| 【発明の名称】 |
歯ブラシヘッド及び歯ブラシ |
| 【発明者】 |
【氏名】森 豊一
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| 【要約】 |
【課題】歯の細部を清掃するのに好適な歯ブラシを得るための歯ブラシヘッド、並びに該歯ブラシヘッドを備えた手動及び電動の歯ブラシを提供する。
【構成】刷毛植設面を有した台部10がネックに結合する固定部分11と、スリットにより固定部分11から仕切られた可動部分12とを備え、可動部分12は、一端が自由端であり他端が台部10の領域内で支持され、固定部分11よりも台部厚さ方向に撓み易くなっており、可動部分の自由端が、台部の軸方向における中間部分に位置し、該自由端より先端側に、固定部分又は他の可動部分が位置していることを特徴とする歯ブラシヘッド、並びに、該歯ブラシヘッドを備えた歯ブラシ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刷毛植設面を有した台部を備え、該台部は歯ブラシのネックに結合する固定部分と、台部厚さ方向に貫通するスリットにより前記固定部分から仕切られて台部軸方向に延びる少なくとも1つの可動部分とを備え、各部分が刷毛植設面を有しており、前記可動部分は、一端が自由端であり他端が前記台部の領域内で支持され、前記固定部分よりも台部厚さ方向に撓み易くなっており、前記可動部分の自由端が、前記台部の軸方向における中間部分に位置し、前記台部における該自由端より先端側に、前記固定部分又は他の可動部分が位置していることを特徴とする歯ブラシヘッド。 【請求項2】 刷毛植設面を有した台部を備え、該台部は歯ブラシのネックに結合する固定部分と、台部厚さ方向に貫通するスリットにより前記固定部分から仕切られて台部軸方向に延びる少なくとも1つの可動部分とを備え、各部分が刷毛植設面を有しており、前記可動部分は、一端が自由端であり他端が前記台部の領域内で支持され、前記固定部分よりも台部厚さ方向に撓み易くなっており、少なくとも1つの前記可動部分に植設された刷毛が、前記台部における該可動部分以外の部分に植設された刷毛より先端が高いことを特徴とする歯ブラシヘッド。 【請求項3】 前記可動部分が、前記自由端とは反対側の基端部に、撓み性を増すための切欠き部を有しており、該切欠き部は、前記台部における前記刷毛植設面とは反対側の面から該刷毛植設面に向かう凹部として形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯ブラシヘッド。 【請求項4】 少なくとも1つの前記可動部分に植設された刷毛が、前記固定部分に植設された刷毛より、先端を高くされており、前記可動部分の刷毛先端を前記固定部分の刷毛先端と同じ高さにするのに要する力以上の力が、前記可動部分の刷毛に作用したときに、前記凹部において対向する壁面が相互に接してそれ以上の撓みを制限することを特徴とする請求項3に記載の歯ブラシヘッド。 【請求項5】 前記台部の構成材より柔らかい軟質材が前記切欠きの少なくとも一部に充填されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の歯ブラシヘッド。 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載のヘッドを備えた歯ブラシ。 【請求項7】 前記ヘッドを軸方向に振動させるための駆動部と、該駆動部の駆動を利用して前記ヘッドを刷毛植設面を横切る方向に揺動させる揺動機構とを備えており、該揺動機構は、把持部又はネックに固着されて前記ヘッドにおける刷毛植設面とは反対側の面まで延びるガイドと、前記ヘッド及びガイドの相互に向き合う部分に設けられた加振対とを備え、該加振対は、前記ヘッド及びガイドの一方に設けられ軸方向の位置によって高さが異なるように傾斜した傾斜部と、前記ヘッド及びガイドの他方に設けられた係合部とを有し、前記傾斜部及び係合部は、前記駆動部によるヘッドの軸方向の振動の際に、前記係合部が前記傾斜部の傾斜面上を移動することにより、前記ヘッドを刷毛植設面を横切る方向に揺動させるように係合していることを特徴とする請求項6に記載の電動歯ブラシ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、歯ブラシヘッド及び該歯ブラシヘッドを備えた手動歯ブラシ及び電動歯ブラシに関する。 【背景技術】 【0002】 ブラッシングによる歯の清掃を効果的に行なうには、刷毛を歯の全体的な並びや個々の歯面にフィットさせて行なうのが望ましい。そのようなブラッシングのための歯ブラシヘッドの形態について、種々の提案がなされている。 【0003】 その形態の一つとして、歯ブラシのヘッド(植毛部分)の中間部分に幅方向に延びる1又は複数の横溝や柔軟部等を設けてヘッドの軸方向での屈曲性を持たせ、その屈曲により刷毛を歯並びの彎曲部にフィットさせようとするものがある(例えば、特許文献1,2,3)。これらの歯ブラシは、予め刷毛先端の並びが凹状面をなすようにしておくことにより、歯並びの凸形彎曲面には凹状面をフィットさせ、凹形彎曲面にはヘッドの屈曲により刷毛をフィットさせようとするものである。 【0004】 しかしながら、歯間部や臼歯咬合面の凹部等の細部(以下、これらをまとめて歯の細部という)を清掃するには、刷毛列の先端部分をこれらの箇所に適度の圧力で押し付けながらブラッシングする必要がある。上記特許文献に記載の歯ブラシヘッドでは、軸方向に屈曲性を持たせているため、刷毛列の先端部分を歯に押し付けたときに容易に撓んでしまい、適度の圧力下で刷毛列先端部によるブラッシングをするのが困難である。 【0005】 他の形態として、歯ブラシの軸部に軸方向に延びる1又は複数の縦溝又は柔軟部等を設けて分岐した枝部を幅方向に並べたものがある(例えば、特許文献4,5,6)。これらの歯ブラシは、ヘッドの幅方向に分割された枝部がブラッシングの際に各々独立して動き得るようにして、歯にフィットし易くしようとするものである。 【0006】 しかしながら、特許文献4及び6に記載された歯ブラシは、枝部への分岐が歯ブラシのネック(ヘッドと把持部との間の細径部)から始まっているので、枝部が長くなっている。その結果、枝部は、撓み量の割には撓み角の変化が小さくなり、歯の細部への追随性が悪く十分な清掃をするのが困難である。また、分岐して細くなった枝部がヘッド先端まで延びており、ブラッシング時に該枝部の先端が歯肉や口腔内に当たって痛みを与えたり傷をつけたりするおそれがある。特に、ブラッシング速度や圧力を高めるとそのおそれが大きくなるため、ブラッシング動作が緩やかになり、十分なブラッシングを行なえなくなることがある。 【0007】 特許文献5に記載された歯ブラシは、枝部が歯ブラシのヘッドで分岐しているので、枝部の長さは特許文献4,6のものに比して短いが、分岐した枝部に植設された刷毛の先端高さが全て同じになっている。したがって、刷毛の一部が歯の先端部に当たると、刷毛の他の部分を歯の凹部に到達させるためには、短い枝部を変形させなければならず、十分な変形をさせるのは困難であり、特に歯の凹部の十分なブラッシングを行ない難い。 【0008】 これらの問題は、駆動部を持たない手動の歯ブラシにも電動歯ブラシにも生じる。 【特許文献1】特表平11−511343号公報 【特許文献2】特表2000−502582号公報 【特許文献3】特表2000−503569号公報 【特許文献4】特開平7−75607号公報 【特許文献5】特開2000−225022号公報 【特許文献6】特表2006−50535号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明は、これら従来の歯ブラシの欠点を解消し、歯の細部を清掃するのに好適な歯ブラシを得るための歯ブラシヘッド、及び該歯ブラシヘッドを備えた手動及び電動の歯ブラシを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明は、前記目的を達成するため、刷毛植設面を有した台部を備え、該台部は歯ブラシのネックに結合する固定部分と、台部厚さ方向に貫通するスリットにより前記固定部分から仕切られて台部軸方向に延びる少なくとも1つの可動部分とを備え、各部分が刷毛植設面を有しており、前記可動部分は、一端が自由端であり他端が前記台部の領域内で支持され、前記固定部分よりも台部厚さ方向に撓み易くなっており、前記可動部分の自由端が、前記台部の軸方向における中間部分に位置し、前記台部における該自由端より先端側に、前記固定部分又は他の可動部分が位置していることを特徴とする歯ブラシヘッドを提供するものである(発明1)。 【0011】 本発明はまた、前記目的を達成するため、刷毛植設面を有した台部を備え、該台部は歯ブラシのネックに結合する固定部分と、台部厚さ方向に貫通するスリットにより前記固定部分から仕切られて台部軸方向に延びる少なくとも1つの可動部分とを備え、各部分が刷毛植設面を有しており、前記可動部分は、一端が自由端であり他端が前記台部の領域内で支持され、前記固定部分よりも台部厚さ方向に撓み易くなっており、少なくとも1つの前記可動部分に植設された刷毛が、前記台部における該可動部分以外の部分に植設された刷毛より先端が高いことを特徴とする歯ブラシヘッドを提供するものである(発明2)。 【0012】 本発明はまた、前記目的を達成するため、上記歯ブラシヘッドを備えた歯ブラシ(手動の歯ブラシ及び電動歯ブラシ)を提供するものである(発明3)。 【0013】 上記ヘッドは、刷毛植設面を有する部分を言い、上記ネックは歯ブラシの把持部とヘッドとの間の部分を言う。また、「固定部分」というときの「固定」は、可動部分に対し相対的に撓み難いという意味であり、固定部分は、上記歯ブラシヘッドを備えた通常の歯ブラシの使用において、撓む場合と撓まない場合とを含む。 【発明の効果】 【0014】 本発明に係る歯ブラシヘッドにおいては、上記発明1の構成、特に、台部がネックに結合する固定部分と、スリットにより該固定部分から仕切られて台部軸方向に延びる少なくとも1つの可動部分とを備え、各部分が刷毛植設面を有しており、前記可動部分は、一端が自由端であり他端が前記台部の領域内で支持され、前記固定部分よりも台部厚さ方向に撓み易くなっている。 【0015】 このように、可動部分が台部の領域内で支持されているので、ブラッシング時にヘッドが直線に近い動作や緩やかな弧の曲線運動をしたときにも、可動部分はその小さい寸法と撓み易さとに基づき、歯の凹部や凸部等に良く追随して接触する。その結果、このヘッドを備えた歯ブラシを使用すれば、歯の細部まで良好な清掃を容易に行なうことができる。 【0016】 特に、前記可動部分の自由端が、前記台部の軸方向における中間部分に位置し、前記台部における該自由端より先端側に、前記固定部分又は他の可動部分が位置している場合(上記発明1)は、可動部分の先端(自由端)が細くなっているにも拘わらず、それより先端側に位置する固定部分又は他の可動部分により、先鋭端が歯肉や口腔内に接触して傷付けるのが防止される。したがって、このヘッドを備えた歯ブラシを使用すれば、口腔内で歯ブラシを安全に動かすことができ、可動部分の上記利点を生かしたブラッシングにより歯の細部まで十分な清掃をすることができる。 【0017】 また、少なくとも1つの可動部分に植設された刷毛が、台部における該可動部分以外の部分に植設された刷毛より先端が高くされた場合(上記発明2)には、歯の凹部や歯間部分に対して可動部分が進入し易くなり、一方、可動部分が歯の凸部に接触したときは、その撓み易さに基づいて後退するので固定部分が歯の凹部や歯間部分に接触するのを妨げることがない。したがって、このヘッドを備えた歯ブラシを使用すれば、歯の細部の清掃をより良好にすることができる。 【0018】 上記ヘッドは、駆動部を持たない手動の歯ブラシにも電動歯ブラシにも適用することができ、いずれの場合も、前述の効果を奏する歯ブラシを提供することができる(上記発明3)。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。図面に示す実施形態中、同一又は同種の部材には同一の番号を付して説明を省略することがある。 【0020】 図1〜図4は、本発明に係る歯ブラシヘッドを備えた歯ブラシの一実施形態を示すものであり、図1及び図2はヘッド1及びこれに続くネック2を有した先端側部分3と手で把持される把持部5とを示す平面図及び側面図(刷毛植設状態で示す)、図3はヘッド1を拡大した平面図、図4(a),(b)は、各々図3におけるIVa-IVa、IVb-IVb線に沿う切断端面図である。 【0021】 図示のヘッド1は、刷毛植設面を有した台部10を備え、該台部はネック2に結合する固定部分11と、台部厚さ方向に貫通するスリット13により固定部分11から仕切られて台部軸方向に延びる可動部分12とを備えている。これらの部分は、各々毛束穴14が形成された刷毛植設面を有しており、歯ブラシ製造時に刷毛4が植設される。 【0022】 スリット13は、ヘッド1における外周に沿う毛束穴14aと中央に並ぶ毛束穴14bとの間を延びて先端部で連続し、平面視においてU字形をなしている。また、台部10には、スリット13の基端部を横切るように延びる凹部17が形成されている。スリット13は、ヘッド1を上下方向に貫通して可動部分12の輪郭を定めており、凹部17は、ヘッド下面から上方へ延び、可動部分12を撓み易くしている。 【0023】 この実施形態においては、可動部分12がU字形のスリット13により形成され、固定部分11により周囲を囲まれている。その結果、可動部分12は台部10の中央部に納まる寸法となっており、ブラッシング時にヘッドが直線に近い動作や緩やかな弧の曲線運動をしたときにも、その小さい寸法と撓み易さとに基づき、歯の凹凸等に良く追随して接触する。また、可動部分12の自由端より先端側に、固定部分11が位置してカバーしているので、細い可動部分の先端が歯肉や口腔内に接触して傷付けるのが防止され、ブラッシングを安全に行なうことができる。そして、これらにより、歯の細部まで十分な清掃をすることができる。 【0024】 図5及び図6は、ヘッド1及びネック2からなる先端側部分3の他の例を示している。図5は先端側部分の平面図、図6は軸方向に沿う切断端面図である。これらの図及び以下の図に示す先端側部分は、把持部に対して連続させ或いは交換可能とすることができ、手動の歯ブラシ及び電動歯ブラシのいずれにも適用することができる。台部10には、固定部分11及び可動部分12を形成するために、図1〜図4の例と同様のスリット13及び凹部17が設けられている。この実施形態では、さらに、台部10における凹部17の上方の位置からネックへ細長く延びる小溝18が形成され、そこに軟質部材が充填されている。軟質部材は、この実施形態では、熱可塑性エラストマーで形成されているが、この他、シリコーン、ウレタン、天然ゴム、合成ゴム等を使用することができる。このような軟質部材は、凹部17に充填することもできる。 【0025】 この実施形態も、先の実施形態と同様の作用効果を奏するが、可動部分12は、小溝18及びそこに充填された軟質部材により、撓み易さが増している。このように、可動部分の撓み性は、凹部17の寸法、小溝18の形成とその寸法、凹部17又は小溝18への軟質部材の充填等により、適宜設定することができる。 【0026】 図7から図10は、ヘッド1及びネック2からなる先端側部分3のさらに他の例を示している。図7,図8は、各々先端側部分3の平面図、側面図であり、図9はヘッド1を拡大した平面図、図10(a),(b)は、各々図9におけるXa-Xa線、Xb-Xb線に沿う切断端面図である。 【0027】 図示のヘッド1は、刷毛植設面を有した台部20を備え、該台部はネック2に結合する固定部分21と、台部厚さ方向に貫通するスリット23により固定部分21から仕切られて台部軸方向に延びる可動部分22とを備えている。これらの部分は、各々毛束穴24が形成された刷毛植設面を有しており、歯ブラシ製造時に刷毛4が植設される。 【0028】 スリット23は、平面視においてT字形をなすように2本設けられている。各スリット23は、ヘッド1における両側縁に沿う毛束穴24aと中央に並ぶ毛束穴24bとの間を軸方向に延びる縦部23aと、各縦部23aの中央部から外縁側へ延びる横部23bとにより構成されている。これらのスリット23の先端部及び基端部には、各スリットから側縁まで台部20を横切るように延びる凹部27が形成されている。凹部27は、ヘッド下面から上方へ延びており、可動部分22を撓み易くしている。この構造により、可動部分22は、スリット23における縦部23aの外縁側の4 つ箇所に形成されている。 【0029】 この実施形態においては、可動部分22が2つのT字形のスリット23により台部10外縁側の4つの小片として形成されている。したがって、先の実施形態について述べたように、その小さい寸法と撓み易さとに基づき、歯の凹凸等に良く追随して接触する。また、1つの可動部分22の自由端より先端側に、他の可動部分22が位置しているので、可動部分の先端が歯肉や口腔内に接触して傷付けるのが防止され安全に使用でき、これらにより、歯の細部まで十分な清掃をすることができる。 【0030】 図11は、ヘッド1及びネック2からなる先端側部分3のさらに他の例を示している。この先端側部分3は、平面視において図5に示したものとほぼ同じ形態を有している。但し、この実施形態では、図示のように、可動部分12aに植設された刷毛4bが、固定部分11に植設された刷毛4aより先端が高くなっている。すなわち、可動部分12aの上面が基端側から先端側へ高くなるように傾斜しており、これにより、刷毛自身の長さは同じであるが、先端がその傾斜に沿って高くなっている。これにより、可動部分12aが、凹部17形成部分を中心に回動したときに、可動部分12aの刷毛4bと固定部分11の刷毛4aとが同一面に並ぶようにすることができる。尤も、このような傾斜により連続的に変化させることなく、階段状に段を付けて変化させてもよく、可動部分12aの先端部等の一部の上面を高くしてもよい。 【0031】 可動部分に植設された刷毛が、固定部分に植設された刷毛より先端が高くなるようにする他の形態が、図12に示されている。図12の(a)は側面図、(b)は軸方向に沿う切断端面図である。この先端側部分3は、平面視において図1のものと同じ形状を有し、側面視においては、図示のように、可動部分12の上面は固定部分11と同じ高さであるが、可動部分12の刷毛4bが固定部分11の刷毛4aより長くなっている。刷毛4bの長さは、図示のように、可動部分12の基端部から先端部に行くにしたがって高くなるように変化するのが望ましい。この変化は、図示のように階段状にする他、連続した傾斜状にしてもよい。これにより、可動部分12が、凹部17形成部分を中心に回動したときに、可動部分12の刷毛4bと固定部分11の刷毛4aとがほぼ同一面に並ぶようにすることができる。尤も、このような傾斜により変化させることなく、可動部分12の一部の刷毛の長さを長くしてもよい。また、可動部分の上面の高さの変化と、刷毛の長さの変化との両方で、刷毛先端を高くするようにしてもよい。 【0032】 図13は、図12に示した先端側部分3を有した歯ブラシの使用状態を、先端側部分の縦断面と共に概略的に示している。図は臼歯Tをブラッシングしている状態を示しており、図13(a)では、臼歯の側面Ts1に固定部分11先端の刷毛4aが接触し、歯間部分Tbに可動部分12の刷毛4bが接触している。可動部分12の刷毛4bの先端が高くなっているので、図示のように、歯間部分Tbに可動部分12の刷毛4bがよく到達している。図13(b)では、可動部分12の刷毛4bが臼歯の側面Ts2に接触することにより撓んで裏面側へ後退し、これにより固定部分11の刷毛4aは歯間部分Tbに到達するのを妨げられることなく、両方の刷毛4a,4bが臼歯の各部分に良好に接触している。このようにして、いずれの場合も、歯の細部の清掃をより良好にすることができる。 【0033】 なお、図13(b)のように可動部分12aが、凹部17形成部分を中心に或る程度回動したときに、それ以上の撓みを生じ難くするのが望ましい。このためには、図13(b)の一部拡大図である図13(c)に示すように、凹部17において対向する壁面12w及び2wが相互に接して、それ以上の撓みを制限するようにすることができる。可動部分12aの撓み制限については、該可動部分に負荷が掛からない状態を0度として、刷毛植設面とは反対側への回動角が5〜30度のいずれかの角度に留まるように設定するのが望ましい。この回動角は、可動部分の基端部と先端部とを結ぶ直線が、可動部分の撓み前後において変位した角度をいう。上記回動角の制限が5度未満に設定されると、通常の歯ブラシ使用状態において可動部分が歯の細部へ十分に到達し難い。また、上記回動角の制限が30度を超えて設定されると、回動中心部の損傷を生じやすくなる。この観点から上記回動角の制限は、10〜20度のいずれかの角度に設定するのがより望ましく、10〜15度のいずれかの角度に設定するのがさらに望ましい。 【0034】 或いは、上記回動により、可動部分12aの刷毛先端が固定部分11aの刷毛先端と同じ高さになったときに、それ以上の撓みを制限するようにしてもよい。これにより、可動部分の刷毛先端が突出した状態による細部の刷掃を可能にし、且つ、広範囲の歯面の刷掃時には可動部分及び固定部分の刷毛先端の高さが揃った状態での刷掃を安定的に行なうことができる。尤も、可動部分12aの刷毛先端を固定部分11aの刷毛先端と同じ高さにするのに要する力以上の力が、前記可動部分の刷毛に作用したときに、壁面12w及び2wが相互に接するようにしてもよい。 【0035】 図13(d)は、図1に示した先端側部分3を備えた歯ブラシの使用状態を、ヘッドの縦断面と共に示している。この歯ブラシは、刷毛先端の高さが、固定部分11と可動部分12とで同じになっている。この場合においても、凸に彎曲した歯並び部分をブラッシングするときには、図示のように、可動部分12の刷毛は、歯面Tに押し付けられることにより、台部裏面側へ後退し、これにより固定部分11の刷毛4aは歯の隙間Tbに到達する。これにより、歯の細部まで良好に清掃することができる。 【0036】 図1〜図12に示した先端側部分は、駆動部を有しない把持部と結合した状態とすることにより手動で使用する歯ブラシに適用することができ、或いは、駆動部を有した把持部と結合した状態とすることにより電動歯ブラシに適用することができる。なお、電動歯ブラシが、ヘッドを軸方向(X軸方向)に振動させるものである場合、固定部分と可動部分との共振周波数の相違により、可動部分に刷毛植設方向(Z軸方向)への振動が生じることがある。この場合は、可動部分自身の弾性変形能に基づく歯の細部への追随と、Z軸方向への積極駆動による歯の細部への進入との双方が生じ、これらによる歯の細部の刷掃効果が得られる。尤も、可動部分自身の弾性変形能に基づく歯の細部への追随を重視する場合は、可動部分又はその基端部の剛性を調整してZ軸方向への振動を低減させるように共振周波数を設定するとよい。 【0037】 本発明を電動歯ブラシに適用する場合、通常の電動歯ブラシの駆動周波数及び振幅を適用できる。すなわち、駆動部のヘッド駆動周波数は、1500〜11000cpmとすることができ、ヘッドの振幅は歯面への押付け圧を掛けない状態で0.2〜3.5mmとすることができる。 図14は、本発明に係る歯ブラシヘッドに対し揺動機構を付加した電動歯ブラシの例を示しており、図14(a)は先端側部分の後退状態、図14(b)は先端側部分の前進状態を示している。図は、歯ブラシの把持部5の一部及び先端側部分3を示している。先端側部分3は、ヘッド1が図5及び図6に示したものと同じであり、ネック2は、後端部に把持部5の駆動部への接続部2aを備えている。駆動部は、先端側部分3を軸方向に往復動させるものであり、電動モータや電磁石の交番磁性を利用したリニアオシレータ等、通常の電動歯ブラシに使用される機構とすることができる(図では駆動部の表示が省略されている)。 【0038】 この電動歯ブラシは、ヘッド1を軸方向に振動させるための駆動部(図示せず)の駆動を利用してヘッド1を刷毛植設面を横切る方向に揺動させる揺動機構を備えている。該揺動機構は、把持部5(又はネック2)に固着されヘッドまで延びるガイド6と、ヘッド1及びガイド6における相互に向き合う部分に設けられた加振対60とを備えたものとされる。加振対60は、ヘッド1及びガイド6の一方に設けられヘッド軸方向に傾斜した傾斜部(後述する角部12k)と、他方に設けられた係合部(後述する突起6a)とを有し、駆動部によるヘッドの軸方向の振動の際に、係合部が傾斜部上を移動することにより、ヘッド1を刷毛植設面を横切る方向に揺動させるようになっている。 【0039】 図示の実施形態では、把持部5に固着されたガイド6が歯ブラシ先端側へ延びている。ガイド6は、先端側部分3の刷毛植設面とは反対側の面に沿って延びており、駆動部により先端側へ突出した状態におけるヘッド1の先端部に達している。また、ガイド6の先端部付近におけるヘッド1側には突起6a(係合部)が設けられている。ヘッド1の固定部分11及び可動部分12は、スリット13に臨む角部11k、12kが丸味を帯びた滑らかな形状とされ、角部12kのなだらかな傾斜が傾斜部を構成している。突起6aは、先端側部分3が後退した位置にあるときに、角部11k、12kの間に位置する。 【0040】 この状態から先端側部分3が駆動部により先端側へ押し出されると、可動部分12は、丸い角部12kを突起6aに接しながら前進し、これに伴って突起6aにより刷毛植設面側へ持ち上げられる。これにより、可動部分12は凹部17の形成位置を中心に回動し、その刷毛4bは、固定部分11の刷毛4aより先端が突出する。また、先端側部分3が駆動部により後退させられると、可動部分12は、ヘッド1基端部(又はヘッド1とネック2との結合部)の弾性により、元の位置へ戻り、突起6aは再び角部11k、12kの間に位置する。これにより、可動部分12の刷毛4bは、固定部分11の刷毛4aと同じ高さに戻る。したがって、駆動部により先端側部分3が軸方向(X軸方向)に往復動するのに伴って、可動部分12はガイド6に対して離反と接近を繰り返し、刷毛植設方向(刷毛植設面にほぼ垂直な方向、Z軸方向)にも揺動することとなる。 【0041】 したがって、この電動歯ブラシを使用すれば、ヘッドが歯面に沿う方向と歯面に対し接近離反する方向に刷毛が振動するので、歯の細部にまで刷毛がよく到達し、高い刷掃効果が得られる。 【0042】 さらに、図7〜図9に示した歯ブラシヘッドを用いて、図14と同様の揺動機構を構成するには、駆動振幅の中心位置に歯ブラシヘッドがある状態において、軸方向に向き合う可動部分22の間(図9、図10における横部23bの位置)に、突起6aと同様の突起を設けることができる。この場合は、先端側部分3が前進するときには、ヘッド後部の可動部分22が刷毛植設面側に持ち上げられ、先端側部分3が後退するときには、ヘッド先端側の可動部分22が刷毛植設面側に持ち上げられる。したがって、この電動歯ブラシを使用した場合も、ヘッドが歯面に沿う方向と歯面に対し接近離反する方向に刷毛が振動するので、歯の細部にまで刷毛がよく到達し、高い刷掃効果が得られる。 【0043】 これらの揺動機構を備えた電動歯ブラシにおいては、周波数を1500〜5000cpm、振幅を2.0〜3.5mmとするのが好ましい。周波数が5000cpmを越えると可動部分の揺動方向(刷毛植設面を横切る方向)への動きが速くなりすぎて、歯面において、弾んでしまい、清掃効果が低減する。また、振幅が2.0mm未満では、可動部分の揺動方向の振幅が十分に確保できず、歯間部などの細部に到達し難くなる。 【0044】 この揺動機構は、上記形態のヘッドに限定されることなく、前述の各実施形態のヘッドの他、本発明に係る種々の形態のヘッドを用いて構成することができる。また、係合部(突起)の作用を受けるためには、少なくとも可動部分の一部に、係合部との接触により可動部分にガイドから離反する方向への回動を生じさせるような滑らかな傾斜面が形成されていればよい。さらに、係合部を可動部分に設け、傾斜面をガイドに設けることもできる。 【0045】 ガイド6の形状は、上述のように歯ブラシヘッド先端部に達する場合の他、可動部分までの平板状のものとしてもよく、また、ネック及びヘッドを覆い開口部から刷毛を突出させる形状でもよい。係合部(突起6a)の高さは、駆動部の軸方向の振幅と可動部分の長さ等に応じて、刷毛植設面に垂直な方向への適切な振幅(上下動)が得られるように決めることができる。これらのヘッドの振動機構を備えることにより、刷毛植設面とは反対側へ可動部分が撓む手動の歯ブラシに対し、刷毛植設面方向への可動部分の積極的な回動が得られる。 【0046】 本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、種々の変形が可能である。また、歯ブラシヘッド及び歯ブラシにおける毛束先端形状、刷毛、植毛方法(平線式、熱固定式(無平線式))等の部材や製造方法については、公知の種々の形態・材料・方法を用いることができる。可動部分に植設される刷毛は、可動部分が撓まない状態で固定部分の刷毛と平行又はこれに近い状態としてもよいし、可動部分が歯の細部への到達に要する角度だけ撓んだ状態で固定部分の刷毛と平行又はこれに近い状態としてもよい。可動部分の撓み易さを増すための構造としては、種々のものを採用することができ、例えば、図15の(a)に示すように凹部17に軟質材を充填したもの、同図(b)に示すように可動部分12の刷毛植設面及びその反対側の面に凹部17a、17bを備えたもの、同図(c)に示すように凹部17a、17bに軟質材を充填したもの(軟質材は相互に同一又は異なる硬さとし、或いは一方の凹部にのみ充填することもできる)、同図(d)に示すように可動部分12の基端部17cを軟質材による接続構造としたもの等とすることができる。 【図面の簡単な説明】 【0047】 【図1】本発明の一実施形態に係る歯ブラシヘッドを有した歯ブラシ本体の平面図である。 【図2】図1に示した歯ブラシ本体の側面図である(刷毛植設状態で示す)。 【図3】図1に示した歯ブラシ本体におけるヘッドを拡大した平面図である。 【図4】(a)及び(b)は各々、図3におけるIVa-IVa線及びIVb-IVb線に沿う切断端面図である。 【図5】本発明の他の実施形態に係る歯ブラシヘッドを有した先端側部分の平面図である。 【図6】図5に示した先端側部分の軸方向に沿う切断端面図である。 【図7】本発明のさらに他の実施形態に係る歯ブラシヘッドを有した先端側部分の平面図である。 【図8】図7に示す先端側部分の側面図である(刷毛植設状態で示す)。 【図9】図7に示す先端側部分のヘッドを拡大して示す平面図である。 【図10】図7に示した先端側部分を示しており、(a)は図9のXa-Xa線に沿う切断端面図、(b)は図9のXb-Xb線に沿う切断端面図である。 【図11】本発明のさらに他の実施形態に係る歯ブラシヘッドを有した先端側部分の縦断側面図である(刷毛植設状態で示す)。 【図12】本発明のさらに他の実施形態に係る歯ブラシヘッドを有した先端側部分を示しており、(a)は側面図、(b)は軸方向に沿う切断端面図である。 【図13】図12に示した先端側部分の使用状態を示す説明図である。 【図14】先端側部分を電動歯ブラシに適用した例の軸方向に沿う切断端面図である。 【図15】本発明のさらに他の実施形態に係る歯ブラシヘッドを有した先端側部分の軸方向に沿う切断端面図である(刷毛植設状態で示す)。 【符号の説明】 【0048】 1 ヘッド 2 ネック 3 先端側部分 4,4a,4b 刷毛 10 台部 11,11a 固定部分 12,12a 可動部分 13 スリット 14,14a,14b 毛束穴 17,17a,17b,17c 凹部 21 固定部分 22 可動部分 23 スリット 24,24a,24b 毛束穴 27 凹部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000106324 【氏名又は名称】サンスター株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月5日(2006.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065215 【弁理士】 【氏名又は名称】三枝 英二
【識別番号】100076510 【弁理士】 【氏名又は名称】掛樋 悠路
【識別番号】100094101 【弁理士】 【氏名又は名称】舘 泰光
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| 【公開番号】 |
特開2008−61710(P2008−61710A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−240509(P2006−240509) |
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