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【発明の名称】 グリップ
【発明者】 【氏名】浅野 彰三

【要約】 【課題】各種手操作用具の把持操作部を構成するグリップにおいて、グリップ本来の外観デザインを損なうことなく、十分な滑り止め機能を備えた構造のグリップを提供する。

【構成】グリップ20は、硬質材料からなるグリップ本体10の表面部のうち、人間工学的に把持力の作用する部位が滑り止め層11(11a、11b、11c)により被覆形成されてなることにより、従来一般のこの種グリップの外観デザインや形状寸法をそのまま維持したまま、十分な滑り止め機能を発揮することができ、安全であり、女性や老人など手指の把持力の弱い人が使用するステッキ用のグリップとしても最適である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種手操作用具の把持操作部を構成するグリップであって、
グリップ本体の外周表面部において、少なくとも人間工学的に把持力の作用する部位が摩擦係数の高い滑り止め層により被覆形成されてなる
ことを特徴とするグリップ。
【請求項2】
各種ステッキの把持操作部を構成するグリップであって、
グリップ本体の外周表面部において、少なくとも人間工学的に把持力の作用する部位が摩擦係数の高い滑り止め層により被覆形成されてなる
ことを特徴とするグリップ。
【請求項3】
前記グリップ本体が硬質材料から形成されるとともに、前記滑り止め層が弾性を有する軟質材料から形成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のグリップ。
【請求項4】
前記グリップ本体を構成する硬質材料が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項3に記載のグリップ。
【請求項5】
前記滑り止め層を構成する軟質材料が熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項3に記載のグリップ。
【請求項6】
前記グリップ本体を構成する硬質材料が熱可塑性樹脂であるとともに、前記滑り止め層を構成する軟質材料が熱可塑性エラストマーであり、
前記グリップ本体と滑り止め層は、射出成形により一体成形されてなる
ことを特徴とする請求項3に記載のグリップ。
【請求項7】
前記グリップ本体の外周表面全体が、前記滑り止め層により被覆形成されてなる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のグリップ。
【請求項8】
前記グリップ本体の外周表面全体が、均一な厚さ寸法を有する前記滑り止め層により被覆形成されてなる
ことを特徴とする請求項7に記載のグリップ。
【請求項9】
前記グリップ本体の外周表面のうち、人間工学的に把持力の作用する部位を被覆形成する前記滑り止め層の厚さ寸法が他の部位よりも大きく設定されて、使用者の手指の把持により弾性変形する構造とされている
ことを特徴とする請求項7に記載のグリップ。
【請求項10】
前記グリップ本体の外周表面のうち、人間工学的に把持力の作用する部位のみが前記滑り止め層により被覆形成され、
この滑り止め層の厚さ寸法は、使用者の手指の把持により弾性変形可能な程度の大きさに設定されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のグリップ。
【請求項11】
長尺な棒状のステッキ本体と、このステッキ本体の上端部に一体的に設けられたグリップとを備えてなるステッキであって、
前記グリップが請求項2から10のいずれか一つに記載のグリップから構成されている
ことを特徴とするステッキ。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はグリップに関し、さらに詳細には、特に各種ステッキの把持操作部であるグリップとして好適に使用されるグリップの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、手操作用具の代表であるステッキには、一般用、礼装用、スポーツ用、登山用、介護用および盲人用などの種々の用途のもの、あるいは一本式、折畳み式および長さ調節式などの種々の構造のものがあるところ、その把持操作部であるグリップの外観デザインや構造は、これらステッキを選定するための重要な要素の一つとなっている。
【0003】
すなわち、グリップは、手指にてステッキ自体を取扱い操作するとともに、使用者自身の体を支える部分であることから、その形状寸法が握り易いもの、つまり、使用者の手のひらサイズに適合するとともに、正しく握り把持できるものであり、さらには表面が滑りにくいものでなければならない。特に、女性や老人など手指の把持力の弱い人が使用するステッキにおいては、このグリップの構造は最重要である。
【0004】
一方、グリップは、その外観デザインがステッキ全体のデザインを決定付ける要素でもあることから、従来から種々の装飾的工夫がなされており、中には、この外観デザインが重視されるあまり、グリップの本来的機能である握り易さなどがある程度犠牲になっている場合もある。
【0005】
この点に関して、例えば、特許文献1に記載されるような滑り止め機能を有するグリップ用のカバーも提案されており、これを一般市販の各種ステッキに被覆装着することで、グリップに滑り止め機能を付与することができる。
【特許文献1】特開2001−37512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなカバーを使用すると、グリップ本来の外観デザインが隠れてしまうことはもちろん、その形状寸法自体も変わってしまい、却ってグリップ本来の機能を低減させ、あるいは機能を喪失してしまうという問題を生じる場合があった。
【0007】
以上のような問題は、他の同様な手操作用具のグリップにおいても共通する問題であり、その改良が要望されていた。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、各種手操作用具の把持操作部を構成するグリップにおいて、グリップ本来の外観デザインを損なうことなく、十分な滑り止め機能を有する構造を備えるグリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のグリップは、グリップ本体の外周表面部において、少なくとも人間工学的に把持力の作用する部位が摩擦係数の高い滑り止め層により被覆形成されてなることを特徴とする。
【0010】
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記グリップ本体が硬質材料から形成されるとともに、上記滑り止め層が弾性を有する軟質材料から形成されている。
【0011】
(2)上記グリップ本体を構成する硬質材料が熱可塑性樹脂である。
【0012】
(3)上記滑り止め層を構成する軟質材料が熱可塑性エラストマーである。
【0013】
(4)上記グリップ本体を構成する硬質材料が熱可塑性樹脂であるとともに、上記滑り止め層を構成する軟質材料が熱可塑性エラストマーであり、上記グリップ本体と滑り止め層は、射出成形により一体成形されてなる。
【0014】
(5)上記グリップ本体の外周表面全体が、上記滑り止め層により被覆形成されてなる。
【0015】
(6)上記グリップ本体の外周表面全体が、均一な厚さ寸法を有する上記滑り止め層により被覆形成されてなる。
【0016】
(7)上記グリップ本体の外周表面のうち、人間工学的に把持力の作用する部位を被覆形成する上記滑り止め層の厚さ寸法が他の部位よりも大きく設定されて、使用者の手指の把持により弾性変形する構造とされている。
【0017】
(8)上記グリップ本体の外周表面のうち、人間工学的に把持力の作用する部位のみが上記滑り止め層により被覆形成され、この滑り止め層の厚さ寸法は、使用者の手指の把持により弾性変形可能な程度の大きさに設定されている。
【0018】
また、本発明のステッキは、長尺な棒状のステッキ本体と、このステッキ本体の上端部に一体的に設けられたグリップとを備えてなり、このグリップが上述したグリップから構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、グリップ本体の外周表面部において、少なくとも人間工学的に把持力の作用する部位が摩擦係数の高い滑り止め層により被覆形成されてなるから、グリップ本来の外観デザインを損なうことなく、十分な滑り止め機能を有する構造を備えたグリップを提供することができる。
【0020】
すなわち、例えば、各種ステッキにおいて、その把持操作部であるグリップは、手指にてステッキ自体を取扱い操作するとともに、使用者自身の体を支える部分であることから、その形状寸法が握り易いもの、つまり、使用者の手のひらサイズに適合するとともに、正しく握り把持できるものであり、さらには表面が滑りにくいものでなければならないところ、少なくとも人間工学的に把持力の作用する部位が摩擦係数の高い滑り止め層により被覆形成されてなることにより、従来一般のこの種グリップの外観デザインや形状寸法をそのまま維持したまま、十分な滑り止め機能を発揮することができ、安全であり、女性や老人など手指の把持力の弱い人が使用するステッキ用のグリップとしても最適である。
【0021】
また、上記滑り止め層の厚さ寸法が、使用者の手指の把持により弾性変形可能な程度の大きさに設定されていることにより、使用者の手指の把持力に応じて、グリップ本体の外形が使用者の手指の把持形状に対応して変形する結果、使用者はグリップを自身の手指を完全に密着させた状態で把持することができ、個々の使用者に最適な握り姿勢を取ることができる。
【0022】
さらに、上記グリップ本体を構成する硬質材料が熱可塑性樹脂であるとともに、上記滑り止め層を構成する軟質材料が熱可塑性エラストマーであり、上記グリップ本体と滑り止め層が射出成形により一体成形されてなる構造とされることにより、量産に適した構造で、製造コストさらには製品コストの低減化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
【0024】
実施形態1
本発明に係るグリップを図1〜図5に示し、このグリップ1は、具体的には、図5に示すステッキ2のグリップを構成するものである。
【0025】
このステッキ2の基本構造は従来周知の一般的なもので、長尺な棒状のステッキ本体3と、このステッキ本体3の上端部に一体的に設けられた上記グリップ1と、ステッキ本体3の下端部に一体的に設けられた滑り止め部4とを主要部として備えてなる。
【0026】
上記ステッキ本体3は、具体的には図示しないが、その構成シャフト5a、5b、5c、5dが各関節部6a、6b、6c、6dで折曲可能な折畳み式構造とされるとともに、上端部分の長さ調整部3aが伸縮調整可能な構造とされている。上記構成シャフト5a〜5eはアルミニウム等の軽金属からなる中空円筒パイプの形態とされている。また、滑り止め部4は、ゴム製のキャップ形状とされ、ステッキ本体3の下端部に嵌合装着されている。
【0027】
グリップ1は、ステッキ本体3の上端部に一体的に固定されるもので、使用者の握り易さを考慮した形状寸法とされている。具体的には、図2(a)に示すような正面形状と図3(a)に示すような平面形状を有するグリップ1とされて、使用者の手指7でグリップ1を握った際に(図1および図2(a)参照)、手のひら7a全体がグリップ1の外周面に包み込むように密着するとともに、5本の指7b〜7fでグリップ1をしっかりと確実に把持できる形状寸法とされている。
【0028】
また、グリップ1の下側部位には、上記ステッキ本体3の上端部3bに接続される接続部1aが設けられており、この接続部1aとステッキ本体3の上端部3bとの接続固定には、具体的には図示しないが、雌ネジ部と雄ネジ部による螺合固定、接着剤による接着固定、あるいはこれら両者による固定など、適宜の固定手段が選択的に採用される。
【0029】
グリップ1は、硬質材料からなるグリップ本体10と、このグリップ本体10の表面部のうち、少なくとも人間工学的に把持力の作用する部位が滑り止め層11により被覆形成されてなり、図示の実施形態においては、図2(b)および図3(b)に示すように、グリップ本体10の全周面にわたって上記滑り止め層11が被覆形成されてなる。
【0030】
グリップ本体10を構成する硬質材料としては、ステッキ1用の把持操作部としての強度を有する材料が採用され、例えば、多量生産可能な射出成形に適したAS樹脂、ABS樹脂およびPP樹脂等の熱可塑性樹脂、かりん、けやき、スネークウッド、黒檀および紫檀等の自然木、チタン、ステンレス鋼、アルミニウムおよびアルミニウム軽合金等の金属などが好適に用いられ、図示の実施形態においては、多量生産に適したPP樹脂が使用されている。
【0031】
滑り止め層11の構成材料としては、摩擦係数の高い軟質材料が採用され、好適には弾性を有する軟質材料、例えば、熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomers:TPE)およびゴム等が用いられ、図示の実施形態においては、多量生産可能な射出成形に適したTPEが使用されている。TPEとしては、スチレン系(SBC)、オレフィン系(TPO)、塩ビ系(TPVC)およびウレタン系(PU)等、目的に応じて選択される。
【0032】
そして、図示の実施形態のグリップ1は射出成形により一体成形され、具体的には、上記2種類の材料を用いて、グリップ本体10、続いて滑り止め層11と順次一体に成形するいわゆる二色成形(ダブルモールド)法により成形される。
【0033】
このようにして一体成形されたグリップ1において、上記滑り止め層11は、グリップ1全周にわたり均一な厚さ寸法Toとされ、この厚さ寸法Toは、好ましくは1mm〜2mmに設定され、図示の実施形態においてはほぼ1mmに設定されている。
【0034】
しかして、以上のように構成されたグリップ1を備えるステッキ2の使用に際しては、使用者が、図1に示すように手指7によりグリップ1全周を全体的につかむようにして握り、ステッキ本体3の先端部の滑り止め4で地面等を突きながら歩行するところ、グリップ1は、グリップ本体10の外周表面全体が摩擦係数の高い滑り止め層11により被覆形成されてなるから、十分な滑り止め機能を有し、使用上安全である。
【0035】
すなわち、上記グリップ1は、手指にてステッキ2自体を取扱い操作するとともに、使用者自身の体を支える部分であることから、その形状寸法が上述したように手指7にて握り易いもの、つまり、使用者の手のひらサイズに適合するとともに、正しく握り把持できるものであり、さらには表面が滑りにくいものでなければならないところ、本実施形態のグリップ1にあっては、人間工学的に把持力の作用する部位はもちろんのこと、グリップ1の外周全体が摩擦係数の高い滑り止め層11により被覆形成されているから、従来一般のこの種グリップの外観デザインや形状寸法をそのまま維持したまま、十分な滑り止め機能を発揮することができ、安全であり、女性や老人など手指の把持力の弱い人が使用するステッキ用のグリップとしても最適である。
【0036】
さらに、上記グリップ本体10を構成する硬質材料が熱可塑性樹脂であるとともに、上記滑り止め層11を構成する軟質材料が熱可塑性エラストマー(TPE)であり、これらグリップ本体10と滑り止め層11が射出成形により一体成形されてなる構造とされているから、量産に適した構造で、製造コストさらには製品コストの低減化を図ることができる。
【0037】
実施形態2
本実施形態は図6に示されており、実施形態1が改変されたものである。
【0038】
すなわち、実施形態1のグリップ1においては、グリップ本体10の全周面にわたって上記滑り止め層11が均一の厚さ寸法をもって被覆形成されていたが、本実施形態のグリップ20においては、図6(a)〜(c)に示すように、実施形態1のグリップ1の構造に加えて、グリップ本体10の外周表面のうち、人間工学的に把持力の作用する部位を被覆する上記滑り止め層11の厚さ寸法が他の部位よりも大きく設定されて、使用者の手指7の把持により弾性変形する構造とされている。
【0039】
具体的には、図6(a)の正面形状における上下面部位において、使用者の手指7でグリップ1を握った際に(同図の仮想線参照)、手のひら7aが把持密着する滑り止め層11の部位11aの厚さ寸法Ta、親指7bおよび人差し指7cが把持密着する滑り止め層11の部位11bの厚さ寸法Tb、および中指7d、薬指7eおよび小指7fが把持密着する滑り止め層11の部位11cの厚さ寸法Tcが、それぞれ他の部位よりも大きく設定されている。
【0040】
特に、手のひら7aが把持密着する滑り止め層11の部位11aは、使用者の体重が直接かかる部位であるため、その厚さ寸法Taを適宜調整することにより、この部位11aの弾力性を確保するとともに、使用者の手のひら7aが把持密着する度合いを最適値に設定する。このように構成することにより、使用者が安定したグリップ1の把持密着感を得て、安心度の高いステッキ操作を確保することができる。また、軟質の滑り止め層11が備える弾力性により、硬質のグリップ本体10を手のひら7aで直接把持して使用者の体重を支える場合に比較して、手のひら7aに感じる痛みを軽減させることができる。ちなみに、実験によれば、使用者がステッキ2を使用することにより、片脚にかかる体重を最大で約2/3に減らすことが可能となるとのデータがある。
【0041】
これら滑り止め層11の各部位11a、11b、11cの厚さ寸法Ta、Tb、Tcは、試験的に得られた平均的把持力を有する使用者の手指7によりグリップ1を握った際の、手指7とグリップ1との密着変形度等を考慮して適宜設定され、図示の実施形態においては、滑り止め層11の部位11aの厚さ寸法Taが3〜7mm、部位11bの厚さ寸法Tbが2〜6mm、部位11cの厚さ寸法Tcが2〜4mm、およびその他の部位が1〜2mmに設定されている。
【0042】
なお、グリップ本体10の外周全体の滑り止め層11の厚さ寸法を、上記部位11a、11bおよび11cと同様に大きく設定することも考えられるが、このようにグリップ1の外周部全体が軟質材料で形成されると、特に、流通搬送時などにおいて、多数本のステッキ2、2、…が積層状にまとめられる結果、上側のステッキ2、2、…の荷重負荷により、下側のステッキ2、2、…のグリップ1の表面が部分的に凹んでしまい、その結果、商品価値を損なうなどの不具合が生じるおそれがある。
【0043】
この点からも、本実施形態のグリップ20のように、グリップ本体10の外周表面のうち、人間工学的に把持力の作用する部位を被覆する上記滑り止め層11(11a〜11c)の厚さ寸法Ta〜Tcが他の部位の厚さ寸法Toよりも大きく設定される構成が、上記不具合も生じにくく望ましい。
【0044】
しかして、以上のように滑り止め層11の厚さ寸法Ta〜Tcが、他の部位よりも大きく設定されて、使用者の手指7の把持により弾性変形可能な程度の大きさに設定されていることにより、使用者の手指7の把持力に応じて、グリップ本体10の外形が使用者の手指7の把持形状に対応して変形する結果、使用者はグリップ1を自身の手指を完全に密着させた状態で把持することができ、個々の使用者に最適な握り姿勢を取ることができ、ひいて個々の使用者の手指7の把持力に応じて十分な滑り止め効果が発揮され得る。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0045】
実施形態3
本実施形態は図7に示されており、実施形態2がさらに若干改変されたものである。
【0046】
すなわち、本実施形態のグリップ30においては、実施形態2のグリップ20における滑り止め層11の厚さ寸法の設定に加えて、図7(a)〜(c)に示すように、さらに図7(b)の平面形状における前後面部位において、使用者の手指7でグリップ1を握った際に(7(a)図の仮想線参照)、手のひら7aが把持密着する滑り止め層11の部位11d(図7(a)における背面側部位)の厚さ寸法Td、および中指7d、薬指7eおよび小指7fの指先が把持密着する滑り止め層11の部位11e(図7(a)における前面側部位)の厚さ寸法Teも、それぞれ他の部位よりも大きく設定されている。
【0047】
これら滑り止め層11の各部位11d、11eの厚さ寸法Td、Teは、上述した各部位11a〜11cの厚さ寸法Ta〜Tcと同様に、試験的に得られた平均的把持力を有する使用者の手指7によりグリップ1を握った際の、手指7とグリップ1との密着変形度等を考慮して適宜設定され、図示の実施形態においては、滑り止め層11の部位11dおよび11eの厚さ寸法TdおよびTeがいずれも2〜4mmに設定されている。
その他の構成および作用は実施形態2と同様である。
【0048】
実施形態4
本実施形態は図8に示されており、実施形態2がさらに改変されたものである。
【0049】
すなわち、実施形態2のグリップ20においては、グリップ本体10の全周面にわたって上記滑り止め層11が均一の厚さ寸法をもって被覆形成されるとともに、グリップ本体10の外周表面のうち、人間工学的に把持力の作用する部位を被覆する上記滑り止め層11の厚さ寸法Ta〜Tcが他の部位よりも大きく設定されていたが、本実施形態のグリップ40においては、上記グリップ本体10の外周表面のうち、人間工学的に把持力の作用する部位のみが上記滑り止め層11により被覆形成されるとともに、その他の部位はグリップ本体10の構成材料が露出してグリップ40の外周表面を形成している。
【0050】
すなわち、本実施形態のグリップ40においては、図8(a)〜(c)に具体的に示すように、図8(a)の正面形状において、使用者の手指7でグリップ40を握った際に(同図の仮想線参照)、手のひら7aが把持密着する上面部位40a、親指7bおよび人差し指7cが把持密着する部位40b、および中指7d、薬指7eおよび小指7fが把持密着する部位40cのみに、上記滑り止め層11a、11bおよび11cが、それぞれ被覆形成されている。
【0051】
これら滑り止め層11a〜11cの厚さ寸法Ta〜Tcの設定条件は、使用者の手指の把持により弾性変形可能な程度の大きさに設定されることであり、具体的には実施形態2と同様に設定されている。
【0052】
しかして、以上のように、グリップ本体10の外周表面のうち、人間工学的に把持力の作用する部位のみが滑り止め層11(11a〜11c)により被覆形成されるとともに、その他の部位はグリップ本体10の構成材料が露出する構成とされることにより、グリップ本体10の構成材料自体の色彩および模様等と滑り止め層11(11a〜11c)の構成材料自体の色彩等とのコントラストなどにより、グリップ40の外表面に種々の装飾効果を付与することができる。特に、グリップ本体10を構成する硬質材料として、かりん、けやき、スネークウッド、黒檀および紫檀等の自然木、チタン、ステンレス鋼、アルミニウムおよびアルミニウム軽合金等の金属など、滑り止め層11a〜11cと異種の材料を用いると顕著な装飾効果が得られる。
その他の構成および作用は実施形態2と同様である。
【0053】
なお、上述した実施形態1〜4はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0054】
例えば、グリップ1の形状等の具体的構造は、図示の実施形態に限定されず、従来周知の他の形状も採用可能である。特に、滑り止め層11の厚さ寸法は、対象となる使用者の性別や年齢等に対応して、またステッキ2の用途に対応して適宜設定され得る。
【0055】
また、本発明は、図示のようなステッキ2のグリップ1、20、30、40の他、具体的には図示しないが、老人等が買い物用等に使用するいわゆるシルバーカー、あるいは車椅子などの各種手操作用具の把持操作部を構成するグリップにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態1であるステッキのグリップを手指にて握り把持する状態を示す斜視図である。
【図2】同グリップを示し、図2(a)は正面図、図2(b)は正面断面図である。
【図3】同じく同グリップを示し、図3(a)は平面図、図3(b)は平面断面図である。
【図4】同じく同グリップを示す図2(a)、(b)および図3(a)、(b)におけるA−A線に沿った断面図である。
【図5】同グリップを備えるステッキを示す正面図である。
【図6】本発明の実施形態2であるステッキのグリップを示し、図6(a)は正面断面図、図6(b)は平面断面図、図6(c)は図6(a)、(b)におけるB−B線に沿った断面図である。
【図7】本発明の実施形態3であるステッキのグリップを示し、図7(a)は正面断面図、図7(b)は平面断面図、図7(c)は図7(a)、(b)におけるC−C線に沿った断面図である。
【図8】本発明の実施形態4であるステッキのグリップを示し、図8(a)は正面図、図8(b)は平面図、図8(c)は図8(a)、(b)におけるD−D線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0057】
T(Ta〜Tf) 滑り止め層の厚さ寸法
1 グリップ
2 ステッキ
3 ステッキ本体
4 滑り止め部
7 使用者の手指
7a 手のひら
7b〜7f 指
10 グリップ本体
11 滑り止め層
20、30、40 グリップ

【出願人】 【識別番号】506310016
【氏名又は名称】株式会社シーティーエス
【出願日】 平成18年9月12日(2006.9.12)
【代理人】 【識別番号】100099977
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 章吾

【識別番号】100104259
【弁理士】
【氏名又は名称】寒川 潔


【公開番号】 特開2008−67796(P2008−67796A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−247371(P2006−247371)