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【発明の名称】 シートベルト装置
【発明者】 【氏名】緑川 幸則

【氏名】中久木 穂

【要約】 【課題】外乱に強く、そのスイッチングにより他の装置を制御するのも容易なバックルスイッチを備えたバックル装置を有するシートベルト装置を提供する。

【解決手段】バックル本体20が、ベース21と、ラッチ位置と非ラッチ位置との間で移動可能にベース21に支持されてタングプレート11をラッチ可能なラッチ部材23と、前記タングプレート11とバックル本体20との係脱状態を検知するバックルスイッチとを備えている。該バックルスイッチが、リードスイッチ31と、前記タングプレート11とバックル本体20との係脱動作に伴ってリードスイッチ31との相対位置が変わる磁界発生手段32とを有するスイッチユニット30を構成し、当該スイッチユニット30が磁性体で形成された磁気遮蔽板81を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タングプレートと、該タングプレートを係脱するバックル本体とを備えたバックル装置を有するシートベルト装置において、
前記バックル本体が、ベースと、ラッチ位置と非ラッチ位置との間で移動可能に前記ベースに支持されて前記タングプレートをラッチ可能なラッチ部材と、前記タングプレートと前記バックル本体との係脱状態を検知するバックルスイッチとを備え、
該バックルスイッチが、リードスイッチと、前記タングプレートと前記バックル本体との係脱動作に伴って前記リードスイッチとの相対位置が変わる磁界発生手段とを有するスイッチユニットを備えていることを特徴とするシートベルト装置。
【請求項2】
前記スイッチユニットが磁性体で形成された磁気遮蔽板を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
【請求項3】
前記磁界発生手段が磁石からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートベルト装置。
【請求項4】
タングプレートと、該タングプレートを係脱するバックル本体とを備えたバックル装置を有するシートベルト装置において、
前記バックル本体が、ベースと、ラッチ位置と非ラッチ位置との間で移動可能に前記ベースに支持されて前記タングプレートをラッチ可能なラッチ部材と、前記タングプレートと前記バックル本体との係脱状態を検知するバックルスイッチとを備え、
該バックルスイッチが、前記タングプレートと前記バックル本体との係脱動作に伴って切り替えられて当該バックル装置の外部の複数の負荷のいずれかに通電するのに供するトランスファー型のリードスイッチによるスイッチユニットを備えていることを特徴とするシートベルト装置。
【請求項5】
前記スイッチユニットが、前記リードスイッチと、前記タングプレートと前記バックル本体との係脱動作に伴って前記リードスイッチとの相対位置が変わる磁界発生手段とを有することを特徴とする請求項4に記載のシートベルト装置。
【請求項6】
前記バックル本体が、ラッチ状態にある前記タングプレートを押し出すイジェクタを内蔵し、該イジェクタは、非ラッチ時の第一位置とラッチ時の第二位置との間を摺動可能であり、前記バックル本体に挿入される前記タングプレートによって第二位置へと移動される際に前記磁界発生手段を押圧移動して該磁界発生手段と前記リードスイッチとの相対位置を変えることを特徴とする請求項1〜3及び5のいずれかに記載のシートベルト装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の乗り物の座席に装備されるウェビング(ベルト)を着脱可能にロックするバックル装置を備えたシートベルト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の乗り物の座席には、乗員の安全を図るために、シートベルト装置が取り付けられている。このシートベルト装置に用いられているバックル装置は、通常、ウェビングに移動自在に設けられたタングプレート(舌片)と、タングプレートを係脱するバックル本体とを有している。バックル本体は、バックル本体に係合(ラッチ)されたタングプレートを当該バックル本体から解離させる解離ボタンを備えている。
【0003】
このようなバック装置においては、タングプレートとバックル本体との係脱状態を表示したり、タングプレートとバックル本体との係脱状態に基づいてリトラクタ等のシートベルト装置の作動に関係する他の装置を制御したりするために、係脱状態を検出するバックルスイッチが設けられている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0004】
特許文献1に記載のバックル装置では、バックルスイッチとして、ホール素子とマグネットとからなる非接触式のスイッチを用いたバックル装置が開示されている。このバックル装置は、バックル本体内にホール素子とマグネットとを近接配置している。ホール素子には、CPU(中央演算装置)から延びた導線が接続されている。その導線には、ホール素子がマグネットから受ける一方向の磁界の強さ(磁束密度の高さ)に応じた電流が流れるようになっている。タングプレートをバックル本体に挿入すると、初期状態では第一位置にあったバックル本体内の可動な構成要素が、ホール素子とマグネットとの間の第二位置へと移動する。タングプレートをバックル本体から解離すると、可動な構成要素がホール素子とマグネットとの間から離れて第一位置へと移動する。この可動な構成要素の移動に伴って、ホール素子がマグネットから受ける磁界の強さは、図10のように変動する。ホール素子がマグネットから受ける磁界の強さの変動に伴って、ホール素子及びCPU間の導線に流れる電流も変動する。この導線に流れる電流の大小に基づいて、CPUは、タングプレート及びバックル本体のラッチ状態と非ラッチ状態とを判別する。
【0005】
特許文献2に記載のバックル装置にも、バックルスイッチとして、ホール素子とマグネットとからなる非接触式のスイッチを用いたバックル装置が開示されている。このバックル装置では、タングプレートとバックル本体との係脱動作に伴って、マグネットが移動され、ホール素子がマグネットから受ける磁界の強さが変動する。ホール素子がマグネットから受ける磁界の強さの変動に伴って、ホール素子の起電力が上下し、ホール素子及びCPU間の導線に流れる電流も変動する。この導線に流れる消費電流の大小に基づいて、CPUは、タングプレート及びバックル本体のラッチ状態と非ラッチ状態とを判別する。
【特許文献1】特開2001−211912号公報
【特許文献2】特開2001−157603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示されたバックル装置では、図10に示したように、ホール素子が一方向の磁界をマグネットから受けるが、この形態では、外部から何らかの磁界発生手段がバックル装置に近づけられた場合等の外乱によって誤作動する心配がある。外部から何らかの磁界発生手段が近づけられても誤作動しないように、マグネットからの一方向の磁界(図10ではN極の磁界)の磁力をより強くすることが考えられるが、こうすると、バックル装置内に磁性体(異物等)を吸い付けやすくなり、バックル装置の作動に悪影響がおよぶ虞がある。
【0007】
一方、特許文献2に開示されたバックル装置のように、ホール素子の微弱な起電力の変化を導線を介してバックル装置外部のCPUに伝送する場合、導線に外乱ノイズが印加されたときにCPUで信号とノイズとを判別しにくくなる。また、ホール素子の出力は微弱であるため、例えばベルト警告灯などのランプ負荷を、ホール素子の出力に基づいて制御することはできなかった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、スイッチングの判別性能、信頼性が良好で、外乱に強く、そのスイッチングにより他の装置を制御するのも容易なバックルスイッチを備えたバックル装置を有するシートベルト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) タングプレートと、該タングプレートを係脱するバックル本体とを備えたバックル装置を有するシートベルト装置において、
前記バックル本体が、ベースと、ラッチ位置と非ラッチ位置との間で移動可能に前記ベースに支持されて前記タングプレートをラッチ可能なラッチ部材と、前記タングプレートと前記バックル本体との係脱状態を検知するバックルスイッチとを備え、
該バックルスイッチが、リードスイッチと、前記タングプレートと前記バックル本体との係脱動作に伴って前記リードスイッチとの相対位置が変わる磁界発生手段とを有するスイッチユニットを備えていることを特徴とするシートベルト装置。
(2) 前記スイッチユニットが磁性体で形成された磁気遮蔽板を備えていることを特徴とする(1)に記載のシートベルト装置。
(3) 前記磁界発生手段が磁石からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートベルト装置。
【0010】
(4) タングプレートと、該タングプレートを係脱するバックル本体とを備えたバックル装置を有するシートベルト装置において、
前記バックル本体が、ベースと、ラッチ位置と非ラッチ位置との間で移動可能に前記ベースに支持されて前記タングプレートをラッチ可能なラッチ部材と、前記タングプレートと前記バックル本体との係脱状態を検知するバックルスイッチとを備え、
該バックルスイッチが、前記タングプレートと前記バックル本体との係脱動作に伴って切り替えられて当該バックル装置の外部の複数の負荷のいずれかに通電するのに供するトランスファー型のリードスイッチによるスイッチユニットを備えていることを特徴とするシートベルト装置。
(5) 前記スイッチユニットが、前記リードスイッチと、前記タングプレートと前記バックル本体との係脱動作に伴って前記リードスイッチとの相対位置が変わる磁界発生手段とを有することを特徴とする(4)に記載のシートベルト装置。
(6) 前記バックル本体が、ラッチ状態にある前記タングプレートを押し出すイジェクタを内蔵し、該イジェクタは、非ラッチ時の第一位置とラッチ時の第二位置との間を摺動可能であり、前記バックル本体に挿入される前記タングプレートによって第二位置へと移動される際に前記磁界発生手段を押圧移動して該磁界発生手段と前記リードスイッチとの相対位置を変えることを特徴とする(1)〜(3)及び(5)のいずれかに記載のシートベルト装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明のシートベルト装置によれば、バックル装置のバックルスイッチは、リードスイッチと、タングプレートとバックル本体との係脱動作に伴ってリードスイッチとの相対位置が変わる磁界発生手段とを有するスイッチユニットを備えているので、バックルスイッチは、スイッチングの判別性能、信頼性が良好となり、外乱に強く、そのスイッチングにより他の装置を制御するのも容易なものとなる。
【0012】
また、本発明のシートベルト装置によれば、バックル装置のバックルスイッチが、タングプレートとバックル本体との係脱動作に伴って切り替えられてバックル装置の外部の複数の負荷のいずれかに通電するのに供するトランスファー型のリードスイッチによるスイッチユニットを備えているので、バックルスイッチは、スイッチングの判別性能、信頼性が良好となり、外乱に強く、そのスイッチングにより他の装置を制御するのも容易なものとなるのに加え、小型化、低コスト化を可能な構成となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係るシートベルト装置について図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本実施形態であるバックル装置10を備えた三点式シートベルト装置100を示す。シートベルト装置100において、ウェビング101は、一端をリトラクタ102に引出し可能に巻回されている。ウェビング101の他端は、乗員109の肩近傍に位置するようにセンターピラー103に支持されたスルーアンカ105に挿通され、タングプレート11に挿通され、センターピラー103の下部に固定されたアンカープレート104に係止されている。タングプレート11をシート107近傍に配設されたバックル本体20に係合することで、ウェビング101により乗員109をシート107に拘束できる。タングプレート11のラッチ孔12に、バックル本体20内のラッチ部材を嵌合させることで、タングプレート11をバックル本体20に係合(ラッチ)させる。
【0015】
リトラクタ102としては、例えば特開平8−2380号公報等に開示されている巻取り力軽減機構(テンションレデューサ)を備えたものが用いられることがある。巻取り力軽減機構は、電磁ソレノイドを励磁することで駆動される。
【0016】
バックル装置10のバックル本体20は、アッパケースとロアケースとを組み合わせてなる筐体内に、各種部品を組み込んで構成されている。図2は、アッパケースを取り外した状態におけるバックル本体20の概略平面図である。図3は、図2におけるIII−III線に沿った概略断面図である。図2及び図3は、タングプレート11をバックル本体20に挿入する前の状態(非ラッチ状態)を示している。図2では、図3に示すストッパ29の図示を省略した。図3では、図2に示すベース側壁21b及び解離ボタン28の図示を省略し、図2に示さなかったアッパケース20aを図示した。
【0017】
以下の説明中、「上」とはアッパケース側を示し、「下」とはロアケース側を示すものとする。図2に示すように、ロアケース20b上には、ベース底壁21aと、その両側に立設された一対のベース側壁21b,21bとを有する、断面コ字状のベース21が置かれている。タングプレート11の挿脱方向と、ベース側壁21b,21bの延びる方向とは互いに一致している。ベース底壁21a上の、タングプレート11を挿入される側(図では左側)には、イジェクタ22が摺動可能に配設されている。イジェクタ22は、板状に形成され、タングプレート11の先端が当接する当接部22aと、当接部22aの両側に設けられた一対の脚部22b,22bとを有している。脚部22b,22bは、ベース側壁21b,21bに設けられた長孔(図示略)に挿入され、ベース側壁21b,21bから外側に突出している。
【0018】
イジェクタ22の上方には、ラッチ部材23の先端23dが配されている。ラッチ部材23は、その基端側(図では右側)の両側辺に設けられた一対の凸部23a,23aにて、ベース側壁21b,21bに支持されており、凸部23a,23aまわりに揺動可能になっている。ラッチ部材23は、その中央部に、ばね収容孔23bを有している。ばね収容孔23bの、ラッチ部材基端側の辺には、ばね支持凸部23cが形成されている。ばね支持凸部23cに、コイルばね(付勢部材)25の基端が外嵌されている。ラッチ部材23の先端23dは、下方へ向かうフック状に形成されており、イジェクタ22の当接部22aの上面に位置している。
【0019】
ラッチ部材23の先端側の上方に、ロックバー(ロック部材)26が配されている。ロックバー26は、一方のベース側壁21bから他方のベース側壁21bへ向かって延び、ラッチ部材23の上方に横たわっている。ロックバー26の中央部には、調整部材27が係合している。
【0020】
ロアケース20bのタングプレート11を挿入される側(図では左側)には、解離ボタン28が配されている。解離ボタン28は、乗員の指等によって図中右方向へ押圧される押圧部28aと、押圧部の両側に設けられて、ベース側壁21b,21bの外側を摺動する一対のボタン脚部28b,28bとを備えている。ボタン脚部28bの下端は、イジェクタ22の脚部22b,22bに当接している。解離ボタン28の押圧部28aが図中右方向へ押圧移動されると、それに伴ってボタン脚部28b,28bによってイジェクタ22の脚部22b,22bが押圧移動される。ボタン脚部28b,28bの、ベース側壁21b,21bに相対する面には、後述するラッチ状態においてロックバー26を受ける段部28cが形成されている。
【0021】
図3に示すように、調整部材27の基端は、イジェクタ22の脚部22bに回転可能に支持されている。調整部材27の先端は、フック状に形成されて、ロックバー26に係合している。調整部材27の中間部には、コイルばね25の先端を受けるばね受け凸部27aが設けられている。ばね受け凸部27aは柱状に形成され、その側面でコイルばね25の先端を受けている。ロックバー26は、その両端部が、ベース側壁に形成された略L字状の案内孔21c内に挿入されている。非ラッチ状態では、ロックバー26は、案内孔21cの上部に配置されている。
【0022】
調整部材27のばね受け凸部27aにコイルばね25の先端が当接していることにより、調整部材27は図中時計回りの方向に付勢され、それに伴い、イジェクタ22はタングプレート11を排出する方向(図では左方向)に付勢されている。ラッチ部材23の先端23dの上方には、ストッパ29が配されている。ストッパ29は、ベース側壁に回転可能に支持されている。ストッパ29は、その揺動先端に、ラッチ時にロックバー26を受容する凹部29aを有している。
【0023】
そして、一方のベース側壁21bの外側に、バックルスイッチとしてのスイッチユニット30が配されている。スイッチユニット30のケース30a内には、リードスイッチ31と磁石32とが近接配置されてなるスイッチ部33が備えられている。
【0024】
図5及び図6に示すように、リードスイッチ31は、共通COM接点を有する共通COM端子、NO接点を有するNO端子およびNC接点を有するNC端子がそれぞれ強磁性体のリード片51,52,53によって構成され、ガラス管54内に不活性ガスが封入されたトランスファー型のものである。トランスファー型のリードスイッチ31は、外部磁界が印加されていない時にNC接点を有するリード片52と共通COM接点を有するリード片51とが互いに接触し電気的な接続を得ている状態と、外部磁界が印加されることで共通COM接点を有するリード片51が他方のNO接点を有するリード片53に磁気的に吸引されることによって、NC接点を有するリード片52と開離してNO接点を有するリード片53に接触し電気的な接触を得る状態とに切り替える。また、スイッチユニット30は、その周囲を磁性体で形成された磁気遮蔽板81で覆われており、本実施形態では、図6に示すように、ケース30aの少なくとも3面が覆われている。
【0025】
図5に示すように、リードスイッチ31の各端子は実装に適した形状に加工され、基板70に例えばはんだ付けなどによって位置精度良く実装され支持固定されている。基板70には、リードスイッチ31が有する各端子に電気的に接続するための導体パターン71が形成されており、また導体パターン71の端部にはハーネス接続部72が形成されている。ハーネス接続部72には、リードスイッチ31によって切り替えられる電気的信号を、スイッチユニット30の外部へ導くためのハーネス73が、例えばはんだ付けなどにより接続されている。基板70はスイッチユニット30の所定の位置に配置され、その周囲には例えば封止樹脂80が充填されており、基板70をスイッチユニット30内での定められた位置に固定している。
【0026】
スイッチユニット30内には磁界発生手段として、磁石32が磁石ケース74と共に、図5における基板70が配置されている空間の下側の空間に配置されており、イジェクタ22側には、イジェクタ22の脚部22bが入出可能な開口30bが設けられている。また前記磁石ケース74をスイッチユニット30内の一方向に附勢する付勢部材34が、前記と同様の下側の空間に配置されており、磁石32をイジェクタ22側へ常時付勢している。磁石ケース74は、磁石32を例えば内包する形で保持しており、磁石32は図5におけるリードスイッチ31の接点位置と移動方向において略同位置の下側に位置している。
【0027】
また、図3に示すように、磁石32は、イジェクタ22と同様な高さに配置されている。この状態(非ラッチ状態)では、イジェクタ22の脚部22bと磁石ケース74との間に間隔があいている。リードスイッチ31は、ケース30aの隔壁により、磁石32の上方に微小隙間を隔てて配されている。磁石32は、ここでは、上側(リードスイッチ31に相対する側)にN極、下側にS極を有する。
【0028】
ここで、本実施形態のバックル装置の作動について説明する。
図3に示す状態(非ラッチ状態)から、タングプレート11が挿入されて、そのタングプレート11の先端によってイジェクタ22の当接部22aが図中右方向へ移動されると、調整部材27が、コイルばね25の付勢力に抗して、その基端を右方向へ移動されながら、その先端を図中反時計回りの方向に揺動される。これにより、調整部材27の先端が、ロックバー26を押し下げるように作用し、更にロックバー26がラッチ部材23の先端23d側を押し下げるように作用する。そして、イジェクタ22の移動が更に進んで、ラッチ部材23の先端23dにタングプレート11のラッチ孔12が位置するようになると、図4に示すラッチ状態となる。
【0029】
図4に示すように、ラッチ状態では、ロックバー26が、案内孔21cの下部水平部の図中左端側へ案内される。コイルばね25によってこのときは反時計回りの方向に付勢される調整部材27によって押し下げられたラッチ部材23の先端は、タングプレート11のラッチ孔12内に挿通されるとともに、ベース底壁21aに形成された係止孔21dにも挿通される。ロックバー26は、ストッパ29によって、元の位置へ戻るのを阻止される。コイルばね25の先端は、調整部材27のばね受け凸部27aに外嵌される。
【0030】
このとき、イジェクタ22が当該スイッチユニット30内に移動してきた際に、付勢部材34のばね反発力に抗するイジェクタ22の移動量に応じて、磁石ケース74がリードスイッチ31の端子軸と平行に図5における右側方向に移動する。そして、磁石32は、磁石ケース74の移動により、リードスイッチ31内の接点中心から長手方向に外れた位置に配置される。図3の非ラッチ状態から図4のラッチ状態になるときの磁石32の移動に伴って、リードスイッチ31内の共通COM接点を有するリード片51とNO接点を有するリード片53の間に磁気吸引力が働いて引き寄せられ、互いに接触して電気的に接続する。
【0031】
ラッチ状態を解除するには、図2に示した解除ボタン28を図中右方に押すことで、解除ボタン28の段部28cに受容されたロックバー26を元の位置に向けて押し戻す。この時、磁石32はリードスイッチ31内の接点中心位置に再び位置される。リードスイッチ31内の共通COM接点を有するリード片51とNO接点を有するリード片53の間に磁気吸引力が存在しなくなるため、共通COM接点を有するリード片51は当該リード片51が持つばね性によってNO接点を有するリード片53から開離し、NC接点を有するリード片52側に接触することになり、電気的に接続する状態を得る。
【0032】
図7にバックル本体40内の回路構成及び外部との電気接続の概略を示す。リードスイッチ31のNC接点を有するリード片52には、ベルト警告灯60が接続されている。NO接点を有するリード片53には、前述した巻取り力軽減機構の電磁ソレノイド61が接続されている。ベルト警告灯60及び電磁ソレノイド61には、バッテリEから、ヒューズF、イグニッションスイッチIGを介して給電される。
【0033】
例えば、乗員が自動車を始動すると、イグニッションスイッチIGがオンされる。この時、バックル装置10が非ラッチ状態であると、ベルト警告灯60が点灯する。そして、バックル装置10がラッチ状態になれば、電磁ソレノイド61が励磁されて巻取り力軽減機構が作動し、ウェビングが乗員を締め付ける力が軽減される。
【0034】
以上説明した、磁石32の移動によって当該リードスイッチ31の各端子で得られる信号波形の例は、図8のようになる。即ち、非ラッチ状態ではNC接点を有するリード片52と共通COM接点を有するリード片51とが電気的に接続しているので、両リード片51,52の間では電位差は0Vである。一方のNO接点を有するリード片53と共通COM接点を有するリード片51とは電気的にオープンとなっているので、両リード片51,53の間の電位差は印加電圧と等しくなっている。これに対してラッチ状態になった時は、共通COM接点がNC接点からNO接点に切り替わるため、NC接点と共通COM接点の両リード片51,52の間では印加電圧と等しい電位差、またNO接点と共通COM接点の両リード片51,53の間の電位差は0Vとなる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態のシートベルト装置100によれば、ガラス管内で密閉された電気的接点を有するリードスイッチ31をスイッチユニット30内に位置精度よく配置できるようにし、シートベルト装置のイジェクタ22の移動に伴ってリードスイッチ31をON/OFFさせるための磁石32が移動するようにしたので、スイッチング動作の精度が高いだけでなく、シートベルト装置100が設置される車室内の環境下においても、ゴミやチリ、液体が原因となる接点障害の発生がなく、信頼性の高いバックル装置を提供することができる。また、リードスイッチ31は、従来、外乱磁界の影響から守るためにホール素子と共に使用される保護素子を設ける必要がなく、装置の小型化および低コストを実現することができる。
【0036】
さらに、磁気遮蔽板81がスイッチユニット30の外周を覆うようにして磁気遮蔽効果を附加しているので、シートベルト装置の周囲に外乱磁界の発生があっても、磁気遮蔽板81が外乱磁界を遮断することができる。このため、スイッチユニット30内のリードスイッチ31には外乱磁界による影響がなく、安定したリードスイッチ31の動作を得ることが可能となる。
【0037】
また、本実施形態のシートベルト装置100によれば、リードスイッチ31が、タングプレート11とバックル本体20との係脱動作に伴って切り替えられてバックル装置10の外部の複数の負荷のいずれかに通電するのに供するトランスファー型としたので、警告ランプやソレノイドコイルのような負荷についても、スイッチユニット30以外の付加装置を用いることなく直接駆動させることができるため、装置の小型化および低コストを実現することができる。
【0038】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、本発明のリードスイッチはトランスファー型に限定されるものではなく、単一接点を有するリードスイッチを複数本組み合わせてスイッチユニットを構成することによっても、同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、上記実施形態では、磁石は上側(リードスイッチに相対する側)にN極、下側にS極を有するように配置した例を示したが、これに限られるものではなく、リードスイッチの軸方向と平行に磁石のN極とS極を有するように配置してもよい。さらに、バックルスイッチは、磁石32がイジェクタ22と同じ高さとなるように配置されればよく、図9に示すように、リードスイッチ31が下側、即ち、ベース底壁21a側に配置されてもよいし、リードスイッチ31が磁石32の幅方向側方となるように配置されてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、イジェクタ22を磁石ケース74に当接させることで、磁石ケース74と共に磁石32を移動させるようにしているが、これに限られるものでなく、磁石32単体がスイッチユニット30内の所定位置に配置されることによっても同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明実施形態に係る三点式シートベルト装置によって乗員を拘束した状態を説明する図である。
【図2】本発明のバックル装置の概略平面図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿った概略断面図である。
【図4】バックル装置の作動を説明する図である。
【図5】バックル装置のバックルスイッチの概略断面図である。
【図6】図5におけるVI−VI線に沿った概略断面図である。
【図7】バックル装置の回路構成を説明するブロック図である。
【図8】バックルスイッチの作動を説明する波形図である。
【図9】(a)は、バックルスイッチの変形例を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のIX−IX線に沿った概略断面図である。
【図10】従来のバックル装置の作動を説明するグラフである。
【符号の説明】
【0042】
10 バックル装置
11 タングプレート
20 バックル本体
21 ベース
22 イジェクタ
23 ラッチ部材
28 解離ボタン
30 スイッチユニット
31 リードスイッチ
32 磁石(磁界発生手段)
33 スイッチ部
34 付勢部材
70 基板
71 導体パターン
72 ハーネス接続部
73 ハーネス
74 磁石ケース
80 封止樹脂
81 磁気遮蔽板
【出願人】 【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
【識別番号】501252238
【氏名又は名称】株式会社沖センサデバイス
【出願日】 平成19年3月29日(2007.3.29)
【代理人】 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平

【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳

【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光

【識別番号】100115107
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 猛


【公開番号】 特開2008−245831(P2008−245831A)
【公開日】 平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願番号】 特願2007−89604(P2007−89604)