定を行うことができることになる。
【0106】
その結果、続くステップS6,S7においては、上記第2の合数判定によって判定された正確な炊飯量に対応した適切な加熱量で、沸騰開始後の昇温2工程、昇温3工程が行われる。これらの昇温2〜3工程においては、上記最終的に判定された炊飯量に応じてワークコイルC1,C2が定格出力の60%〜80%、通電率16/16で少し電力を落として通電されるとともに、保温ヒータH1が通電率8/16(50%)で通電されるようになっており、ご飯全体が十分高温(例えば、110℃)になるまで加熱される(1〜5分)。そして、110℃になったことは、内鍋温度検知センサS1によって検知される。なお、このときも、蓋ヒータH2には通電されない(蓋温度検知センサS4の検知温度が100℃を維持)。
【0107】
この昇温2〜3工程は、さらに詳細には前半側の昇温2工程と後半側の昇温3工程とに分けられる。そして、例えば前半の昇温2工程では、ワークコイルC1,C2の出力を定格出力の70〜80%、通電率を16/16と少し電力を落としているが、この状態では沸騰状態まで加熱され、内鍋3の蓄熱量も大きなものとなっているために、同電力でも内鍋3の底部外周面の温度はもちろん、内鍋温度検知センサS1により検知されるご飯の温度も上昇して行く(210℃→220℃、100℃→110℃)。
【0108】
そこで、後半の昇温3工程では、例えばワークコイルC1,C2の出力を定格出力の60%、通電率を8/16(15%)とさらに電力を落として加熱する。
【0109】
この結果、内鍋3の底部外周面の温度は225℃から215℃程度に低下するが、それでも内鍋3の蓄熱量の影響が大きい内鍋3内のご飯の温度は100℃まで上昇する。
【0110】
次にステップS8においては、炊き上げ1工程が行われる。この炊き上げ1工程においては、例えば図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2が定格出力の50%〜70%、通電率16/16で通電されるとともに、蓋ヒータH2が通電率6/16(38%)、保温ヒータH1が通電率8/16(50%)で通電されるようになっており、ワークコイルC1,C2の電力を下げて沸騰を維持させるようになっている(2〜9分)。このように沸騰維持の際にワークコイルC1,C2の電力を下げるのは、すでに述べたように土鍋等の非金属材料製の内鍋3は蓄熱性が極めて良好であり、その蓄熱温度による加熱量を有効に利用できることによる。この結果、内鍋3底部外周面の温度は200℃程度まで下がるが、ご飯の温度100℃は下がらない
次にステップS9においては、炊き上げ2工程が行われる。この炊き上げ2工程においては、図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2の出力が定格出力の60%〜80%に引き上げられるとともに、蓋ヒータH2および保温ヒータH1が共に通電率6/16(38%)で通電されるようになっており、ワークコイルC1,C2の電力を上げて内鍋3の検知温度を115℃以上に上昇させる(2〜3分)。
【0111】
この結果、当該炊き上げ2工程の最初と最後では、以上の例で例えば5℃の温度変化を生じることになる。この温度の上下変動幅は、上記炊き上げ1工程と2工程間の供給電力の差によって生じるから、一つの方法として、この供給電力差を例えばユーザーの好みに応じて変えることにより、上記温度差t℃(5℃)も例えばt1(0℃)〜t4(15℃)の範囲で複数の段階に変えることができ、それによってご飯の焦げめの色に差を付けることが可能となる。
【0112】
例えばt1(0℃)=焦げ色なし、t2(5℃)=淡い焦げ色、t3(10℃)=中位の焦げ色、t4(15℃)=濃い焦げ色といった具合に調節することができる。この実施の形態における焦げ色制御の具体的な方法およびその他各種の変形例による方法については、後に詳しく説明する。
【0113】
次にステップS10においては、さらに炊き上げ3工程が行われる。この炊き上げ3工程においては、例えば図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2が例えば一定時間のOFF(内鍋3の蓄熱量による加熱)とON(通電による加熱)との繰り返しで加熱制御されるとともに、蓋ヒータH2が通電率6/16(38%)、保温ヒータH1が通電率8/16(50%)で通電されるようになっており、内鍋3自体の蓄熱量を利用したワークコイルC1,C2への間欠的な通電により、過加熱によるご飯の焦げ付きを可及的に防止しながら、必要な沸騰を維持させて有効に水分を消失させるようにしている。
【0114】
つまり、ここでは、非金属材料よりなる内鍋3の蓄熱性の良さを活用し、ワークコイルC1,C2の通電を間欠的にして焦げ付きの防止を図りながら消費電力を低減する意図で、ご飯の温度が所定の温度に下がる度に一定時間(30秒)の加熱を繰り返して沸とう状態の高温を維持するようにしている(7〜18分)。
【0115】
そして、ステップS11においては、最終的にむらし工程が行われる(5分)。このむらし工程においては、例えば図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2への通電が完全に停止されるとともに、蓋ヒータH2が通電率6/16(38%)、保温ヒータH1が通電率8/16(50%)で通電されるようになっているが、土鍋等非金属材料製の内鍋3では蓄熱性が非常に高いから、このようにワークコイルC1,C2への通電を停止した状態であっても、その蓄熱温度によりご飯のむらしが十分に行える。この点でも、有効に消費電力が節減される。
【0116】
さらに、ステップS12においては、保温工程に移行して保温加熱制御が行われるが、この保温工程でもその初期においては、ワークコイルC1,C2、蓋ヒータH2および側面ヒータH1への通電が停止される。
【0117】
そして、内鍋温度センサS1の検出温度が設定された保温温度以下まで低下した後に初めて、従来の保温制御と同様の保温ヒータH1を使用した保温加熱制御が実行される。したがって、本実施の形態では同保温工程における消費電力も少ない。
【0118】
(焦げ色調節制御)
この実施の形態では、上述の基本的な炊飯制御を前提として、さらに次のようなユーザーの好みに応じた「焦げ色調節制御」が採用されるようになっている。この「焦げ色調節制御」は、上述した操作パネル部20の炊飯メニュースイッチ22fによって「火かげんキー」メニューが選ばれた時に実現されるようになっており、例えば焦げめ1(焦げ色:淡レベル)、焦げめ2(焦げ色:中レベル)、焦げめ3(焦げ色:濃レベル)の何れかの火かげんレベルが選ばれる。
【0119】
そして、同「火かげんキー」メニューが選択され、かつ「火かげんレベル」が選択設定されると、その設定レベルに応じて、上述した図5の基本制御における「炊き上げ1工程」の加熱出力および加熱時間と「炊き上げ2工程」の加熱出力および加熱時間を、焦げめ1・・・炊き上げ1工程(出力60%で3分)、炊き上げ2工程(出力70%で1分)、焦げめ2・・・炊き上げ1工程(出力70%で3分)、炊き上げ2工程(出力80%で3分)、焦げめ3・・・炊き上げ1工程(出力70%で3分)、炊き上げ2工程(出力80%で4分)に設定して制御する。
【0120】
この結果、例えば図6のタイムチャートに示すように、飯米部の水分が少なくなった炊き上げ2工程から炊き上げ3工程(間欠加熱)、むらし工程(ワークコイルC1,C2のOFFによる蓄熱加熱)に到る過程の内鍋3内のご飯の温度に、設定された火かげんレベル(焦げめレベル)に応じた温度差が生じ、適切な色の焦げめが形成される。
【0121】
したがって、このような構成によれば非金属製の内鍋3の蓄熱力の大きさを利用し、炊き上げ1工程と炊き上げ2工程の加熱出力と加熱時間を変えることによって、容易にご飯の焦げ色を調節することができるようになり、自由に焦げ色を調節しながら、しかも炊き上げ状態自体には大きな差がない良質な炊き上げが可能となり、お焦げの嫌いな人から好きな人まで多くのユーザーに満足してもらえるご飯が炊けるようになる。
【0122】
(焦げ色調節制御の変形例)
以上のように、本実施の形態では、炊き上げ1工程〜炊き上げ2工程間の加熱出力と加熱時間を設定された火かげんレベル(焦げめレベル)に応じて変えることにより、適切な焦げめ炊飯を可能としたが、これはまた次のような別の制御方法によっても同様に実現することができる。
【0123】
(1) 変形例1
この例では、例えば図7のタイムチャートに示すように、炊き上げ1工程の加熱出力を上述した昇温3工程時よりも小さくする一方、炊き上げ2工程の加熱出力と加熱時間を炊き上げ1工程よりも大きくすることによって、炊き上げ1工程で内鍋温度検知センサS1による検知温度を下降させる一方、炊き上げ2工程に入ってからは内鍋温度検知センサS1の検知温度が上昇するようにする。そして、この内鍋温度検知センサS1の検知温度の上昇幅の差を利用して、火かげんレベル(お焦げのレベル)を決定する。
【0124】
例えば焦げめ1の場合、炊き上げ1工程(出力60%で3分)、炊き上げ2工程(出力70%で1分)として、内鍋の上昇温度3℃で炊き上げ3工程に移行させる。
【0125】
また、焦げめ2の場合、炊き上げ1工程(出力70%で3分)、炊き上げ2工程(出力80%で3分)として、内鍋の上昇温度6℃で炊き上げ3工程に移行させる。
【0126】
さらに、焦げめ3の場合、炊き上げ1工程(出力70%で3分)、炊き上げ2工程(出力80%で4分)として、内鍋の上昇温度9℃で炊き上げ3工程に移行させる。
【0127】
この結果、同図7のタイムチャートに示すように、飯米部の水分が少なくなった炊き上げ2工程から炊き上げ3工程(間欠加熱)、むらし工程(ワークコイルC1,C2のOFFによる蓄熱加熱)に到る過程の内鍋3内のご飯の温度に火かげんレベル(焦げめレベル)に応じた温度差が生じ、適切な色の焦げめが形成される。
【0128】
したがって、このような構成によれば非金属製の内鍋3の蓄熱力の大きさを利用し、一旦炊き上げ1工程の加熱出力を昇温3工程(最終昇温工程)の出力よりも小さくして内鍋温度を低下させ、その後続く炊き上げ2工程の加熱出力と時間を設定された焦げめレベルに応じて大きくすることによって内鍋3の温度を上昇させ、その間の温度幅の相違により容易に焦げ色を調節することができるので、自由に焦げ色を調節しながら、しかも炊き上げ状態自体には大きな差がないような良質な炊き上げが可能となり、お焦げの嫌いな人から好きな人まで多くのユーザーに満足していただけるご飯が炊けるようになる。
【0129】
(2) 変形例2
この例では、例えば図8のタイムチャートに示すように、焦げめ1の場合の昇温工程3(昇温最終工程)の内鍋温度を105℃、焦げめ2の場合の昇温工程3(昇温最終工程)の内鍋温度を108℃、焦げめ3の場合の昇温3工程(最終昇温工程)の内鍋温度を110℃にそれぞれ設定し、その後、上述した炊き上げ1工程から炊き上げ2工程を省略して、そのまま炊き上げ3工程に移行して間欠加熱を行う。
【0130】
つまり、この構成では、焦げ色は昇温の最終段階終了時の内鍋温度によって調節するようにする。
【0131】
そして、それぞれの炊き上がり状態をそろえる為に、昇温最終段階の開始から内鍋温度検知までの時間をカウントしておき、同検知時間が短かい場合には炊き上げ3工程の間欠加熱の回数を増やして加熱量を補い、同検知時間が長い場合には炊き上げ3工程の間欠加熱の回数を減らして加熱しすぎないように調節する。
【0132】
この結果、同図8のタイムチャートに示すように、飯米部の水分が少なくなる炊き上げ1工程から炊き上げ3工程(間欠加熱)、むらし工程(ワークコイルC1,C2のOFFによる蓄熱加熱)に到る過程の内鍋3内のご飯の温度に設定された火かげんレベル(焦げめレベル)に応じた温度差が生じ、適切な色の焦げめが形成される。
【0133】
したがって、このような構成によれば土鍋等非金属製の内鍋3の蓄熱力の大きさを利用し、最終的な昇温工程(昇温3工程)終了時の内鍋温度を変えることによって容易に焦げの色を調節することができるようになり、自由に焦げ色を調節しながら、しかも炊き上げ状態自体には大きな差がないような良質な炊き上げが可能となり、お焦げの嫌いな人から好きな人まで多くのユーザーに満足していただけるご飯が炊けるようになる。
【0134】
(電気炊飯器の炊飯容量および炊飯量に応じたタイムチャートの変化)
なお、以上の図5のタイムチャートは、例えば炊飯器自体の炊飯容量および炊飯量を特に問題とすることなく、例えば8合炊きの炊飯器で、中間量(5合)の炊飯を行った場合の炊飯特性(間欠加熱回数3回)である。
【0135】
これは、例えば同じく8合炊き電気炊飯器で、2合の白米を炊いた時には、例えば図9のタイムチャート(間欠加熱回数2回)のようになり、また同8合炊きの電気炊飯器で、8合の白米を炊いた時には、例えば図10のタイムチャート(間欠加熱回数5回)のようになる(炊き上げ2工程を省略した火かげん調節の場合)。
【0136】
そして、これらの各場合において、上述した各種お焦げ制御の方法が任意に採用される。
【0137】
この場合、炊飯器自体の炊飯容量によっては余り炊飯特性の変化はなく、上記と略同様の炊飯特性を示す。
【0138】
(焦げ色調節制御時の上限温度の設定)
以上のように、本実施の形態のお焦げ制御は、その基本的な考え方として、先ず沸とう後の炊き上げ工程を炊き上げ本工程である炊き上げ1工程と炊き上げ2工程又は炊き上げ3工程との複数の工程に分け、昇温最終工程から炊き上げ1工程までの工程では、全くお焦げを付けるための制御は行わない。
【0139】
そして、炊き上げ1工程が終了して水分が少なくなると、むらし工程までの間に設定した炊き上げ2工程又は炊き上げ2および3工程を利用して同工程の時間をタイマー管理しながら、設定された焦げめレベルに応じて加熱量を変えることにより内鍋3の温度に変化を生じさせて所望の焦げ色を形成するようにしている。
【0140】
しかし、同工程時間は、各合数(2〜8合)毎に実験で求めた時間を用いて定められるため、若干のバラツキも生じる。
【0141】
そこで、そのような場合を考慮して、上記お焦げ制御時の制御温度には所定の上限温度を設定し、それによって必要以上の焦げが発生しないようにする。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本願発明の最良の実施の形態に係る電気炊飯器の炊飯器本体全体の構成を示す縦断面図である。
【図2】同電気炊飯器の液晶表示部を中心とする操作パネル部分の拡大正面図である。
【図3】同電気炊飯器の制御回路構成を示す図である。
【図4】同電気炊飯器の標準コース(ふつう)で白米メニューを選択した時の基本となる炊飯〜保温制御の内容を示すフローチャートである。
【図5】同図4の制御の内容に対応するタイムチャートである。
【図6】同電気炊飯器における「焦げ色調節制御」の内容を示すタイムチャートである。
【図7】同電気炊飯器の変形例1に係る「焦げ色調節制御」の内容を示すタイムチャートである。
【図8】同電気炊飯器の変形例2に係る「焦げ色調節制御」の内容を示すタイムチャートである。
【図9】同電気炊飯器の合数2合の場合の炊飯〜保温制御の内容を示すタイムチャートである。
【図10】同電気炊飯器の合数8合の場合の炊飯〜保温制御の内容を示すタイムチャートである。
【図11】従来の電気炊飯器の標準コースで白米メニューを選択した時の炊飯〜保温制御の内容を示すフローチャートである。
【図12】同図9の制御の内容に対応するタイムチャートである。
【符号の説明】
【0143】
1,C2,C3,Cはワークコイル、H1は保温ヒータ、H2は肩ヒータ、1は外ケース、2は蓋ユニット、3は内鍋、20は操作パネル、21は液晶表示部、32はマイコン制御ユニットである。
【出願人】 【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博


【公開番号】 特開2008−43420(P2008−43420A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−219956(P2006−219956)