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【発明の名称】 電気湯沸し器
【発明者】 【氏名】大須賀 剛

【氏名】辰巳 敬一

【要約】 【課題】揚水管17の視認性を維持しつつ、吐出される液体の温度低下を確実に防止する。

【構成】内容器3に収容した液体を、揚水管17を介して外部に吐出する。揚水管17は、内容器3が収容される外装体1の側面に形成した水位確認窓6を介して視認可能な領域に、水位を検出可能な透光性部位を備える。少なくとも透光性部位の一部に、透光性材料からなる発熱体25を一体化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容器に収容した液体を、揚水管を介して外部に吐出するようにした電気湯沸し器であって、
前記揚水管は、前記内容器が収容される外装体の側面に形成した液面位置確認窓を介して視認可能な領域に、液面位置を検出可能な透光性部位を備え、少なくとも透光性部位の一部に、透光性材料からなる発熱体を一体化したことを特徴とする電気湯沸し器。
【請求項2】
前記発熱体は、酸化インジウムと酸化錫を主成分とする、前記揚水管に形成される導電膜からなることを特徴とする請求項1に記載の電気湯沸し器。
【請求項3】
前記揚水管の周囲に位置する仕切部材を備え、
前記発熱体への電力の供給は、前記揚水管に形成した電極部を介して行い、該電極部へのリード線の接続位置は、前記液面位置確認窓から視認不能な背後とし、前記仕切部材に形成した開口部を介して前記リード線を引き出したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気湯沸し器。
【請求項4】
前記発熱体の電極部を複数箇所に形成し、前記電極部の少なくとも1つを液面目盛りとして機能させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気湯沸し器。
【請求項5】
前記発熱体の電極部を複数箇所に形成し、液面位置の違いに応じて通電領域を変更可能としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気湯沸し器。
【請求項6】
前記揚水管を介して外部に液体を吐出させる吐出動作を開始させるための操作手段と、
前記発熱体への通電を、前記吐出動作中に行わせる通電制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気湯沸し器。
【請求項7】
前記内容器内の液体の温度を検出する液体温度検出手段と、
前記液体の吐出温度を設定する吐出温度設定手段と、
を備え、
前記通電制御手段は、前記液体温度検出手段で検出される内容器内の液体の温度を、前記吐出温度設定手段で設定された設定温度よりも低い温度に設定し、前記発熱体への通電を制御することにより、内容器から排出される液体の温度を前記設定温度まで上昇させることを特徴とする請求項6に記載の電気湯沸し器。
【請求項8】
前記揚水管内の液体の温度を検出する管内温度検出手段を備え、
前記通電制御手段による加熱体への通電制御は、前記管内温度検出手段での検出温度に基づいて、前記設定温度まで上昇させることを特徴とする請求項6又は7に記載の電気湯沸し器。
【請求項9】
前記揚水管を通過する液体の流量を検出する流量検出手段を備え、
前記通電制御手段による加熱体への通電制御は、前記流量検出手段で検出される流量に基づいて、前記設定温度を得るのに必要とされる熱量を供給するように行うことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の電気湯沸し器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電気湯沸し器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気湯沸し器では、内容器内に収容した水を、内容器の底面に配置したヒータにより加熱し、所定温度に温調した後、揚水ポンプを駆動し、揚水パイプを介して外部に吐出するようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の電気湯沸し器では、揚水パイプを内容器と外装体の間に配置し、外部から液面位置を視認できるようにしている。つまり、揚水管はヒータによって加熱される内容器の外に位置するので、この部分での水温が低くなるという問題がある。このため、沸騰後、最初に吐出されるのは揚水管内の温度の低い水となる。また、一旦吐出させたとしても、その後時間が経過するに従って揚水管内の水の温度は徐々に低下し、同様な問題が発生する。
【0004】
そこで、本発明は、揚水管の視認性を維持しつつ、吐出される液体の温度低下を確実に防止することのできる電気湯沸し器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、内容器に収容した液体を、揚水管を介して外部に吐出するようにした電気湯沸し器であって、前記揚水管は、前記内容器が収容される外装体の側面に形成した液面位置確認窓を介して視認可能な領域に、液面位置を検出可能な透光性部位を備え、少なくとも透光性部位の一部に、透光性材料からなる発熱体を一体化したものである。
【0006】
この構成により、発熱体を発熱させることにより揚水管内の液体を加熱することが可能となる。これにより、従来加熱することが不可能であった領域で、液体の温度を上昇させることができ、希望するよりも低い温度の液体が吐出されることを確実に防止することが可能となる。しかも、発熱体は透光性を有するため、揚水管の視認性を確保して液面位置の検出を妨げることもない。
【0007】
前記発熱体は、酸化インジウムと酸化錫を主成分とする、前記揚水管に形成される導電膜で構成すればよい。
【0008】
前記揚水管の周囲に位置する仕切部材を備え、前記発熱体への電力の供給は、前記揚水管に形成した電極部を介して行い、該電極部へのリード線の接続位置は、前記液面位置確認窓から視認不能な背後とし、前記仕切部材に形成した開口部を介して前記リード線を引き出すのが好ましい。
【0009】
この構成により、揚水管の外観を損なうことなく、電極部を介して発熱体に通電することが可能となる。
【0010】
前記発熱体の電極部を複数箇所に形成し、前記電極部の少なくとも1つを液面目盛りとして機能させると、液面目盛りを液面に最も近い位置に形成することができ、液面高さの判別をより一層容易に行うことが可能となる点で好ましい。
【0011】
前記発熱体の電極部を複数箇所に形成し、液面位置の違いに応じて通電領域を変更可能とすると、液体の存在しない位置での加熱を防止しつつ、消費電力を抑制することが可能となる点で好ましい。
【0012】
前記揚水管を介して外部に液体を吐出させる吐出動作を開始させるための操作手段と、前記発熱体への通電を、前記吐出動作中に行わせる通電制御手段とを備えるのが好ましい。
【0013】
この構成により、保温性の悪い揚水管での加熱を、吐出動作時にのみ行わせることで、消費電力の無駄を必要最小限に抑えることが可能となる。
【0014】
前記内容器内の液体の温度を検出する液体温度検出手段と、前記液体の吐出温度を設定する吐出温度設定手段とを備え、前記通電制御手段は、前記液体温度検出手段で検出される内容器内の液体の温度を、前記吐出温度設定手段で設定された設定温度よりも低い温度に設定し、前記発熱体への通電を制御することにより、内容器から排出される液体の温度を前記設定温度まで上昇させるようにするのが好ましい。
【0015】
この構成により、内容器内の液体を加熱する加熱手段への通電を抑え、吐出動作の際にのみ発熱体に通電し、揚水管内の限られた容量の液体を加熱するだけでよいので、簡単に所望の温度まで上昇させることができるばかりか、消費電力を大幅に抑制することが可能となる。
【0016】
前記揚水管内の液体の温度を検出する管内温度検出手段を備え、前記通電制御手段による加熱体への通電制御は、前記管内温度検出手段での検出温度に基づいて、前記設定温度まで上昇させるようにするのが好ましい。
【0017】
この構成により、より一層吐出する液体の温度を正確に所望の温度とすることが可能となる。
【0018】
前記揚水管を通過する液体の流量を検出する流量検出手段を備え、前記通電制御手段による加熱体への通電制御は、前記流量検出手段で検出される流量に基づいて、前記設定温度を得るのに必要とされる熱量を供給するように行うようにすればよい。
【0019】
この構成により、通常の吐出動作のほか、ドリップ式等、揚水管を流動する液体の流量が変化する場合でも、吐出する液体の温度を正確に所望の温度とすることが可能となる。
【0020】
なお、前記揚水管は石英ガラスで構成するのが好ましい。石英ガラスは、耐熱性に優れているため、空焚き等の不具合が発生したとしても割れる心配がない。また、石英ガラスは熱膨張係数が小さいため、急激な温度変化によっても損傷することはない。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、揚水管に透光性を有する発熱体を一体化し、通過する液体を加熱できるようにしているので、液面高さの確認が阻害されることなく、吐出される液体の温度が低下することを確実に防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1及ぶ図2は、本実施形態に係る電気湯沸し器を示す。この電気湯沸し器は、外装体1の上方開口部に肩部材2を設け、外装体1の内部に内容器3を収容し、外装体1の下方開口部に底部材4を装着し、肩部材2に蓋部材5を回動可能に設けて内容器3の上方開口部を開閉可能としたものである。以下の説明では、注水側を前方と記載する。
【0024】
外装体1は、金属製板材を円筒状としたもので、上方開口部に肩部材2、下方開口部に底部材4がそれぞれ配設される。外装体1の前方面は湾曲し、その片側には水位確認窓6が形成されている。水位確認窓6は透光性を有する樹脂材料等で覆われており、開口側縁部には水位を示す目盛りが形成されている。水位確認窓6からは後述する揚水管17を視認可能で、揚水管17の周囲は仕切部材7によって囲まれている。仕切部材7は、水位確認窓6から内部構成部品が視認されることを防止する目隠しとして機能している。仕切部材7には、45°に傾斜する複数の長穴7aが上下方向に並設され、水面を識別しやすくするための視認パターンを構成している。各長穴7aの幅寸法は狭く形成され、水位確認窓6から見ても、仕切部材7の裏側にある構成部品は視認できないようになっている。
【0025】
肩部材2は、合成樹脂材料を成形加工したもので、外装体1の上方開口部内に配設される環状部8と、外装体1の上方開口部内に嵌合され、前方で注水部の上面側を構成する外枠9とで構成されている。外枠9の下方側はアンダーカバー23が装着され、注水部を構成する。
【0026】
外枠9の前方部には、操作表示パネル10が設けられている。操作表示パネル10は、内容器3内の液体の検出温度を表示する液晶パネル11(LCD)のほか、給湯スイッチ12、ロック解除スイッチ13、保温モード選択スイッチ14等の各種スイッチ、動作状態を示すLED15、第1のマイコン16A等を備える。
【0027】
前記保温モード選択スイッチ14は、押込操作により選択可能な保温モードが、順次、「98℃」、「80℃」、「60℃」、「魔法瓶保温」、「98℃」、…に循環して切り替わるようになっている。ここに、魔法瓶保温とは、後述する加熱ヒータ28及び保温ヒータ29への通電を行うことなく、真空ジャケット4の保温性能のみで保温を行うことを言う(非加熱モード)。
【0028】
内容器3は、有底筒状で、上方開口部に肩部材2に載置される鍔部を形成されている。内容器3の底面には揚水管17の一端部が接続されている。揚水管17は真空ジャケット4と外装体1の間を通り、他端部は肩部材2に形成した注水口2aへと延びている。また、内容器3の底面には基板ボックス18が取り付けられている。
【0029】
揚水管17は、図3及び図4に示すように、下方部19、上方部20、及び、垂直部21からなる。
【0030】
下方部19は、基板ボックス18に取り付けられ、一端部を内容器3の底面に接続され、他端部にはシリコンゴムからなる接続部24a、24bが接続されている。また、下方部19の中間部分には基板ボックス18に固定した揚水ポンプ22が接続され、この揚水ポンプ22の駆動により内容器3内の水を排出できるようになっている。
【0031】
上方部20は、肩部材2の外枠9とアンダーカバー23で囲まれた注水部に配設され、一端部はアンダーカバー23に形成された注水口2aに位置し、他端部はシリコンゴムからなる接続部24aを介して垂直部21が接続される。
【0032】
垂直部21は、耐熱性に優れ、熱膨張係数が小さく、透光性を有する石英ガラス(軟化点1700℃、熱膨張係数5.6×10−7/℃)からなる長尺筒状体で構成されている。垂直部21の上下端部は、接続部24a、24bを介して下方部19及び上方部20にそれぞれ接続されている。垂直部21の外周面には発熱体である導電膜25が形成されている。導電膜25は、酸化インジウムと酸化錫を主成分とするもので、垂直部21の外周面に真空蒸着等によって形成される。但し、導電膜25の形成には、酸化亜鉛に酸化アルミニウムや酸化ガリウムを添加したものであっても使用可能である。導電膜25は透光性を有し、垂直部21の外周面に形成された状態で、水面を視認可能とする。導電膜25の上下端環状部8には銅等からなる電極部26が形成されている。電極部26は水位確認窓6からは視認できない(あるいは目立たない)位置に形成されている。電極部26の後方側(水位確認窓6とは反対側)には半田付けによりリード線27が接続されている。リード線27は、仕切部材7に形成した開口7bを介して背面へと導かれ、仕切部材7の背面に所定間隔で形成したガイド部7cによってガイドされて基板ボックス18へと延びている。
【0033】
基板ボックス18には、揚水ポンプ22、加熱ヒータ28、保温ヒータ29、温度検出センサ30、基板(図示せず)が保持されている。揚水ポンプ22は、駆動により内容器3に収容した液体を、前記揚水管17を介して外部に吐出する。加熱ヒータ28は、内容器3を加熱して収容した液体を沸騰させる。保温ヒータ29は、内容器3を加熱して液体温度を設定温度に維持する。加熱ヒータ28及び保温ヒータ29には外部電源から供給された電力が、基板上に形成した電力供給回路を介して供給される。温度検出センサ30は、内容器3の底面中央部に当接し、内容器3の温度から液体温度を検出する。基板には第2のマイコン16Bが実装され、前記電力供給回路のほか、各種電気回路が形成されている。
【0034】
底部材4は、合成樹脂材料を成形加工したもので、外装体1の下端開口部に装着された状態で、前記基板ボックス18を介して内容器3にネジ止めされる。これにより、外装体1の上方開口部に装着した肩部材2に鍔部を支持された内容器3が、基板ボックス18を介して下方に引っ張られ、これら各部材が一体化される。
【0035】
マイコン16Aは、図5に示すように、各種スイッチのほか、マイコン16Bからの信号を受け、液晶パネル11、LED15への表示を制御し、マイコン16Bに信号を出力する。マイコン16Bは、温度検出センサ30、マイコン16Aからの信号を受け、揚水ポンプ22、加熱ヒータ28、保温ヒータ29、導電膜25への通電制御等を行う。
【0036】
次に、前記構成からなる電気湯沸し器の動作について説明する。
【0037】
すなわち、図6のフローチャートに示すように、電力が投入されると(ステップS1)、内容器3の底面に設けた加熱ヒータ28に通電して加熱を開始する(ステップS2)。そして、温度検出センサ30により沸騰が検出されれば(ステップS3)、加熱ヒータ28への通電を遮断し(ステップS4)、保温ヒータ29への通電制御を開始する(ステップS5)。
【0038】
保温ヒータ29への通電制御は、保温モード選択スイッチ14で選択されることにより決定された保温温度で温調できるように行う。そして、ロック解除スイッチ13が操作されれば(ステップS6)、導電膜25への通電を開始する(ステップS7)。その後、所定時間内に給湯スイッチ12が操作されれば(ステップS8)、揚水ポンプ22の駆動を開始する(ステップS9)。これにより、内容器3内のお湯が揚水管17を介して外部へと吐出される。なお、導電膜25及び揚水ポンプ22への通電は、給湯スイッチ12の操作開始されるまで続行する(ステップS10)。
【0039】
例えば、「80℃」保温を選択した場合、沸騰後、内容器3内の湯温が約80℃で温調される。このときの揚水管17内の湯温は約30℃である。そして、100ml吐出させる場合、揚水管17内の湯量が約25mlであるので、内容器3内からは75ml排出される。したがって、吐出されるお湯の全熱量Qが(Q=75ml×80℃+25ml×30℃)6750calとなるので、吐出されるお湯の温度tは(t=6750cal÷100ml)67.5℃となってしまう。
【0040】
そこで、前記導電膜25により揚水管17内のお湯を加熱する。例えば、1000Wの発熱能力を有する導電膜25を使用すれば、5秒間で5000J、すなわち約1214cal(5000J÷4.18、1cal=4.18J)の熱量を揚水管17内のお湯に供給することができる。揚水管17内の湯量は25ml(=25g)であるので、約48.6℃(1214cal÷25g)温度上昇させることが可能となる。つまり、揚水管17内の湯温は、約78.6℃(30℃+48.6℃)となり、内容器3内の湯温と同等となる。
【0041】
これにより、沸騰後の吐出初期から湯温を、揚水管17内と内容器3内とでほぼ同じ80℃にすることができ、ぬるいお湯が出てユーザが不快感を受けるといったことを防止することが可能となる。また、揚水管17内のお湯を内容器3内に循環させたり、逆流させたりするといった構成が不要となる。
【0042】
なお、前記実施形態では、揚水管17内の湯温を予想して導電膜25への通電を行うようにしたが、別途、揚水管17内の湯温を測定するための温度検出手段(温度センサ31)を設けるようにしてもよい。すなわち、図7に示すように、揚水管17の下方部19と垂直部21との接続部24bに温度センサ31を設け、より吐出側に近い部分での湯温を測定すれば、さらに高精度に吐出されるお湯の温度を管理することが可能となる点で好ましい。
【0043】
また、揚水管17内を流動する水量を検出するための流量検出手段(流量センサ)を設けると、単位容量当たりに供給可能な熱量、すなわち湯温を何度に上昇できるのかを正確に設定することが可能となる点で好ましい。流量検出手段としては、測定流体を羽根車に当てその回転数を流量値に換算する羽根車式、ファラデーの法則を応用した電磁式等、従来公知の種々の手法により行えるものを使用することができる。
【0044】
ところで、ロック解除スイッチ13が操作されて給湯スイッチ12の操作による給湯が開始されるまでの時間が短いと、揚水管17内の水を十分に加熱できないことも想定される。そこで、沸騰直後の最初の給湯や、一旦給湯されても、揚水管17内のお湯が温度低下するのに十分な時間が経過した後の給湯であれば、揚水管17内の湯温が内容器3内の湯温とほぼ同等となるまで上昇するのに要する時間(加熱時間)を考慮し、ロック解除スイッチ13が操作されてから給湯を開始するまでの時間を確保するのが好ましい。前者の給湯の場合、ロック解除スイッチ13が操作されてから、前記加熱時間が経過するまで給湯スイッチ12を操作しても給湯不能とすればよい。この場合、音声やLED15の点灯等によってユーザにその旨を知らせるようにするのが好ましい。また、後者の給湯の場合、前回の給湯からの経過時間に応じて、揚水管17内での湯温の低下度合いを考慮し、ロック解除スイッチ13が操作されてから給湯を開始するまでの時間を変更するのが好ましい。この場合、季節等を考慮したり、電気湯沸し器の周囲の温度を検出する温度センサ32(図示せず)での検出温度を考慮したりして、温度の低下度合いを補正するようにしてもよい。
【0045】
また、ロック解除スイッチ13が操作されて給湯スイッチ12の操作による給湯が開始されるまでの時間が短い場合、導電膜25への通電は、給湯スイッチ12の操作が開示されてからも続行するようにしてもよい。すなわち、揚水管17内のお湯を十分に加熱できない場合であっても、内容器3内のお湯が揚水管17を通過する際にも加熱を続行し、内容器3内の湯温よりも高い温度とする。これにより、吐出初期は湯温が低くても、その後の湯温を高くすることで、全体として所望温度とすることが可能となる。つまり、揚水管17内のお湯を加熱しきれなかった分だけ加熱を続行して熱量を加えればよい。例えば、前述の例で、ロック解除スイッチ13を操作してから1秒で給湯スイッチ12が操作された場合、例えば、1000Wの発熱能力を有する導電膜25を使用すれば、239calの熱量を付与できるだけであるので、残る975calを給湯スイッチ12が操作されてからも導電膜25に4秒間通電することにより付与する。これにより、トータルとして吐出するお湯に付加する熱量を、前述の例の場合と同等とすることができ、吐出後の湯温を所望の値(80℃)とすることが可能となる。
【0046】
また、内容器3内の水温を、希望する保温温度よりも低い所定値とし、揚水管17の導電膜25に通電することにより所望温度まで上昇させるように構成することも可能である。例えば、保温モードで、90℃のお湯を吐出するように設定している場合、内容器3内を80℃で温調し、揚水管17を流動している間に90℃まで昇温すればよい。つまり、10秒間に250mlのお湯を吐出させる場合、250calの熱量を供給すればよいので、導電膜25の発熱能力を、1045W(250cal×4.18)とすればよい。これにより、通常の保温状態での消費電力を抑制し、給湯時の必要な場面でのみ通電量を増やすことにより、電気湯沸し器の使用頻度が少ない環境での消費電力の抑制に寄与することができる。
【0047】
前記導電膜25は、揚水管17の垂直部21のほぼ全域に形成するようにしたが、下方側のみとすることも可能である。これにより、内容器3内の湯量が少なく、揚水管17での水位が低い場合であっても確実に加熱可能とすることができる。但し、揚水管17の垂直部21であれば、設ける場所の制約は受けない。
【0048】
この場合、前記電極部26は目盛りとして機能させてもよい。目盛り部分には水量を示す数値(例えば、500ml等)を表示するようにしてもよい。これにより、水位確認窓6を構成する縁部に目盛りを形成する必要がなくなる。
【0049】
また、前記電極部26は3箇所以上に設け、水位に応じて電圧を印加する領域を変更するようにしてもよい。すなわち、水量が少ない場合には、その水位に応じた位置までを集中的に加熱できるようにし、水量が多い場合には、揚水管17の全体を加熱できるようにすることができる。また、お湯の吐出中には必要に応じて全領域で加熱すれば、内容器3内の湯温を低く設定したり、揚水ポンプ22による吐出量を大きくしたりしても、お湯を十分に所望温度まで昇温させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施形態に係る電気湯沸し器の斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図1の電気湯沸し器から外装体及び底部材を除去した状態を底面側から見た斜視図である。
【図4】(a)は揚水管及び仕切部材の正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図5】本実施形態に係る電気湯沸し器のブロック図である。
【図6】本実施形態に係る電気湯沸し器の加熱制御を示すフローチャートである。
【図7】他の実施形態に係る揚水管の一部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1…外装体
2…肩部材
2a…注水口
3…内容器
4…底部材
5…蓋部材
6…水位確認窓
7…仕切部材
7a…長穴
7b…開口
7c…ガイド部
8…環状部
9…外枠
10…操作表示パネル
11…液晶パネル
12…給湯スイッチ
13…ロック解除スイッチ
14…保温モード選択スイッチ
15…LED
16A、16B…マイコン
17…揚水管
18…基板ボックス
19…下方部
20…上方部
21…垂直部
22…揚水ポンプ
23…アンダーカバー
24a、24b…接続部
25…導電膜(発熱体)
26…電極部
27…リード線
28…加熱ヒータ
29…保温ヒータ
30…温度検出センサ
31…温度センサ
【出願人】 【識別番号】000002473
【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
【出願日】 平成18年8月3日(2006.8.3)
【代理人】 【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏

【識別番号】100100170
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 厚司


【公開番号】 特開2008−36009(P2008−36009A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−212185(P2006−212185)