| 【発明の名称】 |
健康飲料 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤直樹
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| 【要約】 |
【課題】麹の酵素によるでんぷんの糖化作用を利用した飲料でありながら、みりんのようにアルコールを含まず、製品および製造中における防腐性があり、かつ、もち米のでんぷんの糖化によって生じる自然な甘味を備えた健康飲料およびその製造方法の提供。
【構成】焼酎用白麹で製麹した麹ともち米とを含む原料を醸造酢と合わせて、Brixが18〜50で、かつ酢酸が700〜2,000mg/100mlとし、酢酸の存在下で防腐性を有しつつ原料を糖化熟成させたのちに固液分離して液を取り出す。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも麹ともち米とを原料に含み、この原料を酢酸の存在下で糖化熟成させたことを特徴する健康飲料。 【請求項2】 前記原料に、焼酎の蒸留残渣を含有させたことを特徴とする請求項1記載の健康飲料。 【請求項3】 Brixが18〜50で、かつ、酢酸が700〜2,000mg/100mlであることを特徴とする請求項1または2記載の健康飲料。 【請求項4】 少なくとも麹ともち米とを含む原料を酢酸含有液と混合し、前記原料を酢酸の存在下で糖化熟成させたのち固液分離することを特徴とする健康飲料の製造方法。 【請求項5】 前記原料に、焼酎の蒸留残渣を加えることを特徴する請求項4記載の健康飲料の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、麹の酵素によるでんぷんの糖化作用を利用し製造した健康飲料およびその製造方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、麹の糖化作用を利用した調味料や飲料にみりんや甘酒などがある。みりんは、蒸したもち米および米麹を、焼酎またはアルコールと混和して醪を造り、この醪を2〜3ヶ月寝かせて米麹のアミラーゼ(酵素)でもち米のでんぷんをゆっくりと糖化させ、そのあと醪を圧搾し醪粕と分離することによって製造している。混和する焼酎またはアルコールには、みりんの製品および製造過程における防腐効果や、味を調える調味効果などがある。また、甘酒は、蒸した米と米麹とを混ぜ、米麹のアミラーゼによって米のでんぷんを糖化させて造られている。こうしてできたみりんや甘酒は、米および米麹由来の自然な甘味を備えたものになっている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2004−180567号公報(第3〜4頁) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、みりんは甘味が強いため、一般的には調味料とて使用されているが、そのままもしくは焼酎を加えて甘味を抑えることにより飲用に供することも可能で(本直し、飲用みりんなどと呼ばれる)、その場合は、アルコールを含むため酒類に分類され、消費者対象が成人、さらには体質および健康状態の面からアルコールを摂取しても問題がない人に限定される。一方、アルコールを添加せず、高温、かつ短時間で糖化を行って製造される甘酒は、消費者対象を限定されることなく飲用として誰でも利用できるものの、微生物汚染を受けやすく取り扱いが難しい。 【0004】 そこで、みりんのようにアルコールを含まず、製品および製造中における防腐性があり、かつ、もち米のでんぷんの糖化によって生じる自然な甘味を備えた健康飲料およびその製造方法の提供を目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明にかかる健康飲料は、少なくとも麹ともち米とを原料に含み、この原料を酢酸の存在下で糖化熟成させたことを特徴としている。 【0006】 このように、前記麹と前記もち米とを含む原料を、酢酸含有液と混合するなどして酢酸の存在下で糖化熟成させたことで、酢酸の防腐作用により、常温で長期間の糖化熟成が可能になるため、前記もち米のでんぷんの糖化により生じた甘味と、酢酸の酸味とがまろやかに調和した健康飲料を得ることができる。しかも、酢酸の刺激臭は、前記麹およびもち米が分解して生成した糖質などの成分が有するマスキング効果によって抑えられている。なお、前記酢酸含有液としては、醸造酢や合成酢などの食酢を用いることができる。 【0007】 さらに、前記健康飲料に、焼酎の蒸留残渣が有している機能性を付与することもできる。即ち、前記原料に焼酎の蒸留残渣を含有させると、前記焼酎の蒸留残渣には、有機酸、アミノ酸、食物繊維、ポリフェノールなどの栄養素が含まれているため、これらの栄養的価値を備えた機能性を有する健康飲料となっている。前記焼酎の蒸留残渣のクセのある香味は、酢酸や前記麹および前記もち米糖化成分のマスキング効果によって抑えられている。 【0008】 そして、Brixが18〜50で、かつ、酢酸が700〜2,000mg/100mlであると、良好な防腐性を有し、程よい甘味と酸味とのバランスが取れ、かつ、すっきりとして口当たりの良い飲料になる。なお、Brixが高すぎると液が濃くなりすぎて搾汁ができず、酢酸が低すぎると防腐効果が弱くなって糖化熟成中に雑菌汚染を受ける。また、Brixが低すぎたり、酢酸が高すぎたりすると、酸味が強くなり味のバランスが悪くなる。 【0009】 それから、本発明にかかる健康飲料の製造方法は、少なくとも麹ともち米とを含む原料を、食酢のような酢酸含有液と混合し、前記原料を酢酸の存在下で糖化熟成させたのちに固液分離することを特徴としている。 【0010】 前記原料を、酢酸の存在下で糖化熟成させると、酢酸の防腐作用によって、糖化熟成を常温で長期間行うことができる。これにより、でんぷんの糖化によって生じた甘味と酢酸の酸味とが調和した飲料を得ることができる。しかも、前記酢酸含有液の刺激臭は、前記麹ともち米糖化成分のマスキング効果により抑えることができる。 【0011】 また、前記原料に焼酎の蒸留残渣を加えると、同焼酎の蒸留残渣に含まれる有機酸、アミノ酸、食物繊維、ポリフェノールなどの栄養素を含む機能性に富んだ飲料とすることができる。 【0012】 なお、前記麹を造る際、種麹として白麹や黒麹を用いることが好ましい。即ち、糖化熟成が酢酸存在下のpHが低い状態で行われるため、酸を多く作り出す多酸性の種麹が適しているからである。 【発明の効果】 【0013】 本発明の健康飲料は、自然な甘味と程よい酸味とが調和し飲みやすく、しかも、麹由来のアミノ酸を多く含むため、続けて飲めば健康を維持することができる。また、原料に焼酎の蒸留残渣を加えることで、焼酎の蒸留残渣由来の栄養素を含んだ機能性に富む飲料となり、より健康促進を図ることができる。そして、Brixが18〜50で、かつ、酢酸が700〜2,000mg/100mlであると、でんぷんの糖化による自然な甘味と酢酸の酸味とが程よいバランスとなり、口当たりもすっきりしていて飲みやすい。 【0014】 一方、本発明の健康飲料の製造方法は、自然な甘味と程よい酸味とを有し、麹由来のアミノ酸を多く含む健康飲料を得ることができる。また、原料に焼酎の蒸留残渣を加えて糖化熟成させると、さらに機能性に富んだ飲料とすることができる。このように、焼酎の蒸留残渣を原料とすることができるので、従来、廃棄処分か、飼料や堆肥などにしか使い道のなかった焼酎の蒸留残渣の有効利用を図ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 本発明にかかる健康飲料は、少なくとも麹ともち米とを含む原料を、酢酸含有液とを混合し、原料を酢酸の存在下で糖化熟成させたのち固液分離することによって得ることができる。また、原料に焼酎の蒸留残渣を加えると、できた健康飲料は、焼酎の蒸留残渣に含まれる栄養素を豊富に含んだ機能性に富む飲料になる。 【0016】 上記酢酸含有液には、醸造酢や合成酢などの食酢を用いることができ、上記麹には、焼酎の製造に使われる白麹や黒麹を用いて製麹したものを使用することができる。なお、糖化熟成の際に酵素を添加してもち米を溶けやすくすれば、麹による糖化作用が促進され、甘味を引き出しやすくなる。 (実施例1) 粳米の白米300gを水に所定時間浸漬させて十分に吸水させたのちに蒸し、その後、放冷して冷却する。冷却後、蒸した白米に焼酎用白麹を接種して培養を行い製麹する。一方、もち米1200gを水に浸漬して十分に吸水させたのちに蒸し、その後、放冷して冷却する。 【0017】 そして、製麹された麹と蒸したもち米と、醸造酢1350mlと水600mlを合わせて、1ヶ月間30℃の温度で静置し糖化熟成を行った後、できた酢酸含有糖化液を圧搾して液のみを取り出す。 【0018】 取り出された液は、Brixが40.8で、酢酸が1819mg/100mlであり、ウィスキーに似た琥珀色を呈し、醸造酢を使用しているにもかかわらずつんと鼻をつくような強い刺激臭はなく、口当たりもさっぱりしていて程よい自然な甘味を有している。また、麹由来のアミノ酸も多く含まれているため、飲みやすくて体に良い健康飲料として利用することができる。この健康飲料は、ハーブや生薬、果汁等を加えて醸造酢の匂いを抑え、香り付けすることもできる。なお、甘酢のような料理用調味料として使用することもできる。この健康飲料の組成を表1に示す。また、表1の有機酸組成をグラフで示したものが図1であり、アミノ酸を示したものが図2である。 【0019】 【表1】
(実施例2) 粳米の白米300gを水に所定時間浸漬して十分に吸水させたのちに蒸し、その後、放冷して冷却する。冷却後、蒸した白米に焼酎用白麹を接種して培養を行い製麹する。一方、もち米1200gを水に浸漬して十分に吸水させたのちに蒸し、その後、放冷して冷却する。また、大麦焼酎の蒸留残渣1500mlを、90℃以上で加熱して殺菌を行い、そのあと放冷して60℃まで冷却する。 【0020】 そして、これらの麹、蒸した白米、大麦焼酎の蒸留残渣に、高酸度醸造酢600mlを合わせて、2ヶ月間30℃で静置し糖化熟成を行った後、できた酢酸含有糖化液を圧搾して液のみを取り出す。 【0021】 取り出された液は、Brixが44.7で、酢酸が1752mg/100mlであり、ウイスキーに似た琥珀色を呈し、醸造酢を使用しているにもかかわらず、つんとした鼻をつくような強い刺激臭はなく、口当たりもさっぱりしていて程よい自然な甘味を有しており、焼酎の蒸留残渣に特有のクセのある香味は抑えられている。また、麹由来のアミノ酸や、大麦焼酎の蒸留残渣に含まれている栄養素を多く含んでいるため、飲みやすく機能性に富んだ健康飲料として利用することができる。この健康飲料は、ハーブや生薬、果汁等を加えて醸造酢の匂いを抑え、香り付けすることもできる。 【0022】 この健康飲料の組成を表2に示す。また、表2の有機酸組成をグラフで示したものが図3であり、アミノ酸を示したものが図4である。 【0023】 【表2】
【図面の簡単な説明】 【0024】 【図1】実施例1の健康飲料の有機酸組成を示したグラフ。 【図2】実施例1の健康飲料のアミノ酸を示したグラフ。 【図3】実施例2の健康飲料の有機酸組成を示したグラフ。 【図4】実施例2の健康飲料のアミノ酸を示したグラフ。
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| 【出願人】 |
【識別番号】397023000 【氏名又は名称】ヤヱガキ酒造株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月12日(2006.7.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085291 【弁理士】 【氏名又は名称】鳥巣 実
【識別番号】100117798 【弁理士】 【氏名又は名称】中嶋 慎一
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| 【公開番号】 |
特開2008−17751(P2008−17751A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月31日(2008.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2006−191372(P2006−191372) |
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