| 【発明の名称】 |
冷凍干絲の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】富岡 実
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| 【要約】 |
【課題】高品質を維持したままで長期に渡って、保存することが出来る冷凍干絲の製造方法を提供する。
【構成】豆腐干を千切りにして製造した干絲を、糖類及び水から成る混合液に浸漬し、その後、冷凍する。また、他の手段として、上記糖類として麦芽糖水飴及びソルビトールを組み合わせて使用してもよいし、上記混合液にpH調整剤を加えてもよい。さらに、上記混合液の浸漬は、3時間以上行い、その後煮沸し、冷凍してもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 豆腐干を千切りにして製造した干絲を、糖類及び水から成る混合液に浸漬し、その後、冷凍することを特徴とする、冷凍干絲の製造方法。 【請求項2】 上記糖類として麦芽糖水飴及びソルビトールを組み合わせて使用したことを特徴とする、上記請求項1に記載の冷凍干絲の製造方法。 【請求項3】 上記混合液にpH調整剤を加えたことを特徴とする、上記請求項1又は2の何れかに記載の冷凍干絲の製造方法。 【請求項4】 上記混合液の浸漬は、3時間以上行い、その後煮沸し、冷凍することを特徴とする、上記請求項1、2又は3の何れかに記載の冷凍干絲の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、中華料理の食材の一つである冷凍干絲(がんすう)の製造法方に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、中華料理の食材の一つに豆腐干(とうふかん)がある。この豆腐干は、通常の豆腐を強く水切りしたものであって、身質は通常の豆腐より緻密で固いので、千切りや、さいの目に切って下茹でして柔らかくして使用されている。この豆腐干は、原料は豆腐と同じであるため、高蛋白で低カロリーの優れた健康食品である。また、大豆特有の旨み、香り、甘みとしなやかな歯ごたえが特徴で、丈夫で煮崩れせず、煮物、前菜、炒め物などに広く用いられ、特に、上海や揚州などの江南地方の料理に多く見ることが出来る。そして、販売の際には、一般的には扁平な直方体形状に形成して販売されている。 【0003】 この様な豆腐干は、豆乳を寸胴に抽出した後、酵素を添加し、その後にがりを入れ攪拌し、寄せてザルに取ったおぼろ豆腐を型枠に布を敷いた後詰め込み、プレス機にセットして加圧して製造される。また、充填豆腐を作る要領で豆乳を丸ごと凝固剤で固めたものを崩し、型枠に詰めてプレスする方法もある。さらに、別の方法として、上記豆乳あるいは分離大豆蛋白質の水溶液に凝固剤を添加してカードを形成し、このカードを分断処理し、更に、これを圧縮してその含水量を減らし、これを容器に充填し、密封した後、加熱処理して製造される場合もある。 【特許文献1】特公平3−69497号公報 【0004】 昨今では、豆腐干は、中華料理店の外、一般の家庭においても使用され始めている。ここで、この豆腐干を千切りにしたものを干絲という。干絲は、一般的には、商品としては、販売されておらず、これまでは、熟練した料理人がその都度、直に、豆腐干を包丁で千切りにして作り出されている。本願出願人は、研究開発を鋭意進め、高品質の干絲の大量生産に成功した。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、本願出願人が開発した干絲の保存、輸送は、チルド(0度前後の冷蔵)によるものであり、時間的、物理的な制限があり、品質を維持したまま全国に配給できるものではない。また、既存の干絲をそのまま冷凍したのでは、解凍時に当該干絲の内部に巣(細かな間隙)が出来、食感が変わり、味が落ちてしまう。 【0006】 そこで、この発明は、これらの点を鑑みて為されたもので、高品質を維持したままで長期に渡って保存することが出来る冷凍干絲の製造方法を提供して上記課題を解決するものである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 請求項1の発明は、豆腐干を千切りにして製造した干絲を、糖類及び水から成る混合液に浸漬し、その後、冷凍する冷凍干絲の製造方法とした。 【0008】 請求項2の発明は、上記糖類として麦芽糖水飴及びソルビトールを組み合わせて使用した上記請求項1に記載の冷凍干絲の製造方法とした。 【0009】 請求項3の発明は、上記混合液にpH調整剤を加えた上記請求項1又は2の何れかに記載の冷凍干絲の製造方法とした。また、請求項4の発明は、上記混合液の浸漬は、3時間以上行い、その後煮沸し、冷凍する上記請求項1、2又は3の何れかに記載の冷凍干絲の製造方法とした。 【発明の効果】 【0010】 請求項1の発明によれば、一般に製造された干絲を、糖類及び水から成る混合液に浸漬し、その後、冷凍するので、また、請求項2の発明によれば、上記糖類として麦芽糖水飴及びソルビトールを組み合わせて使用したので、また、請求項3の発明によれば、上記混合液にpH調整剤を加えたので、さらに、請求項4の発明によれば、上記浸漬は、3時間以上行い、その後煮沸し、冷凍するので、冷凍干絲の解凍時に干絲の内部に巣が出来ない、高品質を維持したままで長期に渡って保存することが出来る冷凍干絲の製造方法を提供することが出来る。これにより、高品質の干絲を全国に配給することが出来、中華料理店の外、家庭でも、手軽に良品質の干絲を得ることが出来、中華料理のレパートリーが増え、料理を楽しむことが出来る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 豆腐干を千切りにして製造した干絲を、pH調整剤として乳酸ナトリウム、糖類として麦芽糖水飴及びソルビトールを組み合わせ、また、水を加えて成る混合液に3時間以上浸漬し、その後、煮沸し、冷凍する。 【0012】 これらの構成により、解凍時に干絲の内部に巣が出来ない、高品質を維持したままで長期に渡って保存することが出来る冷凍干絲の製造方法を提供することが出来る。 【実施例1】 【0013】 以下、この発明の実施例を図に基づいて説明する。 図1に示すのは、この発明の、冷凍干絲の製造方法の工程のフローチャートである。第一工程1は、大豆の浸漬、第二工程2は、大豆の粉砕、第三工程3は、大豆の煮沸、第四工程4は、豆乳の抽出、第五工程5は、凝固、第六工程6は、プレス成型、第七工程7は、冷却保管、第八工程8は、裁断、第九工程9は、浸漬、第十工程10は、凍結、第十一工程11は、保管である。 【0014】 第一工程1は、大豆の浸漬であるが、ここでは、例えば、大豆9kgを水槽に入れ8〜11時間地下水に浸漬する(図示省略)。具体的な時間は、その日の気温、湿度、使用する大豆の含水量などの条件によって決定する。第二工程2で、この浸漬した大豆を、粉砕機を使って粉砕する(図示省略)。この時の状態は、おからと豆乳が混じった状態である。第三工程3では、粉砕した大豆に消泡剤60ccと水を加えて110度まで加熱し、煮沸する。 【0015】 第四工程4では、絞っておからと分離して抽出した豆乳に対して、酵素を60cc添加する。その後、酵素は以後の加熱処理で失活する。第五工程5の凝固は、いわゆる「寄せ」と呼ばれる作業であり、ここでは上記抽出した豆乳に豆乳用凝固剤であるにがりを1リットル添加して凝固させる。これによって出来たおぼろ豆腐12を、図2に示すように、型枠13に入れる。ここまでは、一般の豆腐の製造方法とほぼ同じである。 【0016】 次は、プレス成型による上記第六工程である。 この第六工程6では、既存の油圧式のプレス機14を使って、上記おぼろ豆腐12を加圧して成型する。まず、図3に示すように、上記型枠13内に入れたおぼろ豆腐12の上に蓋体13aを載せ、プレス機14で加圧する。図4はプレス機14の一部分解斜視図で、このプレス機14の中ほどの板14aの上に上記蓋体13aをした型枠13を載置して加圧する。加える荷重としては、1cm2当たり、最高170g〜5.5kgが良く、さらに、好ましくは、1cm2当たり、1.7kg程度が良い。 【0017】 ここで、加える荷重として、1cm2当たり、最高170g〜5.5kgの範囲を記載しているのは、加える荷重と当該加重を加える時間のバランスによるもので、小さな荷重の場合、時間が長くなり、大きな荷重の場合、時間は短くなる。 【0018】 ここでは、60分かけて5回の加圧をする。1回目は1cm2当たりの荷重として0.173kgで5分間加圧し、2回目は同0.346kgで15分間加圧し、3回目は同1.038kgで15分間加圧し、4回目は同1.557kgで15分間加圧し、5回目は同1.73kgで10分間加圧する。この様に分割して徐々に加圧することにより、離水と、身質の結着を円滑に行うことが出来、一般の、豆腐干より、離水し、身質が緻密で、よく結着した固い豆腐干が製造される。さらに、減圧の際には、一方的に減圧するのではなく、定期的に加圧を繰り返しつつ、減圧する。これにより、さらに、離水し、身質が緻密な豆腐干が得られ、上記型枠13内の成型物は、およそ、縦37.5cm、横37.5cm、高さ2.3cmの扁平な状態となる。 【0019】 そして、第七工程7では、上記加圧成型した成型物は、空気に接触すると変色するので、空気と接触しないようにして冷水に漬け、5時間以上冷却する(図示省略)。ここでは、成型物が凍結しない温度帯として10度以下で冷却することとする。この冷却により、成型物の保型性が向上し、第八工程8の裁断がし易くなる。 【0020】 図5は、第八工程8の裁断機15の正面図であり、図6は、同裁断機15の側面図であり、図7は、同裁断機15の刃部15aに前後から流水をかけながら裁断している状態を示す説明図である。 【0021】 第八工程8では、上記図5乃至図7に示すように、裁断機15のべルトコンベアー16(図7参照)によって運ばれてくる上記成型物を、まず、刃部15aによって薄い皮のようにスライスする。この時、後述するように、裁断機15の刃部15aの前後から流水をこの刃部15aにかけて裁断する。そして、図7に示すように、これらのスライスしたものを一枚ずつ斜めにずらして重ねてベルトコンベアー16に載せ、裁断機15の刃部15aを上下させて千切りに裁断する。 【0022】 この裁断機15では、ベルトコンベアー16で運ばれて来たスライス状の成型物を裁断する際、図7に示すように、上からローラベルト17で押さえながらガイド体15bの下をくぐらせ、当該ガイド体15bに沿って刃部15aが上から降りてきて、上記成型物を裁断する。その際、刃部15aの前後に設けた各ホース18の先端口から流水をこの刃部15aにかけながら裁断するようになっている。また、上記裁断後に、上記刃部15aがガイド体15bに沿って上方に上がる際、刃部15aをこすり、かつ裁断した成型物を上から押さえる押さえ板19を設けている。これにより、裁断時の成型物が刃部15aへ付着したり跳ね上がったりするのを防ぐことが出来、長時間連続して一定のサイズに円滑に裁断することが出来る。なお、上記押さえ板19は、支持枠20で支持され、ナット19aを緩めることにより上記押さえ板19の上下の位置を調整でき、また、当該支持枠20自体を前後に移動させることにより上記押さえ板19の前後の位置を調整できる。 以上により、上記大豆9kgから、浸漬等の各工程を経て、10kgの干絲21を製造することが出来る。 【0023】 裁断の後、第九工程9で浸漬する(図示省略)。ここでは、上記干絲10kgを、糖類として、麦芽糖水飴2.24kg(18.67重量%)、ソルビトール1.68kg(14重量%)、乳酸ナトリウム50%液0.88kg(7.33重量%)、水7.2kg(60重量%)から成る混合液に、3時間以上浸漬する。ここで糖類の麦芽糖水飴、ソルビトールを使用しているのは、冷凍干絲を解凍した時に巣が出来ないようにするためであり、pH調整剤の乳酸ナトリウムを使用しているのは、干絲21の安定した品質の保持向上のためである。 【0024】 この後、100度で1分間煮沸した後、30度以下になるまで放冷し、さらに、10度以下で17時間以上冷蔵する。そして、図8に示すように、干絲21を250gずつ個別に真空包装し、85度で10分間加熱殺菌し、10度以下の水で冷やした後、第十工程10で、マイナス38度で90分間冷凍し、続いて、第十一工程11で、マイナス18度以下で保管し、出荷する。 【0025】 なお、上記実施例においては、上記第八工程8までの干絲21の製造方法として、具体的に記載しているが、干絲21の製造方法としては、これに限定するものではなく、豆腐干を包丁で千切りにして製造されたものなど、他の方法により製造された干絲を使用しても良い。 【0026】 また、第九工程9の浸漬の際、使用する混合液として、pH調整剤として乳酸ナトリウム50%液を使用しているが、pH調整剤としては他のものでも良く、さらに、pH調整剤は入れなくてもよい。また、糖類として、麦芽糖水飴及びソルビトールを使用しているが、トレハロースなどの他の糖類を使用しても良く、さらに、使用量の重量%もこれらに限定するものではない。また、干絲21を第九工程9で3時間以上浸漬した後、100度で1分間煮沸しているが、上記浸漬時間をより長時間にした場合、煮沸しなくてもよい。また、この発明は上記実施例に限定されるものではない。 【図面の簡単な説明】 【0027】 【図1】この発明の実施例の冷凍干絲の製造方法の工程を示すフローチャートである。 【図2】この発明の実施例の冷凍干絲の製造方法の第五工程の型枠内におぼろ豆腐を入れた状態を示す斜視図である。 【図3】この発明の実施例の冷凍干絲の製造方法の第五工程の型枠内に入れたおぼろ豆腐の上に蓋体を載せた状態を示す斜視図である。 【図4】この発明の実施例の冷凍干絲の製造方法の第六工程のプレス機の一部分解斜視図である。 【図5】この発明の実施例の冷凍干絲の製造方法の第八工程の裁断機の正面図である。 【図6】この発明の実施例の冷凍干絲の製造方法の第八工程の裁断機の側面図である。 【図7】この発明の実施例の冷凍干絲の製造方法の第八工程の裁断機の刃部に前後から流水をかけながら裁断している状態を示す説明図である。 【図8】この発明の実施例の冷凍干絲の製造方法の各工程を経て製造された干絲を、冷凍販売のために袋に入れた状態を示す正面図である。 【符号の説明】 【0028】 12 おぼろ豆腐、13 型枠、14 プレス機、15 裁断機、 21 干絲
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| 【出願人】 |
【識別番号】503055141 【氏名又は名称】有限会社富強食品
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| 【出願日】 |
平成18年9月6日(2006.9.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075410 【弁理士】 【氏名又は名称】藤沢 則昭
【識別番号】100064311 【弁理士】 【氏名又は名称】藤沢 正則
【識別番号】100135541 【弁理士】 【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
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| 【公開番号】 |
特開2008−61548(P2008−61548A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−241876(P2006−241876) |
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