| 【発明の名称】 |
チーズ風味揚げ物食品及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 笑美
|
| 【要約】 |
【課題】
【構成】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 揚げ物用の具材に一次衣液を付着させる工程、 一次衣液が付着した具材に、チーズ粉末を付着させる工程、 一次衣液とチーズ粉末とが付着した具材に、二次衣液を付着させる工程、 を含むことを特徴とする、チーズ風味揚げ物食品の製造方法。 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法によって得られる、チーズ風味揚げ物食品。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、チーズ風味揚げ物食品及びその製造方法に関する。詳細には、衣が豊かなチーズ風味を保持していながら、衣が褐変などすることなく外観にすぐれ、且つさくさくとした食感(サクミ)と軽くソフトな食感を有する、チーズ風味揚げ物食品及びその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 唐揚げ、ナゲット、フリッター、フライなどの揚げ物は、美しい黄金色の外観により食欲をそそり、また衣のサクミが食味を増進することから、日常よく食されている嗜好性の高い食品である。 【0003】 近年、チーズ食品が好まれるようになり、同時にチーズの風味も好まれるようになってきた。そこで、揚げ物においても、具材や衣の風味に加えて、チーズの風味を味わうことが求められるようになってきた。しかし、揚げ物の本来の食味を損なうことなく、豊かなチーズ風味を与えることは容易ではない。 【0004】 特許文献1(特開平2−131556号公報)は、塩及び香辛料等で味付けした鶏肉に、熔融したチーズを付着させたり、スライス状のチーズを巻き付けたり、又は粉末チーズを付着させた後に、とき卵に浸漬してから小麦粉を付着させて、油で揚げる方法を開示している。しかし、これらの方法でチーズ風味を与えようとした場合には、具材と衣とがチーズが存在するために十分に結着することができずに分離してしまい、油揚げの際に高温の油中に散ってしまったり、あるいは衣が破れてしまうことがあった。 【特許文献1】特開平2−131556号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 一方、豊かなチーズ風味を付与するために多量のチーズを衣に含ませた場合には、油揚げの際に高温の油中に衣が散って揚げ物が壊れたり、衣が破裂してしまったりしやすい事態が生じていた。また、衣のサクミや軽くソフトな食感といった揚げ物本来の好ましい食感を損なうのみならず、揚げ物の衣が褐色に変化(褐変)してしまったりして外観を損ないやすいという問題があった。さらに、チーズを具材に付着させた場合には、具材と衣の分離を招くことで、揚げ物としての商品価値が低下するという問題があった。 【0006】 すなわち、チーズを具材に付着させても衣に含ませても、揚げ物の商品価値を損なう結果となっていた。一方で、このような欠点が生じない程度のごく少量のチーズを衣に含ませるだけでは、豊かなチーズ風味を得ることができない。 【0007】 従って、本発明の目的は、揚げ物の好ましい食味・食感及び外観を損なうことなく、豊かなチーズ風味を有する揚げ物食品、及びその製造方法を提供することにある。すなわち、本発明の目的は、豊かなチーズ風味を与えるために十分な量のチーズを衣に含ませても、油揚げの際に衣が飛び散ったり、破裂したり、褐変したりすることがなく、衣にサクミがあり軽くソフトな食感を有する、チーズ風味揚げ物食品、及びその製造方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者等は、上記目的を解決するため鋭意研究を行った結果、衣液にチーズを添加したり、具材にチーズを付着させるのではなく、二重構造の衣の間にチーズを存在させることによって、揚げ物の好ましい食味・食感及び外観を損なうことなく豊かなチーズ風味を与えることができる製造方法を見出し、本発明を完成した。 【0009】 すなわち、本発明は、 揚げ物用の具材に一次衣液を付着させる工程、 一次衣液が付着した具材に、チーズ粉末を付着させる工程、 一次衣液とチーズ粉末とが付着した具材に、二次衣液を付着させる工程、 を含むことを特徴とする、チーズ風味揚げ物食品の製造方法に関する。 このような製造方法によって、揚げ物本来の好ましい食味・食感及び外観を損なうことなく、豊かなチーズ風味を揚げ物に付与することができる。 【0010】 本発明はまた、上記製造方法によって得られる、チーズ風味揚げ物食品に関する。本発明のチーズ風味揚げ物食品は、具材と、該具材の表面上に設けられた一次衣層と、該一次衣層の表面上に設けられたチーズ層と、該チーズ層の表面上に設けられた二次衣層を含んでなるものであり、揚げ物本来の食味を損なうことなく、豊かなチーズ風味を付与されたものとすることができる。 【0011】 本発明のチーズ風味揚げ物食品は、加熱調理後そのまま喫食に供してもよいが、冷凍(好ましくは急速冷凍)して保存及び流通等をした後に、解凍してあるいは解凍しないままに、再び油揚げをすることもできる。この場合において、所望により油揚げ以外の加熱手段を冷凍の前又は後に併用することもでき、例えばスチームオーブンによる蒸熱処理を併用することができる。このように再度の油揚げ、あるいは油揚げ以外の加熱手段を併用する場合には、再度の加熱処理の程度を考慮して、それ以前の油揚げの程度を軽く(例えば油揚げ時間を短く)することが好ましい。 【発明の効果】 【0012】 本発明のチーズ風味揚げ物食品の製造方法によれば、揚げ物の本来の食味を損なうことなく、豊かなチーズ風味を有する揚げ物食品を得ることができる。すなわち、本発明の製造方法によれば、衣に多量のチーズを添加しても、具材と衣の分離を招くことなく、衣のサクミや軽くソフトな食感といった揚げ物本来の好ましい食感を損なうことなく、さらに揚げ物の衣が褐変して外観を損なうことがなく、豊かなチーズ風味を有する揚げ物食品を得ることができる。さらに、本発明の製造方法によれば、油揚げ中に衣の散りや破裂等により揚げ物が壊れてしまったり、油を不必要に汚してしまったりすることもなく、豊かなチーズ風味に加えて、揚げ物本来の好ましい食感及び外観を有する揚げ物食品を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 本発明の好ましい実施の態様において、本発明のチーズ風味揚げ物食品は、 揚げ物用の具材に一次衣液を付着させる工程、 一次衣液が付着した具材に、チーズ粉末を付着させる工程、 一次衣液とチーズ粉末とが付着した具材に、二次衣液を付着させる工程、 を行った後に、 油揚げする工程、 を行うことによって得ることができる。 【0014】 揚げ物用の具材としては、一般的に揚げ物に用いられる具材とすることができ、例えば、豚肉、鶏肉、その他の肉類、魚肉類、芋類、野菜類、並びにこれらの加工及び/又は成型したものを使用することができる。 【0015】 一次衣液(一次バッター)は、具材との結着性が良好なものであればよく、唐揚げ、ナゲット、フリッター等の揚げ物に通常使用される組成の衣液用粉末(バッター用ミックス)に水等を加えたものを使用することができる。このような衣液用粉末は、澱粉類(例えば、米粉澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉等の澱粉、あるいはこれらの加工澱粉)を主成分とし、これに穀粉類(例えば、小麦粉、米粉、ライ麦粉、コーンフラワー等)、さらに糖類(例えば、砂糖、ブドウ糖、粉末水飴、増粘多糖類等)、食塩、調味料、香辛料、ベーキングパウダー(膨張剤)、卵(例えば、全卵、卵白又はこれらの粉末)、小麦タンパク、大豆タンパク等のタンパク質を適宜配合することができる。 一次衣液用粉末の組成においては、澱粉類に加えて、油脂加工澱粉や酸化澱粉等の加工澱粉、卵粉、例えば全卵粉、卵白粉を含有することが具材との結着性向上の点から好ましい。 【0016】 具材に一次衣液を付着させる工程は、常法によって行えばよく、例えば具材を衣液に浸すことによって行うことができる。 【0017】 チーズ粉末は、通常市販されているチーズ粉末を使用することができるが、チーズ風味を味わうことのできるチーズを粉末化して用いてもよい。チーズ粉末の製造は、一般的な方法、例えば細断、粉砕、及び/又はすりおろしによって製造することができる。使用できるチーズの種類としては、種々のチーズが含まれるが、粉末化して取り扱うことが容易であるという点から、いわゆるハードタイプのチーズ及びセミハードタイプのチーズが好ましく、例えば、スプリンツ、パルメザン、レスター、エメンタール、グリエール、フォンティナ、エダム、ペコリーノ・ロマーノ等のハードチーズ、及びダンスク・メスター、レッドチェダー、ゴーダ、ラクレット、ダンボー、プロボローネ・ドルチェ等のセミハードチーズを挙げることができる。入手のしやすさ、価格、嗜好等の点から、エダムチーズ、及びパルメザンチーズが好ましい。 【0018】 チーズ粉末を付着させる工程は、パン粉やブレッダー粉を具材に付着させるために通常行われている方法と同様にして行うことができ、例えば一次衣液を付着させた具材にチーズ粉末をまぶすこと等によって行う。また、チーズ粉末を付着させる工程は、チーズ粉末のみを用いてもよいが、パン粉やブレッダー粉、穀粉類や、澱粉類等を適宜混合してもよい。この場合、用いるチーズや具材の種類により異なるが、揚げ物にチーズ風味を付与する観点から、チーズ粉末は30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有させる。 【0019】 二次衣液(二次バッター)としては、唐揚げ、ナゲット、フリッター等の揚げ物に通常使用される組成の衣液用粉末(バッター用ミックス)に水等を加えたものを使用することができる。このような衣液用粉末は、穀粉類(例えば、小麦粉、米粉、ライ麦粉、コーンフラワー、コーングリッツ等)や澱粉類(例えば、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、米粉澱粉等の澱粉、あるいはこれらの加工澱粉)を主成分とし、さらに糖類(例えば、砂糖、ブドウ糖、粉末水飴)、増粘剤、食塩、調味料、香辛料、膨張剤、タンパク質(例えば小麦タンパク、大豆タンパク、全卵、卵白等を挙げることができる。 【0020】 二次衣液を付着させる工程は、一次衣液とチーズ粉末を付着させた具材を衣液に浸すことによって行うことができ、通常の衣液と同様の操作によって二次衣液を付着させることができる。 【0021】 油揚げする工程は、常法により行えばよい。好適な油揚げの条件は、具材の種類、質量、形状等によって、あるいは衣の状態によって変わるが、例えば160〜200℃、好ましくは160〜190℃、特に好ましくは170〜180℃の範囲の温度で行うことができる。 【0022】 二次衣液を付着させる工程の後に、すぐに油揚げの工程を行うこともできるが、二次衣液を付着させる工程の後に、さらにパン粉、ブレッダー粉等の粉末衣材を付着させてもよい。 【0023】 本発明のチーズ風味揚げ物食品は、油揚げした後に直ぐに喫食に供してもよいが、常温でしばらく置いた後、あるいは冷蔵又は冷凍した後、油揚げ又は電子レンジで再加熱した後に喫食に供してもよい。 また、本発明のチーズ風味揚げ物食品は、二次衣液を付着させた後に冷凍(好ましくは急速冷凍)してもよく、冷凍保存した後に、解凍してあるいは解凍しないままに、油揚げの工程を行うことができる。この場合、冷凍前に軽く揚げる(予備油揚げを行う)ことが必要であるが、二次衣液を付着させた後にさらにパン粉、ブレッダー粉等の粉末衣材を付着させた場合には特に予備油揚げは必要ない。 【0024】 本発明のチーズ風味揚げ物食品は、本発明の製造方法によって得られるチーズ風味を有する揚げ物食品の全てを包含し、例えばチーズ風味を有する唐揚げ、ナゲット、フリッター、パン粉付け食品が挙げられる。 【実施例】 【0025】 以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。 [材料] [一次衣液の調製] 以下の組成の粉末(一次バッター用ミックス)を使用した。 油脂加工澱粉 : 98質量% 食塩 : 1質量% 調味料 : 1質量% 合計 :100質量% このバッター用ミックス100質量%に対して、200質量%の水を加えて撹拌し、一次衣液(一次バッター)とした。 【0026】 [二次衣液の調製] 以下の組成の粉末(二次バッター用ミックス)を使用した。 小麦粉 : 45.0質量% 小麦澱粉 : 2.0質量% コーングリッツ : 49.0質量% 食塩 : 2.5質量% 調味料 : 0.5質量% 膨張剤 : 1.0質量% 合計 :100.0質量% このバッター用ミックス100質量%に対して、140質量%の水を加えて撹拌し、二次衣液(二次バッター)とした。 【0027】 [実施例1] 具材(鶏肉の胸肉12g片、厚さ0.8cm)を、一次衣液に浸して、一次衣液を具材全体に付着させた(一次バッターリング)後、この具材にエダムチーズ粉末(雪印製)をまぶして、粉末チーズを全体に付着させた(ブレディング)。次にこの具材を、二次衣液に浸して、二次衣液を全体に付着させた(二次バッターリング)。 これを175℃、1分間、予備油揚げを行い、次に−80℃の条件下で急速冷凍した。次に、解凍せずにそのまま175℃で4分間、油で揚げた。このようにして、本発明のチーズ風味揚げ物食品(実施例1のチーズ風味揚げ物食品)を製造した。 【0028】 [対照例1] ブレディングを粉末チーズに代えて、微粉パン粉(日清製粉製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、対照例1の揚げ物食品を製造した。 【0029】 [比較例1] 具材、及び一次衣液は、実施例1と同じものを使用して、実施例1と同様に一次バッターリングを行った。ブレディングは、対照例1と同様に微粉パン粉をまぶすことによって行った。次に、二次衣液に浸して、この具材二次衣液を付着させた。ただし、この二次衣液は、実施例1の二次バッター用ミックス100質量部に粉末チーズ5質量部、水140質量部を添加・撹拌して調製したものである。 この次に、実施例1と同様に処理(予備油揚げ、冷凍、解凍及び油揚げ)して、比較例1のチーズ風味揚げ物食品を製造した。 【0030】 [比較例2] 比較例1と同様にして、一次バッターリング、ブレディング、及び二次バッターリングを行った。ただし、この二次衣液は、実施例1の二次バッター用ミックス100質量部に粉末チーズ50質量部、水190質量部を添加・撹拌して調製したものである。 この次に、実施例1と同様に処理(予備油揚げ、冷凍、解凍及び油揚げ)して、比較例2のチーズ風味揚げ物食品を製造した。 【0031】 [比較例3] 実施例1と同じ具材に、まず直接にチーズ粉末を付着させた。チーズ粉末が付着した具材に対して、対照例1と同様にして、一次バッターリング、ブレディング、及び二次バッターリングを行った。 次に、実施例1と同様に処理(予備油揚げ、冷凍、解凍及び油揚げ)して、比較例3のチーズ風味揚げ物食品を製造した。 【0032】 [試験例1] 実施例1、対照例1及び比較例1〜3で得られたチーズ風味揚げ物食品を、食味、食感、外観、及び具材と衣の結着性について、以下のように評価試験を行った。 得られたチーズ風味揚げ物食品を、10人のパネラーがそれぞれ2個ずつ試食して、下記の評価基準により、食味、食感、外観、及び具材と衣の結着性について評価し、その平均点を評価得点とした。その結果を下記の表1に示す。なお、食味、食感、外観、及び具材と衣の結着性は、対照例1を基準(評点3)とした。 【0033】 <食味> 評点 評価 5 チーズ風味が豊かである 4 ややチーズ風味が感じられる 3 味・風味がよい (対照例1) 2 やや焦げの風味がする 1 焦げの風味がする <食感> 評点 評価 5 非常に軽く、ソフトでサクミがある 4 サクミがあり軽い食感である 3 サクミがあり歯切れがよい (対照例1) 2 サクミがあるがやや重い 1 重く硬い食感である <外観> 評点 評価 3 散りがなく明るい揚げ色で揚げムラがない (対照例1) 2 散り、揚げムラがあり、揚げ衣がやや褐変している 1 衣の破裂、散りがあり、揚げ衣が褐変している <具と衣の結着性> 評点 評価 3 具と衣が均一に結着している (対照例1) 2 具と衣の結着が弱く一部剥がれている 1 具と衣が結着せず剥がれている 【0034】 【表1】
【0035】 実施例1のチーズ風味揚げ物食品は、食味の点ではチーズ風味が濃厚に感じられ、食感の点では非常に軽くソフトでサクミがあり、外観の点では散りがなく明るい揚げ色であり、しかも、具と衣が均一にしっかり結着していることがわかった。 すなわち、実施例1のチーズ風味揚げ物食品は、揚げ物の本来の食味を損なうことなく、豊かなチーズ風味を有するものであった。 【0036】 比較例1のチーズ風味揚げ物食品は、食感の点ではサクミがあって比較的軽い食感であり、具と衣は均一に結着しているが、食味の点では微かにチーズ風味が感じられる程度であり、また外観は衣がやや散り、揚げムラがあり、僅かに褐変していた。 すなわち、比較例1のチーズ風味揚げ物食品は、食感、具と衣の結着性について問題はないものの、チーズ風味という点では劣り、また外観はやや劣るものであった。 【0037】 比較例2のチーズ風味揚げ物食品は、食味の点ではチーズ風味がやや感じられ、具と衣は均一に結着しているが、やや重く硬い食感であり、その外観は衣の破裂、散りがあり、また褐変していた。 すなわち、比較例2のチーズ風味揚げ物食品は、具と衣の結着性について問題はないものの、チーズ風味がやや感じられる程度で、また食感は劣り、外観は著しく劣るものであった。 【0038】 比較例3のチーズ風味揚げ物食品は、衣はサクミがあり軽い食感であり、外観も散りがなく、明るい揚げ色であるが、食味の点ではチーズ風味はやや弱く、具と衣は結着せずに剥がれている部分が多いものであった。 すなわち、比較例3のチーズ風味揚げ物食品は、食感、外観の点では問題はないが、チーズ風味においてやや劣り、具と衣の接着性については著しく劣るものであった。 【0039】 [試験例2] 実施例1及び比較例1〜3において、一次バッターリング、ブレディング、及び二次バッターリングを施し、油揚げする前の具材について、用いたチーズ粉末の量と、残余のチーズ粉末の量から、具材に付着したチーズ粉末の量を算出したところ、具材約12g当たり付着したチーズ粉末はそれぞれ以下の通りであった。 実施例1: 3.4g 比較例1: 0.1g 比較例2: 4.5g 比較例3: 1.0g 【0040】 これらの結果から、実施例1のチーズ風味揚げ物食品では、比較例1及び3の揚げ物食品と比較して、チーズ粉末の付着量が多いことがわかる。また、この結果は、試験例1における食味(チーズ風味の程度)と相関していた。 一方、比較例2では、具材へのチーズ粉末の付着量は実施例1よりも多いが、チーズ風味は実施例1の揚げ物よりも弱いものであった(試験例1を参照)。これは、具材には多量のチーズ粉末が付着するものの、油揚げの過程で、油中にチーズが散って揚げ物からかなりのチーズが欠落してしまったため、また焦げてチーズ風味が失われてしまったためと考えられる。 【0041】 すなわち、本発明の製造方法によれば、揚げ物の好ましい食味・食感や外観等を損なうことなく、多量の粉末チーズをチーズ風味揚げ物食品に含有させることが可能であり、結果として衣が豊かなチーズ風味を保持する揚げ物食品が提供されることがわかった。 【0042】 また、加熱処理として、実施例1のように「予備油揚げ、冷凍、解凍、油揚げ処理」という処理工程を順に経ることなく、単に175℃で4.5分間、油揚げした場合にも、同様の結果が得られた。 【0043】 また、実施例1及び比較例1〜3で使用するチーズ粉末を、エダムチーズ粉末から、パルメザンチーズ粉末に置き換えて同様の実験を行った場合にも、食味、食感、外観、具と衣の結着性の各項目について、同様の結果が得られた。 【0044】 以上から、本発明の製造方法によれば、衣に多量のチーズを保持させても、衣の破損や散り、揚げ衣の褐変も生じないために、揚げ物本来の外観の美しさを損なうことがなく、衣の食感をより軽くサクミのあるものにして、揚げ物本来の好ましい食感を損なうこともなく、さらに具材と衣の分離が生じることがない、豊かなチーズ風味を有する揚げ物食品(チーズ風味揚げ物食品)が得られることがわかった。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】301049777 【氏名又は名称】日清製粉株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年7月7日(2006.7.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102668 【弁理士】 【氏名又は名称】佐伯 憲生
【識別番号】100127133 【弁理士】 【氏名又は名称】小板橋 浩之
|
| 【公開番号】 |
特開2008−11802(P2008−11802A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−187593(P2006−187593) |
|