| 【発明の名称】 |
紐止め具 |
| 【発明者】 |
【氏名】手島 優
|
| 【要約】 |
【課題】紐止め具本体に筒状のキャップを係止して紐を取り付ける紐止め具において、紐の端部の係止にカシメ付け及び結び目を必要とせず、たとえ柔軟で断面積の小さい強靭な紐であっても、その端部を確実かつ容易に係止することができるようにする。
【構成】紐止め具本体1を開閉可能なフック2と一対のアーム5,8とで構成し、一対のアーム5,8に、キャップ20を装着することで紐30をアーム5,8間で両方向から挟持して固定する挟持部19を設けると共に、キャップ20により押圧された紐30を支持する支持部15,16とを設けたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 紐止め具本体に筒状のキャップを係止して紐を取り付ける紐止め具において、前記紐止め具本体を開閉可能なフックと一対のアームとで構成し、前記一対のアームに、前記キャップを装着することで前記紐を前記アーム間で両方向から挟持して固定する挟持部を設けると共に、前記キャップにより押圧された前記紐を支持する支持部とを設けたことを特徴とする紐止め具。 【請求項2】 紐止め具本体に筒状のキャップを係止して紐を取り付ける紐止め具において、前記紐止め具本体にフラップにより開閉可能なフックを設け、このフックの基部に第一のアームを延設し、この第一のアームの先端側に連結部を介して第二のアームの先端側を取り付けて前記第一のアームと前記第二のアームの基部を開閉可能に構成し、前記第一のアームと前記第二のアームの基部との間に前記紐の端部を挟み込む挟持部を設け、この挟持部よりも前記各アームの先端側であって前記各アーム間に、折り返された前記紐を裏表に掛け渡す支持部を設け、前記キャップには前記各アームを受容する内周面に前記挟持部の開きを防止する規制部と、前記支持部との間で前記紐を挟み付ける押圧部とを設けたことを特徴とする紐止め具。 【請求項3】 前記支持部は、前記第一のアームと前記第二のアームとに設けた互いに重なり合う舌片であることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の紐止め具。 【請求項4】 前記連結部には、前記紐の端部と前記支持部を経たループ側とが重なり合って載置され前記キャップによって締め付けられることを特徴とする請求項2及び請求項3のいずれか一つに記載の紐止め具。 【請求項5】 前記キャップは、前記フックと前記フラップの基部に設けた鍔部により前記第一のアームと前記第二のアームに対する挿入を規制されると共に、前記第一のアームと前記第二のアームの先端部に設けた爪により抜け止めされることを特徴とする請求項2に記載の紐止め具。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、紐止め具本体に筒状のキャップを係止して紐を取り付ける紐止め具に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から、紐止め具本体に筒状のキャップを係止して紐を取り付ける紐止め具が知られている。この紐止め具は、例えば、ストラップ主体とリング紐とをカシメ付けすることなく結合するものである(特許文献1参照)。また、紐に対する止着性能を向上できるものも提案されている(特許文献2参照)。 前者にあっては、従来この種のストラップ(下げ紐)において用いられていたカシメ付けをすることなく、リング紐とストラップ主体を結合できる。したがって、例えば、鉛などの人体に有害な金属を添加して加工性を良くしたカシメ付け用の金属部品を用いる必要がないので安全性が高い。 後者にあっては、紐止め具の筒状のソケットの内部に角度を持たせて配置した板状の挟持部にV字型の切欠き部を形成し、このソケットに挿入されるプラグに押圧部を突設し、ソケットに通した紐の端部をこの押圧部によってソケット内部のV字型の切欠き部に押し付け、紐を切欠き部に食い込ませて係止するため、紐の止着性能がよい。 【特許文献1】特開2002−325618号公報 【特許文献2】特開2005−211302号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、前者にあっては、紐の端部を係止するときに端部を結んで瘤を形成しなくてはならない。しかし、紐に容易に解けず係止に適切な大きさの瘤を作るのは困難で手間が掛かるという課題がある。また、この紐止め具を継続して使用していると、結び目が徐々に緩み瘤が解けて紐止め具との係止が外れ、紐が脱落する虞があるという課題がある。 後者にあっては、ある程度断面積の大きい紐であれば、挟持部のV字型の切欠き部が紐に食い込んで十分な止着性能を得られるが、例えば、携行品をストラップに固定するために用いられる柔軟で断面積の小さい強靭な紐に対しては、V字型の切欠き部の十分な食い込みが得られないため、紐を確実に係止することが困難であるという課題がある。 【0004】 この発明は上記の事情を考慮してなされたもので、紐の端部の係止にカシメ付け及び結び目を必要とせず、たとえ柔軟で断面積の小さい強靭な紐であっても、その端部を確実かつ容易に係止することのできる紐止め具を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記の課題を解決するために請求項1に記載した発明は、紐止め具本体に筒状のキャップを係止して紐を取り付ける紐止め具において、前記紐止め具本体を開閉可能なフックと一対のアームとで構成し、前記一対のアームに、前記キャップを装着することで前記紐を前記アーム間で両方向から挟持して固定する挟持部を設けると共に、前記キャップにより押圧された前記紐を支持する支持部とを設けたことを特徴とする紐止め具とした。 【0006】 上記の構成により、開閉可能な一対のアームが開いた状態で各アームの間の挟持部に紐の端部側を配置し、各アームを閉じ合わせることで各アーム間に設けられた挟持部も閉じ合わされ、紐を両方向から挟み込んで固定することができる。 【0007】 さらに、筒状のキャップに紐のループ側を通して各アームをキャップに挿入し、紐止め具本体にキャップを係止することにより、各アームの基部の開きがキャップの内周面によって規制され、挟持部に紐を挟み込んで固定した状態が維持される。同時にキャップの内周面によって押圧された紐がアームの支持部によって支持されるので、紐をキャップの内周面と支持部との間で押圧して挟み付けた状態で固定することができる。 【0008】 ここで、紐止め具に固定された紐に抜き取り方向の力が働いた場合、紐が挟持部で両方向から挟み込まれ、キャップの内周面と各アーム間の支持部との間で押圧され挟み付けられているので、紐の抜き取りの力に抗する摩擦力が挟持部、キャップ内周面および支持部表面に発生する。 また、キャップを紐止め具本体に係止してもフックの開閉動作は規制されない。したがって、携行品を携帯するときには、紐止め具本体に係止した紐を携行品の一部に通して固定し、紐止め具本体のフックを開いて、例えば、ストラップや衣服の一部にフックを通してから再び閉じる。これにより、携行品が紐止め具を介してストラップや衣服の一部に取り付けられる。また、逆の手順によれば紐止め具を介して携行品をストラップや衣服の一部から取り外すことができる。 【0009】 請求項2に記載した発明は、紐止め具本体に筒状のキャップを係止して紐を取り付ける紐止め具において、前記紐止め具本体にフラップにより開閉可能なフックを設け、このフックの基部に第一のアームを延設し、この第一のアームの先端側に連結部を介して第二のアームの先端側を取り付けて前記第一のアームと前記第二のアームの基部を開閉可能に構成し、前記第一のアームと前記第二のアームの基部との間に前記紐の端部を挟み込む挟持部を設け、この挟持部よりも前記各アームの先端側であって前記各アーム間に、折り返された前記紐を裏表に掛け渡す支持部を設け、前記キャップには前記各アームを受容する内周面に前記挟持部の開きを防止する規制部と、前記支持部との間で前記紐を挟み付ける押圧部とを設けたことを特徴とする紐止め具とした。 【0010】 上記の構成により、紐の端部を紐止め具に固定するときは、まず、紐の端部を紐止め具本体の裏側から表側に、支持部と連結部の間の空間に挿通させた状態で紐の端部を保持しておく。次に、紐のループ側を各アーム間の開いた挟持部を通して支持部の裏側から表側に巻き付けるように掛け渡して折り返す。さらに、紐のループ側を引っ張って、保持しておいた紐の端部が各アームの間の連結部に適当な長さで載置されるように調整する。 【0011】 次いで、先端側が連結部により連結された第一のアームと第二のアームの基部を、連結部および各アームの弾性力に抗して閉じ合わせ、さらにフラップをその弾性力に抗してフックの内側に押し込んでフックの先端部に係止させる。各アームが閉じ合わされることにより、各アームの基部の間に設けられた挟持部も閉じ合わされて、挟持部を通して支持部の裏表に掛け渡された紐を両方向から挟み込んで固定する。 また、各アームが閉じあわされると、連結部および各アームの弾性力によって各アームが開こうするが、第二のアームの基部に設けられたフラップの先端部が第一のアームの基部に設けられたフックの先端部に係止されているので、各アームの開きが規制される。 【0012】 次に、挟持部によって両方向から挟み込まれた紐のループ側を筒状のキャップに通して各アームをキャップに挿入し、紐止め具本体にキャップを係止する。 キャップの紐止め具本体への係止により、フックとフラップによる規制に加えてキャップの内周面の規制部によって各アームの基部の開きが規制され、挟持部が閉じて紐を両方向から挟み込んで固定した状態が維持される。同時に、支持部の裏表に巻き掛けられた紐がキャップの内周面の押圧部と各アームの支持部の裏側および表側との間で押圧されて挟み付けられた状態で固定される。 【0013】 ここで、紐止め具に固定された紐に抜き取り方向の力が働いた場合、紐が挟持部で両方向から挟み込まれ、キャップの押圧部と支持部の裏側及び表側との間で押圧されて挟み付けられ、さらに支持部の周囲に巻き締められるので、紐の抜き取りの力に抗する摩擦力が挟持部、キャップ内周面、及び支持部周囲に発生する。 【0014】 また、フラップをフックの内側にその弾性力に抗して押し込むことで、両者の先端部の係止が外れフックを開くことができる。また、キャップを紐止め具本体に係止してもフックの開閉動作は規制されない。したがって、携行品を携帯するときには、紐止め具本体に係止した紐を携行品の一部に通して固定し、紐止め具のフックを開いて、例えば、ストラップや衣服の一部にフックを通してから再び閉じる。これにより、携行品が紐止め具を介してストラップや衣服の一部に取り付けられる。また、逆の手順によれば紐止め具を介して携行品をストラップや衣服の一部から取り外すことができる。 【0015】 請求項3に記載した発明は、前記支持部は、前記第一のアームと前記第二のアームとに設けた互いに重なり合う舌片であることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の紐止め具とした。 【0016】 上記の構成にすることで、左右に開いて成型された各アームの基部側に突設された支持部の先端部の間に形成される隙間をなくすか、または極めて小さくすることができる。 また、各アームの基部側を閉じ合わせて挟持部を閉じ合わせたときに、2枚の舌片からなる支持部が互いに重なり合うことで、両者が互いに先端部の隙間をカバーし合って隙間が完全になくなる。 また、紐に引き抜き方向の力が掛かったときには各支持部に掛かる荷重がバランスよく分散される。 【0017】 請求項4に記載した発明は、前記連結部には、前記紐の端部と前記支持部を経たループ側とが重なり合って載置され前記キャップによって締め付けられることを特徴とする請求項2及び請求項3のいずれか一つに記載の紐止め具とした。 【0018】 上記の構成にすることで、キャップを各アームに装着するときに、キャップの内周面の押圧部と支持部の裏側及び表側との間で紐が押圧され締め付けられる同時に、キャップの内周面の押圧部と連結部との間でも、紐の端部と紐のループ側とが重なり合った状態で押圧され締め付けられる。 【0019】 したがって、紐に抜き取り方向の力が働いたときに、この力に抗して働く請求項2又は請求項3の紐止め具における摩擦力に加え、紐とキャップの内周面の押圧部及び連結部との間に紐の抜き取り方向の力に抗する摩擦力が発生する。 【0020】 請求項5に記載した発明は、前記キャップは、前記フックと前記フラップの基部に設けた鍔部により前記第一のアームと前記第二のアームに対する挿入を規制されると共に、前記第一のアームと前記第二のアームの先端部に設けた爪により抜け止めされることを特徴とする請求項2に記載の紐止め具とした。 【0021】 上記の構成にすることで、キャップを各アームに装着して係止するときに、アームの先端部に設けられた爪をアームの弾性力に抗してキャップの内周面の規制部の内側に押し込んだ状態でキャップに挿入される。そして、キャップが鍔部に当接すると同時に各アームの先端部がキャップの小開口部から突出し、各アームがそれらの弾性力によって外側に開いて先端部に設けた爪がキャップに噛み合わされて、キャップが紐止め具本体に係止される。 【発明の効果】 【0022】 請求項1に記載した発明によれば、紐止め具に固定された紐に抜き取り方向の力が働いた場合でも、その力に抗する摩擦力が紐と挟持部、キャップ内周面および支持部との間に発生し、紐の抜き取りの力に抗する摩擦力を十分に得ることができるので、紐が抜け落ちることがない。 また、紐の端部を紐止め具に固定するときに、紐を挟持部に挟み込んでキャップを装着するだけでよく、カシメ付けを必要とせず、結び目を作る必要もない。 したがって、たとえ柔軟で断面積の小さい強靭な紐であっても、紐止め具本体とキャップによって確実かつ容易に固定することができる。 また、フックを常に開閉可能な状態にしておくことができるので、携行品を携帯するときは、紐止め具に固定した紐を携行品の一部に通して固定し、紐止め具を介して携行品を、例えば、ストラップや衣服の一部に着脱自在に取り付けて持ち運ぶことができる。 【0023】 請求項2に記載した発明によれば、紐止め具に固定された紐に抜き取り方向の力が働いた場合でも、その力に抗する摩擦力が紐と挟持部、押圧部及び支持部の周囲との間に発生し、紐の抜き取りの力に抗する摩擦力を十分に得ることができるので、紐が抜け落ちることがない。 また、紐の端部を紐止め具に固定するときに、紐を挟持部の間に通して支持部に掛け渡し、フラップをフックに係止すればワンアクションで紐を挟み込み、かつその状態を維持しておくことができる。 次いで、紐止め具本体にキャップを装着するだけで紐の端部が締め付けられて紐止め具に固定されるので、カシメ付けを必要とせず、結び目を作る必要もない。また、キャップを取り付けるときに、挟持部によって紐が両方向から挟み込まれた状態が維持されているため、紐が散けることを防止できる。 【0024】 したがって、たとえ柔軟で断面積の小さい強靭な紐であっても、紐止め具本体とキャップによって確実かつ容易に固定することができる。 また、フックの先端にその弾性力によって係止されたフラップは常に開閉可能なので、携行品を携帯するときに、携行品を紐止め具を介して、例えば、ストラップや衣服の一部に着脱自在に取り付けて持ち運ぶことができる。 【0025】 請求項3に記載した発明によれば、請求項1又は2に記載した発明の効果に加え、紐を挟持部の間に通して挟み込むときに、紐が支持部の先端部の隙間に入って挟持部から外れることが防止される。よって、紐の端部をより容易かつ確実に紐止め具に係止することができる。 【0026】 また、各アームに突設した2枚の舌片状の支持部が互いに両方向から重なり合うことにより、支持部をどちらか一方のアームに片持ち状に突設した場合と比較して、よりバランスよく荷重を受けることができるので、支持部の強度を保つ上で有利である。また、紐の引き抜き方向の力による荷重によって支持部が多少変形したとしても、支持部の先端部に隙間ができることがないので、紐が支持部から脱落することを防止できる。よって、この構成によれば、紐の端部をより確実に紐止め具に固定することができる。 【0027】 請求項4に記載した発明によれば、請求項2又は3に記載した発明の効果に加え、紐止め具に固定された紐に抜き取り方向の力が働いたときに、キャップの押圧部と連結部との間にも引き抜きの力に抗する摩擦力が生じるので、紐の端部をより確実に紐止め具に固定することができる。 また、キャップの装着時に、紐の端部を紐のループ側で連結部に押さえ付けておくことができ、紐の端部が散けることを防止できるので、キャップの装着が容易になる。したがって、紐の端部をより容易に紐止め具に係止することができる。 【0028】 請求項5に記載した発明によれば、請求項2に記載した発明の効果に加え、キャップの装着時にキャップが鍔部と爪との間で紐止め具本体に固定されて抜け止めされるので、キャップの装着を容易かつ確実に行うことができる。したがって、紐止め具に紐の端部を容易かつ確実に固定することができる。 また、鍔部および爪によってキャップの脱落が防止されるので、各アームの基部の開きが防止され、挟持部での紐の挟み込みが常に維持される。また、キャップの脱落により各押圧部の押圧力が除去されて、紐の引き抜き方向の力に抗する摩擦力が紐に働かなくなることも防止できる。よって、紐の端部をより確実に紐止め具に固定することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0029】 次に、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図1(a),(b)に示すように、この紐止め具は紐止め具本体1に筒状のキャップ20を係止して紐30の端部を固定するものである。また、フック2を、例えば、首から提げるストラップや衣服の一部に取り付けて、紐30に、例えば携帯電話などの携行品を固定し、紐止め具を介して携行品を身につけて持ち運ぶために用いられるものである。紐止め具本体1及びキャップ20は弾性を持つ材料であり、例えば、合成樹脂材料によって成型されている。また、紐30は柔軟で断面積の小さい強靭な紐で、例えば、ナイロンの繊維を編んだ直径略0.8mmのものである。 【0030】 図2(a),(b)に示すように、紐止め具本体1には略J字型のフック2が設けられている。フック2の基部3の周囲には、平面視略四角形の鍔状に突設された鍔部4が設けられている。フック2の基部3には鍔部4を挟んで第一のアーム5が延設され、その先端6側に連結部7が第一のアーム5に対して略垂直方向に連設され、この連結部7を介して第二のアーム8が第一のアーム5と左右対称に連結されている。 【0031】 第一のアーム5と第二のアーム8は連結部7によって先端6,9側の間隔d1が基部3,11側の間隔d2よりも狭い略ハ字状に連結され、先端6,9側と基部3,11側とが開放されている。また、各アーム5,8の連結部7より先端6,9側は互いに略平行になっている。また、各アーム5,8の先端6,9には爪10,10が外向きに突設されている。 【0032】 第二のアーム8の基部11には、第一のアーム5の基部3と同様の平面視略四角形の鍔部12が突設されている。この鍔部12を挟んで第二のアーム8の反対側には板状のフラップ13が第二のアーム8よりも外側に向くように角度を持って延設されている。すなわち、紐止め具本体1の成型時にはフラップ13がフック2の外側に開いた状態で成型されている。また、フック2の先端部2aの内側には段部14がフラップ13の先端部13aの形状に合わせて形成されている。 【0033】 各アーム5,8の基部3,11の内側で各鍔部4,12よりもやや先端6,9側には、舌片状の支持部15,16が各アーム5,8に対して略垂直方向に一枚ずつ突設されている。各鍔部4,12と各支持部15,16との間隔d3,d3は紐30の径と同じか、やや小さくなっている。 【0034】 また、第一のアーム5に突設された支持部15と、第二のアーム8に突設された支持部16は、互いにすれ違うように、各アーム5,8の厚さ方向にずれた状態で突設されている。すなわち、第一のアーム5の支持部15が裏17側寄りに、第二のアーム8の支持部16が表18側寄りに突設されている。したがって、紐止め具本体1の成型時には、各支持部15,16の先端15a,16aは互いに僅かに重なり合うか、または僅かに隙間があく程度に成型されている。 【0035】 この各支持部15,16と各鍔部4,12及び各アーム5,8の基部3,11の内側によって挟持部19が構成されている。紐止め具本体1の成型時には各アーム5,8の基部3,11側が開いた状態で成型されているので、各アーム5,8の基部3,11の内側に設けられた挟持部19も開いた状態となっている。 【0036】 図2(b)に示すように、各アーム5,8は裏17側と表18側が先端6,9に近づくにつれて近接し、その厚さが徐々に薄くなるテーパ状に形成されている。また、連結部7は、各アーム5,8の裏17側寄りに設けられている。 【0037】 次に、図3(a)に示すように、各アーム5,8の基部3,11の鍔部4,12を連結部7と各アーム5,8の弾性力に抗して閉じ合わせると同時に、フラップ13をその弾性力に抗してフック2の内側に押し込んで、フラップ13の先端部13aをフック2の先端部2aに形成した段部14に係止させる。このとき各アーム5,8の基部3,11と鍔部4,12も閉じ合わされ挟持部19が閉じた状態となる。このとき、挟持部19は紐30の二本分の径方向の断面積と同じかやや小さくなっている。 【0038】 また、正面視で略ハ字状に成型されていた各アーム5,8の基部3,11を各アーム5,8の弾性力に抗して閉じ合わせたことにより、各アーム5,8の連結部7より基部3,11側が内側に弾性変形して、各アーム5,8が正面視で略平行となる。この略平行となった各アーム5,8を、筒状のキャップ20に挿入する。 【0039】 図3(a),(b)に示すように、キャップ20は各アーム5,8の挿入に適した先細り状の角筒で、その内周面に規制部21,21及び押圧部22,22を備えている。キャップ20の先細り形状は各アーム5,8の裏17側及び表18側に形成されたテーパ形状に対応している。キャップ20には各アーム5,8の基部3,11側の寸法に対応した大開口部23と先端6,9側の寸法に対応した小開口部24が形成されている。 【0040】 キャップ20が紐止め具本体1に装着されると、キャップ20の内周面に設けられた規制部21,21が弾性力に抗して閉じあわされた各アーム5,8の開きを防止する。そして、図3(b)に示すように、キャップ20装着後の各押圧部22,22と支持部15,16との間隔d4,d4は紐30の径と同じか、やや小さくなっている。同様に、押圧部22と連結部7の表18側との間隔d5は紐30の径の2倍か、それよりもやや小さくなっている。 【0041】 各アーム5,8をキャップ20に挿入するときは、各アーム5,8の先端6,9の外側に突出させた爪10,10を、各アーム5,8の持つ弾性に抗してキャップ20の大開口部23から規制部21,21の間に押し込むように挿入する。これにより、爪10,10が外側に開こうとする力が規制部21,21よって規制される。したがって、爪10,10がキャップ20の小開口部24から突出すると同時に規制部21,21による規制が開放され、爪10,10が小開口部24側の端部25に係止される。それと同時に大開口部23側の端部26が鍔部4,12に当接し、各アーム5,8の挿入が規制される。よって、キャップ20が爪10,10と鍔部4,12との間で固定され、紐止め具本体1に係止される。 【0042】 ここで、図4(a),(b)に示すように紐30の端部31,31を紐止め具本体1に係止する。 まず、紐30の端部31,31を紐止め具本体1の裏17側から表18側に支持部15,16と連結部7との間を通して保持する。次に、紐30のループ32側を各アーム5,8の基部3,11の開いた鍔部4,12の間を通して支持部15,16の裏17側から表18側に、巻き付けるように掛け渡して折り返す。 さらに、そのままループ32側を引っ張って、図5(b)に示すように、保持しておいた紐30の端部31,31が連結部7に載置され、各アーム5,8間に収まるように調整する。 【0043】 次いで、図5(a),(b)に示すように、第一のアーム5と第二のアーム8の基部3,11を閉じ合わせ、フラップ13の先端部13aをフック2の内側に押し込んで先端部2aに形成された段部14に係止させる。各アーム5,8が閉じ合わされ、フラップ13がフック2へ係止されることにより、基部3,11の間に設けられた挟持部19も閉じ合わされて、支持部15,16に巻き掛けられた紐30を両方向から挟み込んで固定する。よって、フラップ13をフック2へ係止する動作と紐30を挟持部19に挟み込む動作をワンアクションで行うことができる。 このとき、各アーム5,8の基部3,11には連結部7と各アーム5,8の弾性力によって外側に開こうとする力が生じるが、フラップ13の先端部13aをフック2の先端部2aの内側の段部14に係止することによって各アーム5,8の基部3,11及び鍔部4,12が閉じあわされた状態を維持することができる。 【0044】 この状態で、紐30のループ32側を通した筒状のキャップ20に各アーム5,8を挿入し、紐止め具本体1にキャップ20を係止する。 各アーム5,8をキャップ20に挿入することにより、支持部15,16の裏17側と表18側に掛け渡した紐30が、押圧部22,22によって支持部15の裏17側と支持部16の表18側に押し付けられて固定される。同時に、キャップ20と各アーム5,8のテーパ形状により紐30の端部31と支持部15,16を経て折り返されたループ32側とが重なり合って押圧部22によって連結部7に押圧され挟み付けられて固定される。また、爪10,10がキャップ20の小開口部24から突出してキャップ20に係止されると同時に大開口部23が鍔部4,12に当接し、キャップ20が爪10,10と鍔部4,12の間で固定される。 【0045】 これにより、図1(a),(b)に示すように、紐止め具本体1にキャップ20を係止して紐30の端部31を紐止め具本体1に固定した状態となる。キャップ20を紐止め具本体1に係止したことにより、キャップ20の内周面の規制部21、21によって各アーム5,8の基部3,11の開きが規制されるので、常に挟持部19が閉じて紐30を両方向から挟み込んで固定した状態が維持される。同時に、キャップ20の押圧部22,22が紐30を支持部15,16の裏17側と表18側及び連結部7の表18側に押圧し挟み付けて固定した状態が維持される。 【0046】 また、フラップ13はアーム5,8の基部3,11が閉じあわされた状態でも、フック2の内側の段部14よりも外側に開くように成型されているので、キャップ20を紐止め具本体1に係止した後も、その弾性力によってフック2の段部14に係止されている。すなわち、フラップ13の先端部13aをその弾性力に抗してフック2の内側に押し込むことで、フック2の段部14とフラップ13の先端部13aとの係合が外れ、フック2を開くことができる。また、フラップ13を押し込んだ力を取り除けば、その弾性力によって再びフラップ13の先端部13aがフック2の段部14に係止される。よって、フック2は常に開閉可能となっている。 【0047】 上記の構成によれば、紐30を紐止め具に係止する作業が、紐30を支持部15,16の裏17側と表18側に掛け渡し、フラップ13を閉じて紐30を挟持部19に挟み込み、キャップ20を紐止め具本体1に係止するだけでよい。よって、たとえ柔軟で断面積の小さい強靭な紐30であっても、カシメ付けをしたり端部31に結び目を作ったりすることなく、紐30の端部31を紐止め具に極めて容易に係止することができる。 【0048】 また、各支持部15,16は互いに向かい合いすれ違うように、各アーム5,8の厚み方向にずれた状態で突設されているため、各アーム5,8を少しでも閉じ合わせれば、先端15a,16aが互いに重なりあって隙間がなくなる。したがって、紐30を支持部15,16の裏17側と表18側に巻きつけるように掛け渡すときに、紐30が支持部15,16の先端15a,16aの隙間に入って外れ、挟持部19間に挟持できなくなることを防止できる。よって、紐30を支持部15,16の裏17側と表18側に掛け渡す作業が容易になり、紐30の端部31を紐止め具により容易に係止することができる。 【0049】 また、キャップ20に各アーム5,8を挿入するときに、紐30が挟持部19によって両方向から挟み込まれているため、紐30が散けキャップ20に各アーム5,8を挿入しづらくなることを防止できる。さらに、紐30の端部31をループ32側で連結部7に押さえ付けておくことができ、紐30の端部31も散けることがないので、キャップ20を紐止め具本体1に容易に係止させることができる。よって、紐30の端部31を紐止め具により容易に係止することができる。 【0050】 また、キャップ20と各アーム5,8をテーパ状に形成したことで、各アーム5,8をキャップ20に挿入するときに、各アーム5,8の先端6,9と大開口部23との間に逃げができ、各アーム5,8を容易にキャップ20へ挿入することができるので、キャップ20を紐止め具本体1に容易に係止させることができる。よって、紐30の端部31を紐止め具により容易に係止することができる。 また、キャップ20と各アーム5,8のテーパ形状によって、各アーム5,8のキャップ20への挿入に伴って、キャップ20内周面の押圧部22,22と支持部15,16との間隔d4,d4及び連結部7との間隔d5が徐々に狭まり、紐30は徐々に強く挟み付けられていく。したがって、キャップ20の装着が容易になると同時に、紐30をより確実に挟み付けて固定することができる。 【0051】 また、紐30のループ32側に引き抜き方向の力が働いたときには、この力に抗する十分な摩擦力が以下の作用によって紐30に働く。すなわち、第一にキャップの押圧部22,22と紐止め具本体1の支持部15,16の裏17側及び表18側との間の押圧、第二に挟持部19での両方向からの挟み込み、第三に支持部15,16の裏17側と表18側に掛け渡された紐30の支持部15,16周囲に対する巻き締め、そして第四にキャップ20の押圧部22と連結部7との間の押圧による摩擦力である。したがって、引き抜きの力が掛かっても紐30が抜け落ちることがない。 【0052】 また、第一のアーム5と第二のアーム8の基部側3,11を閉じ合わせて挟持部19を閉じ合わせたときに、2枚の舌片からなる支持部15,16が互いに重なり合うことで紐30の引き抜き方向の力による荷重をバランスよく分散し、支持部15,16の強度を保つことができるだけでなく、紐30が支持部15,16の端部15a,16aの隙間に入って脱落することを防止できる。よって、紐30を紐止め具に確実に係止することができる。 【0053】 また、携行品(不図示)を携帯するときには、紐止め具本体1に係止した紐30を携行品の一部に固定し、フラップ13をフック2の内側に押し込んでフック2を開き、例えば、ストラップや衣服(不図示)の一部にフック2を通し、再びフラップ13をフック2に係止してフック2を閉じる。これにより、紐止め具を介して携行品を、例えば、ストラップや衣服の一部に取り付けることができる。また、逆の手順によれば紐止め具を介して携行品を容易に取り外すことができる。よって、携行品を紐止め具を介して、例えば、ストラップや衣服の一部に着脱自在に取り付けて携帯することができる。 【0054】 尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、紐止め具に係止する紐は断面が円形でなくてもよく、リボンなどの細い布状のものでもよい。また、紐止め具本体及びキャップは樹脂製でなくてもよい。 また、上記の実施の形態では、あらかじめ各アームの基部を開いた状態で成型したものについて説明したが、各アームの基部を閉じた状態で成型してもよい。そして、フラップはフックを開閉可能に構成するものであれば、どこに設けてもよい。また、キャップを係止する爪はアームの先端でなくてもよく、キャップ側に設けてもよい。そして、鍔部はキャップの挿入を規制するものであれば鍔状でなくてもよい。 また、上記実施の形態における構成はこの発明の一例であり、該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。 【図面の簡単な説明】 【0055】 【図1】本発明の実施の形態における紐止め具を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図である。 【図2】本発明の実施の形態における紐止め具本体の成型時の形状を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 【図3】本発明の実施の形態における挟持部を閉じた状態の紐止め具本体とキャップを示し、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 【図4】本発明の実施の形態における紐止め具本体に紐の端部を係止する様子を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のC−C断面図である。 【図5】本発明の実施の形態における挟持部に紐を挟持した状態の紐止め具本体とキャップを示し、(a)は正面図、(b)は(a)のD−D断面図である。 【符号の説明】 【0056】 1 紐止め具本体 2 フック 3 第一のアームの基部(フックの基部) 4 第一のアームの鍔部(鍔部) 5 第一のアーム 7 連結部 8 第二のアーム 10 爪 11 第二のアームの基部(フラップの基部) 12 第二のアームの鍔部(鍔部) 13 フラップ 15 第一のアームの支持部(支持部) 16 第二のアームの支持部(支持部) 19 挟持部 20 キャップ 21 規制部 22 押圧部 30 紐 31 端部 32 ループ
|
| 【出願人】 |
【識別番号】399061466 【氏名又は名称】テプラス株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年6月22日(2006.6.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100108578 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 詔男
【識別番号】100089037 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邊 隆
【識別番号】100101465 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 正和
【識別番号】100094400 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 三義
【識別番号】100107836 【弁理士】 【氏名又は名称】西 和哉
【識別番号】100108453 【弁理士】 【氏名又は名称】村山 靖彦
|
| 【公開番号】 |
特開2008−335(P2008−335A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−172624(P2006−172624) |
|