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【発明の名称】 乾燥海苔製造装置
【発明者】 【氏名】岡本 光司

【氏名】渡辺 三郎

【要約】 【課題】調合槽内の海苔濃度、海苔簀の係止手段に左右されることなく、重さの均一なシート状の乾燥海苔が製造できる乾燥海苔製造装置を得る。

【構成】水平方向に移動する移送体(2)に多数の抄き枠(5)を並列配置してそれぞれ上下動可能に係止し、該抄き枠(5)に海苔抄製用の海苔簀(6)を係止し、水と海苔とを調合する調合槽(7)の海苔濃度を調節する濃度調節装置(9)、前記調合槽(7)内の液状海苔を前記海苔簀(6)に供給する供給装置(10)、海苔簀(6)に抄製した海苔を脱水する脱水装置(12)を設け、海苔を海苔簀(6)に抄製する前の抄き枠(5)の重量と、海苔を前記海苔簀(6)に抄製しかつ脱水した後の抄き枠(5)の重量とを計測する計測装置(15)を設け、該計測装置(15)の計測値から前記海苔簀(6)に抄製した海苔量を算出して前記濃度調節装置(9)を制御する制御装置(25)を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に移動する移送体(2)に多数の枠状の抄き枠(5)を、移送体(2)の移動方向に並列配置してそれぞれ上下動可能に係止し、該抄き枠(5)に海苔抄製用の海苔簀(6)を係止し、水と海苔とを調合する調合槽(7)の海苔濃度を調節する濃度調節装置(9)、前記調合槽(7)内の液状海苔を前記海苔簀(6)に供給する供給装置(10)、海苔簀(6)に抄製した海苔を脱水する脱水装置(12)を設け、海苔を海苔簀(6)に抄製する前の抄き枠(5)の重量と、海苔を前記海苔簀(6)に抄製しかつ脱水した後の抄き枠(5)の重量とを計測する計測装置(15)を設け、該計測装置(15)の計測値から前記海苔簀(6)に抄製した海苔量を算出して前記濃度調節装置(9)を制御する制御装置(25)を設けたことを特徴とする乾燥海苔製造装置。
【請求項2】
移送体(2)の移送路途中のフレームに計測装置(15)を設け、該計測装置(15)の測定子(18)を移送体(2)の抄き枠(5)受け面から上方に突出させるとともに、該測定子(18)の上面を前記抄き枠(5)が乗り上げて通過可能な山形としたことを特徴とする請求項1記載の乾燥海苔製造装置。
【請求項3】
間欠的に移動する移送体(2)の停止時期を検知する検知センサ(S1)を設け、該検知センサ(S1)の信号を制御装置(25)に出力し、該制御装置(25)は前記検知センサ(S1)の信号を入力した際に計測装置(15)の計測値を入力して該計測値から海苔簀(6)に抄製した海苔量を算出して濃度調節装置(9)を制御してなることを特徴とする請求項1又は2記載の乾燥海苔製造装置。
【請求項4】
抄き枠(5)は移送体(2)の移動方向と直交する方向に細長くし、該抄き枠(5)の長手方向に複数の海苔簀(6)を係止したことを特徴とする請求項1,2又は3記載の乾燥海苔製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、重さの均一なシート状の乾燥海苔を製造する乾燥海苔製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、シート状の乾燥海苔を製造する乾燥海苔製造装置は、調合槽で水と海苔とを調合して液状海苔を生成し、この液状海苔を抄き枠に係止した海苔簀上に落下させて該海苔簀で海苔を抄製し、これを脱水、乾燥させることによってシート状の乾燥海苔を得るようになっている。ところで、海苔簀に抄製する海苔量を一定とするため、従来は調合槽内の海苔濃度を濃度センサで検出し、この濃度センサの検出値に基いて調合槽の給水ポンプまたは脱水ポンプを作動させて調合槽内の海苔濃度を調整するようにしたもの(特許文献1)があった。
【0003】
しかしながら、前記特許文献1に記載されたものは、海苔の採取場所や採取時期などの違いによる海苔の色、あるいは海苔簀を通過した抄製水を回収して再三使用するために起こる海苔の汚れによる濃度の変化により、濃度センサの検出値が不正確となるものであった。
【0004】
また、抄き枠に係止した海苔簀に海苔を抄製し、これを脱水した後に、前記海苔簀を持ち上げてロードセルにて計量し、この計量値に基いて調合槽の給水ポンプまたは脱水ポンプを作動させて調合槽内の海苔濃度を調整するようにしたもの(特許文献2)があった。
【0005】
しかしながら、前記特許文献2に記載されたものは、海苔簀が抄き枠に係止されているため海苔簀を持ち上げた際に前記抄き枠の抵抗を受け、正確な計測ができないものであった。
【特許文献1】特開昭61−227766号公報
【特許文献2】実開平5−25330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、調合槽内の海苔濃度、海苔簀の係止手段に左右されることなく、重さの均一なシート状の乾燥海苔が製造できる新規な乾燥海苔製造装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、以下の如く構成したものである。即ち、請求項1に係る発明は、水平方向に移動する移送体に多数の枠状の抄き枠を、移送体の移動方向に並列配置してそれぞれ上下動可能に係止し、該抄き枠に海苔抄製用の海苔簀を係止し、水と海苔とを調合する調合槽の海苔濃度を調節する濃度調節装置、前記調合槽内の液状海苔を前記海苔簀に供給する供給装置、海苔簀に抄製した海苔を脱水する脱水装置を設け、海苔を海苔簀に抄製する前の抄き枠の重量と、海苔を前記海苔簀に抄製しかつ脱水した後の抄き枠の重量とを計測する計測装置を設け、該計測装置の計測値から前記海苔簀に抄製した海苔量を算出して前記濃度調節装置を制御する制御装置を設ける構成にしたものである。
請求項2に係る発明は、前記移送体の移送路途中のフレームに計測装置を設け、該計測装置の測定子を移送体の抄き枠受け面から上方に突出させるとともに、該測定子の上面を前記抄き枠が乗り上げて通過可能な山形としたものである。
請求項3に係る発明は、間欠的に移動する移送体の停止時期を検知する検知センサを設け、該検知センサの信号を制御装置に出力し、該制御装置は前記検知センサの信号を入力した際に計測装置の計測値を入力して該計測値から海苔簀に抄製した海苔量を算出して濃度調節装置を制御するようにしたものである。
請求項4に係る発明は、前記抄き枠を移送体の移動方向と直交する方向に細長くし、該抄き枠の長手方向に複数の海苔簀を係止したものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明は、計測装置で海苔簀を係止した抄き枠の重量を計測するようにしたので、海苔を海苔簀に抄製する前の抄き枠の重量と、海苔を前記海苔簀に抄製しかつ脱水した後の抄き枠の重量とを正確に計測することができる。そして、制御装置により、前記計測装置の計測値から海苔簀に抄製した海苔量を算出して濃度調節装置を制御するようにしたので、調合槽内の液状海苔の濃度を設定された濃度に正確に制御することができ、これにより、海苔簀に供給される海苔量が一定となり、重さの均一なシート状の乾燥海苔を製造することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、計測装置の測定子を移送体の抄き枠受け面から上方に突出させ、抄き枠を、前記測定子を乗り上げて通過させるようにしたので、移送体の移動方向に並列に係止した各抄き枠の重量を個別にかつ容易に計測することができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、抄き枠の移動が停止した際に計測装置で該抄き枠の重量を計測するので、計測装置による抄き枠の重量が正確に計測され、この計測値に基づく制御装置による濃度調節装置の制御が正確に行なわれることになる。
【0011】
請求項4に係る発明は、一つの抄き枠に複数の海苔簀を係止したので、計測装置の数が低減することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図において、図1は本発明の実施例を示すブロック図、図2は送体部の平面図、図3は図2のIII-III線相当の部分側面図、図4は計測装置部の拡大側面図、図5は計測装置ユニットの斜視図、図6は計測装置ユニットの正面図、図7は抄き枠の斜視図である。
【0013】
図1において、1は連続運転形式の乾燥海苔製造装置であり、移送体2、該移送体2に係止される抄き枠5、該抄き枠5に係止される海苔簀6、海苔を水に溶かす調合槽7、該調合槽7の海苔濃度を調節する濃度調節装置9、前記調合槽7の液状海苔を海苔簀6に供給する供給装置10、前記海苔簀6に抄製した海苔を脱水する脱水装置12、前記海苔簀6に抄製した海苔量を計量する計測装置15、及び制御装置25を主要部として構成されている。
【0014】
移送体2は、図1、図2に示すように、スプロケット(図示省略)に懸回されて前後(図1において左右)方向に延出する一対の無端状のチェーンからなり、幅(図2において上下)方向に間隔をおいて対向配置し、モーター(図示省略)により、図1において上部側が左方に向かって間欠的に移動する如く回動される。前記チェーンには、図3に示すように、抄き枠5が係止される3個1組の係止ピン3が周方向に等ピッチで起立固定されている。
【0015】
抄き枠5は、図7に示すように、細長い2本の横桟5a,5a間に短い6本の縦桟5bを等間隔に配置するとともに、隣接する縦桟5bの両端を横桟5a,5aの上面と下面とに交互に当接させて溶接固定し、縦桟5b間に位置する各横桟5a,5aにフック形の係止具5cを2個つづ互いに対向させて溶接固定してなり、図2に示すように、1個の抄き枠5に5個の海苔簀6が着脱可能に係止されるようになっている。なお、1個の抄き枠5に係止する海苔簀6の数は、乾燥海苔製造装置1の能力等によって適宜設定する。また、前記抄き枠5は、図2に示すように、横桟5a,5aを移送体2の移動方向と直交する方向に向けて並列に配列し、その両端部を移送体2に載置するとともに該両端部を移送体2の係止ピン3部に位置させ、該係止ピン3により前記海苔簀6を移送体2に上下動可能にかつ移送体2に対して移送方向に相対移動不能に係止する。
【0016】
海苔簀6は、多数の細い桟材を敷き並べて糸材により互いに連結した正方形状の簀の子からなり、図2、図3、図7に示すように、前記抄き枠5の各縦桟5b間に介在させてその前後両端を係止具5cに着脱可能に引っ掛けるようになっている。
【0017】
調合槽7は、調合機8によって生成された海苔と水との混合物、即ち、液状海苔を収容するもので、該調合槽7内の液状海苔は濃度調節装置9によって濃度が調節されるようになっている。濃度調節装置9は前記調合槽7内に水を供給する給水ポンプP1、該調合槽7内の水を抜き出す脱水ポンプP2を有し、各給水ポンプP1、及び脱水ポンプP2は制御装置25からの指令で駆動制御されるようになっている。
【0018】
前記調合槽7で調合された液状海苔は供給装置10によって前記海苔簀6に供給される。該供給装置10は、前記移送体2の始端(図1において右端)部上方に抄製装置11を配置し、供給ポンプP3により調合槽7内の液状海苔を前記抄製装置11に供給し、該抄製装置11から始端側の海苔簀6aに落下させるようになっている。海苔簀6aは前記液状海苔を捕捉して上面に膜状に堆積、即ち、抄製する。
【0019】
前記海苔を抄製した海苔簀6aは、抄き枠5を介して移送体2により図1において左方の脱水装置12に向けて送られ、ここで海苔簀6(6a)上の海苔22を脱水する。脱水装置12は海苔簀6の上方と下方とにスポンジ12a,12bを配置し、該スポンジ12a,12bをシリンダ(図示省略)により接近方向に移動させて前記海苔簀6上の海苔22を上下から挟圧して脱水するようになっている。脱水された海苔簀6上の海苔22は後段の乾燥炉(図示省略)に移送されて乾燥され、シート状の乾燥海苔に生成される。
【0020】
ここで、前述した調合槽7内の液状海苔の濃度は、以下の如くして自動的に行なわれる。即ち、移送体2の移送始端部と移送終端部とにロードセル式の計測装置15、即ち、前部計測装置15−1と後部計測装置15−2とを配置し、また、前記移送終端部に移送体2の停止時期を検知する光電式の検知センサS1を配置し、該検知センサS1が移送体2の停止時期を検知すると、前記前部計測装置15−1が海苔を海苔簀6に抄製する前の抄き枠5−1の重量を計測し、また後部計測装置15−2が海苔を前記海苔簀6に抄製しかつ脱水した後の抄き枠5−2の重量を計測するようになっている。
【0021】
前記検知センサS1の検知信号、及び各計測装置15の計測値は制御装置25に入力される。該制御装置25は、前記検知センサS1の検知信号を入力すると、各計測装置15の計測値を入力し、該計測値から海苔簀6に抄製した海苔量を算出し、該海苔量が規定値であるか否かを判定して前記濃度調節装置9の給水ポンプP1、または脱水ポンプP2を制御する。即ち、前記海苔量が規定値よりも多い場合は、給水ポンプP1を起動させて調合槽7内に水を供給し、該調合槽7内の海苔濃度を低くする。逆に前記海苔量が規定値よりも少ない場合は、脱水ポンプP2を起動させて調合槽7内の水を排出し、該調合槽7内の海苔濃度を高くするようになっている。
【0022】
前記各計測装置15は共に同構造となっており、そのうちの一方を図4〜図5により説明する。図4〜図5において、16は移送体(チェーン)2の上動側が摺動するフレームに固定される固定プレートであり、該固定プレート16の下面にロードセル17をボルト締め固定し、前記固定プレート16の上面に測定子18を、ブラケット19を介して上下動可能に載置する。
【0023】
前記測定子18は板材を移送体2の移動方向(前後方向)に向けて前記ブラケット19に取り付け、上部を山形、即ち、前後面18aが斜面に、頂部18bが水平面となる山形に形成する。前記測定子18の上部は、移送体2の抄き枠5の受け面よりも上方に突出させ、これにより、抄き枠5が移送体2によって後方に送られて来た際に、該抄き枠5の横桟5aの一端が前記測定子18を乗り越えて通過できるようにする。なお、前記各計測装置15は左右に一対対向させて設け、抄き枠5が移送体2によって後方に送られて来た際に、該抄き枠5の横桟5aの両端が前記測定子18を乗り越えて通過できるようにしてもよい。
【0024】
前記ブラケット19は、その中心部に下方に突出する押し込みシャフト20を固定し、該押し込みシャフト20の下端部を前記ロードセル17の負荷受け体17aに形成した係合孔17bに上方から係合させる。
【0025】
前述した検知センサS1が検知する移送体2の停止時期に、抄き枠5の横桟5aの一端が前記測定子18の頂部18bに到来するようにし、前記制御装置25は、前記検知センサS1の検知信号を入力した際に、各計測装置15の計測値を入力して海苔簀6に抄製した海苔量を算出するようになっている。
【0026】
前記実施例によれば、海苔簀6を係止した抄き枠5の重量を計測装置25で計測するようにしたので、海苔を海苔簀6に抄製する前の抄き枠5の重量と、海苔を前記海苔簀6に抄製しかつ脱水した後の抄き枠5の重量とを正確に計測することができる。そして、制御装置25により、前記計測装置25の計測値から海苔簀6に抄製した海苔量を算出して濃度調節装置9を制御するようにしたので、調合槽7内の液状海苔の濃度を、設定された濃度に正確に制御することができる。このため、海苔簀6に抄製する海苔量が均一となり、重さの均一なシート状の乾燥海苔を製造することができる。
【0027】
また、計測装置25の測定子18を移送体2の抄き枠5受け面から上方に突出させ、移送体2によって送られて来る抄き枠5を、前記測定子18を乗り上げて通過させるようにしたので、移送体2の移動方向に並列に係止した各抄き枠5の重量を個別にかつ容易に計測することができる。
【0028】
また、抄き枠5の移動が停止した時点に計測装置25が抄き枠5の重量を計測するので、計測装置25による抄き枠5の重量が正確に計測されることになる。このため、制御装置25が海苔簀6に抄製された海苔量を正確に把握し、濃度調節装置9を介して調合槽7内の海苔濃度を正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】送体部の平面図である。
【図3】図2のIII-III線相当の部分側面図である。
【図4】計測装置部の拡大側面図である。
【図5】計測装置ユニットの斜視図である。
【図6】計測装置ユニットの正面図である。
【図7】抄き枠の斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 乾燥海苔製造装置
2 移送体
3 係止ピン
5 抄き枠
5a 横桟
5b 縦桟
6(6a) 海苔簀
7 調合槽
8 調合機
9 濃度調節装置
10 供給装置
11 抄製装置
12 脱水装置
12a,12b スポンジ
15 計測装置
15−1 前部計測装置
15−2 後部計測装置
16 固定プレート
17 ロードセル
17a 負荷受け体
17b 係合孔
18 測定子
18a 前後面
18b 頂部
20 押し込みシャフト
22 海苔簀6に抄製した海苔
25 制御装置
P1 給水ポンプ
P2 脱水ポンプ
P3 供給ポンプ
S1 検知センサ
【出願人】 【識別番号】391010002
【氏名又は名称】株式会社親和製作所
【出願日】 平成18年8月8日(2006.8.8)
【代理人】 【識別番号】100097700
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恒則


【公開番号】 特開2008−35795(P2008−35795A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−215249(P2006−215249)