トップ :: A 生活必需品 :: A47 家具;家庭用品または家庭用設備;コ−ヒ−ひき;香辛料ひき;真空掃除機一般




【発明の名称】 超高張力鋼板製自動車用シートバックフレーム
【発明者】 【氏名】吉田 正美

【要約】 【課題】部品点数を削減し、軽量化を図れ、寸法精度と共に強度を向上させて溶接作業も容易に行なえるよう自動車用シートバックフレームを構成する。

【構成】超高張力鋼板から所定形状にプレス成形した左右のサイドフレーム1,2と、サイドフレーム1,2の上部間に亘るアッパーメンバー3と、サイドフレーム1,2の下部間に亘るロアメンバー4とを主たる構成部材とし、外郭形状を形取る有幅のメイン面部10,20と、メイン面部10,20の前後縁より内方に立ち上る張出しフランジ部11,12、21,22とからサイドフレーム1,2を断面略内向きのコ字状に形成し、サイドフレーム1,2を主柱としてアッパーメンバー3,ロアメンバー4の両端部をサイドフレーム1,2の内側に嵌め合せると共に、各構成部材の相対する板面相互をスポット溶接で接合させて略四辺形の枠状に組み立てる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超高張力鋼板から所定形状にプレス成形した左右のサイドフレームと、サイドフレームの上部間に亘るアッパーメンバーと、サイドフレームの下部間に亘るロアメンバーとを主たる構成部材とし、外郭形状を形取る有幅のメイン面部と、メイン面部の前後縁より内方に立ち上る張出しフランジ部とから左右のサイドフレームを断面略内向きのコ字状に形成し、各サイドフレームを主柱としてアッパーメンバー,ロアメンバーの両端部をサイドフレームの内側に組み合わせると共に、各構成部材の相対する板面相互をスポット溶接で接合させて略四辺形の枠状に組み立てたことを特徴とする超高張力鋼板製自動車用シートバックフレーム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高張力鋼板を所定形状にプレス成形した構成部材から略四辺形に枠組み構成する自動車用のシートバックフレームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用シートバックフレームは、略下向きU字状に軸曲げ形成したパイプ部材をメインフレームとし、鋼板から所定の平面形状に裁断形成したアッパープレートをメインフレームの上軸部間にアーク溶接で接合固定し、また、鋼板から裁断形成した左右のサイドプレートをメインフレームの縦軸部にアーク溶接で接合固定し、パイプ部材のロアメンバーをメインフレームの縦軸部間にアーク溶接で接合固定することにより略四辺形の枠状に組み立てられている。
【0003】
そのシートバックフレームでは、部品点数が多く重量的に重いばかりでなく、各構成部材をメインフレームにアーク溶接で接合固定するところ、寸法精度を出しながら溶接作業を行なうにも手間が掛かる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、部品点数を削減し、軽量化を図れ、寸法精度と共に強度を向上させて溶接作業も容易に行なえる超高張力鋼板製の自動車用シートバックフレームを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る超高張力鋼板製の自動車用シートバックフレームにおいては、超高張力鋼板から所定形状にプレス成形した左右のサイドフレームと、サイドフレームの上部間に亘るアッパーメンバーと、サイドフレームの下部間に亘るロアメンバーとを主たる構成部材とし、外郭形状を形取る有幅のメイン面部と、メイン面部の前後縁より内方に立ち上る張出しフランジ部とから左右のサイドフレームを断面略内向きのコ字状に形成し、各サイドフレームを主柱としてアッパーメンバー,ロアメンバーの両端部をサイドフレームの内側に組み合わせると共に、各構成部材の相対する板面相互をスポット溶接で接合させて略四辺形の枠状に組み立てることにより構成されている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して説明すると、図示実施の形態は、高さ調整可能なヘッドレスト,リクライニング機構,スライドレール(いずれも図示せず)を備える自動車用シートのシートバックフレームを組み立てるに適用されている。このシートバックフレームは、超高張力鋼板を所定形状にプレス成形した各構成部材をスポット溶接で接合固定することにより組み立てられている。
【0007】
その構成部材としては、図1並びに図2で示す如く左右のサイドフレーム1,2と、サイドフレーム1,2の上部間に亘るアッパーメンバー3と、サイドフレーム1,2の下部間に亘るロアメンバー4と、ロアメンバー4を補強する補助メンバー5とが備えられている。この各構成部材の他に、サイドフレーム1,2の間に張設するテンションスプリング(図示せず)が備えられている。
【0008】
サイドフレーム1,2は、シートバックの肩部から左右側部の外郭形状を形取る有幅のメイン面部10,20(図2参照)と、メイン面部10,20の前後縁より内方に立ち上る張出しフランジ部11,12、21,22とから断面略内向きコ字状に形成されている。このサイドフレーム1,2は、上部側を内側に湾曲させてシートバックの肩部を形取るよう形成されている。
【0009】
サイドフレーム1,2の張出しフランジ部11,12、21,22は、上フランジ部11a,12a、21a,22aを縦中央フランジ部11b,12b,21b,22bよりも広幅に面取って形成されている。また、後張出しフランジ部12は上並びに下フランジ部12a,12c、21a,22cを前張出しフランジ部11の同部11a,11c、21a,22cよりも広幅に面取って形成されている。
【0010】
そのサイドフレーム1,2には、メイン面部10,20の有幅面を補強するリブとして縦長な略四辺形の凹部13,14、23,24が上部面並びに中腹面を内側に突き出すことにより形成されている。このうち、上部面の凹部13,23は後述するようにアッパーメンバー3をスポット溶接することから底面の上下寄りが平坦に面出し成形されている。また、メイン面部10,20の有幅面を補強する凹部14,24を中腹面に設けることによりアームレストを備えるベース面としても補強できる。
【0011】
それに加えて、メイン面部10の下端面を補強するビード状の凸条部15(図2参照)と、後張出しフランジ部12の広幅な上フランジ部12a,21aを補強するビード状の凸条部16a,16b、26a,26b(図1参照)が設けられている。これらのビード状の凸条部15、16a,16b、26a,26bを設けることにより、強度的な補強のみならず、超高張力鋼板をプレス成形する際に板面の反りが生ずるのも防げる。
【0012】
アッパーメンバー3は、図3〜図5で示すようにシートバックの上部側を形取る上部メンバー3aと、上部メンバー3aを受け止める下部メンバー3bとの二つの構成部材を組み合わせて形成されている。
【0013】
上部メンバー3aは、図3で示すように天面板部30aから前面板部30b,底面板部30c,下壁板部30d並びに下フランジ部30eが連続するよう折曲げ形成されている。また、天面板部30aから後側に回り込む背面板部30fが折曲げ形成されている。天面板部30aの両端部には、スポット溶接用の舌片31a,31bが下方に折り曲げることにより形成されている。各舌片31a,31bは、上部側が前面板部30bと背面板部30fとに連続するよう折り曲げられている。
【0014】
上部メンバー3aのうち、下壁板部30dは中央部分を高位に、左右の両端部を下位とするよう下縁辺を縁取り形成されている。その下壁板部30dの輪郭に沿っては、下フランジ部30eが水平方向前方に張り出すよう形成されている。天面板部30a並びに底面板部30cには、ヘットレストスティを挿通保持するホルダー(図示せず)を嵌込み固定する開孔32a,32bが設けられている。また、前面板部30bには肉抜き用の開孔33が板面中央に設けられている。
【0015】
下部メンバー3bは、図4で示すように橋絡板部34aと立ち壁板部34bとから形成されている。橋絡板部34aは、平面的に見ると、前側縁が弓形に湾曲し、両端部が広幅に張り出すよう形成されている。その前側縁に沿っては、下向きフランジ部34cが設けられている。また、両端部にはスポット溶接用の舌片35a,35bが下方に折り曲げて形成されている。立ち壁板部34bは、中央部分を下位に、左右の両端部を上位とするよう上縁辺を縁取り形成されている。この立ち壁板部34bの輪郭に沿っては、上フランジ部34dが水平方向に張り出すよう形成されている。
【0016】
その上部メンバー3aと下部メンバー3bとは、図5で示すように下壁板部30dの下フランジ部30eと立ち壁板部34bの上フランジ部34dとを両端寄りで当接することにより間隔を中央位置に保って上下に組み立てられる。
【0017】
ロアメンバー4は、図6で示すように主体メンバー部40と、左右のブラケット部41a,41bと、ブラケット部401a,41bから上方に伸びる溶接片部42a,42bとから一体に折曲げ形成されている。主体メンバー部40は帯板状のもので、長手方向が板面略中央を前方に湾曲形成したビード状の打出し部43で補強されている。また、上下の各縁辺は内曲げフランジ部44a,44bで補強されている。
【0018】
ブラケット部41a,41bは、リクライニングデバイス(図示せず)を取り付けるもので、リクライニングデバイスの固定穴45a,45bと連結シャフトの挿通穴46a,46bが板面に設けられている。また、下部側はリクライニングデバイスの形状に合わせて円弧状に湾曲形成されている。その縁回りには、縁取りフランジ部47a,47bが設けられている。
【0019】
補助メンバー5は、ロアメンバー4の打出し部42を覆う程度の狭幅な断面コの字状に折曲げ形成されている。その上下の各縁辺には、スポット溶接用の舌片50a,50bが複数立ち上げて設けられている。また、左右両側にもスポット溶接用の舌片51a,51bが前方に折り曲げて設けられている。
【0020】
アッパーメンバー3のうち、上部メンバー3aは図7で示すように天面板部30a,前面板部30b,下壁板部30d,背面板部30fの両端部寄りが各サイドフレーム1,2の内側に嵌まり合って張出しフランジ部11,12、21,22と相対する。また、舌片31a,31bがメイン面部10,20の内側に突き出る凹部13,23の底面上側と相対する。
【0021】
上部メンバー3aは、前面板部30bと前張出しフランジ部11,21とを、下壁板部30d,背面板部30fと後張出しフランジ部12,22とを、舌片31a,31bと凹部13,23の底面上側とをスポット溶接(図中、「×」印参照、以下同じ)で接合固定することによりサイドフレーム1,2の上部間に亘るよう組み付けられる。
【0022】
下部メンバー3bは、立ち壁板部34bから橋絡板部34aの両端部寄りが各サイドフレーム1,2の内側に嵌まり合い、立ち壁板部34bの両端寄りが後張出しフランジ部12,22と相対する。また、舌片35a,35bがメイン面部10,20の内側に突き出る凹部13,23の底面下側と相対する。
【0023】
その下部メンバー3bは、立ち壁板部34bの両端寄りと後張出しフランジ部12,22とを、舌片35a,35bと凹部13,23の底面下側とをスポット溶接で接合固定することによりサイドフレーム1,2の間に亘って上部メンバー3aを下側から受け止めるよう組み付けられる。なお、組付け手順としては下メンバー3bを先に、上部メンバー3aを後に接合固定するとよい。
【0024】
ロアメンバー4は、図8で示すように補助メンバー5を主体メンバー40からブラケット41a,41bの内側にあてがい、複数の舌片50a,50b、51a,51bを主体メンバー40,ブラケット41a,41bにスポット溶接することによりロアメンバー4に予め取り付けられる。
【0025】
そのロアメンバー4は、図9で示すようにブラケット部401a,41bから上方に伸びる溶接片部42a,42bがサイドフレーム1,2の内側に嵌まり合う。このため、ロアメンバー4は溶接片部42a,42bが相対するサイドフレーム1,2の下端縁と複数個所でスポット溶接することによりサイドフレーム1,2の下部側に組み付けられる。
【0026】
このように構成する自動車用シートのシートバックフレームは、図10並びに図12で示すように左右のサイドフレーム1,2を主柱としてアッパーメンバー3(3a,3b),ロアメンバー4の両端部をサイドフレーム1,2の内側に組み合わせると共に、各構成部材の相対する板面相互をスポット溶接で接合させて略四辺形の枠状に組み立てられる。
【0027】
そのシートバックフレームでは、少なくとも左右のサイドフレーム1,2並びにアッパーメンバー3,ロアメンバー4を構成部材として組み立てられるため、部品点数を削減できると共に、薄い超高張力鋼板から各構成部材を形成することにより軽量化を図れる。また、各構成部材をプレス成形することから寸法精度も出せ、アッパーメンバー3,ロアメンバー4の両端部をサイドフレーム1,2の内側に嵌め合せる構造から強度を向上でき、全てをスポット溶接で接合することにより溶接作業も容易に行なえる。
【0028】
上述した実施の形態中、補助メンバー5としては、図12で示すように主メンバー5aと、L字状に折り曲げた左右の副メンバー5b(片側のみ図示)とから形成したものを組み付けられる。その補助メンバー5は、両者5a,5bを別体に形成し或いは一体に形成するようにできる。この補助メンバー5では、左右の副メンバー5bがロアメンバー4の溶接片部とサイドフレーム1,2の下端縁との間に亘るため、当該個所をより強固に補強できる。
【0029】
自動車用のシートフレーム全体として構成するには、図13で示すように前部側をパンフレーム6で形成し、そのパンフレーム6を左右のベースフレーム7,8に溶接固定させて超高張力鋼板のシートクッションフレームSを組み立て、両持ち式のリクライニングデバイスをシートバックフレームBの下部側とベースフレームSの後部側との間に備えて枢軸シャフト9で連結すればよい。
【0030】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係る超高張力鋼板製の自動車用シートバックフレームに依れば、超高張力鋼板から所定形状にプレス成形した左右のサイドフレームと、サイドフレームの上部間に亘るアッパーメンバーと、サイドフレームの下部間に亘るロアメンバーとを主たる構成部材とし、外郭形状を形取る有幅のメイン面部と、メイン面部の前後縁より内方に立ち上る張出しフランジ部とから左右のサイドフレームを断面略内向きのコ字状に形成し、左右のサイドフレームを主柱としてアッパーメンバー,ロアメンバーの両端部をサイドフレームの内側に組み合わせると共に、各構成部材の相対する板面相互をスポット溶接で接合させて略四辺形の枠状に組み立てることにより、シートバックフレームとして部品点数を削減し、軽量化を図れ、寸法精度と共に強度を向上させて溶接作業も容易に行なえるよう構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超高張力鋼板製の自動車用シートバックフレームを各構成部材毎に展開させて正面から示す説明図である。
【図2】図1の自動車用シートバックフレームを側面から示す説明図である。
【図3】図1のシートバックフレームを構成するアッパーメンバーの上部メンバーを示す斜視図である。
【図4】図1のシートバックフレームを構成するアッパーメンバーの下部メンバーを示す斜視図である。
【図5】図3の上部メンバーと図4の下部メンバーとを組み合わせて示す側断面図である。
【図6】図1のシートバックフレームを構成するロアメンバーと補助メンバーとを展開させて示す斜視図である。
【図7】図1の構成部材から組み立てた自動車用シートバックフレームの上部側を示す斜視図である。
【図8】図6のロアメンバーと補助メンバーとを組立状態で示す斜視図である。
【図9】図8のロアメンバーをサイドフレームに対する接合状態で示す説明図である。
【図10】本発明に係る自動車用シートバックフレームを完成状態で示す正面図である。
【図11】図10の自動車用シートバックフレームを示す側面図である。
【図12】図8のロアメンバーと別の変形例を示す説明図である。
【図13】図10の自動車用シートバックフレームを含むシートフレーム全体を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2 サイドフレーム
10,20 サイドフレームのメイン面部
11,12、21,22
サイドフレームの張出しフランジ部
3(3a,3b) アッパーメンバー
4 ロアメンバー
【出願人】 【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
【出願日】 平成15年3月31日(2003.3.31)
【代理人】 【識別番号】100077702
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 和夫


【公開番号】 特開2008−67722(P2008−67722A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2003−97397(P2003−97397)