トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理

【発明の名称】 まぐろ用液体調味料用組成物
【発明者】 【氏名】中村 尚明

【要約】 【課題】まぐろ赤身肉の赤色色調を安定化させるために酸化防止剤あるいは発色剤を用いる場合、これらは食品添加物に該当し、食品添加物不使用でありかつ赤色色調を安定化させる機能を持つ液体調味用組成物料の作製は困難であった。

【解決手段】pHを4.5〜6.5、塩分濃度を1.5〜20重量%とし、かつ糖類の含量が5〜15重量%の組成を持ち、これにまぐろ赤身肉を浸漬した場合、まぐろ赤身肉の良好な色調を保つことができ、かつ食品添加物不使用の液体調味用組成物料を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食塩を含有する水溶液からなり、該水溶液のpHが4.5〜6.5、塩分濃度が1.5〜20重量%であり、かつ糖類の含量が5〜15重量%であることを特徴とするまぐろ用液体調味用組成物調味料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、まぐろ赤身肉の調味用に用いられる液体調味用組成物料に関するものである。特に、まぐろ赤身肉を浸漬した直後あるいはその後喫食に至るまでの間、まぐろ赤身肉の色調を良好に保ち、商品価値を高める液体調味用組成物料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
まぐろ赤身肉の赤色色調は、赤身肉に含まれるミオグロビンあるいはヘモグロビンなどの色素と、肉表面及び内部を構成する物質の化学的状態に由来する。まぐろ赤身肉の赤色色調は、空気中に曝されることによる温度や酸素分圧の条件で生じる酸化反応などで褐色となる色調変化が起こる。この変化は、例えば冷凍処理されたまぐろ赤身肉において、解凍時より経時的に進行する。従来より、アスコルビン酸などの酸化防止剤あるいは亜硝酸塩などの発色剤を用いてミオグロビンあるいはヘモグロビンなどの色素の酸化を防止することにより、まぐろ赤身肉の赤色色調を安定化させる方法が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような方法を液体調味料用組成物に応用した場合、酸化防止剤及び発色剤などの食品添加物を含む組成となる。食品添加物の安全性は科学的根拠に基づいたものであるが、消費者の意識には食への質の高い安全性を求め、食品添加物不使用を謳う商品を良品とする傾向があり、調味料への酸化防止剤などの添加は商品価値を低下させる。本発明が解決しようとする課題は、まぐろ赤身肉の赤色色調を良好に保ち、かつ食品添加物を使用しない液体調味用組成物料を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明の液体調味用組成物料は、食塩を含有する水溶液からなり、該水溶液のpHが4.5〜6.5、塩分濃度が1.5〜20重量%で、かつ糖類の含量が5〜15重量%であることを特徴とするまぐろ用液体調味用組成物である。
【0005】
糖類としては、砂糖、異性化糖、ソルビトール、マルトースなどが挙げられる。本発明による液体調味料組成物中の糖類の含有量としては、5重量%以上でその割合がより多い程まぐろ赤身肉の色調を保持するのには好ましい。但し、本発明による調味料及び調味したまぐろ組成物の味を官能評価した場合、糖類の含有量が多いと甘味が強く、調味用のたれに使用するにはマルトースの場合で15%程度を最大含有量とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
この液体調味用組成物料を用いて調味を目的としてまぐろ赤身肉を浸漬した場合、浸漬後長時間まぐろ赤身肉の良好な色調を浸漬前と同等の状態に保つことができる。
【0007】
実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本実施例の液体調味用組成物の組成は次のとおりである。
【0008】
(実施例1)
本実施例の液体調味料の組成は次のとおりである。
食塩 1.5重量%
糖類 15重量%
水 83.5重量%
本実施例の液体調味用組成物料を用いて調味を目的としてまぐろ赤身肉を浸漬する場合について説明する。
まず、解凍し常温としたまぐろ赤身肉を一辺1.5〜2.5cmの立方体にカットした。この時、まぐろ赤身肉の重量は10〜15gとした。
次にまぐろ赤身肉を上記の液体調味用組成物料に浸漬した。
60分経過後、まぐろ赤身肉を取り出し、色調を官能的に評価した。
さらに、上記実施後のまぐろ赤身肉を喫食し、その味の官能評価を行った。
本実施例においては、浸漬時及び浸漬後にまぐろ赤身肉の良好な色調を保つことができたとともに、まぐろ赤身肉は良好な調味状態であった。評価結果を表1に示す。
【0009】
(実施例2)
本実施例の液体調味料の組成は次のとおりである。
食塩 5重量%
食酢 13重量%
グルタミン酸ナトリウム 1重量%
糖類 5重量%
水 76重量%
浸漬の手順等は上記実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
本実施例においては、浸漬時及び浸漬後にまぐろ赤身肉の良好な色調を保つことができた。評価結果を表1に示す。
【0010】
(実施例3)
本実施例の液体調味料の組成は次のとおりである。
食塩 20重量%
糖類 5重量%
水 75重量%
浸漬の手順等は上記実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
本実施例においては、浸漬時及び浸漬後にまぐろ赤身肉の良好な色調を保つことができた。評価結果を表1に示す。
【0011】
(実施例4)
本実施例の液体調味料の組成は次のとおりである。
醤油 30重量%
糖類 5重量%
水 65重量%
浸漬の手順等は上記実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
本実施例においては、浸漬時及び浸漬後にまぐろ赤身肉の良好な色調を保つことができた。評価結果を表1に示す。
【0012】
(比較例1)
本比較例の液体調味用組成物料の組成は次のとおりである。
食塩 5重量%
食酢 16重量%
グルタミン酸ナトリウム 1重量%
糖類 5重量%
水 73重量%
浸漬の手順等は上記実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
本比較例においては、浸漬時にまぐろ赤身肉の色調に変化が起こり、良好な色調を保つことはできなかった。評価結果を表1に示す。
【0013】
(比較例2)
本比較例の液体調味用組成物料の組成は次のとおりである。
食塩 1重量%
糖類 5重量%
水 94重量%
浸漬の手順等は上記実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
本比較例においては、浸漬時にまぐろ赤身肉の色調に変化が起こり、良好な色調を保つことはできなかった。評価結果を表1に示す。
【0014】
(比較例3)
本比較例の液体調味用組成物料の組成は次のとおりである。
食塩 1.5重量%
糖類 20重量%
水 78.5重量%
浸漬の手順等は上記実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
本比較例においては、浸漬時及び浸漬後にまぐろ赤身肉の良好な色調を保つことができた。しかし、まぐろ赤身肉は喫食した際大変甘く、実施例1と比較すると調味状態は良好とは言えなかった。評価結果を表1に示す。
表1


色調について: ○;良好、×;不良
味について: ○;良好、×;不良
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明の液体調味用料組成物を用いまぐろ赤身肉を浸漬した場合、浸漬後にまぐろ赤身肉の色調を良好な状態に保ったまま調味を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】390010766
【氏名又は名称】日本食研株式会社
【出願日】 平成19年3月30日(2007.3.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−245571(P2008−245571A)
【公開日】 平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願番号】 特願2007−90608(P2007−90608)