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【発明の名称】 機能性食品とその製造方法
【発明者】 【氏名】井口 隆文

【氏名】渡辺 敏郎

【氏名】永井 史郎

【要約】 【課題】大麦や米等を原料とし、麹菌と酵母とを共生発酵させることにより、花粉症などのアレルギー症状の抑制作用を有する成分の含量を高め、副作用の心配がなく安全な機能性食品とその製造方法を提供する。

【構成】大麦・米のうちから選ばれる少なくとも一種類からなる原料を使用して、麹菌と酵母とを共生発酵させ、酵母のアルコール発酵により生じたエタノールを除去し、残った発酵液の固液分離を行い上清を回収後、乾燥して粉末化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
花粉症などのアレルギー症状を抑制するための機能性食品であって、大麦・米のうちから選ばれる少なくとも一種類からなる原料を使用して麹菌と酵母とを共生発酵させ、生じたエタノールを除去したことを特徴とする機能性食品。
【請求項2】
大麦・米のうちから選ばれる少なくとも一種類からなる原料を、所定の割合で水を加えて調製した後、麹と酵母とを加えて温度15〜40℃で麹菌と前記酵母とを数日間共生発酵させた後に、出来た発酵液を濃縮するとともにエタノールを除去し、残った前記発酵液の固液分離を行い上清を回収することを特徴とする機能性食品の製造方法。
【請求項3】
前記上清を回収後、乾燥して粉末化することを特徴とする請求項2記載の機能性食品の製造方法。
【請求項4】
前記麹菌が、アスペルギルス属であることを特徴とする請求項2または3記載の機能性食品の製造方法。
【請求項5】
前記酵母が、サッカロマイセス属であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の機能性食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、花粉症などのアレルギー症状を抑制することができる機能性食品とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、わが国の花粉症患者数は急増しており、現在1500〜2000万人の患者がいるといわれている。
【0003】
そして、花粉症に代表されるようなアレルギー症の治療薬として、抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬などが一般的に用いられている。
【0004】
また、アレルギー症状を抑制する働きがあるものとして乳酸菌が知られており、この乳酸菌の抗アレルギー性を利用したアレルギー体質改善効果のあるヨーグルト等の乳酸菌発酵物が既に実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
その他には、プロポリス、赤シソ、テンチャ、バラ花びらを含有させ花粉症の症状を改善する飲料(例えば、特許文献2参照)やリンゴ由来のポリフェノールを有効成分とする抗炎症剤が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2006−50979号公報(第7〜8頁)
【特許文献2】特開2004−217604号公報(第3〜5頁)
【特許文献3】特開2006−45191号公報(第3〜4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、アレルギー症の治療薬は副作用が生じる場合があり、服用に注意を要するため使用しにくい面がある。また、乳酸菌発酵物は抗アレルギー活性を有する乳酸菌を用いているため飲料にすると濁ってしまうし、植物由来の抽出物は抗炎症に効果があるが実際の花粉症症状に対してはどの程度有効であるかがはっきりしないものも多い。
【0007】
本発明は、これらのような問題点を解決するため、上記先行技術のように乳酸菌による発酵ではなく、大麦や米を原料として麹菌と酵母とを共生発酵させることで、高い抗アレルギー性を有しながら副作用がなく、また、水溶性であって濁りや沈殿を生じさせない機能性食品とその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明の機能性食品は、花粉症などのアレルギー症状を抑制するための機能性食品であって、大麦・米のうちから選ばれる少なくとも一種類からなる原料を使用して麹菌と酵母とを共生発酵させ、生じたエタノールを除去したことを特徴とするものである。
【0009】
上記構成からなる本発明の機能性食品は、前記麹菌による前記原料のでんぷん質の糖化と前記酵母によるアルコール発酵とが平行して行われ前記原料のでんぷん質が分解され、ベータグルカンやアラビノキシランなどのアレルギー症状の抑制作用を有する成分を豊富に含んだものとなっている。したがって摂取すれば、くしゃみや鼻掻きなどの鼻炎症状や花粉症状等を効果的に抑えることができる。なお、前記機能性食品は水溶性の液体であるが凍結乾燥やスプレードライ等によって粉末状にすることもできる。
【0010】
原料として大麦や米を用いるのは、これらに含まれるでんぷん量が、70〜90%と高く、麹菌と酵母によってでんぷんを効率よくエタノールや有機酸に転換することができるためであり、特に、穀類の中でもベータグルカン含量の高い大麦が好ましい。
【0011】
また、前記麹菌としては、でんぷんを低分子化するだけでなく発酵後の香りが良くて有機酸由来の酸味を呈するアスペルギルス属の菌類が好ましく、前記酵母としては、アルコール発酵を効率良く行うことができるサッカロマイセス属の菌類が適している。
【0012】
そして、本発明にかかる機能性食品の製造方法は、請求項2に記載しているように、大麦・米のうちから選ばれる少なくとも一種類からなる原料を、所定の割合で水を加えて調製した後、麹と酵母とを加えて麹や酵母の活動が活発になる温度15〜40℃で麹菌と前記酵母とを数日間共生発酵させた後に、出来た発酵液を濃縮するとともにエタノールを除去し、残った前記発酵液の固液分離を行い上清を回収することを特徴としている。
【0013】
このような機能性食品の製造方法によれば、前記麹菌による前記原料のでんぷん質の糖化と前記酵母によるアルコール発酵とを平行して行わせ、前記原料のでんぷん質を分解することによって、ベータグルカンやアラビノキシランなどの抗アレルギー性を有する成分の含量を高めることができる。したがって、アレルギー症状の抑制効果の高い機能性食品を得ることができる。しかも、含まれる抗アレルギー性の成分は、生物反応により生成されたものであるため、副作用の心配がない。しかも回収した上清は水溶性であり、水で希釈したり他の飲料に添加して利用することができる。
【0014】
また、請求項3に記載しているように、回収した上清を乾燥して粉末化することもできる。乾燥は例えば凍結乾燥やスプレードライ等の方法で行うことができる。こうすると、液体の場合に比べて軽くなり、ボリュームも抑えることができるため取り扱い易くなり、日持ちもしやすい。
【0015】
前記麹菌は、請求項4に記載しているように、でんぷんを低分子化するだけでなく、発酵後の香りが最も好ましく、かつ、有機酸由来のほど良い酸味を呈するアスペルギルス属の菌類を用いるのが好ましい。アスペルギルス属以外では、リゾップス属、ムコール属などの菌がでんぷんを低分子化することができるが、発酵後の風味や有機酸の生産性が落ちる。
【0016】
前記酵母は、請求項5に記載しているように、アルコール発酵を効率良く行うことができるサッカロマイセス属が好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の機能性食品は、花粉症などのアレルギー症状を効果的に抑制することができ、また、副作用もなく安心して喫食することができる。
【0018】
そして、本発明の機能性食品の製造方法によれば、高いアレルギー症状抑制効果を備えた機能性食品を得ることができ、しかも、得られた機能性食品は人工的な化学合成などの手段を用いることなく、生物反応を用いて製造することができるため、副作用がなく安心して喫食することができる。
【0019】
また、粉末化すれば、機能性食品の保管や流通が容易になる他、他の食品に添加して使いやすくなるし、日持ちしやすい。
【0020】
麹菌にアスペルギルス属の菌類を用いると、良好な香りと風味を有した機能性食品になり、酵母にサッカロマイセス属の菌類を用いれば、アルコール発酵を効率良く行えるため機能性食品の収率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明にかかる機能性食品について詳細に説明する。この機能性食品は、大麦・米のうちから選ばれる少なくとも一種類から選ばれる原料を使用する。そして、15〜40℃の温度下で原料のでんぷん質を麹菌によって糖化しつつ、出来た糖類を酵母でアルコール発酵することにより、原料のでんぷん質をエタノールと炭酸ガスとに転換する。こうして出来た発酵液を蒸留してエタノールを除去するとともに濃縮し、濃縮された発酵液を固液分離して上清を回収すれば得ることができる。
【0022】
原料に大麦や米を用いるのは、これらに含まれるでんぷん量が、70〜90%と高く、麹菌と酵母によってでんぷんを効率よくエタノールや有機酸に転換することができるためである。また、原料に、粟、稗、黍、大豆、小豆などのでんぷん価の高い穀類を混合させることもできる。
【0023】
また、麹菌にはでんぷんを低分子化するだけでなく、発酵後の香りが最も好ましく、かつ、有機酸由来のほど良い酸味を呈するアスペルギルス属の菌類を用いることが好まし い。なお、麹菌は、黄麹、白麹、黒麹など種類は問わないが、黄麹よりも白麹あるいは黒麹が望ましい。黄麹はクエン酸の生産性が低いため酸味が若干弱くなる。また、発酵後の風味や有機酸の生産性が落ちるが、リゾップス属、ムコール属などの菌も利用できる。
【0024】
酵母はアルコール発酵を効率良く行うことができるサッカロマイセス属の菌類であることが好ましい。また、効率的にはサッカロマイセス属に比べ落ちるが、ザイモモナス菌の利用も可能である。
【0025】
回収した上清は、水溶性であり濁りや沈殿がなく、クエン酸のさわやかな酸味と、でんぷんの糖化により生じた自然な甘味とをバランス良く備え、かつ、ベータグルカンやアラビノキシランなどのアレルギー症状の抑制作用を有する成分が豊富に含まれている機能性飲料として利用することが出来る。さらに、風味を良くするために、回収した上清に果汁やハーブエキスなどを加えても良い。特に、紫蘇エキスを加えると、ほのかな紫蘇の香付けができるだけでなく、紫蘇が有するアレルギー症状の抑制機能を付加して機能性を向上させることができる。
【0026】
回収した上清は、飲料の他、粉末剤、カプセル剤、打錠剤などの健康食品をはじめ、あらゆる飲食物に添加して使用、適用が可能である。また、回収した上清を乾燥して粉末化し、粉状の機能性食品として使用することも可能である。
【0027】
さらに、原料の大麦や米の代わりに、大麦や米のでんぷんを含んでいる大麦・米焼酎蒸留残渣を用いることもできる。この場合、大麦や米の焼酎残渣をアスペルギルス属によりでんぷんを低分子化し、それをサッカロマイセス属によりエタノールに転換させ、蒸留によりエタノールを除去すれば得ることができる。こうして得られる機能性食品は、さわやかな酸味を有するとともに原料由来のベータグルカンやアラビノキシランなどを多く含んでおり、アレルギー性症状を抑制する効能を備えている。
【実施例】
【0028】
以下に本発明の実施例について説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<実施例1:花粉症モデルマウスでの評価>
1.試料の調製
蒸煮した大麦に加水し、大麦麹(大麦を原料にアスペルギルス属のアスペルギルス カワチ(Aspergillus kawachii)で製麹したもの)とサッカロマイセス属のサッカロマイセス セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)を培養した培養液とを加えて、30℃で麹菌と酵母とを数日間共生発酵させた。そして、出来た発酵液を蒸留してエタノールを除去し、残りの濃縮された発酵液を遠心分離して上清画分を回収し、回収した上清を凍結乾燥して粉末化した。これを以下、本発明品と称する。
【0029】
2.花粉症モデルマウスの作製
Balb/cマウス(5週齢・メス)を日本クレア株式会社より購入し、1週間予備飼育した後、実験に供した。卵白アルブミン(以下OVAと略す。シグマ社製)100μg、水酸化アルミニウムゲル(以下Alum と略す。シグマ社製)1mg、百日咳毒素(シグマ社製)300ngを、200μlのリン酸緩衝生理食塩水(以下PBSと略す)に懸濁し、Balb/cマウスの腹腔内に投与した。
【0030】
初回感作5日後に、OVA 50μgを100μlのPBSに溶解し、背部皮下に投与した。さらに、局所感作として、初回感作19日目よりOVA溶液(50μg/μl)1μlを両側鼻腔内に5週間連続投与し、くしゃみ及び鼻掻き行動などの鼻炎症状を呈する花粉症モデルを作製した。鼻炎症状の評価は、局所感作直後より30分間のくしゃみ及び鼻掻き行動を測定する事によって行なった。
【0031】
3.群分け
局所投与前日に血中OVA特異的IgE抗体価を測定し、IgEの平均値が等しくなるように7匹ずつ3群に振り分けた。実験群は、飼育用粉末飼料CE−2(日本クレア株式会社製)のみを与えた対照群、本発明品をCE−2に2%混ぜた群(本発明品投与群)、紫蘇エキス粉末をCE−2に1%に混ぜた群(紫蘇エキス投与群)を設定し、各飼料は、局所投与開始とともに自由摂取させた。
【0032】
4.OVA特異的IgE抗体価の測定
OVA特異的IgE抗体価の測定は、局所投与開始0、2、4、5週目に行なった。測定は以下に示す方法にて行なった。96穴マイクロプレートを抗マウスIgE抗体(2μg/ml ベッチル社製)で1晩固相化した後、ブロッキング溶液(1%BSA、50mM Tris、0.14M NaCl)で1時間ブロッキングした。PBS−T0.05%Tween−20を含むPBS)で3回洗浄後、希釈した血清サンプル及びスタンダードを加え、室温で2時間静置した。PBS−Tで3回洗浄後、ビオチンラベルしたOVA(5μg/ml)を加え、1時間静置後、PBS−Tで3回洗浄し、Avidin Horse Radish Peroxidase(Bioscience社製)を加え、0分間室温で静置した。PBS−Tで4回洗浄後、基質溶液(TMB solution Bioscience社製)を加え、約10分反応後、1Mリン酸溶液で反応を停止し、450nmの吸光度を測定した。スタンダードにはOVA20μgとAlum2mgの混合液をマウス腹腔内に4回投与して得られた血清を用いた。
【0033】
5.脾細胞からのサイトカイン産生測定
試験最終日にマウスから脾臓を摘出し、脾細胞のサイトカイン産生に供した。方法は以下に示す。摘出した脾臓を滅菌PBS で洗浄後、1%牛胎児血清(以下FCSと略す。第一化学薬品株式会社製)入りPBS中でスライドグラスにより磨り潰し、細胞懸濁液にした。この細胞懸濁液をACTB溶液(0.017M Tris−HClに0.75%となるようにNH4Clを加えた溶液)により赤血球を除去した後、FCS及び抗生物質(ストレプトマイシン100μg/ml、ペニシリンG 100U/ml GIBCO社製)を含む RPMI1640培地(シグマ社製)で5×106cells/mlに調製した。調製した脾細胞懸濁液200μlを96穴プレートに撒き、そこに最終濃度100μg/mlとなるようにOVAを添加し、37℃−5%CO2下で3日間培養した。培養後、細胞懸濁液を回収し、遠心分離後の上清中のIFN−γとIL−4をBioscience社のキットを使用して測定した。
【0034】
6.実験結果1(鼻炎症状)
図1に鼻かき行動、図2にくしゃみの測定結果を示す。図1および2において、「*」は有意差があることを(p<0.05)、「**」は有意差があること(p<0.01)を表している。対照群の鼻掻き行動およびくしゃみ回数は、試験期間とともに増加し、鼻炎症状の悪化が確認された。一方で、本発明品投与群では、鼻掻き行動が2週目より抑制されており、3週目及び5週目で有意な抑制効果が認められた。またくしゃみ回数についても4週目に有意な抑制効果が確認され、紫蘇エキス投与群と同等の抑制効果を示した。
【0035】
7.実験結果2(血中OVA特異的IgE)
試験期間における血中OVA特213異的IgEの変動を図3に示す。対照群では、試験期間ともにOVA特異的IgE抗体価の上昇が認められた。一方で、本発明品投与群では、2週目以降上昇を抑制していることが認められた。
【0036】
8.実験結果3(サイトカイン)
脾細胞のサイトカイン産生の測定結果を図4及び図5に示す。IFN−γは、対照群と同レベルであったが、IL−4では対照群より低値を示した。
<実施例2:アレルギーモデルマウスによる評価>
1.アレルギーモデルマウスの作製
OVA20μg及びAlum 2mgをPBS200μlに懸濁し、Balb/cマウスの腹腔内に投与した。追感作として初回感作5日目に同量OVA及びAlumを腹腔内投与した。さらに、局所感作として初回感作26日目より両側鼻腔内にOVA溶液(50μg/μl)2μlを2週間連続投与した。
【0037】
2.群分け
2次感作1週間後に血中OVA特異的IgE抗体価を測定し、IgEの平均値が等しくなるように5匹ずつ4群に分けた。実験群はCE−2(日本クレア株式会社製)のみを与えた対照群、本発明品をCE−2に2%混ぜた群(本発明品2%投与群)、1%混ぜた群(本発明品1%投与群)、0.5%混ぜた群(本発明品0.5%投与群)を設定し、各飼料は群分け直後より試験終了時まで自由摂取させた。
【0038】
3.OVA特異的IgE抗体価の測定
OVA特異的IgE抗体価の測定は、2次感作1週間後より、4週目まで毎週行なった。測定は実施例1で示した方法で行なった。
【0039】
4.実験結果
血中OVA特異的IgE抗体価を測定した結果を図6に示す。図6の「*」は有意差があること(p<0.05)を表している。試験3週目に投与量依存的に血中OVA特異的IgE抗体価の上昇抑制効果が見られ、4週目においては本発明品2%投与群で有意な抑制効果が認められた。
<実施例3:本発明品と紫蘇液の組み合わせたものによる鼻炎症状の緩和効果>
1.試料の調製
本発明品と紫蘇液の組み合わせたものを凍結乾燥して使用した。
【0040】
2.群分け
実験群はCE−2(日本クレア株式会社製)のみを与えた対照群、本発明品と紫蘇液を組み合わせたものを凍結乾燥し、CE−2に5%混ぜた群(本発明品+紫蘇液投与群)、本発明品をCE−2に1%に混ぜた群(本発明品投与群)を設定し、各飼料は、局所投与開始とともに自由摂取させた。
【0041】
3.実験方法
実験は、実施例1と同様の方法で行なった。
【0042】
4.実験結果1(鼻炎症状)
図7に鼻かき行動、図8にくしゃみの測定結果を示す。図8の「*」は有意差があること(p<0.05)を表している。対照群では、試験期間とともに鼻掻き回数、くしゃみ回数が増加し、鼻炎症状の悪化が観察された。一方で、本発明品+紫蘇液投与群では、鼻掻き行動が2週目より抑制傾向を示し、くしゃみ回数では3週目及び5週目に対照群と比較して有意な抑制効果が認められた。
【0043】
5.実験結果2(血中OVA特異的IgE)
試験期間における血中OVA特異的IgEの変動を図9に示す。対照群では、試験期間ともにOVA特異的IgE抗体価の上昇が認められた。一方で、本発明品+紫蘇液投与群では、3週目以降上昇を抑制していることが認められた。
【0044】
以上により、本発明に係る機能性食品は、花粉症モデルマウスおよびアレルギーモデルマウスに対してアレルギー抑制効果のあることが実証された。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1における花粉症モデルマウスに対する本発明品の鼻掻き行動の抑制結果を示すグラフである。
【図2】実施例1における花粉症モデルマウスに対する本発明品のくしゃみの抑制結果を示すグラフである。
【図3】実施例1における花粉症モデルマウスに対する本発明品のOVA特異的IgEの上昇抑制を示すグラフである。
【図4】実施例1における本発明品のIFN−γ産生に及ぼす影響を示すグラフである。
【図5】実施例1における本発明品のIL−4産生を抑制する結果を示すグラフである。
【図6】実施例2におけるアレルギーモデルマウスに対する本発明品のOVA特異的IgEの上昇抑制効果を示すグラフである。
【図7】実施例3における花粉症モデルマウスに対する本発明品+紫蘇液を組み合わせたものによる鼻掻き行動の抑制効果を示すグラフである。
【図8】実施例3における花粉症モデルマウスに対する本発明品+紫蘇液を組み合わせたものによるくしゃみの抑制効果を示すグラフである。
【図9】実施例3における花粉症モデルマウスに対する本発明品+紫蘇液を組み合わせたものによるOVA特異的IgEの上昇抑制効果を示すグラフである。
【出願人】 【識別番号】591210622
【氏名又は名称】ヤヱガキ醗酵技研株式会社
【出願日】 平成18年7月24日(2006.7.24)
【代理人】 【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実

【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一


【公開番号】 特開2008−22794(P2008−22794A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−200414(P2006−200414)