| 【発明の名称】 |
容器詰め食品の殺菌方法および充填システム |
| 【発明者】 |
【氏名】黒崎 敏靖
【氏名】浅田 吉則
【氏名】澤田 誠
【氏名】品川 喜昭
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| 【要約】 |
【課題】食品に対する殺菌効果が高く且つ全体の工程および装置構成を簡素化する容器詰め食品の殺菌方法および充填システムを提供する。
【構成】カップの開口部を覆う寸法、例えばカップのフランジ外周部に相当する寸法で切断したプレシール蓋材PSをカップフランジ部CFに融着させずにカップのヘッドスペースと殺菌室内気との通気状態を保ちながら、カップ開口部を覆う位置に押えボルト31aによってカップ受台CHに固定・保持する。また、押えボルト31aの締緩によって、カップ受台CH上面とボルト支持構体32a下面との隙間のクリアランス量を調整することが出来る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食品充填済み容器を殺菌室の受け台に載置し、高温高圧の蒸気を殺菌室内に導入することにより前記容器および蓋材を同時に熱殺菌する容器詰め食品の殺菌方法であって、少なくとも前記容器の開口部を覆う寸法で予め切断されたプレシール蓋材を該容器に融着させずに該容器の開口部を覆う位置に保持し且つ該容器のヘッドスペースと前記殺菌室内気の通気状態を保持した上で前記蒸気を殺菌室内に導入し、前記容器および前記プレシール蓋材を同時に熱殺菌することを特徴とする容器詰め食品の殺菌方法。 【請求項2】 前記プレシール蓋材の内、前記容器のフランジの外縁部からはみ出した部分を前記受け台との間で部分的に押えながら前記プレシール蓋材を保持する請求項1に記載の容器詰め食品の殺菌方法。 【請求項3】 前記プレシール蓋材の内、前記容器のフランジ上の非ヒートシール部分を該フランジとの間で部分的に押えながら前記プレシール蓋材を保持する請求項1に記載の容器詰め食品の殺菌方法。 【請求項4】 前記プレシール蓋材の端部を狭持しながら該プレシール蓋材を前記容器のフランジから離隔して保持する請求項1に記載の容器詰め食品の殺菌方法。 【請求項5】 前記容器のフランジから前記プレシール蓋材までのクリアランス量は前記蒸気を前記殺菌室内に導入する際には大きく確保し、他方、前記容器のヘッドスペースを不活性ガスで置換する際には小さく確保する請求項1から4の何れかに記載の容器詰め食品の殺菌方法。 【請求項6】 前記蒸気は、殺菌室を真空減圧した後に導入し、所定時間保持した後に排気する請求項1から5の何れかに記載の容器詰め食品の殺菌方法。 【請求項7】 前記蒸気を前記殺菌室内から排出する際に、該殺菌室内の圧力が前記食品の温度における飽和蒸気圧に対して0.01から0.1MPaだけ高くなるように該殺菌室内に不活性ガス又は空気を導入することにより該殺菌室内の圧力を調整し、前記容器および前記プレシール蓋材を冷却する請求項6に記載の容器詰め食品の殺菌方法。 【請求項8】 前記蒸気を排気した後に、前記殺菌室を減圧しながら前記容器および前記プレシール蓋材を冷却する請求項6に記載の容器詰め食品の殺菌方法。 【請求項9】 前記容器および前記プレシール蓋材を冷却した後に、前記容器のヘッドスペースに対しガス置換ノズルによって不活性ガスを所定の間導入し、その後前記ガス置換ノズルを待避させて該容器開口部を密封する請求項1から8の何れかに記載の容器詰め食品の殺菌方法。 【請求項10】 食品充填済み容器を載置する受け台と、前記容器および蓋材を同時に殺菌する高温高圧の蒸気を殺菌室に供給する蒸気供給手段を具備した容器詰め食品の充填システムであって、少なくとも前記容器の開口部を覆う寸法で予め切断されたプレシール蓋材を該容器に融着させずに該容器の開口部を覆う位置に保持し且つ該容器のヘッドスペースと前記殺菌室内気の通気状態を保持する容器保持手段を備え、前記容器および前記プレシール蓋材を同時に熱殺菌することを特徴とする容器詰め食品の充填システム。 【請求項11】 前記容器保持手段は、前記プレシール蓋材の内で前記容器のフランジの外縁部からはみ出した部分を押えるピン付きプレートと、該ピンを受ける前記受け台とを具備して成る請求項10に記載の容器詰め食品の充填システム。 【請求項12】 前記容器保持手段は、前記プレシール蓋材の内で前記容器のフランジ上の非ヒートシール部分を押えるピン付きプレートと、該ピンを受ける前記受け台とを具備して成る請求項10に記載の容器詰め食品の充填システム。 【請求項13】 前記容器保持手段は、前記プレシール蓋材の端部を狭持するグリップと、該グリップを支持する支持手段と、該グリップを所定の位置に案内するガイド手段とを具備して成る請求項10に記載の容器詰め食品の充填システム。 【請求項14】 前記容器のフランジから前記プレシール蓋材までのクリアランス量を調整するクリアランス量調整手段を備えた請求項10から13の何れかに記載の容器詰め食品の充填システム。 【請求項15】 前記蒸気供給手段は、真空ポンプを有し、前記殺菌室内を真空減圧した後に蒸気を導入し、所定時間を保持した後に排気する請求項10から14の何れかに記載の容器詰め食品の充填システム。 【請求項16】 前記蒸気を前記殺菌室内から排出する際に、該殺菌室内の圧力が前記食品の温度における飽和蒸気圧に対して0.01から0.1MPaだけ高くなるように該殺菌室内に不活性ガス又は空気を導入することにより該殺菌室内の圧力を調整し、前記容器および前記プレシール蓋材を冷却する請求項15に記載の容器詰め食品の充填システム。 【請求項17】 前記蒸気を排気した後に、前記殺菌室を減圧しながら前記容器および前記プレシール蓋材を冷却する請求項15に記載の容器詰め食品の充填システム。 【請求項18】 前記容器および前記プレシール蓋材を冷却した後に、前記容器のヘッドスペースに対しガス置換ノズルによって不活性ガスを所定の間導入し、その後前記ガス置換ノズルを待避させて該容器開口部を密封する請求項10から17の何れかに記載の容器詰め食品の充填システム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、容器詰め食品の殺菌方法および充填システム、特に、食品に対する殺菌効果が高く且つ全体の工程および装置構成を簡素化する容器詰め食品の殺菌方法および充填システムに関するものである。 【背景技術】 【0002】 容器詰め食品の殺菌方法としては、食品を容器に充填し、蓋材によって容器開口部を密封した後にチャンバに移送し、高温高圧の蒸気や加圧熱水で熱殺菌を行う「レトルト殺菌方法」や、食品を容器に充填した後に高温高圧の蒸気を導入し、蒸気等の加熱媒体が食品に直に接しながら熱殺菌を行う「スチームインジェクション殺菌方法」が広く知られている。スチームインジェクション殺菌方法の場合、蓋材の供給方式により更に2つに分類することが出来る。その一つが、食品充填済み容器を蒸気によって熱殺菌をした後に、別途殺菌した殺菌済み蓋材によって容器開口部を密封する殺菌方法(例えば、特許文献1および2を参照。)であり、他は、食品充填済み容器のフランジ部に蓋材を部分的に融着(仮シール)した上で高温高圧の蒸気を導入して熱殺菌を行い、その後ヒートシールバーによって蓋材を容器のフランジ部に融着して密封(本シール)する殺菌方法(例えば、特許文献3を参照。)である。 前者の殺菌方法では、食品充填済み容器を殺菌する装置以外に蓋材を殺菌する装置が別途必要となる。一方、後者の殺菌方法では、蓋材を容器のフランジ部に完全融着するためのシール装置以外に蓋材を容器のフランジ部に部分融着する仮シール装置が別途必要となる。 【0003】 【特許文献1】特開平09−009937号公報 【特許文献2】特開2005−341922号公報 【特許文献3】特開2005−118004号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 従来のスチームインジェクション殺菌方法の内、殺菌された食品充填済み容器を殺菌済み蓋材によって密封する殺菌方法では、仮シール装置が不要となる代わりに蓋材を殺菌するための装置が別途必要となる。 一方、従来の仮シール工程を伴ったスチームインジェクション殺菌方法では、食品、容器および蓋材が同時に殺菌されるため、蓋材を別途殺菌する装置が不要となる。蓋材を個別に殺菌する工程及びそのための装置が不要となり、その結果、全体の工程および装置の構成が簡略化する。 しかし、高温高圧の蒸気を導入する際に容器の収縮率に対して蓋材の収縮率の差が大きいと、蓋材の一部が容器フランジに拘束されているため、蓋材が収縮する際に容器のフランジ部に応力を発生させその応力によって容器のフランジ部が変形するという問題がある。 そこで、本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであって、食品に対する殺菌効果が高く且つ全体の工程および装置構成を簡素化する容器詰め食品の殺菌方法および充填システムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 前記目的を達成するために、請求項1に記載の容器詰め食品の殺菌方法は、食品充填済み容器を殺菌室の受け台に載置し、高温高圧の蒸気を殺菌室内に導入することにより前記容器および蓋材を同時に熱殺菌する容器詰め食品の殺菌方法であって、少なくとも前記容器の開口部を覆う寸法で予め切断されたプレシール蓋材を該容器に融着させずに該容器の開口部を覆う位置に保持し且つ該容器のヘッドスペースと前記殺菌室内気の通気状態を保持した上で前記蒸気を前記殺菌室内に導入し、前記容器および前記プレシール蓋材を同時に熱殺菌することを特徴とする。 上記容器詰め食品の殺菌方法では、プレシール蓋材は容器に融着せずに容器開口部を覆う位置に保持され且つ容器の内部と外気の通気状態が保持されているため、高温高圧の蒸気が流入する際に、蒸気が容器の内部に入り込み食品を好適に熱殺菌する。更に、プレシール蓋材は容器のフランジに融着されていないため、プレシール蓋材の収縮により容器のフランジが変形することがなくなり、食品および容器だけでなく蓋材も同様に熱殺菌される。また、仮シール工程が不要となり、その結果、仮シール装置も不要となる。更に、蓋材についても同時に殺菌されるため、蓋材の殺菌装置も不要となる。それに加え、プレシール蓋材が容器のフランジ部に相当する大きさで切断されている場合は、シール後にトリミングする必要がなくなり、トリミングのための装置も不要となる。これにより、全体の工程および装置構成が簡略化する。 【0006】 請求項2に記載の容器詰め食品の殺菌方法では、前記プレシール蓋材の内、前記容器のフランジの外縁部からはみ出した部分を前記受け台との間で部分的に押えながら前記プレシール蓋材を保持することとした。 上記容器詰め食品の殺菌方法では、上記構成とすることで、高温高圧の蒸気が流入する際に蓋材の収縮が容器に作用しなくなり且つ蓋材はずれることなく保持され、更に蒸気が容器内部に流れやすくなるため、食品、容器およびプレシール蓋材が好適に熱殺菌される。 【0007】 請求項3に記載の容器詰め食品の殺菌方法では、前記プレシール蓋材の内、前記容器のフランジ上の非ヒートシール部分を該フランジとの間で部分的に押えながら前記プレシール蓋材を保持することとした。 上記容器詰め食品の殺菌方法では、上記構成とすることで、高温高圧の蒸気が流入する際に蓋材の収縮が容器に作用しなくなり且つ蓋材はずれることなく保持され、更に蒸気が容器内部に流れやすくなるため、食品、容器およびプレシール蓋材が好適に熱殺菌される。 【0008】 請求項4に記載の容器詰め食品の殺菌方法では、前記プレシール蓋材の端部を狭持しながら該プレシール蓋材を前記容器のフランジから離隔して保持することとした。 上記容器詰め食品の殺菌方法では、上記構成とすることで、高温高圧の蒸気が流入する際に蓋材の収縮が容器に作用しなくなり且つ蓋材はずれることなく保持され、更に蒸気が容器内部に流れやすくなるため、食品、容器およびプレシール蓋材が好適に熱殺菌される。 【0009】 請求項5に記載の容器詰め食品の殺菌方法では、前記容器のフランジから前記プレシール蓋材までのクリアランス量は前記蒸気を前記殺菌室内に導入する際には大きく確保し、他方、前記容器のヘッドスペースを不活性ガスで置換する際には小さく確保することとした。 上記容器詰め食品の殺菌方法では、上記構成とすることにより、熱殺菌時においては十分な量の蒸気が容器の内外周面に沿って流れることができ、その結果、プレシール蓋材、容器および内容物をより迅速に熱殺菌することができるようになる。他方、ヘッドスペースの不活性ガス置換時には、不活性ガスの逃気を最小限に抑えながら容器のヘッドスペースを不活性ガスによって効率よく置換することが出来るようになる。 【0010】 請求項6に記載の容器詰め食品の殺菌方法では、前記蒸気は、殺菌室を真空減圧した後に導入し、所定時間保持した後に排気することとした。 上記容器詰め食品の殺菌方法では、殺菌室を真空に減圧することにより蒸気の流入速度が増加し、その結果、殺菌室に流入する蒸気の流量が増加し、結果、単位時間当たりに供給される熱量が増大する。また、蒸気を所定の間保持することにより、殺菌室に供給された熱量が食品、容器および蓋材に十分に伝熱し、これら食品、容器および蓋材が好適に短時間に熱せられて殺菌される。 【0011】 請求項7に記載の容器詰め食品の殺菌方法では、前記蒸気を前記殺菌室内から排出する際に、該殺菌室内の圧力が前記食品の温度における飽和蒸気圧に対して0.01から0.1MPaだけ高くなるように該殺菌室内に不活性ガス又は空気を導入することにより該殺菌室内の圧力を調整し、前記容器および前記プレシール蓋材を冷却することとした。 本願発明者が鋭意研究した結果、殺菌室内の圧力が食品の温度における飽和蒸気圧よりも0.01MPaより低い場合は固形食品の破裂や水分の突沸等を生じやすくなるので好ましくなく、他方、殺菌室内の圧力が同飽和蒸気圧よりも0.1MPaより高い場合は固形物破裂防止効果において変わりなく、不活性ガス等の導入量が増えるだけ不経済であることを見出した。 そこで、上記容器詰め食品の殺菌方法では、不活性ガス等を殺菌室内に好適に導入し、殺菌室内の圧力を食品の温度における飽和蒸気圧よりも0.01から0.1MPaだけ高く設定することにより、固形物の破裂を効果的に防止する。なお、殺菌室内の圧力は、製造時に食品の温度を測定しながら調整してもよいが、予め試験的に食品の温度変化を測定しておき、製造時にはそのデータに基づいて圧力を調整してもよい。 【0012】 請求項8に記載の容器詰め食品の殺菌方法では、前記蒸気を排気した後に、前記殺菌室を減圧しながら前記容器および前記プレシール蓋材を冷却することとした。 上記容器詰め食品の殺菌方法では、減圧した後の大気圧戻しの際、空気の断熱膨張により、容器等の顕熱と空気の潜熱との間で熱交換が行われ、その結果、容器は顕熱の一部を空気の潜熱として失うことになる。これにより、容器等は好適に冷却される。また、凝縮水の気化を促して、食品が水っぽくなるのを防止するようになる。 【0013】 請求項9に記載の容器詰め食品の殺菌方法では、前記容器および前記プレシール蓋材を冷却した後に、前記容器のヘッドスペースに対しガス置換ノズルによって不活性ガスを所定の間導入し、その後前記ガス置換ノズルを待避させて該容器開口部を密封することとした。 上記容器詰め食品の殺菌方法では、ガス置換ノズルが容器開口部に対するヒートシールの妨げにならなくなる。 【0014】 上記目的を達成するために、請求項10に記載の容器詰め食品の充填システムでは、食品充填済み容器を載置する受け台と、前記容器および蓋材を同時に殺菌する高温高圧の蒸気を殺菌室に供給する蒸気供給手段を具備した容器詰め食品の充填システムであって、少なくとも前記容器の開口部を覆う寸法で予め切断されたプレシール蓋材を該容器に融着させずに該容器の開口部を覆う位置に保持し且つ該容器のヘッドスペースと前記殺菌室内気の通気状態を保持する容器保持手段を備え、前記容器および前記プレシール蓋材を同時に熱殺菌することを特徴とする。 上記容器詰め食品の充填システムでは、上記請求項1に記載の容器詰め食品の殺菌方法を好適に実施することが出来る。 【0015】 請求項11に記載の容器詰め食品の充填システムでは、前記容器保持手段は、前記プレシール蓋材の内で前記容器のフランジの外縁部からはみ出した部分を押えるピン付きプレートと、該ピンを受ける前記受け台とを具備して成ることとした。 上記容器詰め食品の充填システムでは、上記請求項2に記載の容器詰め食品の殺菌方法を好適に実施することが出来る。 【0016】 請求項12に記載の容器詰め食品の充填システムでは、前記容器保持手段は、前記プレシール蓋材の内で前記容器のフランジ上の非ヒートシール部分を押えるピン付きプレートと、該ピンを受ける前記受け台とを具備して成ることとした。 上記容器詰め食品の充填システムでは、上記請求項3に記載の容器詰め食品の殺菌方法を好適に実施することが出来る。 【0017】 請求項13に記載の容器詰め食品の充填システムでは、前記容器保持手段は、前記プレシール蓋材の端部を狭持するグリップと、該グリップを支持する支持手段と、該グリップを所定の位置に案内するガイド手段とを具備して成ることとした。 上記容器詰め食品の充填システムでは、上記請求項4に記載の容器詰め食品の殺菌方法を好適に実施することが出来る。 【0018】 請求項14に記載の容器詰め食品の充填システムでは、前記容器のフランジから前記プレシール蓋材までのクリアランス量を調整するクリアランス量調整手段を備えることとした。 上記容器詰め食品の充填システムでは、上記請求項5に記載の容器詰め食品の殺菌方法を好適に実施することが出来る。 【0019】 請求項15に記載の容器詰め食品の充填システムでは、前記蒸気供給手段は、真空ポンプを有し、前記殺菌室内を真空減圧した後に蒸気を導入し、所定時間を保持した後に排気することとした。 上記容器詰め食品の充填システムでは、上記請求項6に記載の容器詰め食品の殺菌方法を好適に実施することが出来る。 【0020】 請求項16に記載の容器詰め食品の充填システムでは、前記蒸気を前記殺菌室内から排出する際に、該殺菌室内の圧力が前記食品の温度における飽和蒸気圧に対して0.01から0.1MPaだけ高くなるように該殺菌室内に不活性ガス又は空気を導入することにより該殺菌室内の圧力を調整し、前記容器および前記プレシール蓋材を冷却することとした。 上記容器詰め食品の充填システムでは、上記請求項7に記載の容器詰め食品の殺菌方法を好適に実施することが出来る。 【0021】 請求項17に記載の容器詰め食品の充填システムでは、前記蒸気を排気した後に、前記殺菌室を減圧しながら前記容器および前記プレシール蓋材を冷却するように構成されていることとした。 上記容器詰め食品の充填システムでは、上記請求項8に記載の容器詰め食品の殺菌方法を好適に実施することが出来る。 【0022】 請求項18に記載の容器詰め食品の充填システムでは、前記容器および前記プレシール蓋材を冷却した後に、前記容器のヘッドスペースに対しガス置換ノズルによって不活性ガスを所定の間導入し、その後前記ガス置換ノズルを待避させて該容器開口部を密封することとした。 上記容器詰め食品の充填システムでは、上記請求項9に記載の容器詰め食品の殺菌方法を好適に実施することが出来る。 【発明の効果】 【0023】 本発明の容器詰め食品の殺菌方法によれば、容器の開口部を覆う寸法で予め切断されたプレシール蓋材が融着せずに容器の開口部を覆う位置に容器のヘッドスペースと前記殺菌室内気の通気状態を保ちながら支持されている為、以下に記す効果を有する。 (1)容器と食品と蓋材を同時に殺菌することが出来る。 (2)蒸気の流入による食品の飛散が好適に防止される。 (3)仮シール工程及びそのための仮シール装置が不要となる。 (4)容器と蓋材の収縮率が違う場合でも、容器のフランジ部が変形しなくなる。 特に、レトルト殺菌と比べ、 (5)蒸気が直接に食品に触れるため、食品に対する伝熱効率が高くなり、その結果、殺菌処理の時間が短縮される。 (6)殺菌処理終了後に容器の開口部を密封するため、容器内圧の制御が容易に出来るようになる。 (7)容器が多室の場合は、各室に異なる内容品を充填しても、蓋材に凹凸が生じなくなる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。 【0025】 図1は、本発明に係るカップ詰固形食品の充填システム100を示す構成説明図である。 このカップ詰固形食品の充填システム100は、カップに固形食品を充填する食品充填部10と、蓋材を予めカップの開口部を覆う寸法で切断する蓋材カット部20と、カットした蓋材(プレシール蓋材)をカップに融着させずに且つカップのヘッドスペースと殺菌室内気との通気状態を保ちながらプレシール蓋材を固定する蓋材保持部30と、固形食品充填済みカップと蓋材を同時に高温高圧の蒸気によって熱殺菌する蒸気殺菌部40と、カップのヘッドスペースを不活性ガスで置換するガス置換部50と、プレシール蓋材をカップのフランジに融着させてカップの開口部を密封するシール部60と、フランジからはみ出た余分な蓋材をカットするトリミング部70とを具備して構成されている。なお、蒸気殺菌部40の入口までは一般室相当の環境でよく、蒸気殺菌部40の出口から少なくともシール部60の出口までは無菌環境またはクリーン環境である。 【0026】 食品充填部10では、所定量の固形食品、例えば豆類、いも類、栗、トウモロコシ及び米飯等がカップ内に充填機によって充填される。また、カップとしては、例えば広口の耐熱性プラスチック容器またはアルミ箔製容器を使用することが出来る。 【0027】 蓋材カット部20は、蓋材をカップの開口部を覆う寸法、例えばカップのフランジ外周部に相当する寸法で切断したプレシール蓋材を製造する。また、蓋材の材質としては例えばプラスチックフィルムやアルミ箔等である。なお、蓋材の熱収縮率はカップの熱収縮率と略等しいか、或いはそれ以下であることが望ましい。 【0028】 蓋材保持部30は、従来のカップ詰固形食品の充填システムのように蓋材を容器に部分融着(仮シール)して固定するのではなく、後述する蓋材保持手段によってプレシール蓋材を容器に融着させずに且つ容器のヘッドスペースと外気との通気状態を保ちながら保持・固定するものである。これにより、蓋材をカップに部分融着する仮シール工程およびその工程に必要な仮シール装置が不要となり、システム全体の工程および装置の構成が簡略化するようになる。なお、この蓋材保持手段の詳細については、図3から8及び12、13を参照しながら後述する。 【0029】 蒸気殺菌部40は、図2に示すように、高温高圧の蒸気を発生させる蒸気発生器41と、その蒸気を貯蔵するスチームタンク42と、蒸気の供給圧力を所定の圧力に調整する調圧弁43と、蒸気の殺菌室46への流入を断続(オン/オフ)するインレット弁44と、同流出を断続するアウトレット弁45と、被加熱対象物である食品充填済みカップを載置する殺菌室46と、殺菌室46を減圧する真空ポンプ47と、殺菌室46の真空状態をブレイクする大気圧戻し弁48と、空気または不活性ガスを貯蔵するガスタンク49と、ガスの供給圧を調整する減圧弁51とを有している。 【0030】 また、コンベアCVはいわゆる無端のコンベアベルトで、カップを受けるカップ受台を備え、カップを供給されると、食品充填部10、蓋材保持部30、蒸気殺菌部40、ガス置換部50、シール部60、およびトリミング部70、そして再びカップを受け取るように構成されている。 【0031】 殺菌室46への蒸気の供給方式としては、容器を殺菌室46へ搬入後、常圧下のまま高温高圧の蒸気を供給してもよいし、或いは殺菌室46の内部を真空にした後に供給してもよい。殺菌室46の内部を予め真空脱気をしておくことにより、蒸気が食品の隙間まで瞬時に流入し食品および容器を効率よく加熱(熱殺菌)することが出来る。 【0032】 殺菌時間(殺菌室46における蒸気の保持時間)としては、例えば、120℃以上−10分間、130℃以上−5分間、または150℃以上−5秒間である。 【0033】 殺菌室46の残留蒸気の排気方式としては、単にアウトレット弁を開いて蒸気を排気してもよいし、或いは蒸気の排気と同時にガスを導入することにより殺菌室46の内圧の減圧速度を調整して蒸気を排気してもよい。なお、減圧速度については、飽和蒸気圧をPSとし、殺菌室46の内圧をPとする時、0.01[MPa]<P−PS<0.1[MPa]となるように、つまり殺菌室46の内圧が飽和蒸気圧PSに対して0.01〜0.1[MPa]だけ高くなるように、殺菌室46にガスを導入しながら殺菌室46の内部を減圧する。従来、冷却を早めるためアウトレット弁を開にして蒸気を急激に排気すると水分が突沸したり固形食品が破裂することがあった。しかし、このように、ガスを導入しながら減圧速度を調整して蒸気を排気することにより、固形食品の破裂を好適に防止することが可能となる。また、アウトレット弁の調圧だけでは冷却の進行が遅くなり、殺菌工程に時間を要し、好ましくない。 【0034】 また、導入するガスとしては、例えば、窒素等の不活性ガス又は高圧空気である。従って、窒素等の不活性ガスを採用する場合は、蒸気の排気と同時に容器のヘッドスペースが不活性ガスで置換されるため、次工程であるガス置換の工程を省略することが可能となる。これにより、蒸気殺菌部40の後段に位置するガス置換部50を省略することが可能となる。 【0035】 また、熱殺菌後の容器の冷却方法としては、冷却をより促進するために、減圧冷却したり、内部を水冷したり、殺菌室を外部から水冷してもよい。一般にスチームインジェクションは、蒸気の凝縮水によって食品が水っぽくなる傾向がある。減圧冷却を行うと、凝縮水の気化により冷却が促進されるとともに余分な水分が除去され、食品が水っぽくなるのを防止する効果がある。 【0036】 ガス置換部50は、詳細については、図10および図11を参照しながら後述するが、ガスを噴射するガスノズルを固形食品充填済みカップに近接させながら吹きつけ、そして吹きつけが完了すると、ガスノズルをそのカップから離隔して待避させ次工程であるシール工程の妨げとならないように構成されている。 【0037】 シール部60では、熱せられたシールヘッドがプレシール蓋材を固形食品充填済みカップのフランジ部に押し当ててプレシール蓋材をそのフランジ部に融着させ、固形食品充填済み容器の開口部を密封する。 【0038】 トリミング部70では、容器の開口部のヒートシール後、容器のフランジ部からはみ出た余分な蓋材はカッタによって切断され、その開口部を密封された固形食品充填済み容器は搬出手段によって製品として出荷される。 【実施例1】 【0039】 図3は、実施例1に係る蓋材保持手段としての蓋材ホルダー30aを示す斜視説明図である。また、説明の都合上、カップ受台CHおよび不活性ガス置換ノズル51が図上に表されている。 この蓋材ホルダー30aは、プレシール蓋材PSをカップ受台CHに押し当てる押えボルト31aと、押えボルト31aを支持するボルト支持構体32aと、押えボルト31aがプレシール蓋材PSの所定の位置に当たるように案内する位置決めガイド33aとから成る。 【0040】 押えボルト31aは、プレシール蓋材PSの周端部を、例えば4点でカップ受台CHに押し当てることによりプレシール蓋材PSを保持している。これにより、殺菌室46と容器内部との通気状態が好適に確保され、殺菌室46に蒸気を供給した時に、蒸気が容器の内部まで流入し、容器と内容物を同時に熱殺菌することが可能となる。また、ヘッドスペースをガス置換する際も、不活性ガス置換ノズル51が容器のヘッドスペース近傍まで近接することができるため、容器のヘッドスペースを不活性ガスで十分に置換することが出来るようになる。 【0041】 ヒートシールバー貫通口34aは、カップのヘッドスペースにある空気を不活性ガスで置換した後に、プレシール蓋材PSをカップのフランジ部CFに融着するヒートシールバーHBが通過するための開口である。 【0042】 押えボルト31aがプレシール蓋材PSをカップ受台CHに押し当てる代わりに、カップのフランジ部CFに押し当てるように押えボルト31aをボルト支持構体32aに配設しても良い。 【0043】 図4は、蓋材ホルダー30の要部断面説明図である。また、カップ受台CH、ヒートシールバーHBおよび不活性ガス置換ノズル51が表されている。 高温高圧の蒸気がプレシール蓋材PSとカップフランジ部CFとの間からカップの内部に入り込み、カップに充填された固形食品SFおよびカップの内外周面を熱殺菌する。また、クリアランス量dは、カップ開口部の天面からプレシール蓋材PSの下面までの距離で定義され(以降の説明でも同様とする。)、本実施例ではクリアランス量d≒0.0mmである。後述するように、このクリアランス量dは、殺菌時においては加熱効率の点で大きい方が望ましく、他方、ガス置換時においては不活性ガスの使用量の点から小さい方が望ましい。 【0044】 このように、プレシール蓋材PSがカップフランジ部CFに融着されずにカップのヘッドスペースと殺菌室内気との通気状態を保ちながら、カップ開口部を覆う位置に押えボルト31aによって固定されている。従って、高温高圧の蒸気が流入する際に、プレシール蓋材PSとカップの熱収縮率が相異する場合でもカップフランジ部CFの変形が生じなくなる。また、プレシール蓋材PSをカップフランジ部CFに部分的に融着する工程及びそのための仮シール装置が不要となり、結果的に全体の工程および装置の構成が簡略化するようになる。 【実施例2】 【0045】 図5は、実施例2に係る蓋材保持手段としての蓋材ホルダー30bを示す斜視説明図である。 この蓋材ホルダー30bは、カップのヘッドスペースと殺菌室内気との通気状態を保ちながら、カップ開口部を覆う位置にプレシール蓋材PSを狭持しながらカップから離隔して保持するグリップとしての蓋材ウェイトプレート31b及び蓋材サポートプレート32bと、蓋材ウェイトプレート31b及び蓋材サポートプレート32bを支持する支持手段としてのスプリング33bと、スプリング33bの中を通り蓋材ウェイトプレート31b及び蓋材サポートプレート32bの貫通穴に嵌合するガイド手段としてのガイドピン34bと、スプリング33b及びガイドピン34bが固定されているカップ受台35bとから成る。 【0046】 プレシール蓋材PSは、カップフランジ部CFに融着されずに蓋材ウェイトプレート31b及び蓋材サポートプレート32bとの間に狭持されカップから離隔して保持されている。更にスプリング33bによって蓋材サポートプレート32bとカップ受台35bの隙間から殺菌用の高温高圧の蒸気が入り込むのに適したクリアランス量dが確保されている。 【0047】 また、カップを受けるカップ受台35bは、不活性ガス置換ノズル51が容器の内部に深く入り込むことが出来るように、そのノズル51と対向する面に切り欠きが施されている。 【0048】 図6は、蓋材ホルダー30bとヒートシールバー60bとを組み合わせた要部断面説明図である。 このヒートシールバー60bは、プレシール蓋材PSをカップフランジ部CFに押し当てて融着させるシールヘッド61bと、スプリング33bを押し下げるスプリング下げステイ62bと、スプリング下げステイを懸架する下げステイ用スプリング63bと、ガイドピン34bと嵌合するガイドホール64bとから成る。 【0049】 なお、図示されてはいないが、スプリング下げステイ62bは軸方向に対し摺動可能に構成されている。かつ、下げステイ用スプリング63bのバネ定数はスプリング33bのバネ定数より大きくなるように設定されている。これにより、スプリング下げステイ62bと蓋材ウェイトプレート31bが合した時、先ずスプリング33bが縮み始め、そして、スプリング33bが最下点に達した時、今度は下げステイ用スプリング63bが縮み始め、その結果、シールヘッド61bが下降しプレシール蓋材PSをカップフランジ部CFに押し当てて融着することになる。なお、このヒートシールの動作の詳細については、図7において後述する。 【0050】 図7は、蓋材ホルダー30b及びヒートシールバー60bの動作を示す説明図である。 先ず、図7の(a)に示すように、カップ開口部の天面からプレシール蓋材PSの下面までの距離で定義されるクリアランス量dは最大となり蒸気殺菌時のクリアランスを好適に確保する。 【0051】 また、カップ受台35bのガイドピン34bとガイドホール64bとが嵌合するように、シールヘッド61b及びスプリング下げステイ62bがカップ受台35bに対して下降する。 【0052】 図7の(b)に示すように、シールヘッド61b及びスプリング下げステイ62bが下降して、スプリング下げステイ62bと蓋材ウェイトプレート31bが合し、スプリング下げステイ62bが蓋材ウェイトプレート31bを押すことにより、スプリング33bが徐々に縮むようになる。このようにして、スプリング33bは最下点まで縮み、ヘッドスペースの不活性ガス置換に最適なクリアランス量dが好適に確保される。 【0053】 また、前述したように、クリアランス量dは、殺菌時においては加熱効率の点で大きい方が望ましく、他方、ヘッドスペースの不活性ガス置換時においては不活性ガスの使用量の点から小さい方が望ましい。 【0054】 図7の(c)に示すように、なおもシールヘッド61b及び下げステイ62bが下降して、蓋材ウェイトプレート31bを押し下げようとするが、スプリング33bが最短長になっているために、蓋材ウェイトプレート31bはこれ以上下がることが出来ず、スプリング下げステイ62bは、シールヘッド61bに対し鉛直上向きに摺動し、その結果、シールヘッド61bは下降するようになる。そして、シールヘッド61bは下げステイ用スプリング62bを押し下げながらプレシール蓋材PSに接し、プレシール蓋材PSをカップフランジ部CFに押し当ててプレシール蓋材PSをカップフランジ部CFに融着する。 【0055】 このように、プレシール蓋材PSがカップフランジ部CFに融着せずにカップのヘッドスペースと殺菌室内気との通気状態を保ちながら、カップ開口部を覆う位置に蓋材ホルダー30bによってカップから離隔して保持されている。その結果、高温高圧の蒸気が流入する際に、プレシール蓋材PSとカップの熱収縮率が相異する場合でもカップフランジCFの変形が生じなくなる。また、プレシール蓋材PSをカップフランジ部CFに部分的に融着する工程及びそのための仮シール装置が不要となり、結果的に全体の工程および装置の構成が簡略化するようになる。また、ヒートシールバー60bを上記構成とすることにより、熱殺菌時またはヘッドスペースの不活性ガス置換時において最適なクリアランス量dを確保することが出来るようになる。 【実施例3】 【0056】 図8は、実施例3に係る蓋材保持手段としての蓋材ホルダー30cを示す説明図である。なお、図8の(a)は、平面図であり、同(b)はそのA−A’断面図である。 この蓋材ホルダー30cは、カップのヘッドスペースと殺菌室内気との通気状態を保ちながら、カップ開口部を覆う位置にプレシール蓋材PSを狭持しながらカップから離隔して保持するグリップとしてのフィルム押え31c及びフィルム受け32cと、フィルム押え31c及びフィルム受け32cを支持する支持手段としてのバネ33cと、バネ33cの中を通り板35cと螺合するガイド手段としてのピンファスナ34cと、ピンファスナ34cと螺合する板35cと、カップを受けるカップ受台36cとから成る。また、ピンファスナ34cと板35cは、後述するように、クリアランス量調整手段を成している。 【0057】 プレシール蓋材PSが全周にわたり狭持されている実施例2と異なり、本実施例ではプレシール蓋材PSの向かい合う一の両端部のみがフィルム押え31c及びフィルム受け32cによって狭持され、且つバネ33cによってカップから離隔して保持されている。 【0058】 板35cにはピンファスナ34cと螺合する雌ねじ(図示せず)が形成され、且つピンファスナ34cを締める(板35cにネジ込むこと)ことにより、クリアランス量dを小さくすることができ、逆にピンファスナ34cを緩めることにより、クリアランス量dを大きくすることができる。従って、蒸気を殺菌室に供給する際は、クリアランス量dを大きく確保し、十分な量の蒸気がカップの内部に流入してプレシール蓋材、カップ及び内容物を同時に熱殺菌することができ、一方、カップのヘッドスペースを不活性ガスで置換する際は、クリアランス量dを小さく確保し、不活性ガスの逃気を最小限に抑えながら効率よく不活性ガス置換をすること出来るようになる。 【0059】 カップ受台36cのカップフランジ部CFに合する部分には溝が切られ、その溝にシートラバーSRが埋め込まれている。このシートラバーSRによってカップフランジ部CFにかかるシールヘッドの押圧が均一になると共に、ヒートシール時にカップフランジ部CFが受ける衝撃を好適に吸収する。 【0060】 このように、プレシール蓋材PSがカップフランジ部CFに融着せずにカップのヘッドスペースと殺菌室内気との通気状態を保ちながら、カップ開口部を覆う位置に蓋材ホルダー30cによってカップから離隔して保持されていることにより、高温高圧の蒸気がカップCの隅々まで行き渡り所定の殺菌温度に容易に到達することが出来ると共に、プレシール蓋材PSとカップの熱収縮率が相異する場合でもカップフランジ部CFの変形が生じなくなる。また、プレシール蓋材PSをカップフランジ部CFに部分的に融着する工程及びそのための仮シール装置が不要となり、結果的に全体の工程および装置の構成が簡略化するようになる。更に、ピンファスナ34cを板35cに締緩することにより、熱殺菌時またはヘッドスペースの不活性ガス置換時において最適なクリアランス量dを確保することが出来るようになる。 【0061】 (熱殺菌時のクリアランス量dの好適範囲) クリアランス量dが小さい場合は、真空脱気した後に蒸気を供給することにより容器内部まで蒸気が流入しプレシール蓋材、容器および内容物を同時に熱殺菌することが可能となる。他方、所定のクリアランス量dを設けると、より高速に容器および内容物を熱殺菌することができるようになる。しかしながら、クリアランス量dが大きすぎると、蒸気供給時の食品の飛散、後述の水冷を行う際には飛沫の浸入などのおそれがある。また、上述したように、ガス置換の効率を考慮すると、クリアランス量dとしては、1〜30[mm]が望ましく、特に3〜10[mm]がより望ましい。 【0062】 図9は、蒸気殺菌後における殺菌室およびカップの冷却の一例を示す説明図である。 この殺菌室の冷却では、シャワーノズルSNより無菌の冷却水CWを噴射することにより、その冷却水CWが殺菌室内部の蒸気を冷却すると共に殺菌室内部の壁面を冷却する。そして、これらの冷却水CWは、最終的にはカップCが冷却水CWによって部分浸漬されるように、殺菌室内部の底部に集水・貯水される。なお、この冷却水CWの水位はカップの開口部COより下位となるように制御されている。また、冷却水CWは蓋材ホルダー30cに直接にかからない方向に噴射される。これにより、蒸気殺菌後の昇温したカップを好適に冷却すると共に殺菌室内部を好適に冷却することが出来る。また、冷却水CWとしては、無菌水を使用する。 【0063】 図10は、本発明に係るガス置換部50を示す説明図である。 このガス置換部50は、不活性ガスを噴射する不活性ガス置換ノズル51と、そのノズルの噴射方向を可変にするピックアップカム52と、ピックアップカム52の作用を伝達するアーム53と、アーム53のピックアップカム52に対する摩擦を低減するローラー54と、エアシリンダの往復力を不活性ガス置換ノズル51へ伝達するプッシャーロッド55と、往復力を発生するエアシリンダ56と、プッシャーロッドを保持するロッドホルダ57と、不活性ガス置換ノズル51に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ライン58とから成る。 【0064】 図11は、ガス置換部50の動作を示す説明図である。なお、図11の(a)はガス置換部50が待避している状態を示し、一方、図11の(b)は、ガス置換部50がカップのヘッドスペースに不活性ガスを供給している状態を示している。 例えばカップフランジ部CFからはみ出したプレシール蓋材PSが垂れ下がっている場合に、従来のノズルは直線運動のみを行うことができ、その結果、このような場合にはカップのヘッドスペースに十分な量の不活性ガスを供給することが出来なかった。しかしながら、本発明に係るガス置換部50のピックアップカム52により、不活性ガス置換ノズルは往復運動と楕円運動を行うことが出来る。これにより、プレシール蓋材PSが垂れ下がっている場合であっても、不活性ガス置換ノズルがプレシール蓋材PSをまくりながら、カップのヘッドスペースに近接することが出来るようになる。 【0065】 図11の(a)では、エアシリンダ56のロッドが前進することにより、プッシャーロッド55も前進し、その結果、不活性ガス置換ノズル51がピックアップカム52によってカップ受台CHに近接しながら噴射方向を上方へ変える。 【0066】 図11の(b)では、エアシリンダ56のロッドが更に前進することにより、プッシャーロッド55を更に前方へ押し出し、その結果、不活性ガス置換ノズル51が楕円軌道を描きながらプレシール蓋材PSをめくりながらカップ受台CHに近接し、不活性ガスをカップのヘッドスペースに供給する。 【0067】 また、ガス置換部50は、エアシリンダ56及びピックアップカム52によって不活性ガス置換ノズル51の噴射方向を変えているが、それとは別にヒンジ等を使用することにより、不活性ガス置換ノズル51の噴射方向を可変とすることも可能である。 【実施例4】 【0068】 図12は、実施例4に係る蓋材保持手段としての蓋材ホルダー30dを示す説明図である。なお、図12の(a)は、平面図であり、同(b)はその要部断面図である。 この蓋材ホルダー30dは、カップのヘッドスペースと殺菌室内気との通気状態を保ちながら、カップ開口部を覆う位置にプレシール蓋材PSを狭持しながらカップから離隔して保持するグリップとしてのフィルム押え31d及びフィルム受け32dと、フィルム押え31d及びフィルム受け32dをカップ受台CHに案内する支持手段およびガイド手段としての位置決めガイド33dと、殺菌室46に設置され位置決めガイド33dを支持するクリアランス量調整手段としてのガイド34dとから成る。 【0069】 プレシール蓋材PSはフィルム受け32dに載置され上部よりフィルム押え31dによって固定されている。なお、フィルム押え31dはフィルム受け32dに載置されているだけである。 【0070】 カップ受台CHは、殺菌室46においてガイド34d間に配設される。他方、後述するように、ガイド34dは位置決めガイド33dを支持することにより、クリアランス量dを大きく確保し十分な量の蒸気がカップCの内外周面に沿って流入することができるようにする。 【0071】 図13は、熱殺菌時またはヘッドスペースの不活性ガス置換時におけるクリアランス量dの調整を示す説明図である。 図13の(a)に示すように、カップ受台CHがガイド34d間に配設され、続いてプレシール蓋材PSが載置固定されたフィルム押え31d及びフィルム受け32dが位置決めガイド33dに案内されて、位置決めガイド33dがガイド34dに合し支持される。これにより、プレシール蓋材PSはカップCの開口部を覆う位置に、カップ開口部の天面(カップフランジ部CF)からクリアランス量dだけ隔てて保持されるようになる。このように、大きなクリアランス量dを確保することにより、十分な量の蒸気がカップの内外周面に沿って流れることが出来るようになる。その結果、プレシール蓋材、カップおよび内容物がより迅速に熱殺菌されるようになる。 【0072】 図13の(b)に示すように、カップ受台CHが殺菌室46から出ると、ガイド34dによる支持がなくなるため、位置決めガイド33dが下がり、その結果、フィルム押え31d及びフィルム受け32dが下がりフィルム受け32dがカップフランジ部CFに保持されるようになる。これにより、クリアランス量dは限りなく小さくなる。そして、ガス置換ノズルGNはカップのヘッドスペースに不活性ガスを供給し、クリアランス量dが限りなく小さいため、不活性ガスの逃気を最小限に抑えながらカップのヘッドスペースを不活性ガスによって効率よく置換することが出来るようになる。このように、ガイド34dの支持がなくなることにより、ヘッドスペースの不活性ガス置換に最適なクリアランス量dを確保することが出来るようになる。 【0073】 実施例4に係る蓋材ホルダーによれば、熱殺菌のときには広いクリアランス量dを確保することができ、他方、ヘッドスペースのガス置換時においては狭いクリアランス量dを自動的に確保することができる。 【0074】 図14は、蒸気殺菌後における殺菌室およびカップの冷却の他の例を示す説明図である。 この殺菌室の冷却では、殺菌室46の壁にウォータージャケットWJが形成されて、その内部を冷却水CWが循環している。これにより、冷却水CWにより殺菌室46の壁が冷却され、引いては壁近傍に残留する蒸気の熱をも奪うことになる。なお、冷却水CWとしては、非無菌水、例えば水道水を使用することが出来る。 【0075】 カップの冷却に対しては、カップCを、水位がカップCの開口部COより下位になるようにして無菌水MWによって部分浸漬する。このようにすることにより、シャワー式と異なり水滴の飛沫が発生することはなく、その結果、内容物に水滴が混入することはない。これにより、蒸気殺菌後の昇温したカップを好適に冷却することが出来る。 【産業上の利用可能性】 【0076】 本発明の容器詰め食品の殺菌方法および充填システムは、例えば固形食品が充填された容器、多室異食品の容器、並びに樹脂製容器とアルミ箔入りフィルムのように容器と蓋材の殺菌温度近傍における収縮率が大きく異なる容器に対し好適に適用され得る。 【図面の簡単な説明】 【0077】 【図1】本発明に係るカップ詰固形食品の充填システムを示す構成説明図である。 【図2】蒸気殺菌部を示す構成説明図である。 【図3】実施例1に係る蓋材保持手段としての蓋材ホルダーを示す斜視説明図である。 【図4】蓋材ホルダーの要部断面説明図である。 【図5】実施例2に係る蓋材保持手段としての蓋材ホルダーを示す斜視説明図である。 【図6】蓋材ホルダーとヒートシールバーとの組み合わせを示す要部断面説明図である。 【図7】蓋材ホルダー及びヒートシールバーの動作を示す説明図である。 【図8】実施例3に係る蓋材保持手段としての蓋材ホルダーを示す説明図である。 【図9】蒸気殺菌後における殺菌室の冷却の一例を示す説明図である。 【図10】本発明に係るガス置換部を示す説明図である。 【図11】ガス置換部の動作を示す説明図である。 【図12】実施例4に係る蓋材保持手段としての蓋材ホルダーを示す説明図である。 【図13】熱殺菌時またはヘッドスペースの不活性ガス置換時におけるクリアランス量dの調整を示す説明図である。 【図14】蒸気殺菌後における殺菌室およびカップの冷却の他の例を示す説明図である。 【符号の説明】 【0078】 10 食品充填部 20 蓋材カット部 30 蓋材保持部 40 蒸気殺菌部 50 ガス置換部 60 シール部 70 トリミング部 100 カップ詰め固形食品の充填システム
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003768 【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月24日(2006.7.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092200 【弁理士】 【氏名又は名称】大城 重信
【識別番号】100110515 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 益男
【識別番号】100084607 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 文男
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| 【公開番号】 |
特開2008−22803(P2008−22803A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月7日(2008.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2006−200906(P2006−200906) |
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