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【発明の名称】 酢の物用調味料
【発明者】 【氏名】飯田 華子

【要約】 【課題】従来酢の物を製造するには、材料の塩漬け、水洗い脱塩、脱水後に調味酢による調味の工程がとられているが、この方法による製造は工程が複雑であり、かつ各工程で一定の条件のものが出切るとは限らず、出来上がりの酢の物の味を均一とすることが困難であった。

【解決手段】本発明における酢の物用調味料は、食酢や果汁に塩類、糖類を加え、酸度1.8 〜3.5%、塩分4.0〜7.0%、糖度10.0〜25.0%、可溶性固形分20.0〜35.0%、pH2.8〜3.7の組成を持つことで、従来酢の物の製造に必要であった塩漬け、水洗い脱塩、脱水の工程を不要とし、酢の物の味を均一に保つことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食酢や果汁に塩類、糖類を加えたものであり、酸度1.8〜3.5%、塩分4.0〜7.0%、糖度10.0〜25.0%、可溶性固形分20.0〜35.0%、pH2.8〜3.7の酢の物用調味料。
【請求項2】
食酢または果汁15〜70重量%、糖類13.0〜40.0%を含む、請求項1記載の酢の物用調味料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、従来にはみられない簡便に酢の物を製造出来る、酢の物用調味料に関する。
さらに詳しくは、従来酢の物を製造する際に必要とされていた、材料の塩漬け、水洗い脱塩、脱水の工程を行うことなく、風味の良い酢の物を製造することの出来る調味料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、酢の物を製造するには、材料の塩漬け、水洗い脱塩、脱水後に、調味酢による調味の工程が取られていた。
ここで、塩漬けは、材料への塩分の付与だけでなく、浸透圧を利用した材料組織の軟化を目的とする。水洗い脱塩、脱水は、塩漬けによって軟化した材料から、その後の調味に過剰な塩分と水分を取り除き、材料に適度な塩分と水分を残すことと、材料を好ましい食感にすることを目的とする。
調味酢は、一般に三杯酢とよばれるもので、食酢、醤油、砂糖、等を混合して作られる。
例えば、食酢大さじ3(45g)、砂糖大さじ1(9g)、淡口醤油小さじ1(6g)、だし汁大さじ2(30g)である。(引用文献:「別冊家庭画報 喜ばれる和食のおかず」株式会社世界文化社 昭和60年10月1日 発行)
しかしながら、このような方法による酢の物の製造は、工程が複雑であり、また、塩漬け、水洗い脱塩、脱水の各工程で一定の条件のものが出来るとは限らず、出来上がった酢の物の味が、均一のものとはならず、製品価値を失ってしまうなどの問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、簡便な工程で、優れた品質の酢の物が製造出来る調味料を提供することである。すなわち、本発明による酢の物の製造方法は、従来の塩漬け、水洗い脱塩、脱水の工程を必要とせず、食酢や果汁をベースとし、酸度、塩分、糖度、pH、可溶性固形分を特定の範囲に調整した調味液を材料に加えることで、課題を解決するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明における酢の物用調味料は、食酢や果汁に塩類や糖類を加えたものであり、酸度1.8〜3.5%、塩分4.0〜7.0%、糖度10.0〜25.0%、可溶性固形分25.0〜35.0%、pH2.8〜3.7の調味料である。
尚、糖度は砂糖(蔗糖)の甘さを100として換算して得られる甘さの度合いである。
また、可溶性固形分は例えば、「デジタル糖度計PR-201」や「手持ち屈折計MASTER-α」(株式会社アタゴ製)で測定されるもので、溶液中に溶け込んでいる物質の濃度を示し、本発明では、調味液の浸透圧の度合いである。
本発明についてさらに詳しく説明する。塩分4.0〜7.0%、糖度10.0〜25.0%、可溶性固形分20.0〜35.0%、とすることで、好ましい調味液の浸透圧が得られ、塩辛過ぎずまた、甘過ぎずに調味と材料への塩分付与および脱水、軟化、好ましい食感の付与が行える。また、酸度を1.8〜3.5%、pH2.8〜3.7とすることで、好ましい酸味の付与が行える。
因みに、従来の酢の物の製造において使用される三杯酢は、例えば酸度2.5%、塩分1.5%、糖度12.0%、可溶性固形分18.0%、pH3.3であり(引用文献「別冊家庭画報 喜ばれる和食のおかず」株式会社世界文化社 昭和60年10月1日 発行 )、本発明の調味液とは異なるものであり、また、その三杯酢をそのまま使用しても、本発明の目的を達成することは出来ない。
【0005】
本発明において主原料として含まれる食酢や果汁は、米酢、穀物酢、果実酢等任意の食酢を、また、ダイダイ、ゆず、すだち、夏みかんなど任意の柑橘果汁を使用することが可能である。当該食酢や果汁は、調味液中に、15〜70%、好ましくは20〜60%含むものが好適である。前記含量範囲とすることにより、調味液中の酸度1.8〜3.5%が達成される。前記含量範囲とすることにより、材料に好ましい酸味を付与することが可能な、調味液が得られる。当該食酢や果汁の含量が、15%に満たないと、好ましい酸味を付与することが出来ず、また、70%を超えると、酸味が強過ぎることから好ましくない。
【0006】
本発明において塩類とは、食塩つまり塩化ナトリウムおよび、食塩代替品である塩化カリウムを指し、調味液に塩味を付与するとともに、他の可溶性物質とともに、調味液に浸透圧を付与する目的をはたす。塩類は、調味液中に、4.0〜7.0%、好ましくは4.5〜5.5%含むものが好適である。塩類の含量が4.0%に満たないと、好ましい塩味を付与することが出来ず、また、調味液の浸透圧が低い為に、材料組織の軟化が行えず、材料を好ましい食感とすることが出来ない。塩類が7.0%を超えると、塩味や苦味が強過ぎることから好ましくない。
【0007】
本発明において糖類とは、蔗糖、ブドウ糖、果糖等を指し、調味液に甘味を付与するとともに、他の可溶性物質とともに、調味液に浸透圧を付与する目的をはたす。糖類は、調味液中に、13〜40%、好ましくは15〜20%含むものが好適である。糖類の含量が、13%に満たないと、好ましい甘味を付与することが出来ず、また、調味液の浸透圧が低い為に、材料組織の軟化が行えず、材料を好ましい食感とすることが出来ない。糖類が40%を超えると、甘味が強過ぎることから好ましくない。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、酸度1.8〜3.5%、塩分4.0〜7.0%、糖度10.0〜25.0 %、可溶性固形分20.0〜35.0%、pH2.8〜3.7%の酢の物用調味料に関するものであり、特定の配合組成および性状範囲に構成することにより、従来必要とされていた、塩漬け、水洗い脱塩、脱水の工程を必要とせず、優れた風味と食感を有する酢の物を作ることが可能な、調味料を得ることが出来る。
【0009】
実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0010】
(実施例1)
米酢44重量%、グラニュー糖18重量%、食塩3重量%、淡口醤油7重量%、だし汁28重量%を混合し、酢の物用調味料を調整した。得られた酢の物用調味料は、酸度2.0%、塩分4.0%、糖度18.0%、可溶性固形分30.0%、pH 2.8である。
この酢の物用調味料40gを、スライスしたキュウリ90g、カットしたワカメ30gに加え、混合した。
得られた、キュウリとワカメの酢の物は、優れた風味と食感を有するものであった。
【0011】
(実施例2)
穀物酢40重量%、ゆず果汁2重量%、上白糖15重量%、食塩5重量%、グルタミン酸ナトリウム1重量%、イノシン酸ナトリウム0.5重量%、水36.5重量%を混合し、酢の物用調味料を調整した。
得られた酢の物用調味料は、酸度1.8%、塩分5.3%、糖度15.2%、可溶性固形分24.8%、pH 3.7である。
この酢の物用調味料50gを、スライスしたキュウリ100g、カットしたワカメ20g、ボイルしたイカ切り身40gに加え、混合した。
得られた、キュウリ、ワカメとイカの酢の物は、優れた風味と食感を有するものであった。
【0012】
(実施例3)
米酢40重量%、ダイダイ果汁5重量%、上白糖10重量%、食塩3重量%、塩化カリウム2重量%、だし汁40重量%を混合し、酢の物用調味料を調整した。
得られた酢の物用調味料は、酸度2.0%、塩分5.3%、糖度10.5%、可溶性固形21.5%、pH 2.8である。
この酢の物用調味料100gを、スライスした大根200g、短冊切りした人参25gに加え、混合した。
得られた、大根と人参の酢の物は、優れた風味と食感を有するものであった。
【産業上の利用可能性】
【0013】
従来酢の物製造時に必要とされていた、塩漬け、水洗い脱塩、脱水の工程を必要とせず、優れた風味と食感を有する酢の物を作ることが可能な、調味料を得ることが出来る。
【出願人】 【識別番号】390010766
【氏名又は名称】日本食研株式会社
【出願日】 平成19年3月30日(2007.3.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−245618(P2008−245618A)
【公開日】 平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願番号】 特願2007−93941(P2007−93941)