| 【発明の名称】 |
炊飯器 |
| 【発明者】 |
【氏名】須藤 紀子
【氏名】諸田 博
【氏名】馬戸 健次
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| 【要約】 |
【課題】圧力抜きに伴う吹きこぼれを確実に抑制することができる炊飯器を提供する。
【構成】炊飯・調理途中で停止した場合(ステップS1)には、まず圧力を加えるメニューであるか否かの判定を行い(ステップS1)、圧力を加えないメニューであれば減圧制御は行なわない(ステップS7)。一方、圧力を加えるメニューであれば、次に圧力を加えている調理工程であるか否かの判定を行なう(ステップS3)。具体的には、ひたし制御から沸騰加熱工程やむらし工程の開始所定時間以降や保温工程では圧力を加えていないと判定して減圧制御は行なわない(ステップS7)。それ以外は圧力が掛かっていると判定して、圧力に応じて減圧制御のパターンA、パターンBに従って圧力調整弁65の制御を行ない、徐々に鍋11内の圧力を減圧する減圧制御を行なう(ステップS4)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体内に収納される鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の上部を開閉自在に覆う蓋と、前記蓋を閉状態に保持するために係合させる係合部と、前記鍋内の圧力を調整する調圧部と、所定の調理コースに応じた調理工程を実行する制御部とを備えた炊飯器において、前記調理工程を途中停止するときに、前記鍋内の圧力を所定時間にわたって減圧するように前記調圧部を減圧制御する減圧制御手段を備えたことを特徴とする炊飯器。 【請求項2】 前記減圧制御中であることを報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。 【請求項3】 前記減圧制御手段は、前記鍋内の圧力抜きが断続的に行われ、前記減圧制御の開始時よりも終了時の方が前記鍋内の圧力を抜く時間が長くなる、又は前記減圧制御の開始時よりも終了時の方が前記鍋内の圧力を抜かない時間が短くなるように、前記調圧部を制御するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炊飯器。 【請求項4】 前記減圧制御手段は、前記調理コース又は前記調理工程又は前記鍋内の圧力又は前記鍋内の温度に応じて前記減圧制御の内容を変更するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の炊飯器。 【請求項5】 弁開閉手段を備え、前記蓋を前記本体に閉じている状態で、前記調圧部又は前記弁開閉手段は、前記減圧制御中に、前記係合部の係合をロックする構成としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の炊飯器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、圧力調理機能を有した炊飯器に関する。 【背景技術】 【0002】 近年の炊飯器は、ご飯を炊くだけでなく煮物などを行なう調理機能を備えるのが一般的になってきている。一方ユーザのご飯に対する美味しさと炊飯時間の短縮の要望から、圧力炊飯器が普及を伸ばしている。そしてこの2つを組合わせた圧力調理機能を有した炊飯器が登場してきている(例えば特許文献1)。 【0003】 専用の圧力調理器の場合、一般的に蒸気を逃さないで調理をするので、その蒸気口(蒸気排出口)は炊飯器に比べて蒸気が通り難くなっている。そのため圧力が加わっている最中に蒸気口を全開にしても、一気に蒸気が抜けることはない。 【0004】 一方、炊飯器の場合、ご飯をおいしく炊くには蒸気を飛ばしながら炊飯をする必要があるので、蒸気口は専用の圧力調理器に比べて蒸気が通りやすくなっている。そのため圧力が加わっている最中に蒸気口を全開にすると、一気に蒸気が抜けてしまう。炊飯(ご飯を炊いている時)で圧力が加わっているときに一気に蒸気を抜いても、内容物が吹きこぼれることはないし、万一あったとしても床まで垂れるようなことはない。これは炊飯の場合は「内容物が米で、水と米の量や比率が既知」という条件があるので、炊飯制御のシーケンスを検討する段階で対応が可能なためである。 【特許文献1】特開2000−325229号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかし、炊飯器を調理に使用する場合には、調理物や、調理物と水の量や、それらの比率が不定なため、この内容物に関する条件によっては、圧力が加わっているときに蒸気口を全開にすると、一気に蒸気が抜けてしまうことにより鍋内の気圧が急激に下がって大沸騰し、鍋内の水や調理物が上方部まで上がってきて、蒸気口から吹き出て、ひどい場合には床まで垂れてしまうことが想定される。 【0006】 炊飯の場合には、ユーザーが炊飯途中で炊飯を停止することは通常無いが、調理の場合には、調理途中で炊飯器を停止することは十分有り得るため、上記吹きこぼれが発生する虞がある。特に調理途中で吹きこぼれたために、ユーザーが停止操作をして、炊飯器の制御によって蒸気を一気に抜いた場合には、その後更に吹きこぼれる可能性が高い。それは、炊飯器には、通常の炊飯時のオネバ吹きこぼれ防止用に、蒸気口にオネバを蓄える部分が一般的に設けられており、この部分に溜まった水分まで巻き込んで蒸気口外へ出てしまうためである。 【0007】 これを防止するために、蒸気口の構造を専用の圧力調理器と同じようにすると、上述の通り、炊飯の時に水蒸気を飛ばし難くなるので、ご飯の炊きあがりが水分過多になってしまう。 【0008】 また圧力が加わっている最中に、ユーザーが停止操作をして、圧力炊飯器の制御によって蒸気を一気に抜いた場合には、ユーザーの間近で不意に「シュー」という音と共に蒸気が吹き出るので、結果的にユーザーを驚かせることとなり好ましくないという問題もある。 【0009】 そこで本発明は上記問題点に鑑み、圧力抜きに伴う吹きこぼれを確実に抑制することができる炊飯器を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明における請求項1の炊飯器では、鍋内に圧力が加わっている最中に途中停止しても、減圧制御手段により鍋内の圧力がゆっくり減圧されるため、調圧部からの吹きこぼれを確実に抑えることができる。また、途中停止したときに一気に蒸気を抜かないので、大きな音と共に蒸気が吹き出てユーザーを驚かせることもない。 【0011】 本発明における請求項2の炊飯器では、減圧中であることが報知されるため、ユーザーが故障と勘違いすることがない。 【0012】 本発明における請求項3の炊飯器では、減圧制御のパターンを開始時よりも終了時の方が圧力を抜く時間が長い、又は開始時よりも終了時の方が圧力を抜かない時間が短いことにより、減圧制御の工程時間を短くすることができる。 【0013】 本発明における請求項4の炊飯器では、減圧制御の内容を炊飯器の諸条件によって変更することによって、不要な減圧制御をなくし、使い勝手を良くすることができる。 【0014】 本発明における請求項5の炊飯器では、減圧制御中に、調圧部又は弁開閉手段とにより、係合部の係合がロックされる。そのため、蓋を開けようとする意図しない操作が行なわれた場合であっても、蓋が開くことはなく、鍋内の被炊飯物や蒸気,おねばなどの飛び散りを防いで、本体やその周辺が汚れるのを防止することができる。 【発明の効果】 【0015】 本発明の請求項1によると、圧力抜きに伴う吹きこぼれを確実に抑制することができる炊飯器を提供することができる。 【0016】 本発明の請求項2によると、ユーザーの誤認によるクレームを予防することができる。 【0017】 本発明の請求項3によると、減圧制御の工程時間を短くすることができる。 【0018】 本発明の請求項4によると、減圧制御を最適化し、使い勝手を良くすることができる。 【0019】 本発明の請求項5によると、減圧制御中に、意図しない蓋開操作が行なわれても、蓋が開かないようにすることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 以下、添付図面を参照しながら、本発明における炊飯器の好ましい一実施例を説明する。 【0021】 まず、図1に基づき、本発明の一例である炊飯器の構成について説明する。同図において、1は炊飯器の外郭をなす本体で、この本体1は、その上面と上側面を構成する上枠2と、側面を構成するほぼ筒状の外枠3とにより形成され、外枠3の底部開口を覆う底板4が設けられている。そして、上枠2や底板4は、PP(ポリプロピレン)などの合成樹脂で形成される一方で、外枠3は清掃性や外観品位を向上させるために、例えばステンレスなどの金属部材で形成される。また、上枠2の上面内周部から一体に垂下させて形成されるほぼ筒状の鍋収容部6と、この鍋収容部6の下面開口を覆って設けられ、FR−PET(強化ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂で形成される内枠8とにより、後述する鍋11を収納する有底筒状で鍋11の外面形状とほぼ相似形状の非磁性材料からなる鍋収容体9が形成される。 【0022】 前記鍋収容体9内には、米や水などの被炊飯物を収容する有底筒状の鍋11が着脱自在に収容される。この鍋11は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材料とした鍋本体12と、この鍋本体12の外面の側面下部から底面部にかけて接合されたフェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体13とにより構成される。発熱体13は溶湯鍛造にて鍋本体12と一体成形されている。鍋11の側面中央から上部に発熱体13を設けないのは、鍋11の軽量化を図るためである。また、鍋11の上端周囲には、その外周側に延出する円環状のフランジ部14が形成されている。なお、鍋収容部6の外周には加熱手段を設けない構成となっている。 【0023】 前記内枠8は、鍋11の発熱体13に対向して位置しているが、この内枠8の外面の発熱体13に対向する側面下部および底面部には、鍋11の特に底部を電磁誘導加熱する加熱手段としての加熱コイル16が設けられている。この加熱コイル16は、内枠8の外側面に鍋11の側面下部から底面にかけて設けられた発熱体13に対向する状態に螺旋状に巻き付け固定されるが、鍋収容体9の外側周面には設けられていない。そして、この加熱コイル16に高周波電流を供給すると、加熱コイル16から発生する交番磁界によって鍋11の発熱体13が発熱し、鍋11ひいては鍋11内の水や米などの被炊飯物が加熱されるようになっている。 【0024】 また、内枠8の底部中央部には、鍋11の底部外面と弾発的に接触するように、例えば負特性サーミスタなどからなる鍋温度検出手段としての温度センサ21が配置され、鍋11の温度を検知し、加熱コイル16による鍋11の底部の加熱温度を主に温度管理するようになっている。 【0025】 前記鍋収容体9の上端には、鍋11の側面上部、特にフランジ部14を加熱するためのコードヒータ26が、鍋11のフランジ部14の下側に位置して円環状に配置されている。このコードヒータ26は電熱式ヒータからなり、鍋収容体9の上端に載置するようにして取り付けられた熱放散抑止部材としてのヒータリング27上に保持されると共に、コードヒータ26を上から覆うようにしてヒータリング27に取り付けられ、かつ熱伝導性に優れた例えばアルミ板からなる固定金具と放熱部とを兼用する金属板29を備えて、フランジヒータを構成している。この金属板29は、炊飯器本体1と蓋体31との隙間に対向して位置している。そして、前記金属板29の上面に鍋11のフランジ部14の下面が載置し、これにより、鍋11が本体1の上枠2に吊られた状態で、鍋収容体9内に収容されるようになっている。したがって、鍋11とこの鍋11が収容された鍋収容体9の上端との間における隙間がほとんどない構成になる。しかも、鍋11のフランジ部14は、外形がコードヒータ26と同等以上の大きさに形成されており、これにより、コードヒータ26が鍋11のフランジ部14で上から覆われるようになっている。但し、図示していないが、鍋11の持ち手部(フランジ部14)は非接触にし、部分的に隙間を形成することで、鍋11の外面に水が付着した状態で炊飯したときに、当該隙間から蒸気が排出されるようにしてある。 【0026】 蓋体31は、その上面外郭をを形成する例えばプラスチック製の外蓋32と、外蓋32の上面部を覆う三次元形状の金属蓋33と、蓋体31の内面である下面を形成する放熱板34と、外蓋32および放熱板33を結合させて蓋体31の骨格を形成する蓋ベース材としての外蓋カバー35とを主たる構成要素としている。外蓋カバー35に設けられる放熱板34は金属製であり、例えば、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした材料からなっている。また、前記蓋体31の内部にあって、放熱板34の上面には、蓋加熱手段としての蓋ヒータ36が設けられている。この蓋ヒータ36は、コードヒータなどの電熱式ヒータや、電磁誘導加熱式による加熱コイルでもよい。 【0027】 前記本体1を構成する上枠2の後方には、蓋体31と連結する連結部としてのヒンジ部38が設けられる。このヒンジ部38には、炊飯器の正面から見て左右方向に一対の孔39が設けられていると共に、例えばねじりコイルバネなどで形成した付勢手段としてのヒンジバネ40が、その内部に収納される。一方、外蓋カバー35の後方にも、前記ヒンジ部38に設けた孔39と対向するようにヒンジ受部としての外蓋カバーヒンジ孔(図示せず)が設けられる。そして、このヒンジ孔とヒンジ部38の孔39に共通して、棒状のヒンジシャフト41を挿通することで、本体1と蓋体31がヒンジシャフト41を支点として開閉自在に軸支される。さらに、前記ヒンジバネ40の一端と他端が、外蓋カバー35と外枠2にそれぞれ引掛けられることで、蓋体31は常時開方向に付勢されている。 【0028】 外蓋カバー35に設けたヒンジ受部の略反対側に位置して、当該外蓋カバー35の前方には係合部としてのクランプ44を設ける。このクランプ44は、図2にも示すように、蓋体31の内部に設けたクランプシャフト45を中心として、外蓋カバー35に対し回転自在に軸支される。なお、クランプシャフト45は、その軸が蓋体31の水平左右方向にほぼ沿って配置される。蓋体31の前方上面には、蓋開ボタン46が露出状態で配設されており、この蓋開ボタン46の下側に、前記クランプ44の基端部44Aが配置される。また蓋体31の内部には、前記クランプ44の基端部44Aを蓋開ボタン46側に付勢するバネなどのクランプ付勢手段(図示せず)が設けられており、これにより蓋開ボタン46を常時上方に押し上げようとする力が作用する。 【0029】 クランプ44は、蓋開ボタン46に当接する基端部44Aの他に、外蓋カバー35の下面にあるクランプ用孔48から下方に突出する垂下部44Bと、クランプ44の実質的な先端部に相当し、垂下部44Bの下端を起点として、そこから本体1の内方に延出する係合部44Cとにより構成される。これらの垂下部44Bや係合部44Cは、クランプ44の下側にあって左右一対に設けられる。クランプ44の回転中心となるクランプシャフト45は、垂下部44Bの上端に沿うように配置されており、係合部44Cは本体1のほぼ前後方向に揺動するようになっている。 【0030】 一方、上枠2に設けたヒンジ部38の略反対側に位置して、当該上枠2の前方には本体クランプ部としてのクランプ受け50が配設される。このクランプ受け50は、前記クランプ44の係合部44Cが当接するほぼ水平な被係合面50Aが形成されている。また、クランプ44の先端部に位置する係合部44Cは、クランプ受け50の下方から被係合面50Aに向けて当接するようになっており、クランプ受け50の下方には、係合部44Cの揺動を妨げないような空間51が形成される。さらに上枠2の上面部には、蓋体31を本体1側に閉じたときに、係合部44Cが当接しながら空間51に入り込むようなテーパー面を有する案内口52が、空間51に連通して設けられる。この案内口52は、前記クランプ用孔48に対向してそれぞれ配設される。前記クランプ44,クランプシャフト45およびクランプ受け50は、蓋体31を開状態に保持するクランプ機構53に相当する。 【0031】 55は、放熱板34の外側すなわち下側に設けられる内蓋組立体である。この内蓋組立体55は、鍋11の上方開口部とほぼ同径の円盤状を有し、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした金属性の内蓋56と、鍋11と内蓋56との間をシールするために、当該内蓋56の外縁上部全周に設けられ、蓋パッキン57と内釜の内圧力を調整する調圧部58とを備えている。環状に形成された蓋パッキン57は、蓋体31を閉じた時(蓋閉時)に、鍋11のフランジ部14上面に当接して、この鍋11と内蓋56との間の隙間を塞ぎ、鍋11から発生する蒸気を密閉するものである。また、前記内蓋56の外周部には、内蓋組立体55を蓋体31に装着したときにのみ、前記クランプ付勢手段の弾性力をクランプ44に作用させるフック部(図示せず)を形成した環状のパッキンベース59が固定されており、パッキンベース59と内蓋56とにより挟まれて蓋パッキン57が固定されている。これにより、内蓋56と蓋パッキン57はパッキンベース59で一体化され、内蓋組立体55が蓋体31の下面から着脱可能に設けられており、炊飯毎に洗うことが可能となっている。 【0032】 そして、内蓋組立体55を蓋体31に装着した状態で、蓋体31に対し当該蓋体31を閉じようとするカを加えると、クランプ44の係合部44Cが案内口52のテーパー面に当接し、そこからクランプ44はクランプ付勢手段の弾性力に抗して、クランプシャフト45を中心として一方向に回転する。やがて、クランプ44の係合部44Cが案内口52のテーパー面を乗り越えると、それまでの係合部44Cと案内口52のテーパー面との当接状態が解除されるので、クランプ付勢手段の弾性力により、クランプ44がそれまでとは逆方向に回転して元の位置に復帰し、クランプ44の係合部44Cはクランプ受け50の被係合面50Aに当接して、蓋体31が本体1に係合保持される。 【0033】 また、蓋体31を閉塞した状態で蓋開ボタン46を押動すると、クランプ44の係合部44Cとクランプ受け50の被係合面50Aとの係合を解除する方向に、クランプ44がクランプシャフト45を中心に回転し、蓋体31がヒンジバネ40のカで自動的に開く。一方、内蓋組立体55を蓋体31に取付けていない場合には、パッキンベース59に設けたフック部がクランプ付勢手段に作用しなくなって、蓋開ボタン46を常時上方に押し上げようとする力がクランプ44に働かなくなるので、蓋体31を閉塞しても、蓋体31が本体1に係合保持されないようになっている。 【0034】 前記放熱板34には、蓋体31の特に内蓋56の温度を検知する蓋温度検知手段として、蓋ヒータ51による内蓋56の温度管理を行なうための例えば負特性サーミスタなどからなる蓋温度センサ61(図4参照)が設けられていている。また、蓋体31の上面後方寄り部には、蓋体31の上面側から着脱可能な蒸気口62が設けられる。蒸気口62と前記調圧部58は蓋体31の内部で連通しており、これらの蒸気口62や調圧部58により、鍋11内で発生した蒸気を外部へ放出するための蒸気排出機構が形成される。 【0035】 次に、調圧部58およびその周辺の構成を、図3を参照しながら説明する。前記調圧部58は、調圧用の圧力調整弁65と、圧力調整弁65を保持する圧力調整弁ホルダー66と、圧力調整弁65を覆うドーム状の圧力調整弁カバー67とにより構成される。圧力調整弁65は耐食性に優れた材料で、ある程度の重量を有する部品であればよく、例えばオーステナイト系のステンレスからなるボールであってもよい。圧力調整弁ホルダー66は、球状の圧力調整弁65を載置する台座部69と、圧力調整弁65の下方に配置され、鍋11と連通してこの鍋11内の蒸気を排気する連通孔70とを有する。連通孔70は、鍋11と内蓋56とを連通させるためのもので、この連通孔70を通過する蒸気が、蒸気口62から外部に放出されるようになっている。また、圧力調整弁65は台座部69に載置された状態で、連通孔70を塞ぐようになっており、連通孔70の開口面積と圧力調整弁65の重量とにより、鍋11内の圧力を調整することができる。 【0036】 内蓋56の適所には、前記圧力調整弁ホルダー66の台座部69が挿通可能な挿入孔72が形成されると共に、前記台座部69の下側には、この台座部69よりも径大なフランジ部73が形成される。これにより、圧力調整弁ホルダー66を内蓋56の挿入孔72に向けて下側から挿通すると、フランジ部73が挿入孔72の周囲部下面に当接する。そして、圧力調整弁ホルダー66を内蓋56の挿入孔72に差し込み、圧力調整弁65を圧力調整弁ホルダー66に保持した状態で、圧力調整弁ホルダー66の上方から圧力調整弁カバー67を被せることで、内蓋56に調圧部58が組立てられる。このとき、圧力調整弁ホルダー66と圧力調整弁カバー67は爪嵌合により取付け固定されてもよいし、ネジやリベットなどの止着部材で取付け固定されてもよい。本実施例では、内蓋56の挿入孔72の周囲部が圧力調整弁ホルダー66と圧力調整弁カバー67とにより扶持されるので、挿入孔72を露出させない構造とすることができる。 【0037】 圧力調整弁カバー67は、圧力調整弁65の移動範囲を規制するためのもので、連通孔70から放出する蒸気を蒸気口62に導く複数の孔(図示せず)が設けられている。なお、前記フランジ部73の側面には溝部74が形成され、ここに圧力調整弁ホルダー66と内蓋56とをシールする環状パッキン75が嵌着される。 【0038】 77は、圧力調整弁ホルダー66の下部に設けられる圧力調整弁フィルターである。この圧力調整弁フィルター77は、圧力調整弁ホルダー66の下側開口を覆うように形成され、第2の連通孔に相当する複数の孔78を設けた平板状の中央部79と、中央部79の側部両側より外方に向かい対極に延長した腕部80と、断面がコ字形状で、腕部80の外縁に形成される係合部としての嵌合部81と、中央部79の下面より突出し、孔78を通過する蒸気の進入経路に対してほぼ垂直に配置される縦リブ82とからなる。中央部79に設けた複数の孔78は、腕部80の略中央に位置する縦リブ82で左右に分断される。この縦リブ82は、腕部80の端にまで延びていてもよいし、腕部80の途中にまで延びていてもよいが、要は孔78を有する範囲内に少なくとも設けることとする。 【0039】 一方、前記圧力調整弁ホルダー66のフランジ部73には、外方への延出部84が数箇所(実施例では2箇所)設けられている。当該延出部84と内蓋56の下面との間には、前記嵌合部81の先端部が入り込む隙間に相当する凹部85が形成される。この凹部85は圧力調整弁フィルター77との嵌合部となり、これにより圧力調整弁フィルター77が圧力調整弁ホルダー66に対し着脱自在に配設される。 【0040】 内蓋56には、圧力調整弁フィルター77の装着時に、この圧力調整弁フィルター77に弾発的に当接する弾性部材としてのゴム87が設けられる。このゴム87は、調圧部ホルダー66のフランジ部73に形成したゴム収容室89に装着され、内蓋56と圧力調整弁ホルダー66の延出部84とにより形成される隙間(凹部85)に臨んで配置される。圧力調整弁フィルター77の嵌合部81には、その略中央部にゴム87との当接部である凸部90が設けられており、圧力調整弁フィルター77を装着する途中で、この凸部90とゴム87が高さ方向で当たる位置関係となっている。 【0041】 前記内蓋組立体55には、その他に鍋11内の圧力が何らかの要因で設定値以上である異常圧力に昇圧すると、ばねに抗して弁体95を押し上げ、孔96を開放して鍋11の内圧を下げる安全弁97が設けられる。調圧部58および安全弁97は、内蓋56を外蓋カバー35の下側に取付けたときに、蒸気口62の入口側に臨んで設けられる。 【0042】 98は、蓋体31の内部に設けられ、前記圧力調整弁65を動かして蓋体31の密閉度すなわち鍋11の内圧を調節する圧力調節手段としてのソレノイドである。このソレノイド98は、より具体的には、圧力調整弁65側に突出する可動部としてのプランジャ99が、前記調圧部58を構成する圧力調整弁カバー67の側部開口に臨むように、蓋体31の内側に横設される。そして本実施例では、ソレノイド98の非通電状態において、プランジャ99を進出位置に保持し、圧力調整弁65を連通孔70から退避する一方で、通電状態においてプランジャ99を退避させて、圧力調整弁65を連通孔70に自重で転動させ、鍋11内に圧力を投入するものである。これにより、図3のように圧力調整弁65が圧力調整弁ホルダー66の上に載置されているときに鍋11内が密閉状態になり加圧される(以降、この状態を圧力調整弁ON状態という)。一方、ソレノイド98のプランジャ99によって圧力調整弁65が押されたときに鍋11内が非密閉状態になり開放される(以降、この状態を圧力調整弁OFF状態という)仕組みとなっている。なお、ソレノイド98の通電/非通電状態におけるプランジャ99の位置は、本実施例と逆であってもよい。 【0043】 前記本体1の前部には操作パネル101が設けられている。この操作パネル101の内側には時間や選択したメニューを表示するLCD102や、他にいずれも図示しないが、現在の行程を表示するLEDや、炊飯を開始させたり、メニューを選択させるためのスイッチなどを配置した基板が配設される。操作部に相当する操作パネル101はボタン名などを表示するもので、電子部品である制御手段にほこりや水が付着することも防止している。なお、操作パネル101を蓋体31の正面側に設けてもよい。 【0044】 111は、本体1の内部前方に設けられた加熱制御手段である。この加熱制御手段111は、加熱手段である加熱コイル16を駆動させるための発熱素子(図示せず)を基板に備えて構成される。この加熱コイル16を駆動する素子は、加熱コイル16の発振と共に加熱されるが、動作状態を保証する使用条件温度を有するので、一定温度以下で使用する必要がある。そのために、加熱コイル16を駆動する素子は、例えばアルミニウムのような熱伝導性の良好な材料で構成されるフィン状の放熱器112に熱的に接続され、冷却手段である冷却ファン113から発する風を放熱器112に当てて熱を奪うことにより、使用条件温度内で素子を駆動するようにしている。 【0045】 冷却ファン113は、加熱制御手段111に取り付けられた放熱器112の下方、若しくは側部に配置されている。また、本体1の底部若しくは側部には、冷却ファン113から発し、加熱制御手段111に取り付けられた放熱器112から熱を奪って温かくなった風を、本体1の外部へ排出するための孔(図示せず)が複数設けられている。加熱制御手段111は製品内部すなわち本体1内に収納されるが、鍋11の外周囲のどの位置に配置してもよい。また、本体1の底部若しくは側部に設けた孔も、どの位置に配置してもよい。しかし、近年は製品の小形化設計が求められている背景もあり、加熱制御手段111や冷却ファン113と、温かな風を排出する孔114は、鍋11をはさんで略反対位置に配置するのが好ましい。 【0046】 本体1の内部には、電源プラグ(図示せず)を巻き取るためのコードリール116が設けられる。また117は、本体1の両側部を跨ぐように設けられた運搬用の回転可能なハンドルである。 【0047】 次に制御系統について、図4を参照しながら説明する。同図において、111は前述の加熱制御手段で、これは前記鍋温度センサ21および蓋温度センサ61からの各温度情報を受信して、炊飯時および保温時に鍋11の底部を加熱する加熱コイル16と、鍋11の側部を加熱するコードヒータ26と、蓋体31を加熱する蓋ヒータ36と、鍋11内の圧力を調整するソレノイド98とを各々制御するものである。特に本実施例の加熱制御手段111は、鍋温度センサ21の検出温度に基づいて主に加熱コイル16が制御されて鍋11の底部を温度管理し、蓋温度センサ52の検出温度に基づいて主に蓋ヒータ26が制御されて放熱板34ひいては内蓋56を温度管理するようになっている。加熱制御手段111は、自身の記憶手段(図示せず)に記憶されたプログラムの制御シーケンス上の機能として、操作パネル101のメニュー上から選択された例えば白米,炊込み,玄米,発芽玄米,おかゆなどの各種炊飯や蒸し,発酵,焼きなどの所定の調理コースに応じて、各調理工程における被調理物の調理加熱を制御する調理制御手段を備えており、ここでは炊飯時に前記鍋11内の被調理物を炊飯加熱する炊飯制御手段120と、保温時に鍋11内のご飯を所定の保温温度に保温加熱する保温制御手段121と、炊飯・調理途中停止時において安全に鍋11内の圧力を減圧する減圧制御手段130とをそれぞれ備えている。 【0048】 122は、加熱制御手段111からの制御信号を受けて、加熱コイル16に所定の高周波電流を供給する高周波インバータ回路などを内蔵した加熱コイル駆動手段である。またこれとは別に、加熱制御手段111の出力側には、加熱制御手段111からの制御信号を受けて、放熱板34や内蓋56を加熱するように蓋ヒータ36を駆動させる蓋ヒータ駆動手段123と、コードヒータ26をオンにするコードヒータ駆動手段124と、ソレノイド98をオンまたはオフにするソレノイド駆動手段125が各々設けられる。前記炊飯制御手段120による炊飯時、および保温制御手段121による保温時には、鍋温度センサ21と蓋温度センサ61からの各温度検出により、加熱コイル16による鍋11の底部への加熱と、コードヒータ26による鍋11の側面への加熱と、蓋ヒータ36による蓋体31ヘの加熱が行われるように構成する。また、前記炊飯制御手段120による炊飯が終了し、鍋11内の被調理物がご飯として炊き上がった後は、保温制御手段121による保温に自動的に移行し、鍋温度センサ21の検出温度に基づき、加熱コイル16やコードヒータ26による鍋11への加熱を調節することで、ご飯を所定の保温温度(約70℃〜76℃)に保温するように構成している。 【0049】 特に前記コードヒータ26による加熱について補足説明すると、炊飯後にご飯の温度が約100℃から約73℃の保温温度に低下するまでと、約73℃の保温安定時に、コードヒータ26を発熱させて、蓋体31と本体1との隙間の空間に金属板29から熱放射して、この隙間からの外気の侵入による冷えを抑制すると共に、鍋11のフランジ部14を加熱する。また、保温時にご飯を再加熱するあつあつ再加熱を実行している期間にもコードヒータ26により鍋11のフランジ部14を加熱し、ご飯の加熱により発生する水分が鍋11の内面上部に結露することを防止するように構成している。 【0050】 次に、上記構成の作用について図5を参照しながら説明する。この図5は、炊飯制御手段120による調理工程に相当する炊飯の制御工程を示したものである。同図において、各項目に共通して横軸が時間又は工程を示し、縦軸が鍋温度センサ21及び蓋温度センサ52の各検出温度T1,T2と、鍋11内の圧力Pと、加熱コイル16による鍋11の加熱量(IH加熱量)を示す消費電力と、蓋ヒータ36及び圧力調整弁65のON/OFF状態とをそれぞれ示している。 【0051】 鍋11内に被調理物である米および水を入れて、炊飯制御手段120による炊飯を開始すると、まず米の芯まで水を浸透させるためのひたし工程が行われる。ひたし工程では、鍋温度センサ21による鍋11の底部の温度検知に基づいて、加熱コイル16とコードヒータ26で鍋11の底部と側面部をそれぞれ加熱し、鍋11内の水温(検出温度T1)を約45〜60℃に10〜30分間保持するひたし炊きが行われる。このひたし工程及び次の沸騰加熱工程では、炊飯制御手段120は、ソレノイド98をオフ状態にして、プランジャ99を進出位置に保持させ、圧力調整弁65を連通口70から退避させている。これにより、調圧部58は密閉せずに鍋11の内外を連通させた開放状態である圧力調整弁OFF状態となり、鍋11内の圧力Pはほぼ大気圧(1.0気圧)に維持される。 【0052】 その後、沸騰加熱工程に移行すると、炊飯制御手段120は、最初は最高出力の1100〜1400Wで加熱コイル16に連続通電を行って鍋11を強加熱し、被調理物への沸騰加熱を行なう。この沸騰加熱時に鍋11の底部の温度が沸騰直前である80〜100℃になったら、蒸気口62からの吹きこぼれを考慮して、炊飯制御手段120は、出力を500〜1100W程度まで落として連続通電を行なう。それと同時に、蓋体31の検出温度T2が80〜95℃に達したら沸騰検知を行なう。沸騰検知は所定時間内(30〜150秒間)に所定温度(1〜5℃)以下しか検出温度T2が上昇しなかったら、すなわち検出温度T2の勾配が十分小さくなったら、鍋11内が沸騰状態になったものとして、それまでよりも加熱量を低減した次の沸騰継続工程に移行する。 【0053】 また、前記鍋11の底部,鍋11の側面部または蓋体31のいずれかが120℃以上の通常ではあり得ない検出温度になったら、加熱制御手段111は何らかの異常があると判断して炊飯加熱における加熱量を低減して全ての動作を停止する切状態にするか、後述するむらしに移行するか、保温を行ない、異常加熱を防止する。逆に、前記鍋11の底部または蓋体31のいずれかが90℃以上になって所定時間(例えば5分)経過しているのに、それ以外の鍋11の底部または蓋体31のいずれかが90℃未満で低い状態の場合、この温度の低い状態の鍋温度センサ21または蓋温度センサ61が、何らかの理由(汚れや傾きや接触不良など)で温度検知精度が悪化していると判断し、同様に炊飯加熱における加熱量を低減して全ての動作を停止する切状態にするか、むらしに移行するか、保温を行ない、これに対処する。 【0054】 沸騰継続工程では、炊飯制御手段120は、まずソレノイド98をオン状態にして、プランジャ99を退避位置に保持させ、圧力調整弁65を連通口70に転動させている。これにより、調圧部58が閉塞された状態である圧力調整弁ON状態として、鍋11内の圧力を上げて、鍋11内の温度も高くする。本実施例では、鍋11内の圧力検知は、蓋温度センサ61の検出温度T2を圧力に換算して行われている。沸騰継続工程における鍋11のIH加熱は、所定の消費電力と図5に示すようなON/OFFパターンで行われる。鍋11内の圧力Pが所定以上(1.0〜1.6気圧)になったら、炊飯制御手段120はソレノイド98を周期的にオン・オフさせることにより、圧力調整弁65を所定時間(1〜10秒)OFF状態にして鍋11内の圧力Pを調整すると共に、水分を放出する。この沸騰継続工程では、操作パネル101により選択したメニューに応じて、ソレノイド98の通断電タイミングを変えるのが好ましい。これにより、鍋11に通じる調圧部58の密閉度を、選択したメニューに応じて最適なものに可変することができる。鍋温度センサ21の検出温度T1が所定温度以上になったら、炊き上げ工程に移行する。 【0055】 炊き上げ工程では、炊飯制御手段120は、沸騰継続工程に対して鍋11のIH加熱を変え、蓋ヒータ36をオン・オフして制御を行なう。鍋11のIH加熱を変えるのは、水分を飛ばし易い加熱にするためである。蓋ヒータ36をオンするのは炊飯完了時に内蓋56に水滴が残るのを防止するためである。ここでの蓋加熱は、内蓋56の温度が100〜110℃になるように、蓋温度センサ61の検出温度T2により管理される。蓋ヒータ36をオンすることによって、蓋温度センサ61の検出温度T2が上がって、鍋11内の圧力Pを実際より高く検出するので、制御圧力は下がる。 【0056】 そして、鍋11の検出温度T1が所定温度以上になったら、炊飯制御手段120は、水分が無くなったと判断して(ドライアップしたと判断して)、むらし行程に移行する。むらし中は蓋温度センサ61の検出温度T2による温度管理によって蓋ヒータ36を通断電し、内蓋56への露付きを防止すると共に、ご飯が焦げない程度に高温(98〜100℃)が保持されるように、鍋11の検出温度T1を管理する。炊飯制御手段120は、後述の減圧制御と同様の制御をソレノイド98ひいては圧力調整弁65に対して行い、鍋11内の圧力Pを徐々に下げる。むらし行程を一定時間(15〜20分)行ったら保温制御手段121による保温行程(図示せず)に移行する。保温行程では、圧力調整弁65は常時OFF状態にしている。 【0057】 保温になると、保温制御手段121は、加熱コイル16にて鍋11の底部と側面下部を加熱すると共に、鍋11内に収容するご飯の温度よりも僅かに高く、蓋ヒータ36により蓋体31の下面を加熱し、さらに鍋11の側面をコードヒータ26でご飯が乾燥せず、かつ露が多量に付着しないように温度管理する。鍋11内のご飯の温度は70〜76℃に温度保持されるが、この保温時においても、鍋温度センサ21や蓋温度センサ61が相互に異常に高かったり、あるいは異常に低かったりした場合には、異常を検知してこの異常加熱を防止する。 【0058】 また、蒸気むらしから保温に至る各行程での調圧部58の密閉度は、選択した調理コースに応じて変えるが、実質的な炊飯終了であるむらしの所定時間前になったら、ソレノイド98をオフにして調圧部58の密閉度を下げ、炊飯終了時に蓋体31を開けるのに支障がない程度に減圧する。 【0059】 図6は炊飯制御手段120による炊飯以外の調理の制御工程を示したものである。図5の炊飯制御に対して、基本的な制御シーケンスは炊飯と同じである。主な違いとしては、ひたし行程が省略されている(ひたし制御の工程時間がゼロ)ことと、各工程のIH加熱量,時間,温度データが異なるだけである。 【0060】 炊飯・調理工程中に、例えば、ユーザーによって途中停止した場合やエラーで途中停止した場合などには、図8及び図9に示すパターンに従って圧力調整弁65の制御を行ない、徐々に鍋11内の圧力を減圧する減圧制御を行なう。炊飯・調理工程中から当該減圧制御に至るまでの制御フローを示したものが図7である。炊飯・調理途中で停止した場合(ステップS1)には、まず圧力を加えるメニュー(調理コース)であるか否かの判定を行い(ステップS1)、圧力を加えないメニューであれば減圧制御は行なわない(ステップS7)。一方、圧力を加えるメニューであれば、次に圧力を加えている調理工程であるか否かの判定を行なう(ステップS3)。具体的には、本実施例では、ひたし制御から沸騰加熱工程やむらし工程の開始所定時間以降(1〜10分)や保温工程では圧力を加えていないと判定して減圧制御は行なわない(ステップS7)。それ以外は圧力が掛かっていると判定して、圧力に応じて減圧制御のパターンA、パターンBを選択する(ステップS4)。ここでは、圧力が所定圧力以上(本実施例では1.15気圧以上)の場合はパターンA(ステップS5)とし、圧力が所定圧力未満の場合にはパターンB(ステップS6)として減圧制御を行なうことにしている。 【0061】 図8は減圧制御の内容を示す制御パターンを示したものであり、同図において、(1)がパターンAを、(2)がパターンBをそれぞれ示している。パターンAは高圧から減圧する減圧パターンで、パターンBに比べて、圧力調整弁65に対する開始時のOFF時間toff(圧力調整弁OFF状態として圧力を抜く時間)が短く、ON時間ton(圧力調整弁ON状態として圧力を抜かない時間)が長い。また、高圧から徐々に減圧するために、全体のON/OFF回数がパターンBに比べて多く、減圧制御に掛かる時間も全体的に長くなっている。パターンA、パターンB共に、開始時のON時間tonに対して終了時のON時間tonが短く、反対に開始時のOFF時間toffに対して終了時のOFF時間toffが長くなっている。これは開始時の高圧状態で長時間OFFすると、鍋11内がより一気に沸騰し吹きこぼれ易く、沸騰を抑えるのに時間が掛かるためON時間tonが長いのである。逆に鍋11内の圧力がある程度低下すれば、大きな沸騰は起きないのでOFF時間toffを長くしてON時間tonを短くできる。このような、ON/OFFパターンにすることによって減圧制御に掛かる時間を短くすることができる。 【0062】 図8に示す本実施例における制御パターンでは、全ての部分で徐々にON時間tonが短くなり、OFF時間が長くなっているが、全ての部分でそのようになっている必要はない。少なくとも、減圧制御開始から終了までの間で、全体的に見て開始時の方が終了時よりON時間tonが長いか、開始時の方が終了時よりOFF時間toffが短くなっていればよい。すなわち、図9のようなON/OFFパターンでも構わない。同図において、(1)はOFF時間を固定した制御パターンであり、(2)はON時間を固定した制御パターンであり、(3)は減圧途中からON/OFF時間ton,toffを固定した制御パターンである。これらどの制御パターンをとってみても、減圧制御開始から終了までの間で、全体的に見て開始時の方が終了時よりON時間tonが長いか、開始時の方が終了時よりOFF時間toffが短くなっている。 【0063】 なお、減圧中は、ユーザーにこのことを知らせるために、図10のように、減圧中であることを表示するメッセージと共に減圧制御終了までの残り時間の表示をLCD102に行なっている。このことにより、ユーザーは故障と勘違いしない。本実施例では、減圧制御中であることを報知する報知手段としてのLCD102による表示で減圧をユーザーに知らせているが、その他にも例えば音声で「圧力を抜いているのでしばらくお待ち下さい」のように音声出力するなどが考えられる。いずれにしても、ユーザーが故障と勘違いしないように、ユーザに対して減圧中であることを視聴覚的に報知するよう構成すればよい。 【0064】 本実施例では圧力を蓋温度センサ61の検出温度T2から検出しているが、圧力センサを設けて直接検知しても構わないし、消費電力や時間などから算出しても構わない。いずれにしても、減圧制御が必要か必要でないかが判断できるよう構成すればよい。 【0065】 以上のように本実施例では、本体1内に収納される鍋11と、鍋11を加熱する加熱手段としての加熱コイル16と、鍋11の上部を開閉自在に覆う蓋体31と、蓋体31を閉状態に保持するために係合させる係合部としてのクランプ44と、鍋11内の圧力を調整する調圧部58と、所定の調理コースに応じた調理工程を実行する加熱制御部111とを備えた炊飯器において、前記調理工程を途中停止するときに、鍋11内の圧力を所定時間にわたって減圧するように調圧部58を減圧制御する減圧制御手段130を備えている。 【0066】 このようにすると、鍋11内に圧力が加わっている最中に途中停止しても、減圧制御手段130により鍋11内の圧力がゆっくり減圧されるため、調圧部58からの吹きこぼれを確実に抑えることができる。また、途中停止したときに一気に蒸気を抜かないので、大きな音と共に蒸気が吹き出てユーザーを驚かせることもない。以上により、圧力抜きに伴う吹きこぼれを確実に抑制することができる炊飯器を提供することができる。 【0067】 また本実施例の炊飯器では、前記減圧制御中であることを報知する報知手段としてのLCD102を備えている。 【0068】 このようにすると、減圧中であることが報知されるため、ユーザーが故障と勘違いすることがない。従って、ユーザーの誤認によるクレームを予防することができる。 【0069】 さらに本実施例の炊飯器では、減圧制御手段130は、鍋11内の圧力抜きが断続的に行われ、前記減圧制御の開始時よりも終了時の方が鍋11内の圧力を抜く時間が長くなる、又は前記減圧制御の開始時よりも終了時の方が鍋11内の圧力を抜かない時間が短くなるように、調圧部58を制御するものであることを特徴とする。 【0070】 このようにすると、減圧制御のパターンを開始時よりも終了時の方が圧力を抜く時間が長い、又は開始時よりも終了時の方が圧力を抜かない時間が短くしたことにより、減圧制御の工程時間を短くすることができる。 【0071】 また本実施例の炊飯器では、減圧制御手段130は、前記調理コース又は前記調理工程又は鍋11内の圧力又は鍋11内の温度に応じて前記減圧制御の内容としての制御パターンを変更するものであることを特徴とする。 【0072】 このようにすると、減圧制御の内容を炊飯器の諸条件によって変更することによって、不要な減圧制御をなくし、使い勝手を良くすることができる。従って、減圧制御を最適化し、使い勝手を良くすることができる。 【0073】 次に、本発明の変形例を図11〜図18を参照して説明する。なお、上記実施例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため極力省略する。 【0074】 図11は、蓋開ボタン46周辺の断面図を表わしている。先ず、蓋体31と本体1との開閉構造について説明すると、蓋体31には係合部に相当するクランプ44が配置される。このクランプ44は、蓋体31の内部に設けたクランプシャフト45を中心として、外蓋カバー35に対し回転自在に軸支される。蓋開閉手段に相当する蓋開ボタン46は、使用者が操作できるように蓋体31の前方上面から露出状態に配設される。蓋体31の内部には、クランプ44の基端部44Aを蓋開ボタン46側に付勢するバネなどのクランプ付勢手段(図示せず)が設けられ、これにより蓋開ボタン46を常時上方に押し上げる力が作用するようになっている。 【0075】 クランプ44は、蓋開ボタン46に当接する基端部44Aの他に、外蓋カバー35の下面にあるクランプ用孔48から下方に突出する垂下部44Bと、クランプ44の実質的な先端部に相当し、垂下部44Bの下端を起点として、そこから本体1の内方に延出する係合部44Cとにより構成される。クランプ44はステンレスなどの金属部品で形成し、係合部44Cは略L字状とする。そうすることで、クランプ44を合成樹脂で構成する場合と比べ、強度の強いクランプ受け50との係合を得られる。また、中央から左右の略均等位置に係合部44Cを設ける。これらの垂下部44Bや係合部44Cは、クランプ44の下側にあって左右一対に設けられる。クランプ44の回転中心となるクランプシャフト45は、垂下部44Bの上端に沿うように配置され、係合部44Cは本体1の略前後方向に遥動する。 【0076】 一方、上枠2に設けたヒンジ部38の略反対側に位置して、該上枠2の前方には係合受部に相当するクランプ受け50が配設されており、蓋体31を本体1側に閉じようとすると、クランプ付勢手段の付勢力により、クランプ44がクランプシャフト45を中心軸として回転し、当該クランプ受け50に係合することで、本体1に対し蓋体31を閉状態に保持するようになっている。クランプ受け50はステンレスなどの金属部品で形成する。そうすることで、クランプ受け50を合成樹脂で構成する場合と比べ、強度の強いクランプ44との係合を得られる。反対に蓋体31を開く場合には、蓋開ボタン46を押動操作し、クランプ44の基端部を下方に押下げてクランプ44を逆方向に回転させ、係合部44Cを本体1の前方に変位させて、クランプ44とクランプ受け50との係合を解除する。上枠2のクランプ受け下方部は、クランプ44がクランプシャフト45を軸として回転動作する際に、ぶつからない深さを有することが必要である。また、クランプ44とクランプ受け50下方部の隙間は、通常時のクランプ44とクランプ受け50の係合量よりも大となる寸法関係としておく。更に、外蓋カバー35と上枠2の隙間よりも大となる寸法関係としておく。 【0077】 なお、ここでは蓋体31側にある可動するクランプ44を係合部といい、本体1側にある固定したクランプ受け50を係合受部としているが、蓋体31に固定した係合部を設け、本体1に可動する係合受部を設けてもよい。 【0078】 141は、蓋開ボタン46の裏(内)側部に取り付けられた基板である。この基板141には、前記炊飯制御手段120又は減圧制御手段130が動作すると点灯作動する警報手段としてのLED142と、磁気検知素子としてのホール素子143がそれぞれ実装される。LED142は、別な図12に示すように、蓋開ボタン46の上面に対向して設けられており、またホール素子143は、蓋開ボタン46が押されていない状態では、外蓋32に設けた磁性体としてのマグネット144に対向して配設される。ホール素子143は、前記クランプ44とクランプ受け50との係合を解除しようとしたときに、マグネット144から離れることにより、その動作を検知して加熱制御手段111に検知信号を出力する検知手段として設けられる。なお、別なセンサにより同等の機能を有する検知手段を構成してもよい。 【0079】 この例におけるLED142は、沸騰加熱工程から炊き上げ工程までの間、鍋11内が大気圧より高くなる期間にのみ連続点灯すると共に、減圧制御手段130が動作する減圧制御中に、クランプ44とクランプ受け50との係合を解除しようとすると、ホール素子143からの検知出力を受けて所定時間点滅し、その後消灯する表示手段として設けられている。LED142に代わり、例えばLCDなどの他の表示手段を用いてもよいし、ブザーなどの報知手段を設けてもよい。この場合、報知手段も同様に工程や連動する構成としてよい。 【0080】 その他、前記蓋体31は、前述した蓋32,放熱板34,外蓋カバー35,および内蓋組立体55の他に、蓋体31としての外観品位を向上させるために、外蓋32の上面部を覆う三次元形状の金属蓋33を備えている。 【0081】 蓋体31の内部構成について、上記実施例との相違点をさらに説明すると、調圧用ソレノイド98は、前述したように、調圧弁65を動かして蓋体31の密閉度即ち鍋11内圧を調節するものであり、電磁力により内部からプランジャー99を出没させて、調圧部58内にある調圧弁65を動かす構成となっている。また蓋体31の内部には、外蓋カバー35に向けてプランジャー99と共に可動する調圧フレーム152と、蓋体31内部を水密状態に保持するための可撓性調圧パッキン153が設けられる。図13にも示すように、これらの調圧用ソレノイド98や調圧フレーム152は、外蓋カバー35により蓋体31内に形成された調圧収容部154に収容配置される。 【0082】 調圧フレーム152は、図14や図15に示すように、調圧弁65に向けて突出した操作部としての調圧操作部161と、調圧用ソレノイド98を囲うようにして設けたフレーム部162と、調圧操作部161の略反対側に設けられた調圧フレームロック片163とを備えて構成される。 【0083】 さらに、この変形例では、外蓋カバー35により蓋体31内に形成された別の開閉手段収容部171に、開閉用ソレノイド172が配置される。この開閉用ソレノイド172も、前記調圧用ソレノイド98と同様に、電磁力により内部からプランジャー173を出没させる構成となっている。また蓋体31の内部には、プランジャー173と共に可動し、開閉用ソレノイド172と共に調圧収容部154に収容配置される開閉フレーム175と、蓋体31内部を水密状態に保持するための可撓性開閉パッキン176(図17および図18参照)が設けられる。 【0084】 一方、図17や図18に示すように、前記内蓋56には、前記調圧部58に対向する孔78とは別な開閉用孔181が設けられ、この開閉用孔181に臨んで上下動する開閉弁182を収容した弁開閉手段183が、内蓋56の上面側に装着される。したがって、この変形例では、調圧部58および安全弁190の他に、弁開閉手段183が内蓋56に設けられる。弁開閉手段183は、前述した開閉用孔181の上方にある開閉弁182と、開閉用孔181を開ける方向、すなわち上方に開閉弁182を付勢する付勢手段としての開閉弁バネ184とを備えている。また、開閉弁182の上部に臨んで、接触若しくは所定の隙間を有した状態で、蓋体31側に前記可撓性開閉パッキン176が配設される。可撓性開閉パッキン176は、外蓋カバー35に設けられた開閉用シャフト186の動作と連動するようになっている。 【0085】 開閉用シャフト186と前記開閉用ソレノイド172のプランジャー173との間には、開閉フレーム175の前方に一体化して設けた腕片状の開閉用シャフト操作部188が配設される。この開閉用シャフト操作部188は、開閉用シャフト186の上部に対向してカム面188Aを形成しており、プランジャー173ひいてはこれに連動する開閉用シャフト操作部188が出没するのに伴い、開閉用シャフト186の上部が接するカム面188Aの位置が変わることで、開閉用シャフト186ひいては開閉弁182が上下動するようになっている。具体的には、図17に示す開閉用ソレノイド172の非通電状態では、開閉弁バネ184により開閉弁182が開閉用孔181から離れて、この開閉弁182および開閉用シャフト186が押し上がるように、プランジャー173および開閉用シャフト操作部188が進出位置に移動し、逆に図18に示す開閉用ソレノイド172の通電状態では、開閉弁バネ184の付勢に抗して、開閉用シャフト操作部188のカム面188Aが開閉用シャフト186ひいては開閉弁182を押下げ、それにより開閉弁182の下部が内蓋56の開閉用孔181を閉塞するように、プランジャー173および開閉用シャフト操作部188が後退位置に移動する。よって、開閉用ソレノイド172の通電状態では、蒸気口146に連通する開閉用孔181を開閉弁182が塞いで、鍋11内に圧力を投入できる状態にする。 【0086】 先に説明したように、調圧用ソレノイド98の周辺において、調圧フレーム152の前方には、調圧弁65を動かすための調圧操作部161が設けられる一方で、調圧フレーム152の後方には、突出した調圧フレームロック片163が設けられる。これと同様に、開閉用ソレノイド172の周辺において、開閉フレーム175の前方には、カム面188Aを有する開閉用シャフト操作部188が設けられ、開閉フレーム175の後方には、突出した開閉フレームロック片189が設けられる。そして、調圧用ソレノイド98のプランジャー99が後退位置にあるときには、クランプ44がクランプ受け50から係合解除する方向に動くのを規制するために、調圧フレームロック片163がクランプ44の基端部44Aの下方に潜り込むように配置されると共に、開閉用ソレノイド172のプランジャー173が後退位置にあるときにも、開閉フレームロック片189がクランプ44の基端部44Aの下方に潜り込むように配置される。逆に、調圧用ソレノイド98のプランジャー99が進出位置にあるときには、調圧フレームロック片163がクランプ44の基端部44Aから離れると共に、開閉用ソレノイド172のプランジャー173が進出位置にあるときにも、開閉フレームロック片189がクランプ44の基端部44Aから離れる。つまり、クランプ44の基端部44Aの下方に、調圧フレームロック片163と開閉フレームロック片189の両方またはどちらか一方が位置するときには、クランプ44の動作が規制され、クランプ44がクランプ受け50から係合解除できなくなるが、調圧フレームロック片163と開閉フレームロック片189の両方が、クランプ44の基端部44Aの下方から離れると、クランプ44の動作は規制されなくなり、蓋開ボタン46を押動操作すると、クランプ44がクランプ受け50から離脱して、蓋体31が開くようになっている。 【0087】 電気的な接続について、前記実施例と異なる点を、図19に基づき説明する。加熱制御手段111は鍋温度センサ21や蓋温度センサ61からの温度検知信号や、操作スイッチ103からの操作信号の他に、前記蓋開ボタン46に設けたホール素子143からの検知信号を受け付けて、各部を制御するものである。 【0088】 また、この変形例では、調圧用ソレノイド98と開閉用ソレノイド172が蓋体31の内部に設けられる関係で、これらのソレノイド98,172がソレノイド駆動手段125からの駆動信号を受けて、個々にオン,オフ駆動する。さらに、表示手段128として、前述したLED142も含まれる。 【0089】 次に、加熱制御手段111が行なう各部の動作について、前記実施例と異なる点を説明する。 【0090】 炊飯や保温が行なわれていない切状態において、調圧用ソレノイド98と開閉用ソレノイド172は共に非通電(オフ)状態にある。このとき、調圧用ソレノイド98のプランジャー99は進出位置にあって、連通口70が開放するように調圧弁65が移動すると共に、開閉用ソレノイド172のプランジャー173も進出位置にあって、内蓋56の開閉用孔181が開放するように開閉弁96が上方に移動する。したがって、鍋11内は連通口70および開閉用孔181を通して外部と連通し、大気圧に維持される。また、調圧フレームロック片163と開閉フレームロック片189の両方が、クランプ44の基端部44Aの下方から離れた位置にあるので、クランプ44の動作は規制されず、蓋開ボタン46を押動操作すれば、クランプ44がクランプ受け50から離脱する。すなわち切状態では、蓋体31を自由に開閉することができる。 【0091】 その後、鍋11内に被炊飯物である米および水を入れ、操作スイッチ103の例えば炊飯キーを操作すると、前述したような炊飯制御手段120による炊飯工程と、保温制御手段121による保温工程が連続して行なわれる。 【0092】 その後、ひたしが終了して沸騰加熱に移行し、鍋11内の沸騰状態を検知すると、炊き上げ(沸騰継続加熱)とむらしが続けて行なわれるが、むらしの途中までは鍋11内を大気圧以上にするために、炊飯制御手段120は、調圧用ソレノイド98をオン状態にし、調圧弁65により連通口70を閉塞する。これにより、鍋11内と外部との連通は遮断される。また、調圧フレームロック片163と開閉フレームロック片189の両方が、クランプ44の基端部44Aの下方に潜り込むので、クランプ44とクランプ受け50との係合が二重にロックされ、蓋体31を開けることはできない。 【0093】 むらしに移行すると、その後の保温開始直後に蓋体31が開けられることを考慮して、鍋11内を徐々に大気圧に戻す動作が行なわれる。そして炊飯制御手段120は、むらしの途中で調圧用ソレノイド98を先にオン状態からオフ状態に切り換えて、調圧弁65を連通口70から退避させ、その後で所定時間が経過してから、開閉用ソレノイド172をオン状態からオフ状態に切り換える。こうすれば、少なくとも連通口70を開放した後も、開閉用ソレノイド172がオフ状態になるまでは、蓋体31を開けることができなくなり、鍋11内が大気圧に戻りきらないうちに、不用意に蓋体31が開くのを防止できる。 【0094】 むらしが終了して保温工程に移行した直後は、鍋11内が連通孔70および開閉用孔181を通して外部と連通し、大気圧に維持される。それと共に、調圧フレームロック片163と開閉フレームロック片189の両方が、クランプ44の基端部44Aの下方から離れた位置にあるので、蓋体31を自由に開閉することができる。 【0095】 減圧制御中には、炊飯制御手段120は、前記パターンに従って調圧用ソレノイド98のオン・オフ状態を切り換え制御する。最終的に、調圧弁65を連通口70から完全に退避させた後は、所定時間が経過してから、開閉用ソレノイド172をオン状態からオフ状態に切り換える。こうすれば、少なくとも連通口70を開放した後も、開閉用ソレノイド172がオフ状態になるまでは、蓋体31を開けることができなくなり、鍋11内が大気圧に戻りきらないうちに、不用意に蓋体31が開くのを防止できる。 【0096】 また、炊飯制御手段120が動作する沸騰加熱工程から炊き上げ工程までの間、鍋11内が大気圧より高いときには、LED142を連続点灯させる制御信号を、加熱制御手段111が表示駆動手段129に送出する。これにより使用者は、鍋11内が加圧中であることにより、蓋体31と本体1が係合ロックされていることを直ぐに認識できる。また、減圧制御手段130が動作する減圧制御中に、使用者が蓋体31を開けようと意図して蓋開ボタン46を押動操作しようとすると、クランプ44はその回動を規制されてはいるものの、蓋開ボタン46がクランプ44の弾性などにより若干下方に押し込まれ、ホール素子143がマグネット144から離れた位置に移動する。蓋体31のクランプ44と本体1のクランプ受け50との係合を解除しようと意図したときの検知信号をホール素子143が出力すると、LED142が点滅動作に切り替わり、その後所定時間が経過したら、LED142を自動的に消灯させるようにすれば、何故直ぐに蓋体31が開かないのかを使用者に理解させることができる。 【0097】 以上のように本変形例では、弁開閉手段183を備え、蓋体31を本体1に閉じている状態で、調圧部58又は弁開閉手段183は、前記減圧制御中に、クランプ44の係合をロックする構成としている。 【0098】 このようにすると、減圧制御中に、調圧部58又は弁開閉手段183とにより、クランプ44の係合がロックされる。そのため、蓋体31を開けようとする意図しない操作が行なわれた場合であっても、蓋体31が開くことはなく、鍋11内の被炊飯物や蒸気,おねばなどの飛び散りを防いで、本体1やその周辺が汚れるのを防止することができる。以上により、減圧制御中に、意図しない蓋開操作が行なわれても、蓋体31が開かないようにすることができる。 【0099】 なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。 【図面の簡単な説明】 【0100】 【図1】本発明の一実施例における炊飯器の全体断面図である。 【図2】同上、通常の蓋閉塞時におけるクランプ構造を示す要部断面図である。 【図3】同上、調圧部の構造を示す拡大断面図である。 【図4】同上、電気的構成を示すブロック図である。 【図5】同上、炊飯の制御工程を示す説明図である。 【図6】同上、調理の制御工程を示す説明図である。 【図7】同上、減圧制御の流れを示すフロー図である。 【図8】同上、減圧制御パターンを示す説明図である。 【図9】同上、別の減圧制御パターンを示す説明図である。 【図10】同上、減圧工程中のLCDの表示例を示す説明図である。 【図11】本発明の変形例における蓋開ボタン周辺の構造を示す要部断面図である。 【図12】同上、炊飯器の平面図である。 【図13】同上、外蓋を外した状態の蓋体内部の斜視図である。 【図14】同上、クランプと、調圧用ソレノイドおよび開閉用ソレノイドの周辺の構造を示す斜視図である。 【図15】同上、調圧用ソレノイドとその周辺の構造を示す斜視図である。 【図16】同上、開閉用ソレノイドとその周辺の構造を示す斜視図である。 【図17】同上、開閉用ソレノイドの非通電時における要部の断面図である。 【図18】同上、開閉用ソレノイドの通電時における要部の断面図である。 【図19】同上、電気的構成を示すブロック図である。 【符号の説明】 【0101】 1 本体 11 鍋 16 加熱コイル(加熱手段) 31 蓋体 44 クランプ(係合部) 58 調圧部 111 加熱制御部 102 LCD(報知手段) 130 減圧制御手段 183 弁開閉手段
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| 【出願人】 |
【識別番号】390010168 【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月27日(2006.7.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080089 【弁理士】 【氏名又は名称】牛木 護
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| 【公開番号】 |
特開2008−29531(P2008−29531A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−205275(P2006−205275) |
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