| 【発明の名称】 |
靴の中敷 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 聖人
【氏名】佐藤 英人
【氏名】近藤 智幸
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| 【要約】 |
【課題】断熱機能に優れ、損傷しにくい靴の中敷を提供することを目的としている。
【構成】靴類の底板200の中間から足のつま先近傍までの間に載置される中敷本体110を有し、この中敷本体110が、片面に熱溶着層を有するガスバリア性の2枚の外皮材112を、前記熱溶着層112dが対向するようにして中間に芯材111を挟み、前記ガスバリア性外皮材112の周囲を入口部分を残してヒートシールして袋状にし、該袋内を減圧して前記入口部分をヒートシールして密閉し、該芯材の周囲の前記外皮材の熱溶着層同士を常圧下で無加圧・加熱溶着し、前記芯材111を避けて所定の形状に切断して形成された。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 靴類の底板の中間から足のつま先近傍までの間に載置される中敷本体を有し、この中敷本体には、真空断熱材が用いられたことを特徴とする靴の中敷。 【請求項2】 前記中敷本体が、片面に熱溶着層を有するガスバリア性の2枚の外皮材を、前記熱溶着層が対向するようにして中間に芯材を挟み、前記外皮材の周囲を入口部分を残してヒートシールして袋状にし、該袋内を減圧して前記入口部分をヒートシールして密閉し、該芯材の周囲の前記外皮材の熱溶着層同士を常圧下で無加圧・加熱溶着したことを特徴とする請求項1記載の靴の中敷。 【請求項3】 前記芯材が、有機発泡体又は無機もしくは有機繊維のシート或いはマット又は無機もしくは有機粉体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の靴の中敷。 【請求項4】 前記中敷本体が、シート材に覆われていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の靴の中敷。 【請求項5】 前記シート材が、前記底板のほぼ全面を覆う大きさであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の靴の中敷。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は靴の中敷に関し、特に、保温性に優れた靴の中敷に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、保温性を目的とした靴の中敷としては、フェルト繊維等の合成繊維や羽毛等の天然繊維、合成スポンジ等の断熱材などが使用されてきた。しかし、これらの断熱材は、断熱性能が悪いため、保温効果が小さく、スキーなどの冬季のスポーツや、寒冷地における使用では不十分であった。 【0003】 また、断熱性能を上げるために、フェルトや合成スポンジなどの厚さを厚くすることが考えられるが、そうすると履き物の内部が狭くなって窮屈になる。 【0004】 このような問題に対し、特許文献1(特開2002−209607)では、靴の中敷に圧電素子を取り付け、人の歩行、運動によるエネルギーで発電して発熱し、保温効果を上げるものが提案されている。発熱体としては、使い捨てカイロを使用することも考えられる。 【0005】 また、特許文献2(特開平8−89310)では、靴の中敷に蓄熱保温材を取り付けることを提案している。 【0006】 しかしながら、圧電素子による発電や、カイロなどの発熱体を使用するものは、発熱量の調整がむずかしく、低温やけどの危険性がある。また、蓄熱保温材を使用した場合は、持続時間が限られており、随時加温する必要がある。また、厚みがあるので、窮屈である。重量があり重い。等の問題もある。 【0007】 このような問題に対し、特許文献3(特開2005−137557)では、真空断熱材を使用した靴の中敷を提案している。真空断熱材は、芯材をガスバリア性の外皮材で覆い、減圧下で外皮材に形成された熱溶着層同士を溶着したもので、薄くても高い断熱性を有する。 【特許文献1】特開2002−209607 【特許文献2】特開平8−89310 【特許文献3】特開2005−137557 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 しかしながら、真空断熱材を足裏の全体に配置すると、真空断熱材を損傷し易く、真空が破壊され、断熱機能を失ってしまう。さらに、使用している際に中間部から折れてしまい、その結果、外被材に突起したしわ、折れ線が発生して足裏を刺激するため、不快感を与えてしまう。 【0009】 本発明は、このような実情から考えられたもので、断熱機能に優れ、かつ、損傷しにくい靴の中敷を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0010】 上記の目的を達成するために本発明の靴の中敷は、靴類の底板の中間から足のつま先近傍までの間に載置される中敷本体を有し、この中敷本体には、真空断熱材が用いられたことを特徴としている。ここでいう靴類には、靴は勿論、サンダルやスリッパや草履なども含まれる。 【0011】 前記中敷本体が、片面に熱溶着層を有するガスバリア性の2枚の外皮材を、前記熱溶着層が対向するようにして中間に芯材を挟み、前記外皮材の周囲を入口部分を残してヒートシールして袋状にし、該袋内を減圧して前記入口部分をヒートシールして密閉し、該芯材の周囲の前記外皮材の熱溶着層同士を常圧下で無加圧・加熱溶着した構成とすることができる。 【0012】 前記芯材が、有機発泡体又は無機もしくは有機繊維のシート或いはマット又は無機もしくは有機粉体である構成としたり、前記中敷本体が、シート材に覆われている構成としたり、前記シート材が、前記底板のほぼ全面を覆う大きさである構成とすることができる。 【発明の効果】 【0013】 本発明の靴の中敷は、足の保温が必要なのは、つま先部分を含む足の前半部分であり、かかと側の部分は保温の必要性は低いということを見いだしたことにより成されたものである。そこで、足のつま先側の前半分の下に、真空断熱材を敷くこととしている。足のつま先側を効果的に保温することによって、足全体の保温をすることができる。また、真空断熱材は、かかとの下にはないので、破損される危険性がなくなり、断熱機能を長期間に渡って安定して維持することができるとともに、足全体に真空断熱材を配置した場合に発生する、中央部の外装材の突起、折れ線を防止し、不快感を与えることがない。 【0014】 また、本発明の靴の中敷に使用する真空断熱材は、熱溶着層の接着を常圧下で行うので、特許文献3に記載の真空断熱材に比べて、製造装置が簡単になり、安価に製造することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。 【0016】 図1は、本発明の靴の中敷100を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線で切断して拡大した断面図である。ただし、厚さ方向の拡大率の方が大きくなっている。 【0017】 本発明の靴の中敷100において中敷本体110は、靴類の底板200の中間からつま先側の足の前半側に設置され、上下からシート材120で挟んだ構成となっている。本発明の靴の中敷100は、靴だけでなく、サンダル、スリッパ、草履など履き物全般に使用可能なものである。 【0018】 中敷本体110は、芯材111を上下のガスバリア性外皮材112で挟み、減圧してガスバリア性外皮材112に形成された熱溶着層を加熱溶着して形成された真空断熱材である。 【0019】 図2は、ガスバリア性外皮材112の構成を示す拡大断面図である。ガスバリア性外皮材112は、この実施例では、外側の保護層112aと、内側の保護層112bの二重の保護層と、ガスバリア層112cと、熱溶着層112dの4層が積層された構造となっている。 【0020】 実施例では、外側の保護層112aは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムで、内側の保護層112bは、ナイロンを使用しているが、内外の素材を逆にしてもよく、所望の性能が確保できれば他の素材を使用してもよい。なお保護層は一層だけの場合もある。 【0021】 熱溶着層112dは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び無延伸のポリプロピレンのいずれかのフィルムを使用することができる。 【0022】 ガスバリア層112cは、アルミ箔等の金属箔、或いはアルミニウム蒸着フィルム等の金属若しくは無機物の蒸着フィルムにて形成される。蒸着フィルムとは、アルミニウム等を高真空状態で電子ビームや高周波誘導などによって加熱蒸発させ、その蒸気をフィルム表面に付着させたもので、ガス遮断性、防湿性などのバリヤー性能に優れている。 【0023】 図3は芯材の製造方法を説明する図である。芯材111は、真空中にあってもガスの発生が少ない素材で、有機発泡体としては、連続気泡硬質ポリウレタンフォーム、フェノールフォームなどを使用することができる。繊維体としては無機繊維には、ガラス繊維、セラミックファイバー、ロックウール、シリカアルミナウールなどを使用することができる。また、有機繊維には、PET繊維等のポリエステル系、PP繊維等のポリオレフィン系、ナイロン繊維等のポリアミド系等のプラスチック繊維、若しくはケナフ繊維、バナナ繊維等の植物由来の繊維を使用することができる。粉体としては、無機粉体には、乾式シリカ、湿式シリカ、パーライト等を主成分とする公知の材料を使用することができる。また、有機粉体には、ケナフ等の粉体を使用することができる。例えば、ガラス繊維に有機バインダーを0.5〜1.5wt%塗布して積層、圧縮成形したガラス繊維マットやケナフ繊維マット、或は、バインダー等の結合剤を塗布せずにニードルパンチにより圧縮成形したガラス繊維マットやガラス繊維とPET繊維の混合物、若しくは、ガラス繊維等を水を用いて集綿し、加熱圧縮成形したガラス繊維マット等などを使用することができる。これらの素材で作られたシート或いはマット111aから、プレスなどの型を用いて打ち抜いて芯材111を形成する。一度に30〜50枚の芯材111を打ち抜くことができる。 【0024】 次に、中敷本体110の製造方法を説明する。まず、図3に示すようにして作られた複数の芯材111を整列させて、ガスバリア性外皮材112にて挟む。このとき、ガスバリア性外皮材112の熱溶着層112d同士が向き合うようにする。そして、上下重なった外皮材112の周囲のうち、入口となる一辺を残した3辺をヒートシールして、図4(a)に示すように、周辺部112eを溶着する。これによって、ガスバリア性外皮材112が袋状になり、その袋の中に複数の芯材111が整列して収容された状態となる。なお芯材111は、一方のガスバリア性外被材112の熱溶着層112d上に、のり、接着剤等を利用して、減圧前に予め固定しても良い。 【0025】 次に、図4(a)に示すものを真空包装機にセットし、袋内部を減圧する。所定の圧力まで減圧されたら、図4(b)に示すように、入口部分112fをヒートシールして封止する。これによって、袋内及び芯材111内は減圧された状態で保たれ、高い断熱性能を得る事ができる。 【0026】 図4(b)に示すものを、加熱ローラ等で押圧する等の機械的圧力をかけない(無加圧)で、そのまま温風乾燥器等の加熱炉に入れ、常圧下で熱溶着層112dが溶融する温度より5〜35℃高い温度まで全体を加熱する。若しくは図4(b)に示す芯材周囲部分112gの芯材111の周縁部分(芯材周縁部から約30mm以内)のみにドライヤー等の温風または遠赤外線等の電磁波を当て、常圧下で熱溶着層112dが溶融する温度より5〜35℃高い温度まで加熱することによって、ガスバリア性外皮材112の芯材周囲部分112gが隙間を作ることなく均一に溶着される。 【0027】 上記した、芯材111の周縁部分のみに温風等を当てる方式は、全体を加熱する方式よりも芯材あるいは熱溶着層より発生するガスの量を抑えられるため、加熱処理後の断熱性能の悪化を殆どなくすことが可能となる。 【0028】 特許文献3では、真空断熱材を使用しているが、この真空断熱材は、芯材周縁部の熱溶着層112d同士の溶着を、加圧しながら加熱して行っている。これに対し、本発明では、加熱炉内に真空断熱材を入れて加熱する、あるいは芯材周縁を囲む外被材の部分だけに熱を当てるだけであるので、製造設備が簡単になり、安価に真空断熱材を製造することが可能となる。 【0029】 この後、芯材111の芯材周囲部分112gを、芯材111の周縁部から2〜10mm離れた位置で切断して所望の形状と大きさの中敷本体110とする。2mm以下の場合は、接着している面積が小さくなり、剥がれるおそれがあるからであり、10mm以下としたのは、ガスバリア性外皮材112同士が接着した部分より芯材111がある部分の方が、断熱性能が優れているからである。 【0030】 次に、この中敷本体110を上下から底板200とほぼ同じ大きさのシート材120でサンドイッチ状に挟む。シート材120は、上下で材質を代えてもよい。たとえば、下側は軟質の発泡ポリウレタンを使用し、上側は、ニットの布を使用する、などである。下側に軟質の発泡ポリウレタンを使用すると、通気性を確保することができる。ニットの代わりに織布を使用すると、反りが出やすくなり、不織布は強度が低いので望ましくなく、ニットが望ましい。 【0031】 また、シート材120に、防臭、抗菌効果のあるものを練り込んだり、塗布するなどして担持させるとよい。 【0032】 図1に示す靴の中敷100中の中敷本体110は、つま先側から足の土踏まず近辺までで、かかとの部分にはない。かかとで中敷本体110を踏むと、中敷本体110を構成する真空断熱材が破れてしまう危険性があるので、本発明において中敷本体110は、土踏まずからつま先側の前半分としている。また、冬季の寒さを防ぐのは、つま先側だけで十分だからである。さらに、靴底全体に真空断熱材を配置すると使用中に中央部で折れてしまい、外装材に折れ線や突起部が発生し、不快感を与えてしまう。 【0033】 なお中敷100は土踏まずからつま先側の前半分とした構成としてもよい。この場合は以下の利点がある。すなわち中敷は、大きめのものを市販し、購入者が自分の靴のサイズに合わせて切断して使用するが、サイズ合わせのときに真空断熱材の芯材111部分を切断してしまうおそれがある。しかしこの場合は、中敷100を底板200の前半の約1/2にしているので、このサイズ合わせをする必要がなくなる。その結果、中敷本体110を切断するおそれがなくなる。 【0034】 なお、本発明の中敷本体110は、真空断熱材の厚さを5mm以下と薄くすることができ、足の前半だけに敷いても、違和感を感じることはない。 【0035】 また、芯材111は、1つの靴の中敷100に1つとすることが望ましい。多数の小さな芯材を碁盤目状に配置すると芯材の無いガスバリア性外皮材112同士が接着した部分から熱が漏洩し、断熱性能が十分に発揮されないからである。 【0036】 以上の実施例は、靴の中敷として説明したが、サンダルなどの底板の上に敷いて使用してもよい。この場合、盛夏時の地面の熱を遮断できるという効果がある。 【図面の簡単な説明】 【0037】 【図1】本発明の靴の中敷を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線で切断し、拡大した断面図である。 【図2】ガスバリア性の外皮材の構成を示す拡大断面図である。 【図3】芯材の製造方法を説明する図である。 【図4】本発明の真空断熱材を製造する工程を説明する図で、(a)は周辺部3辺をヒートシールして2枚の外皮材を袋状にした状態、(b)は袋内を減圧して入口部分をヒートシールした状態、(c)は芯材の回りの外皮材を無加圧で加熱溶着した状態を示す図である。 【符号の説明】 【0038】 100 中敷 110 中敷本体 111 芯材 112 ガスバリア性外皮材 112d 熱溶着層 120 シート材 200 底板
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116792 【氏名又は名称】旭ファイバーグラス株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月5日(2006.7.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098707 【弁理士】 【氏名又は名称】近藤 利英子
【識別番号】100077698 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 勝広
【識別番号】100146042 【弁理士】 【氏名又は名称】梶原 克哲
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| 【公開番号】 |
特開2008−12008(P2008−12008A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−185204(P2006−185204) |
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