| 【発明の名称】 |
アームレスト装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】斉 藤 誠
【氏名】森 本 隆
【氏名】北 村 吉 治
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| 【要約】 |
【課題】ロックばねが拡径された解除状態から縮径されたロック状態への移行を円滑に行い、使い勝手を向上させたアームレスト装置を提供する。
【構成】シートフレームに対してアームレスト本体4を回転自在に支持する固定軸2が固定側フック5a及び自由側フック5bを有したコイルばねからなるロックばね5の内部に締め代を有して挿入されており、アームレスト本体4の正逆の回転方向に応じてロックばね5が縮径又は拡径することによりアームレスト本体4の回転のロック又はその解除を行うアームレスト装置であって、前記ロックばね5の内径又は固定軸2の外径の少なくとも一方が軸方向に沿ってテーパ状に変化している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シートフレームに対してアームレスト本体を回転自在に支持する固定軸が固定側フック及び自由側フックを有したコイルばねからなるロックばねの内部に締め代を有して挿入されており、アームレスト本体の正逆の回転方向に応じてロックばねが縮径又は拡径することによりアームレスト本体の回転のロック又はその解除を行うアームレスト装置であって、前記ロックばねの内径又は固定軸の外径の少なくとも一方が軸方向に沿ってテーパ状に変化していることを特徴とするアームレスト装置。 【請求項2】 シートフレームに固定される固定軸と、 この固定軸が挿通されて固定軸に回転自在に支持されるアームレスト本体と、 一端がアームレスト本体に係止される固定側フック、他端が自由側フックとなっていると共に前記固定軸が締め代を有して挿入されるロックばねと、 前記アームレスト本体における自由側フックの近傍に回転自在に配置された解除ブロックと、 アームレスト本体を収納方向に回転させたときに前記自由側フックが解除ブロックを介して当接することによりロックばねを拡径させてアームレスト本体のロック解除を行うロック解除カム部及びロック解除カム部と回転方向に離間して形成されておりアームレスト本体が展開方向に回転するときに自由側フックが解除ブロックを介して当接することによりロックばねを縮径させてアームレスト本体のロックを行う再ロックカム部を有し、前記固定軸に設けられたカム部材とを備え、 前記ロックばねの内径又は固定軸の外径の少なくとも一方が軸方向に沿ってテーパ状に変化していることを特徴とするアームレスト装置。 【請求項3】 前記ロックばねは、自由状態において固定側フック側における内径に対して自由側フック側における内径が大きくなるようにその内径がテーパ状に変化していることを特徴とする請求項1又は2記載のアームレスト装置。 【請求項4】 前記固定軸は、前記ロックばねの固定側フック側の外径に対してロックばねの自由側フック側の外径が小さくなるようにその外径がテーパ状に変化していることを特徴とする請求項1又は2記載のアームレスト装置。 【請求項5】 前記ロックばねの固定側フックがコイル部から引き出され、この引き出し部分がコイル部の近傍でコイル部の軸方向と交差する方向に曲げられており、この固定側フックの略全長が挿入されて係止されるフック固定部材が前記アームレスト本体に固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のアームレスト装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、自動車用シートに装着されるアームレスト装置に関し、特に無段階的に角度調整を行うことが可能な可動式のアームレスト装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来の可動式のアームレスト装置としては、特許文献1及び特許文献2に開示されている。これらのアームレスト装置は、アームレスト本体がシートフレームに対して回転自在となっていると共に、アームレスト本体の回転のロック及びその解除を行うためのロックばねとしてコイルばねを用いる構造となっている。 【0003】 特許文献1に開示されているアームレスト装置は、ロックばねが巻き付けられる軸が固定軸と可動軸とが同軸的に組み付けられた2軸構造となっている。固定軸はシートフレームに固定されており、シートフレームへの固定状態でロックばねを固定するための軸部である。可動軸はアームレスト本体に固定されてアームレスト本体と共に回転するようになっており、ロックばねが固定軸から可動軸に達するように巻き付けられている。そして、ロックばねが縮径すると、可動軸を介してアームレスト本体の回転をロックし、ロックばねが拡径すると、可動軸及びアームレスト本体の回転が可能となる。 【0004】 特許文献1のアームレスト装置では、このような2軸構造によってアームレスト本体の角度を無段階に調整するものであるが、このような2軸構造においては、アームレストの保持力(腕を乗せたときの重さを支える力)を確保するために、ロックばねは可動軸に巻き付く巻数に加え、固定軸に巻き付く巻数が必要となる。このため、可動軸及び固定軸の双方に巻き付く巻数が必要となり、ロックばねの高さが大きくなってアームレスト装置全体としての厚さが大きくなる。従って、ロックばねの巻数に基づいた高さの制約により、アームレスト装置の薄型化に限界があるものとなっている。 【0005】 特許文献2に開示されているアームレスト装置は、アームレスト本体の回転を支持する固定軸だけを用いるものであり、固定軸にロックばねを巻き付けてアームレスト本体の回転のロック及びその解除を行う1軸構造となっている。ロックばねは、その固定側フックがアームレスト本体に固定されており、自由側フックが拡径方向又は縮径方向に移動するようになっている。そして、自由側フックが拡径方向に移動することによりロックばねによるロックが解除され、縮径方向に移動することによりロックばねによるロックが行われる。このような1軸構造では、可動軸部を固定軸部に同軸的に組み付ける必要がなく、可動軸部に巻き付く巻数が不要となるため、ロックばねの高さが小さくなり、アームレスト装置の薄型化を行うことが可能となる。 【特許文献1】特開2004−147791公報 【特許文献2】特開2003−299547公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、特許文献2に開示されている1軸構造のアームレスト装置においては、ロックばねが固定軸に対して回転可能状態(すなわち、ロックばねが拡径して固定軸との間に隙間があるアンロック状態又は空転状態)から、ロック状態(ロックばねが縮径して固定軸に巻き締まる状態)に移行するときにおいて、ロック状態に至るまでにロックばねに撓みが生ずる問題がある。アームレスト装置の使い勝手としては、アンロック状態又は空転状態からロック状態への移行が瞬時に行われることが好ましいが、特許文献2のアームレスト装置では、ロックするまで、即ちロックばねが固定軸に巻き締まるまでに回転方向に撓みが生じる。このような撓みが生じた状態において、アンロック状態又は空転状態からアームレストを使用するために腕を乗せると、その荷重によって撓み分だけアームレスト本体が回転方向に下がる不安定な作動を行う。 【0007】 これは、図17で後述するが、自由側フックが押し広げられてロックばねが拡径されているロック解除状態からロック状態へ自由側フックを戻す場合において、ロックばねはコイル部間相互の摩擦によって自由側フック側から順次縮径していくが、自由側フック側のコイル部が固定軸に接した時点で縮径作動が停止するため、固定側フック側のコイル部が完全に縮径されずに固定軸との間に隙間がある状態を維持するためである。このような隙間がある場合には不安定な状態となっているが、アームレストに腕を乗せてロック方向への負荷力を作用させると、アームレスト本体が隙間分、回転方向に下がるため隙間がなくなり、これにより上述した不安定な状態から脱却する。 【0008】 又、特許文献2のアームレスト装置では、ロック解除を行う板部材にフリー作動部を設け、このフリー作動部によってロックばねの自由側フックをロック解除方向へ押してロック解除を行っているが、ロックばねの自由側フックの上下位置が非常に不安定であり、安定的に解除を行うことが難しいものとなっている。すなわち、ロックばねの自由側フックの上下位置のズレにより自由側フックがフリー作動部から外れ易い問題がある。 【0009】 さらに、ロック解除後、アームレスト本体を収納方向へ回転する際には、一体移動用嵌合部に止められたロックばねの自由側フックを板部材が逃げるため、板部材にはアームレスト本体が収納方向へ強制的に回動されることを考慮して実際の作動範囲以上の移動溝が必要となる。すなわち、ロックばねの自由側フックを押すフリー作動部は自ずと細長い形状にならざるを得ないため、変形、破損等を起こし易いものとなっている(特許文献2における段落番号[0013]〜[0018]及び図4参照)。 【0010】 本発明は、このような問題点を考慮してなされたものであり、1軸構造のアームレスト装置におけるロックばねの自由側フックが押し広げられて拡径されている状態から、ロック状態へ自由側フックを戻すときに固定側フック側のコイル部から順次縮径する構造とすることにより、ロック状態に至るまでのロックばねの撓みを小さくして使い勝手が良好で無段階的に角度の調整を行うことが可能であり、しかもロック解除時におけるロックばねの自由側フックが外れることがなく、これにより変形や破損等を防止することが可能なアームレスト装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0011】 上記目的を達成するため、請求項1記載の発明のアームレスト装置は、シートフレームに対してアームレスト本体を回転自在に支持する固定軸が固定側フック及び自由側フックを有したコイルばねからなるロックばねの内部に締め代を有して挿入されており、アームレスト本体の正逆の回転方向に応じてロックばねが縮径又は拡径することによりアームレスト本体の回転のロック又はその解除を行うアームレスト装置であって、前記ロックばねの内径又は固定軸の外径の少なくとも一方が軸方向に沿ってテーパ状に変化していることを特徴とする。 【0012】 請求項2記載の発明のアームレスト装置は、シートフレームに固定される固定軸と、この固定軸が挿通されて固定軸に回転自在に支持されるアームレスト本体と、一端がアームレスト本体に係止される固定側フック、他端が自由側フックとなっていると共に前記固定軸が締め代を有して挿入されるロックばねと、前記アームレスト本体における自由側フックの近傍に回転自在に配置された解除ブロックと、アームレスト本体を収納方向に回転させたときに前記自由側フックが解除ブロックを介して当接することによりロックばねを拡径させてアームレスト本体のロック解除を行うロック解除カム部及びロック解除カム部と回転方向に離間して形成されておりアームレスト本体が展開方向に回転するときに自由側フックが解除ブロックを介して当接することによりロックばねを縮径させてアームレスト本体のロックを行う再ロックカム部を有し、前記固定軸に設けられたカム部材とを備え、前記ロックばねの内径又は固定軸の外径の少なくとも一方が軸方向に沿ってテーパ状に変化していることを特徴とする。 【0013】 請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のアームレスト装置であって、前記ロックばねは、自由状態において固定側フック側における内径に対して自由側フック側における内径が大きくなるようにその内径がテーパ状に変化していることを特徴とする。 【0014】 請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載のアームレスト装置であって、前記固定軸は、前記ロックばねの固定側フック側の外径に対してロックばねの自由側フック側の外径が小さくなるようにその外径がテーパ状に変化していることを特徴とする。 【0015】 請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載のアームレスト装置であって、前記ロックばねの固定側フックがコイル部から引き出され、この引き出し部分がコイル部の近傍でコイル部の軸方向と交差する方向に曲げられており、この固定側フックの略全長が挿入されて係止されるフック固定部材が前記アームレスト本体に固定されていることを特徴とする。 【発明の効果】 【0016】 請求項1〜5記載の発明によれば、固定軸のロック及びその解除を行うロックばねの内径又は固定軸の外径の少なくとも一方が軸方向に沿ってテーパ状に変化しているため、ロックを行うための縮径及びロック解除のための拡径の間を円滑に移行することができる。従って、ロック状態に至るまでのロックばねの撓みが小さくなり、使い勝手が良好で無段階的に角度の調整を行うことが可能となる。 【0017】 請求項2〜5記載の発明によれば、収納位置にあるアームレストに対してロック解除方向への操作力が作用しても、解除ブロックが回転し、ロックばねの自由側フックが当接したままでロックばねが回転するため、ロックばねやカム部材等に無理な力が作用することがなく、ロック機構部の変形や破損を防止することができる。さらに、ロックばねの自由側フックが解除ブロックに当接するため、ロック解除時に自由側フックが外れことがなく安定した作動を行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。なお、各実施形態において、同一の部材には同一の符号を付して対応させてある。 【0019】 図1〜図10は、本発明の一実施形態を示し、図1はアームレスト装置の分解斜視図、図2は収納位置での組み付け状態の正面図、図3は図2におけるA−A線断面図、図4はロックばねの断面図及び平面図、図5はフック固定部材の取り付け状態を示す正面図、図6はフック固定部材の正面図、図7は図6のB−B線断面図、図8はフック固定部材の底面図、図9は全体の作動を示す正面図、図10はロックばねの作動を示す断面図である。この実施形態のアームレスト装置は、図1〜図3に示すように、アームレスト本体4と、固定軸2と、ロックばね5と、カム部材7と、解除ブロック8とを備え、全体がシートフレーム20に溶接等により固定されたアームレスト取付部1に装着されている。 【0020】 固定軸2は図1及び図3に示すように、大径部2b及び小径部2cを有した段付き形状となっており、小径部2cの先端側(アームレスト取付部1側)にリング体21が溶接等により固定されている。このリング体21が溶接等により一体化されることにより固定軸2の全体が構成される。リング体21は固定軸2の大径部2b及び小径部2cの段差面2eと共にアームレスト本体4を挟んだ状態で固定軸2の小径部2cの先端側に固定される。これにより固定軸2はアームレスト本体4を正逆方向に回転自在に支持する。又、リング体21の円周方向の3箇所には、アームレスト取付部1側に突出する爪部2aが形成されており、この爪部2aがアームレスト取付部1の対向位置に形成された嵌合穴1aに嵌合することにより固定軸2の全体がアームレスト取付部1に固定状態で取り付けられている。 【0021】 このような構造では、アームレスト本体4の回転が固定軸2によって支持された1軸構造のアームレスト装置となる。図1において、矢印イの方向はアームレスト装置を収納する方向であり、矢印ロの方向はアームレスト装置を展開する方向であり、この方向が実際の使用状態でアームレストを保持(ロック)する方向となっている。 【0022】 アームレスト本体4は、固定軸2からシートクッションの方向に延びており(図9参照)、その基端部側には固定軸2の小径部2cが挿通される挿通穴4aを有しており、この挿通穴4aに小径部2cが挿通されることによりアームレスト本体4の回転が支持される。 【0023】 ロックばね5は図4に示すように、固定軸2の大径部2bに巻き付くコイル部5cと、コイル部5cの両端部から径方向外側に引き出された固定側フック5a及び自由側フック5bとを有したコイルばねが使用される。このロックばね5は固定軸2の大径部2bの外周面に対して締め代を有して巻き付けられている。この場合、コイル部5cの内径は固定軸2の大径部2bの外径より僅かに小さくなっており、自由状態では、固定軸2の大径部2b外周面に密着するようになっている。従って、ロックばね5をある程度拡径した状態でそのコイル部5c内に固定軸2を挿入し、その後、拡径状態を解除することによりコイル部5cが固定軸2の大径部2bに密着状態となって巻き付くことができる。ロックばね5はアームレストの収納位置におけるロック解除時にコイル部5cが拡径し、アームレストの展開位置(実際の使用角度位置)におけるロック時にコイル部5cが縮径するように巻回されている。 【0024】 ロックばね5の自由側フック5bはコイル部5cから径方向外側に直線状に延びた自由状態となっており、この自由状態で後述する解除ブロック8及びカム部材7に当接してロックばね5の拡径及び縮径を行う。 【0025】 ロックばね5の固定側フック5aは、アームレスト本体4に固定されるものである。この固定側フック5aは自由側フック5bとの反対側でコイル部5cから引き出されるものであり、コイル部5cからの引き出し部分がコイル部5cの近傍でコイル部5cの軸方向と直交状に交差する方向に曲げられることにより固定側フック5aが形成されている。この実施形態では、コイル部5cからの引き出し部分を略U字形に曲げることにより固定側フック5aが形成されている。かかる固定側フック5aへのアームレスト本体4への固定を行うため、図1に示すようにフック固定部材6が設けられる。 【0026】 フック固定部材6は全体が弓状に湾曲した形状に成形されており、溶接等によってアームレスト本体4に固定される。フック固定部材6には、ロックばね5の固定側フック5aの形状に相応した形状(略U字形状)の係止溝6aが形成されており(図8参照)、この係止溝6a内に固定側フック5aの略全長が挿入されることにより固定側フック5aがフック固定部材6に係止されるようになっている。この係止により、ロックばね5はアームレスト本体4の回転と共に回転する。また、固定側フック5aの略全長がフック固定部材6挿入されて係止されることにより、アームレストの保持力を固定側フック5aの略全長で受け止めることができる。従って、固定側フック5aにアームレストの保持力が負荷しても、固定側フック5aが変形したり、破壊することがなく、安定した作動を保持することが可能となる。 【0027】 本発明において、固定軸2の大径部2bの外周面に対するロックばね5の締め代は一定ではなく、固定側フック5a側の締め代が自由側フック5b側の締め代よりも大きくなるように設定されるものである。この実施形態では、図4に示すようにロックばね5のコイル部5cにおける固定側フック5a側の内径dに対し、自由側フック5bの内径Dが大きくなるように(すなわちD>d)、コイル部5cの内径がテーパ状に変化している。このようにコイル部5cの内径を変化させることにより、後述する図10で説明するように、ロックばね5の拡径及び縮径への移行を円滑に行うことができるため、ロック状態に移行するまでのロックばね5の撓みを小さくすることができ、使い勝手が向上する。なお、このようにロックばね5のコイル部5cの内径を変化させることから、この実施形態では、固定軸2は均一の径となった軸が使用されるものである。 【0028】 解除ブロック8はロックばね5の自由側フック5bの近傍に配置されている。解除ブロック8は、固定軸2と略平行となるようにアームレスト本体4に固定された枢軸10に回転自在に支持されており、Eリング14により抜け止め状態となっている。枢軸10は加締め等によりアームレスト本体4の穴4cに固定される。この解除ブロック8は、アームレスト本体4に設けられた切り起し部4bに当接することによりその回転角度範囲が制限されるものである。 【0029】 カム部材7は固定軸2に取り付けられる。この取り付けは、固定軸2の大径部2b端部に凸部2dが形成され、この凸部2dにカム部材7の円弧状長穴7aが嵌合され、加締め等によって固定することにより行われる。カム部材7の外周には、解除ブロック8を介してロックばね5のロック解除及び再ロックを行う扇状のロック解除カム部7b及び再ロックカム部7cが設けられている。 【0030】 ここで固定軸2のリング体21とカム部材7の相対角度を変える、即ち固定軸2へのリング体21の取り付け相対角度位置を変えることにより、アームレストの作動位置を任意に設定することができる。又、カム部材7のロック解除カム部材7bの扇状の長さ(=角度)を変えると共にロック解除カム部7bと再ロックカム部7cとの離間角度を変えることにより、アームレストの作動範囲を任意に設定することができる。 【0031】 カム部材7の中央部分には、図1及び図3に示すように、固定軸2の端部内側に嵌入する筒部7dが形成されると共に、カム部材7と固定軸2とをアームレスト取付部1に一体的に固定するためのねじ9が取り付けられるねじ穴7eが設けられている。 【0032】 解除ブロック8におけるロックばね5の自由側フック5b側の端部には、スプリングピン12が圧入されている。例えばアームレスト使用時の展開位置(略水平状態)において、アームレスト本体4を収納方向(例えば図9(e)の時計回り(イ方向))に回転する場合、スプリングピン12はカム部材7のロック解除カム部7b当接し、さらにアームレスト本体4を収納方向である時計回り(イ方向)に回転することによりロックばね5を拡径させてロック解除状態にする。さらに、解除ブロック8にはロック解除状態を維持する、即ちロックばね5の自由側フック5bをロック解除状態で支えるための平坦部8aがその先端部下面に形成されている。 【0033】 これに対し、アームレスト本体4を展開方向、即ち反時計回り(ロ方向)に回転させると、スプリングピン12は再ロックカム部7cに当接し、さらにアームレスト本体4を展開方向の反時計回り(ロ方向)に回転することによりロックばね5を縮径させてロック(又は再ロック)状態にする。 【0034】 この実施形態におけるアームレスト装置の角度調整作動を図9(a)〜(f)により説明する。 【0035】 まずシート102のシートフレームに取り付けられたアームレスト本体4が最上部まで回転された図9(a)のアームレスト収納位置において、スプリングピン12がロックカム部7bに押し上げられていると共に、ロックばね5の自由側フック5bをロック解除状態で支えるための解除ブロック8の平坦部8aがロックばね5を巻き戻し方向に捩り拡径したロック解除の状態にセットされている(図2もアームレスト収納位置の状態を示している)。 【0036】 この状態からアームレスト本体4を展開方向である反時計回りのロ方向に回転させた図9(b)の位置では、まだスプリングピン12がロック解除カム部7bに押し上げられたままで、ロックばね5の自由側フック5bをロック解除状態で支えるための解除ブロック8の平坦部8aがロックばね5を巻き戻し方向に捩り拡径したロック解除の状態を保持している。 【0037】 さらにアームレスト本体4を展開方向である反時計回りのロ方向に回転させた図9(c)の位置では、スプリングピン12がロック解除カム部7bから離反しているが、まだロック解除ブロック8の平坦部8aがロックばね5を巻き戻し方向に捩り拡径したロック解除の状態を保持している。 【0038】 この状態からさらにアームレスト本体4を展開方向である反時計回りのロ方向に回転させ、スプリングピン12が再ロックカム部7cに当接した図9(d1)の位置の直後、スプリングピン12は再ロックカム部7cに押され、解除ブロック8が反時計回り方向に反転するが、アームレスト本体4の切り起し部4bにより、その回転範囲は規制される(図9(d2))。これに伴い、ロックばね5が縮径された固定軸2への締め付け状態となり、アームレスト本体4の展開方向(ロ方向)の回転はロック(または再ロック)状態になる。 【0039】 上述のようにアームレスト本体4がロック(または再ロック)状態となった後は、アームレスト本体4を任意の角度位置まで調整し使用することができる。即ち、図9(d3)から収納方向である時計回りのイ方向には回転できるが、反時計回りのロ方向には回転がロックされて回転できない。図9(e)の位置は、使用時の展開位置を示している。 【0040】 この状態から図9(f)で示すように、さらにアームレスト本体4を収納方向である時計回りのイ方向に回転させ続けると、スプリングピン12がロック解除カム部7bの端部に押されて時計回り方向に回転させられる。これに伴いスプリングピン12がロック解除カム部7bに押し上げられ、解除ブロック8の平坦部8aがロックばね5の自由側フック5bを巻戻し方向に拡径し、ロック解除状態となり、その状態を保持する。即ち、上述したアームレスト収納位置(図9(a))のようなロック解除状態となる。 【0041】 以上のような作動を行う本実施形態では、アームレスト本体4の収納位置において、さらに時計回り方向であるイの方向へ強制的に回転された場合、ロックばね5の自由側フック5bと解除ブロック8が当接したロック解除状態を保持しながらスプリングピン12がロック解除カム部7b上を摺動するだけなので、ロックばね5やカム部材7等に無理な力が作用することなく、これらのロック機構部に変形等の不具合を生じることがない。 【0042】 図10は、以上のロック状態、ロック解除状態及び再ロック状態におけるロックばね5の作動を示している。又、図17は特許文献2におけるロックばね105の各状態での作動を示し、図16は特許文献2のロックばね105を示している。図16及び図17において、105aは固定側フック、105bは自由側フック、105cはコイル部である。 【0043】 特許文献2におけるロックばね105は、図16に示すように自由側フック105b側におけるコイル部105cの内径Dと、固定側フック105a側におけるコイル部105cの内径dとが同一となっている(D=d)。このようなロックばね105のコイル部105c内に固定軸112を挿入してアームレスト装置を組み立てた場合の作動において、ロック状態では、図17(a)に示すように、縮径したコイル部105cが固定軸112の外周面に密着している。ロック解除状態では、図17(b)で示すように、ロックばね105が拡径されており、コイル部5cはその全長にわたって固定軸112と略均一な隙間Sを有している。 【0044】 このロック解除状態からロックばね105が縮径する再ロック状態(図9(d3)参照)に移行する際においては、コイル部105cが自由側フック105b側から順次縮径していき、自由側フック105b側のコイル部105cが固定軸112に接触する。この接触により、コイル部105cの縮径動作が停止し、固定側フック105a側のコイル部105cと固定軸112との間に隙間Sがある不安定な状態となる。従って、図17の場合には、アームレストの腕を乗せてロック方向への負荷力を作用させると、アームレスト本体が隙間S分、回転方向に下がる挙動が発生し、使い勝手が悪いものとなる。 【0045】 これに対し、この実施形態では、図4に示すように自由側フック5b側のコイル部5cの内径Dが固定側フック5a側のコイル部5cの内径dよりも大きくなるように設定されている。すなわち、固定軸2の大径部2bの外周面に対するロックばね5の締め代は一定ではなく、ロックばね5の固定側フック5a側の締め代が自由側フック5b側のそれより大きく設定されている。このことによりロックばね5が縮径したロック状態(図10(a))からロックばね5が拡径してロック解除(図10(b))となったとき、自由側フック5b側ではコイル部5cと固定軸2との間の隙間Sは、必然的に自由側フック5b側の方が固定側フック5a側より大きくなる。従って、図10(c)の再ロック状態に移行する際に自由側フック5b側からの縮径が停止することなく、コイル部5cの全体にわたって円滑に縮径が行われる。このようにロックばね5の拡径、縮径が円滑に移行することにより、ロック状態に至るまでの撓みが小さくなり、アームレストの腕を乗せてもアームレスト本体4が下がることがなく、良好な使い勝手とすることができる。 【0046】 図18は特許文献1等に開示されている2軸構造の従来のアームレスト装置を示し、この実施形態と同一の部材には同一の符号を付してある。図18において、130はアームレスト本体4に一体的に形成された可動軸である。この可動軸130には固定軸2の小径部2cが挿入されることにより、可動軸130と固定軸2の大径部2bとが面一となった外周面を形成するようになっている。ロックばね150はコイルばねからなり、可動軸130及び固定軸2の大径部2bの外周面にかけて巻き付くように設けることによりアームレストの保持力を確保している。従って、固定軸2の大径部2bに加えて、可動軸130に巻き付く巻数が必要となり、ロックばね150の高さが大きくなるためアームレスト装置全体としての厚さが大きくなり、アームレスト装置の薄型化に限界がある。 【0047】 これに対し、この実施形態では、固定軸2だけを用い、可動軸150を用いていないため、ロックばね5は固定軸2に巻き付く巻数だけで良い(図3参照)。従ってロックばね5の高さを小さくすることができ、その分、アームレスト装置全体の厚さを小さくすることができ、薄型化を行うことができる。 【0048】 なお、この実施形態における以上の角度調整作動において、解除ブロック8はスプリングピン12を介してロック解除カム部7b及び再ロックカム部7cとの急激な当接及び離反動作時に振動等の不用意な動きや、これに伴う異音が起き易い。これを防止するために、枢軸10と解除ブロック8との間に捩りばねを設け、常時ある方向、例えばロックばね5の自由側フック5bの方向へ付勢したり、ウェーブスプリング等のばねを挟接したり、或いは粘性の高いグリスを塗布することにより摩擦抵抗を付与して解除ブロック8の動きの緩衝することが望ましい。 【0049】 以上の実施形態においては、ロックばね5におけるコイル部5cの内径をテーパ状に変化させたが、本発明においては、ロックばね5に挿入される固定軸2の大径部2bの外径をテーパ状に変化させても良い。図11は固定軸2への適用を示し、その大径部2bにおける自由側フック5b側の外径D2が固定側フック5a側の外径d2よりも小さくなっており(D2<d2)、この間の外径がテーパ状に変化している。固定軸2の大径部2bの外径をこのように設定することにより、ロックばね5における固定側フック5a側の締め代が自由側フック5b側の締め代よりも大きくなるため、ロックばね5の拡径及び縮径への移行を円滑に行うことができ、アームレストの使い勝手が向上する。 【0050】 なお、本発明においては、ロックばね5の内径及び固定軸2の外径の双方に対して上述した変化を設けてロックばね5の締め代の変化を実現しても良い。 【0051】 図12〜図15は、固定軸2とリング体21によってアームレスト本体4を回転自在に挟み込む構造の別の実施形態をそれぞれ示す。 【0052】 図12の形態では、皿ばね、ウエーブスプリング等の板状の摩擦プレート31を用いるものであり、摩擦プレート31はアームレスト本体4と、固定軸2の大径部2b、小径部2c間の段差部2eに挟まれる。この摩擦プレート31を挟んだ状態でリング体21を大径部2bと反対側のアームレスト本体4の面に当接させ、固定軸2の小径部2cとリング体21との間を溶接してこれらを固定し、アームレスト本体4を回転自在に支持する。符号33は溶接部である。このように摩擦プレート31を挟み込むことにより、摩擦プレート31の適度な摩擦抵抗を得ることができ、操作感が向上する。 【0053】 図13の形態では、リング体21を段付き形状とし、リング体21の段差部と固定軸2とによってアームレスト本体4を回転自在に挟み込み、この状態で溶接部33によりリング体21と固定軸2とを固着する構造とするものである。この場合には、同図(a)に示すように、単一径の固定軸2を用いることが可能となる。 【0054】 図14の形態では、図13の形態におけるリング体21を用いると共に、(a)で示すように固定軸2に外周側に延びるフランジ部34を設けるものである。そして、リング体21の段差部と固定軸2のフランジ部34とによってアームレスト本体4を回転自在に挟み込み、これらを溶接部33によって一体化する。この形態では、固定軸2に設けたフランジ部34によってアームレスト本体4の支持力を大きくすることができるため、アームレスト本体4が固定軸2の軸方向にガタつくことがなくアームレスト本体4の横ガタを軽減させることができる。 【0055】 図15の形態では、(a)に示すように、固定軸2に2段の段差部36、37を形成し、一方の段差部36にアームレスト本体4を取り付け、他方の段差部37にリング体21を当接させ、この当接状態で溶接部33により固定軸2とリング体21とを一体化するものである。このようなアームレスト本体4の支持構造では、図14と同様にアームレスト本体4の支持力が増大するため、アームレスト本体4の横ガタを軽減させることができる。また、固定軸2の2段の段差部36、37とリング体21とによってアームレスト本体4を挟み込むため、アームレスト本体4を挟み込む精度が向上する。 【図面の簡単な説明】 【0056】 【図1】本発明の一実施形態におけるアームレスト装置全体の分解斜視図である。 【図2】一実施形態の収納位置での組み付け状態を示す正面図である。 【図3】図2におけるA−A線断面図である。 【図4】(a)はロックばねの断面図、(b)は平面図である。 【図5】フック固定部材の配置部分を示す正面図である。 【図6】フック固定部材の平面図である。 【図7】図6におけるB−B線断面図である。 【図8】フック固定部材の底面図である。 【図9】(a)〜(f)は一実施形態の角度調整作動を説明する作動図である。 【図10】(a)〜(c)はロックばねの作動を示す断面図である。 【図11】本発明に用いる固定軸の別の形態を示す断面図である。 【図12】(a)、(b)はアームレスト本体を挟み込む別の形態を示す断面図である。 【図13】(a)、(b)はアームレスト本体を挟み込む第2の別の形態を示す断面図である。 【図14】(a)、(b)はアームレスト本体を挟み込む第3の別の形態を示す断面図である。 【図15】(a)、(b)はアームレスト本体を挟み込む第4の別の形態を示す断面図である。 【図16】(a)、(b)は従来のアームレスト装置に用いるロックばねの断面図及び平面図である。 【図17】(a)〜(c)は従来のアームレスト装置に用いるロックばねの作動を示す断面図である。 【図18】2軸構造の従来のアームレスト装置の要部を示す断面図である。 【符号の説明】 【0057】 1 アームレスト取付部 2 固定軸 2b 大径部 2c 小径部 4 アームレスト本体 5 ロックばね 5a 固定側フック 5b 自由側フック 5c コイル部 6 フック固定部材 6a 係止溝 7 カム部材 7b ロック解除カム部 7c 再ロックカム部 8 解除ブロック 10 枢軸 12 スプリングピン
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004640 【氏名又は名称】日本発条株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月13日(2006.7.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000051 【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
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| 【公開番号】 |
特開2008−18098(P2008−18098A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月31日(2008.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2006−193240(P2006−193240) |
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