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【発明の名称】 携帯型通信機器の収納袋
【発明者】 【氏名】伊藤 智章

【要約】 【課題】携帯電話12,56を収納する袋に、携帯電話12,56への通信遮断機能を持たせることにより、該携帯電話12,56を袋に出し入れするだけで通信許可状態と通信拒否状態とのいずれかを容易に選択して利用することができる携帯電話12,56の収納袋11,51を提供することを目的とする。

【構成】携帯電話12,56を収納する袋であって、前記袋の素材は、携帯電話12,56への通信を遮断する電磁波遮断シート16と、抗菌作用を有する銀メッキ層17及び光触媒層18とを重ねた多層構造に構成した携帯電話12,56の収納袋11,51を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型通信機器を収納する袋であって、
前記袋の素材は、携帯型通信機器への通信を遮断する通信遮断素材と、抗菌作用を有する抗菌素材とを重ねた多層構造に構成した
携帯型通信機器の収納袋。
【請求項2】
前記抗菌素材として、銀メッキ層と光触媒層との少なくとも一方を袋の内面に備えた
請求項1に記載の携帯型通信機器の収納袋。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯電話等の携帯型通信機器の通信可否の切換えに際して、利用者が携帯型通信機器をキー入力操作することなく通信許可状態と通信拒否状態との一方に瞬時に切換えることができる携帯型通信機器の収納袋に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、携帯型通信機器の一例として携帯電話を例にとって説明する。一般に、携帯電話の利用に際しては、利用者が携帯する場所に応じて利用者が電源をON/OFFして利用可否を設定変更している。例えば、携帯電話を通信許可状態から通信拒否状態に設定変更する場合は、利用者が携帯電話の電源を切るキー入力操作を行って携帯電話の通信を拒否している。また、この通信拒否状態から通信許可状態に設定変更する場合も、その携帯電話の電源を入れるキー入力操作を行って携帯電話の通信を許可するようにしている。
【0003】
このように携帯電話の通信可否を設定変更する場合、キー入力操作を要して電源の切入り操作に手間がかかり、手際のよい電源ON/OFFの切換え操作ができなかった。また、携帯電話の電源がON/OFFいずれになっているかは、携帯電話の液晶画面が点灯しているか等を見なければ確認できなかった。
【0004】
このほかにも、携帯電話は利用者の身近にあって携帯されることから衛生的に管理されることが望まれている。この種の対策の一例として、携帯電話を収納袋に入れて携帯させ、携帯電話が汚れている場合は、その収納袋で携帯電話の汚れを拭取れるという柔軟性を有する携帯電話収納袋が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
しかし、携帯電話を単に収納袋に入れるだけでは、携帯電話に付着している雑菌を排除して衛生的に管理することは難しく、また携帯電話の通信可否を切換えることはできなかった。
【0006】
【特許文献1】特開2001−275730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこでこの発明は、携帯型通信機器を収納する袋に、携帯型通信機器への通信拒否機能を持たせることにより、該携帯型通信機器を袋に出し入れするだけで通信許可状態と通信拒否状態とのいずれかを容易に選択して利用することができ、かつ携帯型通信機器の衛生状態を良好にできる携帯型通信機器の収納袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、携帯型通信機器を収納する袋であって、前記袋の素材は、携帯型通信機器への通信を遮断する通信遮断素材と、抗菌作用を有する抗菌素材とを重ねた多層構造に構成した携帯型通信機器の収納袋であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、携帯型通信機器の通信許可状態と通信拒否状態との一方を瞬時に選択することができ、通信可否の切換えに手間がかからなくなる。よって、携帯型通信機器の取扱い性が向上し、利用者の満足度を向上させることができる。しかも、袋に収納されている間は除菌されて衛生的となり、通信管理及び衛生管理にも優れた携帯型通信機器の収納袋となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は携帯電話を収納する収納袋11の正面図、図2は収納袋11に携帯電話12を収納した使用状態を示す正面図である。この収納袋11は携帯電話12を収納できる大きさの長方形状を有し、上面に携帯電話12を出し入れする口部13を有し、その口部13を紐14により絞って閉じる巾着型の収納袋11である。この収納袋11の内部に収納された携帯電話12は口部13が紐14で閉じられて外界と遮断される。
【0012】
上述の収納袋11の素材は、図3の収納袋11の積層素材の一部拡大断面図に示すように、収納袋11の外面となる外側に布生地などを素材とする外面シート15を有し、該外面シート15の内側に電磁波遮断シート16と、銀メッキ層17と、光触媒層18とをこの順に積層して構成されている。
【0013】
収納袋11の基材となる外面シート15は、収納袋11が携帯されて利用者の手に接触することが多いことから柔軟性を有する手触りのよい素材がよく、例えば布生地やフェルト生地やフィルムシートなどが適している。
【0014】
図4は電磁波遮断シート16の断面図である。この電磁波遮断シート16は、表面シート41、磁気遮断素材シート42、絶縁シート43、磁気遮断素材シート44、及び裏面シート45をこの順に重合配置して、互いに平行する複数層からなる均一な1枚の厚さのシートに構成されている。
【0015】
前記表面シート41及び裏面シート45は、絶縁素材の一例としてナイロン材を用い、このナイロン材により形成された肉厚0.25μm程度の薄い長方形のシートである。
磁気遮断素材シート42及び磁気遮断素材シート44は、アルミ材に炭素を含有した素材により形成された肉厚0.05μm程度の薄い長方形のシートである。この磁気遮断素材シート42,44は、アルミ材を主成分とすることにより素材の重量を軽量化している。また、炭素を含有させることで、通信に用いられる電磁波の遮断性能を向上させている。
絶縁シート43は、絶縁素材の一例としてナイロン材を用い、このナイロン材により形成された肉厚略1mm程度の長方形のシートである。
【0016】
前記電磁波遮断シート16を収納袋11の一構成素材とすることにより、該収納袋11の生地に通信遮断機能が得られる。
上述の電磁波遮断シート16の内面は、衛生向上を目的とする銀メッキ層17が設けられている。
【0017】
この銀メッキ層17の内面には、さらに除菌効果が得られる光触媒層18が設けられている。この光触媒層18は、二酸化チタンの薄膜層を均一な厚さに形成したものであり、太陽や蛍光灯などの光が当たると、その表面で強力な酸化力が生まれ、この酸化力によって化合物や細菌などの有害物質を除去するという特性を有している。
【0018】
以上の構成により、収納袋11の内部空間では外界との通信が遮断され、携帯電話12を収納袋11に入れるだけで通信を遮断することができる。そして、収納袋11から携帯電話12を取出した時点で通信が許可される。従って、該収納袋11が携帯電話12の電源の役目を果すことができ、携帯電話12の取扱い性を高めることができる。
【0019】
また、銀メッキ層17は、銀自体に強い抗菌作用があり、収納袋11の内面に存在させているだけで収納袋11内を除菌する効果が得られる。従って、収納袋11に入れられた携帯電話12は、該収納袋11内で銀メッキ層17による抗菌作用を受け、自然に除菌されることになり、衛生管理が行き届いた収納袋11として利用されることになる。
【0020】
また、収納袋11の内部空間に光を照射させたり、収納袋11を裏返したりして光触媒層18に光を照射させた場合は、該収納袋11に、抗菌、内面の防汚、脱臭及び内部空気を浄化しようとする働きを生じさせることができる。
【0021】
以上により、携帯電話12の使用が規制される状況、例えば利用者が車両に乗車する時、病院に入る時、会議が開始される時など、利用者が携帯する携帯電話12の通信を遮断しておきたい場合、利用者は携帯電話12を通信遮断機能を有する収納袋11に入れるだけでよい。これにより、収納袋11に収納された携帯電話12は該収納袋11の内面に形成されている電磁波遮断シート16によって外界との通信が瞬時に遮断される。このため、利用者はいちいち手間のかかる携帯電話12の電源を切るキー入力操作をしなくても通信を遮断することができる。
【0022】
その後、収納袋11より携帯電話12を取出せば、該携帯電話12の取出し時点で電磁波遮断シート16による通信遮断作用を受けなくなって、取出しと同時に通信が許可される。従って、該収納袋11が携帯電話12の電源の役目を果して携帯電話12の取扱い性を向上することができ、利用者は携帯電話12の能率のよい利用を実現して利用者の満足度を向上させることができる。
【0023】
さらに、収納袋11に携帯電話12が収納されている間は、該携帯電話12が収納袋11の内面に形成されている銀メッキ層17と光触媒層18との抗菌作用を受けるため該携帯電話12は除菌されて衛生的となる。
一方、携帯電話12の未収納時においても、収納袋11の内部では抗菌作用が働くため衛生的である。また、収納袋11の不使用時は折畳んでハンカチのように小さくできるため、該収納袋11をポケットなどに容易に収納できる。また、利用者は携帯電話12が通信可否のいずれの状態であるかを確認する場合、携帯電話12が収納袋11内に収納されているか、否かを一目見るだけで確認できる。
このように、収納袋11は携帯電話12の電源をON/OFFする役目の代わりに使用できる電源兼用媒体として有効に使用できる。
【0024】
なお、銀メッキ層17と光触媒層18は積層状態に配置する以外に、収納袋11の内面に両層17,18のそれぞれが単独に露出するように部分的に配置してもよい。また、銀メッキ層17と光触媒層18のいずれか一方のみとしてもよい。
【0025】
また、外面シート15にバラの香りやミントの香りなどの芳香液を染み込ます、あるいは収納袋11の内面に芳香剤を取り付けるなど、収納袋11に芳香素材を備える構成としてもよい。これにより、利用者は収納袋11に対して携帯電話12を出し入れする毎に、芳香素材の香りを感じることができる。
【0026】
また、檜から抽出した檜エキスを生地に染み込ませ、この檜エキス入り生地を銀メッキ層17および光触媒層18の代わりに備える構成としてもよい。この場合、檜エキスによる抗菌作用と、檜エキスによる芳香作用を得ることができる。従って、利用者は収納袋11に対して携帯電話12を出し入れする毎に、携帯電話12を抗菌できると共に檜の香りを感じることができる。
【0027】
また、電磁波遮断シート16は、フェライト材によるフェライト層、炭素材による炭素層、アルミ材によるアルミ層、および炭素材による炭素層をこの順で重合配置して構成してもよい。このように構成した場合、フェライト層が外側に位置するように収納袋11を構成するとよい。この場合も、電磁波を充分に遮断することができる。
【実施例2】
【0028】
図5は実施例2の収納袋51の使用状態を示す説明図である。
この収納袋51は、実施例1の収納袋11と比較して、新たに照射装置52を付設した点が異なるだけで、他の構成は同じであるため、異なる点についてのみ説明する。前記照射装置52は、透明ケース53の内部に発光回路54を備えたランプ55を内蔵させたものである。このランプ55の発光により、収納袋51内での実施例1で説明した光触媒層の酸化力の発生を強調させて光触媒層による抗菌効果を高めるように構成したものである。
【0029】
このランプ55は、常時点灯させておいてもよく、収納袋51内に設置させておいた検知センサにより携帯電話56が収納されたことを検知した時点で点灯するようにしてもよく、さらに透明ケース53に付設した押しボタンを外部から押してスイッチ部57をON/OFF操作できるように構成してもよい。
【0030】
このように構成された収納袋51に携帯電話56が収納された場合、実施例1と同じく電磁波遮断シートによって外界との通信が遮断される。このため、いちいち手間のかかる携帯電話56の電源を切るキー入力操作をしなくても携帯電話56の通信を遮断することができる。また、収納袋51より携帯電話56を取出せば、該携帯電話56の取出し時点で、通信遮断作用を受けなくなって該携帯電話56の通信が許可される。
【0031】
そして、この携帯電話56の収納に基づいてランプ55が点灯されると、このランプ55の光が収納袋51の内面の光触媒層に照射し、該光触媒層の表面で強力な酸化力が生まれ、雑菌などの有害物質を除去する。よって、収納袋51内は抗菌雰囲気を形成して除菌作用が高まり、ここに収納された携帯電話56は除菌されて衛生的に管理される。
【0032】
上述のように、収納袋に携帯電話を出し入れするだけで携帯電話の通信可否を選択できるという該収納袋が携帯電話の電源を切換える電源兼用媒体の役目をするため、利用者は携帯電話のキーを入力操作することなく、携帯電話の電源を切換えることができる。しかも、収納袋の内部では、除菌作用が働いて衛生的となり、通信管理及び衛生管理に優れた携帯電話の収納袋となる。
【0033】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の携帯型通信機器は、実施形態の携帯電話12に対応し、
以下同様に、
通信遮断素材は、電磁波遮断シート16に対応し、
抗菌素材は、銀メッキ層17及び光触媒層18に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0034】
例えば、上述の実施例では携帯型通信機器に携帯電話12,56を収納する例を示したが、これに限らず、非接触通信されるICカードなどにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】携帯電話を収納する収納袋の正面図。
【図2】収納袋の使用状態を示す正面図。
【図3】収納袋の積層素材の一部拡大断面図。
【図4】電磁波遮断シートの拡大断面図。
【図5】実施例2の収納袋の使用状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0036】
11,51…収納袋
12,56…携帯電話
15…外面シート
16…電磁波遮断シート
17…銀メッキ層
18…光触媒層
52…照射装置
【出願人】 【識別番号】597120972
【氏名又は名称】オリエント測器コンピュータ株式会社
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭

【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭

【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳


【公開番号】 特開2008−18113(P2008−18113A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−193510(P2006−193510)