| 【発明の名称】 |
麺用ツヤ出し剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】後藤 麻友
【氏名】葉桐 宏厚
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| 【要約】 |
【課題】麺類を調理・加工する際に、麺表面のツヤを良好にし、かつほぐれ性にも優れる麺用ツヤ出し剤を提供する。
【構成】練り込みではなく、噴霧、浸透、塗布、和えなどの方法により添加する、食用油脂100重量部に対してポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを0.1〜5.0重量部配合し、10℃における粘度が115〜150mPasである麺用ツヤ出し剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食用油脂100重量部に対してポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを0.1〜5.0重量部配合してなる麺用ツヤ出し剤。 【請求項2】 10℃おける粘度が115〜150mPasである請求項1に記載の麺用ツヤ出し剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、麺類を調理・加工する際に、噴霧または和えることによって、麺表面のツヤを良好にし、かつほぐれ性にも優れる麺用ツヤ出し剤に関する。 【背景技術】 【0002】 麺類のほぐれ性を改良することを目的として、油脂と乳化剤とからなる油脂組成物を使用することは従来から知られている。例えば、食用油脂、大豆レシチン及び大豆レシチン以外の食品用乳化剤を配合してなる油脂組成物を噴霧する方法(特許文献1)、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂を使用する方法(特許文献2)等が提案されている。しかしながら、これらの方法は麺線のほぐれ性などの作業性は優れているが、麺類のおいしさに大きな影響を与える外観の改善つまり麺のツヤ出しという点に関しては十分であるとはいえない。 また、麺のほぐれ性や食感を改良する目的としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含む油中水型乳化油脂組成物を麺生地に錬り込んで使用する方法(特許文献3)も提案されている。しかし、この方法も麺線のほぐれ性や食感の改良という点では優れているが、麺のツヤ出しに関してはやはり不十分である。 【0003】 【特許文献1】特公昭57−14139号公報 【特許文献2】特開平7−39332号公報 【特許文献3】特開2002-238484号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 麺類は、製造後にコンビニエンスストアー等の店頭で陳列される場合、時間の経過にともない水分移行などが起こり、その結果水分によって膨張したようなあるいは逆に干乾びたような外観となり、ツヤが失われ、おいしそうに見えないという問題がある。 本発明の目的は、上記麺類販売上の問題点を解決し、製造日より時間が経過したものであっても、麺のツヤがよく、コンビニエンスストアー業態が最も理想とする調理したての外観を維持できる麺用ツヤ出し剤を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、食用油脂に、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを所定量配合した油脂組成物を麺に噴霧または和えることにより、麺のツヤを著しく向上させることができ、更に調理加工時または喫食時のほぐれ性が良好な麺が得られることを見出し本発明を完成した。 すなわち、本発明は食用油脂100重量部に対してポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを0.1〜5.0重量部配合してなる麺用ツヤ出し剤である。 また、本発明の麺用ツヤ出し剤は、10℃における粘度が115〜150mPasであることも特徴とする。 【発明の効果】 【0006】 本発明によれば、ほぐれ性が改善すると共に、つややかで光沢のある麺を製造できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 本発明の麺用ツヤ出し剤においては、食用油脂100重量部に対してポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを0.1〜5.0重量部、好ましくは0.5〜2.0重量部配合する。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸の配合量が0.1重量部未満ではツヤ出しの効果は期待できず、5重量部より多いと麺の風味を損ねてしまう。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、ひまし油を原料とするリシノレイン酸を縮合したポリリシノレイン酸をポリグリセリンに結合させた油溶性乳化剤である。 本発明において、食用油脂にポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを配合した麺用ツヤ出し剤の粘度は麺上での状態、ツヤに大きく影響するため、10℃において115〜150mPasが好ましい。 上記範囲の粘度であれば、麺に使用した際には、ツヤ出し剤として特に優れた効果を発揮し得る。 一般に油脂組成物の粘度を調整するために乳化剤を配合させる場合、使用する乳化剤によっては、粘度調整のために多量に必要となることから、風味、性状の点で不適なものも存在する。本発明品に使用するポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、粘度調整能の面においても他の乳化剤より優れている。 本発明の麺用ツヤ出し剤の麺への添加方法は特に限定されるものではないが噴霧、浸漬、塗布、和えなどが挙げられ、中でも麺に和える方法が良い。 本発明の麺用ツヤ出し剤の麺への使用量は、0.1〜5.0重量%、好ましくは1.0〜3.0重量%である。0.1重量%より少ないとツヤ出し、ほぐれの効果が乏しく、5重量%より多いと麺が油っぽくなってしまい好ましくない。 【0008】 乳化剤を添加し粘度を調整することによって、麺線、特に微細なくぼみへの麺用ツヤ出し剤の親和性が増し、結果、麺用ツヤ出し剤を均一に麺線にコーティングできるようである。 ところでコンビニエンスストアー等に陳列される惣菜などについては、流通、保管、陳列までのプロセスは、通常10℃前後の温度帯で行われる。従ってこの10℃付近の温度帯での保管時間が最も長く、この温度帯における油脂の性状が外観上のツヤに大きな影響を与えることとなる。すなわち、麺用ツヤ出し剤が10℃において、ある特定の粘度、性状を有することにより、重力の方向へ落ちるスピードが遅くなるために、麺用ツヤ出し剤が麺線上に均一に広がっている状態を長時間保つことが可能となり、外観上のツヤ向上に繋がっているものと推察される。 【0009】 本発明における麺とは、小麦粉及び/またはその他の穀粉を主原料として加水混練して製麺したものをいい、例えば、うどん、中華麺、和そば、皮類、素麺、ビーフン、きしめん、マカロニ、スパゲティ、ショートパスタ等が挙げられる。これらの麺のうち、本発明の麺用ツヤ出し剤が使用される対象は調理加工されたものに限定され、茹で麺、蒸し麺、生タイプ即席麺(LL麺)、冷凍麺、調理(炒め、和え)麺のいずれかである。 【0010】 本発明においては、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル以外の食用乳化剤も本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。そのような食用乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、アルキルグリコシド類、エリスリトール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、レシチン、酵素分解レシチン、酵素処理レシチンなどがあり、これらを単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。 【0011】 本発明における食用油脂としては、一般に食用として使用される動植物油脂が用いられる。例えば大豆油、菜種油、ひまわり油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、マカダミアナッツ油、コーン油、ハイリノールサフラワー油、ハイオレイック紅花油、綿実油、米油等の植物油脂や牛脂、豚脂、羊脂、馬脂、魚油、乳脂等の動物油脂、さらにこれらの油脂に水素添加(硬化)、エステル交換、分別等の物理的、化学的、または酵素的処理をしたものを挙げることができる。これらの油脂を単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。 これらの食用油脂のうち、麺が食される温度域、例えば常温、チルド(10℃前後)で液状のものが好適である。 【実施例】 【0012】 以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明の主旨はこれらに限定されるものではない。 【0013】 表1、2、3に示す配合により、本発明の実施例及び比較例の麺用ツヤ出し剤を調製した。(MCTはMCT−1((株)J-オイルミルズ製)を使用した。) なお、比較例11、12については表3中に示す原料を基に常法に従って油中水型乳化油脂組成物を調製した。 【0014】 〔粘度測定〕 実施例1〜21及び比較例1〜12で得られた麺用ツヤ出し剤について、E型粘度計を用いて10℃、50rpmにおける粘度測定を行った。結果は表1〜3に示した。 〔麺の調製〕 実施例1〜21、比較例1〜11に関して、以下の方法で麺の調製を行った。 市販のスパゲティ(日清製粉(株)製)(乾麺)を所定の時間(7分30秒)茹で、流水で冷却後、水切り機でしっかりと水切りを行った茹でスパゲティ200gに対し、食塩1.0gと実施例1〜21、及び比較例1〜11で得られた麺用ツヤ出し剤2.0gを添加し、全体に混ぜ合わせ、耐熱性ポリプロピレン製の容器に入れ、透明蓋をして10℃の冷蔵庫で24h保管した。 比較例12に関しては、以下の方法で麺の調製を行った。 麺用小麦粉(日清製粉(株)製 ナンバーワン)500部、小麦たん白(グリコ栄養食品(株)製A−グルGX)5部を混合した。水165部に食塩5部、粉末かん水5.5部、アルコール(68vol%エタノール)10部を溶解し水溶液を調製した。この水溶液を上記小麦粉に添加し、さらに比較例12の乳化した麺用ツヤ出し剤15部を添加し、ホバートミキサーにかけて10分間混合した後、15分ねかせた。この後、麺帯ローラーにかけ、切刃#22で切り出して中華麺玉とした。この中華麺玉を沸騰水中で4分間茹で上げた後、容器に入れて荒熱をとり、10℃の冷蔵庫で24h保管した。 〔麺のツヤ評価〕 ツヤの官能評価は蓋をした状態で5段階(5:非常に良好、4:良好、3:普通、2悪い、1:非常に悪い)評価した。結果は表4、5に示す。 〔麺の風味評価〕 風味の官能検査を5段階評価(5:非常に良好、4:良好、3:普通、2悪い、1:非常に悪い)で行った。結果は表4、5に示す。 〔麺の表面の状態の評価〕 麺(食品)として外観が自然な状態であるかどうかを3段階で評価した。外観上油脂が結晶化や白濁をしているものを×、わずかに曇りがある程度の物を△、結晶化や白濁をしていないものを○とした。結果は表4、5に示す。 【0015】 表4、表5より、実施例は表面の状態については、実施例10に若干曇りがみられる程度であった以外はいずれも良好であった。 実施例の風味、ツヤについては、実施例21の風味が3、実施例7、8、9、10、15、16のツヤが3になったほかはいずれも4又は5の高い評価だった。ほぐれ性についても実用上問題ない程度であった。 比較例については、表面の状態に関して比較例9、10が白濁を起こし、望ましくない結果となった。 また、比較例11の乳化した麺用ツヤ出し剤を使用した場合、ツヤは3であったが、粘度が高すぎるために風味(食味)においてべたつき感などが強く、さらに麺が柔らかくなっており食感も悪く、食品として好ましくない状態であった。 比較例12の場合、麺用ツヤ出し剤を麺へ錬り込んで使用するとツヤが見られなかった。 これらの比較例11、12の結果より麺用ツヤ出し剤を乳化油脂組成物で提供することは難しく、また練り込みによる添加も好ましくなく、本発明での提供が望ましいことが明らかとなった。 総じて、比較例の風味、ツヤについては、どの比較例もツヤ又は風味が悪く、麺用ツヤ出し剤としては欠陥を持っていることが明らかとなった。 【0016】 【表1】
【0017】 【表2】
【0018】 【表3】
【0019】 【表4】
【0020】 【表5】
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| 【出願人】 |
【識別番号】302042678 【氏名又は名称】株式会社J−オイルミルズ
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| 【出願日】 |
平成18年8月21日(2006.8.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−43306(P2008−43306A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−224654(P2006−224654) |
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