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【発明の名称】 豚足圧縮成型体及びその製造方法
【発明者】 【氏名】東海林 政秋

【要約】 【課題】成型体自体が様々な形状に成型できる上に、成形体は、用途に応じてスライスやサイコロ状等の様々な形状に切り分け加工することができ、寿司ネタや、弁当、給食等の様々な食材として利用でき、豚足自体のグロテスクな形状から敬遠していた人であっても気軽に食することができるようにした豚足圧縮成型体及びその製造方法を提供する。

【構成】加熱調理した豚足を豚足一次肉片と小さい肉片の付いた豚足一次骨とに分離する工程と、前記豚足一次肉片を再度加熱調理する工程と、前記再度加熱調理した豚足一次肉片を加圧冷却成型する工程と、前記圧縮成型された豚足一次肉片を型抜きして豚足圧縮成型体を得る工程と、を含むようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理した豚足を豚足一次肉片と小さい肉片の付いた豚足一次骨とに分離する工程と、前記豚足一次肉片を再度加熱調理する工程と、前記再度加熱調理した豚足一次肉片を加圧冷却成型する工程と、前記圧縮成型された豚足一次肉片を型抜きして豚足圧縮成型体を得る工程と、を含むことを特徴とする豚足圧縮成型体の製造方法。
【請求項2】
加熱調理した豚足を豚足一次肉片と小さい肉片の付いた豚足一次骨とに分離する工程と、前記分離された豚足一次骨を加熱調理してゼラチン、コラーゲン等を含む白濁した濃厚なスープを得る工程と、前記スープと前記豚足一次肉片とを混合し、この豚足一次肉片とスープを含む混合物を再度加熱調理する工程と、前記再度加熱調理した豚足一次肉片とスープを含む混合物を加圧冷却成型する工程と、前記圧縮成型された豚足一次肉片とスープを含む混合物を型抜きして豚足圧縮成型体を得る工程と、を含むことを特徴とする豚足圧縮成型体の製造方法。
【請求項3】
加熱調理した豚足を豚足一次肉片と小さい肉片の付いた豚足一次骨とに分離する工程と、前記豚足一次肉片に野菜類を加えて再度加熱調理する工程と、前記再度加熱調理した豚足一次肉片と野菜類を含む混合物を加圧冷却成型する工程と、前記圧縮成型された豚足一次肉片と野菜類を含む混合物を型抜きして豚足圧縮成型体を得る工程と、を含むことを特徴とする豚足圧縮成型体の製造方法。
【請求項4】
加熱調理した豚足を豚足一次肉片と小さい肉片の付いた豚足一次骨とに分離する工程と、前記分離された豚足一次骨を加熱調理してゼラチン、コラーゲン等を含む白濁した濃厚なスープを得る工程と、前記スープと前記豚足一次肉片に野菜類を加えて混合し、この豚足一次肉片とスープと野菜類とを含む混合物を再度加熱調理する工程と、前記再度加熱調理した豚足一次肉片とスープと野菜類を含む混合物を加圧冷却成型する工程と、前記圧縮成型された豚足一次肉片とスープと野菜類を含む混合物を型抜きして豚足圧縮成型体を得る工程と、を含むことを特徴とする豚足圧縮成型体の製造方法。
【請求項5】
加熱調理した豚頭部から得た豚頭部肉を、前記豚足一次肉片と混合して使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の豚足圧縮成型体の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の豚足圧縮成型体の製造方法によって製造された豚足圧縮成型体であって、型抜き後にスライスされ、寿司ネタとして供されることを特徴とする豚足圧縮成型体。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項記載の豚足圧縮成型体の製造方法によって製造された豚足圧縮成型体であって、型抜き後にサイコロ状に切り分けられ、弁当又は給食用食材として供されることを特徴とする豚足圧縮成型体。
【請求項8】
加熱調理した豚頭部から得た豚頭部肉を再度加熱調理する工程と、前記再度加熱調理した豚頭部肉片を加圧冷却成型する工程と、前記圧縮成型された豚頭部肉片を型抜きして豚頭部肉圧縮成型体を得る工程と、を含むことを特徴とする豚頭部肉圧縮成型体の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の豚頭部肉圧縮成型体の製造方法によって製造されたことを特徴とする豚頭部肉圧縮成型体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な形状に加工でき、寿司ネタ、弁当、給食等の食材として多用途において利用可能で、食べ易く、しかも、美容健康に有益な効果をもたらす豚足圧縮成型体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、加熱調理された豚足は食品として流通しており、豚足に含まれるコラーゲンやゼラチンによる美肌効果が話題性を増し、豚足は広い世代に食される状況にあるが、グロテスクな形から敬遠される場合も容易に想像できる。豚足は下処理され(加熱済、体毛の処理済等)、商品化されて一般に流通消費されている。
【0003】
現在商品化されているものは、骨付き、骨なし、味付け済のものです。整形された骨なしの豚足肉は、様々な用途に加工可能であり、需要は飛躍的に高まるであろうことが予想される。現在、骨付きの豚足も種々販売されている状況にあるが、骨は食せないものであり、骨と豚足肉の割合も一定でないため、内容量に対価を払う消費者には不公平感が残るという問題がある。
【0004】
従来の豚足の調理方法としては、焼肉材料用豚足の調理方法(特許文献1)や豚足スープの製造方法及び調理豚足(特許文献2)等が知られているが、寿司ネタや弁当、給食等の食材として利用できるように豚足成形体を製造する技術については知られていない。
【特許文献1】特開2006−271317号公報
【特許文献2】特開2007−174922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
豚足は加熱することによって軟質化し、一部はゲル化する特性を持つものである。本発明者は、豚足の調理法について種々の研究を進めたところ、容器に入れた豚足の肉は加圧されることによって容易に整形化でき、冷却されることによって、次第に固形化が進み、脂質、ゼラチン等が接着剤の役割を果たし一体化するという知見を得た。つまり、豚足を加熱調理して一旦軟化ゲル化し、その後、加圧冷却して固形化成型が可能であることを見出したものである。
【0006】
本発明は、成型体自体が様々な形状に成型できる上に、成形体は、用途に応じてスライスやサイコロ状等の様々な形状に切り分け加工することができ、寿司ネタや、弁当、給食等の様々な食材として利用でき、豚足自体のグロテスクな形状から敬遠していた人であっても気軽に食することができるようにした豚足圧縮成型体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の豚足圧縮成型体の製造方法の第1の態様は、加熱調理した豚足を豚足一次肉片と小さい肉片の付いた豚足一次骨とに分離する工程と、前記豚足一次肉片を再度加熱調理する工程と、前記再度加熱調理した豚足一次肉片を加圧冷却成型する工程と、前記圧縮成型された豚足一次肉片を型抜きして豚足圧縮成型体を得る工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の豚足圧縮成型体の製造方法の第2の態様は、加熱調理した豚足を豚足一次肉片と小さい肉片の付いた豚足一次骨とに分離する工程と、前記分離された豚足一次骨を加熱調理してゼラチン、コラーゲン等を含む白濁した濃厚なスープを得る工程と、前記スープと前記豚足一次肉片とを混合し、この豚足一次肉片とスープを含む混合物を再度加熱調理する工程と、前記再度加熱調理した豚足一次肉片とスープを含む混合物を加圧冷却成型する工程と、前記圧縮成型された豚足一次肉片とスープを含む混合物を型抜きして豚足圧縮成型体を得る工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の豚足圧縮成型体の製造方法の第3の態様は、加熱調理した豚足を豚足一次肉片と小さい肉片の付いた豚足一次骨とに分離する工程と、前記豚足一次肉片に野菜類を加えて再度加熱調理する工程と、前記再度加熱調理した豚足一次肉片と野菜類を含む混合物を加圧冷却成型する工程と、前記圧縮成型された豚足一次肉片と野菜類を含む混合物を型抜きして豚足圧縮成型体を得る工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の豚足圧縮成型体の製造方法の第4の態様は、加熱調理した豚足を豚足一次肉片と小さい肉片の付いた豚足一次骨とに分離する工程と、前記分離された豚足一次骨を加熱調理してゼラチン、コラーゲン等を含む白濁した濃厚なスープを得る工程と、前記スープと前記豚足一次肉片に野菜類を加えて混合し、この豚足一次肉片とスープと野菜類とを含む混合物を再度加熱調理する工程と、前記再度加熱調理した豚足一次肉片とスープと野菜類を含む混合物を加圧冷却成型する工程と、前記圧縮成型された豚足一次肉片とスープと野菜類を含む混合物を型抜きして豚足圧縮成型体を得る工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の豚足圧縮成型体の製造方法においては、加熱調理した豚頭部から得た豚頭部肉を、前記豚足一次肉片と混合して使用することもできる。
【0012】
本発明の豚足圧縮成型体の第1の態様は、本発明の豚足圧縮成型体の製造方法によって製造された豚足圧縮成型体であって、型抜き後にスライスされ、寿司ネタとして供されることを特徴とする。
【0013】
本発明の豚足圧縮成型体の第2の態様は、本発明の豚足圧縮成型体の製造方法によって製造された豚足圧縮成型体であって、型抜き後にサイコロ状に切り分けられ、弁当又は給食用食材として供されることを特徴とする。
【0014】
上記した本発明の豚足圧縮成型体においては、豚足を原料として圧縮成形体を製造したが、同様にして豚頭部を原料として圧縮成型体を製造することができる。本発明の豚頭部肉圧縮成型体の製造方法は、加熱調理した豚頭部から得た豚頭部肉を再度加熱調理する工程と、前記再度加熱調理した豚頭部肉片を加圧冷却成型する工程と、前記圧縮成型された豚頭部肉片を型抜きして豚頭部肉圧縮成型体を得る工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の豚頭部肉圧縮成型体は、本発明の豚頭部肉圧縮成型体の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、成型体自体が様々な形状に成型できる上に、成形体は、用途に応じてスライスやサイコロ状等の様々な形状に切り分け加工することができ、寿司ネタや、弁当、給食等の様々な食材として利用でき、豚足自体のグロテスクな形状から敬遠していた人であっても気軽に食することができるようにした豚足圧縮成型体及びその製造方法を提供することができ、また、同様の作用を有する豚頭部肉圧縮成型体及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を添付図面中、図1−図9に基づいて説明するが、本発明の技術思想から逸脱しない限りこれらの実施の形態について種々の変更又は変形が可能なことは言うまでもない。
【0018】
図1は本発明の豚足圧縮成型体の製造方法の工程順の一例を示すフローチャートである。図1において、まず、冷凍豚足原料を準備する(ステップ100)。この冷凍豚足原料(例えば、脱毛処理済の冷凍骨付き豚足)を解凍する。例えば、冷蔵庫内で、洗浄、血抜き、脱臭目的で一昼夜水に浸して解凍する。冷蔵庫内の温度の限定は特別ないが、衛生上は8℃以下が好ましい。下限温度は冷凍しないことが必要であるから0℃を超える必要があり、例えば3℃程度が適当である。
【0019】
次に、この解凍した豚足に対して加熱調理(第一次)を行う(ステップ102)。この加熱処理は、例えば80〜120℃、好ましくは95〜98℃の沸騰した湯を満たした煮沸容器8に解凍した豚足9を入れ、灰汁を取りながら所定時間(30〜60分、好ましくは45分程度)煮る(図3)。煮上がった豚足を再度水で洗浄後、蒸し器で、例えば30分〜2時間、好ましくは1時間程度で90〜130℃、好ましくは102℃程度加熱調理する。
【0020】
この加熱調理した豚足の骨と肉の分離作業を手作業で行う(ステップ106)。上記した第一次加熱調理の温度が高いほど骨と肉との分離作業が容易である。この分離作業によって、一次肉片を分離し(ステップ108)かつ一次骨を分離する(ステップ109)。
【0021】
次いで、一次肉片を再度加熱調理(第二次)する(ステップ110)。この第二次加熱処理は、一次肉片を適当な大きさに切り、型に入れて蒸し器(例えば、90〜130℃、好ましくは102℃)で再加熱すればよい。この第二次加熱調理の後、加圧冷却成型を行う(ステップ112)。この加圧冷却成型は、上記した再加熱された一次肉片が収納されている型に上蓋をして加圧し、例えば1〜8℃、好ましくは3℃の冷蔵庫で一昼夜保存することによって行う。翌朝型から一次肉片を取り出す。この成型処理によって、一次肉片は整形一体化固形し、豚足圧縮成型体Aが得られる(ステップ114)。また、上記一次肉片を再加熱後、素早く型に入れて上蓋をして加圧して常温で放置することによっても、時間が余分にかかるが、同様に一次肉片は整形一体化し、豚足圧縮成型体Bを得ることができる。なお、豚足圧縮成型体Aと豚足圧縮成型体Bの固形状態や食感における違いは存在しないので、どちらの手法で豚足圧縮成型体を製造してもよいものである。
【0022】
上記した加圧冷却成型を行う型の形状として特別の限定はないが、例えば、図4A示した箱形型10、図4Bに示した筒形型11、図4Cに示した蒲鉾形型12等の形状の型を使用することができる。図5(a)〜(f)は上記したステップ112及びステップ114の手順を示す模式図である。図5(a)において、計量器14によって一次肉片16を計量して、型10に投入し、加圧板18によって型10内に投入された一次肉片16を加圧成型する。成型された一次肉片は型抜きされて豚足圧縮成型体17となる。この豚足圧縮成型体17はスライスされてスライス状豚足圧縮成型体17Aとすれば、寿司タネとなり、またサイコロ状にカットされてサイコロ状豚足圧縮成型体17Bとすれば、弁当や給食の食材として供することが可能となる。
【0023】
前記した分離された一次骨(ステップ109)の再加熱調理について図1を用いて述べる。前記一次骨を沸騰した湯に入れて加熱調理する(ステップ111)。この加熱調理は、沸騰した湯に一次骨を投入し中火で掻き混ぜながら所定時間(例えば、1〜3時間、好ましくは1.5時間程度)加熱調理する。この加熱調理によって、ゼラチンやコラーゲン等を含む白濁した濃厚なスープが出来る。この沸騰した湯による加熱調理では、一次骨からの小肉片の完全な分離には至らない。しかし、圧力鍋で沸騰(110〜115℃程度)後、所定時間(例えば45分程度加熱し、所定時間(例えば30分程度)余熱放置すると、殆どの骨と肉が分離できている状態となり、加圧状態での加熱調理作業の方が優位性がある。調理温度が百数十度の高圧ニーダー(釜)も開発されており、これらを利用する事により、歩留まり及び作業性の向上が図れることは明らかである。さらに、加圧加熱しながら、内部で一次骨を正逆攪拌させれば、分離作業の効率化か見込める。
【0024】
次に、一次肉片と一次骨の調理法について図2を参照して述べる。ステンレス金網フィルターで骨を除去した白濁スープに、駒切れにした一次肉片を加え(所望により、野菜や調味料を加えてもよい)(ステップ200)、この混合物を攪拌しながら全体が85℃〜90℃になるまで加熱する(ステップ202)。この混合物の加熱状態はクリームシチュー状になり、それを型に流し込んで上蓋をして軽く抑え、冷蔵庫(例えば、3℃)に一昼夜保存し、凝固して整形一体化させる(ステップ204)。この成型作業により、豚足圧縮成型体Cが得られる(ステップ206)。
【0025】
筒状の耐熱性樹脂袋を利用しての整形法について説明する。上記したステップ202のクリームシチュー状態(ゲル化)の一次肉片とスープの混合物を袋に流し込み、一昼夜冷蔵庫(例えば、3℃)で冷却すれば、ソーセージ状(棒状)の固形体を得ることができる。
【0026】
なお、一次肉片とスープに対して、所望で、野菜類、例えば、玉ねぎ、人参、椎茸、シメジ等を添加することができるが、これらの野菜の調理レシピについては、広く一般に公開されており、常法によって行えばよいもので、その詳細な説明は省略する。野菜類を添加した豚足圧縮成型体Cの場合には、それを薄くスライスすると、断面に野菜類も見えて食欲をそそり、野菜類を添加することによる一体整形固形化への影響も特別存在しない。また、上記したクリームシチュー状(ゲル化)で、調味料、薬草、香料等を加えれば、簡単に味付けが出来、スピーディーな調理の用途も広がる事は明らかである。豚足圧縮成型体Cに野菜類を添加した場合でも、更に加水しているために、豚足圧縮成型体A及びBと比較すると、柔らかい。
【0027】
一次肉片を適度に小さく切断すれば、上記クリームシチュー状(ゲル化)で、
エアースタッフアー(腸詰機械)も使用可能であり、一般に広く販売されている、ソーセージ状(棒状)にも加工可能である。
【0028】
豚足圧縮成型体A、B、Cの温度変化による影響については次の通りである。3℃迄冷却された整形体を型から取り出し、1.5〜2.0ミリ程度に薄くスライスしてみた。スライス作業中に整形体の分離や剥離は見られず、強い一体性及び接着性が確認できた。スライスした豚足を室温25℃まであげたが、分離及び剥離は見られない。電子レンジで40℃まで加温したが、分離及び剥離は見られない。電子レンジで50℃まで加温すると、一部の分離及び剥離が見られる。豚足圧縮成型体は温度が上昇するに従い、軟体化する特性がある。加水する分量によって、豚足圧縮成型体の軟性を調節する事が可能である。
【0029】
現在、豚の耳や頭部の肉などは、特定国及び特定地域の嗜好家によって食されているが、グロデスクな形ゆえに、需要も限られた状況にある。豚足肉との混合一体整形化も可能であり、頭部の皮や肉片も本発明の技術によって、大衆的な食料になることが期待できる。
【実施例1】
【0030】
以下に本発明の実施例を挙げて説明する。
【0031】
(調理実験例1)
豚足(脱毛処理済、冷凍骨付き豚足10kg、23本入り、430g/本)を用いる。作業手順は以下の通りである。
(1)3℃の冷蔵庫内で、洗浄、血抜き、脱臭目的で一昼夜水に浸して解凍した。衛生上は8℃以下が好ましいだろう。
(2)95〜98℃の沸騰したお湯に10kgの豚足を入れ、灰汁を取りながら45分煮た。10kgから9.46kgの質量の変化が見られた。
(3)煮上がった豚足を再度水で洗浄後、蒸し器で一時間、102℃過熱調理した。豚皮が破れ始める状況が確認できた。9.46kgから8.81kgへの質量の変化が見られた。
(4)作業用手袋を着用、調理道具(包丁、小型ナイフ、ハサミ)で、骨と肉の分離作業を行った。高温なほど骨と肉との分離作業が容易であることが確認できた。この状態の肉片を一次肉片とし、小さい肉片が付いた状態を一次骨と呼ぶことにする。一次肉片3.98kgと一次骨4.83kgとなった。
(5)一次肉片を適当な大きさに切り、型に入れて蒸し器(102℃)で再加熱後、上蓋をして加圧、3℃の冷蔵庫で一昼夜保存、翌朝型から取り出した。一次肉は整形一体化し固形が確認された(豚足圧縮成型体A)。
(6)一次肉を再加熱後、素早く型に入れて上蓋をして加圧、この方法でも同じ様な整形一体化が確認できた(豚足圧縮成型体B)。
(7)50℃の一次肉でも一体化は確認出来ているが、空洞部分も見られ、高温なほど一体化は優れる。(今回使用した型は85×190×45(深さ)アルミ鋳物樹脂コーテング、一面開放型)加圧重量は5kg(31g/cm2)とした。
【0032】
一次骨の再調理について述べる。
(1)沸騰したお湯に一次骨を入れ、中火で掻き混ぜながら1.5時間加熱熱調理した。ゼラチン、コラーゲン等を含む白濁した濃厚なスープが出来たが、骨からの小肉片の完全な分離には至らなかった。
(2)家庭用の圧力鍋で沸騰後(110〜115℃程度)45分加熱し、30分余熱放置した。これでは殆どが分離できている状態で、作業の優位性が確認された。今回は一次骨1kg、水2kgで二回実施した。比例法で求めれば、圧力釜による分離作業により一次骨4.83kgから4.12kgの質量変化が考えられた。つまり、骨から小肉片が剥離し、成分が溶解している事が確認できる。調理温度が百数十度の高圧ニーダー(釜)も開発されておりこれらを利用する事により、歩留まり及び作業性の向上が図れることは明らかである。加圧加熱しながら内部で一次骨を正逆攪拌させれば、分離作業の効率化か見込める。
【0033】
一次肉と一次骨の調理法について述べる。
ステンレス金網フィルターで骨を除去した白濁スープに、野菜及び調味料を加え駒切れにした一次肉を加え、攪拌しながら全体が85℃〜90℃まで加熱する。加熱後の状態はクリームシチュー状になり、それを型に流し込んで上蓋をして軽く抑え、3℃の冷蔵庫に一昼夜保存、凝固して整形一体化が確認できた(豚足圧縮成型体C)。
【0034】
今回、野菜は玉ねぎ、人参、椎茸、シメジを使用したが、調理レシピについては、広く一般に公開されており、詳細は省く。
【0035】
上記した豚足圧縮成型体Cを薄くスライスしたが、断面に野菜類も見えて、食欲をそそり、一体整形、固形化への影響も無かった。クリームシチュー状(ゲル化)で、調味料、薬草、香料等を加えれば、簡単に味付けが出来、スピーディーな調理の用途も広がる事は明らかである。豚足圧縮成型体Aと豚足圧縮成型体Bの固形状態及び食感に違いは見られなかった。豚足圧縮成型体Cは野菜類が入っており、更に加水しているために、豚足圧縮成型体A及びBと比較すると、柔らかい。
【0036】
一次肉を適度に小さく切断すれば、上記クリームシチュー状(ゲル化)で、エアースタッフアー(腸詰機械)も使用可能であり、一般に広く販売されている、ソーセージ状(棒状)にも加工可能である。
【0037】
豚足圧縮成型体A、B、Cの温度変化による影響は次の通りである。
3℃迄冷却された豚足圧縮成型体を型から取り出し、1.5〜2.0ミリ程度に薄くスライスしてみた。スライス作業中に整形体の分離、剥離は見られず、強い一体性、接着性が確認できた。スライスした豚足圧縮成型体を室温25℃まであげたが、分離、剥離は見られない。電子レンジで40℃まで加温したが、分離、剥離は見られない。電子レンジで50℃まで加温したが、一部分離、剥離が見られた。
【0038】
豚足圧縮成型体は温度が上昇するに従い、軟体化する特性があるのが確認できた。加水する分量によって、豚足圧縮成型体の軟性を調節する事が可能であることの確認ができた。
【0039】
(調理実験例2)
筒状の耐熱性樹脂袋を活用しての豚足圧縮成型体の製造実験
ステンレス金網フィルターで骨を除去した白濁スープに、野菜及び調味料を加え駒切れにした一次肉を加え、攪拌しながら全体が85℃〜90℃まで加熱する。加熱後の状態はクリームシチュー状になり、このクリームシチュー状態(ゲル化)で袋に流し込み、一昼夜3℃の冷蔵庫で冷却したところ、翌朝にはソーセージ状(棒状)の豚足圧縮成型体の形成が確認できた。この豚足圧縮成型体をスライスして食したところ上記した豚足圧縮成型体Cと同様の食感であった。
【0040】
(調理実験例3)
一次肉を加熱して一定温度(50℃)まで上昇させた場合(調理例1)と、一次肉片を高温(85℃〜95℃)まで上昇させた後、冷却(50℃に)した場合(調理例2)の比較では、可也の接着性の違いがみられることが確認できた。調理例1よりも調理例2の方が遥かに接着性が高いことが確認された。
【0041】
(調理実験例4)
冷凍食品の可能性実験
豚足圧縮成型体A,B,C及びそれらのスライス状態片をー20℃で冷凍し、解凍後の変化を調べてみた。豚足圧縮成型体A,B,Cを自然解凍してスライスしてみたところ、一体性は保たれており、作業性に問題は感じられなかった。スライス状態片を自然解凍してみたところ、一体性は保たれていた。スライス状態片をレンジで急速解凍してみたところ、一部に接着部の剥離が見られた。以上の結果から、冷凍食品としての取扱いにも問題のないことが確認できた。
【0042】
現在、豚の耳、頭部の肉などは、特定国、地域の嗜好家によって食されているが、グロデスクな形ゆえに、需要も限られた状況にある。豚足肉との混合一体整形化も可能であり、頭部の皮、肉片もこの加工法によって、大衆的な食料になることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の豚足圧縮成型体の製造方法の工程順の一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明における一次肉片と一次骨の調理法の工程順一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の豚足圧縮成型体の製造における豚足を加熱調理する一態様を示す説明図である。
【図4A】本発明の豚足圧縮成型体の成型に用いられる型の一例を示す斜視説明図である。
【図4B】本発明の豚足圧縮成型体の成型に用いられる型の他の例を示す斜視説明図である。
【図4C】本発明の豚足圧縮成型体の成型に用いられる型の別の例を示す斜視説明図である。
【図5】本発明の豚足圧縮成型体の成型手順の要部を示す模式図で、(a)は豚足一次肉片を計量する状態を示す側面図、(b)は計量した豚足一次肉片が投入される型を示す斜視図、(c)は型に投入された豚足一次肉片の収納状態を示す断面的説明図、(d)は型抜きされた豚足圧縮成型体を示す斜視図、(e)はスライスされた豚足圧縮成型体を示す説明図、及び(f)はサイコロ状にカットされた豚足圧縮成型体を示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
8:煮沸容器、9:豚足、10:箱形型、11:筒形型、12:蒲鉾形型、14:計量器、16:一次肉片、17:豚足圧縮成型体、17A:スライス状豚足圧縮成型体、17B:サイコロ状豚足圧縮成型体、18:加圧板。
【出願人】 【識別番号】502260122
【氏名又は名称】東海林 政秋
【出願日】 平成19年12月26日(2007.12.26)
【代理人】 【識別番号】100080230
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 詔二

【識別番号】100147935
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 進介


【公開番号】 特開2008−67721(P2008−67721A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2007−334262(P2007−334262)