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タバコ葉の製造方法 - 特開2008−125498 | j-tokkyo
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【発明の名称】 タバコ葉の製造方法
【発明者】 【氏名】浅尾 哲朗

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
裁刻されたタバコの葉を溶剤で洗浄することを特徴とするタバコ葉の製造方法。
【請求項2】
前記溶剤は、エタノール溶液であることを特徴とする請求項1に記載のタバコ葉の製造方法。
【請求項3】
前記溶剤は、50%以上の濃度のエタノール水溶液であることを特徴とする請求項1に記載のタバコ葉の製造方法。
【請求項4】
裁刻された前記葉は、前記溶剤による洗浄の前に水で洗浄されることを特徴とする請求項1に記載のタバコ葉の製造方法。
【請求項5】
前記溶剤で洗浄された前記葉に香料を添加することを特徴とする請求項1に記載のタバコ葉の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙時にタバコ葉から発生する煙に含まれる有害物質及び発癌物質の量が少ないタバコの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タバコは、15世紀末に西洋にもたらされて以来、世界中に広まり、近年その健康上の問題点が指摘されているにもかかわらず、根強い嗜好品として愛用され続けている。通常、タバコは、熟成した複数種類のタバコ葉をブレンドし、裁刻した後、香料や水分が添加される。そして、裁刻されたタバコ葉は、同じ葉で巻かれた葉巻タバコや、パイプや煙管を使用して嗜好されているが、紙に裁刻されたタバコ葉を巻いた紙巻きタバコが最も一般的である。
【0003】
しかしながら、このような、タバコの主流煙には、一酸化炭素やシアン化水素をはじめとして、ニコチンやタールといった有害物質、及び、ベンゾピレンやニトロソアミンといった発癌物質が含まれていることが明らかになっている。そして、これら有害物質及び発癌物質は、呼吸器系や循環器系の疾患にとどまらず、発癌の原因となっていることが疫学調査により判明している。このような有害物質及び発癌物質は、副流煙にも含まれており、排煙を吸い込む喫煙者の周囲の者の健康も害していることがわかっている。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば椰子殻の加工物を利用した紙巻きタバコが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、喫煙によって椰子殻の加工物が炭化することで活性炭が生成されることを期待したもので、この活性炭が煙に含まれる有害物質及び発癌物質を吸着することで、健康を害するおそれを緩和することを目的としたものである。
【特許文献1】特開2001−252063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1をはじめとする有害物質及び発癌物質の摂取を抑制する方法が提案されているものの、タバコ葉自体に含有する有害物質及び発癌物質を直接除去するものではないため、喫煙により発生する煙中の有害物質及び発癌物質の問題は、根本的に解決されていない。
【0006】
そこで、本発明は、上記実状に鑑み、タバコ葉自体に含まれる有害物質及び発癌物質を少なくする方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタバコ葉の製造方法は、裁刻されたタバコの葉を溶剤で洗浄することを特徴とする。
【0008】
本発明のタバコ葉の製造方法によれば、裁刻された葉を溶剤に投入し、葉を洗浄することにより、有害物質及び発癌物質を相当程度溶剤中に溶出除去することができる。すなわち、有害物質及び発癌物質の少ないタバコ葉を製造することができる。この製造されたタバコ葉により作られたタバコは、喫煙時の主流煙及び副流煙に含まれる有害物質及び発癌物質の量が少なくなり、摂取する有害物質及び発癌物質の量が従来に比べて少なくなる。
【0009】
本発明のタバコ葉の製造方法における溶剤にはエタノール溶液が使用できる。葉に含まれる有害物質及び発癌物質には脂溶性のものと水溶性のものが含まれている。エタノール溶液を使用することにより、脂溶性あるいは水溶性の有害物質及び発癌物質をエタノール溶液中に溶出除去することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、裁刻されたタバコの葉を溶剤によって洗浄することで、有害物質及び発癌物質を予め除去することができ、有害物質及び発癌物質の少ないタバコ葉を製造することができる。この製造されたタバコ葉により作られたタバコは、喫煙時の主流煙に含まれる有害物質及び発癌物質の量が少なくなり、摂取する有害物質及び発癌物質の量が従来に比べて少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明のタバコ葉の製造方法の工程図である。本発明において、葉とは、タバコの葉のことを示し、乾燥、熟成の工程を経て、裁刻された状態のものである。本発明において、タバコ葉とは、以下に説明する各工程での処理後の葉のことを示す。通常、このタバコ葉を紙で巻くことで紙巻きタバコとなる。本発明は、裁刻された葉を溶剤で洗浄することによって、葉自体から有害物質及び発癌物質を溶出除去したタバコ葉を製造する方法に関するものである。
【0012】
喫煙時の煙の中には、タール、ニコチン、アルデヒド類、アセトン、アンモニア、シアン化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、フェノール類等の有害物質や、ベンゾピレン、ニトロソアミン類、キノリン類、ヒドラジン、2−ナフチルアミン、4−アミノビフェニール、o−トルイジン等の発癌物質が含まれている。これら有害物質及び発癌物質の多くはもともと葉中に含まれている。
【0013】
本発明のタバコ葉の製造方法は、図1のように、裁刻された葉を溶剤に浸漬し、葉を溶剤によって洗浄する。この洗浄により、裁刻された葉から有害物質及び発癌物質を除去することができる。この工程で使用される溶剤は、葉に含まれる有害物質及び発癌物質と親和性があり、これらを抽出できるものであればどのようなものであってもよいが、毒性のないものが好ましい。
【0014】
葉を浸漬させるエタノールの濃度は、製造されるタバコ葉の乾燥や嗜好成分の保持等を考慮して適宜変更可能であるが、50%以上の濃度を有するものが好ましい。エタノールの濃度が50%以上であれば、有害物質及び発癌物質を葉から相当量溶出除去できる。また、タバコ本来の風味が失われず、処理後の乾燥処理を容易にすることができる。
【0015】
裁刻された葉は、例えば40時間のように所定時間溶剤に浸漬させた後、葉を引き上げ、付着した溶剤を除去する。この脱溶剤の工程では、遠心濾過器を使用することができる。この遠心濾過器を使用することで、浸漬後の葉から溶剤を迅速に除去することができる。そして、脱溶剤を行った後、乾燥させる。
【0016】
乾燥後、香料を添加することができる。香料を添加する場合、香料を90%以上のエタノールに溶解させた香料液中に乾燥後の葉を所定時間浸すことにより香料を添加することができる。葉は、溶剤での洗浄によって有害物質及び発癌物質が除去されていることで、ここで添加される香料は、その香りをより強調することができる。このとき、水分を添加し、水分を調整することもできる。
【0017】
本発明のタバコ葉は上述の通り製造できる。この製造工程で、溶剤によって葉を洗浄することで、葉に含まれる有害物質及び発癌物質をタバコ葉から除去することができる。これにより、製造されるタバコ葉に含まれる有害物質及び発癌物質の量が減少する。したがって、このタバコ葉を使用して製造されたタバコは、喫煙により発生する煙に含まれる有害物質及び発癌物質の量が従来のタバコに比べて減少するため、喫煙者及び喫煙者の周囲の人が摂取する量も少なくなる。また、煙を吸着する吸着能のあるチャコールフィルタを併用することで、有害物質及び発癌物質の摂取量をさらに減少させることができる。
【0018】
この有害物質及び発癌物質の摂取量が減少することで呼吸器系をはじめとする癌の発症率の低下が期待できる。また、このタバコを喫煙すると、従来喫煙者が口や鼻やのどに感じていたヤニによる不快感が緩和され、従来のタバコと比べてタバコ本来の風味を味わうことができるとともに、ニコチン中毒からの解放も期待される。
【0019】
本発明のタバコ葉の製造方法では、図2のように、裁刻された葉の溶剤による洗浄の前に、裁刻された葉を水で洗浄してもよい。比較的不純物の少ない水に裁刻された葉を所定時間浸漬する。これにより、葉に含まれる水溶性の有害物質及び発癌物質を溶出除去することが可能となる。
【0020】
所定時間浸漬後、葉を引き上げ、付着した水を除去する。この脱水工程では、遠心濾過器を使用することができる。この遠心濾過器を使用することで、浸漬後の葉から水を迅速に除去することができる。そして、脱水を行った後、溶剤に浸漬して溶剤での洗浄を行う。このように、溶剤による洗浄の前に裁刻された葉を水で洗浄することにより、より多くの有害物質及び発癌物質を除去することができる。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0022】
[実施例1]90%エタノール水溶液で洗浄されたタバコ葉によるタバコ
市販されているタバコ(マイルドセブン(登録商標)エクストラライト)から取り出した葉50.1gを90%エタノール水溶液500mlに、室温下、2日間浸漬させた。その後、遠心濾過器(株式会社コクサン製)により、葉からエタノールを分離させた。脱エタノールした葉を室温で3日以上放置し、乾燥させた。乾燥後、タバコ葉の重量は38.3g(約76%)であった。タバコ葉が1本あたり0.55gとなるように、乾燥したタバコ葉を手巻き器によって巻き上げ、吸着能の無いフィルタを使用して実施例1のタバコとした。
【0023】
[実施例2]99.5%エタノール水溶液で洗浄されたタバコ葉によるタバコ
実施例1と同じ葉を使用し、溶剤として90%のエタノール水溶液の代わりに99.5%のエタノールを使用した。実施例1と同様の方法でタバコを製造し、吸着能の無いフィルタを使用して実施例2のタバコとした。
【0024】
[実施例3]50%エタノール水溶液で洗浄されたタバコ葉によるタバコ
実施例1と同じ葉を使用し、溶剤として90%のエタノール水溶液の代わりに50%のエタノールを使用した。洗浄、乾燥処理後、水分を調整し、洗浄前の葉と同じ重量にして、吸着能のあるチャコールフィルタを使用して実施例3のタバコとした。
【0025】
[実施例4]90%エタノール水溶液で洗浄されたタバコ葉によるタバコ
実施例1と同様にタバコ葉を製造し、吸着能のあるチャコールフィルタを使用して実施例5のタバコとした。
【0026】
[比較例]非洗浄のタバコ
比較のために、市販されているタバコ(マイルドセブン(登録商標)エクストラライト)から取り出した葉を使用した。葉が1本あたり0.6gとなるように、葉を手巻き器によって巻き上げ、吸着能のあるチャコールフィルタを使用して比較例のタバコとした。
【0027】
実施例1乃至3のタバコの煙に含まれるニコチン、タール、N−ニトロソジメチルアミン、ベンゾ(a)ピレンの重量の測定方法について以下に示す。
【0028】
タバコの吸煙は、予め秤量したガラス繊維濾紙(ADVANTEV、GB−100R、47mm)を金属製ホルダに装着し、所定本数分のタバコの煙を吸着捕集させた。そして、捕集後のガラス繊維濾紙を秤量し、捕集前後のガラス繊維濾紙の重量の差を全粒子物質の重量とした。そして、ガラス繊維濾紙をジクロロメタン(関東化学)で超音波抽出し、抽出液を濃縮して全量が10mlの抽出液とした。
【0029】
ニコチンの測定には、タバコ2本を吸煙して、吸着捕集された抽出液を使用した。抽出液0.1mlに内標準物質としてビフェニル−d10(関東化学 環境分析用)50ng添加し、ニコチン濃度測定用試料溶液とした。ニコチン濃度測定には、ガスクロマトグラフ質量分析計(サーモエレクトロン株式会社製 Trace2000 Ultra)を使用してタバコ1本あたりのニコチンの重量を測定した。
【0030】
タール量は、ガラス繊維濾紙に付着した全粒子物質の重量からニコチンの重量を差し引いて、タバコ1本分のタール量を算出した。
【0031】
N−ニトロソジメチルアミンの測定には、タバコ10本分を吸煙して、吸着捕集された抽出液を使用した。抽出液0.1mlに内標準物質としてナフタレン−d(関東化学 環境分析用)50ng添加し、N−ニトロソジメチルアミン濃度測定用試料溶液とした。N−ニトロソジメチルアミン濃度測定には、ガスクロマトグラフ質量分析計(サーモエレクトロン株式会社製 Trace2000 Ultra)を使用してタバコ1本あたりのN−ニトロソジメチルアミンの重量を測定した。
【0032】
ベンゾ(a)ピレンの測定には、タバコ10本分を吸煙して、吸着捕集された抽出液を使用した。抽出液5mlに内標準物質としてベンゾ(a)ピレン−d12(CIL(Cambridge Isotope Laboratories)社製)50ng添加した後、濃縮し、ヘキサン転溶した。このヘキサン溶液を、シリカゲルカラムに注加した。ヘキサン15mlで洗浄した後、5%アセトン含有ヘキサン100mlで溶出した。溶出溶液を濃縮し、ベンゾ(a)ピレン測定用試料溶液とした。ベンゾ(a)ピレン濃度測定には、ガスクロマトグラフ質量分析計(サーモエレクトロン株式会社製 Trace2000 Ultra)を使用してタバコ1本あたりのベンゾ(a)ピレンの重量を測定した。
【0033】
実施例1、実施例2及び比較例のタバコは、ニコチン、タール、N−ニトロソジメチルアミン、ベンゾ(a)ピレンについて測定し、実施例3のタバコは、N−ニトロソジメチルアミンの測定を行った。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】


【0035】
表1のように、実施例1及び実施例2のタバコは、比較例のタバコと比べて、ニコチンが64%〜70%、タールが19%〜28%、ベンゾピレンが22%〜27%減少した。また、実施例1及び実施例2のタバコのN−ニトロソアミンは、比較例よりも高い数値ではあるが、これは、チャコールフィルタを使用していないためであると考えられる。50%の濃度のエタノール水溶液を使用し、チャコールフィルタを併用した実施例3のタバコでは、N−ニトロソジメチルアミンが検出限界である3.0ng以下であった。
【0036】
さらに、実施例4のタバコの主流煙及び副流煙に含まれるタール及びニコチンの量の測定結果について以下に示す。
【0037】
実施例4のタバコの排煙を、点火部から立ち上る副流煙と、チャコールフィルタを通して吸入する主流煙とのそれぞれに分け、メタノールをトラップ液とした真空トラップにより採取した。そして、採取した主流煙と副流煙中に含まれるニコチン及びタールの量についてGC−MSによって測定した。比較として比較例のタバコを使用して同様の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0038】
なお、ニコチンの量は、10mg/Lのニコチン溶液を調製し、このニコチン溶液を標準として使用し、GC−MSのピーク面積比によって算出した。また、タールの量は、コールタール(試薬グレード)を使用して、50mg/Lのタール溶液を調製し、このタール溶液を標準として使用し、GC−MSのピーク面積比によって算出した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】


【0040】
表2のように、チャコールフィルタを併用することにより、実施例4のタバコは、比較例と比べてニコチンの量が主流煙で69%、副流煙で74%、タールの量が主流煙で39%、副流煙で13%減少した
【0041】
以上の結果から、溶剤によって、葉自体の有害物質及び発癌物質の量が減少し、タバコ葉を巻き上げて製造されたタバコの煙中の有害物質及び発癌物質が減少していることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のタバコ葉の製造方法の一例を示す図である。
【図2】本発明のタバコ葉の製造方法の別の一例を示す工程図である。
【出願人】 【識別番号】506275704
【氏名又は名称】浅尾 哲朗
【出願日】 平成18年11月27日(2006.11.27)
【代理人】 【識別番号】100110434
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 勝


【公開番号】 特開2008−125498(P2008−125498A)
【公開日】 平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願番号】 特願2006−318002(P2006−318002)