| 【発明の名称】 |
低分子化グルコマンナンの製造方法及びグルコマンナン粉 |
| 【発明者】 |
【氏名】瀧上 眞知子
【氏名】瀧上 昭治
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| 【要約】 |
【課題】軽量で流通することができると共に、良好な取り扱い性を得ることができる低分子化されたグルコマンナンを得る。
【構成】アルコール水溶液に膨潤させた(S1)非溶解のコンニャクグルコマンナンに酸性添加物を加え(S2)高温・高圧処理する(S3)ことでコンニャクグルコマンナンを酸加水分解する工程と、その後、酸加水分解されたコンニャクグルコマンナンを脱水処理して(S4)、グルコマンナン粉を生成する工程とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルコール水溶液に膨潤させた非溶解のコンニャクグルコマンナンに酸性添加物を加え高温・高圧処理することでコンニャクグルコマンナンを酸加水分解する工程と、 前記工程によって酸加水分解されたコンニャクグルコマンナンを脱水処理して、グルコマンナン粉を生成する工程と、を有することを特徴とする低分子化グルコマンナンの製造方法。 【請求項2】 前記酸性添加物がクエン酸であることを特徴とする請求項1に記載された低分子グルコマンナンの製造方法。 【請求項3】 請求項1の低分子化グルコマンナンの製造方法で生成されたグルコマンナン粉。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、低分子化によって粘性を低下させた低分子化グルコマンナンの製造方法及びグルコマンナン粉に関する。 【背景技術】 【0002】 コンニャクグルコマンナン(こんにゃく粉)はこんにゃく芋に含まれる成分で水溶性の増粘多糖類に分類される。通常、コンニャクグルコマンナンはこんにゃく芋を乾燥した後にこれを粉砕精製することにより粒子状の粉末で存在するが、これを水で溶かす(膨潤させる)と高い粘稠物質になる。一般には、この粘稠物質をアルカリ反応でゲル化させてこんにゃく製品にしている。 【0003】 溶解されたコンニャクグルコマンナンは分子量100万程度の中性の天然高分子であり、弾力性に富んだこんにゃくゼリーなどのように新しいタイプのゼリー原料として使用されている他に、従来のゼリー原料に弾力性を持たせるなどの物性改質剤としての効果も認められている。 【0004】 しかしながら、溶解されたコンニャクグルコマンナンの高い粘稠性質は食品としてそのまま食した時に口の中に粘りつき非常に食感が悪くなるという欠点を持っており、また、このコンニャクグルコマンナンの機能性を活用するためにこれを多量に必要とする場合、高い粘性を発揮してしまい十分な量を投入することができないという問題があった。 【0005】 これに対して、溶解されたグルコマンナンを低分子化或いは低粘度化する手法として、グルコマンナンを酸加水分解することが知られている。下記特許文献1には、グルコマンナン含有食材若しくはペースト化されたグルコマンナンを原料とし、酸性水に分散させ又はさらに加熱することによって低粘度化を図ることが記載されており、下記特許文献2には、有機酸類に水を加えた有機溶液にこんにゃく粉を混合し、有機酸類によりこんにゃく粉に含まれるグルコマンナンを加水分解して低分子化を図り、低粘度の液状とすることが記載されている。 【0006】 【特許文献1】特開2006−61030号公報 【特許文献2】特開平7−313120号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 前述した従来技術によると、溶解された高粘度のグルコマンナンを酸加水分解することによって低粘度の液状化されたグルコマンナンを得ることができる。しかしながら、最終的に得られる形態が液状物であるため、流通の段階で多量の水を運ばなければならなくなり、運搬重量が嵩む問題がある。 【0008】 また、液状化されたグルコマンナンを用いてグルコマンナンを含む食材等を生成する場合に、液状化されたグルコマンナンでは、必要とするグルコマンナンの含有重量に対して所定量の水が伴うため、ユーザの希望するグルコマンナンの配合を得るのが困難になり、取り扱い性が悪いという問題が生じる。 【0009】 本発明は、このような問題に対処するために提案されたものであって、軽量で流通することができると共に、良好な取り扱い性を得ることができる低分子化されたグルコマンナンを得ることを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明は、前述した目的を達成するために、以下の特徴を具備するものである。すなわち、低分子化グルコマンナンの製造方法において、アルコール水溶液に膨潤させた非溶解のコンニャクグルコマンナンに酸性添加物を加え高温・高圧処理することでコンニャクグルコマンナンを酸加水分解する工程と、前記工程によって酸加水分解されたコンニャクグルコマンナンを脱水処理して、グルコマンナン粉を生成する工程と、を有することを特徴とする。 【0011】 また、前述の特徴に加えて、前記酸性添加物がクエン酸であることを特徴とする。 【0012】 更には、前述した特徴を有する低分子化グルコマンナンの製造方法で生成されたグルコマンナン粉に特徴がある。 【発明の効果】 【0013】 このような特徴を有する本発明は、アルコール水溶液中で非溶解のコンニャクグルコマンナンを酸性加水分解処理するので、その後の脱水処理を容易に行うことができ、短時間の処理で低分子化されたグルコマンナン粉を得ることができる。 【0014】 そして、本発明の低分子化グルコマンナンの製造方法によると、コンニャクグルコマンナンの高い粘稠性質を酸性添加物の添加量と加熱・加圧処理の温度,圧力,処理時間を適宜調整することで任意の粘性に調整することが可能になる。 【0015】 更には、最終的に得られる形態が粉末・粒子状であるので、流通の際には軽量であって取り扱い性も良く、多様な用途に適用することが可能になる。 【0016】 これによって、多種多様なユーザの要望に応じた低粘性を示すグルコマンナンを提供することができ、使用用途が格段に広く展開できるので、新規機能性食品等の開発に資することが期待される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る低分子化グルコマンナンの製造法を説明する説明図である。 【0018】 先ず、精製コンニャクグルコマンナンを2〜10倍重量のアルコール水溶液に投入して膨潤させる(S1)。アルコール水溶液はコンニャクグルコマンナンの溶解を抑制する目的で使用されるものであり、15%〜70%濃度(モル濃度)のアルコール水溶液を用いることができる。 【0019】 アルコール水溶液によって膨潤化された非溶解のコンニャクグルコマンナンに対して、アルコール水溶液のpHを下げるために酸性添加物を加え(S2)、高温・高圧で加熱・加圧処理を行う(S3)。この際の酸の添加量と加熱温度と付加圧力及び加熱・加圧の処理時間を適宜コントロールすることで、所望の分子量に低分子化したグルコマンナンを得ることができる。アルコール水溶液に対してのコンニャクグルコマンナンの投入及び酸性添加物の添加はほぼ同時に行っても良い。 【0020】 酸性添加物としては、グルコマンナンを食品として用いる場合には、クエン酸や酢酸等を用いることができる。特にクエン酸によって効率的な低分子化が可能になる。加熱・加圧処理は加圧釜に酸の添加されたアルコール水溶液とコンニャクグルコマンナンを入れて、高温・高圧条件下で酸加水分解の反応を促進させる。 【0021】 ここまでのS1〜S3が非溶解のコンニャクグルコマンナンを酸加水分解する工程である。この酸加水分解の処理後に任意の時間経過後、これらを脱水処理し(S4)、更に乾燥させる(S5)ことで、粉末・粒子状の低分子化グルコマンナンを得る。 【0022】 図2〜図4は、グルコマンナンの低分子化を図るための付加要因を変化させた場合の効果を示したグラフである。 【0023】 図2に示す例では、酸性添加剤としてクエン酸を3%添加し、加熱温度を115℃に固定して、加熱・加圧処理時間を0〜15分間徐々に変化させた場合のグルコマンナンの粘度をB型粘度計で測定したものである。図から明らかなように、加熱・加圧処理時間が増大する毎に、グルコマンナンの粘度が徐々に低下しているのが分かる。これに対して、同条件でクエン酸を添加しなかった場合には、加熱・加圧処理時間の経過に対して殆ど粘度低下がみられなかった。 【0024】 図3に示す例では、酸性添加剤としてクエン酸を3%添加し、加熱・加圧処理時間を10分間に固定して、加熱温度を35℃から徐々に上昇させた場合(100℃未満では圧力は常圧)のグルコマンナンの粘度をB型粘度計で測定したものである。図から明らかなように、加熱温度が95℃を超えて、加熱及び加圧が共に付加された時点で粘度が下がり始める。これに対して、同条件でクエン酸を添加しなかった場合には、加熱温度の変化に対して加熱温度が100℃を超えても殆ど粘度低下がみられなかった。 【0025】 図4に示す例では、加熱温度を115℃、加熱・加圧処理時間を10分間に固定して、酸性添加剤としてクエン酸の添加量を徐々に変化させた場合のグルコマンナンの粘度をB型粘度計で測定したものである。図から明らかなように、クエン酸濃度が増大する毎に、グルコマンナンの粘度が徐々に低下しているのが分かる。これに対して、同条件で加熱を行わない(温度20℃)場合には、クエン酸濃度の上昇に対して殆ど粘度低下がみられなかった。 【0026】 以上説明したように、本発明の実施形態によると、アルコール水溶液中で非溶解のコンニャクグルコマンナンを酸性加水分解処理するので、その後の脱水処理を容易に行うことができ、短時間の処理で低分子化されたグルコマンナン粉を得ることができ、コンニャクグルコマンナンの高い粘稠性質を酸性添加物の添加量と加熱・加圧処理の温度,圧力,処理時間を適宜調整することで任意の粘性に調整することが可能になる。 【0027】 更には、最終的に得られる形態が粉末・粒子状であるので、流通の際には軽量であって取り扱い性も良く、多様な用途に適用することが可能になる。本発明の実施形態に係る低分子化グルコマンナンの用途例としては、飲料、健康食品(食物繊維強化食品・コンニャクグルコマンナン機能強化食品)、嚥下困難者用補助食品、増粘剤(ドレッシング・ジャム・その他の安定剤として)、食品添加物(菓子・パン・麺類・水産練製品・肉練製品・インスタントスープ等)、化粧品(保湿剤・界面活性剤・剥離剤)等を挙げることができる。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】本発明の実施形態に係る低分子化グルコマンナンの製造法を説明する説明図である。 【図2】グルコマンナンの低分子化を図るための付加要因を変化させた場合の効果を示したグラフである。 【図3】グルコマンナンの低分子化を図るための付加要因を変化させた場合の効果を示したグラフである。 【図4】グルコマンナンの低分子化を図るための付加要因を変化させた場合の効果を示したグラフである。 【符号の説明】 【0029】 S1〜S5 各工程
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| 【出願人】 |
【識別番号】593170355 【氏名又は名称】株式会社荻野商店
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| 【出願日】 |
平成18年8月9日(2006.8.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000383 【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
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| 【公開番号】 |
特開2008−35818(P2008−35818A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−216823(P2006−216823) |
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