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【発明の名称】 後方視野の拡張容易な自動車用シート
【発明者】 【氏名】篠崎 克彦

【要約】 【課題】前枕部を後枕部より前方に迫出し可能に組み付けたフィーリング性の良好なヘッドレストを備え、且つ、後部乗員が不在の際に、運転手の後方視野をより広く拡張させて確保可能な自動車用シートとして構成する。

【構成】後枕部1bをヘッドレストステー1cで保持し、前枕部1aを後枕部1bより前方に迫出し可能に組み付けたヘッドレスト1をシートバック2の頂部にヘッドレストステー1cで高さ調整可能に立付け装備するもので、座者の頭部から頚部に至って支持可能な所定の面積形状を有する前枕部1aに対し、底部面を前枕部1aより相対的に底上げした縦幅の小さな後枕部1bを設け、前枕部1aの前方迫出しにより側面略へ字状を呈するヘッドレスト1を後枕部1bでシートバック2の頂部面まで下げて低位に高さ調整可能に備え付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後枕部をヘッドレストステーで保持し、前枕部を後枕部より前方に迫出し可能に組み付けたヘッドレストをシートバックの頂部にヘッドレストステーで高さ調整可能に立付け装備する自動車用シートにおいて、
座者の頭部から頚部に至って支持可能な所定の面積形状を有する前枕部に対し、底部面を前枕部より相対的に底上げした縦幅の小さな後枕部を設け、前枕部の前方迫出しにより側面略へ字状を呈するヘッドレストを後枕部でシートバックの頂部面まで下げて低位に高さ調整可能に備え付けたことを特徴とする後方視野の拡張容易な自動車用シート。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、後部乗員が不在の際に、運転手の後方視野をより広く拡張させて確保可能な自動車用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用シートにおいては、後部乗員が不在の際に、運転手の後方視野をより広く確保するため、ヘッドレスを後倒しに倒せるよう組み付けるもの(特許文献1)、また、側面逆L字状に形成したヘッドレストをシートバックの頂部面より前部面まで下げられるよう備えるもの(特許文献2)が知られている。
【0003】
公知例の前者においては、ヘッドレストを後倒しに倒せるよう後部側を薄く形成する。後者においては、座者の頭部から頚部を支持する前枕部を含む枕全体を薄く形成する必要があるため、ヘッドレストが座者に対する当たりの硬いものになってフィーリング性に劣るものになる。
【0004】
上述した形態を有するものの他に、後枕部をヘッドレストステーで保持し、前枕部を後枕部より前方に迫出し可能に組み付けたヘッドレストを備えるもの(特許文献3)も知られている。
【0005】
そのヘッドレストは、後枕部が座者の頭部から頚部を支持する前枕部の面積形状と同等の大きさに形成されているため、通常形態のものと同様な座者に対する良好なフィーリング性を保てる。然し、上述したような後部乗員が不在の際に、運転手の後方視野をより広く確保可能な形態のものとしては構成されていない。
【特許文献1】特開2005−349915
【特許文献2】特開2006−102337
【特許文献3】米国特許4,720,146
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、前枕部を後枕部より前方に迫出し可能に組み付けたフィーリング性の良好なヘッドレストを備え、且つ、後部乗員が不在の際に、運転手の後方視野をより広く拡張させて確保可能な自動車用シートを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、後枕部をヘッドレストステーで保持し、前枕部を後枕部より前方に迫出し可能に組み付けたヘッドレストをシートバックの頂部にヘッドレストステーで高さ調整可能に立付け装備する自動車用シートにおいて、
座者の頭部から頚部に至って支持可能な所定の面積形状を有する前枕部に対し、底部面を前枕部より相対的に底上げした縦幅の小さな後枕部を設け、前枕部の前方迫出しにより側面略へ字状を呈するヘッドレストを後枕部でシートバックの頂部面まで下げて低位に高さ調整可能に備え付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る自動車用シートのヘッドレストに依れば、ヘッドレストが前後の枕部から通常形態のものと同等の座者に対する良好なフィーリング性を保てると共に、ヘッドレストを前枕部の前方迫出しで側面略へ字状に変形させて縦幅の小さな後枕部で低位に高さ調整できるところから、後部乗員が不在の際に、運転手の後方視野をより広く拡張させて確保するようにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図面を参照して説明すると、図1は後部乗員が着座するセカンド乃至はサードの自動車用シートを示すものであり、それはヘッドレスト1,シートバック2,シートクッション3を含むシート全体が通常の着座姿勢状態で示されている。
【0010】
ヘッドレスト1は、通常形態のヘッドレスト本体を前後に二つ分けた所定の厚みを有する前枕部1a,後枕部1bから組み立てられている。このヘッドレスト1は、後枕部1bを保持するヘッドレストステー1cをシートバック2のバックフレームに取り付けたステーホルダー(図示せず)に挿通させて高さ調整可能にシートバック2の頂部に立付け装備されている。
【0011】
前枕部1aは、ヘッドレストステー1cの延長上で後枕部1bの底部面からヘッドレスト1の内部に挿置される公知例と同様な迫出し機構(図示せず)で後枕部1bより前方に迫出し可能に組み付けられている。
【0012】
後枕部1bとしては、座者の頭部から頚部に至って支持可能な通常形態のものと同等の面積形状を有する前枕部10aに対し、底部面を前枕部10aより相対的に底上げした縦幅(h>h)の小さなものが設けられている。
【0013】
そのヘッドレスト1では、図2で示すように前枕部1aを後枕部1bより前方に迫り出させると、前枕部1aが後枕部1の境目から下部側より前方に開くため、全体形状としては側面略へ字状を呈するよう変形する。
【0014】
後枕部1bから前枕部1aが側面略へ字状を保ったままで、後枕部1bの底部面がシートバック2の頂部面に接するまでヘッドレスト1を押し下げると、後枕部1bが底部面を前枕部1aより相対的に底上げした縦幅の小さなものに形成されているため、前枕部1aがシートバック2の頂部面から前面側に回り込み、ヘッドレスト1としては後枕部1bの底部面を前枕部1aより底上げした分だけ低位に高さ調整できる。
【0015】
その前枕部1aはシートバック2の頂部面より前面側まで深く下げられるよう下部側を広角に拡開可能に組み付け、また、後枕部1bは底部面を前枕部1aより大きく底上げした縦幅の小さなものに形成すれば、ヘッドレスト1をより低位に高さ調整できる。
【0016】
そのヘッドレスト1を備えることから、後部乗員が不在の際に、ヘッドレスト1を側面略へ字状に形状変えすると共に、後枕部1bの底部面がシートバック2の頂部面に接するまで全体的に下げれば、運転手の後方視野をより広く拡張させて確保できる。
【0017】
自動車用シートとしては、図3で示すように身長の高い着座者に合わせてヘッドレスト1を高位に高さ調整可能であり、また、図4で示すように前枕部1aを前方に迫り出させることから頭部より頚部に至って支持可能であるため、上述した運転手の後方視野をより広く確保するよう調整可能であることを含み、使用形態の多様化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るヘッドレストを装備した自動車用シートを通常の着座姿勢で示す側面図である。
【図2】図1の自動車用シートと比べてヘッドレストを低位に高さ調整した自動車用シートを示す側面図である。
【図3】図1の自動車用シートと比べてヘッドレストを高位に高さ調整した自動車用シートを示す側面図である。
【図4】図1のヘッドレストの前枕部を前方に迫り出させた自動車用シートを示す側面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 ヘッドレスト
1a 前枕部
1b 後枕部
1c ヘッドレストステー
2 シートバック
【出願人】 【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
【出願日】 平成18年8月16日(2006.8.16)
【代理人】 【識別番号】100077702
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 和夫


【公開番号】 特開2008−43523(P2008−43523A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−221896(P2006−221896)