| 【発明の名称】 |
食品保管庫 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐伯 龍雄
【氏名】陶山 富夫
【氏名】鳥畑 孝俊
【氏名】岡田 勝城
【氏名】谷川 晋也
【氏名】松原 覚
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| 【要約】 |
【課題】冷蔵ショーケースにおいて、冷凍された握り寿司を解凍して、解凍後の握り寿司についてネタを冷却しつつシャリを保温した状態で保存する。
【構成】冷蔵ショーケース10は、載置部となる底板24の上方に対向して収納室14に配設した冷却器36と、底板24の下面に配設した加温手段Hとを備えている。冷蔵運転において、冷却器36によりネタSaに対応する収納室14の上部領域を直接的に冷却することで、ネタSaを冷却する。一方、加温手段Hにより加温した底板24近傍の収納室14における下部領域を温めることで、上方からの冷却に抗してシャリSb全体を温かく保つことができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 箱体(12)に内部画成した収納室(14)に収納した食品(S)を保存する食品保管庫であって、 前記収納室(14)に設けられ、前記食品(S)を載置する載置部(24)と、 前記載置部(24)の上方に配設され、該載置部(24)における上方の領域を冷却する冷却器(36)と、 前記載置部(24)の下面に設けられ、該載置部(24)を加温する加温手段(H)とを備えている ことを特徴とする食品保管庫。 【請求項2】 前記冷却器(36)は、前記収納室(14)の内部に露出して配置され、該冷却器(36)の内部を循環する冷媒と熱交換した収納室雰囲気の自然対流により前記載置部(24)における上方の領域が冷却される請求項1記載の食品保管庫。 【請求項3】 前記箱体(12)は、前面が透明な窓部材(18)で構成されて前記収納室(14)の内部を視認可能とされ、前記載置部(24)における前記食品(S)の載置面が平坦に形成されている請求項1または2記載の食品保管庫。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、例えば食品を解凍または冷却しつつ保存する食品保管庫に関するものである。 【背景技術】 【0002】 冷凍された食品(冷凍食品)は、全体として一様に解凍するだけでなく、一部を低温に保ったまま他の部分を温める等、食品の種類に応じて最適な態様がある。例えば、冷凍された握り寿司の場合、ネタに合わせて解凍すると、シャリが中心まで充分に解凍されず、これに対しシャリに合わせて解凍すると、ネタが温まってしまって劣化を招く難点がある。すなわち、ネタおよびシャリの何れに解凍状態を合わせても、食感および旨味を損なってしまう。 【0003】 そこで、解凍装置として、収納空間に設置した熱良導性の棚の窪みに載置した冷凍握り寿司を、空気加熱用ヒータにより加熱した収納空間内の空気を送風装置で強制循環させると共に、棚加熱用ヒータにより棚を加熱することで、握り寿司の下部(シャリ)を優先的に加熱する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この解凍装置では、解凍中に空気加熱用ヒータによる加熱を止めて、冷却器により冷却した収納空間内の空気を送風装置で強制循環させることで、棚の窪みから露出した握り寿司の上部(ネタ)を冷却して、ネタは冷たく、シャリはネタより温かくした状態で握り寿司を解凍するようになっている。 【特許文献1】特開平7−203929号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 特許文献1の解凍装置は、収納室の下方に配設した冷却器において、送風機により強制的に熱交換させた冷気を収納空間内で強制循環させる構成であるから、冷気の通路となる各棚の上面では空気が常に流通して温度が均等になる。このため、各棚において、ネタに対応した領域とシャリに対応した領域とで温度差を形成することができず、シャリを加熱するためにはシャリを熱の伝達手段となる窪みに嵌め込む必要がある。すなわち、棚の構成が複雑になってしまう問題がある。同様に、冷蔵保存に際しても、全体として均一に冷却するだけでなく、一部を低温に維持しつつ他の部分を温かくすることが求められている。すなわち、握り寿司を保存する場合、単純に全体を均一に冷却すると、ネタの劣化を抑制することができるものの、シャリが硬くなって食感が著しく悪化する難点を招来する。一方、シャリの食感を維持するために、保存する温度を高く設定すると、ネタの劣化が早まってしまう問題がある。しかし、前述した解凍装置は、冷凍した食品を迅速に解凍することを主目的としているため、冷蔵保存の場面でも、ネタの領域とシャリの領域とで冷蔵保存に適した温度差を作り出すことが難しい。 【0005】 すなわち本発明は、従来の技術に係る食品保管庫に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、冷凍された食品を解凍すると共に、食品を上部と下部とで温度差を維持したまま冷蔵保存し得る食品保管庫を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の食品保管庫は、 箱体に内部画成した収納室に収納した食品を保存する食品保管庫であって、 前記収納室に設けられ、前記食品を載置する載置部と、 前記載置部の上方に配設され、該載置部における上方の領域を冷却する冷却器と、 前記載置部の下面に設けられ、該載置部を加温する加温手段とを備えていることを特徴とする。 請求項1に係る発明によれば、食品の載置部の上方に冷却器を配設する構成であるから、載置部における上方の領域を直接的に冷却することで、食品の上部を上方から冷却することができる。食品の下部およびこの下部に対応する載置部近傍の領域は、加温手段により加温された載置部との熱交換により温められるから、食品の下部を加温することができる。すなわち、冷蔵運転に際して、収納室における載置部の上方領域と近傍領域とで仕切り等を配設することなく収納室雰囲気に温度差を設けることができるから、食品の上部を冷却しつつ下部を加温すると云った相反することを載置部の上側の同一空間内で行ない得る。また、収納室雰囲気に温度差を設ける構成であるから、食品の下部に対して熱を伝達するために熱伝達媒体で食品の下部を囲う必要はなく、載置部の構成を簡略化し得る。 【0007】 請求項2に係る発明は、請求項1記載の食品保管庫において、前記冷却器は、前記収納室の内部に露出して配置され、該冷却器の内部を循環する冷媒と熱交換した収納室雰囲気の自然対流により前記載置部における上方の領域が冷却される。 請求項2に係る発明によれば、冷却器と収納室雰囲気との熱交換による自然対流により冷却すると共に、加温手段による加温された載置部との直接的な熱交換および載置部と収納室雰囲気との熱交換による自然対流により加温する方式であるから、載置部の上方に形成した比較的低温の領域と、載置部の近傍に形成した比較的高温の領域とが混じり合うことが抑制され、送風機を用いた強制循環方式と比べて上下の温度差を適切に保持することができる。 【0008】 請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の食品保管庫において、前記箱体は、前面が透明な窓部材で構成されて前記収納室の内部を視認可能とされ、前記載置部における前記食品の載置面が平坦に形成されている。 請求項3に係る発明によれば、収納室における載置部の上方領域と近傍領域とで収納室雰囲気に温度差を設けることができるから、食品の下部に対して熱を伝達するために熱伝達媒体で食品の下部を囲う必要はなく、載置部における食品の載置面を平坦に形成し得る。そして、箱体の前面を透明な窓部材として収納室の内部を視認可能とする構成において、載置部に載置した食品の展示性に優れている。 【発明の効果】 【0009】 本発明に係る食品保管庫によれば、冷蔵運転に際して、収納室における載置部の上方領域と近傍領域とで収納室雰囲気に温度差を設けることができるから、食品の上部を冷却しつつ下部を加温すると云った相反することを同一の空間内で行ない得る。すなわち、食品をその上下の部位毎に適した温度で保存することができるから、劣化を抑制し得ると共に、食感や旨味等を損なうことを回避し得る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 次に、本発明に係る食品保管庫につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。実施例では、食品や飲料品等の食品を解凍または冷蔵保存する食品保管庫として、例えば店頭等に設置され、客に収納した食品を展示しながら冷蔵保存する冷蔵ショーケースを例に挙げる。また、食品としては、透明なフィルムScに包装されている冷凍された握り寿司Sを、解凍または冷蔵保存する場合について説明する(図2参照)。 【実施例】 【0011】 図1に示すように、実施例に係る冷蔵ショーケース10は、握り寿司Sを解凍または冷蔵保存しつつ収納展示する収納室14と、この収納室14を冷却するための冷却装置34(図3参照)が設置される機械室32とが隣接して設けられている。図2に示すように、収納室14は、上部、側部および底部が、内箱12aと外箱12bとの間にウレタンフォーム等の断熱材12cを充填した断熱構造の断熱箱体(箱体)12の内部に画成されている。そして、収納室14の前側、すなわちカウンタ等に冷蔵ショーケース10を載置した際に客先に臨む断熱箱体12の前側には、透明な複層ガラスからなるガラスカバー(窓部材)18が嵌め込まれて、収納室14に収納されている握り寿司Sが前方から視認可能となっている。これに対し、断熱箱体12の後側(背面)には、物品出入口14aが開設されると共に、この物品出入口14aには、上下をレール20,20で保持された一対のスライド扉22,22が左右方向にスライド自在に配設され、スライド扉22のスライド移動により物品出入口14aを開閉し得るよう構成される。なお各スライド扉22は、透明なガラスや樹脂等の板材を本体部分とし、冷蔵ショーケース10の後側からも収納室14に収納した握り寿司Sを視認し得るようになっている。 【0012】 前記収納室14の底面を構成する内箱12aの底板24は、熱伝導性の高いステンレス等の金属板であって、平板の外周縁が上方に向けて立設されると共にスライド扉22側からガラスカバー18側に向けて下方傾斜するように配設されて、握り寿司Sを陳列する載置部として機能する。ここで、底板24における握り寿司Sの載置面(上面)は、平坦に形成されている。また、断熱箱体12には、底板24の傾斜下端(ガラスカバー18)側に開口して排水口26が設けられ、この排水口26に接続した排水管28を介して、収納室14内に溜った水等が冷蔵ショーケース10の外に排出される。 【0013】 図3および図4に示すように、冷却装置34は、断熱箱体12に隣接して一体的に配設されたキャビネット30に内部画成した機械室32に設置した圧縮機CM、凝縮器CD、ファンモータFMおよび膨張弁EV等の機器と、収納室14に配設した冷却器36とからなり、制御手段Cの制御下に冷蔵運転するよう構成される。冷却装置34では、各機器間を冷媒配管38で接続し、圧縮機CMで圧縮した気化冷媒は、下流に位置する凝縮器CDでファンモータFMにより冷却されて凝縮液化し、ドライヤDを経由して膨張弁EVで減圧した液化冷媒が、冷却器36で低温の気化冷媒となることで収納室14を冷却し、再び圧縮機CMに帰還する冷却サイクルが構成される。ここで、冷却装置34には、ドライヤDから膨張弁EVに向かう冷媒配管38と、冷却器から圧縮機CMに向かう冷媒配管38とをある区間だけ近接させた熱交換部38aが設けられる。熱交換部38aでは、膨張弁EVから冷却器36に向けて流れる液化冷媒を、冷却器36から帰還してくる比較的低温の気化冷媒で冷却することで、冷却装置34の冷却効率を向上させている。 【0014】 前記冷却器36は、銅等の熱伝導率に優れた材質のパイプを蛇行状に折曲して形成され、その内部を循環する気化冷媒と熱交換した収納室雰囲気の自然対流により収納室14を冷却する自然対流方式である(図2または図3参照)。また冷却器36は、載置部としての底板24の上方に対向して露出すると共に、その直線部が収納室14の上部において左右方向に沿って延在するように配設されている。すなわち冷却器36は、送風機等により収納室14に冷気を強制的に循環させる方式ではなく、また底板24に載置した握り寿司Sとの間を仕切り等に遮られることなく、握り寿司Sと同一の空間内に配置される。実施例の冷却器36は、機械室32側に冷媒の導入口が設けられ、機械室32から離間する側で折り返されて機械室32へ導出するように、収納室14の上部において一往復するよう構成される。なお、冷却器36は、上方に延在する収納室14の天井を構成する断熱箱体12およびガラスカバー18から離間して配置され、断熱箱体12、ガラスカバー18および冷却器36を容易に清掃し得るようになっている。 【0015】 前記底板24における断熱材12c側に臨む外底面(下面)には、加温手段HであるヒータH1,H2が配設されている(図3参照)。ヒータH1,H2は、例えば可撓性を有する線状のコードヒータが採用され、底板24に密着させて収納室14の左右方向に直線部を延在させた状態で蛇行配設され、制御手段Cの制御下に通電されて底板24を加温するよう構成される(図4参照)。実施例の加温手段Hは、第1ヒータH1と、この第1ヒータH1よりヒータ容量が小さい第2ヒータH2とからなり、両ヒータH1,H2が略平行に蛇行配設されて、解凍に際して両ヒータH1,H2で加温すると共に、冷蔵運転に際して何れか一方のヒータ(例えば第2ヒータ)のみで加温する構成である(図5のTM2の開閉)。すなわち収納室14は、各ヒータH1,H2により加温された底板24に載置した握り寿司Sを底板24との当接下にシャリSb側から加温すると共に、底板24と収納室雰囲気とが熱交換して、収納室14の下部(底板24の近傍領域)から加温するようになっている。 【0016】 前記底板24の下面には、制御手段Cに電気的に接続するサーミスタ等の温度検出手段THの感温部THaが配設されている(図4参照)。実施例の感温部THaは、底板24における略中央部に密着して設けられ、底板24の温度を検出するよう構成される。そして、冷蔵ショーケース10は、解凍運転または冷蔵運転の運転状況に合わせて、制御手段Cにより検出温度に応じて加温手段HのON・OFFを制御して(図5の接点TH1,TH2の開閉)、解凍運転時に予め設定した解凍時の温度(解凍温度)を維持すると共に、冷蔵運転時に収納室14における下部領域の温度が予め設定された温度(加温温度)となるように調節される。 【0017】 前記冷蔵ショーケース10は、解凍運転において加温手段Hの両ヒータH1,H2に通電して収納室14を加温し、冷蔵運転において第2ヒータH2により収納室14の下部領域を加温すると共に、冷却器36により収納室14の上部領域(底板24の上方の領域)を冷却するように制御される。また、冷蔵ショーケース10は、図4に示す如く、各種設定値を入力する設定手段40と、この設定手段40の設定値に応じて求めた所定の時間をカウントする計時手段TMと、解凍の完了等の各種情報を使用者に報知する報知手段PLを備え、これらの手段は制御手段Cに接続されている。設定手段40は、タッチパネル、ボタンやダイヤル等の操作部(図示せず)により、解凍に際して収納室14へ収納した握り寿司Sの量や解凍時の解凍温度や冷蔵保存時の加温温度等の各種設定値を制御手段Cに入力または変更するものである。ここで、冷却器36の冷却能力は、収納室14における上部領域の冷却温度が一定温度となるように工場生産時に設定される。なお、その他の握り寿司Sの収納量を除く設定値は、工場生産時に設定される固定した値であってもよい。実施例の計時手段は、設定手段40から入力された握り寿司Sの収納量に応じて求められる解凍時間をカウントするタイマTMであって、冷蔵ショーケース10は、解凍時間だけ解凍運転を継続するよう構成され、解凍時間を経過すると冷蔵運転に移行される(図5の接点TM3のON)。ここで、解凍時間は、収納室14に収納する冷凍握り寿司Sの量が多くなる程長くなり、加温手段Hの能力等を勘案して算出される。実施例の報知手段は、解凍運転が終了して冷蔵運転に移行したこと(図5:接点TM1のOFF)、すなわち握り寿司Sが販売可能となったことを報知するものであって、解凍運転において点灯して冷蔵運転において消灯するパイロットランプPLが採用されている。 【0018】 このように、冷蔵ショーケース10では、冷却装置34および加温手段Hを夫々単独または連係させて作動することで、冷凍握り寿司Sを好適な状態で解凍する解凍手段および解凍後の握り寿司Sを好適な状態で保存する冷蔵手段が構築される。また冷蔵ショーケース10は、制御手段Cにより冷却装置34を単独で作動させて収納室14を冷却する態様と、加温手段Hを単独で作動させて収納室14を加温する態様と、冷却装置34および加温手段Hの両方を連係して作動させて、収納室14の上部領域を冷却しつつ下部領域を加温する態様との複数のパターンで作動するよう構成される。 【0019】 〔実施例の作用〕 次に、実施例に係る冷蔵ショーケースの作用について説明する。冷蔵ショーケース10では、先ず設定手段40の設定により解凍運転または冷蔵運転の何れを行なうかを選択する。ここで、冷蔵運転では、収納室14を全体として冷却する態様または収納室14の上下で温度差を設けて冷却しつつ加温する態様が更に選択される。 【0020】 冷凍握り寿司Sを、ネタSa側を上にすると共にシャリSb側を下にした状態で、スライド扉22を開放した物品出入口14aから収納室14の底板24に並べて載置する(図2参照)。設定手段40により収納室14に収納した握り寿司Sの量(例えば個数)を制御手段Cに入力することで、握り寿司Sの収納量と加温手段Hの能力等との相関関係から算出された解凍時間がタイマTMに設定される(接点TM1,TM2:ON)。なお、収納室14は加温前なので、温度検出手段THは解凍温度を検出していない(接点TH1,TH2:ON)。解凍運転を開始すると、タイマTMが解凍時間のカウントを開始すると共に、加温手段Hの両ヒータH1,H2に通電して両ヒータH1,H2により底板24を加温することで、底板24に直接接触している握り寿司SがシャリSb側から加温されると共に、底板24と収納室雰囲気とが熱交換して収納室14が下部から加温される。ここで、収納室14における底板24の温度は、温度検出手段THにより監視されて、温度検出手段THによる検出温度が予め設定された解凍温度を超えると、制御手段Cにより両ヒータの一方または両方への通電を遮断して異常な過熱を防止している(接点TH1,TH2:OFF)。解凍運転において、冷却装置34は停止されており(接点TM3:OFF)、またパイロットランプPLは点灯されて(接点TM1:ON)、解凍中であることを報知している。そして、タイマTMが解凍時間を計時すると(接点TM1,TM2:OFF)、第1ヒータH1への通電が遮断されて第2ヒータH2のみで加温されると共に、パイロットランプPLが消灯されて解凍が完了したことを報知し、自動的に冷蔵運転に移行する(接点TM3がONして、起動リレーSRがON)。このように解凍完了が報知されるので、握り寿司Sを販売できるタイミングが判る。なお、冷蔵ショーケース10は、解凍運転中にガラスカバー18に覆いを被せ、販売可能となった冷蔵運転中において覆いを取り、販売を終了すると覆いを再度被せることで、客に対し販売中または販売を中止している旨を明確に意志表示してもよい。 【0021】 前記冷蔵ショーケース10は、両ヒータH1,H2により加温された底板24に直接接触している握り寿司SをシャリSb側から加温すると共に、底板24と熱交換した収納室雰囲気の自然対流により収納室14を加温する構成であるから、解凍開始初期の状態において、収納室14の下部に比較的高温の領域が形成されると共に、上部に低温の領域が形成される。すなわち、底板24に載置されている握り寿司Sは、底板24に直接接触しているシャリSb側から加温されると共に、収納室雰囲気が下側から加温されるので、シャリSb側が優先的に加温されて解凍が進行する。また、両ヒータH1,H2による加温によって、収納室14全体が略均一な高温状態になっても、握り寿司Sは、底板24に接触しているシャリSb側から直接的に加温されるから、収納室雰囲気との熱交換のみによる上部のネタSa近傍より下部のシャリSb側を優先的に加温し得る。このように、握り寿司Sを解凍する際に、ネタSaを加温し過ぎることなく、ネタSaに比して大きいシャリSbを充分に加温することができ、ネタSaの劣化およびシャリSbの解凍不足を回避して、ネタSaを比較的冷たく、かつシャリSbが温かい状態で温度差を設けて握り寿司Sを解凍し得る。従って、解凍完了直後から握り寿司Sを、ネタSaを比較的冷たく、かつシャリSbが温かい最適な状態で販売することができる。 【0022】 前記冷蔵ショーケース10が冷蔵運転に移行すると(接点TM3:ON)、冷却装置34の圧縮機CMが駆動されて冷却装置34において冷媒の循環が開始される。同時に、ファンモータFMが回転駆動され、凝縮器CDを空冷し始める。そして、圧縮機CMから吐出された冷媒は、凝縮器CDおよび膨張弁EVの作用下に冷却器36に供給され、この冷媒が気化することにより強制冷却された冷却器36と収納室雰囲気との熱交換によって、収納室14が上部から次第に冷却される。また、第2ヒータH2による底板24の加温が継続されているので、底板24に直接接触している握り寿司SがシャリSb側から加温されると共に、底板24と収納室雰囲気とが熱交換して収納室14が下部から加温される。これにより、底板24に載置されている握り寿司Sは、冷却器36により上方から冷却されつつ、底板24に直接接触しているシャリSb側から加温されると共に、収納室雰囲気も下側から加温されるので、上方からの冷却に抗してシャリSb全体を温かく保つことができる。このように、握り寿司Sを冷蔵保存する際に、ネタSaを冷却しつつシャリSbを保温することができ、ネタSaの傷みを抑制しつつシャリSbの硬化を抑制して、握り寿司Sの食感および旨味を損なわず長時間の保存が可能となる。 【0023】 前記冷蔵ショーケース10では、収納室14における底板24の温度が温度検出手段THにより監視されて、温度検出手段THによる検出温度が予め設定された加温温度を超えると、制御手段Cにより第2ヒータH2への通電を遮断して異常な過熱を防止する(接点TH2:OFF)。実施例では、底板24の温度を25℃程度とすると共に、冷却器36の冷却能力との関係で収納室14の中心温度を8℃程度に保持するよう設定することで、ネタSaの温度が10℃程度で、かつシャリSbの温度が15℃程度の夫々最適な温度とした状態で冷蔵保存される。なお、冷蔵運転を開始してから握り寿司Sの消費期限(例えばタイマに設定)が経過したときには、パイロットランプPLを点灯して握り寿司Sの販売を中止すると共に、冷却装置34および加温手段Hを停止するように制御することが好ましい。 【0024】 前記冷蔵ショーケース10は、握り寿司Sを載置する底板24の上方に対向して冷却器36を配設する構成であるから、収納室14の上部を直接的に冷却することができ、上方から握り寿司Sの上部を対応的に冷却することができる。すなわち、収納室14において、冷蔵運転に際しては、冷気を積極的に循環させることなく、握り寿司SにおけるネタSa近傍の上部領域を直接的に冷却することができ、一方、収納室14のシャリSb近傍の下部領域は、第2ヒータH2により加温された底板24との熱交換により温められるから、上部と下部とで温度差を設けることができる。このように、冷蔵運転に際して、連続する空間である収納室14の上部領域と下部領域とで仕切り等を配設することなく収納室雰囲気に温度差を設けることができるから、シャリSbに対して熱を伝達するため底板等の伝達媒体でシャリSbの側面を囲う必要はなく、底板24を平坦に形成することができる。従って、載置部である底板24の構成を簡単にすることができ、冷蔵ショーケース10に求められる握り寿司Sの展示性を損なうことはない。 【0025】 しかも、冷却器36と熱交換した収納室雰囲気の自然対流により冷却すると共に、第2ヒータH2により加温された底板24に接触する握り寿司Sの直接的な加温および底板24と熱交換した収納室雰囲気の自然対流により加温する方式であるから、収納室14の上部に形成した比較的低温の領域と、下部に形成した比較的高温の領域とが混じり合うことが抑制され、上下の温度差を顕著な状態で保持することができる。また、冷気または熱気を強制的に循環させる構成ではないので、フィルムScで包装されていない握り寿司Sを底板24に載置したとしても、乾燥による劣化を抑制し得る。 【0026】 前記冷蔵ショーケース10によれば、冷凍握り寿司Sの解凍と、握り寿司Sの冷蔵保存とを単一の装置で行なうことができるから、解凍のための装置と冷蔵保存するための装置を用意する必要がなく、省資源および省スペース化を図ることができる。また、解凍された握り寿司Sを展示販売するために移し替える必要もなく、入れ替えや運搬等の作業を省略することができる。実施例の加温手段Hは、解凍運転において両ヒータH1,H2で加温することで、解凍を迅速に行なうことができる。また、冷蔵運転において小容量の第2ヒータH2のみで加温することで、シャリSbを保温するために適当な熱量を付与し得るから、省エネルギー化を図ることができる。 【0027】 以上に説明した実施例に限定されず、実施例の構成に替えてまたは付加して、種々の変更を施すことができる。また、変更例の構成に、更に別の変更例の構成を適用することもできる。 (1)実施例の加温手段としてヒータを採用したが、図6に示す冷蔵ショーケース10の如く、ホットガス管42を底板24の下面に蛇行配設して、このホットガス管42に冷却装置34の圧縮機CMから出た高温の冷媒(ホットガス)を循環させることで、底板24を加温する構成であってもよい。ホットガス管42における冷却装置34からのホットガスの導入側には、電磁弁SVが介挿されて、温度検出手段THの温度検出に応じて管路を開閉してホットガスを供給または供給停止するよう構成される。また、ホットガス管42における冷却装置34へのホットガスの導出側には、逆止弁GVが介挿されて、ホットガス管42を循環した冷媒が冷却装置34の冷媒配管38へ戻ることを許容すると共に、冷却装置34の冷媒配管38を流通する冷媒の流入を防止している。 【0028】 (2)実施例では、載置部である収納室14の底板24に、握り寿司Sを直接載置する構成であるが、図7に示すように、底板24に置いたプレート25に握り寿司Sを載置してもよい。また、プレート25の下面に加温手段H1,H2および温度検出手段THの感温部THaを設ける構成も採用し得る。この場合は、プレート25が載置部として機能する。 【0029】 (3)握り寿司SをフィルムScで包装することで解凍・冷蔵保存に際して乾燥を抑制し得るメリットがあるが、解凍の過程でフィルムScの表面に結露が生じる場合があり、この結露が解凍完了時点で残っていると外観を損ねる問題がある。そこで、図8に示す冷蔵ショーケースの配線図の如く、解凍運転の途中で、解凍完了時点で結露が消失するタイミングで冷却装置34の運転を開始して、冷却器36により冷却するよう構成してもよい。この冷蔵ショーケースは、解凍運転において冷却装置34を運転させるタイミングが設定されたコントローラCOを備え、設定のタイミングでコントローラCOがオンすることで、接点COがオンして冷却装置34が起動される。これにより、解凍運転の途中から上方から握り寿司Sが冷却され、解凍運転が完了した時点でフィルムScの結露が消失するから、販売開始時から握り寿司Sの見栄えがよい。なお、コントローラCOに設定するタイミングについては、試験等によって寿司の収納量や加温手段および冷却器の能力等との関係で決定する。 【0030】 (4)実施例では、加温手段としてコードヒータを採用したが、制御手段の制御下に載置部を加温し得るものであれば、面状ヒータやその他の加温手段を用いることができる。また、一本のヒータHを蛇行配置する構成であっても(図9参照)、底板24の平面領域ごとに独立して制御可能な複数のヒータH,Hを配設してもよい(図10参照)。底板24の平面領域ごとに独立したヒータH,Hを配設することで、握り寿司Sを配設した平面領域ごとに解凍および保温することができ、省エネルギー化を図ることができる。なお、ホットガス管42を配設する場合も同様の構成とし得る。 【0031】 (5)報知手段として、パイロットランプPLを挙げたが、ブザーや音声等を出力し得る警報機器も採用し得る。 (6)実施例では、フィルムで包装した握り寿司を収納室に収納したが、未包装の握り寿司を収納してもよい。 (7)実施例では食品保管庫として冷蔵ショーケースを例に挙げたが、冷蔵庫等の貯蔵庫であってもよく、また収納室に載置部を上下の関係で多段に設置する構成も採用し得る。 (8)実施例では、冷凍握り寿司を解凍した後、冷蔵保存する場合について説明したが、単に握り寿司を冷蔵保存することもできる。また、握り寿司に限られず、部分的に異なる温度で保存または解凍を行なう食品について、本発明に係る食品保管庫を用いることができる。 (9)底板の下面に設けた実施例の温度検出手段とは別に、収納室にサーミスタ等の第2の温度検出手段の感温部を設け、第2の温度検出手段で検出した収納室の温度に基づき、冷却装置を運転制御することで、冷蔵運転時の冷却温度を所要の温度に保つと共に、所要の温度を下回った際に冷却装置を停止して異常な過冷却を防止する構成も採用し得る。また、冷媒温度や冷却器の温度に基づいて、冷却装置を運転制御してもよい。この場合、第2の温度検出手段の感温部は、冷媒温度および冷却器の温度を検出し得る位置に配設される。 【図面の簡単な説明】 【0032】 【図1】本発明の好適な実施例に係る冷蔵ショーケースを示す概略斜視図である。 【図2】実施例の冷蔵ショーケースを示す側断面図である。 【図3】実施例の冷蔵ショーケースの冷却装置および加温手段の配置を示す概略図である。 【図4】実施例の冷蔵ショーケースの制御ブロック図である。 【図5】実施例の冷蔵ショーケースにおける要部の配線図である。 【図6】変更例1の冷蔵ショーケースの冷却装置および加温手段の配置を示す概略図である。 【図7】変更例2の冷蔵ショーケースを示す側断面図である。 【図8】変更例3の冷蔵ショーケースにおける要部の配線図である。 【図9】別例1の加温手段の配置を示す概略図である。 【図10】別例2の加温手段の配置を示す概略図である。 【符号の説明】 【0033】 12 断熱箱体(箱体), 14 収納室,18 ガラスカバー(窓部材), 24 底板(載置部),36 冷却器,H1 第1ヒータ(加温手段), H2 第2ヒータ(加温手段),S 握り寿司(食品)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000194893 【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社 【識別番号】593147715 【氏名又は名称】株式会社ローソン
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| 【出願日】 |
平成18年8月9日(2006.8.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076048 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 喜幾
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| 【公開番号】 |
特開2008−35814(P2008−35814A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−216522(P2006−216522) |
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