| 【発明の名称】 |
肉臭改善剤、これを用いた肉臭改善方法及び食肉製品 |
| 【発明者】 |
【氏名】手塚 裕美子
【氏名】杉谷 俊明
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| 【要約】 |
【課題】少ない使用量で肉類の不快臭を低減できる肉臭改善剤を提供すること。また、この肉臭改善剤を用いた肉臭改善方法及び食肉製品を提供すること。
【構成】本発明の肉臭改善剤は、肉類の不快臭を低減化するためのものであって、ヒマワリ種子抽出物、γ−アミノ酪酸、テアニン、ルチン及びルチン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の肉臭改善成分を含有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 肉類の不快臭を低減化するための肉臭改善剤であって、 ヒマワリ種子抽出物、γ−アミノ酪酸、テアニン、ルチン及びルチン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の成分を含有する肉臭改善剤。 【請求項2】 ヘスペリジン及びヘスペリジン誘導体の少なくとも一方を更に含有する、請求項1に記載の肉臭改善剤。 【請求項3】 前記肉類の不快臭は、内臓臭、劣化臭、飼料に由来する臭い、ラム肉特有の臭い及びマトン特有の臭いからなる群より選ばれる少なくとも一つの臭いである、請求項1又は2に記載の肉臭改善剤。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の肉臭改善剤を、食肉に添加する工程を備える肉臭改善方法。 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の肉臭改善剤が添加された食肉製品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、肉臭改善剤、これを用いた肉臭改善方法及び食肉製品に関する。 【背景技術】 【0002】 食肉は、動物の種類、部位などによってそれぞれ特有の臭いがある。例えば、ラム肉やマトンには特有の臭いがあり、他方、レバーや臓物(いわゆるモツ)などの内臓系の肉には内臓特有の不快臭がある。また、オーストラリア産の牛肉は、国産や米国産の牛肉に比較して、飼料である牧草由来の臭い、いわゆるグラス臭が問題となっている。更に、これらの肉類を凍結して長期保存すると、脂肪等が劣化することで劣化臭が発生する場合もある。 【0003】 従来、食品の不快臭を消臭する方法として、コショウ、ショウガ、トウガラシ等の香辛料又はセージ、タイム、ローズマリー等のハーブ類を使用することが知られている(例えば、非特許文献1参照)。これらは、辛味による刺激で嗅覚を麻痺させたり、好ましい風味を付加したりして、食品の不快臭をマスキングすることにより、不快臭を低減化するものである。 【0004】 香辛料やハーブ類を使用する方法以外に、風味改善作用又は消臭作用を有する種々の物質を使用することが知られている。例えば、特許文献1〜5には、テアニン、γ−アミノ酪酸などを有効成分とする風味改善剤等が開示されている。 【非特許文献1】武政三男、「月刊フードケミカル」、第18巻、第2号、2002年、p.51−55 【特許文献1】特開平9−313129号公報 【特許文献2】特開2004−275098号公報 【特許文献3】特開平11−318379号公報 【特許文献4】特開2004−49186号公報 【特許文献5】特開昭60−178809号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、香辛料などを使用する方法は、肉類特有の不快臭をマスキングして低減化しようとするものである。したがって、香辛料などによって肉本来の好ましい香りや食味が損なわれる可能性がある。一方、肉本来の好ましい香りや食味が損なわれることを防ぐため、香辛料などの添加量を少量に制限すると、肉類の不快臭を十分に低減できないおそれがある。 【0006】 また、特許文献1〜5に記載されている風味改善剤等は肉類の不快臭を対象とするものではなく、これらを肉類の不快臭の低減に適用することについては検討されていない。 【0007】 そこで、本発明は、少ない使用量で肉類の不快臭を低減できる肉臭改善剤を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる肉臭改善剤を用いた肉臭改善方法及び食肉製品を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明の肉臭改善剤は、肉類の不快臭を低減化するためのものであって、ヒマワリ種子抽出物、γ−アミノ酪酸、テアニン、ルチン及びルチン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の成分を含有する。 【0009】 本発明の肉臭改善剤が対象とする肉類の不快臭は、内臓臭、劣化臭、飼料に由来する臭い、ラム肉特有の臭い及びマトン特有の臭いである。本発明の肉臭改善剤によれば、少ない使用量でこれらの不快臭を低減することができる。 【0010】 本発明の肉臭改善剤においては、本発明の効果をより確実かつ効果的に得る観点から、ヘスペリジン及びヘスペリジン誘導体の少なくとも一方を更に含有することが好ましく、少なくともヘスペリジン誘導体を含有することがより好ましい。ヒマワリ種子抽出物、γ−アミノ酪酸、テアニン、ルチン、ルチン誘導体から選ばれる一種以上の成分と、ヘスペリジン及び/又はヘスペリジン誘導体とを含有する肉臭改善剤が肉類特有の不快臭を十分に低減できる主因は以下のような作用によるものと考えられる。 【0011】 上記ヒマワリ種子抽出物、γ−アミノ酪酸などから選ばれる成分とヘスペリジン及び/又はヘスペリジン誘導体とを併用することにより、それぞれの成分の種々の作用(例えば、酸化防止作用、消臭作用)が、互いの作用を打ち消し合うのではなく、相乗効果を発揮すると考えられる。したがって、各成分を単独で使用した場合の使用量と比較し、少ない合計使用量であっても、肉類特有の不快臭に対して優れた効果を発揮すると考えられる。 【0012】 本発明の肉臭改善方法は、本発明に係る上記肉臭改善剤を、食肉に添加する工程を備える。肉臭改善剤を肉類に直接ふりかけたり、染み込ませたりすることにより、肉類特有の不快臭の低減を高水準に達成できる。かかる効果は、従来の風味改善剤等を使用した場合と比較し、より少ない添加量で発揮される。 【0013】 本発明の食肉製品は、本発明に係る上記肉臭改善剤が添加されたものである。本発明の食肉製品は、肉臭改善剤の効果により、肉類に特有な不快臭が低減化されている。 【発明の効果】 【0014】 本発明によれば、少ない使用量で肉類の不快臭を低減できる肉臭改善剤、これを用いた肉臭改善方法及び食肉製品を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 本発明に係る肉臭改善剤は、肉類の不快臭を低減化するためのものであって、ヒマワリ種子抽出物、γ−アミノ酪酸、テアニン、ルチン、ルチン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の肉臭改善成分を含有する。また、本発明の効果をより確実かつ効果的に得る観点から、肉臭改善剤はヘスペリジン及び/又はヘスペリジン誘導体を更に含有することが好ましい。以下、肉臭改善剤に配合可能な成分(以下、「肉臭改善成分」という。)である、ヒマワリ種子抽出物、γ−アミノ酪酸、テアニン、ルチン、ルチン誘導体、ヘスペリジン及びヘスペリジン誘導体のそれぞれについて説明する。 【0016】 (ヒマワリ種子抽出物) ヒマワリ種子抽出物は、例えば、粉砕したヒマワリ種子を水又は含水アルコールで抽出処理して得られるものである。ヒマワリ種子抽出物としては、この抽出処理により得られた抽出液を減圧濃縮し、ペースト状又は乾燥して粉末化したものを使用する。抽出処理に使用するアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びこれらの混合物などが挙げられる。ヒマワリ抽出物は酸化防止剤として食品に利用されており、有効成分はクロロゲン酸及びイソクロロゲン酸である。ヒマワリ種子抽出物として、市販品(ヘリアントS−100(商品名)、大日本インキ化学工業株式会社)を用いてもよい。 【0017】 (γ−アミノ酪酸) γ−アミノ酪酸は、生物界に微量ながら広く存在する非タンパク質構成アミノ酸であり、生理的に重要な働きをする物質である。例えば、ヒトでは脳内に局在し、脳内神経伝達物質として働いていることが分かっている。また、γ−アミノ酪酸は、血圧上昇抑制作用をはじめとして、中性脂肪増加抑制作用、更年期障害症状緩和、脳機能改善作用、精神安定作用、記憶能促進など様々な機能性を有することが知られている。 【0018】 γ−アミノ酪酸の製造法は、種々の方法があり、いずれの方法を採用してもよい。γ−アミノ酪酸の製造法としては、化学合成法、グルタミン酸脱炭酸酵素やその酵素を含有する動植物を用いる生産法、グルタミン酸脱炭酸酵素を生産する微生物を用いた発酵法などがある。また、γ−アミノ酪酸として、市販品(オリザギャバエキスHC−90(商品名)、オリザ油化株式会社製)を用いてもよい。 【0019】 (テアニン) テアニンは、グルタミン酸の誘導体(γ−グルタルエチルアミド)であり、天然には茶葉に多く含まれるアミノ酸成分である。テアニンの製造法は、種々の方法があり、いずれの方法を採用してもよい。テアニンの製造法としては、例えば、茶葉から抽出する方法、有機合成による方法、グルタミンとエチルアミンとの混合物にグルタミナーゼを作用させてテアニンを得る方法、エチルアミンを含有する培地で茶の培養細胞群を培養し、培養細胞群中のテアニン蓄積量を増加させつつ培養細胞群の増殖促進を図る方法、また、エチルアミンをエチルアミン塩酸塩などのエチルアミン誘導体に置き換えてL−テアニンを得る方法などがある。なお、テアニンの製造に使用可能な茶葉としては、緑茶葉、ウーロン茶葉、紅茶葉などが挙げられる。 【0020】 テアニンは、L−テアニン、D−テアニン、DL−テアニンのいずれも使用可能である。ただし、これらのうち、L−テアニンは、食品添加物として食品等に使用することが認められていると共に、コストの点からも利用しやすいため、L−テアニンを使用することが好ましい。また、テアニンの形態としては、精製品、粗精製品、抽出エキスなど、いずれの形態でもよい。テアニンとして、市販品(サンテアニン(商品名)、太陽化学株式会社製)を用いてもよい。 【0021】 (ルチン) ルチンは、マメ科エンジュ(Sophora japonica L.)の花や蕾、又はタデ科ソバ(Fagopyrum esculentum MOENCH)の全草、又はマメ科アズキ(Phaseolus angularis CW. WIGHT)の全草を、水又はエタノールで抽出して得られるものである。ルチンは、淡黄色から淡黄緑色を呈する結晶性の粉末であり、ほとんど無味である。ルチンは、着色料(黄色)、酸化防止剤として食品等に使用することが認められており、その構造は、フラボノールの1種であるケルセチンに、ルチノース(L−ラムノース+D−グルコース)がα−結合した、配糖体(グリコシド)である。 【0022】 (ルチン誘導体) ルチン誘導体としては、酵素によってルチンにグルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースなどの糖質を、ルチンに対して等モル以上付加したグリコシルルチン;ルチンのフェノール性水酸基に、2,3−ジヒドロキシプロピル基又はホスフェート基又は2−ヒドロキシエチル基を導入したもの(例えばトロキセルチン等)が挙げられる。なお、グリコシルルチンの具体例としては、グルコシルルチン(グルコース2モル以上が付加した、例えばマルトシルルチンなども含む)、ガラクトシルルチン等が挙げられる。 【0023】 ルチン誘導体は、酸化防止剤や着色料として食品、医薬品、化粧品など極めて広い範囲で利用されており、その安全性が認められているものが多い。肉臭改善成分としてルチン誘導体を使用する場合は、無味又は無味に近い(例えば、弱い苦味を持つ)ものであると共に、食品等への添加が認められているものを採用することが好ましい。ルチン誘導体として、市販品(αGルチンP、東洋精糖株式会社製)を用いてもよい。 【0024】 (ヘスペリジン) ヘスペリジンは、ミカン科グレープフルーツ(Citrusparadisi MACF.)などの果皮、果汁又は種子を、水−エタノール又は有機溶剤で抽出し精製して得られるものである。ヘスペリジンは、微細樹枝状結晶物質であり、天然栄養強化剤としても使用されている。なお、ヘスペリジンは、ほとんど無味の物質である。 【0025】 (ヘスペリジン誘導体) 肉臭改善成分としてヘスペリジン誘導体を使用する場合は、無味又は無味に近い(例えば、弱い苦味を持つ)ものであり、ヘスペリジンにメチル基、エチル基、糖類などを付加したものを採用することが好ましい。かかるヘスペリジン誘導体としては、例えば、メチルヘスペリジン、糖転位酵素によってヘスペリジンにグルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースなどの糖類の1以上を、ヘスペリジンに対して等モル以上付加したもの(例えばグルコシルヘスペリジン等)を挙げることができる。これらのうちでも、特にメチルヘスペリジン又は糖転移ヘスペリジンが好ましい。なお、高甘味度甘味料であるネオヘスペリジンジヒドロカルコンや苦味剤であるネオヘスペリジンは、肉臭改善成分として採用しないことが好ましい。 【0026】 ヘスペリジンはビタミンPとして、メチルヘスペリジンは水溶性ビタミンPとして古くから知られ、毛細血管の強化、出血予防、血圧調整などの生理作用を持つビタミンとして、又黄色色素として食品、医薬品、化粧品など極めて広い範囲で利用されており、その安全性が確認されている。市販品(αGヘスペリジンPA、東洋精糖株式会社製)を用いてもよい。 【0027】 本発明の効果を一層確実かつ効率的に得る観点から、肉臭改善剤は以下の(a)〜(d)のいずれかの組成からなるものが好ましい。 (a)ヘスペリジン誘導体及びヒマワリ種子抽出物、 (b)ヘスペリジン誘導体及びγ−アミノ酪酸、 (c)ヘスペリジン誘導体及びテアニン、 (d)ヘスペリジン誘導体及びルチン誘導体。 【0028】 上記の(a)〜(d)の組成のうち、本発明の効果を更に一層確実かつ効率的に得る観点から、(a)、(b)又は(c)の組成が特に好ましく、(a)又は(b)の組成が更に好ましく、(b)の組成が最も好ましい。なお、ヘスペリジン誘導体の具体例としては、糖転移ヘスペリジンが挙げられ、ルチン誘導体の具体例としては、グルコシルルルチンが挙げられる。 【0029】 ヘスペリジン及び/又はその誘導体を含有する場合、ヘスペリジン及びその誘導体とその他の肉臭改善成分の好適な混合比率は、本発明の効果を確実かつ効率的に得る観点から、肉臭改善剤に含まれるヘスペリジン及びその誘導体の合計含有量を100質量部としたとき、その他の肉臭改善成分の合計含有量は、10〜10000質量部であることが好ましく、100〜10000質量であることがより好ましい。 【0030】 肉臭改善剤の形状は、特に限定されるものではないが、保管の容易性や使いやすさの点から、液状又は粉末状であることが好ましい。肉臭改善剤は、通常用いられる製剤用担体を使用して固形製剤又は液体製剤としてもよい。製剤化する方法としては、従来公知の方法を適宜採用することができる。肉臭改善剤が液状である場合、腐敗防止の観点から、固形分20質量%以上に濃縮することが好ましい。液状の肉臭改善剤は冷蔵保存することが好ましい。 【0031】 なお、肉臭改善剤を固形製剤とする場合、液状の肉臭改善剤に、コーンスターチ又はデキストリンなどを混和して固形製剤を調製してもよい。また、肉臭改善剤の使用対象となる飲食品に合わせて従来公知の製剤化方法を採用してもよい。 【0032】 本発明の肉臭改善剤は、内臓臭、劣化臭、飼料に由来する臭い、ラム肉特有の臭い及びマトン特有の臭いを低減化する作用を有する。これらの不快臭のうち、本発明の肉臭改善剤は、内臓臭、劣化臭(例えば、脂肪の酸化劣化による臭い)、飼料に由来する臭い(例えば、牧草に由来する臭い、いわゆるグラス臭)、ラム肉特有の臭い、マトン特有の臭いに対して優れた効果を発揮する。また、本発明の肉臭改善剤は、冷凍された肉類に特有の臭い(いわゆる冷凍臭)に対しても優れた効果を発揮する。 【0033】 <肉臭改善方法> 上述した肉臭改善剤を肉類に添加することによって、肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減することができる。肉類を生もしくは凍結させて保存する場合、又は調理後に保存する場合であっても、肉臭改善剤を添加しておくことで、肉類の不快臭が低減化された状態で保存しておくことができる。肉臭改善剤による食肉の肉臭改善方法としては、肉類に肉臭改善剤を直接的に添加する方法及び間接的に添加する方法がある。 【0034】 肉臭改善剤を直接的に添加する方法としては、次のような方法が挙げられる。例えば、肉臭改善剤を対象となる肉類に振りかけるなどして添加する方法である。肉臭改善剤を添加する対象の肉類は生であっても、種々の調理方法で調理された後のものであってもよい。また、調理中の肉類に肉臭改善剤を添加してもよい。例えば、肉類を加熱調理する場合、加熱前の段階で肉臭改善剤を肉類に添加しておいてもよいし、加熱中の適当な段階で添加してもよい。調理方法としては、慣用の調理方法がいずれも採用できる。慣用の調理方法として、例えば、煮る、焼く、炒める、揚げる、燻製にするなどの方法が挙げられる。肉臭改善剤の添加方法は、調理方法、料理、肉類の種類に応じて適当な方法を選択すればよい。 【0035】 肉臭改善剤を間接的に添加する方法としては、次のような方法が挙がられる。例えば、塩漬け、味噌漬け、糀漬け、糟漬け等の肉類を漬ける際に肉臭改善剤を浸透させる方法である。この場合、肉類を漬ける基剤(床)に肉臭改善剤を含有させておけばよい。その他の方法としては、肉類にかけるソースやたれなどに肉臭改善剤を配合し、これを用いて肉類を調理や味付けを行う方法である。 【0036】 肉類に対する肉臭改善剤の添加量は、肉類の種類、部位、鮮度、産地及び調理方法並びに、肉臭改善剤の精製度などに依存する。肉類の不快臭を十分効果的かつ経済的に消臭(又は十分に低減)できるような量の肉臭改善剤を肉類に添加することが好ましい。例えば、肉類の質量を基準として、肉臭改善剤の添加量は0.1〜100質量ppmであることが好ましく、0.2〜50質量ppmであることがより好ましい。肉類の固形部分の不快臭を対象とする場合には、上記の範囲の上限に近い量(例えば、1〜100質量ppm)の肉臭改善剤を添加することが好ましい。他方、肉類のエキスやスープの不快臭を対象とする場合には、上記の範囲の下限に近い量(例えば、0.1〜50質量ppm)の肉臭改善剤を添加することが好ましい。 【0037】 本発明の肉臭改善剤は、上述のような肉類に対する直接的又は間接的な添加して使用する方法以外にも使用できる。例えば、中間素材(又は保存食品)として代表的な缶詰やビン詰、レトルト食品などに適用することによって、肉類に特有な不快臭を低減することができる。この場合、肉類の特有な不快臭を低減できると共に、缶詰食品やレトルト食品に特有の不快臭(缶やレトルト用包装材由来と考えられる不快臭)も抑えることができる。 【実施例】 【0038】 下記に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。 【0039】 肉臭改善成分として、ヒマワリ種子抽出物(ヘリアントS−100、大日本インキ化学工業株式会社製、ヒマワリ種子抽出物20質量%含有)、γ−アミノ酪酸(オリザギャバエキスHC−90、オリザ油化株式会社製)、テアニン(サンテアニン、太陽化学株式会社製)、グルコシルルチン(αGルチンP、東洋精糖株式会社製)、糖転移ヘスペリジン(αGヘスペリジンPA、東洋精糖株式会社製)をそれぞれ準備した。 【0040】 <豚レバーの調理例> (実施例1a〜1h及び比較例1) 水洗いした豚のレバー100gに対して、上記の肉臭改善成分から選ばれる成分1種を単独で、又は2種以上を混合して添加し、その後、豚のレバーをフライパンで焼いた。他方、対照として豚のレバーに蒸留水を少量添加し、その後、フライパンで焼いたものを準備した。そして、味覚について訓練された10人の被験者によって、調理後のそれぞれの豚レバー特有の臭いについて官能検査を行った。臭いの低減効果についての評価は、表1に示す5段階の評価基準に基づき行った。 【0041】 【表1】
【0042】 本調理例における肉臭改善成分の添加量(豚レバーの質量基準、単位:質量ppm)を表2に示した。また、官能試験の結果についても同表中に示した。表2中の「官能試験の評価結果」は10人の被験者の評価を平均した値を示すものである。官能試験の結果から、一種の肉臭改善成分を含有する肉臭改善剤を使用すると豚のレバー特有の臭いを低減することができ、更に、二種の肉臭改善成分を併用された肉臭改善剤を使用することで、より少ない添加量であっても豚のレバー特有の不快臭を十分に消臭できることが分かった。 【0043】 【表2】
【0044】 <豚の臓物の調理例> (実施例2a〜2h及び比較例2) 豚のレバーの代わりに、水洗いした豚の臓物(いわゆるモツ)100gを用いたことの他は、上記の豚レバーの調理例と同様にして、調理及び官能試験を行った。なお、本調理例においては、豚の臓物特有の不快臭について、表1の評価基準に基づき官能試験を行った。 【0045】 本調理例における肉臭改善成分の添加量(豚の臓物の質量基準、単位:質量ppm)を表3に示した。また、官能試験の結果についても同表中に示した。表3中の「官能試験の評価結果」は10人の被験者の評価を平均した値を示すものである。官能試験の結果から、一種の肉臭改善成分を含有する肉臭改善剤を使用すると豚の臓物特有の臭いを低減することができ、更に、二種の肉臭改善成分を併用された肉臭改善剤を使用することで、より少ない添加量であっても豚の臓物特有の不快臭を十分に消臭できることが分かった。 【0046】 【表3】
【0047】 <オーストラリア産牛肉の調理例> (実施例3a〜3h及び比較例3) 豚のレバーの代わりに、オーストラリア産牛肉100gを用いたことの他は、上記の豚レバーの調理例と同様にして、調理及び官能試験を行った。なお、本調理例においては、オーストラリア産牛肉特有のグラス臭について、表1の評価基準に基づき官能試験を行った。 【0048】 本調理例における肉臭改善成分の添加量(オーストラリア産牛肉の質量基準、単位:質量ppm)を表4に示した。また、官能試験の結果についても同表中に示した。表4中の「官能試験の評価結果」は10人の被験者の評価を平均した値を示すものである。官能試験の結果から、一種の肉臭改善成分を含有する肉臭改善剤を使用するとオーストラリア産牛肉特有のグラス臭を低減することができ、更に、二種の肉臭改善成分を併用された肉臭改善剤を使用することで、より少ない添加量であってもオーストラリア産牛肉特有のグラス臭を十分に消臭できることが分かった。 【0049】 【表4】
【0050】 <冷凍肉の調理例> (実施例4a〜4h及び比較例4) 豚のレバーの代わりに、冷凍劣化した牛肉100gを用いたことの他は、上記の豚レバーの調理例と同様にして、調理及び官能試験を行った。なお、本調理例においては、冷凍劣化した牛肉特有の臭いについて、表1の評価基準に基づき官能試験を行った。 【0051】 本調理例における肉臭改善成分の添加量(冷凍劣化した牛肉の質量基準、単位:質量ppm)を表5に示した。また、官能試験の結果についても同表中に示した。表5中の「官能試験の評価結果」は10人の被験者の評価を平均した値を示すものである。官能試験の結果から、一種の肉臭改善成分を含有する肉臭改善剤を使用すると劣化した牛肉特有の臭いを低減することができ、更に、二種の肉臭改善成分を併用された肉臭改善剤を使用することで、より少ない添加量であっても冷凍劣化した牛肉特有の臭いを十分に消臭できることが分かった。 【0052】 【表5】
【0053】 <マトンの調理例> (実施例5a〜5h及び比較例5) 豚のレバーの代わりに、マトン100gを用いたことの他は、上記の豚レバーの調理例と同様にして、調理及び官能試験を行った。なお、本調理例においては、マトン特有の臭いについて、表1の評価基準に基づき官能試験を行った。 【0054】 本調理例における肉臭改善成分の添加量(マトンの質量基準、単位:質量ppm)を表6に示した。また、官能試験の結果についても同表中に示した。表6中の「官能試験の評価結果」は10人の被験者の評価を平均した値を示すものである。官能試験の結果から、一種の肉臭改善成分を含有する肉臭改善剤を使用するとマトン特有の臭いを低減することができ、更に、二種の肉臭改善成分を併用された肉臭改善剤を使用することで、より少ない添加量であってもマトン特有の臭いを十分に消臭できることが分かった。 【0055】 【表6】
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| 【出願人】 |
【識別番号】501190941 【氏名又は名称】三井製糖株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月4日(2006.9.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088155 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【識別番号】100092657 【弁理士】 【氏名又は名称】寺崎 史朗
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| 【公開番号】 |
特開2008−61508(P2008−61508A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−239492(P2006−239492) |
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