| 【発明の名称】 |
スリッパ及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹田 祐家
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| 【要約】 |
【課題】スリッパ、特に簡易な構造をもつソフトスリッパにおける効率的な製造方法を提供することを目的とする。さらに、この製造方法で製造されたスリッパを提供することを目的とする。
【構成】底部表材と底部裏材の間に芯材を内包した底部と、前記底部表材の上方空間を覆うべく該底部の少なくとも両側縁に取り付けられる甲部とを備えたスリッパの製造方法において、底部表材及び底部裏材の各々の表面を外側に向け各々の裏面同士の間に芯材を挟み重ね合わせ、さらに前記底部裏材の表面と甲部の表面とが向き合うように前記甲部を重ね合わせる工程と、前記芯材を挟み前記底部表材、前記底部裏材及び前記甲部を重ね合わせた状態で全周縁を縁取りテープでくるみつつ縫製する工程と、前記底部表材の表面と前記甲部の裏面とが向き合うように反転させる工程とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 底部表材と底部裏材の間に芯材を内包した底部と、前記底部表材の上方空間を覆うべく該底部の少なくとも両側縁に取り付けられる甲部とを備えたスリッパの製造方法において、 底部表材及び底部裏材の各々の表面を外側に向け各々の裏面同士の間に芯材を挟み重ね合わせ、さらに前記底部裏材の表面と甲部の表面とが向き合うように前記甲部を前記底部裏材の上に重ね合わせる工程と、 前記芯材を挟み前記底部表材、前記底部裏材及び前記甲部を重ね合わせた状態で全周縁を縁取りテープでくるみつつ縫製する工程と、 前記底部表材の表面と前記甲部の裏面とが向き合うように反転させる工程とを有することを特徴とするスリッパの製造方法。 【請求項2】 請求項1に記載のスリッパの製造方法により製造されたスリッパ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、スリッパ、特にソフトスリッパの製造方法並びにこの製造方法により製造されたスリッパに関する。 【背景技術】 【0002】 一般にソフトスリッパと称されるスリッパは、軽く柔軟性があり構造も比較的シンプルである。例えば、特許文献1にその従来の製造方法が記載されている。図5は、特許文献1とほぼ同様の従来のソフトスリッパ製造方法の工程を概略的に示した図である。図5(a)〜(b)はいずれもソフトスリッパの長手方向に沿った中央断面図である。 【0003】 先ず、図5(c)の完成状態の断面図を参照してソフトスリッパ100の構成を概略説明する。ソフトスリッパ100は、一般的なスリッパと同様に底部120と、底部120の前側の上方空間を覆う甲部130とを接合して構成されている。図示の例では甲部130が前端部まで覆っているが、前端部が開いているタイプもある。底部120は底部表材121と底部裏材122の間に芯材123を内包している。甲部130は、図示の例では甲部表材131及び甲部裏材132の二層生地構成であり、足入れ口となる開口縁部は甲部縁取りテープ133でくるまれ縫製されている。別の例として甲部縁取りテープ133を用いない場合もある。その場合、甲部表材131と甲部裏材132を中表にして開口縁部に当たる部分を縫製した後、裏返せばよい。いずれの場合も、甲部表材131と甲部裏材132の間にウレタン等のクッション層を挿入してもよい。 【0004】 図5(a)は、従来のソフトスリッパの製造方法の最初の工程を示す図である。図示の状態とする前に、底部120の底部表材121と底部裏材122とを中表(裏面が外側)に重ね、それらの間に甲部130の生地(甲部表材131及び甲部裏材132は既に縁取り材133で縫合されている)を挿入してその周縁部を挟みこみ、芯材挿入口Eを残して周縁部を中表に縫製する(第1縫製工程)。縫製部分は符号141で示されている。縫製後、底部表材121及び底部裏材122の表面が外側となるように反転させる(第1反転工程)。これにより底部表材121と底部裏材122が袋状空間125を形成し、甲部130も外側に取り出される。その後、甲部130と底部表材121の前端部同士を縫製する(符号142)。これが図5(a)の状態である。この状態では底部裏材122と甲部130の表面とが向き合っている(図5(c)の完成状態とは逆)。この状態で、白矢印で示すように、芯材挿入口Eから芯材123を挿入する(芯材挿入工程)。 【0005】 図5(b)に示すように、芯材123の挿入後、底部120と芯材123の前端部同士を縫製する(第2縫製工程)。縫製部分は符号143で示されている。その後、白矢印で示すように前端部を甲部130の覆う空間内に押し込み、底部120と甲部130を互いに反り返らせるようにして反転させる(第2反転工程)。こうして、図5(c)の完成状態となる。完成状態では、底部表材121の表面と甲部130の裏面とが向き合うことになる。 さらに別の方法としては、図5(b)において、甲部130及び底部表材121と底部裏材122の前端部同士を縫製してから反転させる方法がある。 【特許文献1】特開2005−177407号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、特許文献1及び図5に記載されたスリッパの製造方法では、底部の縫製後に底部の芯材を挿入するため、最初の縫製工程では挿入口を残して縫製する必要がある。そして芯材を挿入後に挿入口を縫製して閉じなければならない。また、底部を中表で縫製して一度反転し、さらに、挿入口を縫製して再度反転しなければならない。従って、2度に分けて行う縫製工程、芯材を底部の袋状空間に挿入する工程、並びに2度の反転工程というように、作業工程が多く煩雑である。 【0007】 以上の現状に鑑み、本発明は、スリッパ、特に簡易な構造をもつソフトスリッパにおける効率的な製造方法を提供することを目的とする。さらに、この製造方法で製造されたスリッパを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記の目的を達成するべく本発明は以下の構成を提供する。 (1)請求項1に係るスリッパの製造方法は、底部表材と底部裏材の間に芯材を内包した底部と、前記底部表材の上方空間を覆うべく該底部の少なくとも両側縁に取り付けられる甲部とを備えたスリッパの製造方法において、 底部表材及び底部裏材の各々の表面を外側に向け各々の裏面同士の間に芯材を挟み重ね合わせ、さらに前記底部裏材の表面と甲部の表面とが向き合うように前記甲部を前記底部裏材の上に重ね合わせる工程と、 前記芯材を挟み前記底部表材、前記底部裏材及び前記甲部を重ね合わせた状態で全周縁を縁取りテープでくるみつつ縫製する工程と、 前記底部表材の表面と前記甲部の裏面とが向き合うように反転させる工程とを有することを特徴とする。 (2)請求項2に係るスリッパは、請求項1に記載の製造方法により製造されたものである。 【発明の効果】 【0009】 本発明によるスリッパ製造方法では、底部と甲部とを備えたスリッパにおける底部を構成する底部表材及び底部裏材の各々の表面を外側に向け、各々の裏面同士の間に芯材を挟み重ね合わす。従って、底部については当初から完成状態と同じ向きで底部表材、芯材及び底部裏材が重ねられる。そして、底部裏材の表面と甲部の表面とが向き合うように甲部を底部裏材の上に重ね合わせる。このように重ね合わされた底部と甲部の全周縁を縁取りテープでくるみ縫製する。その後、底部表材の表面と甲部の裏面とが向き合うように反転させて完成状態とする。 【0010】 本発明によるスリッパ製造方法によれば、従来技術のように底部表材と底部裏材とを中表で縫製する工程はない。また、芯材挿入部のみを残して縫製する工程及び芯材を挿入する工程もない。さらに、反転工程は一回のみでよい。この結果、作業工程が大幅に簡素化され、短縮される。 【0011】 また、本発明によるスリッパ製造方法により製造されたスリッパは、各部材の裁断された縁部が縁取りテープにより完全に覆われることにより確実に始末されるのでほつれる虞はなく、また外観上も美しい。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。 図1は、本発明によるスリッパ製造方法により製造されたスリッパの一例を示す外観斜視図である。本発明によるスリッパ製造方法の適用対象は、好適にはソフトスリッパである。各構成要素が柔軟性のある素材であるため、製造工程において裏表にひっくり返す反転作業を行い易いためである。スリッパ1は、足裏を載せる底部20と、足甲を覆う甲部30とから構成される。底部20は、底部表材21のみが現れている。甲部30は、図示の例では、甲部表材31と甲部裏材32の二層生地から形成されており、足入れ口となる開口縁部は甲部縁取りテープ33でくるまれ縫製されている。甲部30の別の例では、甲部縁取りテープ33を用いなくてもよい。その場合、甲部表材31と甲部裏材32を中表にして開口縁部に当たる部分を縫製した後、裏返せばよい。いずれの場合も、甲部表材31と甲部裏材32の間にウレタン等のクッション層を挿入してもよい。 【0013】 また、図示の例では、甲部30の前端部は底部20の前端部と接合されており、爪先部分に開口のないタイプである。これは例示であり、本発明は、爪先部分が開口する甲部をもつスリッパにも適用できる。本発明により製造されたスリッパ1は、底部20の周縁が、底部縁取りテープ50によりくるまれ縫製されている。この底部縁取りテープ50は、甲部30の取付部においては、底部20の周縁と共に甲部30の周縁も同時にくるんでおり、双方をくるんだ状態で縫製されている。縫製部分のミシン目は破線40で示されている。 【0014】 図2(a)は、図1に示したスリッパ1のA断面図であり、図2(b)は、図1に示したスリッパ1のB断面図である。なお、構造を明示するために、底部縁取りテープ50の部分は、厚みを誇張して描いている。 【0015】 スリッパ1の底部20は、底部表材21と底部裏材22の間に芯材23が挿入された構成である。底部表材21は、一般的には布材であり、ポリエステル、綿、麻等である。底部裏材22及び芯材23は、一般的には柔軟性のある合成樹脂であり、例えばEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)である。特に、芯材23は、クッションの役割を果たすので弾性材料が好ましい。各構成要素は、図では1枚ずつであるがこれは典型例であり、それぞれの構成要素が複数枚で構成されてもよい。柔軟性の程度は、後述する製造時における反転作業に支障のない程度とする。 【0016】 スリッパ1の甲部30は、甲部表材31と甲部裏材32の二層構成であるが、柔軟な甲部芯材を挿入してもよい。また一枚のみの生地でもよい。甲部30は、上記の底部表材21と同様に一般的には布材である。 【0017】 図2(a)に示すスリッパ1の前端部分及び図2(b)に示すスリッパ1の甲部の左右側縁部分では、上方から延びてきた甲部30の周縁と、下方から延びてきた底部20の周縁とが合わさり重なってスリッパ1の内側に折れて入り込んでいる。この内側に向いた甲部30と底部20の周縁は、底部縁取りテープ50によりくるまれ縫合されている。縫合部分は符号40で示す。図2(a)に示すスリッパ1の後端部分では、底部20の周縁のみが底部縁取りテープ50によりくるまれ縫合されている。底部縁取りテープ50は、1本の連続したテープがスリッパ1の全周縁を取り囲んでいる。縫合部分40もまたスリッパ1の全周縁を縫合している。 【0018】 次に、図3A及び図3Bを参照して、本発明によるスリッパの製造工程を説明する。図示しないが、準備工程として、図1及び図2に示したスリッパ1の底部20及び甲部30の各構成部品は、既に所定の形状に裁断され、甲部30については甲部縁取りテープ33により開口縁部の始末が既にされているものとする。 【0019】 図3Aは、最初に行う重ね合わせ工程を模式的に示す側面図である。底部については、下から底部表材21、芯材23及び底部裏材22の順で重ねる。このとき、底部表材21及び底部裏材22の各々の表面は外側に向いており、各々の裏面同士の間に芯材23を挟んでいる。さらに、底部裏材22の表面と、甲部30の表面31とが向き合うように底部裏材22の上に甲部30を重ね合わせる。すなわち甲部30の裏面32が外側に出ることになる。底部20と甲部30とはそれぞれの周縁を完成状態と同じになるように重ね合わせる。 【0020】 このように重ね合わせると、スリッパの前端部分では、底部表材21の前端部21a、底部裏材22の前端部22a、甲部表材31の前端部31a及び甲部裏材32の前端部32aの4層が重なり合う。一方、スリッパの後端部分では、底部表材21の後端部21b及び底部裏材22の後端部22bの2層が重なり合う。このように、全周縁において4層または2層の重なりが形成される。この部分を底部縁取りテープ50でくるむ。図3Aに概略断面を示す底部縁取りテープ50は、いわゆるバイアステープでありバインダーテープとも称される。このようなテープは使用前は平坦なテープであるが、テープ中央でコ字状に2つ折りにしてスリッパの周縁をくるむ。 【0021】 図3B(a)は、底部縁取りテープ50でスリッパの周縁をくるみつつ縫製する工程を示す概略上面図である。この縫製はミシン(図示せず)により行われる。底部縁取りテープ50は、使用前は平坦なテープであるが、巻き具(図示せず、バインダーとも称される)等の適宜の器具を通過させることにより自動的に中央で2つ折りされた状態となり、スリッパを構成する2層または4層の部材の周縁をくるむ、すなわちコ字状に包む。そして、底部縁取りテープ50の端縁に沿ってミシンで縫うことにより、テープとスリッパの各層が一体に接合される。図3B(a)の上面図に示すように、スリッパの全周が1本の連続的な底部縁取りテープ50で縫製される。縫製部分のミシン目は符号40で示す。黒矢印はミシン縫いの進行方向を示す。テープの始点と終点は若干重ね合わせて縫製するが、この部分は、完成状態としたときに外側に露出しないような位置に設ける。例えば、完成状態では甲部30で覆われるような位置に設ける。このように、本発明の製造方法によれば、芯材を挟んだ状態でスリッパの全周縁を一度の工程で縫製できる。 【0022】 図3B(b)は、図3B(a)のC断面図であり、全周縁の縫製後の状態を示す縦断面図である。この状態では、底部縁取りテープ50によりくるまれ縫製された周縁部がスリッパの外側に向いている。また、底部裏材22の表面と甲部30の表面とが向き合う状態である。これは、完成状態とは裏表が逆の状態である。そこで、白矢印で示すように、前端部を甲部30の覆う空間内に押し込み、底部20と甲部30を互いに反り返らせるようにして反転させ、裏返す。こうして、図1及び図2に示した完成状態となる。完成状態では、底部表材21の表面と甲部30の裏面とが向き合うことになる。本発明の製造方法によれば、反転工程は1回のみでよい。 【0023】 図4(a)は、反転後の完成状態における上面図であり、図4(b)は、同じく底面図である。 【図面の簡単な説明】 【0024】 【図1】本発明によるスリッパ製造方法により製造されたスリッパの一例を示す外観斜視図である。 【図2】(a)は、図1に示したスリッパ1のA断面図であり、(b)は、図1に示したスリッパのB断面図である。 【図3A】本発明によるスリッパ製造方法の重ね合わせ工程を模式的に示す側面図である。 【図3B】(a)は底部縁取りテープでスリッパの周縁をくるみつつ縫製する工程を示す概略上面図である。(b)は(a)のC断面図であり、全周縁の縫製後の状態を示す図である。 【図4】(a)は、反転後の完成状態における上面図であり、(b)は、同じく底面図である。 【図5】従来のソフトスリッパ製造方法の各工程(a)〜(c)を概略的に示した図である。 【符号の説明】 【0025】 1 スリッパ 20 底部 21 底部表材 22 底部裏材 23 芯材 30 甲部 31 甲部表材 32 甲部裏材 33 甲部縁取りテープ 40 縫製部分 50 底部縁取りテープ
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| 【出願人】 |
【識別番号】505024707 【氏名又は名称】エトワール株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月16日(2006.8.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095267 【弁理士】 【氏名又は名称】小島 高城郎
【識別番号】100124176 【弁理士】 【氏名又は名称】河合 典子
【識別番号】100111604 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 卓也
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| 【公開番号】 |
特開2008−43528(P2008−43528A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−221987(P2006−221987) |
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