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【発明の名称】 壁面取付構造
【発明者】 【氏名】伊藤 知行

【要約】 【課題】摩擦力を増強させる部材を壁面に押し付けることで壁面に対象物を固定する壁面固定構造において、壁面が凹凸を有していたり、曲面で構成されていたりしても使用できるようにすることを課題とする。

【構成】壁面に対象物を取り付ける壁面固定構造でとして、硬質の板体により形成される、前記対象物を支持する押さえ板と、前記押さえ板裏面全体に設けられる押し付けられると壁面に沿って変形する部材により形成される摩擦力付加部材と、前記壁面に固定される壁面支持体と、前記壁面支持体と前記押さえ板との間を連結し、前記押さえ板に前記摩擦力付加部材側へ押圧力を加える押圧力付加手段とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に対象物を取り付ける壁面固定構造であって、
硬質の板体により形成される、前記対象物を支持する押さえ板と、
前記押さえ板裏面全体に設けられる押し付けられると壁面に沿って変形する部材により形成される摩擦力付加部材と、
前記壁面に固定される壁面支持体と、
前記壁面支持体と、前記押さえ板との間を連結し、前記押さえ板に前記摩擦力付加部材側へ押圧力を加える押圧力付加手段と
を有する壁面固定構造。
【請求項2】
前記摩擦力付加部材は低反発素材合成樹脂を主材料とするものである請求項1に記載の壁面固定構造。
【請求項3】
前記壁面支持体は、曲線部分もしくは角部分を有する壁面に沿って固定される線状部材により形成される請求項1又は2に記載の壁面固定構造。
【請求項4】
前記線状部材は、前記押圧力付加手段の一端が係合できる溝が表面に沿って形成される請求項3に記載の壁面固定構造。
【請求項5】
前記壁面固定構造において、前記押さえ板は2以上設けられるものであって、押さえ板同士は互いの相対的な取り付け角度が変更可能に形成される
請求項1から4のいずれか1項に記載の壁面固定構造。
【請求項6】
前記摩擦力付加部材内部に、前記押さえ板の裏面から壁面方向に向う弾性体からなる素材から形成される突起が複数分散して設けられる
請求項1から5のいずれか1項に記載の壁面固定構造。
【請求項7】
前記摩擦力付加部材の少なくとも裏面に前記摩擦力付加部材を構成する主材料よりも前記壁面との摩擦係数が高くなる部材である摩擦係数増加部材を設けた請求項1から6のいずれか1項に記載の壁面固定構造。
【請求項8】
前記摩擦係数増加部材は、粒状体もしくは粉状体として前記前記摩擦力付加部材の主材料内に分散して含まれる
請求項7に記載の壁面固定構造。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の前記押さえ板と前記摩擦力付加部材とを含む壁面取り付け用の家具。
【請求項10】
請求項3又は4に記載の前記壁面支持体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は家具や絵画等を壁面に取り付けるための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、家具などの対象物を壁面に取り付ける方法として、家具をL字型の金具などで下方から支持する方法や、対象物の背面を壁面にネジ止めする方法、壁面に設けられたフック等にワイヤー等で吊下げる方法、壁面に固定したブラケットに対象物の背面に形成した係合部材を係合させる方法などがあるが、これらの方法では壁面に固定されるネジなどに対して直接対象物の荷重がかかることになるため、対象物の重さに応じてネジなどを固定する数を増やしたり、ネジの太さを太くしたりする必要があり、壁面に対して多くの穴を開けたり傷をつけたりする。
これに対して、下記特許文献1、2には摩擦力を増強させる部材を壁面に押し付けることで壁面に固定する構造が示されている。このような構造であれば摩擦力を増強させる部材の面積を大きし、押圧力を強くすれば、壁面に沿って上方に向かう力を増強できるので、壁面に対して直接穴を開けたり、傷つけたりすることを少なくすることが可能である。
【特許文献1】実開昭57−117410号公報
【特許文献2】特開2005−240999公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1、2に記載の発明では壁面が平らなことが前提となっている。しかし、壁面には凹凸があったり、曲面で構成されているものがあったりするために、場合によっては上記のような構造を使用できない場合がある。
本発明はこのような問題に鑑み、摩擦力を増強させる部材を壁面に押し付けることで壁面に対象物を固定する壁面固定構造において、壁面が凹凸を有していたり、曲面で構成されていたりしても使用できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を有する。
請求項1に記載の発明は、壁面に対象物を取り付ける壁面固定構造であって、硬質の板体により形成される、前記対象物を支持する押さえ板と、前記押さえ板裏面全体に設けられる押し付けられると壁面に沿って変形する部材により形成される摩擦力付加部材と、前記壁面に固定される壁面支持体と、前記壁面支持体と前記押さえ板との間を連結し、前記押さえ板に前記摩擦力付加部材側へ押圧力を加える押圧力付加手段とを有する。なお、「対象物を支持」するとは、直接支持する場合のみならず、他の部材を介して間接的に支持する場合が含まれる。また、押さえ板は裏面全体が摩擦力付加部材に当接している部分を指し、押さえ板の周囲に摩擦力付加部材にかからない付加的な部分が設けられる場合もありえる。さらに、押圧力付加手段による壁面支持体と押さえ板との連結は、壁面支持体と押さえ板を直接連結する場合のみならず、他の部材を介して間接的に連結する場合が含まれる。
請求項2に記載の発明は、前記壁面固定構造において、前記摩擦力付加部材が低反発素材合成樹脂を主材料として形成されるものである。なお、低反発合成樹脂とは、押圧力に対して緩やかに変形し、変形した形状を保持したまま反発する発泡合成樹脂であり、発泡ウレタンや、発泡ポリスチレン等が例示される。また、主材料とは、摩擦力付加部材の50%以上を構成する部材を構成する材料を意味するものとする。
請求項3に記載の発明は、前記壁面固定構造において、前記壁面支持体は、曲線部分もしくは角部分を有する壁面に沿って固定される線状部材により形成されるものである。
請求項4に記載の発明は、前記壁面固定構造において、前記線状部材は、前記押圧力付加手段の一端が係合できる溝が表面に沿って形成されるものである。
【0005】
請求項5に記載の発明は、前記壁面固定構造において、前記押さえ板は2以上設けられるものであり、押さえ板同士は互いの相対的な取り付け角度が変更可能に形成されるものである。
請求項6に記載の発明は、前記壁面固定構造において、前記摩擦力付加部材内部に、前記押さえ板の裏面から壁面方向に向う弾性体からなる素材から形成される突起が複数分散して設けられるものである。
請求項7に記載の発明は、前記壁面固定構造において、前記摩擦力付加部材の少なくとも裏面に前記摩擦力付加部材の主材料よりも前記壁面との摩擦係数が高くなる部材である摩擦係数増加部材を設けたものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の壁面固定構造において、前記摩擦係数増加部材は、粒状体もしくは粉状体として前記摩擦力付加部材の主材料内に分散して含まれるものである。
請求項9に記載の発明は、前記押さえ板と前記摩擦力付加部材とを含む壁面取り付け用の家具である。なお、家具には、棚やテーブルなど他、絵画などの装飾物、テレビなどの家庭用電化製品、時計やカレンダーが含まれる。
請求項10に記載の発明は、請求項2又は3に記載の前記壁面支持体である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明は、壁面に固定される壁面支持体と押圧力付加手段により押さえ板とこれに押えられる摩擦力付加部材が壁面に押さえつけられ、この摩擦力付加部材と壁面との摩擦力により壁面に平行な方向の力を支持することができ、さらに、摩擦力付加部材が壁面に沿って変形する部材により形成されるので、壁面が凹凸を有したり、曲面により構成されていたりしても、摩擦力付加部材は壁面に沿って変形し、壁面に対する摩擦力を維持することができる。
請求項2に記載の発明は、摩擦力付加部材を低反発泡合成樹脂により形成することで、比較的簡易に製造することができる。
請求項3に記載の発明は、壁面支持体を曲線部分や角部分を有する線状部材により形成した場合に、壁面から壁面支持体が突出していても、摩擦力付加部材が変形することで、対応することができ、壁面支持体により壁面に種々の装飾を施すことができる。
請求項4に記載の発明は、壁面支持体表面側に押圧力付加手段に係合する溝を構成することで、押圧力付加手段の構成を簡易にすることができる。
【0007】
請求項5に記載の発明は、2以上の押さえ板の互いの取り付け角度を変更可能とすることで、摩擦力付加部材の変形だけでは対応できない、大きな曲面に対しても押さえ板の角度を取付面に沿うように変更することで対応することができる。
請求項6に記載の発明は、弾性体からなる素材から形成される突起が摩擦力付加部材内部に設けられることにより、押圧によって変形した突起が反発することにより摩擦力付加部材裏面側の押圧力を高めることができる。
請求項7に記載の発明は、前記摩擦力付加部材の少なくとも裏面に前記摩擦力付加部材の主材料よりも壁面と摩擦係数が高くなる摩擦係数増加部材を設けることで、壁面との摩擦力を高くすることができ、耐荷重を増加させることができる。
請求項8に記載の発明は、摩擦係数増加部材が粒状態もしくは粉状体として摩擦力付加部材の主材料内に設けられることで、摩擦を高めた摩擦力付加部材を比較的容易に製造することができる。
請求項9に記載の発明は、押さえ板と摩擦力付加部材を壁面取り付け用の家具が有することで、押圧力付加手段により壁面に固定される壁面支持体と押さえ板とを連結させて押さえつけることで、当該家具を壁面に固定することができる。
請求項10に記載の発明は、壁面支持体を壁面に固定しておけば、任意の位置に、請求項9に記載の家具を固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に本実施の形態に係る壁面固定構造Aにより取り付けられた壁面取付具Xの斜視図を示し、図2に壁面取付具Xの壁面を含む縦断面図を示し、図3に図1の分解斜視図を示す。壁面取付具Xは、押さえ板10、摩擦力付加部材20、壁面支持体30、押圧力付加体40とから構成される。
押さえ板10は、長方形状の金属製の板体であり、中央に縦長のスリット状の貫通孔11が設けられている。また、押さえ板10の表面四隅近傍には、家具などを取り付けるための雌ネジが切られた係合部12が設けられている。
摩擦力付加部材20は、低反発ウレタンにより形成される扁平な直方体状であって一面が押さえ板10の表面と同じ形状を有している。摩擦力付加部材20は押さえ板10の裏面全体に貼り付けられており、図示しない押さえ板10の貫通孔11と重なる同形の貫通孔が設けられている。
壁面支持体30は、途中部分にS字状の曲線部を有する壁面に沿う形状を有する金属性のレール体であり、壁面にネジにより固定されている。レール表面には溝31が形成されており、溝の底面部分31aが溝開口部よりやや広くなるように形成されており、溝の断面形状は逆T字状になっている。
押圧力付加体40は、壁面支持体の溝31の底面部分に係合して、溝31内を摺動する円形の板状体からなる溝係合部41、溝係合部41の表面中心に溝31から表出するように立設される連結棒42、連結棒42の先端に設けられる半球状の押さえ部43と、押さえ部43の直下の連結棒42の外周に形成される係合溝42aと、係合溝42aの幅とほぼ合致する厚さを有する、係合溝42aに係合するCリング44とから構成される。連結棒42の太さは押さえ板10の貫通孔11を通る程度であり、連結棒42の長さは、壁面から係合溝42aの下端側までの長さが、摩擦力付加部材20と押さえ板10を合わせた高さよりもやや短くなるような長さに設定されている。
【0009】
次に、以上のような構成を有する壁面取付具Xの使用方法について説明する。なお、壁面Hには、装飾として突起Haが設けられている。まず、使用者は、押圧力付加体40のCリング44をはずした状態で、押圧力付加体40を壁面支持体40の溝31内を摺動させ適当な場所に位置づける。次に、押圧力付加体40の連結棒42に摩擦力付加部材20及びこれに一体に固定される押さえ板10を中央の貫通孔に通し壁面Hに押し付ける。押さえ板10の貫通孔11から連結棒42先端近傍の係合溝42aが表出したら、この係合溝42aにCリング44を嵌める。これにより、低反発ウレタンにより形成される摩擦力付加部材20は、壁面支持体30に当たる部分及び壁面Hの突起Haに当たる部分はへこみ、残りの部分が壁面に当接して押圧することとなる。その後、押さえ板10の係合部12に棚や額などの取り付け対象物を取り付けて作業を完了する。
この壁面取付具Xによる壁面固定構造Aの壁面に平行な方向の耐荷重は主に、壁面Hと摩擦力付加部材20との接触面に発生する摩擦力により決り、壁面に当接する部分の面積を大きくすることで、耐荷重を適宜大きくすることができる。また、摩擦力は壁面への押圧力にも比例するので、押圧力付加体40による押圧力を大きくすることによってもかかる耐荷重を大きくすることができる。さらに、摩擦力付加部材20の壁面Hの突起Haや壁面支持体30によりへこんだ部分も壁面に平行な方向の耐荷重の増加に寄与する一方で、へこむことで他の部分が壁面に接触し、摩擦力を確保することができる。
【0010】
(実施の形態2)
図4に実施形態2に係る壁面固定構造Bにより取り付けられた壁面取付具Yの斜視図を示し、図5に壁面取付具Yの平面図を示す。この壁面取付具Yは、実施形態1に係る壁面取付具Xとほぼ同様の構成を有するが、押さえ板と摩擦力付加部材の形状が円柱形である点と、押圧力付加体が押さえ板の外側の2点から押圧力を付加する点である。壁面取付具Yも、押さえ板50、摩擦力付加部材60、壁面支持体30、押圧力付加体70とから構成される。
押さえ板50は、円形の金属製の板体であり、表面には4箇所、家具などを取り付けるための雌ネジが切られた係合部51が設けられている。
摩擦力付加部材60は、低反発ウレタンにより形成される扁平な円筒状であって一面が押さえ板50の表面と同じ形状を有し、押さえ板50の裏面全体に貼り付けられている。
壁面支持体30は、実施形態1に示すものと同様であるので、説明は省略する。
押圧力付加体70は、と壁面支持体30の溝31の底面部分に係合して、溝31内を摺動する円形の板状体からなる溝係合部71、溝係合部71の表面中心に溝31から表出するように立設される連結棒72、連結棒72の先端に
設けられる板体をL字状に曲げた鉤部73と、鉤部73の水平部分の中心に形成されるネジ穴に係合する押さえネジ74とから構成される。押圧力付加体70は2個で一組として機能する。
【0011】
このような構成を有する壁面固定具Yの使用方法は、2つの押圧力付加体70のそれぞれを適度な間隔だけ離しておき、この押圧力付加体70の間の壁面支持体30を構成するレール上に摩擦力付加部材60及びこれに一体に固定される押さえ板50を押さえつけて摩擦力付加部材60の底面が壁面Hを押圧するようにする。次に、各押圧力付加体70を移動させ、鉤部73の水平部分により押さえ板50の表面を押さえるようにする。最後に、押さえネジ74を締め付けて押さえ板50を壁面H側に押圧することで壁面固定具Yの固定が完了する。その後、押さえ板50の係合部51に棚等を固定すればよい。
この壁面固定具Yによる壁面固定構造Bも実施形態1に係る壁面固定構造Aと同様に壁面に凹凸があっても、摩擦力付加部材60が壁面に密接して摩擦力を発生させることができる。
【0012】
(実施形態3)
図6に実施形態3に係る壁面固定構造Cにより取り付けられた壁面取付具Zの分解斜視図を示し、図7に、壁面固定構造Cにより取り付けられた壁面取付具Zの縦断面図を示す。壁面取付具Zは、棚本体80、摩擦力付加部材90、壁面支持体100、押圧力付加体110とから構成される。
棚本体80は、線材を組み合わせて棚を構成したものであり、両側面を構成する線材をU字状に曲げて構成される側部81と、側部81の底面間を連結して構成される棚板部82と、側部81の後端側に設けられる側部81間を連結する垂直な枠体からなる背面部83と、側部81の4つの端部に設けられる、円形のやや厚い板体からなる押さえ板80aとから構成される。
摩擦力付加部材90は、低反発ウレタンにより形成される押さえ板81aの底面と同じ円形面を有する円筒体であり、押さえ板81aの背面に接着固定されている。
壁面支持体100は、壁面に垂直に、互いに平行に固定される2枚の長い板からなる壁面固定板102と、壁面固定板102のそれぞれから左右対称に水平に立設される脚部材130と、それぞれの壁面固定晩102の脚部材103の先端を連結するように水平に固定される水平部材110とから構成される。水平部材110は、上下に3つ設けられている。
押圧力付加体110は、棚本体80の背面部83のほぼ中心を構成する線材に固定される円筒体の本体に背面側に壁面支持体100の水平部材110に係合する。鉤111が設けられたものである。鉤111の位置は、鉤111を水平部材110に係合させると、摩擦力付加部材90の後端は壁面に当接し、さらに、圧縮されるような位置に設定されている。
【0013】
次に、以上のような構成を有する壁面取付具Zの使用方法について説明する。使用者は、4つの押さえ板80aおよびこれに固定される摩擦力付加部材90を上下方向の中間に壁面支持体100の任意の水平部材110が位置するように壁面に押し付けて摩擦力付加部材90を圧縮させる。この状態で、押圧力付加体110の鉤111を水平部材110に係合させることで、棚本体81が壁面に固定されることとなる。
壁面取付具Zによる壁面固定構造Cは、摩擦力付加部材90が分散しているので、壁面に高低差の大きな凹凸があっても対応することができ、また、対応できない凹凸を適宜避けるようにして取り付けることができる。
【0014】
(実施形態4)
図8に実施形態4に係る壁面固定構造Dにより取り付けられた壁面取付具Wの側面図を示す。壁面取付具Wは、取付干120、摩擦力付加部材130、壁面支持体140、押圧力付加部材150から構成される。
取付干120は、やや湾曲した長い板状体で側面にいくつかの穴122が設けられている、そして、取付干120の両端には、回動軸121により回動自在に固定される押さえ板120aが設けられている。
摩擦力付加部材130は、低反発ウレタンにより形成される押さえ板120aの底面と同じ円形面を有する円筒体であり、押さえ板120aの背面に接着固定されている。
壁面支持体140は、断面円形の棒体であり壁面の表面に水平に固定されている。
押圧力付加部材150は、取付干120の中央に一端を回動自在に固定され、他端にネジが切ってある棒状体からなる連結棒154と、連結棒154の先端に回動自在に固定される可撓体からなるC字状の部材であって、壁面支持体140の壁面側の外周面に係合する狭持片151と、狭持片151の外面が嵌入するU字状の空間を有し、U字状の中心部分で連結棒154に通る穴が形成されている固定ブロック152と、連結棒154先端のネジに係合する締め付けナット153とから構成される。連結棒154の長さは、狭持片151が壁面支持体140を狭持した状態で、摩擦力付加部材130が壁面に押圧されて圧縮する程度に設定されている。
【0015】
このような構成を有する壁面取付具Wの使用方法について以下に説明する。ここでは、壁H2は図8に示すように大きな曲面により形成されているものとする。まず、使用者は、壁面支持体140の任意の位置に押圧力付加部材150の狭持片151を狭持させる。なお、この状態において、摩擦力付加部材130は壁面に押し付けられて圧縮し変形している。次に、狭持片151に固定ブロック152を被せて狭持片151が開かないようにし、この状態で締め付けナット153を締めて固定ブロック152を狭持片151側に押し付け固定する。この状態で狭持片151は開かないので押圧力付加部材150と壁面支持体140とは固定され、壁面取付具Wの固定が完了する。その後は、取付干120の穴122に固定対象物を取り付ければよい。
この壁面取付具Wによる壁面固定構造Dは、押さえ板120aと摩擦力付加部材130が回動するので、壁面H2の曲面にあわせて適当な方向に回動させることで、摩擦力付加部材130の変形だけでは対応できない、より大きな曲面に対応することができる。
【0016】
なお、上記各実施形態において、摩擦力付加部材は低反発ウレタンを使用しているが、曲面や凹凸に対して変形が可能であり、壁面に対して全面で摩擦力を付与できればどのような材質、構造のものでも採用することができる。また、押圧力を調整するために、材料の密度を適宜選択できることはいうまでもなく、さらに、摩擦力や押圧力を強くするために複合材料にすることも可能である。例えば、図9(a1)に示すように、摩擦力付加部材N内に、ゴムでできた突起体Tを壁面に対して垂直になるように設けることが例示される。このようにすることで、(a2)に示すように壁面に押し付けた際に、弾性体である突起体Tが変形することで押圧力を増大させることができる。また、図9(b1)に示すように摩擦力付加部材N内に、ゴムの粒体Rを混入するようにしてもよい。このようにすることで、密度が高くなるので、図9(b2)に示すように、圧縮させた際の押圧力を増加させることができると共に、裏面に表出するゴムの粒体Rが摩擦係数の向上に寄与し、摩擦力を高めることができる。このように摩擦係数を高めるために、摩擦力付加部材Nの裏面にゴムなどの摩擦係数が高くなる摩擦係数増加部材を設けることができ、この場合には、摩擦係数増加部材は摩擦力付加部材Nの変形が容易となるように、小片に分割されていることが望ましい。
【0017】
本発明における壁面固定構造では、壁面支持体Sは、曲がっていたり、角を有していたりしてもよいので、壁面支持体Sは種々の変形が可能である。即ち、図10(a)に示すように、曲線で形成したり、図10(b)に示すように格子状に形成したり、図10(c)に示すように枠状に形成したり、図10(d)に示すように枝状に形成したりすることができる。また、線状に形成される必要はないので、図10(e)に示すように壁面に点在するように設けてもよい。また、壁面支持体Sの壁面Hに対する取り付け高さも、図11(a)に示すように壁面H内に埋め込まれていてもよく、図11(b)に示すように壁面H上の取り付けられていてもよく、さらに、図11(c)に示すように壁面Hから突出していてもよい。このように壁面支持体Sを種々の形状にすることができるので、例えば、図12に示すように壁面Hに固定する対象物Oともに、壁面の装飾に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1に係る壁面固定構造により取り付けられた壁面取付具の斜視図である
【図2】実施の形態1に係る壁面固定構造により取り付けられた壁面取付具の縦断面図である。
【図3】実施の形態1に係る壁面固定構造により取り付けられた壁面取付具の分解斜視図である。
【図4】実施の形態2に係る壁面固定構造により取り付けられた壁面取付具の斜視図である。
【図5】実施の形態2に係る壁面固定構造により取り付けられた壁面取付具の平面図である。
【図6】実施の形態3に係る壁面固定構造により取り付けられた壁面取付具の分解斜視図である。
【図7】実施の形態3に係る壁面固定構造により取り付けられた壁面取付具の縦断面図である。
【図8】実施の形態4に係る壁面固定構造により取り付けられた壁面取付具の側面図である。
【図9】(a1)(a2)は摩擦力付加部材内に壁面に垂直な突起を設けた例を示す図であり、(b1)(b2)は摩擦力付加部材内にゴムでできた突起体を混入させた状態を示す図である。
【図10】(a)〜(d)ともに壁面支持体の変形例を示す正面図である。
【図11】(a)〜(c)は壁面支持体の壁面に対する取り付け高さの例を示す側面図である。
【図12】壁面支持体と取り付け対象物により壁面が装飾された例を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
A、B、C、D 壁面固定構造
X、Y、Z、W 壁面取付具
H、H2 壁面
Ha 突起
10、50、80a、120a 押さえ板
20、60、90、130、N 摩擦力付加部材
30、70、100、140、S 壁面支持体
40、80、110、150 押圧力付加部材
【出願人】 【識別番号】504036475
【氏名又は名称】伊藤 知行
【出願日】 平成18年8月8日(2006.8.8)
【代理人】 【識別番号】100107711
【弁理士】
【氏名又は名称】磯兼 智生


【公開番号】 特開2008−36207(P2008−36207A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−215637(P2006−215637)