| 【発明の名称】 |
発芽穀類を用いた食品素材または食品、発芽穀類の製造方法、発芽穀類の臭み低減方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】内田 弘
|
| 【要約】 |
【課題】玄米や雑穀等の穀類を原料とした発芽穀類を用いたものであって、アラニンによって甘みや旨味等の食味を向上させると共に、γ−アミノ酪酸を手軽に摂取できるようにした新規な食品素材または食品等を提供する。
【構成】にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬して発芽させた発芽穀類を用いて、食品素材または食品を得る。穀類として玄米または雑穀を用いた場合では、玄米または雑穀特有の臭みである「玄米臭」や「雑穀臭」を低減できる。早刈り緑色米から得た玄米を使用すれば、通常の玄米を用いた場合と比べて、玄米独特の「玄米臭」をより効果的に低減させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬して発芽させた発芽穀類を用いたことを特徴とする、 食品素材または食品。 【請求項2】 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬し発芽させてアラニンを富化した発芽穀類を用いたことを特徴とする、 食品素材または食品。 【請求項3】 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬し発芽させてアラニン及びマグネシウムを富化した発芽穀類を用いたことを特徴とする、 食品素材または食品。 【請求項4】 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に玄米または雑穀を浸漬し発芽させてアラニンを富化した発芽玄米または発芽雑穀を用いたことを特徴とする、 食品素材または食品。 【請求項5】 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に玄米または雑穀を浸漬し発芽させてアラニン及びマグネシウムを富化した発芽玄米または発芽雑穀を用いたことを特徴とする、 食品素材または食品。 【請求項6】 玄米は早刈り緑色米から得たものであることを特徴とする、 請求項4または5記載の食品素材または食品。 【請求項7】 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬して発芽させることを特徴とする、 発芽穀類の製造方法。 【請求項8】 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬して発芽させることにより、発芽穀類の特有の臭みを低減させることを特徴とする、 発芽穀類の臭み低減方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、発芽穀類を用いた食品素材または食品、発芽穀類の製造方法、発芽穀類の臭み低減方法に関する。 更に詳しくは、玄米や雑穀等の穀類を原料とした発芽穀類を用いたものであって、アラニンによって甘みや旨味等の食味を向上させると共に、γ−アミノ酪酸を手軽に摂取できるようにしたものに関する。 【背景技術】 【0002】 近年、健康ブームを背景に、玄米を水に浸漬して約1mm以下に発芽させた発芽玄米が注目されている。発芽玄米は、通常の玄米に比べて栄養価が高く、消化吸収性も良い。また、血圧降下作用や脳の代謝促進作用などの医学的効果があるとされる「γ−アミノ酪酸」も多く含有している。 【0003】 例えば特許文献1には、所定量の溶在酸素を含有させた水に玄米を浸漬させることにより、γ−アミノ酪酸を効率的に富化させた発芽玄米が提案されている。 【0004】 【特許文献1】特許第3137615号公報 【0005】 以上のように発芽玄米は、通常の玄米とは異なる全く新しい機能性健康食品として大いに期待されている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、従来の発芽玄米は、甘みや旨味等の食味の面で必ずしも満足できるものではなかった。 玄米本来の甘みや旨味を損なわせる一つの要因としては、発芽玄米に残存する玄米独特の「玄米臭」が挙げられる。この玄米臭は腐敗臭や糠臭等とも言われ、玄米を水に浸漬した際に増殖した雑菌(元もとは玄米に付着している雑菌)が原因で発生すると考えられている。 【0007】 ところで、近年、人体にとって極めて重要な必須微量元素の一種であるマグネシウムの摂取不足が問題視されている。マグネシウムは人体に約25g(体重の0.05%)存在し、その大部分が骨格中に化合物として存在する。 【0008】 更にマグネシウムは、多種多様な生理作用を有している。例えば解糖系酵素やATP依存性酵素、ヘキソキナーゼなどの糖代謝に関する酵素、あるいはDNAポリメラーゼなどの核酸の合成や分解に関する酵素など、多種の酵素反応に必須なイオンとして代謝に与える影響が大きい。 【0009】 このため、マグネシウムの摂取不足による欠乏症状は、高血圧・動脈硬化・糖尿病、心臓病・心筋梗塞・脳梗塞、あるいは筋肉痛・ホルモン性疾患・不整脈・突然死、更には骨粗鬆症・尿路結石等として、実に様々な形で表面化することが知られている。 以上のようなことから、マグネシウムを手軽に摂取することができる新規な食品素材や食品の開発が望まれていた。 【0010】 本発明者は上記事情に鑑み、まずは甘味料や旨味調味料等を別途添加することなく、玄米本来の甘みや旨み等を引き出す方法はないか、という発想のもとに鋭意研究を進めた。 【0011】 その結果、驚くべきことに、玄米を単なる水ではなく、にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に浸漬し発芽させることにより、アミノ酸の一種で甘みや旨味を起こす物質であるアラニンの含有量を高めることができることを見い出すと共に、玄米独特の玄米臭をも同時に低減できることを見い出した。 【0012】 更に、にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に浸漬し発芽させることにより、玄米に含まれるマグネシウムの含有量を高めることができることを見い出した。 【0013】 また更に、玄米以外のキビ、ヒエ、ハトムギ、ソバ、大豆等の雑穀についても検討を進めた結果、同じくにがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に浸漬し発芽させることにより、上記した同様の効果が得られることを見い出した。 本発明は、以上のような知見に基づいて完成したものである。 【0014】 (本発明の目的) そこで本発明の目的は、玄米や雑穀等の穀類を原料とした発芽穀類を用いたものであって、アラニンによって甘みや旨味等の食味を向上させると共に、γ−アミノ酪酸を手軽に摂取できるようにした新規な食品素材または食品を提供することにある。 【0015】 本発明の他の目的は、玄米や雑穀等の穀類を原料とした発芽穀類を用いたものであって、発芽玄米や発芽雑穀等の特有の臭いを低減させて、食味をより向上させることができるようにした新規な食品素材または食品を提供することにある。 【0016】 本発明の他の目的は、玄米や雑穀等の穀類を原料とした発芽穀類を用いたものであって、人体にとって極めて重要な必須微量元素の一種であるマグネシウムを手軽に摂取できるようにした新規な食品素材または食品を提供することにある。 【0017】 本発明の目的は、甘みや旨味等の食味を向上させると共に、γ−アミノ酪酸を手軽に摂取できるようにした発芽穀類の製造方法を提供することにある。 【0018】 本発明の目的は、発芽穀類の特有の臭みを低減させることができる臭み低減方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0019】 上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。 第1の発明にあっては、 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬して発芽させた発芽穀類を用いたことを特徴とする、 食品素材または食品である。 【0020】 第2の発明にあっては、 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬し発芽させてアラニンを富化した発芽穀類を用いたことを特徴とする、 食品素材または食品である。 【0021】 第3の発明にあっては、 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬し発芽させてアラニン及びマグネシウムを富化した発芽穀類を用いたことを特徴とする、 食品素材または食品である。 【0022】 第4の発明にあっては、 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に玄米または雑穀を浸漬し発芽させてアラニンを富化した発芽玄米または発芽雑穀を用いたことを特徴とする、 食品素材または食品である。 【0023】 第5の発明にあっては、 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に玄米または雑穀を浸漬し発芽させてアラニン及びマグネシウムを富化した発芽玄米または発芽雑穀を用いたことを特徴とする、 食品素材または食品である。 【0024】 第6の発明にあっては、 玄米は早刈り緑色米から得たものであることを特徴とする、 第4または第5の発明に係る食品素材または食品である。 【0025】 第7の発明にあっては、 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬して発芽させることを特徴とする、 発芽穀類の製造方法である。 【0026】 第8の発明にあっては、 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬して発芽させることにより、穀類の特有の臭みを低減させることを特徴とする、 発芽穀類の臭み低減方法である。 【発明の効果】 【0027】 (a)本発明によれば、にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に玄米や雑穀等の穀類を浸漬して発芽させることにより、アミノ酸の一種で甘みや旨味を起こす物質であるアラニンの含有量と、血圧降下作用や脳の代謝促進作用などの医学的効果があるとされるγ−アミノ酪酸の含有量を高めた発芽雑穀を得ることができる。 よって、この発芽雑穀を用いた本発明に係る食品素材または食品は、アラニンによって甘みや旨味等の食味がより美味しく向上しており、食すことによりγ−アミノ酪酸を手軽に摂取することができる。 【0028】 (b)更に本発明によれば、玄米や雑穀を用いて発芽穀類を得た場合の特有の臭み、いわゆる「玄米臭」や「雑穀臭」等を低減させることができる。よって、その特有の臭みによって食品素材または食品の甘みや旨味が損なわれることを防ぐことができるので、食味をより向上させることができる。 【0029】 (c)更に本発明によれば、マグネシウムの含有量を高めた発芽雑穀を得ることができる。よって、この発芽雑穀を用いた本発明に係る食品素材または食品を食すことで、人体にとって極めて重要な必須微量元素の一種であるマグネシウムを手軽に摂取できる。 【0030】 (d)早刈り緑色米から得た玄米を使用したものは、通常の玄米を用いた場合と比べて、玄米独特の「玄米臭」をより効果的に低減させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0031】 本発明に係る食品素材または食品は、にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に穀類を浸漬して発芽させた発芽穀類を用いている。 【0032】 本明細書で「穀類」の用語は、例えば米や麦等のように主食とするもの(主穀)やそれ以外の雑穀も含む広い概念として使用している。 【0033】 例えば「米」の場合、白米・赤米・黒米等の種類は特に限定するものではなく、その品種についても特に限定するものではない。 また「麦」の場合についても、大麦・小麦・ハダカムギ・ライムギ・エンバク・もち麦の種類は特に限定するものではなく、その品種についても特に限定するものではない。 【0034】 雑穀としては、例えば、アワ(モチアワ等も含む)、キビ(モチキビ等も含む)、ヒエ、ハトムギ、ソバ、アマランサス、キヌア(キノアとも称される)、トウモロコシ、小豆(金時小豆も含む)や大豆等の豆類、ゴマ等を挙げることができる。 【0035】 発芽に用いる「にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液」は、例えば粉末にがり、水にがり、精製にがり(塩田製法により硫酸カルシウム及び塩化カリウムの含有比率を原海水における含有比率よりも少なくしたもの)、食品添加用の塩化マグネシウム含有物、あるいは塩化マグネシウム含有水等を用いることで得ることができるが、その調整方法等は特に限定するものではない。なお、深海水を脱NaCl化した、いわゆる海洋深層水も利用することができる。 【0036】 「にがり成分を含む水溶液」の濃度は、水1L当たり、例えば精製にがり(塩化マグネシウムの含有率は約50重量%)1〜50gが好ましく、更に1〜10gが好ましい。水1L当たり、例えば精製にがりが1g未満では、穀類のマグネシウム含有量が減る傾向があるので好ましくなく、50gを越えると、穀類に渋みやえぐみが感じられ、結果的に食味が劣る傾向があるため好ましくない。 【0037】 使用する穀類は、発芽させる前に例えば選別機を使用して小さな石を取り除いたり、ネットなどに入れて水洗いし埃を取り除く処理等の前処理を行っておくことが望ましい。 【0038】 穀類を発芽させる際は、上記した通り、穀類をにがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に浸漬させる。にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に浸漬し発芽させることにより、アミノ酸の一種で甘みや旨味を起こす物質であるアラニンの含有量を高めることができる。また、血圧降下作用や脳の代謝促進作用など医学的効果があるγ−アミノ酪酸の含有量を高めることができる。 【0039】 また、穀類を単なる水ではなく、にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に浸漬し発芽させることにより、玄米であれば玄米独特の玄米臭、雑穀であれば雑穀独特の雑穀臭も同時に低減することができる。この理由は明らかではないが、にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液を使用することにより、雑菌の増殖を抑えることができるからではないかと推察される。 【0040】 更に、本発明に用いる穀類として、早刈り緑色米から得られた玄米を挙げることができる。早刈り緑色米は、未熟米、青米とも称され、これから得られた玄米は緑玄米や青玄米とも称される。早刈り緑色米とは、通常の収穫適期によりも早い時期に刈り取られるもので、米粒の多くが緑色を呈する米のことを指称している。 早刈り緑色米から得られた玄米は、粒が小さくて栄養価も高い。そして、これを原料として用いることにより、通常の玄米を用いた場合と比べて、玄米独特の「玄米臭」をより効果的に低減させることができる。 【0041】 発芽は、殻がついたまま行うこともできるし、殻を除いた状態で行うこともできる。 【0042】 上記したγ−アミノ酪酸は、動物の脳中に遊離の状態で多く存在しており、神経の主要な抑制性伝達物質と考えられている。γ−アミノ酪酸は、神経抑制作用や精神安定作用などの機能を有しており、血圧降下作用や脳の代謝促進作用の他、動脈硬化の予防(生活習慣病の予防)、二日酔い防止、皮膚の老化防止などの効果もある物質として注目されている。よって、以上のようにして発芽させた穀類を用いることで、製造後の食品素材または食品にγ−アミノ酪酸を多く蓄積でき、結果的に上記したような医学的な効果が期待できる。 【0043】 穀類の浸漬条件としては、アラニンの含有量が最も多くなるような液温、浸漬時間、pHであれば、特に限定するものではない。例えば液温は0〜50℃で、浸漬時間は1〜48時間、pHは2.5〜7.5である。 【0044】 にがり成分または塩化マグネシウムを含む水溶液に浸漬して発芽させたら、アラニンの含有量が低下しないように、穀類を乾燥して発芽を止めることが望ましい。発芽の目安は、芽の長さ2mm以下であり、好ましくは1mm以下であり、更に好ましくは0.1〜0.5mmである。 芽が伸びすぎると、発芽するための成分(エネルギー)として、アラニンとγ−アミノ酪酸が消費され、その含有量が減っていくので好ましくない。 また、アラニンとγ−アミノ酪酸は水溶性であるため、穀類を長時間水溶液に浸漬させておくと、アラニンとγ−アミノ酪酸が水溶液に溶け出し、その含有量が減る恐れがあるので、芽が出たら水溶液から直ちに取り出し乾燥させることが望ましい。 【0045】 実施例 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 なお、本実施例では、原料玄米として、早刈り緑色米から得られた玄米を用いた。 【0046】 [実施例1] (アラニンとγ−アミノ酪酸について) 脱イオン水1L当たり、にがり10gを溶解した水溶液を得た。この水溶液(pH5.9に調整、室温25℃で保持)に、上記した原料玄米を1kgを投入し、4時間浸漬した。 【0047】 なお、にがりとしては、塩田製法で得られた精製にがり(豆腐用粉末にがり、株式会社天塩製、塩化マグネシウム含量51重量%。他に、硫酸マグネシウム3.4重量%、塩化ナトリウム2.6重量%、塩化カリウム0.5重量%、及び結晶水約42.5重量%を含有)を使用した。 【0048】 浸漬後、得られた発芽玄米を水溶液から取り出し、直ちに40℃の乾燥機で乾燥させて発芽を止めた。 【0049】 次いで、高速粉砕機(サイクロンミル、UDY社製)で各々粉砕し、直径0.5mmの微細孔を有するステンレス網を通過させ、粉末を得た。この粉末1.000gをそれぞれ秤量し、これらを各々容積30mLの遠心用ポリエチレン瓶に採取し、蒸留水5mL、16%トリクロロ酢酸5mLを加えて、終濃度8%トリクロロ酢酸溶液とした。 【0050】 更に超音波発生機(ブランソンB−42S、ブランソン器機社製)で2分間の超音波処理を行った後、冷却遠心機(インバーターマイクロ冷却遠心機、久保田製作所製)により、10000rpmで5分間の遠心処理を行った。 【0051】 その上澄み液をシリンジフィルター(アドバンテック0.45μmフィルター、トーヨーろ紙社製)で濾過して2mLバイアル瓶に移した。 これを高速アミノ酸アナライザー(HITACHI L-8500、日立製作所製、生体液分析法、イオン交換カラムNo.855-3503)にセットして、遊離アミノ酸含有量を自動分析した。 【0052】 標準液は、アラニン及びγ−アミノ酪酸を含む濃度既知の40種のアミノ酸混合標準液を用いた。このうち、アラニンは分析開始から約37.5分後のピーク、γ−アミノ酪酸は約65.5分後のピークに検出され、そのピーク面積比で、試料中のアラニン及びγ−アミノ酪酸の含有量を算出した。 【0053】 他方、対照として、玄米を水に浸漬せず(発芽させないで)そのまま用いる以外は、上記した方法と同様にして試料を作成し、アラニン及びγ−アミノ酪酸の含有量を分析した。分析条件等も上記と同じである。表1にその分析結果をそれぞれ示す。 【0054】 【表1】
【0055】 表1の結果から明らかなとおり、対照玄米に比べて、にがり成分(塩化マグネシウム)を含む水溶液に浸漬して発芽させた実施例1では、甘みや旨味を起こす物質であるアラニンと、医学的効果があるとされるγ−アミノ酪酸が明らかに増加した。 【0056】 (官能試験) 以上のようにして得られた発芽玄米(対照玄米と試験米の計2種)を炊飯して官能試験を行い、にがり成分(塩化マグネシウム)の水溶液に浸漬するかしないかで、味覚的な評価にどのような違いが生じるかを検討した。 【0057】 その結果、対照玄米に比べて、にがり成分(塩化マグネシウム)を含む水溶液に浸漬して発芽させたものでは、甘みと旨味を含めた食味が改善され、玄米臭が低減されていた。 【0058】 [実施例2] (マグネシウムについて) 各々脱イオン水1Lに塩化マグネシウム1.5gを溶解し、塩化マグネシウム濃度を1.5%(重量/容量)に調整した水溶液を得た。この水溶液に上記した原料玄米を各々1kgを投入し、表2に示した設定時間どおりに浸漬した。 【0059】 浸漬後、ステンレス製のざるに揚げて水切りし、4℃の低温室内で通風乾燥して含水率を約14.5%に調整した。 このようにして、試験米4種(No.4〜7)を調整後、各々30gを粉砕して米粉1.000gを秤量した。 【0060】 これを1%塩酸溶液100mLに投入し、良く振とうしてミネラルを抽出し、適宜希釈して原子吸光光度計(HITACHI Z8200型)により、マグネシウムを測定し、その結果は原料米100g中のmgとして表2に示した。 【0061】 他方、対照玄米として、玄米を水に浸漬せずにそのまま用いる以外は、上記した方法と同様にして試料を作成し、マグネシウムの含有量を分析した。分析条件等も上記と同じである。その結果も併せて表2に示す。 【0062】 【表2】
【0063】 表2の結果から明らかなとおり、玄米をにがり成分(塩化マグネシウム)を含む水溶液に浸漬することにより、玄米に含まれるマグネシウムの含有量を増加させることができた。 【0064】 なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】500584653 【氏名又は名称】ベストアメニティ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成19年11月7日(2007.11.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085327 【弁理士】 【氏名又は名称】梶原 克彦
|
| 【公開番号】 |
特開2008−48744(P2008−48744A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2007−290037(P2007−290037) |
|