| 【発明の名称】 |
タマゴサラダの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大橋 重夫
【氏名】田村 あき子
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| 【要約】 |
【課題】保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダの製造方法を提供する。
【構成】茹で卵の加熱截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理するタマゴサラダの製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茹で卵の加熱截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理することを特徴とするタマゴサラダの製造方法。 【請求項2】 混合処理に用いる茹で卵の加熱截断物の品温が50℃以上である請求項1記載のタマゴサラダの製造方法。 【請求項3】 混合処理を開始してから60分以内に品温を30℃以下とする請求項1又は2記載のタマゴサラダの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダの製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 茹で卵の截断物をマヨネーズ等で和えたいわゆるタマゴサラダ等は、茹で卵に由来する卵風味とマヨネーズ等の酸味が調和した大変人気のある料理である。家庭でタマゴサラダを作る場合は、まず、殻付き生卵を茹で、次に、殻を剥き易くするために水に浸漬する等して充分に冷却した後、殻を剥いて茹で卵を作り、続いて、この茹で卵を包丁等で截断してマヨネーズ等と和えている。このようにして作られたタマゴサラダは、調理されてすぐに食され、卵風味のある美味しいものである。 【0003】 一方、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の惣菜等として販売するため、タマゴサラダを、惣菜工場等で食品工業的に大量生産することが行われている。このように大量生産する場合には、まず、殻付き生卵をボイル槽等で茹で、次に、殻を剥き易くするために冷却水槽等に浸漬して充分に冷却した後、脱殻装置等を用いて殻剥きして茹で卵を作り、続いて、これを截断機等で截断し、混合処理機等でマヨネーズ等と和えている。しかしながら、このようにコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の惣菜等として販売するタマゴサラダは、製造直後に食されることは殆どなく、店舗等で販売後食されるまでに少なくとも半日以上経過する。そのため、食する時には、卵風味が弱くなってしまうという問題があった。 【0004】 本発明者によると、上記問題は、特に、脱殻装置により殻剥きした茹で卵を用いたタマゴサラダにおいて顕著であった。その理由としては、脱殻装置を用いて殻剥きした茹で卵は、製品に卵殻が混入することを防止するため、殻剥き後に茹で卵表面に付着した卵殻をシャワー等で散水する、あるいは、水槽に浸漬する等して水洗いされるが、この際、水洗いにより茹で卵の成分が流出してしまうことが原因ではないかと推察された。 【0005】 卵風味に優れたタマゴサラダに関しては、特開2001−333742号公報(特許文献1)に、タマゴサラダの原料として卵黄油を用い、タマゴサラダのpHを特定範囲とする技術が提案されている。しかしながら、この技術は、卵黄油等を添加するものであり、原料コストの点でやや問題があった。 【0006】 【特許文献1】特開2001−333742号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明の目的は、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダの製造方法を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 茹で卵は、殻付き生卵を茹でた直後の熱い状態であると殻剥きする際に白身が崩れ易く殻が剥き難いため、一般的に冷却した後に殻剥きされている。したがって、従来、タマゴサラダを製する場合にも、このような常温以下の品温の茹で卵を截断してマヨネーズ等と和えている。本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、このような常温以下の品温の茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理するのではなく、加熱された状態の茹で卵の截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理するならば、意外にも、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダが得られることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。 【0009】 すなわち、本発明は、 (1) 茹で卵の加熱截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理するタマゴサラダの製造方法、 (2) 混合処理に用いる茹で卵の加熱截断物の品温が50℃以上である(1)記載のタマゴサラダの製造方法、 (3) 混合処理を開始してから60分以内に品温を30℃以下とする(1)又は(2)記載のタマゴサラダの製造方法、 である。 【発明の効果】 【0010】 本発明によれば、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダを製造することができ、これをコンビニエンスストアやスーパーマーケット等において惣菜等として提供することでタマゴサラダの需要を拡大できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下、本発明のタマゴサラダの製造方法を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。 【0012】 本発明のタマゴサラダとは、茹で卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料で和えた食品である。このような本発明のタマゴサラダとしては、使用用途に特に制限はなく、例えば、食パン等に塗り広げて使用するスプレッド、サンドイッチ等のフィリング、コロッケ等の具、各種料理のトッピング等として各種用途に用いられているものが含まれる。また、茹で卵の截断物に加えて、野菜等の截断物等を配合したものであってもよい。 【0013】 本発明のタマゴサラダに用いる茹で卵としては、特に制限はなく、常法により製したものであればよいが、例えば、以下のように製することができる。まず、鶏卵、鶉卵、アヒル卵等の殻付き生卵をボイル槽やスチーマー等により90〜100℃で5〜30分程度の加熱条件で茹でて凝固させた後、殻を剥き易くするために冷却水槽等に浸漬する等して冷却処理する。冷却処理は、充分に行わないと殻剥きする際に白身が崩れ易く殻が剥き難いことから、具体的には、品温が30℃以下となるように行うことが好ましく、品温が20℃以下となるように行うことがより好ましい。冷却した殻付き茹で卵は、工業的規模での大量生産のし易さを考慮し、脱殻装置を用いて殻剥きし、更に、殻剥き後、卵殻の混入を防ぐために、茹で卵表面に付着した卵殻をシャワー等で散水する、あるいは、水槽に浸漬する等して水洗いすることにより茹で卵を製することができる。また、茹で卵としては、上述のようにして大量生産され調味液に浸漬された状態で袋詰めされて流通されている製品が市販されており、本発明においては、このような市販の茹で卵を用いてもよい。 【0014】 なお、脱殻装置を用いて殻剥きした茹で卵は、製品に卵殻が混入することを防止するため、上述のように殻剥き後に茹で卵表面に付着した卵殻をシャワー等で散水する、あるいは、水槽に浸漬する等して水洗いされるが、このような茹で卵を用いて製したタマゴサラダは、水洗いにより茹で卵の成分が流出してしまうためか、製したタマゴサラダの保存後の卵風味が弱くなる傾向がある。しかしながら、本発明によれば、このような水洗いされた茹で卵を用いても保存後において優れた卵風味を有するタマゴサラダを製造することができることから、本発明は、このような水洗いされた茹で卵を用いたタマゴサラダにおいて好適に実施できる。 【0015】 前記茹で卵は、截断処理して截断物として用いる。截断処理方法としては、例えば、前記加熱凝固卵をダイサー等の截断処理機を用い、立方体や直方体の形状に適宜截断条件を調節して截断処理する方法等が挙げられる。截断物の大きさは、タマゴサラダの用途等により適宜調節すればよいが、加熱凝固卵の食感や卵風味が適度に感じられ、また、酸性調味料と和えた時のタマゴサラダとしての一体感が得られ易い点から、好ましくは0.1〜5cm3、より好ましくは0.5〜3cm3である。 【0016】 本発明のタマゴサラダにおいては、上述の茹で卵の截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理するが、本発明は、混合処理に用いる茹で卵の截断物に特徴を有する。つまり、本発明は、茹で卵の加熱截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理することに特徴を有する。ここで、茹で卵の加熱截断物とは、加熱された状態の茹で卵の截断物であり、具体的には、好ましくは品温50℃以上、より好ましくは品温55℃以上の茹で卵の截断物である。 【0017】 前記茹で卵の加熱截断物を調製する方法としては、例えば、茹で卵を好ましくは品温50℃以上となるように加熱処理し、当該茹で卵の品温が低下して好ましくは前記温度よりも低くなる前に截断処理することにより調製する方法が挙げられる。茹で卵の加熱処理は、茹で卵をそのまま、あるいは、耐熱性パウチ等に入れて、ボイル槽、スチーマー、マイクロ波加熱装置等の加熱処理装置で行う等すればよい。 【0018】 また、茹で卵の加熱截断物を調製する別の方法として、茹で卵の截断物を好ましくは品温50℃以上となるように加熱処理することにより調製する方法が挙げられる。このような加熱処理は、茹で卵の截断物をバット等の容器に入れてスチーマーやマイクロ波加熱装置等の加熱処理装置で、あるいは、茹で卵の截断物をプラスチック製の耐熱性パウチやケーシング等に充填後、ボイル槽、スチーマー、マイクロ波加熱装置等の加熱処理装置で行う等すればよい。本発明においては、これらの茹で卵の加熱截断物を調製する方法の中でも、より簡便に調製できて効率的な製造が可能である点から、茹で卵を耐熱性パウチ等に入れることなくそのまま、ボイル槽、スチーマー、マイクロ波加熱装置等の加熱処理装置で好ましくは品温50℃以上となるように加熱処理し、当該茹で卵の品温が低下して好ましくは前記温度よりも低くなる前に截断処理することにより調製する方法を採用することが好ましい。 【0019】 一方、混合処理に用いる酸性水中油型乳化状調味料としては、一般的に酸性水中油型乳化状調味料と称されるpHが3〜5の半固体状又は液状の乳化状調味料であれば特に制限はなく、このような酸性水中油型乳化状調味料としては、具体的には、マヨネーズやサラダクリーム等の半固体状ドレッシング、サウザンドレッシングやフレンチドレッシング等の乳化液状ドレッシング等が挙げられる。 【0020】 また、上述の茹で卵の加熱截断物と酸性水中油型乳化状調味料の配合量は、タマゴサラダの用途等により適宜調節すればよいが、卵の風味と酸味のバランスを考慮すると、加熱凝固卵の截断物100部に対して、酸性水中油型乳化状調味料が好ましくは10〜500部、より好ましくは20〜300部である。 【0021】 混合処理は、加熱凝固卵の截断物が酸性水中油型乳化状調味料中に略均一に分散する程度に行えばよい。このような混合処理は、具体的には、例えば、ホバートミキサー、カントーミキサー、フードミキサー、ハンドミキサー、ニーダー、攪拌装置付き二重釜、煮練機、炒め機等の混合処理機等を用いることにより行うことができる。 【0022】 一般的に、茹で卵を製する場合は、殻付き生卵を茹でた直後の熱い状態であると殻剥きする際に白身が崩れ易く殻が剥き難いため、冷却した後に殻剥きされている。したがって、従来、タマゴサラダを製する場合にも、このような常温以下の品温の茹で卵を截断してマヨネーズ等と和えている。これに対して、本発明は、上述した茹で卵の加熱截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理することにより、はじめて保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダが得られるものである。なお、混合処理に従来のように、常温以下の品温の茹で卵截断物を用いた場合は、混合処理後のタマゴサラダを加熱処理したとしても保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダは得られない。 【0023】 本発明において、このように保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダが得られる理由は定かではないが、後述の試験例に示すように、混合処理に茹で卵の加熱截断物を用いた場合には、従来の常温以下の品温の茹で卵截断物を用いた場合や、混合処理後のタマゴサラダを加熱処理した場合に比べて、卵風味を形成する成分のひとつである硫化水素量が顕著に多いタマゴサラダが得られる。したがって、本発明により得られたタマゴサラダは、混合処理に用いる茹で卵の加熱截断物に由来する硫化水素により保存後においても大変優れた卵風味を有する、換言すると、茹で卵の加熱截断物がタマゴサラダ中に硫化水素を持ち込んで、当該硫化水素が酸性水中油型乳化状調味料と混合処理することでタマゴサラダ中に閉じ込められた状態となっており、保存後においても優れた卵風味を有するのではないかと推察される。 【0024】 以上のように、茹で卵の加熱截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理することにより、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダを製することができるが、このように、混合処理に茹で卵の加熱截断物を用いると熱により酸変性し易いためか、茹で卵截断物の白身部分が硬い食感となる場合がある。したがって、本発明においては、茹で卵の加熱截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理した後、品温を短時間に特定温度以下とすることが好ましい。つまり、混合処理を開始してから好ましくは60分以内、より好ましくは30分以内に混合物の品温を好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下とすることが好ましい。このように茹で卵の加熱截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理した後、混合処理を開始してから品温を短時間に特定温度以下とすることにより、保存後においても優れた卵風味を有し、更に、茹で卵截断物の白身部分がソフトな食感のタマゴサラダが得られる。 【0025】 混合処理を開始してから一定時間以内に品温を特定温度以下とする方法としては、例えば、品温の低い酸性水中油型乳化状調味料、具体的には、好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下の酸性水中油型乳化状調味料を混合処理に用いる方法、つまり、好ましくは品温50℃以上の茹で卵の加熱截断物と、品温の低い酸性水中油型乳化状調味料、具体的には、好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下の酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理する方法が挙げられる。このように品温の低い酸性水中油型乳化状調味料を混合処理に用いる方法は、混合処理開始直後に混合物の品温を低下させることができ、その結果、よりソフトな食感の加熱凝固卵の卵白部を得られることから、本発明において最適である。 【0026】 また、本発明において混合処理を開始してから一定時間以内に品温を特定温度以下とする方法としては、上述した方法以外の方法を必要に応じて上述の方法と組み合わせる等して採用してもよく、このような方法としては、例えば、混合処理後に冷却処理を行う方法等が挙げられる。このような混合処理後の冷却処理は、例えば、混合処理後の混合物、つまり、タマゴサラダをバット等の容器に広げて冷却機や冷蔵庫等の冷却処理装置で、あるいは、プラスチック製のパウチ等に充填密封した後、冷却水槽、冷却機、冷蔵庫等の冷却処理装置で行う等すればよい。このように冷却処理装置により冷却処理する際の冷却媒体の温度としては、短時間で効率良く冷却する点から、好ましくは10℃以下である。 【0027】 以上のように製したタマゴサラダは、プラスチック製のパウチや成型容器等に充填密封して容器詰めすると、保存後の卵風味をより優れたものとすることができ、また、細菌的にも安全に保存することができて好ましい。 【0028】 なお、本発明のタマゴサラダの製造方法において、前述した茹で卵の截断物と酸性水中油型乳化状調味料の他に、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて、野菜等の截断物、食塩、動植物等のエキス類等の各種調味料、からし粉、胡椒等の香辛料、オリゴ糖、水あめ等の糖類、酢酸ナトリウム等のpH調製材、卵白リゾチーム、プロタミン等の保存料等を適宜配合することができる。 【0029】 以下、本発明の実施例、比較例及び試験例を述べ、本発明を更に説明する。 【実施例】 【0030】 [実施例1] まず、殻付生卵(鶏卵、Mサイズ)400個を、95℃のボイル槽で15分間加熱後10℃の冷却水槽に浸漬して20分間冷却処理して品温を10℃とした後、脱殻装置で殻を剥き、更に、表面に付着した卵殻を流水で水洗いし、茹で卵400個を製した。次に、茹で卵を80℃のボイル槽に5分間浸漬して加熱処理した。ボイル槽から取り出した茹で卵の品温は80℃であった。得られた品温80℃の茹で卵をダイサーで一辺がlcmのダイス状に截断し、茹で卵の加熱截断物20kgを得た。得られた茹で卵の截断物の体積は1cm3であり、品温は70℃であった。 【0031】 続いて、カントーミキサー(関東混合機工業(株)製、60L容量)にマヨネーズ(植物油脂70%、液卵黄15%、食酢12%、調味、香辛料3%から常法により調製したもの、pH4.0、品温15℃)5kgを投入し、次いで、茹で卵の品温70℃の截断物20kgを投入した後、5分間混合処理して茹で卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料中に略均一に分散してタマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は48℃であった。続いて得られたタマゴサラダを5kgずつパウチ(層構成及び厚さは、外側から内側にかけてナイロン:25μm、ポリエチレン:65μm)に充填密封した後、5℃の冷却水槽に浸漬して20分間冷却処理してタマゴサラダの品温を5℃とした。なお、混合処理を開始してから冷却処理を終了するまでの時間は30分であった。 【0032】 [実施例2] 実施例1において、茹で卵の加熱処理を70℃のボイル槽に5分間浸漬して行った他は、実施例1と同じ配合と製法でタマゴサラダを製した。すなわち、まず、茹で卵400個を製し、次に、茹で卵を70℃のボイル槽に5分間浸漬して加熱処理した。ボイル槽から取り出した茹で卵の品温は70℃であった。得られた品温70℃の茹で卵をダイサーで截断し、茹で卵の加熱截断物20kgを得た。得られた茹で卵の截断物の体積は1cm3であり、品温は57℃であった。 【0033】 続いて、カントーミキサーに品温15℃のマヨネーズ5kgを投入し、茹で卵の品温57℃の截断物を投入した後、5分間混合処理して茹で卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料中に略均一に分散してタマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は30℃であった。続いて得られたタマゴサラダをパウチに充填密封した後、5℃の冷却水槽に浸漬して20分間冷却処理してタマゴサラダの品温を5℃とした。なお、混合処理を開始してから冷却処理を終了するまでの時間は30分であった。 【0034】 [実施例3] 実施例1において、タマゴサラダの冷却処理を行わなかった他は、実施例1と同じ配合と製法でタマゴサラダを製した。すなわち、実施例1と同様にして、タマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は48℃であった。続いて得られたタマゴサラダを5kgずつパウチに充填密封した後、そのまま20℃の室温に60分間放置した。なお、混合処理を開始してから、60分後のタマゴサラダの品温は35℃であった。この室温放置後の容器詰めタマゴサラダを5℃の冷却水槽に浸漬して10分間冷却処理してタマゴサラダの品温を5℃とした。 【0035】 [比較例1] 実施例1において、茹で卵の加熱処理を行わなかった他は、実施例1と同じ配合と製法でタマゴサラダを製した。すなわち、まず、茹で卵400個を製し、次に、得られた茹で卵をダイサーで截断し、茹で卵の截断物を得た。得られた茹で卵の截断物の体積は1cm3であり、品温は17℃であった。続いて、カントーミキサーに品温15℃のマヨネーズ5kgを投入し、茹で卵の品温17℃の截断物を投入した後、5分間混合処理して茹で卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料中に略均一に分散してタマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は17℃であった。続いて得られたタマゴサラダをパウチに充填密封した後、5℃の冷却水槽に浸漬して20分間冷却処理してタマゴサラダの品温を5℃とした。なお、混合処理を開始してから冷却処理を終了するまでの時間は30分であった。 【0036】 [比較例2] 比較例1と同じ製法と配合でタマゴサラダを得、このタマゴサラダを5kgずつパウチに充填密封した。次いで、この容器詰めタマゴサラダを80℃のボイル槽で60分間加熱処理した。加熱処理後のタマゴサラダの品温は80℃であった。続いて、この加熱処理後のパウチ詰めタマゴサラダを5℃の冷却水槽に浸漬して30分間冷却処理してタマゴサラダの品温を5℃とした。 【0037】 [試験例1] 実施例1〜3及び比較例1、2で製したパウチ詰めタマゴサラダを10℃の冷蔵庫に24時間保存した後、開封して食し、下記の評価記号により、これらのタマゴサラダの卵風味と茹で卵截断物の白身部分の食感を評価した。また、これらのタマゴサラダの硫化水素量(相対値)を下記の方法により測定した。結果を表1に示す。 【0038】 「評価記号」 <タマゴサラダの卵風味の評価> A:大変優れた卵風味を有する。 B:優れた卵風味を有する。 C:卵風味がやや弱い。 D:卵風味が弱い。 <茹で卵截断物の白身部分の食感の評価> A:ソフトな食感を有する。 B:ソフトな食感にやや欠けるが問題ない程度である。 C:やや硬い食感を有する。 D:硬い食感を有する。 【0039】 「硫化水素量(相対値)の測定方法」 まず、20%濃度の酢酸鉛水溶液を濾紙(直径55mm)に染み込ませて乾燥させ、硫化水素反応紙を得た。次に、ツイストキャップ(金属製)で密封可能なガラス瓶(100mL容量)を用意し、このツイストキャップの内側に前記硫化水素反応紙を貼り付けて、硫化水素測定用の容器とした。この硫化水素測定用の容器を7つ用意し、実施例1、2及び比較例1〜5で製した冷却処理後の品温10℃の容器詰めタマゴサラダをそれぞれ20gずつ充填して密封した。これらの硫化水素測定用の容器を35℃の恒温機に10分間保管した後、ツイストキャップを開け、それぞれ硫化水素反応紙の白度(Z値)を日本電色工業(株)製側色差計を用いて測定した。なお、測定は、30mm径投光パイプを用いて3回ずつ測定して得られた値の平均値をそれぞれ求めた。この値(白度)は、硫化水素量が多い程低下することから、どの程度白度が低下したかを下記の式により計算して、得られた値を本発明の硫化水素量(相対値)とした。 【0040】 【数1】
【0041】 【表1】
【0042】 表1より、茹で卵の加熱截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理する発明品1乃至3のタマゴサラダは、混合処理に用いる加熱凝固卵の截断物が加熱された状態でない比較品1及び2のタマゴサラダに比べて、卵風味を形成する成分のひとつである硫化水素量が顕著に多く、保存後においても優れた卵風味を有することが理解できる。なお、比較品2のタマゴサラダは、混合処理に用いる加熱凝固卵の截断物が加熱された状態でなく、混合処理後のタマゴサラダを加熱処理したものであるが、優れた卵風味を有していなかった。 【0043】 また、茹で卵の加熱截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理した後、混合処理を開始してから60分以内に品温を30℃以下とする発明品1、2のタマゴサラダは、混合処理後、短時間に品温を特定温度以下としていない実施例3のタマゴサラダに比べて、茹で卵の白身の截断物がソフトな食感を有してより好ましいものであった。 【0044】 [実施例4] まず、実施例1と同様に茹で卵400個を製した。次に、得られた茹で卵をダイサーで一辺がlcmのダイス状に截断し、茹で卵の截断物20kgを得た。得られた茹で卵の截断物の体積は1cm3であり、品温は17℃であった。続いて、この茹で卵の截断物を、バットに厚さが2cmになるように広げ、75℃のスチーマーで5分間加熱処理した。スチーマーから取り出した茹で卵の截断物は品温75℃であった。 【0045】 続いて、カントーミキサー(実施例1で用いたものと同じ)にマヨネーズ(実施例1で用いたものと同じ、品温5℃)20kgを投入し、次いで、茹で卵の品温75℃の截断物20kgを投入した後、5分間混合処理して茹で卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料中に略均一に分散してタマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は28℃であった。続いて得られたタマゴサラダを5kgずつ蓋付きの成形容器(蓋、容器とも材質はポリエチレンテレフタラート)に充填密封した後、5℃の冷却水槽に浸漬して20分間冷却処理してタマゴサラダの品温を5℃とした。なお、混合処理を開始してから冷却処理を終了するまでの時間は30分であった。 【0046】 上記方法で製した容器詰めタマゴサラダを5℃の冷蔵庫に5日間保存した後、食したところ、上記方法で混合処理に常温以下の品温の茹で卵截断物を用いたタマゴサラダに比べて、大変優れた卵風味を有し、また、茹で卵截断物の白身部分がソフトな食感であり、好ましいものであった。 【0047】 [実施例5] まず、殻付生卵(鶏卵、Mサイズ)150個を、95℃のボイル槽で15分間加熱後10℃の冷却水槽に浸漬して20分間冷却処理して品温を10℃とした。この殻付き茹で卵を冷却水槽から取り出した後、手で殻を剥き、茹で卵150個を製した。次に、茹で卵を20個ずつパウチ(層構成及び厚さは、外側から内側にかけてナイロン:25μm、ポリエチレン:65μm)に真空包装した後、80℃のボイル槽に5分間浸漬して加熱処理した。ボイル槽から取り出した茹で卵の品温は80℃であった。得られた品温80℃の茹で卵をパウチから取り出し、ダイサーで一辺がlcmのダイス状に截断し、茹で卵の加熱截断物7.5kgを得た。得られた茹で卵の截断物の体積は1cm3であり、品温は70℃であった。 【0048】 続いて、カントーミキサー(実施例1で用いたものと同じ)にマヨネーズ(実施例1で用いたものと同じ、品温15℃)5kgを投入し、次いで、茹で卵の品温70℃の截断物7.5kgを投入した後、5分間混合処理して茹で卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料中に略均一に分散してタマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は35℃であった。続いて得られたタマゴサラダを5kgずつパウチ(実施例1で用いたものと同じ)に充填密封した後、5℃の冷却水槽に浸漬して20分間冷却処理してタマゴサラダの品温を5℃とした。なお、混合処理を開始してから冷却処理を終了するまでの時間は30分であった。 【0049】 上記方法で製した容器詰めタマゴサラダを5℃の冷蔵庫に3日間保存した後、食したところ、上記方法で混合処理に常温以下の品温の茹で卵截断物を用いたタマゴサラダに比べて、大変優れた卵風味を有し、また、茹で卵截断物の白身部分がソフトな食感であり、好ましいものであった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001421 【氏名又は名称】キユーピー株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月8日(2006.8.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−35808(P2008−35808A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−216086(P2006−216086) |
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