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【発明の名称】 加熱調理器
【発明者】 【氏名】逸見 真朗

【要約】 【課題】調理庫が大きい場合や、調理物を調理庫内のどの位置に配置した場合でも、調理物をおいしく焼き上げるようにする。

【構成】本発明の加熱調理器は、調理庫8内に調理物15を加熱する上,下発熱体910と、調理物15を載せる焼網14と、焼網14を載置する受皿11と、調理庫内手前の右側面に設けられた第1の温度検知手段21と、第1の温度検知手段21に対向する調理庫内手前の左側面に設けた第2の温度検知手段22とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理物を調理する調理庫と、この調理庫内に設けられ調理物を加熱する上発熱体及び下発熱体と、調理物を載せる網と、この網を載置する受皿と、前記調理庫の右側面の手前側に設けられた第1の温度検知手段と、この第1の温度検知手段に対向する前記調理庫の手前側の左側面に設けられた第2の温度検知手段とを設けた加熱調理器。
【請求項2】
請求項1記載の加熱調理器において、前記調理庫が設けられた本体の後部側に前記調理庫の排気出口と排気通路を介して連通する排気口を有する加熱調理器。
【請求項3】
請求項1記載の加熱調理器において、調理中に、前記二つの温度検知手段で検知した温度上昇値の平均値を演算して前記上発熱体及び下発熱体の加熱調理時間を補正する加熱調理器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、魚等の調理物を調理庫内に入れて発熱体により焼き上げるロースター等の加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の加熱調理器においては、受皿内に焼き網を載置し、その焼き網上に魚等の調理物を載せ、それらを調理庫内の上下に設けた上,下発熱体により上下から加熱して調理物を焼き上げるのが一般的であった。
【0003】
このような加熱調理器においては、調理庫内に調理時間判定用として一つの調理庫内温度検知手段を設け、この温度検知手段が検知する温度によって調理物の量を判定し、上,下発熱体の加熱時間や加熱パターンを調整し、調理物に適した加熱が行われていた。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2560941号公報
【特許文献2】特開2002−58602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1及び2に示すように、従来のロースター等の自動加熱調理器は、調理時間判定用として、一つの温度検知手段を用いて調理庫内の温度を測定し、その温度上昇値から調理時間を判定していた。
【0006】
しかし、調理庫が大きいほど、調理物の配置位置によって温度の上昇具合が異なり、調理物の量を誤判定する可能性が大きく、調理時間判定に誤差が生じ、焼き上がり具合にばらつきが生じるという問題があった。
【0007】
また、調理物の焼き仕上がり具合を均一にするためには、調理物を調理庫内の中央に配置する等の配慮が必要で、使用者にとって使いづらいものであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために本願発明の加熱調理器は、調理物を調理する調理庫と、この調理庫内に設けられ調理物を加熱する上発熱体及び下発熱体と、調理物を載せる網と、この網を載置する受皿と、前記調理庫の右側面の手前側に設けられた第1の温度検知手段と、この第1の温度検知手段に対向する前記調理庫の手前側の左側面に設けられた第2の温度検知手段とを設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
上記本発明によれば、例え、調理庫が大きい場合であっても、その調理庫内のどこに調理物を配置しても毎回、焼き仕上がり具合の差を小さくすることができる。
【0010】
調理庫内手前の左右両側面の略対象位置に二つの温度検知手段を設けたので、調理中にこの二つの温度検知手段で検知した温度上昇値の平均値を演算して調理時間を補正することにより本願発明の効果がより高まる。
【0011】
また、調理庫内の調理物の量や配置位置を検知することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の一実施例を図1から図6に従って説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例である誘導加熱調理器が組み込まれたシステムキッチンの外観斜視図である。図2は、本発明の一実施例である加熱調理器の側面要部断面図である。図3は、本発明の一実施例である加熱調理器の前面要部断面図である。図4は、本発明の一実施例である調理手順の動作図である。図5及び図6は、本発明の一実施例である調理手順の動作グラフである。
【0014】
図1,図2,図3において、1は誘導加熱調理器の本体で、システムキッチン7の中に上面から落とし込まれて設置されており、後部上面に吸排気通路となる開口部1aを有している。
【0015】
2は鍋等の容器で、被加熱物を入れて調理するものである。3は耐熱ガラス等からなるプレートで、本体1の上面に備えられ、容器2を載置するものである。6は加熱コイルで、本体1内の上部左右に設置されており、プレート3によって覆われている。
【0016】
4はロースター部で、加熱コイル6の下方で本体1の左側または右側(本実施例では左側)に備えられている。
【0017】
5は操作部で、ロースター部4の横に位置するように本体1の右側前面に配置され、電源の入り切りや加熱の設定等を行うものである。
【0018】
6は加熱コイルで、プレート3の下方で本体1内の上部に左右略水平に二つ配置され、容器2を誘導加熱するものである。
【0019】
図2において、4はロースター部である。8は前面が開口した箱型の調理庫で、内部にシーズヒータ等の発熱体よりなる上発熱体9,下発熱体10が設置され、後方上部に排気出口8aを設けている。なお、前記発熱体は、後記調理物15を裏返して焼く場合には、上発熱体9のみであってよい。
【0020】
11は受皿で、調理庫8内にその前面開口部から出し入れ自在に収納されており、前面に前記開口部を塞ぐロースタードア12とハンドル13が取り付けられ、中に焼網14が載置されている。15は焼網14の上に載せられた魚等の調理物である。
【0021】
16は空気浄化用触媒で、調理庫8内で発生する煙や臭いを浄化するものであり、排気出口8aの近傍に取り付けられている。17は排気通路で、その入口側は排気出口8aに接続されており、出口には排気口19が形成され、本体1の後部上面開口部1aに連なっている。
【0022】
18は排気ファンで、空気浄化用触媒16より後の排気通路17内に設けられており、調理庫8内で発生する臭いや煙を空気浄化用触媒16を通して強制的に排気口19に排気するものである。
【0023】
20は空気浄化用触媒16を加熱するための触媒ヒータで、調理庫8内で空気浄化用触媒16の近傍に設置されており、この空気浄化用触媒16を加熱するものである。
【0024】
21,22はサーミスタ等よりなる第1の温度検知手段,第2の温度検知手段で、調理庫8内の温度を検知して調理時間を判定するものである。その詳細を図3により説明すると、第1の温度検知手段21を調理庫8内手前の右側面に設けており、また、第2の温度検知手段22は第1の温度検知手段21と左右略対象になるように、第1の温度見地手段と対向する位置である調理庫8内手前の左側面に設けている。
【0025】
そして、この第1の温度検知手段21と第2の温度検知手段22は、数秒おきに調理庫8内の左右の温度を検知して制御手段(図示せず)に送り、それら温度から平均値を演算し、二つの平均温度が設定温度に達したときの時間から全体の調理時間を判定するものである。
【0026】
次に、上記実施例における焼き物調理について図3から図6により説明する。
【0027】
まず、受皿11に焼網14を乗せ、その上に魚等の調理物15を乗せて図3に示すように調理庫8内に挿入する。
【0028】
次に、操作部5を操作して、自動調理を開始すると、図4の調理手順に示すように、まず触媒ヒータ20に通電され、該触媒ヒータ20により空気浄化用触媒16を加熱する。
【0029】
この状態で、下発熱体10への通電が安定するまでの時間t1(約30秒)と、触媒ヒータ20によって空気浄化用触媒16が予熱されるまでの時間t2(約60秒)が経過すると調理庫8内部の温度が安定し、このときの温度検知手段21,22の平均検出温度T(通常は室温とほぼ一致する)を平均初期温度T0として制御手段のマイコンにて記憶する。
【0030】
なお、連続して魚等を焼く場合等、t2時間経過しても検出温度Tが異常に高い(例えば80℃以上)場合には、平均検出温度Tが所定の温度80℃以下に下がるまで、上発熱体9及び下発熱体10に通電せず、排気ファン18の通電を継続して温度が所定の温度
80℃より低くなったときの平均検出温度Tを初期温度T0として制御手段のマイコンにて記憶する。
【0031】
また、空気浄化用触媒16,触媒ヒータ20,排気ファン18等がない場合には、所定の時間t2(約60秒)を省いて動作させる。
【0032】
図4において、調理開始から時間t2経過後、続いて、排気ファン18が通電され、該排気ファン18により調理庫8内の空気を排気し、同時に下部発熱体10が通電されて発熱し、調理物15を加熱する。このときも引き続き、第1の温度検知手段21の温度と第2の温度検知手段22の平均温度値を数秒(約1秒)毎に演算する。この結果、調理庫8内が温度上昇し、平均温度が図5に示すように判定温度T1に達する。このときの経過時間を検出時間t0とする。なお、判定温度T1は初期温度T0による補正を加えた下記判定温度計算式により決定する。各定数は自動メニューごとに異なる。
【0033】
(例1)
自動メニュー丸焼き T1=A1+T0×B1
自動メニューつけ焼 T1=A2+T0×B2
A1,B1,A2,B2:定数
また、判定温度T1に達したとき、残時間tを検出時間t0により補正を加えた下記残時間計算式により決定する。各定数は自動メニューの種類ごとに異なる。
【0034】
(例2)
自動メニュー丸焼き t=C1+t0×D1
自動メニューつけ焼 t=C2+t0×D2
C1,D1,C2,D2:定数
上記計算により決定した残時間tを本体1の上面前部等に設けた表示部(図示せず)に表示し、以後、上発熱体9と下発熱体10を交互に通電させながら調理物15を加熱し、それとともに表示部に表示している残時間を時間の経過と共に減算していく。
【0035】
この間、魚等の調理物15から発生する煙は、調理庫8の後方上部に設けた排気出口
8aから空気浄化用触媒16を通る間に脱煙,脱臭され、排気通路17を通して本体1後部上面の開口部1aから外部(室内)に排出される。
【0036】
その後、時間tが経過し、残時間表示が0になったとき、下発熱体10の通電を停止し、ブザーを鳴動して使用者に調理終了を報知する。
【0037】
上記調理処理において、第1,第2の温度検知手段21,22を略左右対称に設置し、図5に示すように各温度検知手段21,22の平均温度を演算することにより、調理庫8が大きい場合や調理庫8内に調理物15が偏って載せられた場合等、調理物15が焼網
14のどこに配置されても適正に温度を判定し、毎回同様の焼き加減が得られる。
【0038】
また、調理物15の量が異なる場合、例えば、魚の量が多い場合には、その量が多いほど調理庫8の温度上昇に時間がかかる。調理物の量が小さい例と量が多い例としてさんま1尾と5尾の例を図6に示す。
【0039】
この場合においても、図5に示すように第1,第2の温度検知手段21,22によって検知された平均値温度が演算される。この結果、さんま5尾の場合は判定温度T1に達する検出時間t0が1尾の場合より長くなるため、残時間計算式よりt0に比例して残時間tも長くなる。このため、魚の量が少ない場合には調理時間が短く、魚の量が多い場合には調理時間を長くなるように自動で調整され、同様の焼き加減が得られる。
【0040】
以上説明したように、本発明によれば、第1,第2の温度検知手段21,22を調理庫8内に左右対称に設置し、各温度検知手段21,22の平均温度を数秒おきに演算する方法により、調理庫8の大きさや魚等の種類,量に関係なく、調理物15を焼網14のどこに配置しても適正に温度を判定し、毎回同様の焼き加減に焼くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】発明の加熱調理器が組み込まれたシステムキッチンの外観斜視図である。
【図2】本発明の加熱調理器を示す側面要部断面図である。
【図3】本発明の加熱調理器を示す前面要部断面図である。
【図4】本発明の加熱調理器の調理手順を示す動作図である。
【図5】調理時の温度変化を示す図である。
【図6】調理時の他の温度変化を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1…本体、4…ロースター部、8…調理庫、9…上発熱体、10…下発熱体、11…受皿、14…焼網、16…空気浄化用触媒、17…排気通路、18…排気ファン、19…排気口、20…触媒ヒータ、21…第1の温度検知手段、22…第2の温度検知手段。
【出願人】 【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
【出願日】 平成18年7月12日(2006.7.12)
【代理人】 【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学


【公開番号】 特開2008−17959(P2008−17959A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−191061(P2006−191061)