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【発明の名称】 省エネ保温方法
【発明者】 【氏名】藤川 尚輝

【要約】 【課題】曜日によってことなる生活パターンに対応して過不足なく省エネ時間帯を設定できるようにする

【構成】時間経過に対応した吐出を伴う実使用の状況を記憶し、記憶した実使用の状況から1日中で省エネ保温を行う省エネ時間帯を設定し、省エネ時間帯になると省エネ保温を行うのに、同じ曜日につき記憶した複数日分の実使用の重なり状況から、当該曜日についての省エネ時間帯を設定し、該当曜日の省エネ時間帯になると省エネ保温を行うようにして、上記の目的を達成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気貯湯容器にて内容液を通常保温や通常保温よりも低い保温温度にするか加熱を停止しての省エネ保温をしながら使用状態を継続して吐出を伴なう実使用に供し、時間経過に対応した吐出を伴う実使用の状況を記憶し、記憶した実使用の状況から1日中で省エネ保温を行う省エネ時間帯を設定し、省エネ時間帯になると省エネ保温を行う省エネ保温方法において、
同じ曜日につき記憶した複数日分の実使用の重なり状況から、当該曜日についての省エネ時間帯を設定し、該当曜日の省エネ時間帯になると省エネ保温を行うことを特徴とする省エネ保温方法。
【請求項2】
実使用の状況は、記憶開始から168時間ごとの擬似1週間単位の複数週間につき繰り返し記憶し、前記168時間を24時間ごとに区切った順での各擬似曜日における同じ擬似曜日につき記憶した実使用の重なり状況から、各擬似曜日ごとの省エネ時間帯を設定する請求項1に記載の省エネ保温方法。
【請求項3】
各擬似曜日に対応する24時間での実使用の状況は、24時間を所定数に区切った時間ブロック単位での実使用の有無や頻度の大小から判定し、省エネ時間帯を設定するか否かを決定する請求項2に記載の省エネ保温方法。
【請求項4】
省エネ時間帯を設定する条件のない通常保温時間帯の時間ブロックの前後の時間ブロックについては、省エネ時間帯を設定する条件があっても省エネ時間帯を設定せず、通常保温時間帯とする請求項3に記載の省エネ保温方法。
【請求項5】
省エネ時間帯を設定する条件がある時間ブロックが複数続いた後、通常保温時間帯の時間ブロックに切り換わるときは、この通常保温時間帯である時間ブロックの1つ前の時間ブロックにつき省エネ時間帯の設定をせず通常保温時間帯とする請求項3、4のいずれか1項に記載の省エネ保温方法。
【請求項6】
設定する省エネ時間帯は、次の1週間の各曜日についてである請求項1〜5のいずれか1項に記載の省エネ保温方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は省エネ保温方法に関するものであり、例えば家庭用の電気ポットなどに利用される。
【背景技術】
【0002】
電気ポットは家庭や職場、飲食店などで広く使用され、使用時の再沸騰操作による途中立ち上げ時や内容液の補給による初期沸騰時を除いて保温を継続していたり、しかも、即時使用や、再沸騰時間を短くできるように保温温度を高めに設定する傾向が強いために、省エネ上大きな問題となってきている。これに対応するのに、実使用の状況、つまり時間経過に対応した実使用があったか否かの使用実績から、通常保温での最低保温温度よりも十分に低い省エネ保温温度での省エネ保温や、近時の金属製真空二重容器による高い保温性を活かして加熱を停止したままとするいわゆる魔法瓶保温での省エネ保温を行う省エネ時間帯を自動的に設定し、省エネ時間帯になると省エネ保温することが既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような省エネ時間帯を設定する実使用の状況を判定するのに特許文献1に記載の技術は、図9(a)〜(c)に示すように24時間単位の時間経過に対応した矢印で示す実使用時点Pの実績状況を3日分記憶し、この記憶した3日分の実使用時点Pのデータの重なり状況から時間経過に対応した実使用の有無や頻度を実使用の状況として判定し、図9(d)に示すような24時間中の省エネ時間帯Z1、Z2、・Z4・・を設定している。また、特許文献1は省エネ時間帯の設定条件の有無の判定を24時間を所定数に区切った時間ブロックごとに行う技術も開示している。
【0004】
このような特許文献1に記載の技術は、24時間タイマーを繰り返しスタートさせる計時と実使用時点Pの検出とを基に簡単に実行できる。また、その計時が開始された日時の如何、つまり電気ポットの初期設定または選択設定により自動省エネ設定が行われる使用開始時点の如何にかかわらず、実行できる。図9ではある日の午前6時に使用を開始した例を示している。もっとも、電気ポットなどによってはカレンダー機能を利用できるものもある。
【特許文献1】特開2006−81920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術のように24時間での実使用の状況を複数日分繰り返し記憶し、記憶した複数日分の実使用の状況の重なりから1日24時間に対応した省エネ時間帯を設定するのでは、ユーザの曜日による生活リズムの違いに対応できず、単純に見てユーザの平日の生活リズムと休日となる日曜日などの生活リズムとの違いが、ほぼ一定していても反映できない。具体的には、図9(a)〜(c)はあるユーザにとって平日の木曜日の午前6時から使用を開始し、休日となる土曜日の午前6時までの3日分の実使用時点Pの検出結果を経過時間と共に使用状況として記憶している。大方のユーザにとってどの曜日が平日となり休日となるかに違いがあっても、平日と休日とで生活リズムが大きく違う。図9の例では、図9(a)(b)に示す平日での木曜日や金曜日は出勤や通学の関係から、午前6時頃から8時過ぎ頃までに実使用時点Pが集中し、午後12時から13時程度まで在宅者の昼食などによる実使用時点Pがあり、15時前後におやつの時間に対応した若干の実使用時点Pを見た後、19時頃から21時頃までの間に家族の夕食に対応した実使用時点Pが頻繁に検出され、それ以降実使用時点Pは不規則かつまばらにしか見られない実使用の状況であるのに対し、図9(c)に示す休日である土曜日に関しては、平日よりは起床が遅れて午前9時頃から11時ごろに朝食による実使用時点Pが集中した後、17時前後から19時前後までに昼夜兼用の早めの夕食による実使用時点Pが集中し、それ以降は不規則かつまばらにしか見られない実使用の状況となっている。ここに、平日と休日での生活パターンの大きな違いが見られる。
【0006】
これを、図9(a)〜(c)の平日、休日が混合した3日分の各時間経過における実使用時点Pの重なり状況から省エネ時間帯Z1、Z2・・を図9(d)に示すように設定するのでは、休日の実使用時点Pの集中時と、休日の実使用時点Pの集中時との双方を避けて省エネ時間帯Zが設定されてしまう。つまり、平日と休日で異なる時間帯での実使用の双方が反映して、平日の実使用の状況に対しても、休日の実使用の状況に対しても省エネ時間帯の設定が少なくなってしまい、省エネ効果が低下する。また、図9(a)(b)に示すような平日パターンでの3日分の実使用時点Pの重なり状況から省エネ時間帯Z1、・・が設定されるタイミングまわりでは、図9(e)に示すように図9(c)のような休日パターンでの実使用の状況は反映されず、平日パターンでの実使用の状況が反映して、図9(d)の休日パターンが反映した場合よりも長い、あるいは多い省エネ時間帯Z1、・・を設定することができ、省エネ効果は高まる。しかし、図9(e)に示すような平日パターンが反映した省エネ時間帯Z1、・・の設定では、図9(c)に示すような休日パターンでの実使用に対して、省エネ時間帯Z1、・・が設定されている時間範囲での実使用の比率が格段に高まり、多くの実使用時点Pにおいて保温温度が低すぎる対応を余儀なくされる。逆に、図示しないが、図9(c)の休日パターンでの実使用の状況に対応して省エネ時間帯Z1、・・を設定すると、省エネ時間帯Z1、・・の設定割合を高められるが、平日パターンでは実使用の頻度が高いのに加え、省エネ時間帯Z1、・・に遭遇する確率も高くなるのでさらに不便なものとなる。
【0007】
以上は、説明の簡単のために、平日と休日との違いによる実使用のパターンの違いを説明したが、平日と休日との違いに加え、さらに、習い事や趣味など他の生活習慣も合わさって曜日の違いに対応して実使用のパターンが変化することが多いものの、特許文献1に記載の技術ではこのような変化にはさらに対応できない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、平日と休日とを始めとした曜日によって異なる生活パターンに対応して過不足なく省エネ時間帯を設定できる省エネ保温方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の省エネ保温方法は、電気貯湯容器にて内容液を通常保温や通常保温よりも低い保温温度にするか加熱を停止しての省エネ保温をしながら使用状態を継続して吐出を伴なう実使用に供し、時間経過に対応した吐出を伴う実使用の状況を記憶し、記憶した実使用の状況から1日中で省エネ保温を行う省エネ時間帯を設定し、省エネ時間帯になると省エネ保温を行う省エネ保温方法において、同じ曜日につき記憶した複数日分の実使用の重なり状況から、当該曜日についての省エネ時間帯を設定し、該当曜日の省エネ時間帯になると省エネ保温を行うことを特徴としている。
【0010】
このような構成の電気貯湯容器は、設定した省エネ時間帯になる都度、通常保温よりも保温温度を低くするか加熱を停止しての省エネ保温を行って省エネを図るのに、同じ曜日につき記憶した複数日分の実使用の重なり状況から、当該曜日についての省エネ時間帯を設定するので、同じ曜日についての時間経過に伴なう実使用の状況が、平日か休日かの違い、習い事や趣味などによる定期的な特別予定があるか否かの違いなどの生活パターンの違いを反映して判定でき、平日か休日かといった基本的な問題を含めた曜日によって違う生活パターンでの実使用の状況に対応した省エネ時間帯を設定することができる。
【0011】
このような方法は、電気貯湯容器がカレンダー機能を有している場合、電気貯湯容器の使用開始時点からの時間経過に伴なう実使用の検出による実使用の状況を記憶していくのに、午前零時から始まる実曜日を特定して繰り返えせるので、同じ実曜日についての必要日数分の記憶が終了する都度、記憶が終了した曜日どうしについての実使用の状況から省エネ時間帯を設定することができる。
【0012】
一方、24時間単位の計時によっては曜日とその区切りは特定しないが、24時間の計時が終了する都度擬似曜日が1つ更新され、24時間の計時が7回終了する都度擬似週間が1週間更新されていくことになるので、同一擬似曜日に対応した複数疑似週間分の記憶データから擬似曜日ごとの実使用の状況を判定し、それに対応した省エネ時間帯を設定することができる。
【0013】
具体的には、実使用の状況の記憶開始から、168時間ごとの擬似1週間単位の複数週間につき繰り返し記憶し、前記168時間を24時間ごとに区切った順での各擬似曜日における同じ擬似曜日につき記憶した実使用の重なり状況から、各擬似曜日ごとの省エネ時間帯を設定することになる。
【0014】
各擬似曜日に対応する24時間での実使用の状況は、24時間を所定数に区切った時間ブロック単位での実使用の有無や頻度の大小から判定し、省エネ時間を設定するか否かを決定するようにすれば、各時間ブロックにつき実使用の有無や頻度の大小を判定して省エネ時間帯設定の条件を満足している場合だけ省エネ時間帯を設定すればよくなる。
【0015】
省エネ時間帯を設定する条件のない通常保温時間帯の時間ブロックの前後の時間ブロックについては、省エネ時間帯を設定する条件があっても省エネ時間帯を設定せず、通常保温時間帯とすると、省エネ時間帯を設定する条件のない通常保温時間帯の時間ブロックの前後の時間ブロックに省エネ時間帯設定の条件があっても、通常保温時間帯の時間ブロックでの実使用に関連して隣接した時間ブロックでも実使用が行われる可能性に通常保温を優先した対応にて、省エネ時間帯設定による不便が解消する。
【0016】
省エネ時間帯を設定する条件のある時間ブロックが複数続いた後、通常保温時間帯の時間ブロックに切り換わるときは、この通常保温時間帯である時間ブロックの1つ前の時間ブロックにつき省エネ時間帯の設定をせず通常保温時間帯とすると、通常保温時間帯の時間ブロックから1つ外れた時間ブロックに実使用が移りあるいは拡張する可能性に、省エネ設定条件を満足した時間ブロックが複数連続することを利用して時間ブロック1つ分を通常保温時間帯に優先させることで対応して、省エネ時間帯を設定することにより生じるかも知れない不便が解消する。
【0017】
設定する省エネ時間帯は、次の1週間の各曜日についてであると、1週間ずつの省エネ時間帯の設定を、その直前の複数疑似週間分蓄積した実使用の状況から順次更新して、ユーザの曜日ごとの生活習慣の変化に対応できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の省エネ保温方法によれば、省エネ保温をする省エネ時間帯を設定して省エネを図るのに、同じ曜日についての時間経過に伴なう数日分の実使用の状況から、平日か休日か、定期的な特別予定があるか否かなどの生活パターンの違いを反映した、曜日によって違う実使用の状況に対応した省エネ時間帯を設定して、曜日に関係なく省エネ時間帯を設定する場合のような曜日によって省エネ時間帯の設定が不便になったり、不足であったりするようなことを回避することができる。
【0019】
このような方法は、24時間の計時が終了する都度擬似曜日が1つ更新され、24時間の計時が7回終了すると擬似週間が1週間更新されるので、同一擬似曜日に対応した必要日数分の記憶データから擬似曜日ごとの実使用の状況を判定し、それに対応した省エネ時間帯を設定することができる。
【0020】
特に、各擬似曜日での実使用の状況を24時間を所定数に区切った時間ブロック単位で判定し、省エネ時間帯設定の条件を満足している場合だけ省エネ時間帯を設定すれば簡単に実行でき、時間ブロックを短い時間に設定するほど実使用の状況にきめ細かく対応した省エネ時間帯を設定することができる。
【0021】
この場合、通常保温時間帯の時間ブロックの前後の時間ブロックでは、省エネ時間帯設定の条件があっても設定せずに、通常保温時間帯での実使用に関連して隣接した時間ブロックでも実使用が行われる可能性に通常保温を優先して対応し、省エネ時間帯設定による不便を生じにくくすることできる。
【0022】
また、省エネ時間帯が複数続いて通常保温時間帯に切り換わる場合には、この通常保温時間帯の前の時間ブロックにつき省エネ時間帯を設定せず、省エネ時間帯の設定条件を連続する複数の時間ブロックが満足しているのを利用して、省エネ時間設定への影響を少なくしながら、通常保温を優先して対応し、省エネ時間帯設定による不便を生じにくくすることができる。
【0023】
省エネ時間帯の設定はそのためのデータを蓄積した複数週間に続く次の1週間の各曜日について行い、週が更新する都度その直前の数週間分の実使用の状況データを基に順次更新することにより、ユーザの曜日ごとの生活習慣に変化があっても対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明し、本発明の理解に供する。以下の説明は、本発明の具体例であって、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0025】
本実施の形態では、家庭用の電気ポットの場合の一例であり断熱容器を内容器に用いている。図1、図2に示す例の断熱容器は、ステンレス鋼製の内筒4と外筒5により構成される金属製の真空二重容器3と、内筒4内の内容液を加熱するように真空二重容器3の一重底部3cに当てがったヒータ11とを備え、これらを外装ケース2に収容して器体1を構成している。このように真空二重容器3が曲げ剛性および強度共に高い金属製であることにより壁厚および真空空間63の層が小さくてよくスリムでありながらその材質と相まって高い保温力を発揮することができる。しかし、真空二重容器3はその胴部が外部に露出して器体1を構成するようにしてもよい。真空二重容器3の一重底部3cには内容液を器体1外に吐出する吐出路25が接続され、この吐出路25は真空二重容器3と外装ケース2との間を立ち上がり、器体1の前部に吐出口25dが臨んでいる。吐出路25の途中には電動ポンプ26が設けられ、内容液を電動にて吐出できるようにしている。これに併せ、真空二重容器3の口部3aに通じる器体1の開口12を開閉できるように覆う蓋13に手動のベローズポンプ50が設けられ、押圧板61による押圧操作で真空二重容器3内に加圧空気を吹き込み内容液を加圧して吐出路25を通じ押し出し外部に吐出させられるようにしている。
【0026】
吐出路25の立ち上がり部25aは透明管としてそこでの液量が器体1の図2に示す液量表示窓62から透視できるようにしている。しかし、吐出路25の立ち上がり部25aの上部に吐出流によって回転する羽根125aとこの羽根125aの回転数を検出するフォトカプラ125bとからなる流量センサ125を設け、吐出の開始、終了、吐出流量、吐出量、残量などが自動的に検出できるようにしている。もっとも、吐出路25は真空二重容器3などが形成する内容器内と同じ水位を保ち、この水位よりも上の部分は特に通常内容液がなく外気が及んでおり、内容液の吐出があるとその部分での空気の温度からそこを通過する内容液の温度に変化し、これが特許文献1に記載のように内容液の吐出によるピークを持った昇温として外回りの近傍から検知することもできる。
【0027】
また、器体1に収容した操作部や初期設定にて設定された動作モードに従った動作制御を行うのに図1、図3に示すようなマイクロコンピュータ34aを搭載した制御基板34を図1に示すように縦置きするなどして設けているが、これもハード回路を含めた種々な機器を採用した制御手段とすることができるし、どのように設置してもよい。操作部は器体1の上端部前方へ例えば嘴状に突出した突出部31の上面に設けた操作パネル32で構成してあり、その内側に設けられる制御基板34上の各種スイッチ類を、操作パネル32に一体形成した樹脂ばねや別体に設けられたキー部材による操作手段によって個々に押動してオン操作できるようにしているが、これも、本発明の本質的なものではなく具体的な構成は特に問うものではない。マイクロコンピュータ34aは湯沸しや通常保温、省エネ保温などのために内容液の温度を検知する内容液温度検知手段9からの温度情報を用いるようにしている。内容液温度検知手段9は内容器としての真空二重容器3におけるヒータ11を当てがっている一重底部の中央に、個別に当てがった内容器センサ29としてある。
【0028】
なお、操作パネル32は図示しないが、中央部に設定保温温度や現在温度、現在動作モード、あるいは危険報知や必要操作の促しなどを画面表示する液晶表示部、そのまわりに貯湯内容液を吐出して給湯を行う吐出キー、吐出キーによる吐出操作をロックまたはロック解除するロック・解除キー、省エネモードを手動設定する省エネキー、通常保温、省エネ保温中に再沸騰を行う再沸騰キー、通常保温モードでの98度保温や90度保温の別、タイマ設定時間の別などを選択する選択キー、吐出操作があったときの吐出量を設定する計量カップキー、および設定数値をアップダウンするアップキー、ダウンキーを有している。また、ランプ表示としてはロック解除ランプ、吐出ランプ、省エネランプなどがLEDなどを利用して設けてあり、内側の操作基板33と協働して機能する。
【0029】
なお、吐出路25の外回りでの前記ピークを示す温度変化から内容液の吐出を伴なう実使用を検出する吐出系温度検知手段としては、図1に示すように吐出路25の満水位101よりも十分上に位置する吐出口25dおよび転倒時逆止弁134a、前傾時逆止弁134bを持った逆U字状をした吐出ユニット25cの特に上側直近に位置する操作基板33に搭載した吐出系センサ72を用いればよく、特にコスト上昇の原因にはならない。また、別に、内容液の吐出を伴なう実使用時、操作パネル32での内容液を吐出するには必ず吐出キーが操作されるし、この吐出キーの操作を有効にするロック・解除キーの操作も次に吐出操作を行う意思表示となるので、いずれの操作信号によってもほぼ100%の確率で吐出操作が行われる筈であり、吐出を伴なう実使用の検出が実現する。これら何れの方法によっても吐出を伴なう実使用が特定の電気信号として検出される。
【0030】
そこで、本実施の形態の電気ポットは、省エネ保温方法として、初期設定されていればそれに従い、初期設定されていなければ省エネ保温の選択操作に従い、時間経過に対応した吐出を伴う実使用の検出結果を実使用の状況として記憶し、記憶した実使用の状況から1日中で省エネ保温を行う省エネ時間帯Zを自動的に設定し、省エネ時間帯Zになると省エネ保温を行うようにするが、特に、図4に例示するように同じ曜日につき記憶した(a)〜(c)のような複数日分、具体的には3日分で検出された実使用時点Pの重なり状況から、当該各曜日についての省エネ時間帯Z1、・・を設定し、該当各曜日の省エネ時間帯Z1、・・になると省エネ保温を行うように制御する。
【0031】
このような方法を達成するには、既述した内容液をヒータ11により加熱して内容器センサ29からの温度情報の基にマイクロコンピュータ34aによる通電制御によって湯沸しや通常保温、通常保温よりも低い温度での省エネ保温をしながら使用状態を継続して吐出操作による使用に供する電気ポットにおいて、図3に示すように計時手段78による時間経過を伴なう吐出系センサ72などによる吐出に関する電気信号から図4(a)〜(c)に示す実使用時点Pなどを実使用の状況データとして記憶していくバックアップ電源76を持ったEEPROMなどの記憶手段75と、記憶手段75に記憶された図4(a)〜(c)に示すような数週間分の実使用時点Pに反映した実使用の状況のうち、同じ曜日どうしの実使用の状況から同じ曜日に関する1日24時間中の省エネ時間帯Z1、・・を設定する省エネ設定手段79と、省エネ設定手段79が設定した省エネ時間帯Z1、・・になると省エネ保温を行う省エネ保温制御手段74とを備えたもので足り、実使用状況判定手段73、省エネ設定手段79、省エネ保温制御手段74、計時手段78のそれぞれはマイクロコンピュータ34aの内部機能としているが、これに限られることはない。
【0032】
以上のように、同じ曜日につき記憶した複数日分の実使用時点Pの検出の重なり状況から、当該各曜日についての省エネ時間帯Zを設定することで、同じ曜日についての時間経過に伴なう実使用の状況が、習い事や趣味などによる定期的な特別予定があるか否かの違いなどの生活パターンの違いを反映して自動的に判定でき、図4に示す木曜日や金曜日といった平日か土曜日や日曜日といった休日かといった基本的な違いを含めた曜日によって違う生活パターンに合った図4(d)に示すような実使用の状況に対応した省エネ時間帯Z1、・・を設定することができる。この結果、省エネ保温をする省エネ時間帯Z1、・・を自動的に設定して省エネを図るのに、同じ曜日についての時間経過に伴なう数日分の実使用の状況から、平日か休日か、定期的な特別予定があるか否かなどの生活パターンの違いを反映した、曜日によって違う実使用の状況に対応した省エネ時間帯Z1、・・を図4(d)に示すように設定して、曜日に関係なく省エネ時間帯を設定する場合のような曜日によって省エネ時間の設定が不便になったり、不足であったりするようなことを回避することができる。具体的には、図4(d)における木曜日や金曜日などの平日の省エネ時間帯Z1、・・Z6につき、土曜日などの休日の生活パターンとの違いの影響なく過不足なく設定することができるし、逆に、土曜日などの休日での省エネ時間帯Z7、・・Z9につき、木曜日や金曜日などの平日の生活パターンとの違いの影響なく過不足なく設定することができる。また、平日どうしでも他の曜日との生活パターンの違いの影響なく過不足なく設定することができる。従って、図9に例示する特許文献1に記載の技術で生じるような問題が解消する。ここに、省エネ時間帯Z1、・・を設定しない時間帯は通常保温時間帯R1、・・である。
【0033】
このような方法は、計時手段78がカレンダー機能を有している場合、電気貯湯容器の使用開始時点からの時間経過に伴なう実使用の検出による実使用の状況を、その時々の時刻、日にち、曜日、週、月、四季などに対応した時期といった時間経過に対応して記憶することができ、少なくとも、午前零時から始まる実曜日、実週間を特定して記憶を繰り返しながら、同じ実曜日についての必要日数分の記憶が終了する都度、記憶が終了した曜日どうしについての実使用の状況から省エネ時間帯Z1、・・を精度よく設定することができる。
【0034】
これに対し、計時手段78がタイマである場合、その24時間単位の計時によっては曜日とその区切りは特定しないが、24時間の計時が終了する都度擬似曜日が1つ更新され、24時間の計時が7回終了する都度擬似週間が1週間更新されることになるので、計時を開始した時点から始り、繰り返される同一擬似曜日に対応した必要日数分の記憶データから擬似曜日ごとの実使用の状況を判定し、それに対応した省エネ時間帯Z1、・・を設定することができる。これを図4の例で見ると、計時が午前6時から開始され、図示しているような曜日は特定しないが、次の午前6時までの24時間の計時が午前零時から始まらないいわゆる本発明でいう擬似1週間の始りの擬似曜日となる。次の24時間の計時は次の擬似曜日の計時となり、これが1週間分繰り返した時点で1つの疑似1週間の終了となり、次の疑似1週間の始りの疑似曜日に対応する。こうして実曜日が特定しないままの疑似1週間分の計時が繰り返されることになり、各疑似曜日単位での時間経過に伴なう実使用時点Pの検出を記憶していけば図4(a)〜(c)に示すような経過時間に伴なう実使用の状況が必要日数分積み重なった実使用の状況データとして得られる。しかも、得られた実使用の状況データには曜日や時間帯が特定していなくても、ユーザの生活習慣などによって繰り返される実使用の状況のパターンまたはその傾向を24時間の計時を繰り返す中での時間経過に伴い、ユーザの生活実態に対応して反映しており、カレンダー機能による実曜日や実1週間が特定しなくても同様なデータ蓄積効果が簡単に得られる。
【0035】
具体的には、実使用の状況の記憶開始から、図4に示すように168時間ごとの擬似1週間単位の複数週間、具体的には疑似3週間につき繰り返し記憶し、前記168時間を24時間ごとに区切った順での各擬似曜日における同じ擬似曜日につき記憶した実使用時点Pの重なり状況から、各擬似曜日ごとの省エネ時間帯Z1、・・を設定することになる。
【0036】
しかも、複数週間分の実使用の記憶状況から設定する省エネ時間帯Z1、・・は、次の1週間の各曜日についてのものとすることにより、1週間ずつの省エネ時間帯Z1、・・の設定を、それ以前の複数週間分の実使用の記憶状況から順次更新でき、具体的には、週が更新する都度直前の数週間分の実使用の状況データを基に順次更新でき、ユーザの曜日ごとの生活習慣に変化があっても対応できる。
【0037】
ここで、本実施の形態のマイクロコンピュータ34aによる制御例について説明すると、図5に主な制御のメインルーチンを示しているように、電源オンによって初期設定が行われた後、各種センサや操作による入出力の処理が行われる。次いで、入出力およびそれに伴う動作制御に関した表示処理が行われる。続いて、初期沸騰や再沸騰を図る沸騰処理、98度や90度での通常保温や、それよりも低く、加熱停止をも含む手動設定での省エネ保温を行う保温処理が行われる。さらに、吐出操作による吐出処理、および前記自動省エネ設定のための省エネ設定処理、その他の処理が行われる。そこで、何らかの異常による異常信号がなく、電源がオフされない限り、それ以降、入出力処理以下の処理が繰り返される。
【0038】
上記省エネ設定処理を行うサブルーチンは図6に示すように、専用キーの操作ないしは省エネキーなど他のキーの長押し操作などによる省エネ設定がなければそのままリターンし、省エネ設定の制御は行わない。省エネの設定選択があると、例えば24時間タイマによる計時をスタートし以降省エネ設定の解除があるまで繰り返す。これに併せ、吐出有りの検出の都度、計時上の、つまり計時による時間経過上の吐出を伴なう実使用時点Pを判定し記憶していく。これらを繰り返しながら所定の複数週間Xが経過すると、複数週間Xでの各同一曜日どうしにつき記憶されている実使用時点Pが反映している実使用の状況から、各曜日ごとの省エネ時間帯Z1、・・を設定して記憶し、既に記憶しているものがあると、設定を更新し記憶する。次いで、Xを1つ減算してX−1とし、省エネ設定の解除が無ければそのままリターンし、以上の制御を繰り返すことで、以降は1週間分の計時が進行する都度その時点で記憶されている最新の所定の複数週間X分の実使用の状況から、また次の1週間分の各曜日ごとの省エネ時間帯Z1、・・を設定して更新し記憶することを繰り返す。この結果、1週間分ずつの曜日ごとの省エネ時間帯Z1、・・が、省エネ設定の解除があるまで直前の所定の複数週間X分の実使用の状況データから順次に繰り返し設定されることになる。省エネ設定が解除されると、設定、記憶されている現省エネ設定時間帯Z1、・・をクリアし、計時を停止すると共にリセットしてリターンする。この結果、再度の省エネ設定時は図6に示す制御を最初から繰り返すことになる。もっとも、既に設定され記憶されている省エネ時間帯Z1、・・はクリアせず、次の省エネ設定時に更新していくようにしても特に問題はなく、かえって記憶設定データによって省エネ保温を即時に実行しながら更新できる利点がある。また、1週間分ずつの省エネ時間帯の設定、更新に代って、曜日が更新される都度その曜日についての数日分の実使用の状況から省エネ時間帯Z1、・・を設定し更新するようにもできる。
【0039】
図7に示す例では曜日ごとの実使用の状況に応じて省エネ時間帯Z1、・・を設定するのに、計時手段78のタイマ機能での計時による各擬似曜日に対応する24時間を所定数、例えば48に区切った時間長さ30分といった時間ブロックt1、t2、・・t48単位での実使用またはこれに対応する実使用時点Pの有無や頻度の大小から実使用の状況を判定し、省エネ時間帯Z1、・・を設定するか否かを決定するようにしている。このような方法によれば、各時間ブロックt1、t2、・・につき実使用の有無や頻度の大小を判定して省エネ時間帯設定の条件を満足している場合だけ図7(d)に示すように省エネ時間帯Z1、・・を設定すればよく、省エネ時間帯Z1、・・の設定操作が簡単になる。このような時間ブロックでの制御は、時間ブロックt1、t2、・・を本例のように30分程度と短くすることにより、ユーザの生活パターンをきめ細かく反映した実使用、実使用時点Pに対応する省エネ時間帯Z1、・・の設定ができる。しかし、その時々の実使用の状況にあまり忠実に反映した省エネ時間帯Z1、・・を設定すると、その日によって少しずつ変化、あるいはずれる実使用に対応しずらく、省エネ時間帯Z1、・・の設定によってかえって不便となることが生じる。そこで、時間ブロックt1、t2、・・は60分程度と長めに設定して対応することもできる。もっとも、それには必要メモリ容量が倍増する。
【0040】
また別に、同じ曜日について図7(a)〜(c)に示す数日分の実使用の状況の重なりにおいて、仮に、実使用時点Pが2つ以上検出されている時間ブロックにつき省エネ時間帯Z1、・・を設定する条件ありとするのに、省エネ設定条件のない通常保温時間帯R3の時間ブロックt19で代表してその前後の時間ブロックt18、20については、図7(d)に示す省エネ時間帯Z2の一部とする省エネ時間帯設定条件があっても省エネ時間帯を設定せず、通常保温時間帯R3a、R3bすると、省エネ時間帯設定条件がない通常保温時間帯R3の時間ブロックt19の前後の時間ブロックt18、t20に省エネ時間帯設定の条件があっても、通常保温時間帯R3の時間ブロックt19での実使用に隣接ないしは関連した時間ブロックt18、t20では図7(a)(c)のように実使用が行われる可能性に通常保温を優先して対応し、省エネ時間帯の設定による不便を解消することができる。
【0041】
また、省エネ時間帯設定条件がある例えば時間ブロックが図7(d)に示すt5〜t12で代表するように複数続いた後、通常保温時間帯R2で代表する時間ブロックt13に切り換わるようなときは、この通常保温時間帯R2である時間ブロックt13の直前の時間ブロックt12につき図7(d)に示すように省エネ時間帯Z1の一部として設定するのに変えて通常保温時間帯R2aとすると、通常保温時間帯R2の時間ブロックt13の実使用に隣接ないしは関連して前段の時間ブロックt12でも図7(a)に示すように実使用が行われる可能性につき通常保温を優先して対応し、複数の時間ブロックt5〜t12のように連続に省エネ時帯設定条件を連続して省エネ時間帯Z1をなすところを利用して、省エネ時間設定への影響を少なくしながら、通常保温を優先して対応し、省エネ時間帯設定による不便を生じにくくすることができる。
【0042】
さらに、バックアップ電源76を持った記憶手段75での実使用時点Pなどの実使用の状況データの記憶は、プラグ外れや停電時にバックアップされるが、このときのバックアップ時間Bは例えば、バックアップ電源76を充電タイプとして、電気ポットの通常使用状態時に常に充電しておき、万一にもプラグ外れや停電が生じても、充電容量に見合った時間Bだけバックアップができ、記憶手段75での記憶内容が確保される。しかし、復電したときに計時手段78がタイマー計時を再開する時間経過が記憶されている実使用の状況データに対して停電時間分ずれた状態で新たな実使用の状況のデータ蓄積が再開するため、記憶手段75に記憶されている実使用時点Pなどの実使用の状況データと時間経過とが一部対応せず、省エネ時間帯Z1、・・の設定に不具合となる。そこで、記憶手段75のバックアップ時間Bを図8(a)に示す時間ブロックtn−1、tn、tn+1などの時間長さT未満の例えばT>B1またはT>B2などに設定するのに併せ、図8(a)に例示する時間ブロックtnと中での停電時B0からのバックアップ時間B1やB2の終了時点に対応する時間ブロックtnまたはtn+1につき記憶されている実使用の状況データを消去するようにする。これにより、図8(a)に示すように時間ブロックtnの時間経過B0時点で停電が生じ、バックアップ時間がB1である例では図8(a)に示す時間ブロックtnの経過時間中にバックアップが終了し、バックアップ時間がB2である例では図8(a)に示す時間ブロックtnの次の時間ブロックtn+1の経過時間中にバックアップが終了している。
【0043】
したがって、バックアップ時間がB1である場合、記憶データはバックアップ終了時点に該当する時間ブロックtnに対応する時間範囲で消去され、復電時の実使用時点Pなどの実使用の状況データの蓄積は、図8(b)に示すように図8(a)の時間ブロックtn−1に続いて計時する時間ブロックtn分から再開することになり、停電による記憶データと時間経過との対応がずれるのを解消することができる。
【0044】
バックアップ時間がB2である場合、記憶データはバックアップ終了時点に該当する時間ブロックtn+1に対応する時間範囲で消去され、復電時の実使用時点Pなどの実使用の状況データの蓄積は、図8(c)に示すように図8(a)の時間ブロックtnに続いて計時する時間ブロックtn+1分から再開することになり、停電による記憶データと時間経過との対応がずれるのを解消することができる。この例では、途中までしか実使用の状況を記憶していない図8(a)での時間ブロックtnの記憶データは消去されず、当該時間ブロックtnでの記憶データとして実用される扱いになるが、バックアップ終了時点が停電時の時間ブロックから次の時間ブロックに移って、停電時の時間ブロックの記憶データが利用される残留記憶時間長さが、時間ブロックT>Bの関係から、T=Bの関係の場合よりも長くなり残留記憶データのイレギュラー度は低く実害はない。しかも、T>Bの関係によって、バックアップ終了時点は停電時の時間ブロック途中か、次の時間ブロック途中かのいずれかになるので、上記の利点が保証される。
【0045】
もっとも、停電中も計時手段78により計時を継続すれば、記憶済みのデータを消去しなくても時間経過との対応を保証することができるし、ベローズポンプ50によると吐出を吐出系センサ72により検出して実使用の状況を記憶し続けることも場合によってはでき、停電による影響をなくせる。
【0046】
しかし、既述のように計時手段78がバックアップされたカレンダー機能を有するものである場合、以上のような対応をしなくても、停電時点で記憶されているデータと、復電時に再開される記憶データとの時間経過の関係が時刻に対応して正しく認識されるので、24時間計時などを利用するような場合の図8に基づき説明したような対応をしなくても、他の種々な変化をも含め精度よい省エネ時間帯Zや通常保温時間帯Rの設定ができる。具体的には、実使用の状況のデータ記憶を当初から曜日ごとに時刻に対応してより詳細に蓄積して、記憶データを消去などすることなくより精度の高い実使用の状況データをもたらし、各ユーザにとって使いやすくしかも省エネ効果の高い省エネ時間帯Zの設定ができる。しかも、室温などが変化する季節などの時期的な違いを、記憶している実使用の状況の判定による省エネ時間帯Zの設定に反映し、あるいは通常設定した省エネ時間帯Zを補正したりすることができる。具体的には寒冷時に通常時期の通常保温時間帯Rの2つ前の時間ブロックから通常保温時間帯Zとするようなこともできる。
【0047】
また、ユーザは過去の特定の曜日の省エネパターンを再現した使用がしたいような場合、曜日を指定すれば現在曜日に無関係に選択した曜日での省エネパターンを再現して使用に供するようにできるし、カレンダー機能を有している場合は過去の特定の日、曜日、週、月、時期を選択してそれらに対応した省エネパターンを再現し使用に供するようにもできる。
【0048】
このような計時方式の違いにかかわらず、複数週間分の実使用の状況記憶データから曜日ごとの省エネ時間帯Zを設定するのに、各週の実使用の状況にイレギュラー要因があるか否かを判定することができ、イレギュラーな週についての記憶データは消去し、その週を除き既に蓄積されているそれ以前の3週間分、あるいはこれから蓄積する次の週以降の週を含めた複数週間分の記憶データを利用して各曜日ごとの実使用の状況判定とそれによる省エネ時間帯Z、通常保温時間帯Rの設定を行えば、実使用の状況がイレギュラーな週のデータの影響を回避することができる。
【0049】
ここで、本実施の形態につきさらに詳述すると、このヒータ11を当てがう一重底部3cを上方へ窪ませた下向きの凹部3eとしてあり、この凹部3eの深さ分だけヒータ11の位置が内容液側に突出するし、ヒータ11の設置域の内容液との接触面積が多くなって加熱効率がさらに向上する。前記凹部3eによる内筒4内への突出部と真空空間63の底部下外周への回り込み部63aとの間に上向きの凹部84が環状に形成されており、吐出路25を通じて吐出される内容液がその凹部84内に幾分残されるように吐出路25の流入端25eを一重底部3cの上に適度な高さで開口させてある。これによって、流入端25eが内筒4内に突出している分だけ内容液が吐出されずに残り、空焚き防止になる。
【0050】
一重底部3cに当てがったヒータ11の背部には、図1、図2に示すように金属製の遮熱板87が設けられ、真空二重容器3の外筒5の環状底部5eの下面に溶接などして取り付けた取り付け金具88にねじ89によりねじ止めし、遮熱板87とヒータ11との間に金属製のバックアップ板92および図示しないばね部材を挟み込み、このばね部材によってヒータ11を一重底部3cに押し付け密着させている。
【0051】
外装ケース2は樹脂製の底部材111と前記肩部材6との間に金属製の胴部112を挟み込む組み立て構造と、肩部材6が形成する器体1の図1に示すような開口12の内周下部に設けたフランジ113に対し、真空二重容器3をその肩部3dに溶接付けなどした取り付け金具114を介しねじ115により上方から取り付けた取り付け構造と、真空二重容器3の底部と底部材111とを溶接付けなどした取り付け金具88およびねじ89を共用することにより連結した連結構造とで外装ケース2を一体化し、また、分離可能としている。
【0052】
外装ケース2の底部材111の下向きの凹部111a内には下方から回転座環37が回転できるように嵌め合せて設けられ、器体1がテーブル面などに定置されたときに回転座環37の上で軽く回転して向きを変えられるようにしてある。
【0053】
図1に示すように肩部材6の後部には、器体1の開口12を容器口3a1と共に開閉する蓋13を器体1に開閉できるようにヒンジ連結する軸受部122を設けてある。軸受部122には蓋13に設けたヒンジピン120を着脱できるように受け入れて軸受する開放部122aと、この開放部122aをばね123の付勢で閉じるストッパ124を設けてあり、ストッパ124を開にすると蓋13を半開きにした状態でヒンジピン120を軸受部122から蓋13を伴い出し入れでき、これが蓋13の着脱となる。
【0054】
また、蓋13は図1、図2に示すように真空二重容器3の口部3a内への進入部13aを有し、口部3aは蓋13が開閉されるときに進入部13aが描く包絡線に対する最近接位置にあるようにしている。このように、蓋13の一部を進入部13aとして真空二重容器3の口部3a内への進入を図ることによって、口部3aから熱が逃げるのを邪魔して保温力を高めるのと同時に、蓋13に設ける蒸気通路225や手動ポンプであるベローズポンプ50を収容するなどで蓋13に必要となる大きな容量を十分に確保しながら器体1外部への膨らみを抑えられる。しかも、真空二重容器3の前記のように開口径を小さくした口部3aが、蓋13の開閉時に前記進入部13aの輪郭が描く包絡線の直近にあるので、蓋13の開閉を邪魔しない限度一杯まで開口径を小さくして熱をより逃げにくくすることができる。
【0055】
また、蓋13の前記進入部13aの基部まわりには蓋13と進入部13aに当てがった金属製の内蓋126との間に挟み込んだシール部材127が設けられ、口部3aの天面内周側半部ないしは天面内周側半部と口部3aの内周のコーナ部に圧接して口部3aを閉じるようにしている。これにより、満水位101と進入部13aとの間の蒸気通路225の内側開口225aを内容液が閉じないための安全空間に位置する空気が口部3aよりも外部へ大きく広がって熱が逃げやすくなるのを防止するので、保温力が向上する。
【0056】
また、前記電動ポンプ26およびベローズポンプ50などの手動ポンプの少なくとも一方を備えていると、電気貯湯容器を定置したまま内容液を吐出して使用することができ、近時大型化し持ち上げ難くなっている大型タイプのものに好適である。特に手動ポンプを備えているとヒータ11で加熱しない魔法瓶保温状態での使用時に通電なしに定置したままでの内容液の吐出ができ、省エネルギーや電源のないところでの使用に好適である。
【0057】
真空二重容器3からの蒸気を外部に逃がす蒸気通路225は、蓋13の真空二重容器3内に面する位置の内側開口225aと、外部に露出する外面に形成された外側開口225bとの間で通じるように形成されている。蒸気通路225の途中には、器体1が横転して内容液が進入してきた場合にそれを一時溜め込み、あるいは迂回させて、外側開口225bに至るのを遅らせる安全経路225cを設けてある。これにより、器体1が横転して内容液が蒸気通路225を通じて外部に流出するまでに器体1を起こすなどの処置ができるようになる。また、蒸気通路225には器体1の横転時に、蒸気通路225に進入しようとし、あるいは進入した内容液が先に進むのを阻止するように自重などで働く転倒時止水弁225dが適所に設けられている。図示する実施例では内側開口225aの直ぐ内側の一か所に設けてある。
【0058】
蓋13の前部には閉じ位置で肩部材6側の係止部19に係合して蓋13を閉じ位置にロックするロック部材21が設けられ、蓋13が閉じられたときに係止部19に自動的に係合するようにばね22の付勢によってロック位置に常時突出するようにしている。これに対応して蓋13にはロック部材21を後退操作して前記ロックを解除するロック解除部材23が設けられている。ロック解除部材23は図1に示すように軸24によって蓋13に枢支されたレバータイプのものとされ、前端23aを親指などで押し下げて反時計回りに回動させることでロック部材21をばね22に抗して後退させてロックを解除し、続いてロック解除操作で起き上がった後端23bを他の指で引き上げることによりロックを解除された蓋13を持ち上げこれを開くことができる。
【0059】
電動ポンプ26は遠心ポンプであって真空二重容器3の直ぐ下の位置に設けられ、真空二重容器3内から流れ込む内容液を吐出路25を通じて器体1外に臨む吐出口25dに向け送りだし、吐出口25dから外部に吐出させ使用に供する。
【0060】
真空二重容器3の胴部3bまわりにはその底部材111に下端部を支持され、肩部材6の開口12の傾斜段部12aの内側まで立ち上がる断熱壁131を設け、真空二重容器3の真空空間63内にはその回り込み部63aから口部3aまで立ち上がる銅箔132を内蔵して保温効率をさらにたかめている。
【0061】
ところで、真空二重容器3を持った電気ポットにおいて沸騰した内容液をヒータ11による加熱なしに放置したときの魔法瓶保温状態での保温特性は、従来、沸騰後6時間経過でほぼ60℃程度とされているが、口部3aの開口径の大きさにほぼ反比例し、保温力増大の面からは口部3aの開口径を極力小さくするのが好適である。しかし、それには制限がある。例えば真空二重容器3内を洗浄や拭き取りなどのお手入れをすることを考えると、大人の人の手、特にこぶしが入るには80mm程度が限度であり、100mm程度になると作業しやすく、120mm程度を越えると作業が自由になる。また、蓋13のベローズポンプ50を収容している部分を進入部13aとして口部3a内に進入させることにより、真空二重容器3内の空気を口部3a外からできるだけ遠ざけて熱が上部へ逃げるのを抑え、かつ、ベローズポンプ50を収容した蓋13が外方に大きく張り出さないようにできる。さらに、口部3aの開口径が真空二重容器3の胴よりも小さくなる部分は絞り加工により形成するが、口部3aの開口径が小さければ小さいほど絞り加工が困難である。
【0062】
また、内筒4の内面にフッ素コーティングや研磨処理などを施すのに、ガンやノズルなどの器具が入らないといけないし、処理が均一であるためには器具を自由に動かせることも必要である。従って、口部3aの開口径が小さいほど処理は困難になるし、処理できても時間が掛かったり均一に処理できないといった問題がある。また、フッ素コーティング前の内面をブラスト処理して粗しフッ素コート層の付着力を高める工程においては、内筒4の内に吹き付けたブラスト材が内筒4外に戻り難く作業性が悪くなる。例えば、口部3aの開口径が100mmを切るとコーティング材を吹き付けるガンが内筒4内に入らなくなり、フッ素コーティングは不可能になる。
【0063】
このような事情から従来、保温特性および各種良し悪し性との関係を総合判断して、お手入れ性、小型化性、絞り加工性・コスト性、および内筒4の内面の加工・処理の容易性のいずれも満足できる限度となる120mmを開口径の下限とするのが好適として、内筒4を既述した問題のある大きい角度で立ち上がる絞り形状として実現している。
【0064】
これに対して、本実施の形態では、真空二重容器3の口部3aが胴部3bの内径よりも小さい開口径にて器体1の樹脂製の肩部材6がなす開口12に臨み、器体1の開口12部に設けた前記蓋13で開閉されるものとするのに、真空二重容器3は真空空間63を胴部3bの上端から胴部3bの内側へほぼ横向きに肩部3dをなして屈曲し胴部3b内径よりも小さい口部3aを形成したものとしている。このように、曲げ剛性および強度共に高い金属製であることにより壁厚および真空空間63の層が小さくてよくスリムでありながら高い保温力を発揮する金属製の真空二重容器3を採用するのに、真空二重容器3の胴部3bの上端から胴部3bの内側へほぼ横向きに肩部3dをなして屈曲し、胴部3b内径よりも小さい口部3aを形成していることにより、口部3aの絞り度を従来程度とし、あるいはそれより大きくして保温性の大きなものとしても、従来のもののように内筒胴から口部に向けて大きな角度で立ち上がり真空二重容器3の上部容積を狭める絞り形状に比し、真空二重容器3の上部容積を狭めるようなことのない鉤型形状となるので、満水位101から口部3aまでの高さHを従来のものよりも小さくして、満水位101と蓋13との間の空間を大きくし自然吐出を防止できる。
【0065】
要約すると、スリムでありながら高い保温力を発揮する金属製の真空二重容器3を採用するのに、真空二重容器3の胴部3bの上端から胴部3bの内側へほぼ横向きに肩部3dをなして屈曲し、胴部3b内径よりも小さい口部3aを形成してその絞り度を大きくして保温性を高めるのに併せ、内筒4の内筒胴4aから口部3aに向けた立ち上がり角度のない鉤型絞り形状によって満水位101から口部3aまでの高さを抑えて満水位101と蓋13との間に大きな空間を確保して自然吐出を防止できるものとなる。しかも、肩部3dが内側へ横向きに延びて小径に形成している口部3aは、肩部3dの内周に上向きに小さく立ち上がる容器口3a1を形成して、器体1の肩部材6とのシール構造を介した接続を容易にしている。
【0066】
真空二重容器3の肩部3dは、その内筒胴4aと内筒肩部4b3との境界部に内側に凹陥した段部4b2を形成している。これにより、真空二重容器3の口部3aに押圧力が働くと胴部3b上端から口部3aまでほぼ横向きに延びる肩部3dの基部に応力が集中しやすいところを、内筒胴4aと内筒肩部4b3との境界部に内側に凹陥した段部4b2によって肩部3dの基部の曲げ剛性を高められるので、肩部3dがその基部を基点にして伏倒するような変形を防止することができる。
【0067】
真空二重容器3の肩部3dは、内筒胴4aに接合される前記内筒肩部4b3、段部4b2を持った内筒肩部材4bと、外筒胴5bと接合される外筒肩部材5cとの2部材よりなり、相互で図11に示すように前記口部3aをなして接合している。これにより、真空二重容器3の肩部3dが胴部3bとは独立した2部材の接合によって中空形状の容器肩部材に容易に形成され、それら2部材が内筒胴4aおよび外筒胴5bに接合されることで真空空間63を胴部3b上端から内側にほぼ横向きに延ばす肩部3dが胴部3bとの間の絞り加工なしに簡単に形成できる。
【0068】
また、内筒肩部材4bに形成した上向きの内周壁4b1が外筒肩部材5cに形成した下向きの内周壁5c1の外面に嵌合して接合され前記口部3aを形成している。これにより、内筒肩部材4bの上向きの内周壁4b1と外筒肩部材5cの下向きの内周壁5c1との接合が位置あわせ、位置調節しやすい重ね合わせ接合にして、しかも口部3a内周にできる重ね合わせによる接合段部3a2が下向きとなって口部3aを通じ外部から目視されない利点があり、この接合段部3a2が口部3aの蓋13により閉じられる部分よりも内側となって蓋13とのシールに隙間ができるようなことを回避することができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、電気ポットに実用でき、省エネ保温を曜日ごとに過不足なく行える。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の電気貯湯容器の実施の形態に係る電気ポットの1つの例を示す断面図である。
【図2】図1の電気ポットの直角に向きを変えた断面図である。
【図3】図1の電気ポットの制御回路のブロック図である。
【図4】図1の電気ポットでの複数週間での曜日別に省エネ時間帯を設定する場合の1つの例を示す説明図である。
【図5】図1の電気ポットの制御例を示すメインルーチンのフローチャートである。
【図6】図1の電気ポットでの省エネ設定サブルーチンの制御例を示すフローチャートである。
【図7】図1の電気ポットでの時間ブロックごとに省エネ時間帯を設定する場合の幾つかの例を示す説明図である。
【図8】図1の電気ポットでの24時間タイマによる計時を基に下時間ブロックごとの省エネ時間帯を設定する場合の、停電時の対応例を示す説明図である。
【図9】従来の電気ポットでの省エネ時間帯の設定例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1 器体
11 ヒータ
25 吐出路
26 電動ポンプ
32 操作パネル
34 制御基板
34a マイクロコンピュータ
72 吐出系センサ
73 実使用の状況の判定手段
75 記憶手段
76 バックアップ電源
74省エネ保温制御手段
78計時手段
79省エネ設定手段
【出願人】 【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100080827
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 勝


【公開番号】 特開2008−171(P2008−171A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169642(P2006−169642)