| 【発明の名称】 |
椅子 |
| 【発明者】 |
【氏名】深井 善朗
|
| 【要約】 |
【課題】座面部の角度及び背面部の角度が互いに独立して変化するようにして、利用者が常に最適な着座姿勢を取ることができるようにする。
【構成】ベース部13と、座面部14が固定され、前記ベース部13に回転可能に接続される第1のリンク11と、背面部15が固定され、前記第1のリンク11に回転可能に接続される第2のリンク12とを有する椅子10であって、前記ベース部13に対する第1のリンク11の角度に応じたトルクを発生する第1のトルク発生機構と、前記第1のリンク11に対する第2のリンク12の角度に応じたトルクを発生する第2のトルク発生機構とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)ベース部と、 (b)座面部が固定され、前記ベース部に回転可能に接続される第1のリンクと、 (c)背面部が固定され、前記第1のリンクに回転可能に接続される第2のリンクとを有する椅子であって、 (d)前記ベース部に対する第1のリンクの角度に応じたトルクを発生する第1のトルク発生機構と、 (e)前記第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じたトルクを発生する第2のトルク発生機構とを有することを特徴とする椅子。 【請求項2】 前記ベース部に対する第1のリンクの角度、及び、該第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じて、前記ベース部と第1のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第2のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する付加トルク発生機構を更に有する請求項1に記載の椅子。 【請求項3】 (a)ベース部と、 (b)座面部が固定される第1のリンクと、 (c)背面部が固定され、前記第1のリンクに回転可能に接続される第2のリンクと、 (d)一端が前記ベース部に回転可能に接続され、他端が前記第1のリンクに回転可能に接続される第3のリンクとを有する椅子であって、 (e)前記第3のリンクに対する第1のリンクの角度に応じたトルクを発生する第1のトルク発生機構と、 (f)前記第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じたトルクを発生する第2のトルク発生機構と、 (g)前記ベース部に対する第3のリンクの角度に応じたトルクを発生する第3のトルク発生機構を有することを特徴とする椅子。 【請求項4】 (a)前記第3のリンクに対する第1のリンクの角度、及び、該第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じて、前記第3のリンクと第1のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第2のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する第1の付加トルク発生機構と、 (b)前記ベース部に対する第3のリンクの角度、及び、前記第1のリンクに対する第3のリンクの角度に応じて、前記ベース部と第3のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第3のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する第2の付加トルク発生機構とを更に有する請求項3に記載の椅子。 【請求項5】 (a)ベース部と、 (b)座面部が固定される第1のリンクと、 (c)背面部が固定され、前記第1のリンクに回転可能に接続される第2のリンクと、 (d)一端が前記ベース部に回転可能に接続され、他端が前記第1のリンクに回転可能に接続される第3のリンクと、 (e)背面部が固定され、前記第2のリンクに回転可能に接続される第4のリンクとを有する椅子であって、 (f)前記第3のリンクに対する第1のリンクの角度に応じたトルクを発生する第1のトルク発生機構と、 (g)前記第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じたトルクを発生する第2のトルク発生機構と、 (h)前記ベース部に対する第3のリンクの角度に応じたトルクを発生する第3のトルク発生機構と、 (i)前記第2のリンクに対する第4のリンクの角度に応じたトルクを発生する第4のトルク発生機構とを有することを特徴とする椅子。 【請求項6】 (a)前記第3のリンクに対する第1のリンクの角度、及び、該第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じて、前記第3のリンクと第1のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第2のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する第1の付加トルク発生機構と、 (b)前記ベース部に対する第3のリンクの角度、及び、該第1のリンクに対する第3のリンクの角度に応じて、前記ベース部と第3のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第3のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する第2の付加トルク発生機構と、 (c)前記第2のリンクに対する第4のリンクの角度、及び、該第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じて、前記第2のリンクと第4のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第2のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する第3の付加トルク発生機構とを更に有する請求項5に記載の椅子。 【請求項7】 (a)ベース部と、 (b)相互に回転可能に接続されるとともに、いずれか一つが前記ベース部に回転可能に接続され、いずれか一つに座面部が固定され、他の一つに背面部が固定される複数のリンクとを有する椅子であって、 (c)前記ベース部又はリンクとそれに隣接するリンクとの角度に応じたトルクを発生するトルク発生機構を有することを特徴とする椅子。 【請求項8】 前記リンクに対する隣接するリンク又はベース部の角度に応じて、前記リンクの両側の関節部に作用するトルクを同時に発生する付加トルク発生機構を更に有する請求項7に記載の椅子。 【請求項9】 (a)ベース部と、 (b)相互に回転可能に接続されるとともに、いずれか一つが前記ベース部に回転可能に接続され、いずれか一つに座面部が固定され、他の一つに背面部が固定される複数のリンクとを有する椅子であって、 (c)前記座面部の角度及び背面部の角度を互いに独立して変化可能とすることを特徴とする椅子。 【請求項10】 (a)座面部と背面部とを有する椅子であって、 (b)利用者が前記座面部に着座することによって前記背面部が所定の位置及び角度に変化することを特徴とする椅子。 【請求項11】 (a)座面部と背面部とを有する椅子であって、 (b)前記座面部に着座する利用者の頭部及び腰部の位置関係に応じて、前記座面部及び背面部が、各々、所定の位置及び角度に変化することを特徴とする椅子。 【請求項12】 (a)座面部と背面部と枕部とを有する椅子であって、 (b)前記座面部に着座する利用者の頭部及び腰部の位置関係に応じて、前記座面部、背面部及び枕部が、各々、所定の位置及び角度に変化することを特徴とする椅子。 【請求項13】 (a)座面部と背面部とを有する椅子であって、 (b)所定の操作に応じて、前記座面部及び背面部が、各々、所定の位置及び角度に変化することを特徴とする椅子。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、椅子に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、オフィス等で使用される椅子(いす)として、背もたれ、すなわち、背面部にもたれ掛かると、背面部に連動して座面部が動作する椅子が提供されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照。)。 【0003】 図2は従来の椅子の構成を示す図である。 【0004】 図において、113は従来の椅子におけるベース部であり、図示されない支柱、キャスター等を備え、床面上に載置され、椅子全体及び椅子に着座する利用者の重量を支えるようになっている。そして、ベース部113の上端には、利用者が着座する座面部114が、関節部を介して、回転可能に取り付けられている。また、前記ベース部113の途中には、背面部115を支持する第1のリンク112が、関節部を介して、回転可能に取り付けられている。さらに、前記座面部114と第1のリンク112とは、関節部を介して両者に回転可能に取り付けられた第2のリンク111によって連結されている。 【0005】 そのため、椅子に着座した利用者が背面部115にもたれ掛かると、前記背面部115を支持する第1のリンク112は、関節部を軸に、ベース部113に対して回転する。また、座面部114は、第2のリンク111によって第1のリンク112に連結されているので、該第1のリンク112と連動して、関節部を軸に、ベース部113に対して回転する。 【特許文献1】特表2000−505677号公報 【非特許文献1】Wilkhahnホームページ、“Modus:Function”[online]、[平成18年6月15日検索]、インターネット<http://www.wilkhahn.co.jp/products/working/modus/function.html> 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、前記従来の椅子においては、背面部115に力を加えない限り座面部114が動作しないので、利用者は必ずしも最適な着座姿勢を取ることができなかった。 【0007】 すなわち、座面部114に着座した利用者がその背中を、初期状態における背面部115の座面部114に対する傾斜角度よりも大きく傾斜させないと、座面部114が動作しないようになっている。そのため、例えば、座面部114に着座した利用者が机に向かって作業を行うような場合のように、背面部115にもたれ掛からない場合には、座面部114の角度が変化しないので、利用者は必ずしも最適な着座姿勢を取ることができなかった。 【0008】 本発明は、前記従来の椅子の問題点を解決して、座面部の角度及び背面部の角度が互いに独立して変化するようにして、利用者が常に最適な着座姿勢を取ることができる椅子を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 そのために、本発明の椅子においては、ベース部と、座面部が固定され、前記ベース部に回転可能に接続される第1のリンクと、背面部が固定され、前記第1のリンクに回転可能に接続される第2のリンクとを有する椅子であって、前記ベース部に対する第1のリンクの角度に応じたトルクを発生する第1のトルク発生機構と、前記第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じたトルクを発生する第2のトルク発生機構とを有する。 【0010】 本発明の他の椅子においては、さらに、前記ベース部に対する第1のリンクの角度、及び、該第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じて、前記ベース部と第1のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第2のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する付加トルク発生機構を更に有する。 【0011】 本発明の更に他の椅子においては、ベース部と、座面部が固定される第1のリンクと、背面部が固定され、前記第1のリンクに回転可能に接続される第2のリンクと、一端が前記ベース部に回転可能に接続され、他端が前記第1のリンクに回転可能に接続される第3のリンクとを有する椅子であって、前記第3のリンクに対する第1のリンクの角度に応じたトルクを発生する第1のトルク発生機構と、前記第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じたトルクを発生する第2のトルク発生機構と、前記ベース部に対する第3のリンクの角度に応じたトルクを発生する第3のトルク発生機構を有する。 【0012】 本発明の更に他の椅子においては、さらに、前記第3のリンクに対する第1のリンクの角度、及び、該第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じて、前記第3のリンクと第1のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第2のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する第1の付加トルク発生機構と、前記ベース部に対する第3のリンクの角度、及び、前記第1のリンクに対する第3のリンクの角度に応じて、前記ベース部と第3のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第3のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する第2の付加トルク発生機構とを更に有する。 【0013】 本発明の更に他の椅子においては、ベース部と、座面部が固定される第1のリンクと、背面部が固定され、前記第1のリンクに回転可能に接続される第2のリンクと、一端が前記ベース部に回転可能に接続され、他端が前記第1のリンクに回転可能に接続される第3のリンクと、背面部が固定され、前記第2のリンクに回転可能に接続される第4のリンクとを有する椅子であって、前記第3のリンクに対する第1のリンクの角度に応じたトルクを発生する第1のトルク発生機構と、前記第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じたトルクを発生する第2のトルク発生機構と、前記ベース部に対する第3のリンクの角度に応じたトルクを発生する第3のトルク発生機構と、前記第2のリンクに対する第4のリンクの角度に応じたトルクを発生する第4のトルク発生機構とを有する。 【0014】 本発明の更に他の椅子においては、さらに、前記第3のリンクに対する第1のリンクの角度、及び、該第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じて、前記第3のリンクと第1のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第2のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する第1の付加トルク発生機構と、前記ベース部に対する第3のリンクの角度、及び、該第1のリンクに対する第3のリンクの角度に応じて、前記ベース部と第3のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第3のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する第2の付加トルク発生機構と、前記第2のリンクに対する第4のリンクの角度、及び、該第1のリンクに対する第2のリンクの角度に応じて、前記第2のリンクと第4のリンクとを接続する関節部に作用するトルク、及び、前記第1のリンクと第2のリンクとを接続する関節部に作用するトルクを同時に発生する第3の付加トルク発生機構とを更に有する。 【0015】 本発明の更に他の椅子においては、ベース部と、相互に回転可能に接続されるとともに、いずれか一つが前記ベース部に回転可能に接続され、いずれか一つに座面部が固定され、他の一つに背面部が固定される複数のリンクとを有する椅子であって、前記ベース部又はリンクとそれに隣接するリンクとの角度に応じたトルクを発生するトルク発生機構を有する。 【0016】 本発明の更に他の椅子においては、さらに、前記リンクに対する隣接するリンク又はベース部の角度に応じて、前記リンクの両側の関節部に作用するトルクを同時に発生する付加トルク発生機構を更に有する。 【0017】 本発明の更に他の椅子においては、ベース部と、相互に回転可能に接続されるとともに、いずれか一つが前記ベース部に回転可能に接続され、いずれか一つに座面部が固定され、他の一つに背面部が固定される複数のリンクとを有する椅子であって、前記座面部の角度及び背面部の角度を互いに独立して変化可能とする。 【0018】 本発明の更に他の椅子においては、座面部と背面部とを有する椅子であって、利用者が前記座面部に着座することによって前記背面部が所定の位置及び角度に変化する。 【0019】 本発明の更に他の椅子においては、座面部と背面部とを有する椅子であって、前記座面部に着座する利用者の頭部及び腰部の位置関係に応じて、前記座面部及び背面部が、各々、所定の位置及び角度に変化する。 【0020】 本発明の更に他の椅子においては、座面部と背面部と枕部とを有する椅子であって、前記座面部に着座する利用者の頭部及び腰部の位置関係に応じて、前記座面部、背面部及び枕部が、各々、所定の位置及び角度に変化する。 【0021】 本発明の更に他の椅子においては、座面部と背面部とを有する椅子であって、所定の操作に応じて、前記座面部及び背面部が、各々、所定の位置及び角度に変化する。 【発明の効果】 【0022】 本発明によれば、椅子は、座面部の角度及び背面部の角度が互いに独立して変化するようになっている。これにより、利用者は常に最適な着座姿勢を取ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。 【0024】 図1は本発明の第1の実施の形態における椅子の構成を示す図である。 【0025】 図において、10は本実施の形態における椅子であり、例えば、オフィス等において事務を行うために使用されるものであるが、家庭等において家事を行うために使用されるものであってもよく、いかなる場所でいかなる用途に使用されるものであってもよい。また、13は、前記椅子10のベース部であり、図示されない支柱、キャスター等を備え、床18の上に載置され、椅子10全体及び椅子10に着座する利用者の重量を支えるようになっている。なお、前記ベース部13は、キャスター等のように床18の上を移動可能なものであってもよいし、移動不能なものであってもよいが、床18の面に対しては、常に所定の角度、例えば、90度を維持するものとする。 【0026】 そして、前記べ一ス部13には、第1の関節部16を介して、第1のリンク11が回転可能に取り付けられている。この場合、前記べ一ス部13と第1のリンク11とは、図面に対して垂直な軸を中心に回転可能となっている。具体的には、ベース部13は、上端に軸受を備え、該軸受は図面に対して垂直な回転軸と整列するように配設される。そして、第1のリンク11は下端に軸を備え、該軸がベース部13の軸受に挿入されることによって前記第1の関節部16が構成される。これにより、第1のリンク11がベース部13に対して回転可能となる。 【0027】 また、前記第1のリンク11には、第2の関節部17を介して、第2のリンク12が回転可能に取り付けられている。この場合、前記第1のリンク11と第2のリンク12とは、図面に対して垂直な軸を中心に回転可能となっている。具体的には、第1のリンク11は上端に軸受を備え、該軸受は図面に対して垂直な回転軸と整列するように配設される。そして、第2のリンク12は下端に軸を備え、該軸が第1のリンク11の軸受に挿入されることによって前記第2の関節部17が構成される。これにより、第2のリンク12が第1のリンク11に対して回転可能となる。 【0028】 さらに、前記第1の関節部16及び第2の関節部17には、トルク発生機構としての第1のねじりばね25及び第2のねじりばね26が配設される。これにより、第1の関節部16及び第2の関節部17の回転軸には、該回転軸と回転方向が一致し、かつ、回転角度に応じた大きさのトルクが発生する。 【0029】 具体的には、第1のねじりばね25の両端がベース部13と第1のリンク11に固定され、第2のねじりばね26の両端が第1のリンク11と第2のリンク12に固定されている。このため、ベース部13に対して第1のリンク11が回転すると、第1のねじりばね25によって発生した回転角度に応じたトルクが回転軸に作用する。同様に、第1のリンク11に対して第2のリンク12が回転すると、第2のねじりばね26によって発生した回転角度に応じたトルクが回転軸に作用する。 【0030】 そして、前記第1のリンク11には、利用者が着座するクッション等を備えた座面部14が固定されている。また、前記第2のリンク12には、利用者が背をもたせ掛けるクッション等を備えた背面部15が固定されている。 【0031】 なお、利用者が着座していない初期状態におけるベース部13と第1のリンク11との初期角度及び第1のリンク11と第2のリンク12との初期角度は、適宜設定することができる。また、前記第1のねじりばね25及び第2のねじりばね26のばね定数も適宜設定することができる。 【0032】 次に、前記構成の椅子の動作について説明する。 【0033】 まず、利用者が座面部14に着座すると、利用者の重量を受けることによって、ベース部13に対して第1のリンク11が回転し、前記ベース部13と第1のリンク11との角度が変化する。そして、この角度変化の大きさ、すなわち、第1の関節部16の回転角度に応じて第1のねじりばね25がトルクを発生する。前記第1のねじりばね25が発生するトルクと、利用者の重量及び姿勢(頭部及び腰部の位置関係)によって発生する負荷トルクが釣り合う位置でベース部13に対する第1のリンク11の回転が停止し、前記ベース部13と第1のリンク11との角度が定まる。 【0034】 同様に、利用者が背面部15にもたれ掛かると、第1のリンク11に対して第2のリンク12が回転し、第1のリンク11と第2のリンク12との角度が変化する。そして、この角度変化の大きさ、すなわち、第2の関節部17の回転角度に応じて第2のねじりばね26がトルクを発生する。前記第2のねじりばね26が発生するトルクと、利用者の背面部15にもたれ掛かる重量及び姿勢(頭部及び腰部の位置関係)によって発生する負荷トルクが釣り合う位置で第1のリンク11に対する第2のリンク12の回転が停止し、前記第1のリンク11と第2のリンク12との角度が定まる。 【0035】 このように、本実施の形態においては、座面部14の角度及び背面部15の角度が互いに独立して変化する。そのため、「背景技術」の項で説明したような背面部115に力を加えない限り座面部114が動作しない従来の椅子と異なり、利用者は、常に最適な着座姿勢を取ることができる。 【0036】 次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。 【0037】 図3は本発明の第2の実施の形態における椅子の第1の関節部と第2の関節部との間部分の構成を示す図、図4は本発明の第2の実施の形態における椅子の付加トルク発生機構の構成を示す図である。 【0038】 本実施の形態における椅子10は、図3に示されるように、トルク発生機構として、第1のねじりばね25及び第2のねじりばね26に加え、第1の関節部16と第2の関節部17との間に配設され、前記第1の関節部16及び第2の関節部17の回転角度に応じて、第1の関節部16及び第2の関節部17に同時にトルクを作用させる付加トルク発生機構を有する。そして、該付加トルク発生機構は、第1のプーリ21、第2のプーリ22、第1の引張りコイルスプリング23及び第2の引張りコイルスプリング24を備える。なお、前記付加トルク発生機構の構成は、図4により明確に示されている。 【0039】 ここで、第1のプーリ21は、その回転軸が第1の関節部16の回転軸と一致するようにベース部13に固定されている。同様に、第2のプーリ22は、その回転軸が第2の関節部17の回転軸と一致するように第2のリンク12に固定されている。 【0040】 また、第1の引張りコイルスプリング23は、両端にワイヤが固定されている。そして、下端側のワイヤは、第1のプーリ21の外周に巻きつけられて固定されている。また、上端側のワイヤは、第2のプーリ22の外周に巻きつけられて固定されている。 【0041】 同様に、第2の引張りコイルスプリング24は、両端にワイヤが固定されている。そして、下端側のワイヤは、第1のプーリ21の外周に巻きつけられて固定されている。また、上端側のワイヤは、第2のプーリ22の外周に巻きつけられて固定されている。 【0042】 なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。 【0043】 次に、本実施の形態における椅子10の動作について説明する。 【0044】 まず、第1の引張りコイルスプリング23及び第2の引張りコイルスプリング24のばね定数をともにκとする。そして、図3に示されるように、第1のプーリ21及び第2のプーリ22のモーメントアームを、各々、r1及びr2とする。また、第1のねじりばね25及び第2のねじりばね26のばね定数を、各々、κ1及びκ2とする。さらに、図3に示されるように、第1の引張りコイルスプリング23及び第2の引張りコイルスプリング24が自然長となる第1の関節部16及び第2の関節部17の関節角度を、各々、θ1及びθ2とし、前記関節角度からの変位角度を、各々、δ1及びδ2とする。 【0045】 これにより、付加トルク発生機構によって発生して第1の関節部16及び第2の関節部17の回転軸に作用するトルクτ1及びτ2は、次の式(1)で表される。 【0046】 【数1】
そして、第1の関節部16及び第2の関節部17の回転軸に作用するトルクτ1及びτ2と、着座した利用者の重量及び姿勢によって発生する負荷トルクとが釣り合う位置で第1の関節部16及び第2の関節部17の回転が停止して、第1のリンク11及び第2のリンク12の角度が決定する。すなわち、着座姿勢が定まる。 【0047】 このように、本実施の形態においては、べ一ス部13と第1のリンク11との角度、すなわち、第1の関節部16の関節角度θ1からの変位角度δ1と、第1のリンク11と第2のリンク12との角度、すなわち、第2の関節部17の関節角度θ2からの変位角度δ2とに連動して着座姿勢が決定される。 【0048】 つまり、「背景技術」の項で説明したような背面部115に力を加えない限り座面部114が動作しない従来の椅子と異なり、本実施の形態の椅子10においては、座面部14と背面部15とが連動して動作するので、各パラメータを適当に設定することによって、利用者が座面部14に着座するだけで背面部15の位置が最適に設定される。また、利用者が背面部15にもたれ掛かることによって、座面部14の角度を最適に変更することが可能になる。 【0049】 さらに、第1の関節部16及び第2の関節部17に、各々、トルクτa1及びトルクτa2を与える手段を付加すると、第1の関節部16及び第2の関節部17の回転軸に作用するトルクτ1及びτ2は、次の式(2)で表される。 【0050】 【数2】
これにより、積極的に椅子10の姿勢を変更することが可能となり、例えば、着座していた利用者が立ち上がる際に、立ち上がりの補助を行うような動作が可能となる。 【0051】 次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。 【0052】 図5は本発明の第3の実施の形態における椅子の構成を示す図である。 【0053】 図に示されるように、本実施の形態における椅子10は、第1のリンク11とべ一ス部13とを接続する第3のリンク32を有する。この場合、前記べ一ス部13には、第3の関節部31を介して、第3のリンク32が回転可能に取り付けられている。そして、前記第3の関節部31には、トルク発生機構としての第3のねじりばね27が配設される。なお、前記第3の関節部31及び第3のねじりばね27は、第1の関節部16及び第2の関節部17、並びに、第1のねじりばね25及び第2のねじりばね26と同様の構成を備えるものである。 【0054】 また、前記第3のリンク32の上端は、第1の関節部16を介して、第1のリンク11に回転可能に取り付けられている。そして、前記第1の関節部16には第1のねじりばね25が配設される。 【0055】 さらに、第1の関節部16と第3の関節部31との間には、図3及び4に示されるような付加トルク発生機構が配設されている。なお、その他の点の構成については、前記第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。 【0056】 次に、本実施の形態における椅子10の動作について説明する。 【0057】 本実施の形態において、第1の関節部16、第2の関節部17及び第3の関節部31の各回転軸に作用するトルクτ1、τ2及びτ3は、前記第2の実施の形態と同様に、次の式(3)で表される。 【0058】 【数3】
そして、第1の関節部16、第2の関節部17及び第3の関節部31の各回転軸に作用するトルクτ1、τ2及びτ3と、着座した利用者の重量及び姿勢によって発生する負荷トルクとが釣り合う位置で第1の関節部16、第2の関節部17及び第3の関節部31の回転が停止して、第1のリンク11、第2のリンク12及び第3のリンク32の角度が決定する。すなわち、着座姿勢が定まる。 【0059】 このように、本実施の形態において、椅子10は、前記第2の実施の形態における効果に加えて、各パラメータを適当に調節することによって、座面部14及び背面部15の上下方向の位置を調節することができる、という効果を有する。 【0060】 次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。 【0061】 図6は本発明の第4の実施の形態における椅子の構成を示す図である。 【0062】 図に示されるように、本実施の形態における椅子10は、第2のリンク12の上端に接続された第4のリンク33と、クッションを備え、前記第4のリンク33に固定された枕部34とを有する。この場合、前記第4のリンク33は、第4の関節部35を介して、第2のリンク12の上端に回転可能に取り付けられている。そして、前記第4の関節部35には、トルク発生機構としての第4のねじりばね36が配設される。なお、前記第4の関節部35及び第4のねじりばね36は、第1の関節部16、第2の関節部17及び第3の関節部31、並びに、第1のねじりばね25、第2のねじりばね26及び第3のねじりばね27と同様の構成を備えるものである。 【0063】 また、第2の関節部17と第4の関節部35との間には、図3及び4に示されるような付加トルク発生機構が配設されている。なお、その他の点の構成については、前記第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。 【0064】 次に、本実施の形態における椅子10の動作について説明する。 【0065】 本実施の形態において、第1の関節部16、第2の関節部17、第3の関節部31及び第4の関節部35の各回転軸に作用するトルクτ1、τ2、τ3及びτ4は、前記第2の実施の形態と同様に、次の式(4)で表される。 【0066】 【数4】
そして、第1の関節部16、第2の関節部17、第3の関節部31及び第4の関節部35の各回転軸に作用するトルクτ1、τ2、τ3及びτ4と、着座した利用者の重量及び姿勢によって発生する負荷トルクとが釣り合う位置で第1の関節部16、第2の関節部17、第3の関節部31及び第4の関節部35の回転が停止して、第1のリンク11、第2のリンク12、第3のリンク32及び第4のリンク33の角度が決定する。すなわち、着座姿勢が定まる。 【0067】 このように、本実施の形態において、椅子10は、前記第3の実施の形態における効果に加えて、枕部34も、座面部14及び背面部15と連動して動作する、という効果を有する。 【0068】 次に、本発明の変形例について説明する。 【0069】 図7は本発明の変形例におけるトルク発生機構を示す図である。 【0070】 前記第1の実施の形態において説明したようなべ一ス部13と第1のリンク11とを回転可能に接続する構造、及び、第1のリンク11と第2のリンク12とを回転可能に接続する構造は、必ずしも軸と軸受とから成るものである必要はなく、自由に回転が可能な構造であれば、同様の効果を期待することができる。 【0071】 また、前記第1の実施の形態において説明したような第1の関節部16及び第2の関節部17の回転軸の回転角度に応じた大きさのトルクを発生させるトルク発生機構は、必ずしもねじりばねである必要はなく、図7に示されるように、リンクの端部に取り付けたプーリと引張りコイルスプリングとから成るものであっても、同様のトルクを発生させることができる。 【0072】 さらに、前記第2の実施の形態において説明したような第1の関節部16及び第2の関節部17の回転角度に応じて、前記第1の関節部16及び第2の関節部17に同時にトルクを発生させる付加トルク発生機構は、必ずしも図3及び4に示されるようなものである必要はなく、式(1)で表されるトルクτ1及びτ2を発生するものであれば、電動モータ等を使用するものであっても、同様の効果を期待することができる。 【0073】 なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。 【図面の簡単な説明】 【0074】 【図1】本発明の第1の実施の形態における椅子の構成を示す図である。 【図2】従来の椅子の構成を示す図である。 【図3】本発明の第2の実施の形態における椅子の第1の関節部と第2の関節部との間部分の構成を示す図である。 【図4】本発明の第2の実施の形態における椅子の付加トルク発生機構の構成を示す図である。 【図5】本発明の第3の実施の形態における椅子の構成を示す図である。 【図6】本発明の第4の実施の形態における椅子の構成を示す図である。 【図7】本発明の変形例におけるトルク発生機構を示す図である。 【符号の説明】 【0075】 10 椅子 11 第1のリンク 12 第2のリンク 13 ベース部 14 座面部 15 背面部 16 第1の関節部 17 第2の関節部 25 第1のねじりばね 26 第2のねじりばね 27 第3のねじりばね 31 第3の関節部 32 第3のリンク 33 第4のリンク 35 第4の関節部 36 第4のねじりばね
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000295 【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年6月29日(2006.6.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100116207 【弁理士】 【氏名又は名称】青木 俊明
【識別番号】100089635 【弁理士】 【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426 【弁理士】 【氏名又は名称】川合 誠
|
| 【公開番号】 |
特開2008−6031(P2008−6031A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−178869(P2006−178869) |
|