| 【発明の名称】 |
デンプン老化防止剤及びデンプン老化防止方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂井 拓夫
【氏名】入江 恵子
【氏名】小林 孝
【氏名】神山 雄次
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| 【要約】 |
【課題】デンプン含有食品のデンプンの老化を遅延させるデンプン老化防止剤を提供することを課題とする。
【構成】ポルフィラン又はポルフィランを含む海苔処理物を有効成分として含有してなるデンプン老化防止剤により、上記の課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポルフィラン又はポルフィランを含む海苔処理物を有効成分として含有してなるデンプン老化防止剤。 【請求項2】 デンプン含有食品に、請求項1に記載のデンプン老化防止剤を、該食品100gに対してポルフィランとして0.01〜1gが含まれることとなるような量で添加することを含むデンプンの老化防止方法。 【請求項3】 前記デンプン含有食品が米飯であり、前記デンプン老化防止剤が炊飯時に添加される請求項2に記載の方法。 【請求項4】 前記デンプン含有食品が米飯であり、前記デンプン老化防止剤が炊飯後に米飯に添加される請求項2に記載の方法。 【請求項5】 前記デンプン含有食品が麺類であり、前記デンプン老化防止剤が麺類の製造時に添加される請求項2に記載の方法。 【請求項6】 前記デンプン含有食品が麺類であり、前記デンプン老化防止剤が麺類を該防止剤の溶液と接触させることにより添加される請求項2に記載の方法。 【請求項7】 前記デンプン含有食品がパン、ケーキ及びクッキーを含む小麦粉加工品であり、前記デンプン老化防止剤が該小麦粉加工品の製造時に添加される請求項2に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、デンプン老化防止剤及びデンプン老化防止方法に関する。 【背景技術】 【0002】 デンプンは、ブドウ糖が重合したアミロース及び/又はアミロペクチンから構成される多糖類であり、自然界では結晶構造を持ったデンプン粒として存在する。デンプンは、穀類、芋類などに含まれており、特に、米、とうもろこし、豆類、ジャガイモ、サツマイモ、小麦粉、片栗粉、葛粉、わらび粉、新粉などは、デンプンを多く含む食品原料として知られている。 また、デンプンは、食品原料に含まれる以外に、糊材などとして工業原料としても用いられる。 【0003】 デンプンは、水に不溶性の物質で、水に懸濁させて放置すると沈殿する。デンプン懸濁液を加熱するとデンプン粒が膨潤して溶け、粘度の高い半透明の液体を形成する。この現象は、デンプンが吸水して膨潤したことによるものであり、デンプンの糊化(α化)とよばれる。α化したデンプンは消化性がよく食味も優れるので、デンプン含有食品では、α化した状態を保つことが重要である。 しかし、α化したデンプンを放置すると、溶けていたアミロースやアミロペクチンの分子の一部が凝集して再び結晶化が進んで固くなる。この現象を、デンプンの老化という。 【0004】 デンプン含有食品のデンプンの老化を防ぐために、デンプン含有食品の水分含有量を減少させる方法や、トレハロースとグリセリン脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステルなどを添加する方法(特開平7−79689号;特許文献1)、プルランと二糖類及び乳化剤を添加する方法(特開平5−84046号;特許文献2)などが知られている。 【特許文献1】特開平7−79689号公報 【特許文献2】特開平5−84046号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明者らは、デンプンの老化防止方法について種々検討した結果、デンプンに海苔の超微細粉末(大きさ約20μm)を添加するとデンプンの老化を防止できることを見出した。さらに、このデンプンの老化防止効果が、海苔に含まれるポルフィランによるものであることを見出して、本願発明を完成した。 【課題を解決するための手段】 【0006】 よって、本発明により、ポルフィラン又はポルフィランを含む海苔処理物を有効成分として含有してなるデンプン老化防止剤が提供される。 また、本発明により、上記のデンプン老化防止剤をデンプン含有食品に添加することを含むデンプンの老化防止方法が提供される。 【発明の効果】 【0007】 本発明によれば、デンプンの老化を防止することができ、デンプン含有食品の消化を向上させることができる。また、食品の食味を長期間にわたって維持することもできる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 本発明のデンプン老化防止剤は、ポルフィラン又はポルフィランを含む海苔処理物を有効成分として含有する。 本明細書において、海苔とは、ポルフィランを含有する藻類のことをいい、特に紅藻類アマノリ属(Porphyra sp.)に属する藻類が好ましい。具体的には、海苔は、スサビノリ(Porphyra yezoensis)、アサクサノリ(Porphyra tenera)、ナラワスサビノリ(Porphyra narawaensis)などのいずれの海苔であってもよい。 【0009】 上記の「海苔処理物」とは、海苔の藻体を処理して得られるものであればよく、板海苔として製品化されたもの、屑海苔(大きさ約0.1〜1mm程度)、超微細粉末(大きさ約20μm程度)、海苔からポルフィランを抽出する際に得られる海苔抽出物、該抽出物を乾燥して得られるものなどのいずれであってもよい。本発明のデンプン老化防止剤は、デンプン含有食品に添加して用いる場合、デンプン含有食品の食味を変化させない観点から、精製されたポルフィランを用いるのが好ましい。 【0010】 ポルフィランは、海苔の細胞壁などに含まれる水溶性食物繊維であり、海苔の乾燥重量の約30重量%を占めることが知られている。ポルフィランは、D−ガラクトース、3,6−アンヒドロガラクトース及びL−ガラクトース−6−硫酸からなり、D−ガラクトースが部分的に6−O−メチルガラクトースに置換された構造を持つ硫酸多糖類である。ポルフィランの分子量は明確に規定されておらず、約5000〜10万程度のものが知られているが、本発明においては、分子量約5000〜35000程度、好ましくは分子量約15000〜30000程度のポルフィランを用いることができる。上記の範囲の分子量を有するポルフィランであれば、液体の状態にした場合に適度な粘度を有するので好ましい。 【0011】 上記の海苔の超微細粉末は、海苔を気流粉砕に付すことにより得ることができる。 【0012】 海苔からポルフィランを精製する方法としては、当該分野において知られた方法を用いることができる。例えば、板海苔、屑海苔及び/又は海苔の超微細粉末に水を加えて50〜60℃程度で10〜36時間程度温水抽出するか、又は90〜160℃程度の温度で30分〜2時間程度熱水抽出し、遠心分離、ろ過などにより藻体を除去して海苔抽出物を得、これをイオン交換、限外ろ過、溶媒蒸発などにより濃縮し、任意に脱臭、脱色などを行う方法を用いることができる。また、海苔に酢酸、クエン酸などの有機酸の微酸性水溶液を加えて105〜120℃程度の温度で5〜15分程度加熱抽出し、これをろ過、濃縮、任意に脱臭、脱色などの工程に付す方法を挙げることもできる。 このようにして精製されたポルフィランは、無臭で白色粉末の形状で得ることができ、これを水に溶解すると、無色透明で無臭の液体となる。 【0013】 本発明のデンプン老化防止剤は、精製ポルフィランをそのまま用いてもよく、海苔抽出物を濃縮乾燥したもの又は海苔の超微細粉末をもちいてもよい。また、これらのいずれかを適当な媒体に希釈して用いることもできる。液体の媒体としては、水が好ましい。固体の媒体としては、バレイショデンプンなどのデンプン、ショ糖のような糖類などを用いることができる。また、酢、しょうゆ、ソースなどの調味料及びこれらの調味料を含む調味液自体を媒体として用いてもよい。 上記のように希釈して用いる場合、有効成分であるポルフィランの有効濃度が簡便に適用できるように、上記媒体中のポルフィランの濃度を5倍、10倍、100倍などの濃度にするのが好ましい。 【0014】 本発明のデンプン老化防止剤は、デンプンの老化防止効果を損なわない限り、ポルフィラン以外の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、寒天、カラギーナン、アルギン酸、フコイダン及びそれらの誘導体、トレハロース、糖アルコール類、デンプン及びその誘導体、ペクチン質、キチン及びそれらの誘導体、脂肪及びそれらの誘導体、タンパク質などから選択される1種又は2種以上が挙げられる。また、従来知られたデンプン老化防止剤を含有してもよい。 【0015】 本発明のデンプン老化防止剤は、デンプン含有食品に添加することにより用いることができる。 本明細書において、デンプン老化防止剤をデンプン含有食品に添加するとは、デンプン老化防止剤がデンプン含有食品に含まれることとなればよいことを意味すると理解され、デンプン老化防止剤をデンプン含有食品の製造時に該食品の材料に添加すること、デンプン老化防止剤をデンプン含有食品と接触させることなどのいずれをも含む。 【0016】 デンプン老化防止剤をデンプン含有食品の製造時に材料に添加する場合、添加する順序としては特に限定されず、食品の製造工程のいずれの段階において添加してもよい。該デンプン老化防止剤を添加した後に加熱加工することもできる。 デンプン老化防止剤をデンプン含有食品の製造時に材料に添加する形態としては、例えば、デンプン老化防止剤を米に加えて炊飯する形態、デンプン老化防止剤をパン、ケーキ、クッキーなどの小麦粉加工品の材料に加えて焼成する形態、デンプン老化防止剤を麺類の材料に加えて麺を茹でる形態などが挙げられるが、これらに限定されない。 【0017】 デンプン老化防止剤とデンプン含有食品とを接触させる形態としては、特に限定されないが、液体のデンプン老化防止剤をデンプン含有食品に噴霧する形態、液体のデンプン老化防止剤でデンプン含有食品を処理する形態、粉末のデンプン老化防止剤をデンプン含有食品に散布する形態などが挙げられる。具体的には、炊飯後の米飯にデンプン老化防止剤を噴霧又は散布する形態、焼きあがったパン、ケーキ、クッキーなどの小麦粉加工品にデンプン老化防止剤を噴霧する形態、麺類にデンプン老化防止剤を噴霧する形態、麺類をデンプン老化防止剤に浸漬させる形態などが挙げられるが、これらに限定されない。 【0018】 上記のデンプン老化防止剤は、デンプン含有食品100gに対してポルフィランとして0.01〜2g、好ましくは0.01〜1gが含まれることとなるような量で用いることができる。この範囲の量でポルフィランを用いることにより、良好なデンプン老化防止効果を得ることができる。 【0019】 上記のデンプン含有食品としては、穀類、豆類、芋類、米粉、小麦粉、新粉、餅粉、上新粉、わらび粉、葛粉、デキストリン、とうもろこしデンプン、馬鈴薯デンプン、甘藷デンプン、タピオカデンプンなどの原料を加工して得られる食品が挙げられる。より具体的には、米加工品(米飯、餅、煎餅など)、麺類(うどん、そば、ラーメン、素麺、春雨、パスタなど)、小麦粉加工品(パン、ケーキ、クッキー、乾パン、中華まん、餃子、春巻きなどの皮)、わらび餅、葛餅、まんじゅうなどが挙げられる。 【0020】 よって、本発明の別の観点は、デンプン含有食品に、上記のデンプン老化防止剤を、該食品100gに対してポルフィランとして0.01〜2g、好ましくは0.01〜1gが含まれることとなるような量で添加することを含むデンプンの老化防止方法である。 【0021】 上記のようにして本発明のデンプン老化防止剤をデンプン含有食品に添加することにより、デンプン含有食品の老化を防止し、さらに該食品の食味の低下を防止することもできる。 【実施例】 【0022】 以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。 デンプンの老化度の測定 以下の実施例において、デンプンの老化度は、「フローチャートで見る食品分析の実際」真部孝明著、2003年、株式会社幸書房発行、199〜202頁に記載される老化度測定法(β−アミラーゼ・プルラナーゼ法)に従って測定した。すなわち、デンプンを含む試料約1gを70%エタノール10mlに加え、撹拌機(ポリトロン)を用いて磨砕し、ガラスフィルタ(2G3)で濾過した。残渣を、ポリトロンで同様の操作を繰り返してさらに磨砕した。この(2回目の)濾過残渣をアセトンを加えて磨砕し、さらにエチルエーテルで洗浄して濾過した。デシケータ中で一夜放置して自然乾燥させて粉砕し、デンプン老化度測定用試料として、デンプンの老化度の測定に供した。 【0023】 デンプンの老化度の測定は、老化したデンプンがデンプン分解酵素の作用を受け難くなる現象に基づいて、上記のようにして調製したデンプン老化度測定用試料にβ‐アミラーゼとプルラナーゼを作用させて生じる還元糖(ブドウ糖とそのオリゴ糖)の量を比較することにより行った。 すなわち、上記の方法で調製したデンプン老化度測定用試料80mgと蒸留水8mlとを3本の25ml容メスフラスコに分注した(A:ブランク用、B:測定用、C:完全糊化用)。 次いで、A及びBについては、0.8M酢酸緩衝液pH6.0で25mlの定容積にした。Cについては、10N NaOH 0.2mlを加え、50℃で5分間温浴中で加温して完全糊化させて、2N酢酸水溶液でpH6.0に調整し、0.8M酢酸緩衝液pH6.0で25mlの定容積にした。 これらの溶液を、20ml容試験管に各々4ml取り、40℃の恒温水槽で数分間放置した後、B、Cにはβ‐アミラーゼ/プルラナーゼ混合液(0.8IU−βアミラーゼ/mlと3.3IU‐プルラナーゼ/ml)1mlを添加し、Aには失活させたβ‐アミラーゼ/プルラナーゼ混合液を加えて40℃で30分間反応させた。反応後、これらの試験管を沸騰浴中で5分間加熱して酵素を失活させ、蒸留水4mlを加えて5倍に希釈した。この希釈液1mlを採取して、DNS法(ダンシル法)で還元糖量を測定した。 老化度は、C中の還元糖量を100とした場合の、C中の還元糖量とB中の還元糖量との差の割合で表す。すなわち、老化度は、以下の式: 老化度(%)={(C中の還元糖量‐B中の還元糖量)/(C中の還元糖量)}×100 により計算することができる。 【0024】 ポルフィランの調製 乾燥スサビノリ500gを20Lの水道水に懸濁し、3N塩酸でpH4.9に調整した。これを、95〜100℃で90分間加熱した。室温まで冷却後、遠心分離を行い、沈殿物を除き、カチオン交換樹脂(SK1B−H+、三菱樹脂株式会社製)を充填したカラム(8×100cm)を通した。塩酸でpH5.0に調整した後、減圧濃縮して3倍容のイソプロパノールを添加してポルフィランを沈殿させた。遠心分離により沈殿を回収し、蒸留水に溶解させた。これを真空凍結乾燥により乾燥させて精製ポルフィランを得て、以下の実施例において用いた。 【0025】 実施例1 市販の生うどん10gを、0.1重量%のポルフィラン水溶液30mlに室温で1時間浸漬した。このうどんを凍結乾燥し、デンプンの老化度を測定したところ、0.39%であった。 対照として、ポルフィラン水溶液の代わりに水を用いて処理したうどんのデンプンの老化度を測定したところ、デンプンの老化度は、6.41%であった。 【0026】 実施例2 片栗粉(北海道十勝産馬鈴薯デンプン)20gに、0.1重量%のポルフィラン水溶液60mlを加えてよく混合した。これを適当な大きさにして湯煎して(95〜100℃、5分)団子を作製し、密閉容器に入れて冷蔵庫(5℃)で3時間放置した。実施例1と同様にして老化度を測定したところ、0.95%であった。 対照として、ポルフィラン水溶液の代わりに水を用いて作製した団子のデンプンの老化度は、5.4%であった。 【0027】 実施例3 食パン(山崎製パン株式会社製)を約1cmの厚さに切り(1枚約68g)、両面に0.4重量%のポルフィラン水溶液を16ml噴霧し、ラップで包装して冷蔵庫(5℃)中に保存した。保存開始から6時間、24時間及び30時間でパンの小片を採取し、老化度を測定した。 対照として、ポルフィラン水溶液の代わりに蒸留水を用いて処理したパンのデンプンの老化度を測定した。 結果を次の表1に示す。 【0028】 【表1】
【0029】 上記と同様に処理したパンを用いてサンドイッチを調理し、24時間後に10名の男女をパネラーとして、評点法(採点法)で食味を評価した。すなわち、ポルフィラン水溶液で処理したパンで製造したサンドイッチ(ポルフィラン処理サンドイッチ)と、蒸留水で処理したパンで製造したサンドイッチ(蒸留水処理サンドイッチ)とを、ラップに包んで5℃で24時間保存した後に10名のパネラーにブラインドで摂食させた。 その結果、すべてのパネラーが、ポルフィラン処理サンドイッチのほうが食味に優れると判定した。そこで、ポルフィラン処理サンドイッチの食味が蒸留水処理サンドイッチに比べてどれぐらい優れるかを、以下の5点法により10名のパネラーにより評価した(「フローチャートで見る食品分析の実際」真部孝明著、2003年、株式会社幸書房発行、第185〜187頁のペアテスト法に従う方法)。 ポルフィラン処理サンドイッチのほうが大変優れる(+2) 少し優れる(+1) 同等(0) やや劣る(−1) 非常に劣る(−2) 評価の結果、評点の平均点が1.3点となり、ポルフィラン処理サンドイッチのほうが食味に優れていることがわかる。また、サンドイッチを24時間程度保存しても、食味の低下を防ぐことができることがわかる。 【0030】 実施例4 市販の無洗うるち米150gに、0.4重量%ポルフィラン水溶液260mlを加えて30分間室温で放置した。これを、炊飯器RCK−50M(東芝社製)を用いて炊飯して米飯を得た。この米飯3gずつを容積50mlの密閉容器に入れ、5℃に保存して24、48及び72時間後に老化度を測定した。 対照として、ポルフィランを添加せずに炊飯した米飯について、同様にして老化度を測定した。結果を表2に示す。 【0031】 【表2】
【0032】 また、5℃で48時間保存したこれらの米飯について、実施例3と同様にして10名のパネラーを用いて食味の評価を行ったところ、ポルフィランを添加した米飯について、評点の平均点が1.5点となった。よって、ポルフィランを添加して炊飯することにより、48時間保存した米飯の食味の低下を防ぐことができることがわかる。 【0033】 実施例5 市販の無洗うるち米150gに水道水260mlを添加して30分間放置し、炊飯器RCK−50M(東芝社製)を用いて炊飯して米飯を得た。この米飯100gをバットに広げ、0.4重量%のポルフィラン水溶液25mlを噴霧器を用いて均一に噴霧して、へらでよく混合した(米飯100gに対してポルフィラン0.1g)。この米飯3gを容積50mlの密閉容器に入れ、5℃で7及び14日間保存して老化度を測定した。 対照として、ポルフィラン水溶液の代わりに蒸留水を噴霧した米飯について、同様に老化度を測定した。結果を表3に示す。 【0034】 【表3】
【0035】 実施例6 市販のもち米750gを水洗後、蒸留水2.1リットルを加えて実施例5と同様にして炊飯した後、10分間保温(蒸らす)してもち米飯とした。この米飯500gをバットに広げ、1%ポルフィラン水溶液50mlを噴霧器を用いて均一に噴霧して、へらでよく混合した。この米飯3gを容積50mlの密閉容器に入れ、5℃で24、48、72及び96時間保存して老化度を測定した。 対照として、ポルフィラン水溶液の代わりに蒸留水を噴霧したもち米飯について、同様に老化度を測定した。結果を表4に示す。 【0036】 【表4】
【0037】 以上の結果から、本発明のデンプン老化防止剤は、デンプン含有食品のデンプンの老化を有意に遅らせる効果を有することが明らかである。 【0038】 実施例7 滋賀県産米(こしひかり)を常法で炊飯し、6.7kgずつに分割して、以下の表5に示す市販の食味改善剤又は本発明のデンプン老化防止剤を、市販のおにぎり用調味液AH(キューピー醸造社製)又は舎利用合わせ酢No.3(キューピー醸造社製)と混合して添加し、よく混合した。これらの米飯を用いて塩飯(おにぎり)4種と寿司(巻き寿司)3種をそれぞれ製造し、16℃(ピッキングルーム)と5℃(冷蔵庫)に24時間放置した後、10名のモニターによりブラインドで試食した。食味が優れている順に1〜4(塩飯)及び1〜3(寿司)で採点した。結果を以下の表6に示す。 【0039】 【表5】
【0040】 【表6】
【0041】 上記の表6の結果から、本発明のデンプン老化防止剤(No.4及び7)を約0.015重量%(6.7kgの米飯に対して1g)添加した場合、米飯の食味の低下が市販の食味改良剤に比べて抑制されることがわかる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】506276756 【氏名又は名称】IGAバイオリサーチ株式会社 【識別番号】398015031 【氏名又は名称】株式会社鍵庄
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| 【出願日】 |
平成18年8月11日(2006.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065248 【弁理士】 【氏名又は名称】野河 信太郎
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| 【公開番号】 |
特開2008−43227(P2008−43227A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−220061(P2006−220061) |
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