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【発明の名称】 パイプ用のキャップ
【発明者】 【氏名】坂井 康英

【要約】 【課題】パイプからの着脱が容易な、使用者に安全な端部キャップを提供する。

【構成】キャップ10は、パイプの内周面に挿入される挿入部20と、前記挿入部と連続して設けられ、該パイプの挿入側の端縁に当接する係合段部30と、前記係合段部の端部から前記挿入部の端部までを貫通するとともに、手指の挿入が可能な開口を有する挿入孔40とを備え、前記挿入部には、挿入される前記パイプの内周と対向する位置に、挿入された前記パイプの内周によって挿入部20方向へ押圧される高さまで、該パイプの内周方向に突出するとともに、該パイプへの挿入方向へ伸びた、弾性変形可能な突条21…が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付具を介して壁面などに取り付けられるパイプの端部に挿入されるキャップであって、
上記キャップは、
前記パイプの内周面に挿入される挿入部と、
前記挿入部と連続して設けられ、該パイプの挿入側の端縁に当接する係合段部と、
前記係合段部の端部から前記挿入部の端部までを貫通するとともに、手指の挿入が可能な開口を有する挿入孔とを備え、
前記挿入部には、挿入される前記パイプの内周と対向する位置に、挿入されたパイプの内周によって挿入部方向へ押圧される高さまで、該パイプの内周方向に突出するとともに、該パイプへの挿入方向へ伸びた、弾性変形可能な突条が形成されていることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
突条は、パイプへの挿入側の突出高さを、突条の他の部分よりも低く形成したことを特徴とする請求項1記載のキャップ。
【請求項3】
突条は、対象位置に複数個配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のキャップ。
【請求項4】
突条は、互いに平行に配置したことを特徴とすることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のキャップ。
【請求項5】
キャップには、
パイプへの反挿入側の端部に、弾性材料で形成し当接部を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のキャップ。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ハンガーパイプ用のキャップ、特に、薄肉金属製のパイプの端部に挿入することによってパイプ、パイプ設置の作業環境を守り、運搬者や設置作業者等のけが等を防止するキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クローゼットの壁面や取付家具の内面などに取付具を介して取り付けられるパイプは、各々の寸法に合わせるために、長尺状のパイプを現場で切断することが多く、そのままでは運搬や取付作業の時に切断したままの端部によって手指を負傷したり、誤って落下させることにより、床面を傷つけたりすることがあることから、パイプの端部にキャップを挿入しているものが知られている。
【特許文献1】特開2005−336971
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記した従来のキャップでは、パイプに一度挿入してしまうと、挿入したキャップを取り外すことは難しく、現場の寸法に併せてパイプを切断する予定がある場合などは、切断する前はキャップを挿入することができず、キャップを挿入していない状態では、運搬時などに周囲を傷つけたり、運搬者の手指を傷つけてしまうといった問題点があった。
【0004】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1〜請求項6)
すなわち、請求項1〜請求項6に記載の発明は、次の点を目的とする。
請求項1〜6に記載の発明は、パイプの端部によって床や周囲のものを傷つけたり、運搬者や作業者の手指などを傷つけることを防止するとともに、パイプからの着脱が容易なキャップを提供しようとするものである。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0005】
すなわち、請求項2に記載の発明は、パイプへの挿入が容易なキャップを提供しようとするものである。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0006】
すなわち、請求項3記載の発明は、パイプ内の適切な位置に挿入することが容易なキャップを提供しようとするものである。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1、請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0007】
すなわち、請求項4記載の発明は、パイプへの挿入及び離脱が容易なキャップを提供しようとするものである。
(請求項5)
請求項5記載の発明は、上記した請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0008】
すなわち、請求項5記載の発明は、取付具に対するパイプのガタツキ、振動によるパイプと取付具との離接にともなう金属的な接触音の発生を防止しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0010】
すなわち、取付具(50)を介して壁面などに取り付けられるパイプ(例えばハンガーパイプ60)の端部に挿入されるキャップ(10)であって、上記キャップ(10)は、前記パイプ(60)の内周面に挿入される挿入部(20)と、前記挿入部(20)と連続して設けられ、該パイプ(60)の挿入側の端縁に当接する係合段部(30)と、前記係合段部(30)の端部から前記挿入部(20)の端部までを貫通するとともに、手指の挿入が可能な開口を有する挿入孔(40)とを備え、前記挿入部(20)には、挿入される前記パイプ(60)の内周と対向する位置に、挿入されたパイプ(60)の内周によって挿入部(20)方向へ押圧される高さまで、該パイプ(60)の内周方向に突出するとともに、該パイプ(60)への挿入方向へ伸びた、弾性変形可能な突条(21…)が形成されていることを特徴とする。
【0011】
したがって、請求項1記載の発明によれば、キャップ(10)をパイプ(60)に挿入するには、キャップ(10)の挿入部(20)を、パイプ(60)の端部の開口にあてがって、押し込む。押し込まれたキャップ(10)は、パイプ(60)の内周面によって突条(21…)が弾性変形しながらパイプ(60)の内周と接触し摩擦抵抗によって、押し込む力に抗しようとするが、押し込む力を摩擦抵抗よりも高めれば、パイプ(60)の内部を押し込み方向移動する。そして、係合段部(30)がパイプ(60)の端縁に当接することでキャップ(10)は移動を停止する。この状態では、前記突条(21…)とパイプ(60)の内周との摩擦抵抗によって、前記キャップ(10)が前記パイプ(60)から簡単に抜け落ちることがない。
【0012】
また、前記キャップ(10)が挿入された状態で、キャップ(10)の係合段部(30)によってパイプ(60)の端縁が覆い隠されることで、パイプ(60)の端縁が損傷したり、逆に、パイプ(60)の端縁によって、周囲、床などを損傷したり、運搬者や作業者などの手指を損傷したりすることがない。
つぎに、パイプ(60)に挿入されたキャップ(10)をパイプ(60)から離脱させるには、パイプ(60)に挿入されたキャップ(10)の挿入部(20)に手指を差し込むとともに、パイプ(60)からキャップ(10)の係合段部(30)よりも反挿入方向に露出している部分を他の手指で掴むことにより、挿入部(20)に挿入した手指と係合段部(30)側の手指とでキャップ(10)を掴む。そして、キャップ(10)を掴んだ状態で、キャップ(10)をパイプ(60)の内部から取り出す方向に引くことで、キャップ(10)を引く力が前記突条(21…)とパイプ(60)の内周との摩擦抵抗よりも大きくすれば、キャップ(10)をパイプ(60)から離脱させることができる。
【0013】
また、離脱させた前記キャップ(10)の突条(21…)は、弾性変形が可能な材料で形成されているので、挿入したキャップ(10)をパイプ(60)から離脱させれば、パイプ(60)の内周によって、変形していた突条(21…)は元の形状に復帰する。
したがって、離脱したキャップ(10)を再びパイプ(60)に挿入するには、先に説明したパイプ(60)への挿入と同じ方法で挿入すれば足り、先の説明と同様に、パイプ(60)の内周と接触し、離脱しない状態を維持することができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0014】
すなわち、請求項2記載の発明は、突条(21…)は、パイプ(60)への挿入側の突出高さを、突条(21…)の他の部分よりも低く形成したことを特徴とする。
したがって、前記キャップ(10)を、パイプ(60)に挿入する際に、前記突条(21…)の挿入側の端部が、パイプ(60)の端部に接触して、挿入を妨げるようなことがなく、スムーズに前記キャップ(10)を前記パイプ(60)内に挿入することができる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0015】
すなわち、請求項3記載の発明は、突条(21…)は、対象位置に複数個配置したことを特徴とする。
したがって、請求項3記載の発明によれば、前記突条(21…)を対象位置に配置したことで、突条(21…)から均等にパイプ(60)の内周からの押圧を受けることで、パイプ(60)の軸心と同じ位置にキャップ(10)の軸心を位置させることができる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1、請求項2又は請求項3に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0016】
すなわち、請求項4記載の発明は、突条(21…)は、互いに平行に配置したことを特徴とする。
したがって、請求項4記載の発明によれば、キャップ(10)を挿入したり、離脱させるときに、パイプ(60)の内周との摩擦力が突条(21…)の伸びる方向に真っ直ぐにかかり分散しにくいために、押圧又は引っ張りをスムーズに行うことができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0017】
すなわち、キャップ(10)には、パイプ(60)への反挿入側の端部に、弾性材料で形成した当接部(70)を設けたことを特徴とする。
したがって、請求項5に記載の発明は、当接部(70)が弾性を持っているから、取付具(50)を対応させて取り付けた壁などの間の距離よりも、パイプ(60)が多少短く、パイプ(60)と壁との間に隙間が生じそうなときでも、隙間を弾力的に埋めることができ、ガタツキや振動によるパイプ(60)と取付具(50)を取り付けた壁などの離接に伴う金属的な接触音の発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1〜請求項6)
すなわち、請求項1〜6に記載の発明によれば、パイプの端部によって床や周囲のものを傷つけたり、運搬者や作業者の手指などを傷つけることを防止するとともに、パイプからの着脱が容易なキャップを提供することができる。
(請求項2)
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、パイプへの挿入が容易なキャップを提供することができる。
(請求項3)
すなわち、請求項3記載の発明によれば、パイプ内の適切な位置に挿入することが容易なキャップを提供することができる。
(請求項4)
すなわち、請求項4記載の発明によれば、パイプへの挿入及び離脱が容易なキャップを提供することができる。
(請求項5)
すなわち、請求項5記載の発明によれば、取付具に対するパイプのガタツキ、振動によるパイプと取付具との離接にともなう金属的な接触音の発生を防止することのできるキャップを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(図面の説明)
図1〜7は、本発明の実施の形態の一例をそれぞれ示すものである。
図1は、キャップの側面図、図2はキャップの正面図、図3はキャップの背面図、図4は図1のA−A断面図、図5は壁面へ取付具を介してハンガーパイプを取り付けたときの分解斜視図、図6は組み立て家具に取り付けた状態の斜視図、図7は異なる取付具を介して壁面に取り付けたときの分解斜視図を各々示す。
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
(キャップ)
図1中、10は、キャップを示すものであり、このキャップ10は、弾性を備えた合成樹脂で形成され、全体として環状に形成されている。そして、前記キャップ10は、環状の一端から後述するパイプとしての金属製のハンガーパイプ60(図4〜7)の端部に挿入し、ハンガーパイプ60の端縁を覆うものである。
【0021】
また、前記ハンガーパイプ60は、後述するように、例えばクローゼットの壁面や取付家具の内面などに取り付けられた取付具50を介して設置され、主として衣料などを掛けるハンガーを吊すためなどに用いられる。
前記キャップ10は、ハンガーパイプ60へ挿入される挿入部20と、前記挿入部20の反挿入側の端部に一体に形成され、ハンガーパイプ60への挿入時に、ハンガーパイプ60の端縁に当接して、キャップ10がハンガーパイプ60へ更に挿入されるのを防ぐための係合段部30と、前記係合段部30と前記挿入部20とをハンガーパイプ60の挿入方向へ貫通して形成された挿入孔40と、ハンガーパイプ60への反挿入側、すなわち取付具(50)側の端部に設けられた当接部70とを備えている。
(挿入部)
前記挿入部20は、図4に示すように、ハンガーパイプ60の端部から挿入し易いように、ハンガーパイプ60の内周よりやや小さめの外径寸法に形成されている。
【0022】
また、挿入部20には、挿入されたハンガーパイプ60と対向する位置の外周に、外周方向に向かって突出するとともに、ハンガーパイプ60への挿入方向へ向かって直線的に伸びた突条21…が4カ所に設けられている。
(突条)
そして、前記4カ所の突条21…は、図2に示すように、ハンガーパイプ60への挿入方向の軸心を中心とした点対象位置に配置されているので、ハンガーパイプ60に挿入されたときに、全ての突条21…がパイプの内周から同等の圧力を受けることができ、ハンガーパイプ60の軸心と同じ軸心にキャップ10の配置させることができる。
【0023】
4カ所の前記突条21…は、図1及び図2に示すように、各々同一に形成されているので、1カ所の突条21…について説明し、残りの3カ所についての説明を省略する。
前記突条21…は、図1及び2に示すように、1カ所に等間隔で3本、平面視すると、ハンガーパイプ60への挿入方向へ真っ直ぐ伸びて平行に配置されている。
また、前記3本の突条21…は、図1〜3に示すように、全て同一形状に形成されているので、1本の突条21…を例に説明する。
【0024】
前記突条21…は、図1に示すように、ハンガーパイプ60への挿入方向の途中が高く、挿入方向及び反挿入方向の端部に行くに従って次第に低くなるように形成されており、全体としては、側面から見て弧状をなしている。
また、前記突条21…の高い部分の頂点から点対称位置の突条21…の高い部分までの長さは、図4に示すように、挿入するハンガーパイプ60の内径よりも大きく、外径よりもやや小さく形成されている。さらに、前記突条21…は、弾性変形が可能な材料で形成されているので、挿入されたハンガーパイプ60の内周による押圧によって弾性変形することで、前記突条21…の表面とハンガーパイプ60の内周との接触面積を広くとることができる。
【0025】
したがって、内径と前記突条21…との間に適度な摩擦が生じ、ハンガーパイプ60への挿入が人の力で可能であるとともに、ハンガーパイプ60に一旦挿入されるとキャップ10は、運搬中に不用意に抜け落ちることがない。
そして、キャップ10をハンガーパイプ60の端部に挿入する際には、突条21…の突出高さが低い位置から先にハンガーパイプ60の内部に挿入することができ、スムーズな挿入が可能となる。また、前記突条21…は、挿入方向の途中が高く形成されているので、この高い部分が挿入されたハンガーパイプ60の内周に強く接触して高い摩擦力を生じ、ハンガーパイプ60に挿入されたキャップ10は、運搬や移動の際にハンガーパイプ60から抜け落ちることがない。
(係合段部)
前記係合段部30は、図1に示すように、前記挿入部20のハンガーパイプ60への反挿入側の端部に設けられ、前記挿入部20よりも外周方向へ突出して形成され、ハンガーパイプ60の挿入側の端縁に当接するとともに、ハンガーパイプ60の端縁を全て覆うような寸法に形成されている。
【0026】
すなわち、前記係合段部30は、前記挿入部20よりも外周方向へ突出する高さは、挿入するハンガーパイプ60の外径と同じとなる高さに形成され、ハンガーパイプ60の外径から突出することがないように形成されている。このため、取付具50を介して設置されるときにも、ハンガーパイプ60の外径と、外径に合わせた取付具50との寸法関係に変更を加えることなく、対処することができる。したがって、キャップ10の挿入を予定していなかったハンガーパイプ60にキャップ10を挿入しても、寸法的に問題なく、取付具50を介してハンガーパイプ60を設置することができる汎用性を備えている。
【0027】
また、キャップ10をハンガーパイプ60に挿入し、係合段部30にハンガーパイプ60の端縁が当接する位置までキャップ10が達すると、それ以上パイプの内部にキャップ10を挿入することができなくなり、ハンガーパイプ60の端縁をカバーするとともに、挿入のしすぎによるキャップ10のハンガーパイプ60への奥への落ち込みも防止している。
(挿入孔)
前記挿入孔40は、図1〜4に示すように、開口部分が正面視で円形に形成されて、係合段部30のハンガーパイプ60への反挿入側の端部から挿入部20の端部までを、筒状に貫通するように形成されている。したがって、係合段部30の開口部分からハンガーパイプ60への挿入方向へ手指を挿入可能に形成されている。
(当接部)
前記当接部70は、図1に示すように、前記挿入部20をハンガーパイプ60へ挿入し、ハンガーパイプ60の端縁に前記係合段部30が当接した状態で、ハンガーパイプ60から露出する部分に、ハンガーパイプ60の反挿入方向に厚みを有して形成されている。
(キャップの挿入)
前記キャップ10をハンガーパイプ60に挿入するためには、キャップ10の挿入部20をハンガーパイプ60の端部の開口からハンガーパイプ60方向に押圧する。押圧されたキャップ10は、図4に示すように、ハンガーパイプ60の内周に、その突条21…が押されて弾性変形をすることでハンガーパイプ60の内周に収まる。さらに、キャップ10を押し込むと、図4に示すように、キャップ10の係合段部30に、ハンガーパイプ60の端縁が当接することにより、キャップ10を押し込む動作が阻止されて、キャップ10の挿入が完了する。
【0028】
また、ハンガーパイプ60のもう一方の端部にキャップ10を挿入するには、同じように、もう一方の端部にキャップ10を挿入すればよい。
このように、ハンガーパイプ60の両端にキャップ10を挿入しておけば、運搬や移動の際に誤って落としたり、他のものにぶつけたりして、床や他のものを傷つけたりすることがなく、切断などのの際に生じた端縁のバリで、手指などを傷つけることもない。
(取付家具などへの取付)
つぎに、ハンガーパイプ60を取付家具などの壁面に取り付けるには、取付家具の壁面に、ネジなどの固定手段を用いて、図5に示すように、予め取付具50を取り付けておく。前記取付具50は、図5に示すように、ハンガーパイプ60を挿入する部分に加え、上方にも開口を有するソケット状に形成されている。前記取付具50の上方の開口には、ハンガーパイプ60の飛び出し防止のためのハズレ止め板51が挿入される。
【0029】
そして、ハンガーパイプ60を壁面に取り付けるためには、前記取付具50に、端部にキャップ10を挿入したハンガーパイプ60の両端を挿入し、ハンガーパイプ60の上方の開口をハズレ止め板で塞げばよい。
なお、前記取付具50は、図には示さないが、対向する、取付家具の一対の壁面に取り付ける。そして、前記一対の取付具50の間に、キャップ10を挿入した状態のハンガーパイプ60を掛け渡した後に、上記のように、ハンガーパイプ60を取り付ければよい。
【0030】
また、ハンガーパイプ60は、施行の容易さを考慮し、設置する壁などの対向間隔よりもやや短い寸法に形成されている。このため、ハンガーパイプ60を、図5に示すように、取付具50を介して取り付けた際に、仮にキャップ10を挿入しなければ、ハンガーパイプ60の端縁と取付具50との間に隙間が生じることがある。この状態で、人の歩行や階段の昇降、自動車の走行、風などによって生じる振動によって、ハンガーパイプ60が揺れると、取付具50との間で金属的な接触音を生じる。
【0031】
一方、ハンガーパイプ60を、図5に示すように、取付具50を介して取り付けた際に、仮にキャップ10を挿入しておけば、ハンガーパイプ60の端縁と取付具50との間に隙間が生じたとしても、弾性を備えた前記当接部70によって埋めることができガタツキを防止することができる。
(キャップの離脱)
つぎに、ハンガーパイプ60に挿入していたキャップ10を離脱させるには、係合段部30の反挿入側に形成された開口部分を介して貫通孔に手指、例えば人差し指を挿入しながら、親指をハンガーパイプ60から露出した係合段部30に掛ける。そして、この状態で、キャップ10を人差し指と親指で掴みながらハンガーパイプ60から引っ張れば、すなわち、キャップ10の突条21…とハンガーパイプ60の内周との摩擦よりも強い力で引けば、キャップ10を離脱させることができる。
【0032】
前記キャップ10は、弾性を備えた合成樹脂で形成されているので、キャップ10の挿入や離脱の際にハンガーパイプ60の内周や端縁を傷つけることもない。
また、壁面への取付の際に、ハンガーパイプ60の長さが対向する壁面の対向間隔よりも長い場合には、ハンガーパイプ60を壁面の対向間隔に合わせて切断する必要がある。ハンガーパイプ60の長さを合わせるには、まず、ハンガーパイプ60に挿入してあるキャップ10を挿入孔40から手指を挿入してキャップ10をハンガーパイプ60から離脱させる。その後、ハンガーパイプ60を所望の長さに合わせて切断し、再びキャップ10をハンガーパイプ60に挿入すればよい。
【0033】
なお、本実施の形態では、ハンガーパイプ60を切断する前にキャップ10を離脱したが、キャップ10を挿入したままハンガーパイプ60を切断した後に、切断した側からキャップ10を離脱し、そのキャップ10を、長さを合わせたハンガーパイプ60に挿入してもよい。
さらに、前記突条21…は、弾性変形可能な材料で形成されているので、ハンガーパイプ60からキャップ10を離脱すれば、変形した突条21…は元に戻り、再びハンガーパイプ60に挿入するときには、最初に挿入した時の機能を再び持続することができる。
(他の実施の形態)
上記した実施の形態の他、以下のような異なる実施の形態を説明する。
(突条)
前記突条21…は、挿入部20の4カ所に設けられていると説明したが、突条21…を設ける箇所は、必ずしも4カ所に限られず、例えば2カ所、5カ所や6カ所であってもよい。
【0034】
また、前記突条21…は、ハンガーパイプ60への挿入方向の軸心を中心とした点対象位置の挿入部20に配置されていると説明したが、必ずしも点対称に配置されていなくともよい。例えば、突条21…を奇数個配置するときには、線対称に配置してもよい。
さらに、前記突条21…は、1カ所に3本形成されていると説明したが、突条21…の数はこれに限られず、例えば1本、2本や5本であってもよい。
【0035】
また、前記突条21…は、平面視すると、ハンガーパイプ60への挿入方向に向かって直線的に伸びていると説明したが、直線的に形成されなくともよい。前記突条21…の伸びる形状は、ハンガーパイプ60と突条21…との摩擦抵抗の程度で決定されるものであり、突条21…をジグザグ状に形成したり、波線状に形成してもよい。
前記突条21…は、ハンガーパイプ60への挿入方向の途中が高く、挿入方向及び反挿入方向の端部に行くに従って次第に低くなるように形成されて居ると説明したが、前記突条21…の形状は、これに限られず、例えば反挿入方向の端部は、端部に行くに従って次第に低くなるように形成せずに、挿入方向の途中と同じ高さに形成してもよい。
【0036】
また、上記実施の形態では、前記取付具50は、図5に示すように、ハンガーパイプ60を挿入する部分に加え、上方にも開口を有するソケット状に形成されたものを用いていた。
しかし、壁面に取り付ける取付具50は、図6に示すような、フランジ状のものであってもよい。
(ハンガーパイプ)
上記実施の形態では、パイプの例としてハンガーパイプを説明したが、パイプはこれに限られず、端縁の処理が必要なパイプであればよく、例えば階段やバルコニーの手すりでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】キャップの側面図である。
【図2】キャップの正面図である。
【図3】キャップの背面図である。
【図4】図4は図1のA−A断面図である。
【図5】壁面へ取付具を介してハンガーパイプを取り付けたときの分解斜視図である。
【図6】組み立て家具に取り付けた状態の斜視図である。
【図7】異なる取付具を介して壁面に取り付けたときの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
10 キャップ
20 挿入部
21 突条
30 係合段部
40 挿入孔
50 取付具
51 ハズレ止め板
60 ハンガーパイプ
70 当接部
【出願人】 【識別番号】000113779
【氏名又は名称】マツ六株式会社
【出願日】 平成18年7月13日(2006.7.13)
【代理人】 【識別番号】100097227
【弁理士】
【氏名又は名称】米山 淑幸


【公開番号】 特開2008−18091(P2008−18091A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−193150(P2006−193150)