| 【発明の名称】 |
精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料 |
| 【発明者】 |
【氏名】橋岡 靖隆
【氏名】針替 千恵子
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| 【要約】 |
【課題】豆乳発酵物を利用した、保型性が良好な、精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料(ドレッシング)を得る。
【構成】豆乳発酵物及び水性調味液を主成分とし、これらに澱粉及び寒天を加えて粘性を付与する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 豆乳発酵物及び水性調味液を主成分とし、これらに澱粉及び寒天を加えて粘性を付与することを特徴とする、精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料。 【請求項2】 澱粉を2〜5(w/w)%、寒天を0.2〜1.0(w/w)%それぞれ含有する請求項1に記載のマヨネーズ風調味料。 【請求項3】 豆乳発酵物が、6.0Pa・s以上の豆乳発酵物である請求項1に記載のマヨネーズ風調味料。 【請求項4】 マヨネーズ風調味料全体に対して、豆乳発酵物20〜35(w/w)%、食酢5〜10(w/w)%、水飴15〜30(w/w)%、食塩2〜5(w/w)%、澱粉2〜5(w/w)%及び寒天0.2〜1.0(w/w)%を含有する請求項1に記載のマヨネーズ風調味料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、豆乳発酵物を利用した、保型性が良好な、精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、中高年齢層の増加に伴い、健康に対する意識が非常に高まりをみせている。特に精製油脂はカロリーが高いため肥満の原因になり、また、卵黄はコレステロールを多量に含んでいるため動脈硬化を引き起こす一因になる等のために、食生活においてこれらの摂取を低減することが望ましいとされている。 卵黄、精製油脂等からなるマヨネーズ成分の一部又は全部を他の食品に置き換えて低カロリーマヨネーズ風調味料を得ることが望まれている。 従来、豆乳発酵物を利用したマヨネーズ風調味料としては、ひまわり油等の精製油脂及び卵黄を含有するエマルジョン相を、豆乳発酵物、食酢、澱粉を含有する水相に添加し、均質化したマヨネーズ風調味料(ドレッシング)が知られている(例えば、特許文献1参照)。 しかし、このマヨネーズ風調味料(ドレッシング)は、精製油脂及び卵黄を高濃度で含有するため、カロリーが高くコレステロールの摂取量が多くなり、肥満や動脈硬化が気になる人にとって有益なマヨネーズ風調味料を提供することができない問題を有する。 また、豆乳発酵物に、穀物酢、食塩、からし、キサンタンガム、精製サラダ油を混和し、均質化してマヨネーズ風調味料(ドレッシング)を調製する方法が知られているが(例えば、特許文献2参照)、この方法も60%以上の精製サラダ油の添加を余儀なくされ、カロリーが高くコレステロールの摂取量が多くなるため、肥満が気になる人にとって有益なマヨネーズ風調味料を提供することができない問題を有する。 一方、卵黄、食酢、精製油脂等からなるマヨネーズ成分のうち精製油脂の一部又は全部を澱粉で置き換えて低カロリーマヨネーズ風調味料を得ることが知られている(例えば、特許文献3参照)。しかし、ここで得られる製品は、保型性が充分でなく、マヨネーズと同様な食感を得ることはできない欠点を有する。 また、鶏卵、その他の卵類を使用せずに、寒天等の増粘効果を有するマヨネーズ風調味料が知られているが(例えば、特許文献4、5参照)、精製油脂の添加を余儀なくされ、カロリーが高くなるため、肥満が気になる人にとって有益なマヨネーズ風調味料を提供することができない問題を有する。 なお、保型性とは、例えば、試料をガラス板の上に載せた筒内に満杯に入れ、該筒を上に引き上げたときに、下部が放射状に広がりにくいことを意味する。 【特許文献1】特開平3−201944号公報 【特許文献2】特開2001−29038号公報 【特許文献3】特開平7−46968号公報 【特許文献4】特開2003−274899号公報 【特許文献5】特開2002−335906号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明は、豆乳発酵物を利用した、保型性が良好な、精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明者らは、前記課題解決のために鋭意研究を重ねた結果、豆乳発酵物及び水性調味液を主成分とし、これらに澱粉及び寒天を加えて粘性を付与するときは、上記課題を解決するマヨネーズ風調味料が得られることを知り、この知見に基づいて本発明を完成した。 【0005】 すなわち本発明は以下に関する。 (1)豆乳発酵物及び水性調味液を主成分とし、これらに澱粉及び寒天を加えて粘性を付与することを特徴とする、精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料。 (2)澱粉を2〜5(w/w)%、寒天を0.2〜1.0(w/w)%それぞれ含有する上記(1)に記載のマヨネーズ風調味料。 (3)豆乳発酵物が、6.0Pa・s以上の豆乳発酵物である上記(1)に記載のマヨネーズ風調味料。 (4)マヨネーズ風調味料全体に対して、豆乳発酵物20〜35(w/w)%、食酢5〜10(w/w)%、水飴15〜30(w/w)%、食塩2〜5(w/w)%、澱粉2〜5(w/w)%及び寒天0.2〜1.0(w/w)%を含有する上記(1)に記載のマヨネーズ風調味料。 【発明の効果】 【0006】 本発明によれば、豆乳発酵物を利用した、保型性が良好な、精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料を得ることができる。また、精製油脂及び卵黄の摂取量を低減することができるため、動脈硬化等の疾病予防を期待できる。本発明は、前記疾病の予防が期待でき、健康によく、マヨネーズと同様な食感を有するマヨネーズ風調味料を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。 【0008】 (豆乳) 本発明のマヨネーズ風調味料に使用する豆乳発酵物を得るために使用する豆乳としては任意の豆乳を使用できるが、3(w/w)%以上、特に4〜16(w/w)%の大豆固形分、及びシュークロース、マルトース、スタキオース又はラフィノースから選択される1種以上の糖を3(w/w)%以上、特に5〜15(w/w)%含有する豆乳が好ましい。 【0009】 (乳酸菌) 豆乳発酵物を得るために使用する乳酸菌としては、発酵によって、多糖等の粘性に寄与し得る物質を多く生産できる菌種が好ましい。そのような乳酸菌としては、例えば、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc paramesenteroides、Leuconostoc pseudomesenteroides、Leuconostoc citreum、Leuconostoc dextranicumなどが挙げられる。より具体的には、例えばLeuconostoc pseudomesenteroides (ATCC12291)、Leuconostoc citreum (NRIC1579)、Leuconostoc paramesenteroides (NISL7218)が挙げられる。 なお、上記菌種名に関し、「NRIC」とは東京農業大学応用生物科学部菌株保存室が保存する菌株を意味し、「NISL」とは、財団法人野田産業科学研究所が保存する菌株を意味する。 これらの乳酸菌は、豆乳の発酵工程において多糖を生産し、粘度6.0Pa・s以上の滑らかなクリーム状の物性を有する豆乳発酵物を安定的に製造することができるので好ましい。 【0010】 (乳酸発酵) 本発明のマヨネーズ風調味料に使用する豆乳発酵物は、例えば、上記豆乳に上記乳酸菌を添加して乳酸発酵することにより得ることができる。 豆乳の発酵には公知の方法を用いればよく、例えば、豆乳に糖類を添加し、そこに前述の乳酸菌を加えて発酵させ、豆乳の粘性を高めるために好適な培養時間と培養条件下、例えば、30〜35℃で4時間以上の発酵を行わせ、適宜発酵物の粘度を測定しながら発酵させる方法が挙げられる。 【0011】 (豆乳発酵物の粘度) 豆乳発酵物の粘度は任意であるが、6.0Pa・s以上の豆乳発酵物を使用するときは、マヨネーズ風調味料は、pH4.7以下の低pH条件下となる場合でも、凝集、分離しにくくなり、均質安定性の優れたものとなる特徴を有する。 なお、粘度の測定は公知の方法、例えば、B型粘度計を用いて測定することができる。 【0012】 (豆乳発酵物) 豆乳発酵物は、マヨネーズ風調味料全量に対して5〜75(w/w)%の範囲で使用可能であるが、20〜35(w/w)%使用することが好ましい。 使用量が20%未満の場合は、マヨネーズ風調味料の均質化が容易でなくなり、また、pH4.7以下での均質安定性が良好でなくなる危険性がある。 また、反対に豆乳発酵物の使用量が35%を越える場合、水性調味液に対する豆乳の風味が濃厚となり、マヨネーズ風味として少しかけ離れたものとなる。 これに対し、豆乳発酵物の配合量が20〜35(w/w)%であるときには、マヨネーズ風調味料として凝集、分離が起こりにくく、また、良好なマヨネーズ風調味料が得られるので好ましい。 【0013】 本発明で使用する水性調味液とは、任意の水性の調味液を意味し、例えば、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸;米酢、穀物酢、果実酢、ワイン酢などの醸造酢;砂糖、水飴、蜂蜜などの甘味料;食塩;グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウムなどの化学調味料;動物又は植物蛋白質の加水分解物などのアミノ酸調味料;発酵調味料、酵母エキス、魚介類エキス、野菜抽出物、海草エキスなどのエキス類;コショウ、マスタード(からし粉)、ハーブ粉末、しょうが、にんにく、唐辛子、ナツメグ、セージ、タイム、シナモン、これらの抽出物などの香辛料;等の一種又は二種以上を含有する水溶液が挙げられる。 また、必要により、以下に示すその他の原材料、例えば、トマト、にんじん、タマネギ、にんにく、ゴマなどの野菜の加工処理物(ピューレ、ペースト、練状物、細断粒状物、磨砕物、粉末など);リンゴ、ゆず、オレンジ、モモ、イチゴ、パイナップル、ミカン、ブドウなどの果実、果汁の加工処理物(同上)などを適宜添加混和してもよい。 【0014】 (澱粉) 本発明で用いる澱粉としては、天然澱粉及び加工澱粉が挙げられるが、天然澱粉としては、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、タピオカ澱粉、及び葛澱粉などの地下澱粉、並びにとうもろこし澱粉、小麦澱粉、及び米澱粉などの地上澱粉が挙げられる。加工澱粉としては、酸処理澱粉、酸化澱粉などの可溶性澱粉、デキストリンなどの分解澱粉、並びに置換澱粉、架橋澱粉、及び置換架橋澱粉などの澱粉誘導体が挙げられる。いずれの澱粉も使用することができるが、マヨネーズ風調味料の分離を良好に防止できるため、好ましくは架橋澱粉等の加工澱粉が好ましい。また、使用量は、マヨネーズ風調味料全量に対して、2〜5(w/w)%が好ましい。使用量が2(w/w)%未満であるときは、保型性が得られない。また、反対に使用量が5(w/w)%より多い場合、味や食感等の嗜好性に劣るものとなる。 【0015】 (寒天) 本発明で用いる寒天としては、粉末寒天、角寒天、細寒天等が挙げられるが、工業上の取り扱いが容易な粉末寒天が好ましい。また、その使用量は、マヨネーズ風調味料全量に対して、0.2〜1.0(w/w)%が好ましい。使用量が0.2(w/w)%未満であるときは、保型性が得られない。また、反対に使用量が1.0(w/w)%より多い場合、硬くなりすぎ、食感等の嗜好性に劣るものとなる。 【0016】 本発明において、加工澱粉と寒天を併用して添加することは極めて重要であって、いずれか一方では本発明の目的、すなわち保型性の良好なマヨネーズ風調味料を得ることはできない。すなわち、寒天だけでは、ゲル化したマヨネーズ風調味料となる欠点を有する。また、加工澱粉だけでは保型性が悪く、マヨネーズと同様な食感を得ることはできない欠点を有する。これに対し、加工澱粉及び寒天を併用するときは、マヨネーズと同様な粘度、粘性及び食感を有する製品を得ることができる。 【0017】 本発明のマヨネーズ風調味料全量に対する各素材の好適な配合比(%)を以下に示す。 豆乳発酵物 :20〜35(w/w)% 水飴 :15〜35(w/w)% 食酢(酢酸酸度5%) :5〜10(w/w)% 食塩 :2〜5(w/w)% 香辛料 :0.1〜5(w/w)% 加工澱粉 :2〜5(w/w)% 寒天 :0.2〜1.0(w/w)% 精製油脂 :含まず 卵黄 :含まず pH :3.0〜4.7 【0018】 (本発明のマヨネーズ風調味料の調製) 本発明のマヨネーズ風調味料は、水飴、食酢、食塩及び香辛料を含有する水性調味液、豆乳発酵物、さらに加工澱粉、寒天、及び必要に応じその他の原材料を、攪拌しつつ均一に混和し、品温90〜97℃に加熱溶解し、最後に有機酸又は食酢を用いてpHを3.0〜4.7に調製することにより得られる。本発明のマヨネーズ風調味料は、マヨネーズ様の濃厚な味とクリーミーな(滑らかな)食感を有し、長期保存しても均質安定性が高い特徴を有する。また、食品添加剤を一切使用することなく調製することができるので、長期間の摂取において健康上の問題を起こす危険性がない特徴を有する。 【0019】 以下、実験例及び実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。 【0020】 実験例1 (豆乳発酵物の調製) 1)豆乳の調製 大豆固形分14%の無調製豆乳に対して、滅菌済み20%シュークロース溶液を等量加えることで、終濃度において約10%シュークロースを含有する大豆固形分7%の豆乳(以下、「発酵前の豆乳」と称する)を調製した。調製した上記豆乳を滅菌済みのカップ等の容器に充填した。 2)乳酸菌の調製 乳酸菌Leuconostoc paramesenteroides (NISL7218)を乳酸菌用調製培地(1.0%大豆ペプトン、0.5%酵母エキス、1.0%グルコース、0.5%酢酸ナトリウム)にて30℃、20時間培養した。培養液10mLを遠心分離(3,000g×5min)して菌体を回収した。 3)発酵 上記で回収した菌体を、調製した豆乳に全量添加し、30℃、24時間恒温状態にて発酵を行い、本発明のマヨネーズ風調味料の製造に用いる豆乳発酵物を得た。 4)乳酸発酵物の粘度 上記により得られた豆乳発酵物の粘度を、B型粘度計を用いて測定した(測定条件:No.3ローター、25℃、12−60回転)ところ、6.15Pa・sという高い粘度であることが確認された。 【実施例1】 【0021】 (マヨネーズ風調味料の調製) 実験例1で得られた粘度6.15Pa・sの豆乳発酵物を7区分用意し、それぞれに、水飴、食塩、食酢、発酵調味料、香辛料、着色料を添加し、さらに加工澱粉及び/又は寒天を添加し、又は添加することなく、表1に示す配合量のマヨネーズ風調味料を調製した。 【0022】 (保型性の測定法) 内径5.5cm、深さ4cmの筒を30度に傾斜させたガラス板に載せ、この筒の中に各試料を満杯に入れた後、筒を直上に素早く持ち上げ、10分後に下端部の広がり(上端部と下端部の長さの差)を保型性の指標として測定した。 値が小さいほど、保型性が良好であることを意味する。 【0023】 (食感の評価基準) ○:対照のマヨネーズ(市販品)と比べて、同様な粘度、粘性を有する。 △:対照のマヨネーズ(市販品)と比べて、ややもの足りない粘性、粘度を有する。 ×:対照のマヨネーズ(市販品)と比べて、マヨネーズと比べると異なる粘度及び粘性を有する。 【0024】 【表1】
【0025】 表1の比較例2の結果から、寒天のみを添加した場合には、ゲル化したマヨネーズ風調味料となる欠点を有する。また、比較例3の結果から、加工澱粉だけでは、保型性が悪く、マヨネーズと同様な食感を得ることはできない欠点を有する。また、表1の比較例1の結果から、加工澱粉及び寒天のいずれも添加しないときは、マヨネーズ風調味料としては粘性、粘度及び食感が充分でないなどの欠点を有することが判る。これに対し、表1の本発明1−4の結果から、加工澱粉及び寒天を併用するときは、マヨネーズと同様な粘度、粘性及び食感を有する製品を得ることができることが判る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004477 【氏名又は名称】キッコーマン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月4日(2006.8.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100125542 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 英之
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| 【公開番号】 |
特開2008−35768(P2008−35768A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−213318(P2006−213318) |
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