| 【発明の名称】 |
シームレスカプセルの製造装置および製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】釜口 良誠
【氏名】吉門 正智
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| 【要約】 |
【課題】高い生産速度で均一な皮膜厚さを有する均一粒径のシームレスカプセルを液滴法で連続的に生産できる製造装置および製造方法の提供。
【構成】最外ノズルからシームレスカプセル皮膜液が噴出し、同時にその内側の1以上のノズルからその他の液体が噴出する多重ノズルと、該多重ノズルのそれぞれに所定液体を送液するノズルと同数の送液管と、該多重ノズルから噴出したジェット液流を液滴状にすると同時に冷却する冷却液が流れる冷却管とからなるシームレスカプセルの製造装置であって、該多重ノズルの送液管の少なくとも1つ、またはいずれか1つのノズル内部に剛体振動付加装置を介在させてなることを特徴とするシームレスカプセル製造装置およびそれを用いる製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 最外ノズルからシームレスカプセル皮膜液が噴出し、同時にその内側の1以上のノズルからその他の液体が噴出する多重ノズルと、該多重ノズルのそれぞれに所定液体を送液するノズルと同数の送液管と、該多重ノズルから噴出したジェット液流を液滴状にすると同時に冷却する冷却液が流れる冷却管とからなるシームレスカプセルの製造装置であって、該多重ノズルへの送液管の少なくとも1つ、またはいずれか1つのノズル内部に剛体振動付加装置を介在させてなることを特徴とするシームレスカプセルの製造装置。 【請求項2】 前記剛体振動付加装置が、送液管の断面積を任意の周期で変化させる機構である請求項1記載のシームレスカプセルの製造装置。 【請求項3】 最外ノズルからシームレスカプセル皮膜液が噴出し、同時にその内側の1以上のノズルからその他の液体が噴出したジェット液流を、冷却液が流れる冷却管中で液滴化することによりシームレスカプセルを製造する方法であって、該多重ノズルへカプセル形成用の液体を送る送液管の少なくとも1つ、またはいずれか1つのノズル内部に剛体振動付加装置を介在させてなることを特徴とするシームレスカプセルの製造方法。 【請求項4】 前記剛体振動付加装置が、送液管の断面積を任意の周期で変化させる機構である請求項2記載のシームレスカプセルの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、シームレスカプセルの製造方法、特にノズルからジェット液流を噴出させ、これを分断することにより形成される液滴によって製造されるシームレスカプセルの製造装置および製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 被覆層に継ぎ目のないカプセル、いわゆるシームレスカプセルを製造する技術において、特に通常の軟カプセルよりも小さく、マイクロカプセルより大きなカプセルを製造するのに適しているとして、二重ノズルあるいは三重ノズルなどの多重ノズルから多層液流を凝固液中に噴出させて、表面張力により多層液滴になる現象を利用して、最外層の皮膜層を硬化させるシームレスカプセルの製造方法が広く知られている。 【0003】 原理的に説明すると、図1に示すように、皮膜液層が二重ノズルの最外層101から噴出し、カプセルの内容液は内側ノズル102から噴出する。噴出した液流は凝固液103の中に噴出され、ジェットとして凝固液中に伸びていく。その間にジェットは表面張力により液滴化し、それが所定の大きさの粒になると同時に凝固が起こりカプセル104が形成される。 【0004】 この方法を用いてシームレスカプセルを製造する場合に、大きさの揃った液滴を形成するためには、ジェット流に振動を与えることが行われており、それが液滴化を促進し、均一な大きさのカプセルを製造する。この振動を付加する方法として、前述の多重ノズル自体を振動させてシームレスカプセルを形成する技術が存在した(特開昭57−19032号:公報特許文献1)および(同59−112833号公報特許文献2)。しかしながら、この方法ではノズル自体が大型で加振装置も大型化し、しかも凝固液も振動で乱れるので、好ましくない。 【0005】 この改良方法として、ノズルから噴出されたシームレスカプセル形成用の液流をリングの中を通過させて、そのリングを振動させることにより液滴化する方法が提案された(特公昭53−1067号公報:特許文献3)。しかしながら、この方法も、凝固液に対する流れを乱すので、必ずしも優れた方法ではなかった。 【0006】 上記特許文献1〜3に代わる技術として、最近では、多重ノズルの中で一番内側の充填物質ノズル中に振動棒を挿入し、この振動棒を加振装置により上下振動させ、シームレスカプセル形成用の液流のひとつである充填物質へ振動を付加することでノズルから突出される充填物質に速度変動を与えて微小なシームレスカプセル粒子径の均一性を保つ方法およびその製造装置が特開昭56−49154号公報(特許文献4)に開示されている。 【0007】 また、特開平6−154587号公報(特許文献5)では、可撓性の材料で形成された各送液管に振動を与えて、可撓性の材料の撓みによる送液管の容積変動でカプセル形成用の液流に振動を発生させる方法も提案されている。 【0008】 さらには、特開平2001−9267号公報(特許文献6)では、シリンダー室のピストンを軸方向に振動させることにより、シリンダー室の容積変動により原料供給管から供給された液体に振動を与える方法が提案されている。 【0009】 しかしながら、特許文献4の方法においては、ピストンの振動による液体への振動は送液管内を逆流しやすいため、ノズルから吐出される液体に効率よく振動を付与し難い欠点があり、特に周波数500ヘルツ以上の高い振動数ではこの欠点が顕著になる。 【0010】 特許文献5に記載する方法は、可撓性材料によって振動を吸収され、ノズルから吐出される液体に効率よく振動を付与できないため、粒径の均一性が劣るという欠点がある。特に、周波数500ヘルツ以上の高い振動数ではこの欠点が顕著になる。さらに、可撓性材料で繰り返し振動を付与するため、可撓性材料の経時劣化による振動の伝わり方の変化や可撓性材料の変位の繰り返しによる破れが生じる欠点も存在する。 【0011】 特許文献6の方法において、振動数の制限はされていないが、皮膜の厚さが均一なカプセル粒子を得る観点から、15〜500ヘルツであることがより好ましく、15〜100ヘルツであることがさらに好ましいと記載されており、この方法においても500ヘルツ以上の高い振動数では依然として皮膜厚さを均一にする均一粒径のシームレスカプセルを連続的に形成することが困難である。 【特許文献1】特開昭57−19032号公報 【特許文献2】特開昭59−112833号公報 【特許文献3】特公昭53−1067号公報 【特許文献4】特開昭56−4914号公報 【特許文献5】特開平6−154587号公報 【特許文献6】特開2001−9267号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0012】 本発明は、上記のような従来の振動付加装置が有する問題点を解決し、高い生産速度で均一な皮膜厚さを有する均一粒径のシームレスカプセルを液滴法で連続的に生産できる製造装置および製造法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0013】 本発明は、最外ノズルからシームレスカプセル皮膜液が噴出し、同時にその内側の1以上のノズルからその他の液体が噴出する多重ノズルと、該多重ノズルのそれぞれに所定液体を送液するノズルと同数の送液管と、該多重ノズルから噴出したジェット液流を液滴状にすると同時に冷却する冷却液が流れる冷却管とからなるシームレスカプセルの製造装置であって、該多重ノズルの送液管の少なくとも1つ、またはいずれか1つのノズル内部に剛体振動付加装置を介在させてなることを特徴とするシームレスカプセル製造装置を提供する。 【0014】 また、本発明は、最外ノズルからシームレスカプセル皮膜液が噴出し、同時にその内側の1以上のノズルからその他の液体が噴出したジェット液流を、冷却液が流れる冷却管中で液滴化することによりシームレスカプセルを製造する方法であって、該多重ノズルへカプセル形成用の液体を送る送液管の少なくとも1つ、またはいずれか1つのノズル内部に剛体振動付加装置を介在させてなることを特徴とするシームレスカプセルの製造方法を提供する。 【発明の効果】 【0015】 本発明によれば、500ヘルツを越える高い振動数であっても効率的に液体に付加できるため、均一な皮膜厚さを有する均一粒径のシームレスカプセルが高い生産速度で製造することができる。もちろん、500ヘルツを下回る速度でも製造することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 本発明を図面を用いてさらに詳細に説明する。 図1 本発明の液滴法によるシームレスカプセルの製造方法の原理を示すためのノズル部分の拡大模式図。 図2 本発明のカプセル製造装置の概略配管図。 図3 本発明のカプセル製造装置のノズル部分を拡大した模式図。 図4 本発明の振動付加装置を模式的に示す図。 図5 比較例のグラフを示す図。 図6 比較例のグラフを示す図。 図7 実施例のグラフを示す図。 図8 比較例のグラフを示す図。 図9 実施例のグラフを示す図。 図10 実施例および比較例のグラフを示す図。 図11 比較で用いた特許文献5に対応するチューブ振動装置の模式図。 【0017】 図1にすでに説明済みであるので、ここで改めて説明することしない。 【0018】 図2に示す本発明のカプセル製造装置の概略配管図において、1はノズル部を示し、そのノズルに皮膜液3と内容液2がそれぞれ送液管7および6を通じてノズルに送液されている。それぞれ送液はポンプ5および4で加圧されて行われている。送液管6の途中に存在する振動付加装置8は本発明に特徴的なもので、図4において拡大されている。尚、図では簡略化のため2重ノズルを記載していますが、3重以上のノズルであってもよい。3重以上の多重ノズルでは、振動付加装置はノズルに液体を送液する送液管のいずれか少なくとも一つに存在すればよい。また、振動付加装置は多重ノズルの1つに存在してもよい。通常は最内層の送液管に振動付加装置を取り付けておけばよい。 【0019】 図2のノズル部1は図3にその拡大図が存在する。図3では、皮膜液が送液管7から最外ノズル21に送られ、充填液は送液管6から内側ノズル22に送られる。液滴法のシームレスカプセルの製造方法ではそれぞれの液がノズルから噴出して冷却液24中に23で示されるような噴出液ジェットが形成され、その後カプセル17のように液滴化していく。液滴化したものは図2に示すように、そのまま冷却液管9を流れてフィルター11で液体とカプセル15に分けられ、冷却液は冷却液タンク14に集められ、タンク14中の冷却液はポンプ12と冷却装置13を経てもう一度冷却液として使用される。 【0020】 図2では、剛体の振動付加装置が送液管6の途中に存在する。この振動付加装置は図4に示すように、内容液が流路入口dから流路出口eの方向に流れている送液管6の流路部の断面積をすべてが剛体構造であって原料液流路の体積変化を伴わず、断面積のみを変化させる機構を有していることを特徴としている。具体的には、ボールバルブ、バタフライバルブ、ゲートバルブ等の体積変化のない断面積変化式バルブを任意の周期で開閉させることでも本発明の所望の効果を達成することが可能であるが、より好ましい断面積を変化させる具体的な機構図を図4に示している。図4で振動発生装置aから振動伝達ロッドbを経て流路断面可変剛体(遮断栓)cを保持し、流路断面可変剛体cが左右に動くことにより断面積を変化させることにより振動が付与される。このような本発明のような断面変化式のバルブを用いると、断面積が0〜100%の間で変化させることができる。また、振動装置の振動数を変えることにより500ヘルツを越える高い振動数も可能である。 【0021】 断面積を変化させる方法としては、原料液送液管の中心線方向に投影面積が原料液送液管断面積以上の平面板、円錐体、球体または曲面体の形状を有する流路断面可変剛体cを遮断栓として押しつける方法が例示されるが、これらに限定されるものではない。ただし、いずれの場合でも、可撓性材料を用いた原料液流路自体の縮小方法は用いない。 【0022】 また該流路部の断面積を任意に可変させる振動付加装置の駆動手段が電気的作用、電磁的作用、機械的作用、液体的作用、気体的作用のいずれかまたは2つ以上の組合せであってよい。 【0023】 更に本発明の効果を高める手段としては、好ましくはノズル出口から振動付加装置までの流路を剛体にすること、より好ましくはノズル出口から定量ポンプ出口までの流路を剛体にすることが挙げられる。 【0024】 本発明で使用するシームレスカプセルの皮膜材料としては、当該分野で使用されるカプセル皮膜であれば特に限定はなく、適宜種類および量を選択すればよい。 【0025】 好適なカプセル皮膜としては、例えば、以下のものが挙げられる。 (a)ゼラチン、 (b)寒天、 (c)低メトキシルペクチンまたはアルギン酸ナトリウムを含有する組成物を、低メトキシルペクチンまたはアルギン酸ナトリウムの水溶液をゲル化し得る化合物で処理して得られる皮膜形成物、 (d)水溶性多価アルコールまたはその水溶性誘導体をゲル化処理して得られる皮膜形成物、 (e)(i)ゼラチンと(ii)寒天との混合物、 (f)(i)ゼラチンと(ii)低メトキシルペクチンまたはアルギン酸ナトリウムを含有する組成物との混合物を、低メトキシルペクチンまたはアルギン酸ナトリウムの水溶液をゲル化し得る化合物で処理して得られる皮膜形成物など。 【0026】 あるいは、皮膜は、ゼラチン、寒天、カードラン、カラギーナン、デンプン、キサンタンガム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、アラビアガム、プルラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムからなる群から選択される皮膜、およびこれらの任意の組み合わせでもよい。 【0027】 本発明で用いる内容液は、当業者で用いられるシームレスカプセル内容物であればいかなるものでもよいが、通常食用油と香料を主成分とする。もちろん甘味料や薬剤を混入することもできる。 【実施例】 【0028】 本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。 【0029】 実施例1 図2の振動装置を図1の送液管6と二重ノズル1の間に設置してカプセル化を行った。送液管6はステンレス製で剛体である。 粒径1mmのシームレスカプセルを339Hz(339粒/秒)、680Hz(680粒/秒)、800Hz(800粒/秒)の振動数を付加してカプセル化し、形成されたシームレスカプセル粒子径のバラツキを測定した。また、無振動のものにて同じ測定を行った。無振動のものの結果を図5に示し、339Hzのものを図7に、680Hzのものを図9に、800Hzのものを図10に示した。 【0030】 比較例1 図1のシームレスカプセル製造装置において送液管6の一部分を可撓性であるシリコン性のチューブとし、該シリコンチューブを半径方向に押しつぶすように振動を与えてカプセル化を行った。シリコンチューブ部分の模式図を図11に示す。 【0031】 半径方向に押されることでシリコンチューブの内容積に変化が生じ、送液された充填原料液に脈動が発生しノズル出口から形成されるジェットに振動が伝えられる。 【0032】 実施例1と同様に粒径1mmのシームレスカプセルを339Hz(339粒/秒)、680Hz(680粒/秒)の振動数を付加してカプセル化し、形成されたシームレスカプセル粒子径のバラツキを測定した結果をそれぞれ図6および図7に示した。 【0033】 上記実施例および比較例の結果を示す図から明らかなように、本願発明の剛体振動付加装置を用いる場合には、振動数が800ヘルツでもかなりの高い粒径の均一さが見られる。一方、チューブ振動では500ヘルツを越える680ヘルツでは、分布が大きくなり、粒径のバラツキが見られるようになる。もちろん無振動では、明らかに粒径の分布が大きく商品価値がなくなる。 【産業上の利用可能性】 【0034】 本発明は、シームレスカプセルの製造における、粒子径を均一にする方法であって、シームレスカプセルの製造に有用である。 【図面の簡単な説明】 【0035】 【図1】本発明の液滴法によるシームレスカプセルの製造方法の原理を示すためのノズル部分の拡大模式図。 【図2】本発明のカプセル製造装置の概略配管図。 【図3】本発明のカプセル製造装置のノズル部分を拡大した模式図。 【図4】本発明の振動付加装置を模式的に示す図。 【図5】比較例のグラフを示す図。 【図6】比較例のグラフを示す図。 【図7】実施例のグラフを示す図。 【図8】比較例のグラフを示す図。 【図9】実施例のグラフを示す図。 【図10】実施例および比較例のグラフを示す図。 【図11】比較で用いた特許文献5に対応するチューブ振動装置の模式図。 【符号の説明】 【0036】 1…二重ノズル、2…充填原料液タンク、3…皮膜液原料タンク、4…定量ポンプ、5…定量ポンプ、6…送液管、7…送液管、8…振動付加装置、9…形成管、10…整流多孔盤、11…分離スクリーン、12…ポンプ、13…冷却装置、14…冷却油タンク、15…形成されたカプセル、16…送液管、17…カプセル、21…外側ノズル、22…内側ノズル、23…噴出ジェット、101…外側ノズル、102…内側ノズル、103…冷却液、104…液滴。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000191755 【氏名又は名称】森下仁丹株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月5日(2006.7.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆
【識別番号】100088801 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 宗雄
【識別番号】100126789 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 裕子
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| 【公開番号】 |
特開2008−11765(P2008−11765A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−185602(P2006−185602) |
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