| 【発明の名称】 |
指輪の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】加園 和旦
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| 【要約】 |
【課題】指輪の製造方法において、量産化を可能とし、且つ一般消費者へコストの安い指輪を提供すること。
【構成】リング状に形成した外側リング10に内側リング20を合体させて指輪1を製造するもので、所定形状を有する第1ダイス4と第1パンチ3を用いて外側リングブランク11の幅方向一端側を所定形状に成形して第1側壁13を形成する第1工程と、成形した前記外側リング体12の内径と第1側壁13に内側リング20を係合させる第2工程と、所定形状を有する第2ダイス6と第2パンチ5を用いて外側リング体12の幅方向他端側を内側リング20に沿って所定形状に成形して第2側壁14を形成する第3工程とより成るものであり、更に、第3工程の後で、外側リングと内側リングをその外周面に合わせて変形させる第4工程を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リング状に形成した外側リングと内側リングとを合体させて指輪を構成する指輪の製造方法において、 前記外側リングの幅方向一端側を前記内側リングの一端側の外周に沿うように所定形状に成形することによって第1の側壁を形成する第1工程と、成形した前記外側リングの前記第1の側壁の内径に前記内側リングの一端側の外周を係合させる第2工程と、前記外側リングの幅方向他端側を前記内側リング他端側外周に沿うように所定形状に成形することによって第2の側壁を形成する第3工程とよりなることを特徴とする指輪の製造方法。 【請求項2】 前記外側リングと前記内側リングの少なくとも一方が多層構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の指輪の製造方法。 【請求項3】 前記外側リングは平板を多層積層してリング状に成形した構造を有していることを特徴とする請求項2に記載の指輪の製造方法。 【請求項4】 前記第1工程は、所定形状を有するダイスと、所定形状を有するパンチを用いて前記外側リングの前記第1の側壁を形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の指輪の製造方法。 【請求項5】 前記第3工程は、所定形状を有するダイスと、所定形状を有するパンチを用いて前記外側リングの前記第2の側壁を形成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1に記載の指輪の製造方法。 【請求項6】 前記第3工程の後に、前記外側リングを前記内側リングの外周面に合わせて変形させる第4工程を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1に記載の指輪の製造方法。 【請求項7】 リング状に形成した外側リングと内側リングとを合体させて指輪を構成する指輪の製造方法において、 前記内側リングの幅方向一端側を前記外側リングの一端側の外周に沿うように所定形状に成形することによって第3の側壁を形成する第5工程と、成形した前記内側リングの前記第3の側壁の内径に前記外側リングの一端側の外周を係合させる第6工程と、前記内側リングの幅方向他端側を前記外側リングの他端側の外周に沿うように所定形状に成形することによって第4の側壁を形成する第7工程とよりなることを特徴とする指輪の製造方法。 【請求項8】 前記外側リングと前記内側リングの少なくとも一方が多層構造を有していることを特徴とする請求項7に記載の指輪の製造方法。 【請求項9】 前記内側リングは平板を多層に積層してリング状に成形した構造を有していることを特徴とする請求項8に記載の指輪の製造方法。 【請求項10】 前記第5工程は、所定形状を有するダイスと、所定形状を有するパンチを用いて前記内側リングの前記第3の側壁を形成することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1に記載の指輪の製造方法。 【請求項11】 前記第6工程は、所定形状を有するダイスと、所定形状を有するパンチを用いて前記内側リングの前記第4の側壁を形成することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1に記載の指輪の製造方法。 【請求項12】 前記第6工程の後に、前記内側リングを前記外側リングの内周面に合わせて変形させる第8工程を有することを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1に記載の指輪の製造方法。 【請求項13】 前記外側リングと前記内側リングの端部合わせ部にロー材流れ止め部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1に記載の指輪の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、指輪の製造方法に関するもので、特に2つ以上の材料を用いることによって多層にて形成する指輪の製造方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 指輪は装飾品として代表的なものであるが、近年ではエンゲージリングのように結婚には欠かせないものとなってきている。このため、比較的若い人にも指輪は愛用されるようになって来た。しかし、指輪は特に貴金属を主原料とするものであり、また手作業的な工程が多く、その製造コストは非常に高いものであるため、販売価格も非常に高価なものである。このため、簡単に購入することがなかなか困難である。そこで、製造元としては、外観品質は極力落とさずに少しでもコストを安くして一般消費者へ販売価格の安い指輪を提供しようと日夜努力をしているところである。 【0003】 販売価格を安くするためには製造原価を安くすることが第1であるが、製造原価を安く作るには手作業的な工程を量産化するか、主原料としての貴金属を他の安価な材料とするか、が考えられる。しかし、指輪は装飾品であるので量産化は難しく、また安価な材料を使用することはその存在価値を失うものであり、材料を変更することは出来ないのが現実である。そこで考えられるのが、例えばプラチナのムクの材料を使用するのではなく、表面はプラチナで形成しながらも外部から見えないところは貴金属的であっても多少なりとも安価な材料である金とか銀を使用する方法である。 【0004】 このような思想を開示した従来の技術として、特許文献1に示すように、横断面異形形状の金属線材の外周片面に、白金等の貴金属薄板を積層し多層にした状態で接着や圧着あるいはロー付けなどで貼り合せて一体の素材としてから、これをリング状に丸めることにより指輪を形成していた。これによって、気品のあるツートン模様の極めて商品価値の高い指輪を提供していた。 【0005】 また、特許文献2に示すように、金地金の延板に若干幅狭の矩形状の金延板を重ね、金地金延板の両側を裏面に折り曲げて下方の板を抱え込み指輪を形成することで、製品自体を軽くすることが出来、貴金属の延板を使用するので材料が少なくて済み、それだけ安価に一般消費者に提供することを可能としていた。 【0006】 また、一般的なコンビリングと呼ばれる指輪の構成を図11に示す。(a)は指輪の側面図であり、(b)は外形が平らな形状を有する指輪のC−C‘断面図の一例を示し、(c)は外形が円弧形状を有する指輪のC−C’断面図の他例を示す。(a)に示すように、指輪71は2つの異なる径を有する二層のリング状のものを積層して形成しているもので、例えば外側リング72をプラチナ(Pt)、内側リング73を金(Au)からなるツートンカラーの指輪71を形成する。この製法としては、外側リング72の内径に内側リング73の外形が嵌入するように環状形状を作り、その後接合面74をロー付け及び拡散接合をすることにより内側リング73に外側リング72を固定することで指輪を作製していた。 【0007】 【特許文献1】特開昭57−31805号公報 【特許文献2】実開昭60−86119号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 このように、2体の同種の材料を使用して指輪を形成することや、2つの異なる材料を使用して指輪を形成する思想は従来より存在しているが、特許文献1に開示されている方法や図11に示す方法は、ロー付けによりその材料を固定する方法が主工程となる。このような工程であると、特に材質が異なる場合当然各材料の融点が異なるため、接合面74のロー付けが難しく量産化の難易度が高いため、歩留り等も悪くやはりコストが高いものとなっていた。 【0009】 即ち、ロー付けにおいてはピンホールの発生等のため歩留りが低下したり、ロー材のはみ出しのため2次加工に大きな手間が掛かったりでコストが高いものとなっていた。尚、接合の方法として、接着なども考えられるが、接着の場合は剥がれ不良が発生する欠点を有している。更に、特許文献2に示すようなものでは、同種の材料なのでロー付けの難易度は無いが、薄板を二層にしているため板間が中空になってしまい、指に嵌めたときの重量感に乏しかったり、折角見た目の変化を与えようとしているのに同種の材料を使用しているのであまり変化のない指輪となってしまったり、と言う欠点を有していた。 【0010】 本発明は、このような課題を解決するもので、製造方法に金型を用いて成形する方法を採用することで比較的簡単に量産化を可能とし、多層の材料を使用することで見た目に変化のある外観を有しつつ、一般消費者へコストの安い指輪を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0011】 上記課題を解決するための本発明の請求項1に記載の指輪の製造方法は、リング状に形成した外側リングと内側リングとを合体させて指輪を構成する際、前記外側リングの幅方向一端側を前記内側リングの一端側の外周に沿うように所定形状に成形することによって第1の側壁を形成する第1工程と、成形した前記外側リングの前記第1の側壁の内径に前記内側リングの一端側の外周を係合させる第2工程と、前記外側リングの幅方向他端側を前記内側リング他端側外周に沿うように所定形状に成形することによって第2の側壁を形成する第3工程とよりなることを特徴とする。 このように、主要工程を金型による成形で行うため面倒な手作業による工程を少なくできるため、コストの安い指輪を提供することが出来ること、また、2種類の材料を使用することで変化のある指輪を提供できる。 【0012】 本発明の請求項2に記載の指輪の製造方法は、請求項1の構成において、前記外側リングと前記内側リングの少なくとも一方が多層構造を有していることを特徴としている。 このように、一方が多層構造を有しているため、高価な材料を少なく使用することができるので安価な指輪を提供できる。 【0013】 本発明の請求項3に記載の指輪の製造方法は、請求項2の構成において、前記外側リングは平板を多層積層してリング状に成形した構造を有していることを特徴とする。 このように、外側リングを多層構造に形成したので、最も高価な材料を薄板で形成でき、よりコストダウンを達成できる。 【0014】 本発明の請求項4に記載の指輪の製造方法は、請求項1から請求項3の構成において、前記第1工程は、所定形状を有するダイスと、所定形状を有するパンチを用いて前記外側リングの前記第1の側壁を形成することを特徴とする。 このように、金型であるパンチとダイスを用いた製造方法であるので、量産化が可能でありコストダウンに寄与できる。 【0015】 本発明の請求項5に記載の指輪の製造方法は、請求項1から請求項4の構成において、前記第3工程は、所定形状を有するダイスと、所定形状を有するパンチを用いて前記外側リングの前記第2の側壁を形成することを特徴としている。 このため量産化が可能である。 【0016】 本発明の請求項6に記載の指輪の製造方法は、請求項1から請求項5の構成において、前記第3工程の後に、前記外側リングを前記内側リングの外周面に合わせて変形させる第4工程を有することを特徴とする。 このように、面合わせ工程により、より変化に富んだ指輪を提供することが出来る。 【0017】 本発明の請求項7に記載の指輪の製造方法は、リング状に形成した外側リングと内側リングとを合体させて指輪を構成する際、前記内側リングの幅方向一端側を前記外側リングの一端側の外周に沿うように所定形状に成形することによって第3の側壁を形成する第5工程と、成形した前記内側リングの前記第3の側壁の内径に前記外側リングの一端側の外周を係合させる第6工程と、前記内側リングの幅方向他端側を前記外側リングの他端側の外周に沿うように所定形状に成形することによって第4の側壁を形成する第7工程とよりなることを特徴とする。 このように、主要工程を金型による成形で行うため面倒な手作業を無くすことができるのでコストの安い指輪の提供と共に、2種類の材料を使用することで変化のある指輪を提供できる。 【0018】 本発明の請求項8に記載の指輪の製造方法は、請求項7の構成において、前記外側リングと前記内側リングの少なくとも一方が多層構造を有していることを特徴としている。 このように、一方を多層構造とすることで高価な材料を少なくでき、安価な指輪を提供できる。 【0019】 本発明の請求項9に記載の指輪の製造方法は、請求項8の構成において、前記内側リングは平板を多層に積層してリング状に成形した構造を有していることを特徴とする。 このようにすることによって、外周に現れる色を3色で表現でき、より変化に富んだ特殊な構成の指輪を提供できる。 【0020】 本発明の請求項10に記載の指輪の製造方法は、請求項7から請求項9の構成において、前記第5工程は、所定形状を有するダイスと、所定形状を有するパンチを用いて前記内側リングの前記第3の側壁を形成することを特徴とする。 このようにダイスとパンチにより製造できるため、量産化も可能で、コストダウンに寄与することが出来る。 【0021】 本発明の請求項11に記載の指輪の製造方法は、請求項7から請求項10の構成において、前記第6工程は、所定形状を有するダイスと、所定形状を有するパンチを用いて前記内側リングの前記第4の側壁を形成することを特徴としている。 これによりコストダウンが可能である。 【0022】 本発明の請求項12に記載の指輪の製造方法は、請求項7から請求項11の構成において、前記第6工程の後に、前記内側リングを前記外側リングの内周面に合わせて変形させる第8工程を有することを特徴とする。 これにより量産化によるコストダウンを可能としている。 【0023】 本発明の請求項13に記載の指輪の製造方法は、請求項1から請求項12の構成において、前記外側リングと前記内側リングの端部合わせ部にロー材流れ止め部を設けたことを特徴としている。 これによって、余分なロー材の外周への流れを防止でき、工程を簡略化できる。 【発明の効果】 【0024】 本発明は、その主工程を金型であるダイスとパンチを用いて材料を成形する製造方法を用いているため量産化が可能で、従ってコストダウンに貢献するとともに、品質的にも均一でしかも非常に良質な指輪を提供することが出来ると共に、変化に富んだ指輪を提供することが出来た。 【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 本発明の最良の実施形態は、リング状に形成した外側リングと内側リングとを合体させて指輪を構成する際、所定形状を有するダイスとパンチを用いて外側リングの幅方向一端側を内側リングの一端側の外周に沿うように所定形状に成形することによって第1の側壁を形成する第1工程と、成形した外側リングの第1の側壁の内径に内側リングの一端側の外周を係合させる第2工程と、所定形状を有するダイスとパンチを用いて外側リングの幅方向他端側を内側リング他端側外周に沿うように所定形状に成形することによって第2の側壁を形成する第3工程とより成るものであり、更に、前記の第3工程の後に、外側リングと内側リングをその外周面に合わせて変形させる第4工程を有しているものである。 【0026】 更に本発明の他の最良の実施形態として、リング状に形成した外側リングと内側リングとを合体させて指輪を構成する際、所定形状を有するダイスとパンチを用いて内側リングの幅方向一端側を外側リングの一端側の外周に沿うように所定形状に成形することによって第3の側壁を形成する第5工程と、成形した内側リングの第3の側壁の内径に外側リングの一端側の外周を係合させる第6工程と、所定形状を有するダイスとパンチを用いて内側リングの幅方向他端側を外側リングの他端側の外周に沿うように所定形状に成形することによって第4の側壁を形成する第7工程とよりなるものであり、更に、第7工程の後に、内側リングを外側リングの内周面に合わせて変形させる第8工程を有するものである。 【実施例1】 【0027】 本発明の第1実施例について図面を参照しながら説明する。図1及び図2は本発明による指輪の製造方法を示す図で、(a)から(g)は各工程の断面図を示すもので、(a)から(c)は第1工程、(d)から(e)は第2工程、(f)から(g)は第3工程である。また、図3は本発明により形成された指輪の完成体の一例を示し、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A‘断面図である。図1及び図2において、1は完成した指輪、3は第1絞りパンチ、4は第1絞りダイスで、5は第2絞りパンチ、6は第2絞りダイスである。そして、10は外側リングで、11は外側リングブランク、12は外側リング体、また20は内側リングである。 【0028】 第1工程において、まず(a)図に示すように外側リングブランク11を第1絞りパンチ3の内周嵌合部32に嵌め合わせ、(b)図に示すように突き当て部31に突き当たるまで挿入する。そして、(c)図に示すように外側リングブランク11の外周を第1絞りダイス4の外周嵌合孔41へ挿入し、第1絞りパンチ3の突き当て部31で第1絞りダイス4側に力を加え、外側リングブランク11の幅方向一端側が第1絞りパンチ3の側壁形成部33とダイス4の側壁形成面42とに挟持されることによって、外側リングブランク11の側面に内側リング20の外周形状である所定形状(図では円形)の第1側壁13を成形し外側リング体12を形成する。 【0029】 第2工程において、(d)図に示すように第1絞りパンチ3から外した外側リング体12の第1側壁13が形成されていない側から内側リング20の一端を(e)図に示すように第1側壁13に係合するまで挿入する。この時、外側リング体12の内周は内側リング20の外周とほぼ同径にしてあるので静合により嵌合するように形成されており、また内側リング20の側面は外側リング体12の第1側壁13の内周にぴったり合うように形成されている。 【0030】 第3工程において、(f)図に示すように第2絞りダイス6の外周嵌合孔61へ外側リング体12の第1側壁13が形成されていない側を挿入する。そして(g)図に示すように、第2絞りパンチ5の突き当て面51で外側リング体12の第1側壁13側より力を加え、第2絞りダイス6に形成されている側壁形成面62へ押し付ける。これによって、第2絞りダイス6の側壁形成面62と内側リング20の他端側外周により挟持された外側リング体12には、内側リング20の外周形状である所定形状(図では円形)の第2側壁14が成形され、外側リング10を形成することで外周が円形形状の指輪1が完成する。 尚、上記成形工程の後には、面取りや磨きなどの仕上げ工程は適宜追加されることによって最終的な指輪が完成する。 【0031】 図3は本発明の工程を経て完成した指輪の一例であり、外周が平坦な形状を有する指輪1aである。ここで例えば、内側リング21の材質を金(以下“Au”で表記する)とし外側リング15の材質をプラチナ(以下“Pt”で表記する)により指輪1aを形成すると、指に嵌めている状態ではプラチナしか見えないので、ムクのPtの指輪をしているのと何ら変わりなく見える。たとえ指輪を外したとしても中はAuであるのでムクのPtに対しても大きく見劣りがするものではない。しかし、AuはPtに比べて約1/2のコストであるので、図3のような指輪はムクのPtの指輪に比べると使用する量の関係で材料費は約2/3くらいのコストで作ることが出来、大幅なコストダウンを達成できる。 【0032】 図4は、材料を3層以上に積層して形成した指輪の断面図を示し、(a)は外側リングが2層構造であり、(b)は内側リングが2層構造であり、(c)は外側リングと内側リングをいずれも2層づつ積層した構造の各指輪である。(a)図において、指輪1bは、外側リングa16と外側リングb17に約同じ幅の板材を用いて、内側リング22の側面に第1側壁13aと第2側壁14aを成形して完成させたものである。ここで、最外周にある外側リングa16を貴金属材料のPtで形成し、内周にある外側リングb17の材質を例えばAuで形成し、内周リング22に例えば軽い材料であるチタン(以下“Ti”と表記する)を使用して、指輪1bを形成する。 【0033】 このようにすると、高価な貴金属のPtに厚板を使用しなくても良く、Ptより安い材料であるAuやTiを使用するので、Ptムクに比べると大幅なコストダウンを可能とする。更に、高価な貴金属のPtが災害集にあるので見た目には高価に見えると共に、指輪1bの内周側面19aに図のようなR付を行うことにより、側面から見た時2色のツートンカラーに見えデザイン上変化に富んだ指輪1bを形成することが出来る。更に、内周リング22にTiを使用することで、金属アレルギーを防止でき、肌に優しい指輪を提供することが出来る。 【0034】 次に(b)図について説明すると、指輪1cは、外側リングc18と内側リングa23の間に外からは見えないように内側リングb24を内蔵させた形状を有するものである。ここで、外側リングc18の材料に貴金属のPtを使用し、最も内周となる内側リングa23の材料にAuを使用し、外側リングc18と内側リングa23との間に例えば銀(以下“Ag”と表記する)又は銅(以下“Cu”と表記する)のような廉価な材料を使用して指輪1cを形成する。このようにすることで、廉価な材料を使用できるのでコストダウンへ大きく寄与することができると共に、側面から見た時ツートンカラーのデザインの指輪1cを提供できる。もし、内側リングa23にTiを使用すると肌に優しい指輪が完成する。 【0035】 また、(c)図は(a)図と(b)図を一体化したような構成を有するもので、指輪1dは同じ幅の外側リング2枚と内側リングとの間にもう一層の内側リングを内蔵させた形状を有している。そして、最外周にある外側リングa16の材料をPtで形成し、2層目の外側リングb17の材料にAuを用い、最内周の内側リングa23にTiを用い、更に内臓の内側リングb24にAg又はCuを用いて、指輪1dを形成する。これによって、外観的にはツートンカラーの模様を呈しながらしかも肌に優しく、且つ廉価な材料を使用できるので、更なるコストダウンを可能とする。 【0036】 図4の製造方法を簡単に説明する。(a)図の指輪1bの場合は、外側リングa16の材質であるPtの板材と外側リングb17の材質であるAuの板材とを接着するかクラッド材として形成する。尚、この外側リングa16と外側リングb17とは板材の幅はほぼ同等にしてある。この積層された板材の短辺側を環状にした後ロー付けなどによりリング状パイプに形成する。このリング状パイプを必要な長さに切断して外側リングブランク11(図1参照)と成し、内側リング20の材質であるTiの側面に第1側壁13aと第2側壁14aを図1や図2で示した方法によって成形し、指輪の内周側面19aにR付を行った後磨き工程などを経て指輪1bを完成させる。 【0037】 次に(b)図の指輪1cを製造する場合は、内側リングa23の材質であるAuと内側リングb24の材質であるAgを積層して接着又はクラッド材、場合によっては嵌合させて積層し、これの短辺側を環状にしてリング状パイプに形成して必要長さに切断して内側リング20を形成する。そしてこの内側リング20の外周に外側リングc18の材料であるPtを積層し、図1や図2に示す方法で第1側壁13bと第2側壁14bを形成後、内周側面19bを加工し磨きなどの工程を経て指輪1cを完成させる。 【0038】 各々積層された外側リングと内側リングを使用する場合も同様の方法で指輪1dを形成することができる。即ち図(c)に示すように、図(a)や図(b)で作製したように、PtとAuを積層した外側リングブランク11とTiとAgを積層した内側リング20とを形成する。そして、内側リング20の外周に外側リングを、図1や図2で示す方法により第1側壁13cと第2側壁14cを形成し、過去された内周側面19cに磨き工程を行って指輪1cを完成させる。 以上説明したように、外側リングや内側リングあるいはその両方に積層された材料を使用することにより、指輪としての外観品質を落とすことなく、見えないところに廉価な材料を使用できるので、コストダウンを達成することができる。 【実施例2】 【0039】 次に、本発明の第2実施例について図面を参照しながら説明する。図5及び図6は本発明による指輪の製造方法を示すもので、(k)から(p)は各工程の工程断面図を示しており、(k)から(m)は第5工程、(n)から(o)は第6工程、(o)から(p)は第7工程である。また、図7は本発明により形成された指輪の完成体の一例で、指輪の一部断面図を示す。図5、図6及び図7において、100は完成した指輪、300は第1絞りパンチ、400は第1絞りダイスで、500は第2絞りパンチ、600は第2絞りダイスである。そして、101は外側リング、200は内側リングで201は内側リングブランク、202は内側リング体である。 【0040】 第5工程は(k)図に示すように、内側リングブランク201を第1絞りダイス400の内周嵌合部401に嵌め合せる。次に(l)図に示すように第1絞りパンチ300の外周嵌合孔302を内側リングブランク201の外形に嵌合させる。そして、突き当て部301に突き当たるまで第1絞りパンチ300を挿入する。その後(m)図に示すように、第1絞りパンチ300の突き当て部301により内側リングブランク201を第1絞りダイス400の中へ押し込み、第1絞りパンチ300と第1絞りダイス400に力を加え、第1絞りパンチ300の側壁形成部303と第1絞りダイス400の側壁形成面402でもって内側リングブランク201に所定形状(図では円形)の第3側壁203を成形することで内側リング体202を形成する。 【0041】 第6工程はまず(n)図に示すように、内側リング体202の第3側壁203が形成されている側を第2絞りダイス600の側壁面601へ係合させ、外側リング101の内周102を内側リング体202の第3側壁203が形成されていない側から(o)図に示すように第3側壁203に係合するまで挿入する。この時、内側リング体202の外周と外側リング100の内周とをほぼ同径にしておくことで静合により嵌合させる。また外側リング101の側面103は内側リング体202の第3側壁203にぴったり合うように形成されている。 【0042】 第7工程は(o)図に示すように、第2絞りパンチ500の当たり面502が内側リング体202の内周面205に嵌まるように位置合わせをし、(p)図に示すように第2絞りパンチ500を第2絞りダイス600の方へ、その各々の当たり面502と602が合わさるまで力を加えてゆく。すると、内側リング体202の第3側壁203と反対側の端部が第2絞りパンチ500の側壁形成面501の形状に沿って折り曲げられ、最終的には(p)図のように第4側壁204が外側リング101の側面103と同じ形状に成型され、内側リング200が形成される。これによって、2層形状の指輪100が完成する。その後、必要に応じて、面取り工程や磨き工程を経て指輪が完成する。 【0043】 図7は本発明の工程を経て完成した指輪の一例であり、外周が平坦な形状を有する指輪100である。指輪100の材質の一例を説明すると、外側リング101の材質としてAuを使用し内側リング200の材質としてPtを使用することで、金色と白金色のツートンカラーの指輪を得ることができ、一色では得られない品質上変化に富んだ指輪を提供することができる。そればかりではなく、Auを多く使用することで、高価なPtの量を少なく出来、Ptを使用していながらコスト的に安価な指輪を提供することができる。 【0044】 次に、材料を3層以上に積層して形成した指輪の断面図を図8に示す。(r)は内側リングが2層構造であり、(s)は外側リングが2層構造であり、(t)は内側リングと外側リングをいずれも2層づつ積層した構造の各指輪である。(r)図において、指輪100aは、内側リングa205と内側リングb206にほぼ同じ幅の板材を使用し、外側リング101の側面に沿うように第3側壁203aと第4側壁204aを内側リング200に成形して完成させたものである。ここで、最内周にある内側リングa205の材質として肌にアレルギーを起こさないTiを使用して、内側リングb206の材質として貴金属のPtを使用し、また外周にある外側リング101の材質としてAuを使用して指輪100aを形成する。このような構成とすることにより、指輪外周面を3色の色で形成することができるので、貴金属1種類の指輪とは異なる、非常に変化のある特殊な指輪と成すことができるばかりでなく、高価な貴金属の材料を多く使用しなくても良いのでコストダウンを可能とすると同時に、肌にも優しい指輪を提供することが出来る。 【0045】 次に(s)図において、指輪100bは、外側リングa104と外側リングb105にほぼ同じ幅の板材を使用し、外側リングa104と内側リング200との間に外側リングb105を挟持して、外側リング101の側面に沿うように第3側壁203bと第4側壁204bを内側リング200に成形して完成させたものである。ここで、内側リング200の材質として貴金属のPtを使用し、最も外周となる外側リングa104の材質としてAuを使用し、外側リングa104と内側リング200との間の外側リング105の材質に例えばAg又はCuのような廉価な材料を使用して指輪100bを形成する。このように形成することで、外から見えるところは貴金属を使用し外から見えないところは廉価な材料を使用することで、やはりコストダウンへ寄与することができる。 【0046】 また、(c)図は(a)図と(b)図を一体化した構成を有するもので、指輪100cは、内側リングa205と内側リングb206にほぼ同じ幅の板材を使用し、外側リングa104と外側リングb105にほぼ同じ幅の板材を使用し、外側リングa104と内側リングb206との間に外側リングb105を挟持して、外側リング101の側面に沿うように第3側壁203cと第4側壁204cを内側リング200に成形して完成させたものである。ここで、最外周にある外側リングa104の材質としてAuを使用し、2層目の外側リングb105の材質としてAgを用い、最内周の内側リングa205の材質としてTiを使用し、内側リングb206の材質としてPtを用いて、指輪100cを形成する。これによって、3色の材質の色による変化に富んだ指輪を提供できると共に、更なるコストダウンを可能とし、しかも肌に優しい指輪を提供できる。 【0047】 3層構造以上に積層した指輪の製造方法は、第1実施例の項で説明した方法とほぼ同一であるが、材料の折り曲げ工程が外側リングであったものを内側リングに替えて形成すれば良いので、詳細な説明は省略する。 【実施例3】 【0048】 次に、本発明の第3実施例について図面を参照しながら説明する。図9は内側リングの外周を異形形状とし、外側リングを内側リングの外周形状に合わせて転造加工する方法を示す図で、(a)は、実施例1の工程で説明したように外側リング1001の第1側壁1002と第2側壁1003の成形工程まで終了した状態を示す断面図、(b)は転造工程の概略工程側面図で、(c)は転造工程の正面側から見た工程断面図、(d)は転増工程を終了した状態を示す工程断面図である。(a)図において、内側リング2000の断面形状は外周面2001の中央に凹部2002を有する形状をしており、外側リング1001の外周部1004の内周面と内側リング2000の外周面2001との間には凹部2002の分だけ隙間2005が形成されている。 【0049】 そこで、(b)図と(c)図に示すように、転造ダイス3000を用いて、内側リング2000の外周面2001と同じ形状となるように外側リング1001の外周部1004を成形するのである。即ち、転造ダイス3000に内側リング2000の外周面2001とほぼ同形状の凸形状3001を形成し、転造ダイス3000に矢印3002((c)図)に示すような圧力を加えながら、(b)図に示すように、転造ダイス3000と指輪1000を矢印3003及び矢印3004方向に回転させてやることにより、(d)図に示すように、外側リング1001の外周部1004に凹形状1005を成形して指輪1000を完成させる。 【実施例4】 【0050】 次に、本発明の第4実施例について図面を参照しながら説明する。図10は外側リングと内側リングの固定を確実にするために外側リングと内側リングの間にロー材を流した時のロー付け工程における指輪の断面図を示す。本発明の方法では一般的にはロー付け工程は不要であるが、外側リングと内側リングの固定をより確実とするために少量のロー材を流し込むことが有り得る。この時、ロー材がわずかでも外形側に流れ出さないようにロー材の流れ止め部を形成することによって、後工程の作業を簡略化することが出来る。 【0051】 図10(a)は、ロー材の流れ止め部2011を内側リング2010に断面四角形状に形成することで指輪1000aを作製したものである。ロー材としては一般的なものを使用し、例えば外側リング1010の材質にPtを内側リング2010の材質にAuを使用した場合は、(ロー材は何ですか)を使用する。工程としては、外側リング1010に両側壁を成形した後に、外側リング1010と内側リング2010の間にロー材を流し込むことで行われる。ロー材を流し込む量はあまり多くなくて良いので、ロー材の流れ出し量は多くはない。従って最終的には、図示しないが、外側リング1010の端部を流れ止め部2011側に折り曲げてロー材を見えなくすることも可能である。 【0052】 図10(b)は、ロー材の流れ止め部1021を外側リング1020に断面四角形状に形成することで指輪1000bを作製したものである。外側リング1020がある程度の厚さを有する場合はこのような形成も可能である。勿論最終的には、外側リング1020の端部を流れ止め部1021側に折り曲げてロー材を見えなくすることもできる。 【0053】 図10(c)は、外側リングが2層で形成されたときの断面図で、ロー材の流れ止め部1032を2層目(即ち外側リングのうちの内側)の外側リング1031の部分に断面四角形状に形成することで指輪1000cを作製したものである。これは、2層目外側リング1031の幅方向長さを少し短くすることで形成できる。この場合も、最終的には流れ止め部1032を1層目外側リング1030の端部を内側に折り曲げて覆い、ロー材を見えなくすることはできる。 【0054】 図10(d)は、ロー材の流れ止め部の形状を3角形と成した図である。即ち、外側リング1040の内側端面に斜面1041を形成し、更に内側リング2040の外側端部に斜面2041を形成することで、ロー材の流れ止め部1042と成して指輪1000dを構成したものである。 【産業上の利用可能性】 【0055】 本発明は、材料の異なる外側リングと内側リングにより指輪を形成するものである。この時、外側リングも内側リングも1層だけに限定されるものでは無く、何層で形成しても構わないし、また、外側リングや内側リングが単純な形状だけに限らず種々複雑な形状を有していても構わない。又指輪の材質も上記の実施例に限るものではなく、外側リングあるいは内側リングに、各々、プラチナ合金、金合金、チタン合金、銀合金あるいはパラジュームなどの使用が可能である。要は、その要旨を逸脱しない範囲において本発明の範囲に含まれるものである。 【図面の簡単な説明】 【0056】 【図1】本発明の第1実施例による指輪の製造方法を示す各工程の断面図で、(a)から(c)は第1工程を示す。 【図2】本発明の第1実施例による指輪の製造方法を示す各工程の断面図で、(d)から(e)は第2工程、(f)から(g)は第3工程を示す。 【図3】本発明の工程を経て完成した、外周が平坦な形状を有する指輪の一例である。 【図4】材料を3層以上に積層して形成した本発明の第1実施例による指輪の断面図を示し、(a)は外側リングが2層構造、(b)は内側リングが2層構造、(c)は外側リングと内側リングをいずれも2層づつ積層した構造の各指輪である。 【図5】本発明の第2実施例による指輪の製造方法を示す工程断面図で、(a)から(c)は第5工程を示す。 【図6】本発明の第2実施例による指輪の製造方法を示す工程断面図で、(d)は第6工程、(e)から(f)は第7工程である。 【図7】本発明の第2実施例による工程を経て完成した、外周が平坦な形状を有する指輪の一例である。 【図8】材料を3層以上に積層して形成した本発明の第2実施例による指輪の断面図を示し、(a)は内側リングが2層構造、(b)は外側リングが2層構造、(c)は内側リングと外側リングをいずれも2層づつ積層した構造の各指輪である。 【図9】本発明の第3実施例の工程を示し、内側リングの外周を異形形状とした指輪を示す工程図である。 【図10】図10(a)、(b)、(c)、(d)は、ロー材の流れ止め形状を示す指輪の断面形状である。 【図11】従来技術の一例を示す指輪形状で、(a)は指輪の側面、(b)は外形が平らな形状を有する指輪の断面の一例、(c)は外形が円弧状形状を有する指輪の断面の他例を示す。 【符号の説明】 【0057】 1、1a、1b、1c、1d、100、100a、100b、100c、1000、1000a、1000b、1000c、1000d 指輪 3、300 第1絞りパンチ 4,400 第1絞りダイス 5、500 第2絞りパンチ 6、600 第2絞りダイス 10、15、16、17、18、101、104、105、1001、1010、1020、1030、1031、1040 外側リング 13、1002 第1側壁 14、1003 第2側壁 20、21、22、23、24、200、205、206、2000、2010、2020、2030、2040 内側リング 31、301 突き当て部 33、303 側壁形成部 42、62、402、501 側壁形成面 203 第3側壁 204 第4側壁 3000 転造ダイス 2011、1021、1032、1042 流れ止め部
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| 【出願人】 |
【識別番号】306029822 【氏名又は名称】シチズン宝飾株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月17日(2006.8.17) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−43541(P2008−43541A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−222271(P2006−222271) |
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