トップ :: A 生活必需品 :: A47 家具;家庭用品または家庭用設備;コ−ヒ−ひき;香辛料ひき;真空掃除機一般




【発明の名称】 加熱装置
【発明者】 【氏名】新田 浩朗

【氏名】稲田 剛士

【氏名】口野 邦和

【氏名】貞平 匡史

【氏名】奥田 直

【要約】 【課題】下ヒータに焼き油が滴下した際に発火し、受け皿にたまった焼き油に引火し連続発火を防止すること。

【構成】導電性経路の電圧値を測定する電圧測定手段と、測定された電圧値に基づいて発熱部の抵抗値を算出する抵抗算出手段と、抵抗値に基づいて発熱部の表面温度を算出する温度算出手段と、算出された温度に基づいて発熱部に供給する電力を制御する電力制御手段とを有し、第2の加熱手段の発熱部における温度を所定温度以下に制御することにより、焼き油が滴下した際に発火を防止することになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理物を載置する載置台と、前記載置台を載せる受け皿と、前記載置台および前記受け皿とともに前記調理物を収納する加熱室と、調理物を上方から加熱する第1の加熱手段及び/又は下方から加熱する第2の加熱手段とを有し、前記第1および第2の加熱手段は、発熱部と給電端部と前記給電端部に接続される導電性経路を有し、前記導電性経路を介して前記発熱部に電力を供給し前記発熱部の温度を制御する温度制御手段であって、前記導電性経路の電圧値を測定する電圧測定手段と、前記測定された電圧値に基づいて前記発熱部の抵抗値を算出する抵抗算出手段と、抵抗値に基づいて前記発熱部の表面温度を算出する温度算出手段と、算出された温度に基づいて前記発熱部に供給する電力を制御する電力制御手段とを有し、前記第2の加熱手段の発熱部における温度を所定温度以下に制御する加熱装置。
【請求項2】
前記電力制御手段は、前記抵抗算出手段により算出された発熱部の抵抗値が一定となるように電力を制御する請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記第2の加熱手段の発熱部における温度を、500℃以下に制御する請求項1に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記第2の加熱手段の発熱部における温度を、400〜500℃に制御する請求項1に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記電力制御手段は、前記第1の加熱手段及び/又は第2の加熱手段に印加する電力を位相制御する位相制御手段である請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記電力制御手段は、前記抵抗算出手段により算出された発熱部の抵抗値と基準値とを比較し、比較結果に基づき供給される電力を制御する請求項2に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記位相制御手段は、前記抵抗値があらかじめ定められた目標抵抗値よりも小さい場合には、電力の印加時間を増し、前記抵抗値が前記目標抵抗値と同一の場合には、前記電力の印加時間を維持し、前記実抵抗値が前記目標抵抗値よりも大きい場合には、前記電力の印加時間を減じるようにした請求項5に記載の加熱装置。
【請求項8】
前記電力制御手段は、前記各加熱手段に印加する電力をリニア制御するリニア制御手段である請求項1に記載の加熱手段の加熱装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、肉、魚等の調理物を加熱調理する加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱装置、例えば誘導加熱装置においては、一般的に加熱装置本体内の上部左右に誘導加熱部を備え、その下部に魚等の調理物を加熱するグリル加熱室と、前面にこれらの加熱部を操作する操作部を備えている。
【0003】
加熱室内にはシーズヒータやミラクロンヒータ等の上下加熱手段が設けられており、調理物を載置する焼き網を上下加熱手段の間に設けている。また、焼き網の下部には、調理物から流れ落ちる油などを受けて溜めるための受け皿が設けられ、受け皿は加熱室に横方向より挿入できるようになっており、扉と一体になっている構成が多い。調理時には魚等の調理物を焼き網の上に載置し、上下加熱手段で調理物の両面を同時に自動調理するようにしている。また、調理物から流れ落ちる油などにより庫内が汚れるのを防止するために、着脱自在の受け皿が設けられている。さらに下加熱手段に油が滴下した際に発火し、それが受け皿に落ちて発火が継続し、油煙の発生を防止するために、受け皿に予め水が張られているのが一般的である。また、上下加熱手段にはシーズヒータやミラクロンヒータが使用されており表面がかなり高温のため、調理物との距離をある程度離さないと調理物に焼きムラが生じるため、このような加熱装置の加熱室は比較的大きな高さが必要であった。
【0004】
従来の加熱装置を、図7を用いながら説明する。50は誘導加熱調理器の本体である。51は本体50の前面左部に設けられたグリル加熱部で、魚等の調理物52を焼くグリル庫53を有し、高さ110〜120mmに設定されている。54はグリル庫53内に収納された受け皿で、前面下部にグリルハンドル55を設けており、このグリルハンドル55を操作することによりグリル庫53内を前後にスライドするものである。56は調理物52を載置する焼網で、前面端部より下ヒータ57を巻き込むようにL状の支持脚58を形成し、この支持脚58を受け皿54の内底面に載置して受け皿54と一体に前後にスライドするものである。59は上ヒータで、シーズヒータよりなり、グリル庫53の上部側面に固定されている。下ヒータ57は、同じくシーズヒータよりなり、焼網56の下面に位置するようにグリル庫53の側面に固定されている。59は焼き油誘導用遮熱板で、受け皿54の内底面と隙間を保持して受け皿54を覆うとともに、調理物52から出る焼き油61を受け皿54へ直接落下させないように波状に形成して傾斜面を有し、その傾斜面の上部と下部に複数個の穴を有している。そして、この焼き油誘導用遮熱板60は受け皿54の内底面と隙間を保持するために、両側面の端部に下向きの折り返し部を形成してその折り返し部の下端を受け皿54の内底面で保持している。また、グリル庫53内の上部にはグリル庫53内と連通する排気ダクト62が設けられ、外部と連通する排気口63が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
以上の構成において、グリル調理の際、使用者がグリルハンドル55を引き出すと、それと連動して焼網56、受け皿54がグリル庫53からスライドして引き出される。そこで焼網56に魚等の調理物52を載せ、グリルハンドル55を押し、スライドさせてグリル庫53内に収納する。その後、図示しない操作部を操作することにより、上、下ヒータ57、59に通電され、加熱調理が開始される。調理物52は上、下ヒータ57、59により加熱され、この加熱中、焼網11の上で焼かれた魚等の調理物52から出る油脂分、即ち焼き油61を焼網56の間より落下させる。そして、この焼き油56は焼き油誘導遮熱板60に落下し、焼き油誘導遮熱板60の複数個の穴より受け皿54へ流れ落ちる。受け皿54へ落ちた焼き油61は、受け皿54全体に広がることにより、下ヒータ57から見て、焼き油誘導遮熱板60に覆われている状態となり、下ヒータ57の放射熱は、調理物52の下部で受け皿54を覆う焼き油誘導遮熱板60によってさえぎられ、焼き油61は、温度上昇による加熱が防止される。また、これとともに、焼き油誘導遮熱板60が受け皿54の内底面近くに位置していることにより受け皿54の底面と焼き油誘導用遮熱板60との間のスペースが狭くなっていて、このスペース内の酸素量が少なくなっており、このため、調理物52の調理時間が長くなっても受け皿54内に溜まった焼き油が発煙したり発火することがないようにしている。また、燃焼によって発生した煙は、グリル庫53内の排気ダクト62を通り、排気口63から本体50より排気される。
【特許文献1】特開2003−265328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、発火を防止できるものではなく、発火の延焼継続を抑制することが発明の効果となっている。すなわち、下ヒータの温度が非常に高温になれば、グリル庫内の酸素濃度が比較的低くても下ヒータに焼き油が滴下した際に発火すると考えられ、焼き油誘導用遮熱板には複数個の孔が設けられていることから、グリル庫内の酸素濃度が発火しない濃度まで低下しにくいと考えられる。そして、下ヒータに焼き油が滴下した際に発火し、それが油誘導用遮熱板に落ちて発火が継続する可能性があるという課題を有していた。
【0007】
そもそも油誘導用遮熱板は、下ヒータとの距離が小さいため非常に高温になりやすく、焼き油が滴下し発火や油煙の発生の危険性が増加する。また、使用者は毎回、焼網と受け皿に加えて油誘導用遮熱板の掃除を強いられる。更に、調理物に油煙の臭いが吸着され、どうしても調理性能が悪くなってしまうという課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、受け皿等に水を張らずに調理物の下面を加熱でき、新たな部品などを追加することなく油煙や発火の心配の無い安全で使いやすく、調理性能に優れ、両面加熱ができる加熱装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱装置は、調理物を載置する載置台と、前記載置台を載せる受け皿と、前記載置台および前記受け皿とともに前記調理物を収納する加熱室と、調理物を上方から加熱する第1の加熱手段および/または下方から加熱する第2の加熱手段とを有し、前記第1および第2の加熱手段は、発熱部と給電端部と前記給電端部に接続される導電性経路を有し、前記導電性経路を介して前記発熱部に電力を供給し前記発熱部の温度を制御する温度制御手段であって、前記導電性経路の電圧値を測定する電圧測定手段と、前記測定された電圧値に基づいて前記発熱部の抵抗値を算出する抵抗算出手段と、抵抗値に基づいて前記発熱部の表面温度を算出する温度算出手段と、算出された温度に基づいて前記発熱部に供給する電力を制御する電力制御手段とを有し、前記第2の加熱手段の発熱部における温度を所定温度以下に制御する加熱装置としたものである。
【0010】
これによって、調理物を下方から加熱する第2の加熱手段の温度を所定温度以下に制御することにより焼き油が滴下した際に発火することがない。また受け皿と第2の加熱手段との距離も従来どおり保てるため、油煙が大量に発生することで調理性能を損なうことがない。
【0011】
また、加熱手段から得られる電圧値と電流値から求められる実抵抗値に基づき、加熱手段の発熱部の温度を求めることができるため、発熱部の温度を検出する温度検出手段が必要ない。これによってコスト低減やメンテナンスの容易化を図ることができる。
【0012】
また、発熱部の温度を直接検出することができるため、発熱部の温度制御を正確かつ安定して行うことができる。
【0013】
また発熱部から非発熱部への熱伝導の影響、雰囲気温度の変動に対する非発熱部の温度変動に関わらず、発熱部の温度を精度よく制御することができる。
【0014】
よって、新たな部品などを追加することなく受け皿等に水を張らずに調理物の下面を油煙や発火の心配することなく加熱でき、安全で使いやすく、調理性能に優れ、両面加熱が可能な加熱装置を提供することができるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の加熱装置は、発熱部の温度を検出する温度検出手段を必要とすることなく、発熱部の温度を直接検出することができるため、調理物を下方から加熱する加熱手段の発熱部の温度制御を正確かつ安定して行い、この温度を所定温度以下に制御することにより焼き油が滴下した際に発火することがなく、また、油煙が大量に発生することで調理性能が損なわれることもないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
第1の発明は、調理物を載置する載置台と、前記載置台を載せる受け皿と、前記載置台および前記受け皿とともに前記調理物を収納する加熱室と、調理物を上方から加熱する第1の加熱手段及び/又は下方から加熱する第2の加熱手段とを有し、前記第1および第2の加熱手段は、発熱部と給電端部と前記給電端部に接続される導電性経路を有し、前記導電性経路を介して前記発熱部に電力を供給し前記発熱部の温度を制御する温度制御手段であって、前記導電性経路の電圧値を測定する電圧測定手段と、前記測定された電圧値に基づいて前記発熱部の抵抗値を算出する抵抗算出手段と、抵抗値に基づいて前記発熱部の表面温度を算出する温度算出手段と、算出された温度に基づいて前記発熱部に供給する電力を制御する電力制御手段とを有し、前記第2の加熱手段の発熱部における温度を所定温度以下に制御する加熱装置とすることにより、発熱部の温度を検出する温度検出手段を必要とすることなく、発熱部の温度を直接検出することができるため、調理物を下方から加熱する加熱手段の発熱部の温度制御を正確かつ安定して行い、この温度を所定温度以下に制御することにより焼き油が滴下した際に発火することがなく、また受け皿と加熱手段との距離も従来どおり保てるため、油煙が大量に発生することで調理性能が損なわれることもないものである。
【0017】
第2の発明は、特に第1の発明における電力制御手段は、前記抵抗算出手段により算出された発熱部の抵抗値が一定となるように電力を制御する加熱装置とすることにより、加熱手段から得られる電圧値と電流値から求められる実抵抗値に基づき、加熱手段の発熱部の温度を求めることができるため、発熱部の温度を検出する温度検出手段が必要ない。よってコスト低減やメンテナンスの容易化を図ることができる。また、発熱部の温度を直接検出することができるため、発熱部の温度制御を正確かつ安定して行うことができる。また発熱部から非発熱部への熱伝導の影響、雰囲気温度の変動に対する非発熱部の温度変動に関わらず、発熱部の温度を精度よく制御することができる。
【0018】
第3の発明は、特に第1の発明における第2の加熱手段の発熱部における温度を、500℃以下に制御する加熱装置とすることにより、第2の加熱手段の発熱部に焼き油が滴下した際に発火し、それが受け皿に落ちて発火が継続することのない安全性に優れた加熱装置とすることができる。
【0019】
また、調理物の表面から内部にかけて徐々に伝熱しながら調理が進行するので、調理物の内部に旨み成分を含んだ水分や油分が多く残り、調理性能に優れた加熱装置とすることができる。
【0020】
第4の発明は、特に第1の発明における第2の加熱手段の発熱部における温度を、400〜500℃に制御する加熱装置とすることにより、第2の加熱手段の発熱部に焼き油が滴下した際に発火し、それが受け皿に落ちて発火が継続することのない安全性に優れた加熱装置とすることができる。
【0021】
また、調理物の表面から内部にかけて徐々に伝熱しながら調理が進行するので、調理物の内部に旨み成分を含んだ水分や油分が多く残り、調理性能に優れるとともに、調理時間を短くした加熱装置とすることができる。
【0022】
第5の発明は、特に第1〜4の発明における電力制御手段は、前記第1の加熱手段及び/又は第2の加熱手段に印加する電力を位相制御する位相制御手段である加熱装置とすることにより、加熱手段に印加する交流電力の位相を適宜変化させながら加熱手段の温度を調整し調理物を加熱する。これにより、電力をスイッチなどの断続手段によりオン/オフする場合よりもきめ細かく行うことができる。よって調理物の温度を安定させることができ、調理性能に優れた加熱装置とすることができる。
【0023】
第6の発明は、特に第2の発明の電力制御手段は、前記抵抗算出手段により算出された発熱部の抵抗値と基準値とを比較し、比較結果に基づき供給される電力を制御する加熱装置とすることにより、所定の電圧に対応する基準抵抗値と比較して測定電圧と算出抵抗値を常にモニタリングし、算出抵抗値を補正し電力制御を行うことができる。これにより、発熱部の温度制御を正確かつ安定して行うことができる。また発熱部から非発熱部への熱伝導の影響、雰囲気温度の変動に対する非発熱部の温度変動に関わらず、発熱部の温度を精度よく制御することができる。よって、発熱部の温度が500℃を超えて、焼き油が滴下した場合に発火することを防止することができ、また調理性能のばらつきを抑制することができる。
【0024】
第7の発明は、特に第5の発明の位相制御手段は、前記抵抗値があらかじめ定められた目標抵抗値よりも小さい場合には、電力の印加時間を増し、前記抵抗値が前記目標抵抗値と同一の場合には、前記電力の印加時間を維持し、前記実抵抗値が前記目標抵抗値よりも大きい場合には、前記電力の印加時間を減じるようにした加熱装置とすることにより、発熱部の温度を迅速かつ確実に調整することができる。よって、発熱部の温度が500℃を超えて、焼き油が滴下した場合に発火することを防止することができ、また調理性能のばらつきを抑制することができる。
【0025】
第8の発明は、特に第1の発明における電力制御手段は、前記各加熱手段に印加する電力をリニア制御するリニア制御手段である加熱装置とすることにより、電力を連続的に制御でき、加熱手段の制御性を高めることができる。さらに、電力にノイズが発生し難いので、温度制御を安定して行うことができる。よって、発熱部の温度が500℃を超えて、焼き油が滴下した場合に発火することを防止することができ、また調理性能のばらつきを抑制することができる。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における加熱装置の断面図を示したものである。図2は、本発明の第1の実施の形態における加熱装置の温度制御方法における要部拡大図である。図3は、本発明の第1の実施の形態における加熱装置の温度制御手段の詳細図である。
【0028】
図1に示すように、1は加熱装置の本体であり、魚等の調理物2を焼く加熱室3を有する。4は加熱室3内に収納された受け皿4で、前面下部にハンドル5を設けており、このハンドル5を操作することにより加熱室3内を前後にスライドするものである。6は調理物2を載置する焼き網で、焼き網6の下面にシーズヒータよりなる下ヒータ7が加熱室3の側面に固定されている。焼き網6は、前面端部より下ヒータ7を巻き込むようにL状の支持脚を形成し、この支持脚を受け皿4の内底面に載置して受け皿4と一体に前後にスライドするものである。8は上ヒータで、シーズヒータよりなり、加熱室3の上部側面に固定されている。加熱室3内の上部には加熱室3内と連通する排気通路9が設けられ、外部と連通する排気口10が設けられている。
【0029】
下ヒータ7は、図2に示すように、発熱部11と、発熱部11の一方の端部12aに接合される導電性金属からなる第1の導電性経路部13と、発熱部11の他方の端部12bに接合される導電性金属からなる第2の導電性経路部14と、発熱部11の一方の端部12bに接合される導電性金属からなる第3の導電性経路部15とからなる。第1の導電性経路部13と第2の導電性経路部14と第3の導電性経路部15の長さは、それぞれが同程度に形成される。
【0030】
発熱部11の温度制御の精度を向上させるためには、発熱部11と第1、第2の導電性経路部13、14の抵抗の温度依存性が異なる方がよい。よって発熱部11は温度変動に対して抵抗変化するが、発熱部11の抵抗の温度依存性と比較して、導電性経路部13、14の温度依存性が小さい方が、温度制御の精度は向上する。
【0031】
第3の導電性経路部15は、第2の導電性経路部14における両端の電位差を計測できればよく、特に材料も導電性があるものであれば使用可能であるが、抵抗値は第2の導電性経路部14よりできるだけ小さいことが望ましい。
【0032】
下ヒータ7は、温度制御手段16に接続され、上ヒータは図示しない電源に接続される。
【0033】
導電性経路部14と15との間には、電圧を測定する電圧測定手段17を有し、これにより測定された電圧から、導電性経路部14間の電圧Vを得ることができる。この電圧は導電性経路部13間の電圧と同等であるため、導電性経路部13、14から入力される印加電圧から2Vを差し引けば、発熱部11の電圧を得ることができる。
【0034】
また、温度制御手段16は抵抗算出手段18と温度算出手段19と電力制御手段20を有する。
【0035】
よって温度制御手段16の抵抗算出手段18により電圧値と電流値から発熱部11の抵抗値を算出することが可能である。算出された抵抗値は、温度関数でありこれを元にして温度算出手段19により発熱部11の温度を算出し、温度制御を行うことができる。よって、算出された抵抗値をあらかじめ設定された基準抵抗値と比較し、差動によって電力制御手段20を制御して、発熱部11の温度を一定に保つようにする。本実施の形態では、発熱部11の温度は500℃に温調した。
【0036】
以上のように構成された加熱装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0037】
まず、グリル調理の際、使用者がハンドル5を引き出すと、それと連動して焼き網6、受け皿4が加熱室3からスライドして引き出される。そこで焼き網6に魚等の調理物2を載せ、ハンドル5を押し、スライドさせて加熱室内3に収納する。その後、図示しない操作部を操作することにより、上、下ヒータ7、8に通電され、加熱調理が開始される。調理物2は上、下ヒータ7、8により加熱され、この加熱中、焼き網11の上で焼かれた魚等の調理物2から出る油脂分、即ち焼き油Aを焼き網6の間より落下させ受け皿4へ貯留される。燃焼によって発生した油煙Uは、加熱室3内の排気通路9を通り、排気口10から本体1より排気される。
【0038】
このとき、下ヒータ7に焼き油Aが滴下した場合に発火の可能性がないか、さんまを調理して従来例と比較評価を行った。
【0039】
図4は、受け皿4と下ヒータ7の温度と焼き油Aが発火する可能性のある領域の境界線をグラフで示したものである。図4に示すように、下ヒータ7の温度が550℃より高い領域では受け皿4が室温の場合でも発火する可能性があり、下ヒータ7の温度が500℃〜550℃の領域では受け皿4の温度が室温〜300℃の範囲において発火する可能性があり、下ヒータ7の温度が500℃以下の領域では受け皿4の温度が300℃以下の場合においては発火する可能性がない。
【0040】
実調理において、受け皿4の温度は室温から300℃以下であるため、下ヒータ7の温度を500℃以下に温調することにより、発火の可能性をなくすことができる。
【0041】
また、下ヒータ7の温度が400℃より低い場合にはさんまの標準的な調理時間である20分では十分な焼き色を得られず、また一部に十分に加熱されていない部分が見られる。
【0042】
よって、調理物の種類や調理時間に応じて下ヒータ7の温度を400℃以上500℃以下の間で温調することにより、発火することなく焼き性能に優れた加熱装置とすることができる。
【0043】
(実施の形態2)
図5は本発明の第2の実施の形態における温度制御構成を示したものである。図5において電力制御手段34は位相制御手段であり、トライアック制御器35とこれに接続されたトライアック36から構成されており、その他の構成については、実施の形態1と同等であり説明を省略する。
【0044】
以上の構成において、調理方法は実施の形態1と同等であり、下ヒータ7の温度の制御方法を位相制御により行うものである。
【0045】
トライアック制御器35は、抵抗算出手段32により算出された抵抗値があらかじめ設定された基準抵抗値に追従し同等になるように、トライアック36から下ヒータ7に出力される交流電力の位相を制御する。すなわち、トライアック制御器35は、下ヒータ7の温度が温度制御手段30であらかじめ定められた目標温度と同等になるように、前記制御を行う。
【0046】
トライアック制御器35は、抵抗値が基準抵抗値よりも小さく、下ヒータ7の温度が目標温度よりも低い場合には、トライアック36を制御して前記交流電力の1/2周期ごとの印加時間を増加し、電力量を増加させる。抵抗値と目標抵抗値とが同等で、下ヒータ7の温度と目標温度とが同等である場合には、トライアック36を制御して前記交流電力の1/2周期ごとの印加時間を現状のまま維持し、電力量を一定に保つ。また、抵抗値が目標抵抗値よりも大きく、下ヒータ7の温度が目標温度よりも高い場合には、トライアック36を制御して前記交流電力の1/2周期ごとの印加時間を減少させ、電力量を減少させる。
【0047】
以上のように、下ヒータ7の発熱部11の温度を、下ヒータ7に印加する交流電力を1/2周期ごとに位相制御して調整する。よって、電力をオン・オフして発熱部11の温度を調整する場合よりも温度差が生じ難くなり、下ヒータ7の温度を均一に保つことができる。
【0048】
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3における温度制御構成を示したものである。図6において電力制御手段34は、リニア制御手段であり、リニア制御器37から構成されており、その他の構成については、実施の形態1と同等であり説明を省略する。
【0049】
リニア制御器37は、抵抗値が基準抵抗値に追従し同等になるように、下ヒータ7に印加する交流電力を連続的に制御する。
【0050】
すなわち、リニア制御器37は、抵抗値が基準抵抗値よりも小さく、下ヒータ7の温度が目標温度よりも低い場合には、電力を連続的に増加させる。抵抗値と目標抵抗値とが同等で、下ヒータ7の温度と目標温度とが同等である場合には、電力を一定に維持する。また、抵抗値が目標抵抗値よりも大きく、下ヒータ7の温度が目標温度よりも高い場合には、電力を連続的に増加させる。
【0051】
以上の構成により、下ヒータ7に印加する電力を連続的に調整することで、電力にノイズが入り難く、下ヒータ7の温度を均一に保つことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本発明における加熱装置は、発熱部の温度を検出する温度検出手段を必要とすることなく、発熱部の温度を直接検出することができるため、調理物を下方から加熱する加熱手段の発熱部の温度制御を正確かつ安定して行い、この温度を所定温度以下に制御することにより焼き油が滴下した際に発火することがなく、また受け皿と加熱手段との距離も従来どおり保てるため、油煙が大量に発生することで調理性能が損なわれることもなく、ロースタや電子レンジ、オーブンレンジ、オーブンあるいはグリラーなどの加熱調理機器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1における加熱装置の断面図
【図2】本発明の実施の形態1における加熱装置の温度制御方法における要部拡大図
【図3】本発明の実施の形態1における加熱装置の温度制御手段の詳細図
【図4】焼き油が発火する可能性のある領域の境界線を示したグラフ
【図5】実施の形態2における温度制御構成を示した詳細図
【図6】実施の形態3における温度制御構成を示した詳細図
【図7】従来の加熱装置の断面図
【符号の説明】
【0054】
1 加熱装置
2 調理物
3 加熱室
4 受け皿
5 ハンドル
6 焼き網
7 下ヒータ
8 上ヒータ
9 排気通路
10 排気口
11 発熱部
12a、12b 端部
13 第1の導電性経路部
14 第2の導電性経路部
15 第3の導電性経路部
16 温度制御手段
17 電圧測定手段
18 抵抗算出手段
19 温度算出手段
20 電力制御手段
34 電力制御手段
35 トライアック制御器
36 トライアック
37 リニア制御器
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【識別番号】100109151
【弁理士】
【氏名又は名称】永野 大介


【公開番号】 特開2008−29466(P2008−29466A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204357(P2006−204357)