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【発明の名称】 ブラシ、ブラシを含む包装及び塗布装置、並びにブラシの製造方法及び製造機械
【発明者】 【氏名】ゲレー,ジヤン−ルイ

【要約】 【課題】

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン質繊維に物質を塗布するブラシ(5)であって、
巻回を画定する捩ったコア(10)と;
コア(10)からのび、コアの巻回間にクランプされた剛毛(11)と;
を有し、
二つの隣接した巻回(10a、10b)間に少なくとも二つの変形剛毛(12)がクランプされ、これらの変形剛毛(12)がある長さをもち、材料の除去部又は伸張部をもち或いはそれらの全長に沿った少なくとも一つの部位で平坦化しそして上記部位から放射状でなしに外方へのび、
コア(10)が、容器用の閉鎖部材を成すハンドル部材(4)を設けたのとは反対側に備えられたステムの一端に固定されること、
を特徴とするブラシ。
【請求項2】
各変形剛毛(12)が、相互間に曲がり部分(12c)を形成する二つの直線状部分(12a、12b)を備えていることを特徴とする請求項1に記載のブラシ。
【請求項3】
二つの直線状部分(12a、12b)の横断面が同じであることを特徴とする請求項2に記載のブラシ。
【請求項4】
変形剛毛(12)を少なくとも5%有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項5】
剛毛(11、12)の直径が5/100 mm〜40/100 mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項6】
剛毛の自由端が、螺旋状でないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項7】
材料の除去部(12d;12e)又は平坦化部が剛毛の一側にのみのびていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項8】
全長に沿った少なくとも二つの部位で変形される部分をもつ少なくとも一本の剛毛を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項9】
各変形部分における曲がり部分(12c)を有し、曲がり部分(12c)が角度を成し、二つの曲がり部分の角度(α、α)が異なっていることを特徴とする請求項8に記載のブラシ。
【請求項10】
長手方向軸線に垂直なブラシの少なくとも一つの観察方向において、ブラシが互いに交叉する少なくとも二本の剛毛を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のブラシ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン質繊維、特にまつげや眉毛に物質を塗布するアプリケータに関し、一層特に排他的ではなく本発明はマスカラブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマスカラブラシは、巻回を画定する二つの互いに捩った金属ストランドから成るコアを有し、巻回間にブラシの剛毛が捕捉保持される。このようなブラシの欠点は、ブラシが巻回効果を示し、すなわち剛毛の端部が実質的に螺旋状の分布でのびることにある。剛毛のこのような螺旋状の分布はブラシの剛毛の間へのまつげの入り込みをある程度妨げ得る。残念ながら、まつげに相当多量の物質を塗ることができるようにかつ又その物質をまつげに伸ばしてまつげを長くしたりカールできるように、剛毛の間にまつげを入り込ませることが望ましい。
【0003】
剛毛の端部を研磨してフォークを形成するようにブラシの剛毛に機械的処理を施すことは公知である。とは言っても、そのような処理は剛毛の端部に限定され、剛毛の分布を変えることができない。
【0004】
また、コアのストランドの間に剛毛をクランプした時に、ブラシの表面包絡線上に剛毛を比較的一様に分布させるように、特殊な横断面の剛毛を用いることも公知である。ところで、このような一様化は全体としてブラシまで及んでいる。しかし、新しい化粧効果を得るためには、一様化はブラシのある一定部分だけ例えばノッチまたはピークに限るのが望ましい。さらに、特殊な横断面の剛毛の使用は、そのような剛毛を作るのに用いるために適した材料を限定することになるか又は使用できる剛毛の形態を制限することになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
剛毛の新しい分布をもつブラシから利点を得る要求がある。
【0006】
またブラシの製造を極端に複雑化することなしに、剛毛の新しい分布をもつブラシの利点を得る要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特に一実施の形態において、本発明は、巻回を画定する捩ったコアと;コアからのび、コアの巻回間にクランプされた剛毛と;を有し、二つの隣接した巻回間に少なくとも二つの変形剛毛がクランプされ、これらの変形剛毛がある長さをもち、材料の除去部又は伸張部をもち或いはそれらの全長に沿った少なくとも一つの部位で平坦化しそして上記部位から放射状でなしに外方へのびている、ケラチン質繊維に物質を塗布するブラシを提供する。
【0008】
本発明のブラシは、変形剛毛の存在のため従来のブラシの剛毛と異なる剛毛の分布を示し、しかも望むならば捩ったコア及び通常の剛毛を用いて製造することができる。
【0009】
変形剛毛が存在することにより、入り乱れ状態を作ることで剛毛の端部を一層一様に分布させることができ、そして特に捩ったコアを用いることに関連して巻回効果を抑えることができる。本ブラシはまた、まつげに比較的多くの物質を塗布することができる。
【0010】
コアは、左に捩られ、すなわち、ブラシが、端部をステムに固定して、すなわち近い端部を底部に位置させ、自由端部すなわち遠い端部を頂部に位置させて、垂直位置で観察される際に、コアのブランチは左から右へ上昇する巻回を形成する。本発明はまた右へ捩ったコアを備えたブラシにも応用できる。
【0011】
変形部分において、材料の除去又は平坦化は剛毛の一側にだけ施され得る。
【0012】
限定例として、変形される剛毛を備えたブラシの部分は、ブラシ全体に相応し得る。この部分は同様にブラシ全体より少なく相応し得、そして例えば単にブラシの一端からブラシの全長の半分以下及び(又は)ブラシの特定の領域にわたってのびる部分に相応し得、上記特定の領域は例えばピーク又はノッチを画定している。
【0013】
ブラシは、変形剛毛を少なくとも5%、又は実際には少なくとも20%又は30%、又はさらに50%以上、良好には少なくとも70%、例えば少なくとも80%有することができ、また任意には、ブラシの剛毛の実質的に全てを変形してもよい。
【0014】
ブラシは、例えば巻回当たり5本〜80本の変形剛毛を備えることができ、そして良好には、巻回当たり10本〜50本の変形剛毛を備えることができる。巻回当たりの剛毛の数は、ブラシがそのコアのまわりで180°回転される際に、定置観測装置で計数可能な剛毛端部の数に相応している。
【0015】
剛毛は、天然材料又は合成材料例えば熱可塑性材料から成り得る。
【0016】
例として、剛毛は伸張可能であり得る。
【0017】
剛毛は断面が中実であり、また任意には断面が円形であり得る。とは言っても、ブラシは、中空である少なくとも一本の剛毛を備えてもよい。剛毛は任意にはフロック加工で被覆され得る。剛毛は毛管溝を備えてもよく、また腎臓形の横断面を呈してもよい。剛毛はまた中空でもよい。
【0018】
剛毛は、例えば磁性、制菌性又は吸湿性の配合物(化合物)、又は剛毛の表面を粗くする又は剛毛がまつげ上を滑るようにする配合物(化合物)の充填材を含み得る。
【0019】
剛毛の直径は、5/100mm〜40/100mmの範囲内にあり得る。剛毛が円形でない場合には、用語“直径”は剛毛の最大断面を取り囲む円の直径を表すのに用いられる。
【0020】
コアから剛毛の自由端までの剛毛の長さは、例えば1mm〜7mmそして特に2mm〜5mmの範囲であり得る。
【0021】
ブラシは、長さの異なる又は実際に種類の異なる複数の剛毛を混合したものを備え得る。
【0022】
ブラシが長さの異なる複数の剛毛を混合したものから成る場合には、例えばある一定の長さの剛毛のみが変形され得る。
【0023】
ブラシの包絡面は、種々の形状を採ることができ、特に横断面は円形、楕円形、多角形などであり得、そして任意には一つ以上のノッチ又はくぼみを含むことができる。
【0024】
コアは、包絡面の断面に任意に中心決めされ得る。
【0025】
ブラシは、少なくとも一つのピーク又は少なくとも一つのノッチを備えることができる。ブラシの変形剛毛のほとんど又は実際にブラシの変形剛毛の実質的に全部は少なくとも一つのピークに属する又は少なくとも一つのノッチを画定する剛毛であり得る。
【0026】
包絡面の横断面は一定であるか又はブラシの長さの少なくとも一部を越え得、そして例としてブラシの横断面はそれの二つの軸方向端部間の極値を通り得、上記極値は例えば最大又は最小である。従って、ブラシは側面図において中央部が細くくびれた形状又はアメリカンフットボールの形状を採り得る。
【0027】
コアは直線状又はその他の形状でもよく、特に、コアは、その全長に沿って分布した曲率で又はアプリケータステムにブラシを固定するために用いた領域に近接した領域に集中した曲率で曲げられ得る。
【0028】
適当な場合には、ブラシは、共面ではない少なくとも二つの軸線のまわりで曲げられ得る。
【0029】
ブラシはまた、このようなブラシを含む包装及びアプリケータ装置を提供する。
【0030】
かかる装置は、容器及び容器から離れる際にブラシを拭うワイパー部材を備え得る。
【0031】
ブラシは、ステムの一端に固定され得、反対側端には容器を閉じる部材として働くハンドル部材が設けられ得る。
【0032】
別の実施の形態では、本発明は、コアからのびる剛毛を有し、剛毛がそれらの全長に沿った少なくとも一つの部位で断面を変形され、この変形が各剛毛の一側のみに限定され、言い換えれば変形が剛毛の全周にのびていないことを特徴とする、ケラチン質繊維に物質を塗布するブラシを提供する。
【0033】
別の実施の形態では、本発明は、
少なくとも一つの処理部材とブラシの剛毛とを相対的に変位させ、処理部材をブラシの剛毛に衝突させて、ブラシの剛毛の少なくとも一部分の向きを不変的に変更することを含む、ケラチン質繊維、特にまつげ又は眉毛に物質を塗布するブラシの製造方法を提供する。
【0034】
かかる方法においては、処理部材は、剛毛を常温で機械的に変形するために周囲温度にあり得る。
【0035】
変形剛毛は除去された材料の形状又は平坦化した形状となり得る。
【0036】
処理は、処理したブラシに多数の効果をもたらし得る。
【0037】
第1に、処理は、剛毛の向きを変えることによりブラシを有意破壊し、そして特に処理されるブラシが剛毛の自由端の螺旋状分布をもつ場合に巻回効果を抑えることにあり得る。
【0038】
変形した剛毛はまた、剛毛がそれらの全長に沿った少なくとも一つの部位で叩かれると剛毛を比較的容易に曲げることができ、それによりある種のヒンジを形成し得るので、比較的大きな撓み性と比較的大きな減衰効果をもたらし得る。これにより、比較的厚い又は比較的堅い剛毛を使用できるようになる。
【0039】
処理される剛毛はそれらの放射状の向きを失い、ブラシのコアの長手方向軸線に対して斜めの向きを採り得、これにより、ブラシの剛毛の間にまつげが容易に入り込み得るようになる。
【0040】
本方法の別の利点は、剛毛の向きが変わるため処理の終了時に剛毛の端部間の間隔が減少されるので、巻回間のクランプされる剛毛のふさの間に最初に比較的大きな隙間をもつブラシを構成することができることにある。
【0041】
かかる方法においては、初期ブラシは任意の種類のものであることができ、特に、初期ブラシは捩ったコアを備えていてもいなくてもよい。
【0042】
剛毛は、ステープル留め又は型打ち(Stamping)によってコアに固定され得る。又は実際にコアは剛毛にオーバーモールドされ得る。
【0043】
上記の相対変位は、少なくともブラシをそれ自体の軸線のまわりで回転すること及び(又は)処理部材を回転軸線のまわりで回転することによって生じられ得る。
【0044】
ブラシ及び処理部材の両方を回転してもよい。
【0045】
処理部材は、ブラシの剛毛と接触させるために適した、例えば剛毛を装着するブラシの部分の長さ以上の又はその半部の長さにわたってのびる面を備えることができる。
【0046】
ブラシ及び処理部材のそれぞれの位置間の相対変位は、処理の終了時に処理部材がブラシの剛毛の単に一部にのみ接触するようにして選択され得る。
【0047】
処理によりブラシの剛毛の少なくとも一部に曲がり部分を形成させ、そしてこのようにして形成した曲がり部分は、全て、コアから予め決められた距離に位置する。
処理した剛毛の少なくとも一部は、剛毛の自由端よりコアに近接した部位で処理される。
【0048】
ブラシの周囲部の単に一部のみを処理する必要があり得る。
【0049】
ブラシは、長さの異なる剛毛で画定された周囲部の少なくとも二つの領域を備え、長い剛毛を備えた領域は、短い剛毛を備えた領域を処理することなしに処理され得る。
【0050】
特に、本発明の一つの実施の形態では、上記の曲がり部分は、短い剛毛の長さより大きなコアから距離に位置され得る。
【0051】
処理部材の表面状態は、実施するのが望ましい処理の関数として選択され得る。従ってかかる表面は、例えば、平滑であるか又は僅かに粗い。表面状態は、剛毛を垂直に切断するのを避けるようにして選択されるべきである。従って、処理部材はいかなる鋭い縁部がないようにされ得る。
【0052】
処理に先立って、ブラシの剛毛は、一定の例えば円形又は腎臓型断面をもち得る。各剛毛は毛管溝を備え得る。
【0053】
処理したブラシは、捩ったコアをもち、一巻回当たり5〜80本の剛毛、好ましくは一巻回当たり10〜50本の剛毛を有するブラシであり得る。
【0054】
ブラシは、処理前にはターン効果を示し得るが、処理後にはもはやこのターン効果を示さない。
【0055】
ブラシが左に捩られる際には、ブラシの剛毛及び処理部材の間の相対運動は、ブラシを右方から左方へ長手方向軸線に沿って観察しかつステムを左側に位置させて反時計回り方向にブラシをその長手方向軸線のまわりで回転させることから成り得る。
【0056】
別の実施の形態では、本発明は、上記の方法を実施するのに適し、
少なくとも一つのブラシを支持するように構成した支持体と;
少なくとも上記ブラシを処理する処理部材と;
支持体と処理部材との間で相対変位を生じさせ、ブラシの剛毛を処理部材で叩いて、剛毛の少なくとも一部分の向きを不変的に変更するようにする手段と;
を有する、ケラチン質繊維に物質を塗布するブラシの製造機械を提供する。
【0057】
ブラシの製造機械は、剛毛の全長に沿った少なくとも一つの部位において材料を除去し又は伸張させ或いは平坦化させることができる。
【0058】
例として、駆動装置は、ブラシをその軸線のまわりで回転させる及び(又は)処理部材を回転させる、そして適当な場合にはブラシ及び(又は)処理部材を軸方向変位で駆動させる少なくとも一つのモーターを有している。駆動装置はまた、ブラシ及び処理部材を相互に近づく方向に又は相互に離れる方向に動かし得る。ブラシ及び処理部材は、平行な又はそうでない軸線のまわりで同じ方向又は反対方向に、同時に回転され得る。ブラシと処理部材の相対運動は数値制御装置によって制御され得る。処理部材は、例えば1500rpm〜6000rpmの範囲の回転速度で回転され得る。
【0059】
本発明は、添付図面を参照して本発明を限定しない実施の形態についての以下の詳細な説明からさらに良く理解できよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
図1に示す包装及びアプリケータ装置1は、まつげや眉毛例えばマスカラに塗布する物質Pを入れる容器2と、長手方向軸線Xをもつステムを備えたアプリケータ3とを有し、アプリケータ3の一端部4aにはブラシ5が設けられ、反対の端部にはハンドル部材6が設けられ、このハンドル部材6は容器2を閉じる働きもしている。容器2は首部7を備え、この首部7の外側には、ハンドル部材6をねじ嵌めできるようにねじが設けられている。
【0061】
首部7の内側には、ステム及びブラシ5を容器2から取り出す際にステム及びブラシ5を拭い取るワイパー部材8が固定されている。ワイパー部材8は、ステムの直径にほぼ等しい直径の円形オリフィスを画定する可撓性リップ9を備えている。
【0062】
当然、本発明は、特殊なワイパー部材を用いることに限定されるものではなく、例えば、発泡体の塊から成る及び又は一つ以上の任意のフロック加工したスロットを画定する他のワイパー部材を用いてもよい。
【0063】
図示例では、ステム4は直線状であるが、しかし本発明の範囲を逸脱することなしに湾曲状に構成してもよい。
【0064】
また、図示ステム4はハンドル部材6に対して固定しているが、しかし、例えばヒンジ接続、例えばボール・ソケット継手を介してハンドル部材6に対して可動にすることもできる。
【0065】
図示例ではブラシ5は、二本の金属ストランドを捩って従来の仕方で構成したコア10を有し、コア10の一端はステム4のハウジングに固定され、例えばこのハウジング内に強制的に挿入されている。
【0066】
ブラシ5は複数の剛毛11を担持し、これらの剛毛11は、図2に見られるように、コア10の捩ったストランドの間にクランプすることによって保持される。
【0067】
本発明によれば、ブラシ5は、変形される剛毛12を有している。
【0068】
例として、変形した剛毛12は二つの直線状部分、すなわちコア10に接続した基端部分12a及び末端部分12bを備えることができ、これら二つの部分12a、12bは曲がり部分12cで一体にされている。
【0069】
曲がり部分12cは、剛毛12の断面の変形により作られ、そして一種のヒンジとして作用し得る。
【0070】
末端部分12bはランダムな方向にのびることができる。
【0071】
少なくとも二本の変形した剛毛12は、図2に見られ得るように、コア10のピッチpを画定するコア10の二つの隣接した巻回10a、10b間に保持される。
【0072】
ブラシを変形した剛毛12で構成するために、本発明は、図3に概略的に示すような処理部材20を使用する。この処理部材20は、剛毛12の全長に沿った少なくとも一つの部位で剛毛12の断面を局部的に変形させるためにブラシの剛毛12を叩くように構成されている。
【0073】
例として、処理部材20は少なくとも一枚の刃21、例えば図3に示すように三枚の刃21を備えることができ、これらの刃21は図3の例ではブラシの長手方向軸線に平行な軸線のまわりで回転される。
【0074】
ブラシの剛毛11を叩くことによって、刃21は変形した剛毛12を作る。
【0075】
ブラシ5の軸線と処理部材20の軸線との間の間隔を選択することによって、ブラシの剛毛11は、コアから予定の距離に曲がり部分12cができるようにして処理され得る。
【0076】
処理部材20と剛毛11との間で衝撃の行われる速度に関連して、多数又は少数の変形した剛毛12が得られるように、剛毛は大きな程度又は小さな程度に損傷され得る。しかし、衝撃速度は、全ての剛毛が切断されないように十分に遅くすべきである。
【0077】
剛毛がコアの近くで叩かれる場合には、剛毛の向きは、図4に点線で示す半径方向の向きからコアの長手方向軸線に対して斜めにのびる方向に、例えばブラシの近端又は遠端に向って剛毛がのびるように変形され得る。
【0078】
図5〜図7に示す例では、ブラシの剛毛は、コアからそれぞれより離れた部位で叩かれている。
【0079】
図8の例では、剛毛は、その全長に沿った二つの部位で変形されており、それにより、それぞれ異なった角度α、αの二つの曲がり部分を形成している。
【0080】
剛毛における処理部材20の作用は、図9〜図11に示すように平坦化につながり得る。図10に見られるように、剛毛の断面は、変形した部分以外では円形である。図11には、材料が変形した部分で受けたクリープを示し、変形は、本質的には剛毛の一側すなわち処理部材の当たる側でのみ生じている。
【0081】
処理部材20の作用はまた、図12又は図13に示すように、材料を除去することになり得る。図12において、材料は、剛毛に形成された切込み12dの形態で除去される。図13では、材料は、剛毛の繊維を破壊するようにして除去され、剛毛はそれの厚さ部分12eがなくなり、繊維はその全長の一部分にわたって平坦状に薄くなっている。
【0082】
処理部材の作用はまた、例えばブラシの剛毛が伸張できる場合には材料を伸張することができる。
【0083】
図3の例では、単に処理部材20は回転されるだけであるが、しかし本発明の範囲を逸脱することなしに、図14及び図15に示すように処理部材20及びブラシ5の両方を回転させることもできる。
【0084】
図14に示すように、ブラシ5及び処理部材20は逆方向に回転できるが、図15に示すように、処理部材及びブラシは同じ方向に回転できる。
【0085】
一枚又は複数枚の刃21は図16に示すように、ブラシの全長のほんの一部分にわたってのみのびることができる。この場合、必要ならば、処理部材20はブラシ5の全長の全て又は一部のみを処理するようにブラシ5に平行に動かされ得る。図16には、ブラシがブラシのコアにクランプするマンドレル31によって回転され得、また電動機又は他のモーターによって駆動され得ることを示している。
【0086】
図17に示すように、一枚又は複数枚の刃21はブラシの全長にのばすことができる。
【0087】
また処理部材20をブラシの長手方向軸線に平行でない回転軸線のまわりで、特に、図18に示すようにブラシの長手方向軸線に垂直な回転軸線のまわりで回転させることもできる。
【0088】
処理部材20は、ブラシのある一定の領域のみ、例えば図19に示すように頂部領域40を処理するのに用いられ得る。このような状況の下では、例えばブラシを固定状態に保持し、そして処理部材20の刃21が頂部を構成している剛毛11の部分のみを叩くようにして処理部材20を位置決めすることができる。
【0089】
また、図20に示すように、ブラシの予定の角セクターsのみを処理することも可能である。
【0090】
また、図21に示すように、ブラシの近端部分のみ又はブラシの遠端部分のみを処理することも可能であり、近端部分は例えば長さl’にわたって処理され、遠端部分は長さl’’にわたって処理される。
【0091】
ブラシはまた、円形でない断面の剛毛の自由端で画定された包絡面を呈し得る。
【0092】
例として、図22〜図32に種々の断面形状の例を示す。
【0093】
処理部材20による処理前又は処理後、ブラシは図22〜図25に示すようにほぼ多角形の断面を持ち得る。
【0094】
図22には、ブラシの全長の少なくとも一部が断面ほぼ三角形の包絡面をもつことを示し、又はブラシは図23に示すように矩形であってもよく、或いは図24に示すように五角形でもよく、又は図25に示すように八角形でもよい。
【0095】
ブラシはまた、それの全長の少なくとも一部分わたって図26に示すように楕円形断面の包絡面を呈するようにして構成され得る。
【0096】
ブラシはまた、図27又は図28に示すようにその全長の一部分に少なくとも一つのへこみ41をもって構成され得る。
【0097】
適当な場合には、へこみ41は、ブラシの全長に沿って変化する深さ及び(又は)ブラシの全長に沿って変化する幅をもち得る。特に、ブラシは、それの両端間の単一極端部を通る深さの少なくとも一つのへこみ41を備えることができる。
【0098】
図29に示すように、ブラシにはまた、実質的に平面状の少なくとも一つの平坦面42が設けられ得る。
【0099】
ブラシはまた、図30〜図32に示すように一つ以上のノッチを備えることもできる。
【0100】
図30には、三つのノッチ43を備えたブラシを示し、図31には、二つのノッチ43をもつブラシを示し、また図32には、単一ノッチ43を備えたブラシを示している。
【0101】
ブラシ5のコア10は包絡面に対して任意に中心決めされ得る。
【0102】
図33には、コア10が偏心しているブラシを示している。
【0103】
ブラシの断面はブラシの全長に沿って変化でき、特に図34に示すように極端部を通り得る。
【0104】
図34に見られるように、ブラシの包絡面は例えば、ブラシの最大直径の領域45における基部を介して結合される二つの切頭円錐形を画定している。
【0105】
ブラシはまた、直線状でないコアを備えてもよい。
【0106】
このような状況の下で図35に示すように、コアが観察目的で直線状になるように真直ぐにされると、ブラシは、最大または最小であり得る少なくとも一つの極端部を通る断面を備え得る。
【0107】
図35の例では、ブラシは最大部46及び最小部47の両方を通る断面を備えることができる。
【0108】
コアは、図35及び図36に示すように、ブラシの縁部48を真直ぐにするように曲げられ得る。
【0109】
図37に示すように、ブラシ5はまた、ステムの遠端部4aに近接して曲がり部分49を備えることができ、剛毛を担持するコアの部分は直線状又は曲線状である。
【0110】
横断面が中実である剛毛を使用するのが好ましいが、しかし剛毛は中空であってもよい。
【0111】
図38〜図44には、剛毛の横断面の幾つかの例を示している。
【0112】
図38に示す剛毛は通常腎臓型であり、毛管溝60を画定している。
【0113】
図40は、剛毛が平坦部分を備え得ることを示している。
【0114】
剛毛はまた、断面多角形、例えば図39に示すように方形、図41に示すように六角形、又は図42に示すように三角形でもよい。
【0115】
剛毛はまた、図43に示すように断面が楕円形でもよい。
【0116】
処理部材20による叩き加工の前及び(又は)後に、剛毛は、例えば図45に示すようにボール61又は図46に示すようにフォークを形成するために、剛毛の自由端に特殊な性質を施す処理を受けることができる。かかるフォーク62は、剛毛の端部を研磨部材に接触させることによって得られ得る。
【0117】
剛毛は図47に示すようにフロック加工され得、又はこれらの剛毛は図48に示すように粒状体63を充填することができる。
【0118】
例として、粒状体は、剛毛の表面にマイクロレリーフを形成する、又は磁性又は細菌学上の又はその他の性質、特にすべりを助ける性質を与える化合物の粒子であり得る。
【0119】
剛毛は、合成材料又は天然材料で構成することができ、特に剛毛は、例えばポリエチレン、ポリアミド及び特にPA6、PA6/6、PA6/10又はPA6/12、PA11、特にRilsan(登録商標)、 Hytrel(登録商標)− Pebax(登録商標)重合体及びその他の熱可塑性重合体から選択した合成材料で構成することができる。
【0120】
剛毛は伸張性であり得る。
【0121】
当然、本発明は上記の例に限定されるものではない。
【0122】
特に、コアを他の構成にする、例えば図49に示すように二本の個々の捩ったコア10’、10’’を互いに捩り合わせて形成した二重コアを用いることが可能である。各個々のコア10’又は10’’は図面ではそれ自体、剛毛にクランプする二本の撚り合わせたストランドから成っている。
【0123】
コアを作るのに任意に円形断面の金属ストランドを用いることができ、そしてこれらのストランドは任意に外装され得る。例として、金属ストランドの直径は0.3mm〜0.9mmの範囲内である。
【0124】
上記の種々の実施の形態の特性は互いに組合わせられ得る。
【0125】
特許請求の範囲を含めて本明細書の記載において、用語“有する又は備える”は、特に言及しない限り、“少なくとも一つ有する又は備える”と同義として解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明のブラシを備えたコンディショニング及びアプリケータ装置の概略軸方向断面図。
【図2】図1の装置のブラシを拡大して示す部分概略図。
【図3】ブラシを叩いている状態を示す概略図。
【図4】叩くことによって剛毛の向きが変更される一つの仕方を示す図。
【図5】叩くことによって剛毛の向きが変更される別の仕方を示す図。
【図6】叩くことによって剛毛の向きが変更される別の仕方を示す図。
【図7】叩くことによって剛毛の向きが変更される別の仕方を示す図。
【図8】叩くことによって剛毛の向きが変更される別の仕方を示す図。
【図9】叩くことによって剛毛を変形する一つの例を示す図。
【図10】図9の矢印X−Xに沿った横断面図。
【図11】図9の矢印XI−XIに沿った横断面図。
【図12】叩くことによって剛毛を変形する別の例を示す図。
【図13】叩くことによって剛毛を変形するさらに別の例を示す図。
【図14】剛毛を叩く一つの仕方を示すブラシの軸線に沿って見た概略図。
【図15】剛毛を叩く別の仕方を示すブラシの軸線に沿って見た概略図。
【図16】剛毛を叩くために用いることのできる機械の一例を示す部分概略斜視図。
【図17】変形実施の形態を示す、図16と同様な概略斜視図。
【図18】剛毛を叩く別の仕方を示す図。
【図19】ブラシの頂部だけを叩くことのできる仕方を示す図。
【図20】ブラシのある角セクターだけを叩くことのできる仕方を示す図。
【図21】ブラシの全長の一部分にわたってのみブラシを処理できる仕方を示す図。
【図22】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の一つの横断面を示す図。
【図23】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の別の横断面を示す図。
【図24】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の別の横断面を示す図。
【図25】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の別の横断面を示す図。
【図26】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の別の横断面を示す図。
【図27】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の別の横断面を示す図。
【図28】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の別の横断面を示す図。
【図29】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の別の横断面を示す図。
【図30】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の別の横断面を示す図。
【図31】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の別の横断面を示す図。
【図32】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の別の横断面を示す図。
【図33】変形した剛毛を備え得るブラシの包絡線の別の横断面を示す図。
【図34】ブラシの横断面を変更できる仕方の一例を示す図。
【図35】ブラシの横断面を変更できる仕方の別の例を示す図。
【図36】ブラシの横断面を変更できる仕方の別の例を示す図。
【図37】ステムの軸線上の全体にわたっては配置されないコアを備えることができることを示す図。
【図38】可能な剛毛の断面形状の一例を示す図。
【図39】可能な剛毛の断面形状の別の例を示す図。
【図40】可能な剛毛の断面形状の別の例を示す図。
【図41】可能な剛毛の断面形状の別の例を示す図。
【図42】可能な剛毛の断面形状の別の例を示す図。
【図43】可能な剛毛の断面形状の別の例を示す図。
【図44】可能な剛毛の断面形状の別の例を示す図。
【図45】剛毛の端部の処理の仕方の一例を示す図。
【図46】剛毛の端部の処理の仕方の別の例を示す図。
【図47】剛毛の表面状態の一例を示す図。
【図48】剛毛の表面状態の別の例を示す図。
【図49】二重コアを示す概略図。
【符号の説明】
【0127】
5:ブラシ
10:コア
10a:コアの巻回
10b:コアの巻回
11:剛毛
12:変形剛毛
【出願人】 【識別番号】592163240
【氏名又は名称】ロレアル
【出願日】 平成19年10月2日(2007.10.2)
【代理人】 【識別番号】100064388
【弁理士】
【氏名又は名称】浜野 孝雄

【識別番号】100067965
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 哲二

【識別番号】100088236
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 輝一


【公開番号】 特開2008−12357(P2008−12357A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2007−258675(P2007−258675)