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【発明の名称】 仏壇
【発明者】 【氏名】筒井 肇

【要約】 【課題】扉が閉じている場合においても仏壇の内部を透視することができ、仏壇内部の安置物に対して不敬にならないように扉を開閉することができ、仏壇の荘厳性を演出することができ、埃や虫の侵入を阻止することのできる仏壇を提供すること。

【構成】仏壇の前面の開口7を開閉自在に覆う扉9と、この扉9を開閉駆動する扉開閉装置10とを有する仏壇において、前記扉9は、前記開口7を中央から左右に開閉する左右一対の扉体11L、11Rを有し、当該左右の扉体11L、11Rが、閉状態において前記開口7の少なくとも中央部分において前側の扉の背面と後側の扉の前面とが対面するように前後に重なるとともに、当該重なり部分の少なくとも一部が内部を透視できる素材14Lb、14Rbによって形成されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仏壇の前面の開口を開閉自在に覆う扉と、この扉を開閉駆動する扉開閉装置とを有する仏壇において、
前記扉は、前記開口を中央から左右に開閉する左右一対の扉体を有し、当該左右の扉体が、閉状態において前記開口の少なくとも中央部分において前側の扉の背面と後側の扉の前面とが対面するように前後に重なるとともに、当該重なり部分の少なくとも一部が内部を透視できる素材によって形成されていることを特徴とする仏壇。
【請求項2】
前記左右の扉体は、それぞれ左右方向に分割された複数の扉板によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の仏壇。
【請求項3】
前記左右の扉体の最も中央側に位置する扉板が、閉状態において前記開口の少なくとも中央部分において前側の扉の背面と後側の扉の前面とが対面するように前後に重なるとともに、当該重なり部分の少なくとも一部が内部を透視できる透明または半透明の素材によって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の仏壇。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、仏壇に係り、特に左右に開閉される扉を備えた仏壇に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、仏壇には種々の形式のものが用意されており、近年においては、仏壇の前面の開口に左右に開閉自在に設けられている扉を扉開閉装置によって自動的に開閉させる仏壇が多く提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この種の仏壇の従来例としては、図6(a)(b)に示すように、箱状の仏壇51の前面の開口52に左右対称型の扉53L、53Rが観音開き状に設けられている。各扉53L、53Rはそれぞれ左右に分割された2枚の扉板54、54によって形成されており、図示しない扉開閉装置によって、図6(a)に示すように、両翼を広げるように開放されたり、同図(b)に示すように、折り畳むようにして開放される。
【0004】
【特許文献1】特開平11−46971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の扉53L、53Rは、左右対称型に形成されているとともに、開閉時において、左右の扉53L、53Rの中央側の端部同士を対面させて会合させるように形成されている。
【0006】
本来的に、本尊(仏像は曼陀羅)あるいは位牌は仏壇51内の中央部分に安置されるために、図6に示すような構造の扉53L、53Rにおいては、開く際に互いに離れる扉53L、53Rによって中央から安置物を割るような印象を礼拝者に与え、閉まる際には扉53L、53Rの端部で内部の安置物を左右から圧迫するような印象を礼拝者に与えてしまうので、荘厳さを失うばかりか、失礼で申し訳ない感情を抱かせていた。また、左右の扉53L、53Rの間より埃や虫が仏壇51内に入るという不都合もあった。
【0007】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、扉が閉じている場合においても仏壇の内部を透視することができ、左右に開閉する扉の中央部の端部の存在感が薄れ、これにより扉の開閉の際に更に安置物を割ったり、圧迫したりする印象を和らげることができ、仏壇内部の安置物に対して不敬にならないように扉を開閉することができ、また、内部照明を扉の開閉と連動して点灯・消灯させること等によって仏壇の荘厳性を演出することができ、また、埃や虫の侵入を阻止することのできる仏壇を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明に係る仏壇は、仏壇の前面の開口を開閉自在に覆う扉と、この扉を開閉駆動する扉開閉装置とを有する仏壇において、前記扉は、前記開口を中央から左右に開閉する左右一対の扉体を有し、当該左右の扉体が、閉状態において前記開口の少なくとも中央部分において前側の扉の背面と後側の扉の前面とが対面するように前後に重なるとともに、当該重なり部分の少なくとも一部が内部を透視できる素材によって形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の仏壇によれば、左右の扉体が、閉状態において開口の少なくとも中央部分において前側の扉の背面と後側の扉の前面とが対面するように前後に重なるとともに、当該重なり部分の少なくとも一部が内部を透視できる素材によって形成されているので、扉が閉じている場合においても仏壇の内部を透視することができ、左右に開閉する扉の中央部の端部の存在感が薄れ、これにより扉の開閉の際に安置物を割ったり、圧迫したりする印象を和らげることができ、仏壇内部の安置物に対して不敬にならないように扉を開閉することができ、また、内部照明を扉の開閉と連動して点灯・消灯させること等によって仏壇の荘厳性を演出することもでき、埃や虫の侵入を阻止することもできる。
【0010】
また、本発明の仏壇においては、左右の扉体をそれぞれ左右方向に分割された複数の扉板によって形成するとよい。これにより、扉を観音開き状に形成することができる。
【0011】
また、本発明の仏壇においては、左右の扉体の最も中央側に位置する扉板が、閉状態において開口の少なくとも中央部分において前側の扉の背面と後側の扉の前面とが対面するように前後に重なるとともに、当該重なり部分の少なくとも一部が内部を透視できる透明または半透明の素材によって形成されていることを特徴とする。
【0012】
これにより本発明の仏壇はより品位の高い荘厳性を演出することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように、本発明に係る仏壇によれば、扉が閉じている場合においても仏壇の内部を透視することができ、左右に開閉する扉の中央部の端部の存在感が薄れ、これにより扉の開閉の際に更に安置物を割ったり、圧迫したりする印象を和らげることができ仏壇内部の安置物に対して不敬にならないように扉を開閉することができ、また、内部照明を扉の開閉と連動して点灯・消灯させること等によって仏壇の荘厳性を演出することができ、埃や虫の侵入を阻止することができるという優れた効果を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る仏壇の実施形態を図1から図5により説明する。
【0015】
図1から図5は本発明の仏壇の一実施形態を示している。
【0016】
本実施形態の仏壇は、図1から図5に示すように、2枚の外側板1、1の上下に渡した天板2および底板3の間に、2枚の内側板5、5と奥板6とを設けて箱状で前面に開口7を有する仏壇本体8を設けている。開口7の前面部分には、開口7を開閉自在に覆う扉9が設けられており、天板2の上面にこの扉9を開閉駆動する扉開閉装置10が設けられている。
【0017】
更に説明すると、本実施形態においては、扉9は、開口7を中央から左右に開閉する左右一対の扉体11L、11Rを有している。この左右の扉体11L、11Rは、図1および図4の実線に示すように、閉状態において開口7の少なくとも中央部分aにおいて前後に重なるとともに、当該重なり部分の少なくとも一部が内部を透視できる素材、例えば、透明若しくは半透明なガラス板、樹脂板等によって形成されている。各扉体11L、11Rとしては、それぞれ左右方向に複数の扉板12La、12Lb、12Ra、12Rbに分割するとよく、本実施形態においては外側の扉板12La、12Raと内側の扉板12Lb、12Rbとの2枚によって形成されている。外側の扉板12La、12Raは、それぞれ基端部を内側板5、5の前端部に図示しないヒンジをもって鉛直軸回りに回動自在に取り付けられている。内側の扉板12Lb、12Rbは、それぞれ基端部を外側の扉板12La、12Raの前端部にヒンジ13L、13Rをもって鉛直軸回りに回動自在に取り付けられている。各扉体11L、11Rが3枚以上の扉板より形成される場合には、同様にして各扉板を連結して増設するとよい。左右の扉体11L、11Rの最も中央側に位置する扉板、即ち本実施形態の内側の扉板12Lb、12Rbは、外側の本体部分14La、14Raの内側に透明若しくは半透明なガラス板、樹脂板等からなる透視用板部分14Lb、14Rbを取り付けて形成されており、各透視用板部分14Lb、14Rbが閉状態において開口7の少なくとも中央部分aにおいて前後に重なるように形成されている。これにより、内側の扉板12Lb、12Rbは、閉状態において開口7の少なくとも中央部分aにおいて各透視用板部分14Lb、14Rbが前後に重なるとともに、当該重なり部分の少なくとも一部(本実施形態においては上下方向を含めた全部)において内部を透視可能とさせている。この透視用板部分14Lb、14Rbの形状は、仏壇本体8内に納める本尊等の種類や、設計コンセプトに従って変更するとよい。また、透視用板部分14Lb、14Rbを除く板材の素材は、通常は木製とするとよく、表面に対する装飾を必要に応じて施すとよい。
【0018】
扉開閉装置10としては、公知の構成のものを用いることができる。本実施形態においては、図5に示すように、内側の扉板12Lb、12Rbからそれぞれ上向きに突設させた摺動軸15L、15Rを、天板2に貫通形成した案内溝16L、16Rを挿通させ、扉開閉装置10の2本のアーム17L、17Rによって各摺動軸15L、15Rを移動させることにより、左右の扉体11L、11Rを開閉させるように形成されている。更に説明すると、天板2の上面に左右に長いフレーム18が固着され、当該フレーム18の左右に回転自在に取り付けた駆動輪19と従動輪20との間に無端状のタイミングベルト21がかけ回されており、駆動輪19が駆動モータ22によって正逆回転させられるようになっている。タイミングベルト21の上下辺部分にはそれぞれ取付ステー23L、23Rが固着されており、各摺動軸15L、15Rとの間にアーム17L、17Rの両端部を回動自在に枢着して連結されている。フレーム18の上辺部分には、取付ステー23Lと接触することにより扉9の開閉動作を停止させる閉時リミットスイッチ24および開時リミットスイッチ25が固着されている。
【0019】
次ぎに、本実施形態の作用を説明する。
【0020】
図1、図4および図5は本実施形態の仏壇の扉9の閉状態を示している。
【0021】
本実施形態によれば、左右の扉体11L、11Rの閉状態において、開口7の少なくとも中央部分aにおいて内側の扉板12Lb、12Rbの各透視用板部分14Lb、14Rbが前側の扉の背面と後側の扉の前面とが対面するように前後に重なるとともに、透明若しくは半透明なガラス板、樹脂板等からなる内部を透視できる素材によって形成されているので、扉9が閉じている場合においても、仏壇の内部を透視することができ、左右に開閉する扉の中央部の端部の存在感が薄れ、これにより扉9の開閉の際に安置物を割ったり、圧迫したりする印象を和らげることができ、仏壇内部の安置物に対して不敬にならないように扉9を開閉することができる。更に、仏壇内部に設けた照明装置(図示せず)によって本尊等をライトアップしたり、内部照明を扉9の開閉と連動して点灯・消灯させること等によって品位の高い仏壇の荘厳性を演出することができ、また、埃や虫の侵入を阻止することもできる。
【0022】
扉9の開動作
図5に示すように、扉9の閉状態においては、2本のアーム17L、17RはX字状にクロスした状態とされている。
【0023】
この状態からリモコン等の操作手段(図示せず)によってモータ22を駆動させて駆動輪19を図5において反時計回りに回転させると、タイミングベルト21も反時計回りに回動し、一方の取付ステー23Lが左向きに移動し、他方の取付ステー23Rが右向きに移動する。これに伴って、両アーム17L、17Rに連結されている摺動軸15L、15Rがそれぞれ案内溝16L、16Rに沿って左右方向に移動させられる。これによって左右の扉体11L、11Rが、扉板12La、12Lb、12Ra、12Rbを折り畳むようにしながら次第に開放されて行く。図2および図4の破線は扉板12La、12Lb、12Ra、12Rbの途中開放状態を示し、図3および図4の破線は扉板12La、12Lb、12Ra、12Rbの完全開放状態を示している。この完全開放状態になると、取付ステー23Lが開時リミットスイッチ25に当接して、モータ22への通電を停止させて、開動作が終了される。
【0024】
扉9の閉動作
図3の扉9の完全開放状態からリモコン等の操作手段によってモータ22を逆回転駆動させて駆動輪19を図5において時計回りに回転させると、タイミングベルト21も時計回りに回動し、一方の取付ステー23Lが右向きに移動し、他方の取付ステー23Rが左向きに移動する。これに伴って開動作時と逆動作によって、左右の扉体11L、11Rが、扉板12La、12Lb、12Ra、12Rbを広げるようにしながら閉じられて行き、完全閉状態になると、取付ステー23Lが閉時リミットスイッチ24に当接して、モータ22への通電を停止させて、開動作が終了される。
【0025】
また、モータ22と駆動輪19との間には図示しないクラッチ手段が介在させられており、扉9を必要に応じて手動によって開閉させることができる。
【0026】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の仏壇の一実施形態を示し、扉の閉状態における正面図
【図2】図1の実施形態の扉の途中開放状態を示す正面図
【図3】図1の実施形態の扉の開状態を示す正面図
【図4】図1の4−4線に沿った断面図
【図5】本発明の扉開閉装置を示す斜視図
【図6】(a)および(b)はそれぞれ従来の仏壇の扉の開閉状態を示す平面図
【符号の説明】
【0028】
7 開口
8 仏壇本体
9 扉
10 扉開閉装置
11L、11R 左右の扉体
12La、12Lb、12Ra、12Rb 扉板
14Lb、14Rb 透視用板部分
【出願人】 【識別番号】391021628
【氏名又は名称】株式会社法月商店
【出願日】 平成18年8月30日(2006.8.30)
【代理人】 【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔

【識別番号】100085084
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 高英

【識別番号】100095326
【弁理士】
【氏名又は名称】畑中 芳実

【識別番号】100115314
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 奈緒子

【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 房枝

【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之

【識別番号】100123858
【弁理士】
【氏名又は名称】磯田 志郎


【公開番号】 特開2008−54807(P2008−54807A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−233532(P2006−233532)