トップ :: A 生活必需品 :: A41 衣類




【発明の名称】 制電衣服
【発明者】 【氏名】能村 豊房

【要約】 【課題】制電性、風合い、外観に優れ、静電気からのデバイスの保護が充分に達せられるIEC規格に適合した制電性を有し、比較的安価に得られる制電衣服を提供する。

【構成】導電糸を所定の間隔で織編した布帛を少なくとも2枚以上用い、両布帛の接続部に、導電性トリコットを配置し、該両布帛の導電糸と該トリコットの導電糸が重ね合わさって縫製されていることを特徴とする制電衣服。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電糸を所定の間隔で織編した布帛を少なくとも2枚以上用い、両布帛の接続部に、導電性トリコットを配置し、該両布帛の導電糸と該トリコットの導電糸が重ね合わさって縫製されていることを特徴とする制電衣服。
【請求項2】
前記導電性トリコットが、導電糸を格子状に配列し、表面漏えい抵抗が107 Ω以下であることを特徴とする請求項1に記載の制電衣服。
【請求項3】
前記布帛が、導電糸をストライプ状に配置している布帛であること特徴とする請求項1または2に記載の制電衣服。
【請求項4】
導電性トリコットが、衣服の襟及び/又は首部分に用いられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制電衣服。
【請求項5】
前記制電衣服の表面抵抗が、IEC61340−5−1の測定において、5.0×1011Ω以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の制電衣服。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイス、電子部品、又は電子材料を取り扱う作業者等の作業用衣服として好適な制電衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
合成繊維からなる布帛は、一般に強度、耐久性、無塵性に優れ、作業用衣服として使用されているが、電子デバイス、電子部品、並びに電子材料を取り扱う作業においては、制電性が要求されている。最近では、液晶や半導体を中心に、精密で高度な電子デバイス、電子部品を取り扱う場合が多くなり、制電衣服として、高度の制電性、無塵性が要求されている。制電衣服の制電基準としては、静電気に関する基準であるIEC規格(国際電気標準会議規格)があり、例えば、IEC61340−5−1(静電気現象からの電子デバイスの保護規定)の測定において、表面抵抗値が1012Ω以下である制電性が望まれている。
衣服の制電性を高める為に、導電性の高い繊維を用いることが提案され、特許文献1には、繊維表面をカーボンブラックで被覆した繊維を用いた生地が開示されているが、作業中での衣服の擦れに伴い、導電材料が脱落するとの懸念がある。また、特許文献2には、生地と生地の接合部に導電性フィルムを接着する方法が開示されているが、接合部が硬くなり、布帛全体の柔軟性にかけるという問題が生じる。上記のIEC規格の61340−5−1(静電気現象からの電子デバイスの保護規定)を満足し、柔軟性、コスト性を満足する制電衣服の提供が望まれている。
【0003】
【特許文献1】国際公開第02/075030号パンフレット
【特許文献2】特公平06−053964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の問題を解消し、制電性、風合い、外観に優れ、静電気からのデバイスの保護が充分に達せられるIEC規格に適合した制電性を有し、比較的安価に得られる制電衣服を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決すべく、種々検討した結果、導電糸が配置された布帛同士の接続部に、導電性に優れたトリコット布帛を用いることで、優れた制電性と柔軟性を得ることを見出し本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
1.導電糸を所定の間隔で織編した布帛を少なくとも2枚用い、両布帛の接続部に、導電性トリコットを配置し、該両布帛と導電糸と該トリコットの導電糸が重ね合わさって縫製されていることを特徴とする制電衣服。
2.前記導電性トリコットが、導電糸を格子状に配列し、表面漏えい抵抗が107 Ω以下であることを特徴とする上記1.に記載の制電衣服。
3.前記布帛が、導電糸をストライプ状に配置している布帛であること特徴とする上記1.または2.に記載の制電衣服。
4.導電性トリコットが、衣服の襟及び/又は首部分に用いられていることを特徴とする上記1.〜3.のいずれかに記載の制電衣服。
5.前記制電衣服の表面抵抗が、IEC61340−5−1の測定において、5.0×1011Ω以下であることを特徴とする上記1.〜4.のいずれかに記載の制電衣服。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、導電糸がストライプ状又は格子状に配置された布帛において、その両者の接続部に、導電性に優れたトリコット布帛を用いることで、優れた制電性、無塵性、柔軟性を得ることができた。特に、静電気からのデバイスの保護が充分に達せられるIEC基準(IEC61340−5−1の測定)に適合した制電性(表面抵抗108 〜1011Ω)を有し、少量の導電糸使いで、比較的安価に得られる制電布帛を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明では、導電糸を適当な間隔で織編した布帛を少なくとも2枚用い、該両布帛の接続部に、導電性トリコットを配置している。
導電糸としては、例えば、金属、導電性金属化合物、カーボンブラックなどの導電性物質を練りこんだ合成繊維、該混入成分を含む複合繊維等からなる糸が挙げられる。代表的な繊維としては、カネボウ株式会社製のベルトロン(登録商標)があり、カーボンベルトロン931、B31(商品名)などが挙げられる。
これらの繊維は、エステル繊維をベースとして、カーボンブラックなどの導電性材料が、繊維表面の一部にのみ露出した繊維である。導電糸を適当な間隔で織編した布帛は、制電衣服の殆ど全体に渡って占めるものであり、柔軟性、無塵性の観点から、これらに使用される導電糸は、導電材料の脱落の危険性の少ない、導電性物質が繊維表面にわずかに露出している、所謂、低導電性繊維が好ましく用いられる。これらの導電性繊維の電気抵抗は106 〜1010Ω/cmである。導電糸の繊度としては20〜40dtexであることが好ましく、単糸数は3〜10本であることが好ましい。
【0008】
導電性繊維と共に布帛の主要部に用いられる繊維としては、合成繊維として、ポリエステル、ナイロン等のフィラメント糸や紡績糸などが好ましく、また、親水性基を導入した制電性ポリエステル、制電性ナイロンがより好ましく用いられる。
導電糸を適当な間隔で織編した布帛としては、織物の場合、平織り、綾織、朱子織等、特に限定されないが、導電糸配列の規則性の点から、平織り、綾織が好ましい。また、打ち込みの密度は、縦糸100〜250本/インチ、緯糸50〜150本/インチと比較的高密度の織物が好ましい。用いる繊維の繊度は、50〜150dtexであり、単糸繊度は1.5〜3.0dtexである。
導電糸は、ストライプ状、格子状のいずれに配列しても良いが、コスト面で、ストライプ状が好ましい。ストライプの間隔は、3〜20mm程度が好ましい。導電糸は、経糸及び/又は緯糸に等間隔で打ち込むことにより、ストライプ状又は格子状の配列織物とすることができる。また、導電糸は予め普通糸と複合混繊し、その後、経糸及び/又は緯糸に等間隔で打ち込むこともできる。
【0009】
導電糸の配列は特に限定されないが、経糸又は緯糸においては、導電糸/普通糸の配列は、1本/10本〜1本/50本が好ましい。導電糸の布帛のおける含有量は、ストライプ状配列の場合は布帛全体の0.2〜1.0wt%が好ましく、より好ましくは、0.3〜0.6wt%であり、格子状配列の場合は布帛全体の0.4〜2.0wt%が好ましく、より好ましくは、0.6〜1.2wt%である。
このように、制電布帛全体としては、導電糸の使用量は高々1〜2wt%に留まる量であるが、布帛同士の接続部等に特殊な導電性トリコットを用いることで、衣服全体として、優れた制電性を得ることができ、少量の導電糸の使用が、無塵性、柔軟性の効果も高めることができる。
【0010】
本発明においては、両布帛の接続部に導電性トリコットを配置している。導電性トリコットは、導電糸を5〜20wt%含有するものである。導電糸としては、導電性の高い、所謂高導電糸が好ましく用いられ、繊維表面にカーボンブラックが被覆されているものが好ましい。例えば、カネボウ株式会社製、カーボンベルトロン33T/6−BRI(商品名)等が挙げられる。繊度は20〜50dtexの範囲が好ましく、トリコットとして、導電糸がバイアスの格子状に配列されていることが好ましい。
本願発明において、高導電性の導電糸を比較的多く含有する柔軟性に富む導電性のトリコットを、衣服の接続部又は縫製部位に用いることにより、布帛中の導電糸(低導電糸)とトリコットの導電糸(高導電糸)が互いに接触するよう重ね合わさっており、その結果、衣服全体として優れた制電性を得ることができる。
【0011】
トリコットの編組織としては、アトラス編、トリコットハーフ等が好ましい。このような編組織であると、トリコット本来の柔らかい風合いを維持することができ、接続部に用いても、衣服全体の風合いを損ねることはない。導電性トリコットにおいて、表面漏えい抵抗が107 Ω以下であることが好ましく、より好ましくは1〜5(×106 Ω)の範囲である。
トリコットにおける導電糸の配列は、図1に示した様に、2〜10mmピッチであり、バイアスの格子状に導電糸配列が好ましい。トリコットを構成する繊維の繊度は20〜100dtexの範囲が好ましく、単糸繊度は1.0〜3.0dtexが好ましい。目付量としては、10〜100g/m2 の範囲が好ましい。柔軟性は、45度カンチレバー法による測定で、50mm以下が好ましい。繊維種としては、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維が好ましい。
【0012】
具体的なトリコットの糸構成としては、フロント糸、ミドル糸、バック糸の、少なくともいずれかに上記導電糸を特定間隔で配列することが好ましい。この場合、導電糸はループ状に編みこまれながら、バイアスの格子状に配列され、導電糸が互いに交点で交わり、導通性が顕著に向上する。トリコットの糸構成おいて、フロント糸、ミドル糸、バック糸に、同位置に共通して導電糸を使用すると、導電効果は相乗的に高まり、より好ましい態様といえる。
布帛とトリコットとの接続は、通常の接続方式であり、特に限定されない。例えば、図2のパイピング縫製、図3の二重環縫製などの方式が好ましい。
図2はパイピング縫製の接続であり、図3は二重環縫製による接続であり、いずれの方法においても、2枚の布帛中の導電糸(低導電糸)と、トリコットの導電糸(高導電糸)が互いに接触するよう重ね合わさって接続縫製されている。この接続において、比較的導電性の低い2枚の布帛が、導電生の高いトリコットで接続されることで、導通の方向性が顕著に増加する。その結果、2枚の布帛中の導電糸が有する直線的な導通性から、格子状トリコット導電糸の効果により、多面的多角的な導通性に改善されることが伺える。
【0013】
この導通性の多角的多角的な改良は、IEC基準での測定において顕著な効果として評価される。
本発明では、制電特性を示す指標として、IEC規格(IEC61340−5−1の測定)を用いて評価した。この測定方式は、図4に示した方法で行うものであり、1つの縫い目(接続部)を含んだ試料30cm間の表面抵抗値を測定するものであるが、測定箇所が互いに試料の軸に対して異なる位置で測定することを対象としており、図4では、測定箇所として、A−B間ではなく、A−C間の測定となる。この測定方法で、表面抵抗が1012Ω以下であると、IEC規格として、静電気現象からの電子デバイスの保護が得られる適用範囲であるといえる。
導電糸がストライプ状に配置された布帛においては、このIEC規格測定方法では、測定箇所が互いに試料の軸に対して異なる位置で測定することを対象としているので、表面抵抗は大きくなり、測定の上限を超えて、測定不能となる。
【0014】
この布帛を2枚用意し、通常のミシン糸で縫いこんで接続しても、表面抵抗は大きな数値となり、測定の上限を超えて測定不能となる。この2枚の布帛の接続部に、導電性のトリコットを細幅にしてその上下面に布帛を重ね合わせて図3の方法で接続すると、測定箇所が互いに試料の軸に対して異なる位置で測定しても、導電性トリコットの接続部で、布帛の導電糸とトリコットの導電糸が互いに接触し、重ね合わせが生じるため、表面抵抗値は、108 〜1011Ωの数値が得られ、優れた制電効果を得ることができる。
導電糸が格子状に配置された布帛においては、この方法で測定すると、表面抵抗は大きくなり、測定の上限を超えて、測定不能となる。この布帛を2枚用意し、通常のミシン糸で縫いこんで接続しても、表面抵抗は大きな数値であり、測定の上限を超えて、制電効果は少なく、測定不能となる。しかしながら、この2枚の布帛の接続部に、導電性のトリコットを細幅にしてその上下面に布帛を重ね合わせて図3の方式で接続すると、測定箇所が互いに試料の軸に対して異なる位置で測定しても、導電性トリコットの接続部で、布帛の導電糸とトリコットの導電糸が接触する重ね合わせが生じ、表面抵抗値は107 〜108 Ωの数値が得られ、非常に優れた制電効果を得ることができる。
【0015】
本発明の制電衣服は、このように、IEC規格(IEC61340−5−1、5−2)を満足するものであり、表面抵抗は5.0×1011Ω以下の数値が得られ、より好ましくは、表面抵抗は107 〜1011Ωの範囲である。
導電性トリコットが、縫製接続位に用いられると共に、衣服の襟及び/又は首部分に用いられるとより好ましい制電衣服となる。制電衣服において、襟や首部は、布帛の接合部となる部分であり、襟及び/又は首部に単独に導電性トリコットを用いることで、効率的な制電衣服を提供することができる。首部を導電性トリコットとした例を図5に示す。この制電衣服では、IECの表面抵抗値は107 〜109 Ωの範囲を達成でき、優れた制電性能を有する。
本発明における制電衣服において、導電性トリコットの使用割合は、衣服全体の1〜10wt%の範囲であり、より少量の導電性トリコットの使用で、より高い制電性能と、柔軟性、無塵性を得ることができる。
【実施例】
【0016】
以下に本発明を実施例などを用いて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。実施例で用いた評価は以下の方法によった。
(1)繊度:500倍の拡大写真より繊維径を測定し、繊度とする。
(2)目付:25℃、60%RHの環境において、1m2 あたりの重量を測定し、そのグラム数を目付とする。
(3)表面抵抗
IEC61340−5−1(静電気現象からの電子デバイスの保護)、付属書Aの試験方法に準拠した。
<測定方法>
1)環境:23℃*25%RH
2)試料:1つの縫い目が含まれること。
3)測定器:印加電圧;10V以下(105 Ω以下の場合)
100V(105 Ωを超える場合)
プロローグ:JIS−C−2170の規定のもの
4)測定手順:
試料(約40cm*50cm)を調湿する(48時間)。
30cm間の表面抵抗値を3箇所測定し、平均値で示す。試料の軸に対して異 なった位置で測定する。図4に示すA−C間で測定する。
(4)表面漏えい抵抗(Ω)
1)JIS−L−094に準じて測定。
2)試験室環境:20℃、40%RH
3)印加電圧:1000V
【0017】
[実施例1、比較例2]
導電糸をストライプ状に織り込んだ織物Aにおいて、経糸として、ポリエステル長繊維糸(繊度84dtex、単糸数30本)と、導電糸(カネボウ株式会社製、カーボンベルトロンB31(商品名)、繊度22dtex/6fil)とポリエステル長繊維糸(繊度56dtex、単糸数24本)との混繊糸を、配列26:1の割合で経糸整経した。緯糸としてポリエステル長繊維糸(繊度112dtex、単糸数48本)を用い、ツイル織物とした。その後、精練仕上げして、織物Aとし、縦糸の密度は160本/インチであり、緯糸密度は109本数/インチであり、4mm間隔で導電糸が経糸としてストライプ状に配列された。
織物AのIEC規格での表面抵抗値を測定した所、測定限界を超えて、測定不能であった(測定限界5.0×1011Ω)。
【0018】
導電性トリコットBは、アトラス編とし、フロント部にポリエステル長繊維糸(繊度33dtex、単糸数24本)と、導電糸としてカーボンブラックが繊維表面を被覆しているカネボウ株式会社製、カーボンベルトロン33T/6FIL−BRI(商品名)を用い、その配列割合を7:1(導電糸12.5%)し、バック部もフロントと同一の構成とした。得られた織物を精練し、仕上げをして、導電性トリコットBを得た。得られたトリコットは、図1に示した様な、バイアスの格子状に4mmピッチで導電糸が配列されたものであり、得られた導電性トリコットの表面漏えい抵抗値は3.5×106 Ωであった。
生地Aと、10mmの細幅としたトリコットBを図3の方式で接合し、ミシン糸で接合部を縫製した。縫製後、実施例1の表面抵抗値を測定した所、3.3×1011Ωであり、IEC規格を満足するものであった。導電性トリコットは非常に柔軟性に富み、接合部で縫製しても、接合部として硬くなることは無かった。
比較例1として、接合部分に導電性トリコットBを用いずに、他の条件は実施例1と同様とし、2枚の織物Aを、互いにミシン糸により、接合した。比較例1の表面抵抗値を測定した所、測定限界を超えて大きな抵抗値を示し、測定不能であった(測定限界5.0×1011Ω)。
【0019】
[実施例2、比較例2]
実施例2として、導電糸を格子状に織り込んだ織物Cにおいて、経糸として、ポリエステル長繊維糸(繊度84dtex、単糸数36本)と、導電糸(カネボウ株式会社製、カーボンベルトロンB31(商品名)、繊度22dtex/6fil)とポリエステル長繊維糸(繊度34dtex、単糸数12本)との合撚糸を、それぞれ配列34:1の割合で経糸整経した。
緯糸としては、ポリエステル長繊維糸(繊度84dtex、単糸数36本)と、導電糸(カネボウ株式会社製、カーボンベルトロンB31(商品名)、繊度22dtex/6fil)とポリエステル長繊維糸(繊度56dtex、単糸数24本)とのシングルカバーリング糸を、それぞれ配列19:1の割合で打ち込み、緯糸配置した。
得られた織物Cは、タフタ織であり、その後、精練仕上げして、織物Cとし、経糸の密度は180本/インチであり、緯糸の密度は85本/インチであった。
織物CのIEC規格での表面抵抗値を測定した所、測定限界を超えて、測定不能であった(測定限界5.0×1011Ω)。
【0020】
導電性トリコットBは、実施例1と同様に準備した。
生地Cと、10mmの細幅としたトリコットBを図3の方式で接合し、ミシンで接合部を縫製した。縫製後、実施例2の表面抵抗値を測定したところ、1.5×108 Ωであり、IEC規格を充分に満足するものであった。導電性トリコットは非常に柔軟性に富み、接合部で縫製しても、接合部として硬くなることは無かった。
比較例2として、接合部分に導電性トリコットBを用いずに、他の条件は実施例1と同様とし、織物Cのみをミシン糸により、接合した。比較例2の表面抵抗値を測定した所、測定限界を超えて、大きな抵抗値を示し、測定不能であった(測定限界5.0×1011Ω)。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の制電衣服は、電子デバイス、電子部品、又は電子材料を取り扱う作業者等の作業用衣服として好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の導電性トリコットにおける導電糸の配列を示す模式図である。
【図2】パイピング縫製の接続を示す模式図である。
【図3】2重環縫製による接続を示す模式図である。
【図4】IEC規格の測定方式を示す図であり、測定箇所が互いに試料の軸に対して異なる位置(A−B間ではなくA−C間の測定)示す。
【図5】導電性トリコット衣服の襟及び/又は首部分に用いられていることを示す模式図である。
【符号の説明】
【0023】
1:導電糸
2:非導電糸
3:一方の布帛
4:他方の布帛
5:導電性トリコット
6:縫い目
7:テスター
8:首部
9:縫製部
【出願人】 【識別番号】303046303
【氏名又は名称】旭化成せんい株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100103436
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 英夫

【識別番号】100068238
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 猛

【識別番号】100095902
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 穣

【識別番号】100108693
【弁理士】
【氏名又は名称】鳴井 義夫


【公開番号】 特開2008−1996(P2008−1996A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169487(P2006−169487)