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【発明の名称】 カップホルダー
【発明者】 【氏名】余村 隆志

【要約】 【課題】サイズの異なる飲料用カップを、少ない力で簡単にかつ安定的に保持することができ、かつ、飲料用カップを保持したまま内容物を飲用することができるカップホルダーを提供すること。

【構成】カップホルダー10は、可撓性を有する樹脂によって成形されており、サイズの異なる二種以上の飲料用カップ2を保持することができる。カップホルダー10は、取手部4と、間隙部3を有する保持部1とを備える。保持部1は、内容物を含む飲料用カップ2が挿入された状態で取手部4を使って持ち上げられたときに、内容物の重量と弾性とによって、間隙部3を拡げると共に、飲料用カップを内接させて保持する。さらに、飲料用カップ2が保持部1に内接して保持されている状態において、飲料用カップ2の飲み口部分が保持部1と重ならないように、カップホルダー10は設計されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する樹脂によって成形されており、逆円錐台状を有するサイズの異なる二種以上の飲料用カップを保持するためのカップホルダーであって、
取手部と、
前記取手部と共に一体形成されており、上端部から下端部に向けて形成された間隙部を有し、内容物を含む各種類の前記飲料用カップが挿入された状態で前記取手部を使って持ち上げられたときに、前記内容物の重量と樹脂の弾性とによって、前記間隙部を拡げると共に、前記飲料用カップを内接させて保持する逆円錐台状の保持部とを備え、
各種類の前記飲料用カップが前記保持部に内接して保持されている状態において、各種類の前記飲料用カップの飲み口部分が前記保持部と重ならないことを特徴とする、カップホルダー。
【請求項2】
前記飲料用カップが内接されて前記保持部に保持されている状態で、前記飲料用カップを卓上に置いた場合、当該状態が維持されていることを特徴とする、請求項1に記載のカップホルダー。
【請求項3】
前記間隙部は、曲線状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のカップホルダー。
【請求項4】
前記間隙部は、鉤型状を有することを特徴とする、請求項3に記載のカップホルダー。
【請求項5】
前記間隙部は、前記保持部の外側面において、前記取手部を正面に見たときの右側に形成されていることと特徴とする、請求項1又は3に記載のカップホルダー。
【請求項6】
前記保持部は、内側面に、摩擦力強化手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載のカップホルダー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用カップを保持するためのホルダーに関し、より特定的には、サイズの異なる飲料用カップを保持することができるホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスや工場、病院等において、お茶を自動で入れるための自動お茶入れ機や、コーヒーを自動で入れるためのコーヒー自動販売機がよく使用されるようになってきている。これらの機器は、お茶やコーヒー等の飲料を汎用の紙コップに注入する。利用者は、お茶やコーヒーが注入された紙コップを持って、それらを飲用する。しかし、お茶やコーヒーが熱い場合、紙コップに飲料の熱が伝わってしまう。そのため、利用者は、熱い飲料が入った紙コップを持つ際、火傷をしないように注意しなければならない。
【0003】
従来、断熱のために、紙コップを保持するための樹脂製のホルダーが使用されていた。図11は、従来のホルダーの一例を示す斜視図である。図11において、カップホルダー91は、円錐台状のカップ保持部92と、カップ保持部92に取り付けられた取手部93とを含む。図12は、カップホルダー91の下部の断面図である。カップホルダー91の下部には、環状の凸部95が設けられている。カップ保持部92に挿入された紙コップ94は、凸部95で支持される。これによって、紙コップ94は、カップホルダー91から抜け落ちなくなる。さらに、紙コップ94に利用者が口を付けたときに、口がカップホルダー92にふれない程度に、紙コップ94の飲み口部分が、カップホルダー92の上部から、突出することとなる。これにより、熱い飲料であっても、飲むことができる。
【0004】
火傷を防止するための断熱器具として、紙コップの持ち手部分にボール紙による取手を取り付ける方法も考えられる(特許文献1参照)。しかし、特許文献1に示すような紙製の器具は、ゴミ増加の原因となる。したがって、図11に示すようなカップホルダー91を複数の利用者間で繰り返し使用することがよく行われている。
【0005】
しかし、図11に示すような従来のホルダーでは、サイズの異なる紙コップに対応することができなかった。たとえば、自動お茶入れ機等に頻繁に使用される紙コップとして、Sサイズの紙コップ(サイズ65φ×73mm等)と、Lサイズの紙コップ(サイズ73φ×81mm等)とがある。Lサイズの紙コップ用に成形されたカップホルダー91に対して、Sサイズの紙コップを挿入すると、紙コップとカップホルダー91との間に隙間ができてしまう。したがって、Sサイズの紙コップが適切な位置に保持されない。場合によっては、Sサイズの紙コップの飲み口部分がカップホルダー91に触れてしまう。これでは、複数の利用者による繰り返し使用が衛生上困難になる。逆に、Sサイズの紙コップ用に成形されたカップホルダー91に対して、Lサイズの紙コップを挿入すると、Lサイズの紙コップの下部がカップホルダー91の上部に途中で引っかかり、Lサイズの紙コップが不安定な状態で固定されてしまい危険である。そのため、紙コップ等のサイズの異なる飲料用カップに対して、共通で利用することができるカップホルダーの提供が要求されていた。
【0006】
このような要求に対して、特許文献2に示されるようなホルダーが提案されている。図13は、特許文献2に示されているホルダー80を示す斜視図である。図13において、ホルダー80は、取付保持環84と、取付保持環84に取付られた取手部85とを備える。取付保持環84は、外側端部にタブ83を有しており、樹脂コーティング82を施した渦巻き状の板バネ81を含む。タブ83が引っ張られることによって、取付保持環84が伸び、飲料用カップが取付保持環84に巻き付けられることによって、飲料用カップがホルダー80に保持される。取付保持環84は、内部にフレキシブルな板バネ83を含んでいるので、サイズの異なる飲料用カップを巻き付けることができる。したがって、サイズの異なる飲料用カップに対して、共通で利用することができるカップホルダーが提供されることとなる。
【0007】
また、特許文献3に示されているようなホルダーも提案されている。図14は、特許文献3に示されているホルダー73を示す斜視図である。図14おいて、ホルダー73は、コップ受け部75と、支柱74と、皿72に取り付けられる皿取付部71とを備える。コップ受け部75は、左右一対の腕杆75aと、コップ載置体75bとを含む。左右一対の腕杆75aは、金属線からなる。左右一対の腕杆75aの先端は、開放状態となっている。左右一対の腕杆75aは、互いの間隔を手指で押し広げられ又は収縮させられる。サイズの異なるコップ76を載置する場合、左右一対の腕杆75aの間隔が手指で調整される。これによって、サイズの異なるコップ76に対して、共通で利用することができるカップホルダーが提供されることとなる。
【0008】
また、特許文献3には、図15に示すように、左右一対の腕杆75aに一定の幅を持たせたホルダーも提案されている。これにより、コップ79の周面の上下位置が支えられる。
【0009】
なお、サイズの異なる飲料用カップを保持するための器具ではないが、特許文献4〜7に示すような器具も開示されている。
【0010】
図16は、特許文献4に記載の脚付カップの斜視図である。図16に示すように、特許文献4には、段差61aを有する逆円錐状カップ61を嵌着状態にするために、金属製の帯板60に切目60aが設けられた脚付カップが開示されている。特許文献4に開示されている脚付カップは、逆円錐状カップ61を取り外し可能にし、かつ逆円錐状カップ61の段差61a部分で外径が広くなるようにするために切目61aを設けて、逆円錐状カップ61を固定している(特許文献4第3頁第15行〜第4頁15行参照)。
【0011】
図17は、特許文献5に記載の器具50の斜視図である。図17に示すように、特許文献5には、ジュース缶やビール缶、缶詰などの円筒型製品51をつかむために、切れ込み50a及び50bが設けられた器具50が開示されている。特許文献5に開示されている器具50は、円筒型製品51をつかむために、円筒型製品51の外円周の長さよりも短くした内側円周を有しており、切り込み50a及び50bを拡げて円筒型製品51をつかむ(特許文献5第2頁第17行〜第3頁第3行参照)。
【0012】
図18は、特許文献6に記載の器具40の斜視図である。図18に示すように、特許文献6には、熱くなった逆円錐台のコップ41を持ち上げるための円錐台状の器具40が開示されている。特許文献6に開示されている器具40は、間隙40aを拡げることによってコップ41を取り込む。これによって、熱を断熱しながらコップ41を持ち上げることができる(特許文献6第1頁第14行〜第2頁第6行参照)。
【0013】
特許文献7には、椅子の肘掛けに取り外し可能な飲料用容器ホルダーが開示されている。特許文献7に開示されている飲料用容器ホルダーは、コーヒーマグカップやワイングラスを保持するためにスロットを設けている(図示省略:特許文献7第10頁第3行〜第9行参照)。
【特許文献1】特開2001―258710号公報
【特許文献2】特開2003−231527号公報
【特許文献3】実開平4−128675号公報
【特許文献4】実開昭60−39675号公報
【特許文献5】実開平2−28811号公報
【特許文献6】実開平2−125682号公報
【特許文献7】特表2001−520551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、特許文献2に記載されたホルダー80には、以下のような課題が存在する。まず、飲料用カップを保持するために、取付保持環84を伸ばさなければならず、面倒である。とくに、自動お茶入れ機は、入院病棟などで使われることが多く、取付保持環84を伸ばすという動作は、非力な患者には、困難である。また、板バネ81によって紙コップを保持する場合、板バネ81の圧縮力が強く紙コップがつぶれてしまう可能性があるし、板バネ81が急に圧縮することによって、紙コップの内容物が飛び出てしまう危険性もある。さらに、樹脂コーティング82の中に板バネ81を形成しなければならず、ホルダー80を安価に提供することは、難しい。また、取手部85と取付保持環84との接合部分の強度を向上させるのが難しい。このように、特許文献2に記載されたホルダーは、サイズの異なる飲料用カップを保持することはできるものの実用化の面では多くの課題を含んでいる。
【0015】
また、特許文献3に記載されたホルダー73には、以下のような課題が存在する。まず、サイズの異なる飲料用カップを保持するために、金属線からなる腕杆75aを手指で拡げたり、縮めたりしなければならならず、面倒である。また、金属線を拡げたり、縮めたりするのには、相当の力が必要であり、非力な者による利用が困難となる。さらに、金属線の先端部分でけがをする可能性もある。図15に示すように、金属線を折り曲げて一定の幅を持たせることによって、けがの可能性を軽減できるが、腕杆75aを拡げたり、縮めたりするのに、2倍の力が必要となる。また、大きいサイズの飲料用カップを載置した場合、飲料用カップの飲み口部分が、腕杆75aから相当離れてしまい、不安定な状態となる。結局、特許文献3に記載されているホルダー73は、皿72に載せられた料理等を食する間、飲料用カップを仮置きしておく程度にしか利用できない。すなわち、特許文献3に記載された構造を利用したホルダーは、飲料用カップを保持したまま、飲用するという効果を得ることはできない。よって、このようなホルダーは、熱い飲料を飲むためのホルダーとしては、使用できない。
【0016】
特許文献4に記載の脚付カップは、段差61aを有する逆円錐状カップ61を嵌着状態にするために切目60aを設けているのであって、サイズの異なる飲料用カップを保持するために切目60aを設けているのではない。帯板60は金属製であり、段差部61aが設けられているので、切目60aがあったとしても、実際には、逆円錐状カップ61の取り外しには、かなりの力を要する。すなわち、特許文献4に記載された構造では、サイズの異なる飲料用カップを保持するホルダーを提供することはできない。当然、飲料用カップを保持したまま、飲用するという効果も得ることができない。
【0017】
特許文献5に開示されている器具50は、円筒形製品51をつかみ取るために、切り込み50a及び50bを設けている。器具50は、サイズの異なる飲料用カップの保持器具としては、不適切である。すなわち、特許文献5に記載された構造では、サイズの異なる飲料用カップを保持するホルダーを提供することはできず、かつ、飲料用カップを保持したまま、飲用するという効果を得ることができない。
【0018】
特許文献6に開示されている器具40は、高温のコップ41を持ち上げるために大きな間隙40aを有する円錐状となっているだけであって、サイズの異なる飲料用カップを適切に保持するためのホルダーとして使用することはできない。小さいサイズの飲料用カップを用いた場合、大きな間隙40aから外れてしまう可能性が十分にある。結局、手で握ることによって、コップ41をつかんでいるに過ぎず、飲料用カップを保持したまま、飲用するというホルダーとしては使えない。
【0019】
特許文献7に開示されている飲料用容器ホルダーに設けられたスロットは、明らかに、
サイズの異なる飲料用カップを保持するためのものではない。
【0020】
以上のように、サイズの異なる飲料用カップを、少ない力で簡単にかつ安定的に保持することができ、かつ、飲料用カップを保持したまま内容物を飲用することができる適切なカップホルダーは、未だ提案されておらず、実用化もされていない。
【0021】
それゆえ、本発明の目的は、サイズの異なる飲料用カップを、少ない力で簡単にかつ安定的に保持することができ、かつ、飲料用カップを保持したまま内容物を飲用することができるカップホルダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、可撓性を有する樹脂によって成形されており、逆円錐台状を有するサイズの異なる二種以上の飲料用カップを保持するためのカップホルダーであって、取手部と、取手部と共に一体形成されており、上端部から下端部に向けて形成された間隙部を有し、内容物を含む各種類の飲料用カップが挿入された状態で取手部を使って持ち上げられたときに、内容物の重量と樹脂の弾性とによって、間隙部を拡げると共に、飲料用カップを内接させて保持する逆円錐台状の保持部とを備え、各種類の飲料用カップが保持部に内接して保持されている状態において、各種類の飲料用カップの飲み口部分が保持部と重ならないことを特徴とする。
【0023】
好ましくは、飲料用カップが内接されて保持部に保持されている状態で、飲料用カップを卓上に置いた場合、当該状態が維持されているとよい。
【0024】
好ましくは、間隙部は、曲線状に形成されているとよい。
【0025】
好ましい実施形態では、間隙部は、鉤型状を有するとよい。
【0026】
好ましくは、間隙部は、保持部の外側面において、取手部を正面に見たときの右側に形成されているとよい。
【0027】
好ましくは、保持部は、内側面に、摩擦力強化手段を含むとよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、保持部に間隙部を設け、保持部の弾性を利用して、サイズの異なる二種以上の飲料用カップを保持することができるカップホルダーが提供される。飲料用カップを固定するために、本発明では、内容物を含む飲料用カップの重力、保持部の弾性、及び、飲料用カップと保持部の内側面との摩擦を利用しているので、少ない力で簡単にかつ安定的に飲料用カップを保持することができる。さらに、飲料用カップが安定的に保持されているので、取手部を傾けることによって、カップホルダーに飲料用カップが挿入された状態で内容物を飲用することが可能となる。よって、サイズの異なる飲料用カップを、少ない力で簡単にかつ安定的に保持することができ、かつ、飲料用カップを保持したまま内容物を飲用することができるカップホルダーが提供されることとなる。本発明に係るカップホルダーは、樹脂成形によって得られるので、実用化への貢献度が大きい。
【0029】
また、飲料用カップが内接されて保持された状態で卓上に置くことも可能であるので、使い勝手のよいカップホルダーが提供されることとなる。
【0030】
また、間隙部を鉤型状等の曲線状にすることによって、保持部によって飲料用カップホルダーを圧迫する力を分散させることができる。これにより、飲料用カップをより安定的にかつ安全に保持することができるカップホルダーが提供される。特に、紙コップ等のように、弱い構造を有する飲料用カップに適したカップホルダーが提供される。
【0031】
さらに、取手部を正面に見たときの右側に間隙部が形成されているので、文字や図柄等のサインを表示可能な平坦な領域が保持部に多く設けられることとなる。これにより、本発明のカップホルダーに広告や注意書き等のサインを印刷することなどが可能となり、デザイン面での効果が得られる。
【0032】
また、取手部を正面に見たときの右側に間隙部が形成され、かつ当該間隙部を鉤型状等の曲線状にすることによって、弾性力の分散が生じ、飲料用カップを安定して保持することができ、利き腕に関係なく、飲用の際、飲料用カップを安定的に保持可能なカップホルダーが提供されることとなる。
【0033】
また、摩擦力強化手段を設けることによって、飲料用カップの保持力が強化される。
【0034】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、本発明の一実施形態に係るカップホルダー10を示す斜視図である。図1において、カップホルダー10は、保持部1と、取手部4とを備える。保持部1は、上端部から下端部に向けて形成された間隙部3を有する。保持部1と取手部4とは、可撓性を有する樹脂によって一体成形されている。保持部1には、サイズの異なる二種以上の飲料用カップ2がその底面側から挿入される。飲料用カップ2は、逆円錐台状を有している。飲料用カップ2の形状に合わせて、保持部1も逆円錐台状を有している。
【0036】
図2は、間隙部3を正面にしたときのカップホルダー10を示す正面図である。なお、図2では、間隙部3の形状を明確にするために、間隙部3の背後に現れるべき描線は省略されている。図2に示すように、間隙部3は、保持部1の上端部から下端部に向けて鉤型状に、保持部1に切り込まれて形成されている。
【0037】
図3は、間隙部3を正面にしたときのカップホルダー10を示す平面図である。図3に示すように、保持部1において、間隙部3は、取手部4の対向する側Aには、設けられていない。間隙部3は、保持部1の外側面において、取手部4を正面に見たときの右側に形成されている。
【0038】
次に、飲料用カップ2がカップホルダー10に保持されるときの様子について説明する。ここでは、Sサイズの飲料用カップ2a及びLサイズの飲料用カップ2bが保持される場合を例にして説明する。
【0039】
図4は、Sサイズの飲料用カップ2aが保持されるときの様子を示す正面図である。飲料用カップ2aに内容物が含まれた状態で取手部4を使ってカップホルダー10を持ち上げた場合、内容物の重量によって、飲料用カップ2aには、鉛直下方向の力が加わる。カップホルダー10は、可撓性を有する樹脂(たとえば、ポリプロピレン等)によって成形されているので、保持部1の弾性によって、間隙部3は少し広がる。加えて、保持部1の弾性による圧迫によって、飲料用カップ2aが保持部1に内接することとなる。飲料用カップ2aが保持部1に内接して保持されている状態において、飲料用カップ2aの飲み口部分Bは、保持部1と重ならないようになっている。なお、飲み口部分とは、飲料用カップに口をつけて内容物を飲用する際に、唇があたる領域のことをいう。さらに、飲料用カップ2aが保持部1に内接されて保持されている状態において、カップホルダー10を卓上に置いた場合、その内接保持状態は、維持されるようになっている。すなわち、カップホルダー10に加わる重力と保持部1が弾性によって飲料用カップ2aを締め付けることによって生じる摩擦力とが釣り合って、カップホルダー10が落ちないようになっている。
【0040】
図5は、Lサイズの飲料用カップ2bが保持されているときの様子を示す正面図である。飲料用カップ2bに内容物が含まれた状態で取手部4を使ってカップホルダー10を持ち上げた場合、重力によって、飲料用カップ2bには、鉛直下方向の力が加わる。飲料用カップ2bに加わる重力は、Sサイズの飲料用カップ2aの場合に比べて大きくなる。したがって、間隙部3の広がる間隔は、Sサイズの飲料用カップ2aの場合に比べて大きくなる。また、Sサイズの飲料用カップ2aの場合と同様、保持部1の弾性による圧迫によって、飲料用カップ2bが保持部1に内接することとなる。飲料用カップ2bが保持部1に内接して保持されている状態において、飲料用カップ2bの飲み口部分Cは、保持部1と重ならないようになっている。さらに、飲料用カップ2bが保持部1に内接されて保持されている状態において、カップホルダー10を卓上に置いた場合、その内接保持状態は、維持されるようになっている。すなわち、カップホルダー10に加わる重力と保持部1が弾性によって飲料用カップ2bを締め付けることによって生じる摩擦力とが釣り合って、カップホルダー10が落ちないようになっている。
【0041】
保持部1の上端部の内径L1及び下端部の内径L2(図2参照)、並びに保持部1の厚みを適切に選択して、弾性力を調整することによって、図4及び図5に示すような状態を得ることができる。そのための具体的な寸法は、当業者であれば設計可能である。
【0042】
上記では、Sサイズ及びLサイズという二種類のサイズを例にとって説明したが、三種類以上のサイズの飲料用カップについても、取手部4を持ち上げたときに飲料用カップが保持部1に内接保持され、かつ、飲料用カップを卓上に置いたとしても内接保持された状態を維持するように、内径L1及び内径L2並びに保持部1の厚みを適切に選択することは、当業者であれば可能である。
【0043】
また、飲料用カップの飲み口部分が保持部1に重ならないようにするという観点において、保持部1の高さは、使用対象となる二種以上の飲料用カップの高さに応じて決められているとよい。
【0044】
さらに、カップホルダー10を傾けたときに、飲料用カップが外れてこない程度の摩擦力を得るためには、たとえば、保持部1の高さが各種飲料用カップの高さの1/3以上であればよい。
【0045】
このように、本実施形態によれば、保持部1に間隙部3を設け、弾性を利用することによって、サイズの異なる二種以上の飲料用カップを保持することができるカップホルダー10が提供されることとなる。飲料用カップを固定するために、本実施形態では、内容物を含む飲料用カップの重力、保持部1の弾性、及び、飲料用カップと保持部1の内側面との摩擦を利用しているので、少ない力で簡単にかつ安定的に飲料用カップを保持することができる。さらに、飲料用カップが安定的に保持されているので、取手部4を傾けることによって、カップホルダー10に飲料用カップが挿入された状態で内容物を飲用することが可能となる。また、飲料用カップが内接されて保持された状態で卓上に置くことも可能であるので、使い勝手の優れたカップホルダー10が提供されることとなる。
【0046】
また、本実施形態によれば、間隙部3が鉤型状を有しているので、飲料用カップを保持するための安定性及び器具の安全性が向上するという効果が得られる。その理由は、以下の通りである。
【0047】
本発明には、図6に示すように、直線上に形成された間隙部5を有するカップホルダー11も含まれる。しかし、直線上に間隙部5を形成した場合、飲料用カップを締め付ける弾性力が間隙部5を中心として、直線上に集中する可能性がある。これによって、飲料用カップとして紙コップを使用している場合、当該紙コップを変形させてしまい、安定性及び安全性の面で問題が生じる可能性がある。一方、鉤型状に間隙部3を形成すれば、丁度、人が紙コップを指で大事につかむように、紙コップを締め付ける弾性力を分散させることができる。以上のような理由から、鉤型状の間隙部3を利用することによって、安定性及び安全性の向上が期待できる。
【0048】
弾性力の分散の観点から、図7に示すように、間隙部6を波線状に形成したカップホルダー12であっても、同様の効果が得られると期待できる。
【0049】
なお、図1や図7に示した間隙部6の形状は一例であって、間隙部が曲線状に形成されていれば、安定性及び安全性の向上という効果が得られるので、これらに限定されるものではないことはいうまでもない。当然、鉤型部分の数や波線の数も限定されるものではない。
【0050】
また、本実施形態では、間隙部3が取手部4を正面に見たときの右側に形成されているので、右利きの者がカップホルダー10を利用する場合に、飲料用カップを安定的に保持することができるという効果が期待できる。なぜなら、通常、右利きの者は、右手で取手部4を持って、内容物を飲用する。したがって、カップホルダーを傾けた場合、間隙部3が形成されていない側に、飲料用カップの重力が加わることとなる。間隙部3が取手部4を正面に見たときの右側に形成されていれば、飲料用カップの重力が間隙部3に加わることを防止することができるので、飲料用カップの安定的な保持が期待できる。なお、間隙部を鉤型状や波線状等の曲線状に形成することによって、もし、間隙部側に飲料用カップを傾けたとしても、間隙部に加わる重力が分散するので、飲料用カップの安定的な保持が期待できる。そのような観点から、取手部を正面に見たときの右側に間隙部を設けることは、利き腕を問わず利用可能であるという点で、優れている。同様の考えにより、間隙部は、保持部の外側面において、取手部を正面に見たときの左側に形成されていてもよい。
【0051】
また、間隙部を取手部の対向する位置に設けないことによって、保持部表面の平坦な部分を増やすことができるので、広告・注意書き・イラスト等、各種のサインを印刷したりすることができるなど、デザイン面での効果も得られる。
【0052】
当然、本発明は、間隙部を取手部の対向する位置に設けることを除外するものではない。間隙部を取手部の対応する位置に設けることによって、利き腕を問わず利用できる。
【0053】
なお、保持部3の内側面と飲料用カップ2の外側面との摩擦力を強化するために、図8に示すように、保持部3の内側面にゴムやフェルト等の摩擦力強化素材7を付けてもよいし、図9に示すように、保持部3の内側面を微細凹凸構造8としてもよい。その他、保持部3の内側面には、摩擦力を強化するためのあらゆる周知の手段を利用できる。これにより、カップホルダーを持ち上げたときの飲料用カップの保持力の強化、及び、飲料用カップを卓上に置いたときの保持力の強化を図ることができる。
【0054】
なお、本発明のカップホルダーは、図10に示すような形状であってもよい。図10に示すように、カップホルダー13において、保持部1の下端部分が飲料用カップ2の底部分を覆うように、保持部1の高さが決められていてもよい。この場合、サイズの異なる各種類の飲料用カップ2のそれぞれの底部分を覆うように、保持部1の高さを決定することは、適宜設計可能である。また、サイズの小さい飲料用カップの場合に底部分を全て覆うようにし、サイズの大きい飲料用カップの場合には、一部、底部分が露出しているようになっていてもよい。また、サイズの大きい飲料用カップの場合に底部分を全て覆うようにし、サイズの小さい飲料用カップの場合には、一部、底部分が露出しているようになっていてもよい。さらに、サイズの異なる各種類の飲料用紙コップのそれぞれについて、底部分の一部が露出していてもよい。すなわち、保持部1において、取手部4よりも下側の長さは、適宜設計可能な事項である。なお、保持部1の高さが高くなるほど、飲料用カップ2と保持部1との接触面積が大きくなるので、摩擦力及び弾性力が強化され、飲料用カップ2の保持力が強化されることとなる。また、飲料用カップ2の下部の露出を防止することとなるので、火傷防止というメリットも得られる。
【0055】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係るカップホルダーは、サイズの異なる飲料用カップを安定的に保持することが可能であり、産業上利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係るカップホルダー10を示す斜視図
【図2】間隙部3を正面にしたときのカップホルダー10を示す正面図
【図3】間隙部3を正面にしたときのカップホルダー10を示す平面図
【図4】Sサイズの飲料用カップ2aが保持されるときの様子を示す正面図
【図5】Lサイズの飲料用カップ2bが保持されているときの様子を示す正面図
【図6】本発明の他の実施形態に係るカップホルダー11を示す斜視図
【図7】本発明の他の実施形態に係るカップホルダー12を示す斜視図
【図8】摩擦力強化素材7を取り付けたカップホルダー10を示す斜視図
【図9】微細凹凸構造8を有するカップホルダー10を示す斜視図
【図10】保持部1を高くしたカップホルダー13を示す斜視図
【図11】従来のホルダーの一例を示す斜視図
【図12】カップホルダー91の下部の断面図
【図13】特許文献2に示されているホルダー80を示す斜視図
【図14】特許文献3に示されているホルダー73を示す斜視図
【図15】特許文献3に示されているホルダーの他の例を示す斜視図
【図16】特許文献4に記載の脚付カップの斜視図
【図17】特許文献5に記載の器具50の斜視図
【図18】特許文献6に記載の器具40の斜視図
【符号の説明】
【0058】
1 保持部
2 飲料用カップ
2a Sサイズの飲料用カップ
2b Lサイズの飲料用カップ
3,5,6 間隙部
4 取手部
7 摩擦力強化素材
8 微細凹凸構造
10,11,12,13 カップホルダー
B,C 飲み口部分
【出願人】 【識別番号】504400148
【氏名又は名称】大社工業株式会社
【出願日】 平成18年9月13日(2006.9.13)
【代理人】 【識別番号】100136847
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼山 嘉成


【公開番号】 特開2008−67827(P2008−67827A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−247787(P2006−247787)