| 【発明の名称】 |
非常時支援装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小山 順一
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| 【要約】 |
【課題】エレベータのかごその他、地震、停電事故により密室状態に閉じ込められる可能性のある場所に邪魔になることなしに備え付け、必要な機器、備品を迅速に提供する。
【構成】エレベータのかごなど、設置先の壁面又は天面の内面に据え付けて、非常時に、ケース2の操作部24を自動開封し、ケース2外部に自動的に降下された操作紐26の引き操作により、物品収容部21の開閉部23を自動的にロック解除し、開放して、物品収容部21から非常時に使用する機器、備品を収納するシートS1を(シート引張り紐43により)直接降下して、展開する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 開閉部及び当該開閉部をロックするロック手段を有する物品収容部と、開閉部及び当該開閉部を封止する封止手段を有し、前記物品収容部のロック手段を解除して、当該開閉部を開動する操作手段を配設された操作部とを具備するケースと、 前記物品収容部に配設された巻取装置と、 前記巻取装置に巻き付けられ、物品を収納する収納部を有するシートとを備え、 設置先の壁面又は天面に据え付けられ、前記シートの収納部に非常時に使用する任意の機器、備品が収納されることを特徴とする非常時支援装置。 【請求項2】 巻取装置はシートを巻き取る軸を有し、当該軸はばね手段によりシートの巻き取り方向に作用され、物品収容部に巻き取り収容されたシートはシートに付設された引張り紐により手動で引き出される請求項1に記載の非常時支援装置。 【請求項3】 開閉部及び当該開閉部をロックするロック手段を有する物品収容部と、開閉部及び当該開閉部を封止する封止手段を有し、前記物品収容部のロック手段を解除して、当該開閉部を開動する操作手段を配設された操作部とを具備するケースと、 前記物品収容部に配設され、線材又は紐材を巻き上げる巻上装置と、 前記物品収容部に前記巻上装置の線材若しくは紐材により引き上げられて折り畳まれ、物品を収納する収納部を有するシートとを備え、 設置先の壁面又は天面に据え付けられ、前記シートの収納部に非常時に使用する任意の機器、備品が収納されることを特徴とする非常時支援装置。 【請求項4】 巻上装置は物品収容部に収容された手動式のチェーン若しくはベルトにより回転駆動され、物品収容部に折り畳み収容されたシートはチェーン若しくはベルトにより手動で引き出される請求項3に記載の非常時支援装置。 【請求項5】 物品収容部及び操作部の各開閉部は下方に向けて開放される請求項1乃至4のいずれかに記載の非常時支援装置。 【請求項6】 操作部の封止手段は施錠手段で、開閉部を通常施錠し、本装置設置先の停電により、又は地震波センサの動作により開閉部を解錠する手段を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の非常時支援装置。 【請求項7】 操作部の操作手段は手動形式で、操作部から延びる紐状の部材により形成され、通常、操作部内部に収納されて、操作部の開封により当該操作手段が操作部から下方へ降下される請求項1乃至6のいずれかに記載の非常時支援装置。 【請求項8】 シートの縁部に、ケースから垂下され、展開されたシートを固定するための止め具を有する請求項1乃至7のいずれかに記載の非常時支援装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、震災時など災害非常時に使用する非常時支援装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から震災などの非常時に備えて、非常用の機器、備品を収納する収納ボックスが提案されている。この種の収納ボックスの一例が特許文献1に記載されている。この文献1の収納ボックスは、ハンドルを兼ねるスティ及び車輪を有する収納ボックス本体と、この収納ボックス本体を開閉する蓋とで構成され、収納ボックス本体の内底面と蓋の天井面に緩衝材が設けられて、収納ボックス本体と蓋体が複数の緊締バンドで緊締されるようになっている。このようにして収納ボックスに各種物品を自由、容易に入れることができ、確実かつ安定した状態に収納することができる。 【特許文献1】特開平11−152036号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところで、地震が発生すると、エレベータが停止され、かごが最寄の階に至らずに階床間で止まり、かごの中に乗員が閉じ込められるといったことが少なくない。大規模な地震になると、このかごからの救出活動には、救助の要請から数日以上が必要と言われており、このような場合、かごの中で乗員は食事、排便など、生命維持に必要な行為を取ることができず、憔悴しながら救助を待つ他ない。大規模な停電事故により、エレベータが停止した場合も同様のことが起こり得る。このような危険性の認識は国民一般に広く知られているにもかかわらず、エレベータのかごにはそれに対処した付帯設備がない。また、上記従来の非常用の機器、備品を収納する収納ボックスでは、エレベータのかごの中には邪魔になって常設できないことは勿論のこと、収納ボックス本体内に積み重ねた状態に収納された各種の物品から必要な機器、備品のみを素早く探し当て、取り出すことは難しい。 【0004】 本発明は、このような従来の問題を解決するもので、エレベータのかごその他、地震、停電事故により密室状態に閉じ込められる可能性のある場所に邪魔になることなしに備え付け、非常時に、必要な機器、備品を素早く探し当て、取り出すことのできる非常時支援装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記目的を達成するために、本発明の非常時支援装置は、開閉部及び当該開閉部をロックするロック手段を有する物品収容部と、開閉部及び当該開閉部を封止する封止手段を有し、前記物品収容部のロック手段を解除して、当該開閉部を開動する操作手段を配設された操作部とを具備するケースと、前記物品収容部に配設された巻取装置と、前記巻取装置に巻き付けられ、物品を収納する収納部を有するシートとを備え、設置先の壁面又は天面に据え付けられ、前記シートの収納部に非常時に使用する任意の機器、備品が収納されることを要旨とする。この場合、巻取装置はシートを巻き取る軸を有し、当該軸はばね手段によりシートの巻き取り方向に作用され、物品収容部に巻き取り収容されたシートはシートに付設された引張り紐により手動で引き出されることが好ましい。物品収容部及び操作部の各開閉部は下方に向けて開放されることが好ましい。操作部の封止手段は施錠手段で、開閉部を通常施錠し、本装置設置先の停電により、又は地震波センサの動作により開閉部を解錠する手段を有することが好ましい。操作部の操作手段は手動形式で、操作部から延びる紐状の部材により形成され、通常、操作部内部に収納されて、操作部の開封により当該操作手段が操作部から下方へ降下されることが好ましい。シートの縁部に、ケースから垂下され、展開されたシートを固定するための止め具を有することが好ましい。 【0006】 また、本発明の非常時支援装置は、開閉部及び当該開閉部をロックするロック手段を有する物品収容部と、開閉部及び当該開閉部を封止する封止手段を有し、前記物品収容部のロック手段を解除して、当該開閉部を開動する操作手段を配設された操作部とを具備するケースと、前記物品収容部に配設され、線材又は紐材を巻き上げる巻上装置と、前記物品収容部に前記巻上装置の線材若しくは紐材により引き上げられて折り畳まれ、物品を収納する収納部を有するシートとを備え、設置先の壁面又は天面に据え付けられ、前記シートの収納部に非常時に使用する任意の機器、備品が収納されることを要旨とする。この場合、巻上装置は物品収容部に収容された手動式のチェーン若しくはベルトにより回転駆動され、物品収容部に折り畳み収容されたシートはチェーン若しくはベルトにより手動で引き出されることが好ましい。物品収容部及び操作部の各開閉部は下方に向けて開放されることが好ましい。操作部の封止手段は施錠手段で、開閉部を通常施錠し、本装置設置先の停電により、又は地震波センサの動作により開閉部を解錠する手段を有することが好ましい。操作部の操作手段は手動形式で、操作部から延びる紐状の部材により形成され、通常、操作部内部に収納されて、操作部の開封により当該操作手段が操作部から下方へ降下されることが好ましい。シートの縁部に、ケースから垂下され、展開されたシートを固定するための止め具を有することが好ましい。 【発明の効果】 【0007】 本発明の非常時支援装置は、上記各構成により、設置先の壁面又は天面に据え付けて、非常時に、ケースの操作部を開封し、操作手段により物品収容部を開放して、物品収容部から非常時に使用する機器、備品を収納するシートを展開するので、エレベータのかごその他、地震、停電事故により密室状態に閉じ込められる可能性のある場所に邪魔になることなしに備え付け、非常時に、被災者がその取り扱い方法、収容されている物品の品目が分からなくても、必要な機器、備品を素早く探し当て、取り出すことができるという格別な効果を奏する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、この発明の実施の形態について図を用いて説明する。図1乃至図3に第1の実施の形態を示している。図1は非常時支援装置の使用前の態様を示し、図2はその使用時の態様を示す。また、図3は使用前の非常時支援装置を下方から見た状態を示す。 【0009】 図1及び図2に示すように、非常時支援装置11は、ケース2と、巻取装置D1と、シートS1とを備える。 【0010】 ケース2は全体が横長の箱形に形成され、正面201、背面202、天面203、底面204、両側面205、205の6面を有する。なお、このケース2の場合、正面201の下側略半面は下方斜めに向けた傾斜面になっている。ケース2の内部は両側面205、205間所定の位置に仕切り部材206が設けられて、大きい空間21と小さい空間24の2つに区画される。 【0011】 大きい空間21は物品収容部で、この物品収納部21に対応する底面204が開閉部23になっている。この場合、開閉部23は後縁部が背面202下縁部にヒンジ部材を介して結合され、前後方向に回動可能に構成される。このようにして開閉部23は下方に向けて開放可能になっている。また、開閉部23の回動側縁部(前縁部)に、この開閉部23の閉状態をロックするロック手段が設けられる。なお、このロック手段には、後述するように紐状の部材の引き操作で、ロックを解除可能な簡易なロック形式が採用される。このようにして物品収容部21の開閉部23は通常閉じられて、この状態がロックされる。 【0012】 小さい空間24は操作部で、この操作部24に、物品収容部21の開閉部23のロック手段を解除して、開閉部23を開動する操作手段26が配設される。この場合、操作手段26は、手動形式で、操作部24から延びる紐状の部材により形成され、この操作紐26が物品収容部21の開閉部23のロック手段に作動連結されて、この操作紐26の引き操作により開閉部23のロックが解除され、開閉部23が開放されるようになっている。このように操作紐26を使うことで、故障の少ない操作手段とすることができる。なお、この操作紐26の端末にグリップ及び適度のウェイトとして使用するボール27が取り付けられる。また、この操作紐26又はボール27に「非常時に、この紐を引いてください。」といった表示を付けておくことが望ましい。この操作紐26はボール27とともに通常、操作部24内に収納される。この操作部24に対応する正面201の傾斜面は開閉部28になっている。この場合、開閉部28は上縁部が正面201にヒンジ部材を介して結合され、前後方向に回動可能に形成される。このようにして開閉部28は下方に向けて開放可能になっている。なお、この開閉部28は一方の側縁部が正面201又は側面205にヒンジ部材を介して結合され、左右方向に回動可能に形成されてもよい。この開閉部28には、封止手段が併せて設けられる。ここで封止手段は施錠手段で構成され、開閉部28を通常施錠し、本装置(非常時支援装置)1設置先の停電により、開閉部28を解錠する手段、又は地震波センサの動作により、開閉部28を解錠する手段が採用される。前者の場合、施錠手段は本装置11設置先の電源を使用する電磁式のロック装置などで、通常の通電により開閉部28をロックし、非常時の停電により開閉部28のロックを解除する形式に構成される。後者の場合、施錠手段は本装置11のケース2内部に設置した充電式バッテリを使用する地震波センサ併用のロック装置などで、地震波センサにP波センサなどが採用され、通常開閉部28をロックし、地震波センサで所定震度以上の地震を検出することにより、開閉部28のロックを解除する形式に構成される。なお、いずれの形式でも、非常時の停電により、又は地震波センサの動作により、即時にロック装置が解除されるようにしてもよく、タイマーを併用して一定時間経過後にロック装置が解除されるようにしてもよい。 【0013】 また、この非常時支援装置11がエレベータ用として使用される場合、図1、図2に示すように、ケース2の正面201の傾斜面にミラー6が設けられることが好ましい。また、図3に示すように、ケース2の底面外側面に非常灯7が配設されることが好ましい。 【0014】 このようにしてケース2が構成され、物品収納部21に巻取装置D1が配設され、この巻取装置D1にシートS1が巻き付けられて物品収納部21に収容される。巻取装置D1は1本の円筒状の軸31からなり、物品収納部21の両側、すなわち一方の側面205の内面とこれに対向する仕切り部材206の一方の面にそれぞれ、一対の軸受32が取り付けられて、これらの軸受32、32間に回転可能に架け渡される。なお、この軸31はばね部材が取り付けられて、シートS1の巻取方向に作用するようにしてある。 【0015】 シートS1は横方向が物品収容部21の幅よりも少し短く、縦方向に所定の長さ(例えばエレベータのかごの壁面縦方向と概ね同じ長さ)の略矩形状に形成され、下端末にウェイトバー41とシートS1を引き出すためのシート引張り紐43が取り付けられる。このシートS1の表面又は裏面又は表裏両面には選択的に複数の物品の収納部42が筒状又は袋状に形成される。なお、この収納部42の大きさ、形状は収納する対象物品の大きさ、形状に応じて適宜設定してもよく、また一定に統一してもよい。また、このシートS1をケース2から斜め下方に向けて又は垂直方向に向けて張り、この状態を固定するために、このシートS1の下縁部に止め具44が設けられる。この止め具44には、吸盤、マグネット、面ファスナ、剥離紙付きの接着テープ、止めピン、クリップ、フックなど既存の止め具から適宜選定される。この場合、吸盤44が使用される。さらに、このシートS1の両側又は片側に、設置先で閉鎖空間を形成するための付属シートが延設されてもよい。付属シートにも縁部に止め具が設けられることが好ましい。この付属シートはシートS1上に折り畳んでおき、必要に応じて展開すればよい。このようにしてシートS1は上端が巻取装置D1の軸31に固定されて軸31回りに巻き付けられ、物品収容部21に巻き取り収容される。 【0016】 このようにして非常時支援装置11は、設置先の壁面又は天面に据え付けられ、シートS1の収納部42に非常時に使用する任意の機器、備品が収納される。 【0017】 次に、非常時支援装置11がエレベータ用として採用された場合の使用例について、さらに図4を用いて説明する。図4に示すように、この非常時支援装置11はエレベータ5のかご50の壁面51の内面上部又は天面52の内面に据え付けられる。この場合、背面側壁面51の内面と天面52の内面との2面接合部付近に取り付けられることが好ましい。なお、操作部24の封止手段に電磁式のロック装置が採用された場合、このロック装置はエレベータ5のかご50に供給される電源により通電される。この非常時支援装置11の使用に際して、シートS1の各収納部42には、非常時に使用する任意の機器、備品が収納される。この場合の対象品目は、水、食料品(保存食)、無線機(防災用無線機)、ラジオ、懐中電灯、ランタン、警報サイレン、防寒シート(又は防寒着)、簡易式トイレ、応急処置用の薬品や器具などで、水、食料品、簡易トイレは数日間分必要で、ラジオや懐中電灯などは手回し充電形式のものが望ましい。これら機器、備品をシートS1の収納部42に収納する場合、無線機、薬、簡易式トイレなど緊急性の高いものはシートS1下部の収納部42に入れ、反対に水、食料品など緊急性の低いもの、あるいは衛生上の配慮を要するものはシートS1上部の収納部42に入れておくことが好ましい。このようにすることで、非常時に必要なものがより見つけやすく、より取り出しやすくなる。 【0018】 また、ケース2正面のミラー6は車椅子利用者用に設けられている。この場合、かご50の背面側壁面51の内面に、車椅子利用者用にかご50の出入口上部又は側部のエレベータ5の階床表示を確認するためのミラーMが設けられている場合は、ケース2のミラー6は下方斜めに向けて適宜の角度に固定されることで、車椅子利用者がケース2のミラー6を使って、かご50の出入口の敷居当たりを確認することができ、車椅子利用者がかごの乗り降りを安心して、容易に行うことができる。また、かご50にミラーMが設けられていない場合は、ケース2のミラー6が略正面に向けて固定されることで、車椅子利用者がエレベータ5の階床表示を確認するために使用することもできる。 【0019】 さて、このエレベータ5のかご50に複数人の乗員が乗って昇降中に地震が発生し、かご50が階床間の途中で停止された場合、複数人の乗員はかご50の中に完全に閉じ込められる。このかご50に備え付けられた非常時支援装置11は、エレベータ5の電源が断たれると、即時又はタイマーで一定時間経過後に操作部24の電磁式のロック装置が解除され、又は地震波センサの動作によりロック装置が解除され、開閉部28が開放(開封)されて、(図4中、2点鎖線で示すように)操作紐26がボール27とともに操作部24から降下し、垂下される。 【0020】 この操作紐26又はボール27の表示「非常時に、この紐を引いてください。」に従って、乗員がこの操作紐26を引くと、この引き操作により、物品収容部21の開閉部23が下方に向けて開動され、物品収容部21が下方に向けて開放される。このとき、物品収容部21からシート引張り紐43が垂れ下がる。そして、乗員がシート引張り紐43を(巻取装置D1のばねの力に抗して)引き下げると、物品収容部21内部の巻取装置D1に巻き付けられたシートS1は巻取装置D1の回転とともに引き出され、図2に示すように、ケース2からシートS1が垂下される。このとき、シートS1をケース2から垂直方向に向けて又はエレベータ5のかご50の背面側壁面に沿って降ろし、シートS1下部の吸盤44をかご50のフロアに吸着することで、シートS1を(ピンと)張った状態にして固定することができる。このようにしてケース2からシートS1が垂下され、垂直方向に展開される。乗員は上下に展開されたシートS1の筒状又は袋状の各収納部42から、非常時に必要な機器、備品を容易に探し当て簡単に取り出すことができ、迅速に使用することができる。例えば、シートS1の収納部42から無線機を素早く取り出し、救助の要請を迅速に行うことができる。無線機の電波がエレベータシャフトの中で遮断されるなど、無線機が使用できない場合は、他の収納部42から警報サイレンを取り出して、警報サイレンの鳴動で救助を要請することができる。災害の状況や救助に関する情報はラジオで入手できる。水、食料品、簡易トイレは収納部42に数日間分収納されているので、乗員の救助までに数日間の時間を要する場合でも、乗員は各収納部42から水、食料品を取り出して、水、食事を取り、また簡易式トイレを取り出して、排便を行うことができるなど、生命維持に必要な行為を容易かつ確実に行うことができる。なお、排便の場合、シートS1を隔壁として利用することができる。この場合、シートS1をケース2から斜め下方に向けて張り、シートS1の下部を吸盤44その他の止め具で床に固定することで、かご50の中の一部に排便用の遮蔽された空間を形成することができ、さらに、シートS1の両側又は片側に付属シートを付けてあれば、付属シートを展開し、その周囲を床、壁面などに吸盤44その他の止め具で固定することにより、かご50の中に完全な囲いを形成することができ、排便をより行いやすくすることができる。 【0021】 以上説明したように、この非常時支援装置11によれば、エレベータ5のかご50など、設置先の壁面又は天面の内面に据え付けて、非常時に、ケース2の操作部24を自動開封し、ケース2外部に自動的に降下された操作紐26の引き操作により、物品収容部21の開閉部23を自動的にロック解除し、開放して、物品収容部21から非常時に使用する機器、備品を収納するシートS1を、シート引張り紐43の引き操作により降下させ、展開するので、エレベータ5のかご50その他、地震、停電事故により密室状態に閉じ込められる可能性のある場所に邪魔になることなしに備え付け、非常時に、被災者がその取り扱い方法や収容されている物品の品目が分からなくても、必要な機器、備品を素早く探し当て、取り出し、使用することができる。そして、これらの機器、備品やシートS1を活用することで、かご50の中の乗員は、食事、排便など、生命維持に必要な行為を取りながら、救助を待つことができる。また特に、エレベータのかごの中に閉じ込められた経験を持つ人の多くは精神的な不安が残り、エレベータに対する恐怖心を常に持っていることが伝えられており、この非常時支援装置11をエレベータのかごに常設することで、エレベータに対する不安を取り除き、安心感を与えることができる。 【0022】 なお、第1の実施の形態の各部について、次のように変更することができる。 (1)ケース2が箱形に形成されているが、円筒形に形成されてもよく、その形状は任意である。 (2)物品収容部21の開閉部23は、ケース2の底面204に設けられているが、ケース2の正面201に設けられてもよい。また、操作部24の開閉部28は、ケース2の正面201(の傾斜面)に設けられているが、ケース2の底面204に設けられてもよい。 (3)操作部24の開閉部28の封止手段に自動式のロック装置が採用されているが、この開閉部28を接着テープや着脱式の止め具などを使って封止し、手操作で開封できるようにしてもかまわない。 (4)操作部24の操作手段は紐状の部材で形成されているが、伸縮式のレバーなどに代えてもよい。 (5)巻取装置D1にシートS1の送り出しを任意の位置で停止するシートストッパーが設けられてもよい。この場合、シートストッパーは軸31にラチェット車と爪からなるラチェット機構などにより構成することができる。また、物品収容部21内部の巻取装置D1に巻き付けられたシートS1はシート引張り紐43により引き出されるようにしているが、シートS1のウェイトバー41及び各収納部42に収納された各種機器、備品などの自重により、シートS1を巻取装置D1の回転とともに自動的に降下させるようにしてもよい。この場合、軸31と軸受32との間に摩擦係合手段が介在されて、軸31を適宜の低速度回転に調整し、シートS1の送り出し速度を低速にすることが好ましい。この巻取装置D1の回転速度が制限されることで、シートS1を低速に送り出すことができ、非常時の機器、備品を収納されたシートS1を安全に降下させることができる。さらに、この軸31を任意に回転駆動できるように、軸31にスプロケット(又はプーリ)が取り付けられ、このスプロケット(又はプーリ)にチェーン(又はベルト)が巻き付けられてもよい。この場合、チェーン(又はベルト)はある程度の長さを有し、通常物品収容部21内に格納され、開閉部23の開放により、外部に垂下されるようにすることが好ましい。このようにすることで、シートS1の送り出し位置を任意に変更したり、またシートS1を物品収容部21に巻き戻したりすることができる。 【0023】 図5及び図6に第2の実施の形態を示している。図5及び図6に示すように、この非常時支援装置13は、ケース2と、線材若しくは紐材の巻上装置D3と、シートS3とを備える。なお、この場合、ケース2は第1の実施の形態と概ね同じ構成を採り、第1の実施の形態で既に述べたとおりなので、ここでは詳しい説明を省略している。 【0024】 ケース2の物品収容部21に巻上装置D3が配設され、この物品収容部21にシートS3が巻上装置D3により折り畳み可能に収容される。この巻上装置D3は、物品収容部21の両側(一方の側面205の内面とこれに対向する仕切り部材206の一方の面)間に架け渡され、複数のプーリ34を配設された軸33と、この軸33の前側に並設された巻上器35とを備え、巻上器35から導出された複数の線材又は紐材36が軸33の各プーリ34に掛け渡される。この場合、軸33には中央及び両端に合計3つのプーリ34が配設され、巻上器35に3本の線材又は紐材36が巻き付けられて、各プーリ34に巻き掛けられる。また、この巻上装置D3の場合、巻上器35の回転軸に制動機構が付設されており、巻上器35の回転軸上に駆動スプロケット37が配設されて、この駆動スプロケット37上に手動式のチェーン又はベルトが巻き掛けられる。ここでは、チェーン又はベルトとして玉チェーン38が採用される。なお、ケース2内部の下縁部にガイドスプロケット39が設置され、(開閉部23の開時に)このガイドスプロケット39の案内により、玉チェーン38が底部204の開口から下方に垂下されるようになっている。 【0025】 シートS3は横方向が物品収容部21の幅よりも少し短く、縦方向に所定の長さ(例えばエレベータのかごの壁面縦方向と概ね同じ長さ)の略矩形状に形成され、第1の実施の形態と同様に、下端末にウェイトバー41及びシート4の止め具として吸盤44が設けられる。なお、この場合、シート引張り紐43は不要である。このシートS3の表面又は裏面又は表裏両面には選択的に、横方向に複数列、各列に縦方向(上下方向)に複数の物品の収納部45が均等な大きさに形成される。なお、この場合、収納部45はシートS3にケースが取り付けられて形成される。シートS3の上下段の各収納部45間及びその上下のシートS3面には同じ間隔で折り目46が設けられ、シートS3は下から順に各収納部45を交互に向きを反転させながら折り畳み可能に構成される。なお、ここでの折り目46は特別の加工が施されていなくても、当該箇所で曲折されればよい。シートS3の横方向中央及び両側縁には、折り目46と折り目46との間に穴48が設けられる。なお、この穴48の縁部にはハトメが取り付けられる。このようにしてシートS3は上(端)部が物品収容部21内(の天面)に固定され、シートS3面の各列(縦方向に一列)の各穴48に上から順に背面側から正面側へ、続いて正面側から背面側へ、と交互に巻上装置D3の線材又は紐材36が通され、各々最下部の穴48に結合されて、複数の線材又は紐材36に懸吊される。そして、この非常時支援装置13の場合、ユーザが手動により、巻上装置D3の玉チェーン38を所定の1方向へ手繰ることにより、巻上器35が回転駆動されて線材又は紐材36が巻き上げられ、この線材又は紐材36の巻き上げにより、シートS3は引き上げられて、物品収容部21に折り畳まれて収容される(なお、このシートS3の折り畳み状態は巻上装置D3の制動機構により保持される)。また、玉チェーン38を反対方向に手繰ることにより、巻上器35の線材又は紐材36は送り出され、この線材又は紐材36は送り出しにより、物品収容部21内のシートS3は徐々に伸張しながら降下される。 【0026】 このようにして非常時支援装置13は、設置先の壁面又は天面に据え付けられ、シートS3の収納部45に非常時に使用する任意の機器、備品が収納される。 【0027】 この非常時支援装置13がエレベータ用として使用される場合、第1の実施の形態と同様に、エレベータのかごの壁面の内面上部又は天面の内面に据え付けられて(図4参照)、シートS3の各収納部45に、非常時に使用する任意の各種機器、備品が収納される。そして、地震の発生又は停電事故などにより、エレベータが停止され、かごの中に乗員が閉じ込められた場合、既述のとおり、この非常時支援装置13は、操作部24のロック装置が自動解除され、開閉部28が開放(開封)されて、操作紐26がボール27とともに操作部24から降下し、垂下される。乗員がこの操作紐26を引くことにより、物品収容部21の開閉部23が下方に向けて開動され、物品収容部21が下方に向けて開放される。このとき、物品収容部21から玉チェーン38が垂れ下がる。そして、乗員が玉チェーン38を所定の1方向に手繰ると、物品収容部21内部の巻上装置D3が回転駆動され、物品収容部21内部に折り畳み収容されたシートS3が伸張しながら引き出され、ケース2からシートS3が垂下される。このとき、シートS3をケース2から垂直方向に向けて又はエレベータのかごの背面側壁面に沿って降ろし、シートS3下部の吸盤44をかごのフロアに吸着することで、シートS3を(ピンと)張った状態にして固定することができる。このようにしてケース2からシートS3が垂下され、垂直方向に展開される。乗員は上下に展開されたシートS3の各収納部45から、非常時に必要な機器、備品を容易に探し当て簡単に取り出すことができ、迅速に使用することができる。使用例は第1の実施の形態で説明したとおりである。 【0028】 このようにしてもエレベータのかごその他、地震、停電事故により密室状態に閉じ込められる可能性のある場所に邪魔になることなしに備え付け、非常時に、必要な機器、備品を素早く探し当て、取り出し、使用することができ、これらの機器、備品やシートS3を活用することで、かごの中の乗員は、食事、排便など、生命維持に必要な行為を取りながら、救助を待つことができる。また、エレベータのかごの中に閉じ込められた経験を持つ多くの人などに、エレベータに対する不安を取り除き、安心感を与えることができるなど、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。 【図面の簡単な説明】 【0029】 【図1】本発明の第1の実施の形態における非常時支援装置の使用前の態様を示す斜視図 【図2】同非常時支援装置の使用時の態様を示す斜視図 【図3】同非常時支援装置の底面図 【図4】同非常時支援装置のエレベータにおける使用例を示す斜視図 【図5】本発明の第2の実施の形態における非常時支援装置の使用時の態様を示す斜視図 【図6】同非常時支援装置の側面断面図 【符号の説明】 【0030】 11、13 非常時支援装置 2 ケース 201 正面 202 背面 203 天面 204 底面 205 側面 206 仕切り部材 21 物品収容部(大きい空間) 23 開閉部 24 操作部(小さい空間) 26 操作紐(操作手段) 27 ボール 28 開閉部 D1 巻取装置 D3 巻上装置 31 軸 32 軸受 33 軸 34 プーリ 35 巻上器 36 線材又は紐材 37 駆動スプロケット 38 玉チェーン 39 ガイドスプロケット S1、S3 シート 41 ウェイトバー 42 収納部 43 シート引張り紐 44 止め具 45 収納部 46 折り目 48 穴 5 エレベータ 50 かご 51 壁面 52 天面 6 ミラー 7 非常灯 M ミラー
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| 【出願人】 |
【識別番号】504430134 【氏名又は名称】株式会社旭無線
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| 【出願日】 |
平成18年6月29日(2006.6.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081514 【弁理士】 【氏名又は名称】酒井 一
【識別番号】100082692 【弁理士】 【氏名又は名称】蔵合 正博
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| 【公開番号】 |
特開2008−6051(P2008−6051A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−179187(P2006−179187) |
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