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【発明の名称】 原料肉塊の充填整形前処理方法及び充填整形前処理機
【発明者】 【氏名】手塚 要一

【要約】 【課題】ハム・ベーコン等の製造に於けるスモーク加工前の円筒状ケーシングに充填した肉塊の整形処理作業の際に生じる、気泡の抱込み及び調味液の漏洩のない充整整形前処理方法及び前処理機に関する。

【構成】調味液を注入した原料肉塊(M)を充填する周面に極小孔を有する円筒状ケーシング(C)を載置する浅い樋状の凹溝(7a)を有する受け皿(7)と、該受け皿(7)の上面を覆う開閉自在なU字形状溝(8a)を有する上蓋(8)を配し、前記受け皿(7)と上蓋(8)とで、円筒状ケーシング(C)内に充填された原料肉塊(M)を円柱状に整形する整形室に、外部の真空ポンプ装置に連通する空気吸引孔(9)を設けて真空整形室(10)とし、該真空整形室内の空気を排気減圧しつつ、該原料供給ホッパからの原料肉塊(M)を充填装置(3)より小孔を有する円筒状ケーシング(C)内に吸引充填し、該原料肉塊を減圧状態で円柱状に密封整形する原料肉塊の充填整形前処理を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料供給ホッパから供送される調味液を注入したハム・ベーコン用の原料肉塊を、円筒状ケーシングに詰める充填装置と、前記円筒状ケーシング内に充填した原料肉塊を、円柱状に整形する原料肉塊整形装置とから成るハム原料肉塊の前処理機の、前記原料肉塊整形装置を真空ポンプ装置に連通する真空整形室に形成し、該真空成形室内に全周面に小孔を設けた円筒状ケーシングを配置し、真空成形室内の空気を排気減圧しつつ、原料供給ホッパからの原料肉塊を充填装置により小孔を有する円筒状ケーシング内に充填し、充填した原料肉塊を減圧状態で密封整形することを特徴とする原料肉塊の充填整形前処理方法。
【請求項2】
原料供給ホッパから供送される調味液を注入したハム・ベーコン用の原料肉塊を充填した円筒状ケーシング内の原料肉塊の整形前処理機の機台上に、原料肉塊充填用の全周面に小孔を設けた円筒状ケーシングを載置する底部断面形状が浅い樋形状の凹溝を有する受け皿と、該受け皿の上面を覆う開閉自在なU字状長溝を有する上蓋を配し、前記受け皿と上蓋とで、全周面に小孔を有する円筒状ケーシング内に充填された原料肉塊を、円柱状に整形する整形室に形成するとともに、該整形室に外部の真空ポンプ装置に連通する空気吸引孔を設けて真空整形室に形成したことを特徴とする原料肉塊の充填整形前処理機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ハム・ベーコンなどの原料肉塊のスモーク加工前の肉塊整形前処理の方法および肉塊充填整形前処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ハム・ベーコンなどの肉製品は、調味液(ピックル液)を注入し、揉み込んだ(マッサージ)豚のロース肉やもも肉などの原料肉塊を、所定量ずつ薄膜の円筒状ケーシングに充填して、該原料肉塊の形状を円形に整えて得た半製品の原料肉塊を形成し、さらに、該丸く整形した原料肉塊をスモーク―乾燥―スモーク―ボイル―冷却などの加工を行い、得られたハム製品を所定の厚さにスライスし、真空包装してハム製品として市販されている。
【0003】
上記のハム製品の製造工程において、ピックル液などの調味液を注入浸漬し、マッサージなどして調味液が均等に滲み込んだロース部分肉などの原料肉塊を、充填装置により円筒状の薄膜ケーシングに充填し整形する装置は、供給ホッパから供送された調味液注入済みのロース肉などの原料肉塊を薄膜ケーシングに充填する充填ノズルと、円筒状薄膜ケーシングを収容する断面半円弧形状の受け皿と押し蓋とで、円筒状の整形充填室を構成している。
【0004】
整形装置室の断面半円弧状の受け皿上に配置された円筒形状の薄膜ケーシング内に原料肉塊を充填した後押し蓋を被せ、受け皿と押し蓋とで原料肉塊を上下に挟んで上からピストンで圧力を加えて圧縮することにより原料肉塊を円柱状に整形し、これを操作シリンダで押し出してスモーク加工前の原木ハムを製造している。
【0005】
【特許文献1】特開平06−335366号公報
【特許文献2】特公昭50−32315号公報
【特許文献3】特開2005−21075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の断面半円弧状の溝を有する受け皿と上部押し蓋とで、ケーシングに充填した原料肉塊を上下に挟んで、上からピストンで圧力を加えて圧縮することにより原料肉塊を円柱状に整形し、さらに、これを操作シリンダで押し出して半製品の原木ハムを製造する方法は、上から作動するピストンの圧力を原料肉塊に加えて、断面半円弧溝から成る受け皿に押し付けて整形する動作と、水平方向に作動するピストンの押圧により、ピストンと肉塊との間の空気を原料肉塊が内部に抱き込むとともに、円筒状ケーシングの両端から注入した調味液が出てしまう。
【0007】
原料肉塊に空気が入り込むと肉塊内に気泡ができ、その気泡がスモークその他の二次加工工程を経て得た原木ハムを、所定の厚さに薄くスライスし包装したときに、ハム肉内にブローホールが発生し、不良品となるので商品として販売できない問題がある。
また、水平移動するピストンの押し込み動作時に、注入した調味液が漏洩するなどして、原料肉塊の味付けが均等にならない問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上記の課題を解決するために、原料供給ホッパから供送される調味液を注入したハム・ベーコン用の原料肉塊を、円筒状ケーシングに詰める充填装置と、前記円筒状ケーシング内に充填した原料肉塊を、円柱状に整形する原料肉塊整形装置とから成るハム原料肉塊の前処理機の、前記原料肉塊整形装置を真空ポンプ装置に連通する真空整形室に形成し、該真空成形室内に全面に小孔を有する円筒状ケーシングを配置し、真空成形室内の空気を排気減圧しつつ、該原料供給ホッパからの原料肉塊を充填装置により小孔を有する円筒状ケーシング内に充填し、充填した原料肉塊を減圧状態で密封整形する原料肉塊の充填整形前処理方法としたことである。
【0009】
また、原料供給ホッパから供送される調味液を注入したハム・ベーコン用の原料肉塊を充填した円筒状ケーシング内の原料肉塊の整形前処理機の機台上に、原料肉塊充填用の小孔を有する円筒状ケーシングを載置する底部断面形状が浅い樋状の凹溝を有する受け皿と、該受け皿の上面を覆う開閉自在なU字形状溝を有する上蓋を配し、前記受け皿と上蓋とで、全周面に極小孔を有する円筒状ケーシング内に充填された原料肉塊を、円柱状に保形する整形室に形成するとともに、該整形室に外部の真空ポンプ装置に連通する空気吸引孔を設けて真空整形室に構成した原料肉塊の充填整形前処理機としたことである。
【発明の効果】
【0010】
ハム・ベーコンなどの原料肉塊に注入した調味液の味付けが均等になるように、また、成形した原料肉塊が原形に復さないように原料肉塊の揉込み(マッサージ)作業を行った後、該原料肉塊を充填ノズルから円筒状ケーシングに充填成形している従来のピストンでの押圧成形作業では、円筒状ケーシングの両サイドから調味液が洩れ出て味付けが不均一となると同時に、原料肉塊内にエアを抱きこむことがあり、その原料肉塊に抱きこまれた気泡は、スモークなどの加熱作業などの二次加工の際に気泡が破れ、その気泡の破れによる孔あきの不良製品となる欠点がある。
【0011】
この発明は原料肉塊を充填する円筒状ケーシングを、全面に小孔を有するケーシングとし、真空整形室内を真空ポンプにより負圧にし、円筒状ケーシングの小孔より充填した原料肉塊の脱気を一気に行うので、板状に閉じていた円筒状ケーシングが膨らみと同時に充填装置よりの原料肉塊が素早くケーシング内に充填され、原料内に抱き込まれたエアおよび余剰液分を取り除くことができる。
【0012】
また、従来の肉塊充填整形室のケーシングが受け皿の半円形上の凹溝に深く埋没し凹溝に密着するので取出し作業に手間が掛かる問題も、真空整形室の受け皿の円筒状ケーシングを支承する底面の形状を、浅い樋状の凹溝に形成したので、ケーシングの受け皿への付着が浅いので取出し作業が楽である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明の実施の形態を以下図面に基づいて説明する。
【0014】
図1はこの発明の原料肉塊の充填整形前処理機の正面図、図2は同上の右側面図、図3は同上の左側面図、図4は同上の上蓋と受け皿の一部拡大分解図、図5は真空整形室に原料肉塊を充填した状態を示す図、図6は充填装置の充填ノズルの羽根を閉じた状態を示す正面図、図7は充填装置の充填ノズルの羽根を開いた状態を示す正面図、図8は同上の充填ノズルの羽根開閉装置部材で羽根を閉じた状態を示す図、図9は同上の充填ノズルの羽根開閉装置部材で羽根を開いた状態を示す図である。
【0015】
図1において、前処理機1は調味液での味付けや原形に復しないように筋きり、揉みこみ(マッサージ)作業等を行った肩ロース肉、もも肉、ひれ肉などのハム・ベーコン用食肉ブロックから成る原料肉塊を供給する図示しないホッパに連通するシュート2と該シュート2から供送された原料肉塊を円筒状の人工ケーシングCに充填する充填装置室3とを連通管4にて連結して成る。
【0016】
前処理機1は機台5に充填装置室3を設け、該充填装置室3の前方延長線上の位置に、充填された原料肉塊Mを丸く成形する整形室6が設けられている。
この整形室6は図2〜4に示すように、底部中央の断面形状が浅い樋形状の凹溝7aを有するケーシング受け皿7と、該ケーシング受け皿7の上面を覆う断面U字状長溝8aを有する上蓋8とで形成されて、この整形室6を形成する上蓋8に図示されていない真空ポンプ装置と連通する空気吸引孔9を設けて真空整形室10に形成されている。
【0017】
図6〜7は真空整形室10に配置した人工ケーシングCに原料肉塊を充填する充填装置11を示す図で、図6は原料ホッパのシュート2の連通管4に原料肉塊充填室12を設けた正面図で、ケーシングCを装着する羽根15を有する充填ノズルが真空整形室10方向に突出した状態を示す図であり、図7は充填室12にケーシングCを装着する羽根15を有する充填ノズル14が納まった状態を示す図である。
また、図8は充填ノズル14の花弁形状の羽根15が閉じた状態を示す図、図9は充填ノズル14の花弁形状の羽根15状が開いた状態を示す図である
【0018】
充填室12に設けた花弁状に形成した羽根15を有する充填ノズル14の進退を自在に形成し、図6に示すように充填室12の放出口13より充填ノズル14のシリンダ装置16のロッド17作動とともに羽根開閉装置部材24が作動し花弁形状の羽根15を閉じた状態で突出させる。
【0019】
その閉じた状態の充填ノズル14の羽根15に、一側を閉止し他方を開口した周面に0.2〜0.3mm程度の小孔を穿った180mm程度の円筒状ケーシングCの開口部を嵌め込み充填ノズル14に装着する。
図7に示すように、原料肉塊充填室12のシリンダ装置16のロッド17の後退により充填ノズル14を原料肉塊充填室12内に後退させると、充填ノズル14の羽根15は羽根開閉装置部材24の作動により、原料肉塊充填室12の放出口13で押し広げられ全開状態となる。
【0020】
この状態で円筒状ケーシングCが充填ノズル14から外れないように、円筒状ケーシングCの開口部基端を拘止片18で緊締し、円筒状ケーシングCの充填ノズル14の放出口13付近に位置する円筒状ケーシングCを緊締部材19により締着する。
【0021】
上記の様に充填ノズル14に円筒状ケーシングCを装着後、充填ノズル14の延長線上にある真空整形装置10の整形室内の空気を、図示していない外部真空ポンプから空気吸引孔9を介してから排出すると、板状に畳まれていたケーシングC全体が膨らむと同時に充填ノズル14から供給される原料肉塊Mは、円筒状ケーシングC内に瞬時に吸い込まれ、また同時に原料肉塊の空気および余剰調味液を円筒状ケーシングCに設けた小孔から取り除かれる。
なお、図中20は真空整形室10の上蓋8を開閉するための把手、21は前蓋、22蝶番、23充填ノズルの先端に設けた滑止め突起、24は充填ノズルの羽根15の開閉装置部材、25はフランジである。
【0022】
この発明は上記のように、原料肉塊を充填する円筒状ケーシングを、全面に小孔を有するケーシングとし、真空整形室内を真空ポンプで負圧にすると同時にケーシングが膨らみ、充填ノズルまで供給された原料肉塊もケーシング内に一気に充填され、また原料内に抱き込まれたエアおよび余剰液分も取り除くことができるので、不良製品の発生を少なくすることができる。
【0023】
また、従来の肉塊充填整形室のケーシングが受け皿の半円形上の凹溝に深く埋没し凹溝に密着するので取出し作業に手間が掛かる問題も、真空整形室の受け皿の円筒状ケーシングを支承する底面の形状を、浅い樋状の凹溝に形成したので、ケーシングの受け皿への付着が浅いので取出し作業が楽である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の実施の形態を示す原料肉塊の充填整形前処理機の正面図である。
【図2】同右側面図である。
【図3】同左側面図である
【図4】同上真空整形室を構成する上蓋と受け皿の一部分解拡大図である。
【図5】同上の真空整形室に原料肉塊を充填した状態を示す図である。
【図6】同充填ノズルの羽根を閉じた状態を示す充填装置の正面図である。
【図7】同充填ノズルの羽根を開いた状態を示す充填装置の正面図である。
【図8】同上の充填ノズルの羽根開閉装置部材による羽根閉状態を示す図である。
【図9】同上の充填ノズルの羽根開閉装置部材による羽根開状態を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1 前処理機
2 シュート
3 充填装置
4 連通管
5 機台
6 整形室
7 受け皿
7a 凹溝
8 上蓋
8a U字長溝
9 空気吸引孔
10 真空整形室
11 充填装置室
12 充填室
13 放出口
14 充填ノズル
15 羽根
16 シリンダ装置
17 ロッド
18 拘止片
19 緊締部材
20 把手
21 前蓋
22 蝶番
23 滑止め突起
24 羽根開閉装置部材
25 フランジ
C 円筒状ケーシング
M 原料肉塊
【出願人】 【識別番号】506285574
【氏名又は名称】手塚 要一
【出願日】 平成18年8月22日(2006.8.22)
【代理人】 【識別番号】100061284
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 侑

【識別番号】100088052
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 文彦


【公開番号】 特開2008−48617(P2008−48617A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−225159(P2006−225159)